年収とリスキリングに相関あり? 年収500万円以上の約5割がキャリア転換を検討【NTTデータ経営研究所/NTTコムOMR調べ】
NTTデータ経営研究所/NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは、「令和のキャリアプラン」に関する調査結果を発表した。就業中の20~60代以上の男女(「NTTコム リサーチ」登録モニター)1,055人が回答した。
企業が提供するキャリア施策に対する個人の受け止め方・活用状況・評価、キャリア自律・流動性に関する検討・浸透状況、将来を見据えたリスキリングの実施テーマと活動実態の3点について調査を行っている。
キャリア施策、過半数が認知も活用は1割強
正社員である840人に、「企業が導入する主要なキャリア施策(12項目)の実施状況、認知度、利用度、満足度、必要性の認識」について聞くと、「キャリア施策を認知している」53.4%は過半数だったが、「利用している」と回答した人は11.9%にとどまっていた。またすべての施策において「低評価」が「高評価」を上回る傾向が見られた。
企業が導入する主要なキャリア施策は以下の12項目。
- 基礎・汎用スキル(文章表現・読解力・計数力等)
- メンタル・適応スキル(レジリエンス・回復力・ストレス軽減等)
- 自己開発スキル(生涯学習・共感力・傾聴力等)
- 作業・技巧スキル(専門作業・スピード・正確性等)
- リーダーシップ・管理スキル(マネジメント力・管理系資格スキル等)
- 思考スキル(分析思考・創造性思考・システム思考等)
- デザインスキル(ユーザーデザイン・ユーザー体験設計等)
- サービススキル(顧客サービス向上・サービス志向等)
- マーケティングスキル(メディア・マーケティング関連等)
- Digital・ITスキル(AI・ビッグデータ・セキュリティ・プログラミング等)
- グローバル系スキル(言語・異文化理解等)
- サステナビリティ系スキル(環境・持続可能性関連等)
キャリア転換について役職別で見ると、係長クラス以上は70%以上が転換を想定していたが、主任・リーダークラスは51.0%、役職なしは24.4%にとどまった。年収別では、500万円以上の層は約50%が転換を想定していたが、500万円未満の層は17.8~38.6%にとどまった。
さらにリスキリング実施率について、12スキル領域別に集計すると、「取り組んでいる」は正社員で34.9%、契約社員では22.7%にとどまり、役職なし(もっとも高い層との差:24.7ポイント)、従業員規模300人未満(同22.9ポイント)の企業、年収200万円未満(同37.1ポイント)の層において、特に実施率が低かった。
キャリア形成支援施策の全12項目は以下のとおり。
- 企業内での中長期的なキャリアパス・キャリアルートの明示
- 自分自身の中長期的なキャリアを考える機会の提供(キャリアカウンセリング・適性診断等)
- 社内での別職種の内容やロールモデルを探すための仕組み(キャリアポータル・組織横断ネットワーキング支援等)
- 現在の担当業務に関連するトレーニング・能力開発機会の提供(研修・e-ラーニング・OJT等)
- 現在の担当業務以外のトレーニング機会の提供(研修・e-ラーニング・OJT等)
- 社外からの新たな専門性・知見・働き方・文化を持った人材の積極的な採用
- 新たな仕事・職種への異動機会の提供(公募・ジョブローテーション等)
- 個人の能力成長の進捗確認や評価の実施
- 職種やキャリア転換時のリスクを軽減するための制度(異動直後の評価猶予期間設定等)
- 自分自身の関心に合わせた学習・能力開発支援(外部研修費用支援・書籍代支援等)
- 自身の能力開発・学習余力を生むフレックスワーク・勤務内での能力開発時間等の確保
- キャリア検討・転換について心理的安全性を確保した相談先(独立したキャリアプラン相談デスク等のサービス)
調査概要
- 【調査対象】就業中の20~60代以上の男女
- 【調査方法】非公開型インターネットアンケート(NTTコム リサーチ クローズド調査)
- 【調査時期】2024年7月23日~26日
- 【有効回答数】1,055人(男性:531、女性:524)
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