製品開発と連動したSEOの戦略ロードマップ | SEO Japan

SEO Japan - 2010年5月26日(水) 16:02
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サーチエンジンランドから「インハウスSEO」特集の記事を。ウェブサービスの開発やウェブサイト公開と連動してSEOを効果的・効率的に実践していく手法を紹介。SEOはサイト公開後に考えれば良いと思っている方は一読しておくべきかも。– SEO Japan

SEOのロードマップは社内のSEOにとってはとても重要度が高い。ロードマップは、タスクの優先順位付けのベースであり、全体の構想に各プロセスがフィットする仕組みを示し、どのプロジェクトを推したいのかについて、幅広く理解することが出来るようになる。その中でも、SEOのロードマップを製品開発のロードマップに1対1でマッチさせることが出来る点は最大の利点と言えるだろう。私が用いる例の幾つかは曖昧だが、意図的に曖昧にしている。なぜなら、プロジェクトの名前よりも、種類の方が重要だからだ。

クイックウィン(Quick-Win)を探る

クイックウィンは、最小限の開発リソースで、早い段階で解決することが可能な既存のインフラの問題において、進歩を見たい際にとても役に立つ。「XYZセクションのタイトルタグを修正」や「カノニカルなリンクタグを重複するコンテンツに割り当てる」等がクイックウィンのプロジェクトに当たる。
クイックウィンの目的は、足掛かりをつかみ、変更を加え、取り組みに対する勢いを得ることだ。コンテンツのインデックス、トラフィック、もしくはランキングを最初の数ヶ月で改善すれば、会社からすぐに一目置かれ、皆さんが考案した大掛かりなプロジェクトを真剣に見てもらえるようになるだろう。それだけでなく、トラフィックおよびユーザーの獲得に対する全社的なイニシアチブのかじ取りを任せられるかもしれない。

大きなプロジェクトの準備に取り掛かる

ロードマップにクイックウィンのリストを記したら、大きな問題、プロジェクト、そして、一年を通して取り組みたい主要な仕事について考えよう。「サイト全体のアーキテクチャを修正」は主要な問題と言えるだろう。「URLの正規化および関連性の整理」も主要な仕事の一つに挙げられる。このようなプロジェクトは、オンページのSEOの観点から見ると、成功への架け橋とも言え、目立った変化をもたらす作業に取り組むことが出来るようになるのだ。
大きなプロジェクトで注目したい点は他にもある。それは“ブロッカー”だ。これは、リンク構築、内部リンク、もしくはソーシャルメディアにおいて進歩を遂げる上で重要なプロジェクトであり、基本的に、目立った変化をもたらす仕事を妨げる性質を持っている。ブロッカーが大きなプロジェクトかどうかはケースバイケースだが、絶対に最優先したい。

ロードマップに早い段階で取り掛かる

多くの人々がSEOはサイト公開後の作業だと考えている。これは誤りだ。製品チームがサイトの新しい部分やデザイン変更等を実行に移そうとする際に、「今日中にSEOの条件を教えてくれないか?」と言い出したらどうするのだろうか?幸運を祈る、としか言えないのではない。
当然だが、タイトルタグの構造、URLの構造、内部リンクのアイデア等、1日かけて必死にレクチャーすることも出来る。しかし、再び同じ説明をすることになるだろう。なぜなら、彼らがこれらの作業の重要度を理解している可能性は低く、また、時間が限られていたために何かを言い忘れ、期待したほど大きなインパクトが出ないからだ。
製品やウェブサイトの変更を実施するチームに、SEOは総合的なプロセスであり、機会、マーケット等を理解する必要がある点、そして、大抵の場合事前にあれこれ考える必要がある点を徹底して叩きこもう。こうすることでオンページのSEOおよびサイトのアーキテクチャの条件、リンクを生成する方法、そして、コンテンツを作ってソーシャルメディアでプッシュする方法等を考える時間が生まれる。その結果、SEOのサイトアーキテクチャ、ソーシャルメディア、そして、リンク構築の要素を含むSEO Go To Market 戦略を策定することが出来るようになるだろう。

SEOのプロジェクトの優先順位をつける

これで、クイックウィンのリストおよびメジャーなプロジェクトリストを手に入れ、そして、全社的な製品ロードマップを理解してもらったことになり、SEOのロードマップの優先順位をつける準備が整った。私はP1-P5システム(優先順位1~5)を愛用している。P1は最も重要なプロジェクトであり、P5は最も重要度が低いプロジェクトを意味する。基本のプロジェクト管理アプローチを用いて、優先順位をつけていけばよい:

P1: 私はブロッカーのためにP1は空けておくようにしており、このプロジェクトよりも他のアクティビティを優先することは許さない。P1は毎週のように、そして、時には毎日のようにチームのメンバーに促すようなタイプのプロジェクトである。
P2: 長期に及ぶものの、会社にとっては非常に重要な優先順位の高いアイテムであることが多い。
P3: 絶対に優先するべきプロジェクトではないが、なるべく早く実施しておきたいタイプ。このカテゴリには企業の特定のページもしくは優先順位の低いコンテンツ/分野に関連するプロジェクトが該当するだろう。
P4/P5: この2つのタイプのプロジェクトには柔軟に対処して構わない。基本的にはSEOのイニシアチブをもたらすわけでも、破壊するわけでもないプロジェクトだと私は考えている。現時点では取り掛かる必要がなく、例えば、私ならページのH2やH3の修正はP4、メタキーワードの修正はP5に振り分けるだろう。これらはプッシュするわけでないものの、解決することが出来ればそれに越したことはないプロジェクトと言えるだろう。

こうすることで、SEOのアイテムをタイミングよく実施することが出来るようになる。P1のアイテムに対しては、仕様書、文書、ガイドライン等を揃え、開発チームおよびQAチームに準備を整えさせて、彼らが作業に集中する環境を作ろう。すると自分が“ブロッカー”にならずに済む。そのため、製品チームに何と戦ってもらいたいのかを把握することが出来るのだ。私はP3以下のプロジェクトに関しては経営陣には伝えない。なぜなら、大きな成果をもたらす可能性がないからだ。しかし、P1に関しては、効果がない場合直ちに上司に報告する。

リンク構築とソーシャルメディアを製品のローンチに合わせる

製品がローンチされる時期を把握しておくと、この計画を立てやすくなる。まず、時期を事前に明確に把握し、余裕を持ってコンテンツチームや外部の業者と協力することが出来るようになるだろう。製品開発のタスクと平行して行われる「XYZ 製品ローンチの見通し」と呼ばれるタスクを作り、当該のプロジェクトに関連する取り組みをチェックしていこう。
このプロジェクトに関連するアクティビティの一部は、コンテンツのシンディケーション、もしくはゲスト投稿等、ビジネス開発の機会が必要になる可能性があるアクティビティも存在する。時間を取って、記事、ブログのエントリ、当該の製品、分野、もしくはサービスに関連する画像に対するコンテンツを作成しよう。ソーシャルメディアの見通し計画を策定し、全体的なSEOの取り組みを補おう。

戦略が全て

SEOのロードマップを策定する際、そして、製品チームと体制にロードマップを合わせる際に戦略的に臨むことが出来るかどうかが、成功に大きく影響する。これらのプロジェクトを完了するまで追跡し、ランキング、トラフィック等についてローンチ後の分析を行うことで、プロジェクトを総括し、成果について説明することが出来るようになる。そうするれば、今後のプロジェクトを前進させ、ゆくゆくはさらにインパクトを与えることが出来るはずだ。
SEOの戦略に関する意見、そして、同様のプロジェクト管理の基本を社内のSEOの取り組みに実装した際の体験談をコメント欄で聞かせてもらえるとありがたい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「SEO Roadmap & Strategy: Getting Aligned With Product Development」を翻訳した内容です。
This article on Columns: In House first appeared on Search Engine Land.
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SEOにどこから取り組んでいけば良いのかよく分からないと言う方には参考になるアドバイスだったかもしれません。SEOに限らず何事もロードマップを考えて取り組んでいくことが中長期的に成功につなげていくには大事ですよね。短期的な戦術だけが取り上げられがちなSEOですが、全体のロードマップを考えて戦略的に取り組んでいくことが中長期的には、その結果に大きな差を生むのは間違いないと思います。この記事を読んで自社のSEO施策を見直してみるのも良いかもしれません。 — SEO Japan
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