ライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムは、データ分析チームの発足(2019年)から4年で、売上高は約2倍となる年商51億円超、D2Cでの商品販売で定価消化率95%を達成したと公表した。
チームの発足でデータ解析基盤を構築。2018年7月期売上高は21億円だったが、データ分析チーム発足4年後の2022年7月期には約2倍の51億円へと成長した。
売上高・経常利益・経常利益率の推移
データは会社の予算、発注予測、活用事例、商品の販売動向データを新商品の開発に活用。発注予測では、MDグループが発注予測を立てる際の裏付けとしてデータを活用して意思決定の迅速化や精度向上につながり、2021年7月期、2022年7月期はともに全商品の定価消化率は95%を超えた。
同時に、高い数値を維持しながらさまざまな解析作業の効率化も進め、2022年7月期の残業時間は月平均1人当たり約4.8時間だったとしている。
データ分析チームは、「ビジネスサイド」「データアナリスト」「データエンジニア」で構成・運営している。3者の役割は以下の通り。
- ビジネスサイド……数値分析から売上予測を立て、各施策を決定
- データアナリスト……ビジネスサイドが判断を行うためのデータを決定
- エンジニアサイド……データアナリストが必要だと判断した数値を抽出
3者が協力することで、データやプログラミング等の専門知識がなくてもデータ活用ができる基盤を構築。まず経営企画やMD(マーチャンダイズ)グループを中心に活用を開始した。現在、現場からのフィードバックを受け、スマホアプリのグロース施策やカスタマーサポート、SNS運用の改良にもデータ活用を実現している。
データ分析チームの運用体制図
データ分析チームは、社内外にこだわらずプロの人材で構成している。チーム運営のコンサルティングは風音屋、ビジネスサイドは社内スタッフ、データアナリストは副業採用の社員、開発はカヤックと社内エンジニアが担当している。
SNS、メルマガでの顧客動向も分析しており、効果的なフォーマットに改善。SNSやメールマガジンの登録者数の推移や流入元分析によってエンゲージメントアカウント数を増やし、流入元ごとのCTRやCVRを計測することで、より効果の高いフォーマットへの改善を行っている。
データ分析チームが導入しているBIツールは「Looker」で、分析環境の安定化、経営陣や現場に近いスタッフも気軽に日々の数値を確認するためのダッシュボード作成に生かしている。
データウェアハウスは「BigQuery」で、「Looker」との相性が良いという。各種データを集約化できるために導入した。
分析基盤の総合支援ツールは「trocco」。データ転送の効率化や、複数のデータベースを「BigQuery」に取り込むことで、分析の対象を広げて事業の状態を可視化し、意思決定のスピードを加速するために導入した。
データ分析チーム発足前の解析対象は、自社ECの受注、会員データ、Google Analyticの行動ログだった。発足後はこれらに加え、読み物に関するデータ、在庫データ、顧客対応データ、予算データなどが解析対象に加わっている。
解析対象データの変化図
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オリジナル記事:売上約2倍、定価消化率95%、残業は月平均4.8時間。「北欧、暮らしの道具店」のクラシコムがデータ分析チーム構築で得た効果とは
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