マスメディアの牽制勢力とソーシャルメディアの真価 | 業界人間ベム

業界人間ベム - 2010年6月6日(日) 10:34
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 今朝、サンデーモーニングをちらっと観ていると、天野祐吉氏がビデオで登場し、日本の首相がコロコロ代わることを端的に「マスコミのせいでしょう。批判ばかりで批評しない。」とさすがに批評のプロらしく語った。これを受けて番組のコメンテーターたちは誰も自分たちの番組を反省するということがない。わざわざこんなVを流してなお、このテーマすら他人ごとのようにコメントするずうずうしさはいったい何なのだろう。

 権力には必ず牽制勢力が存在して、その機能を果たさなければならない。司法、立法、行政の3権はもちろん、メディアの権力に対してもそうである。
 一方、業界では、「3すくみならぬ、5すくみ」の構造があると云われていた。いわく「広告屋は広告主企業に頭が上がらず、企業は役所に頭が上がらず、役所は政治家に頭があがらず、政治家はメディアを畏れ、メディアは広告会社に頭が上がらない。」 ただこれは日本ではとてもこうなっているとは思えない。とてもじゃないが、広告会社がメディアの牽制勢力になっているなんてことはまるでない。(敢えて云えば電通さんくらいだが、一定の影響力はあっても牽制などしていない・・・)誰にも頭が上がらないのが広告屋だ。

 では誰がマスメディアという権力の牽制勢力となるのだろうか。
その答えは、やはり「視聴者であり、読者である」国民、市民である。そしてその発言を支えるのはまぎれもなく「ソーシャルメディア」である。
 ソーシャルメディアの社会的意義のひとつは、大手マスコミの牽制勢力たることであると云える。特に国民共有の財産である電波の、特に経済性の高い周波数帯をもらって免許事業をするテレビ局は、民間会社とはいえ、高い参入障壁で守られているのだから、大きな社会的責任を負う。
 そもそも民放の電波であるVHS帯域は、もっとも経済性の高い周波数帯域だ。ここを民放中心に振り分けたのはGHQの意志だ。占領軍は、「大本営発表」のような悪しきメディア統制を嫌い、民間放送に最もおいしい帯域を分け与えた。
 
 結果、権力の牽制勢力であるマスメディアの意義を高めるあまり、批判しか機能しなくなっていった。批判ではなく批評をして、是々非々で、良いものは評価して育てようとする気持ちがない。まあ批判に徹する方が簡単、単純だからだ。それもある意味仕方ない面もある。変に一部の政治勢力を賛美し始めたらコトだ。


 テレビに出ると、その場の論調に迎合させられる力が働くのか、よっぽど見識をしっかり持った人でないと、自分の独自の意見をしっかり言える人は少ない。
マスメディア特にテレビに登場するコメンテーターが、何故強迫観念に駆られたように、批判合戦になってしまうのだろうか。その場のムードに贖えないのはどうしてか。見識があっても、いったん批判的な論調で進むと、良いことは良いということや、そうした批判論調そのものに対する自省をコメントするのはたいへん難しいようだ。その意味でも、そもそも見識などないタレントがコメンテーターで出てくるに至っては、論外である。政治的な、国民の共通の利益に適うことかどうかというようなまじめな話を、しかも全国放送、1000万人単位で観ているような番組で、しょうもないタレントに平気でコメントさせるテレビの見識のなさに、視聴者は実は相当うんざりしている。ただ多くの人はサイレントだ。いちいち文句をつけるほど暇ではなく、テレビをそれほど重要だとは、もはや思っていない。

 もちろんソーシャルメディアの世界は玉石混交である。自分の意見のない人も多い。しかしここにはマスメディアでは出会えない素晴らしい見識もある。うまく使って、世の中にはマスメディア以外にも良い考え方や物事の捉え方があることを知るのは、たいへん良いことだ。そしてマスメディアに対しては、単純な批判ではなく批評になる。当然だが多くのコメンテーターがいるからだ。評価する人もいっぱいいる。
 
こうしたことと同時にソーシャルメディアによって、今議論するべきことは何かを吸い上げて多くの人の話題とすることが重要だ。マスメディアの力はその論調に影響されるということもあるが、それ以前に「今重要なことはコレ!」とテーマを規定してしまう力だ。マスコミで話題になっていることを受けて反応するだけなく、マスコミは取り上げないが、これは「重要なテーマだ」とソーシャルメディア環境から、議論が渦を巻いて盛り上がってきてこそ、自らのメディアとしての真価を発揮するのであろう。

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