経済産業省が8月12日に発表した「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2021年のBtoC-EC市場規模は20兆6950億円で前年比7.35%増だった。
2021年のBtoC-EC市場規模
物販系分野のBtoC-EC市場規模は13兆2865億円で同8.61%増。商取引金額に対するBtoC-EC市場規模の割合を示すEC化率は8.78%で同0.7ポイント増。EC化率は、電話、FAX、Eメール、相対(対面)なども含めた全商取引金額(商取引市場規模)に対するEC市場規模の割合と定義している。
物販系分野のBtoC-EC市場規模とEC化率の推移
2021年におけるBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は372兆7073億円で同11.3%増。EC化率は35.6%で同2.1ポイント増。
BtoB-EC市場規模とEC化率の推移
2021年のCtoC-EC市場規模は2兆2121億円で同12.9%増。
CtoC-EC市場規模の推移
BtoC-EC市場について
2020年は新型コロナウイルスの感染症拡大の対策で、外出自粛の呼びかけ、EC利用の推奨により物販系分野は大幅に市場規模が拡大した一方、主に旅行サービスの縮小などでサービス系分野の市場規模が大幅に減少したためBtoC-EC市場規模全体は縮小した。
2021年は順調に市場は拡大。「新型コロナウイルス感染症拡大の影響が強まる前の令和元年(2019年)における市場規模を超したと評価できる」(経済産業省)としている。
2021年のBtoC-EC市場について、物販系分野は同8.61%増の13兆2865億円、サービス系分野は同1.29%増の4兆6424億円、デジタル系分野は同12.38%増の2兆7661億円。
2021年のBtoC-EC市場の内訳
物販系分野について
すべてのジャンルで2021年のEC市場規模は前年実績を上回っている。
最も高い伸び率を記録したのは「食品、飲料、酒類」(2兆5199億円)で同14.1%増。新型コロナウィルス感染症拡大により利用が進んだ食品ECが、2021年もさらに浸透したと言える。
なお、「食品、飲料、酒類」(2兆5199億円)、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆4584億円)、「衣類・服装雑貨等」(2兆4279億円)、「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆2752億円)の上位4カテゴリー合計で2兆円を突破。物販系分野の73%を占めた。
また、「書籍、映像・音楽ソフト」(46.20%)、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(38.13%)、「生活雑貨、家具、インテリア」(28.25%)ではEC化率が高い数値を示している。
物販系分野のジャンル別内訳
サービス系分野について
2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大きく市場規模が縮小したものの、2021年は市場規模は増加に転じた。だが、市場規模はコロナ前(7兆1672億円)には戻っていない。
2021年は「チケット販売」の市場規模が回復したものの、「旅行サービス」「飲食サービス」の減少が続いている。
サービス系分野のジャンル別内訳
デジタル系分野について
「オンラインゲーム」(1兆6127億円)が大きな割合を占めている。2年連続で2ケタの伸び率を記録。新型コロナウイルス感染症拡大を受けた巣ごもり消費で、「オンラインゲーム」「有料動画配信」「電子出版(電子書籍・電子雑誌)」が伸びたと推測される。
デジタル系分野のジャンル別内訳
スマホEC市場の規模
2020年における世帯あたりのスマートフォンの普及率が86.8%に達し、「相対的に、パソコンの保有率は低下傾向にあり、スマートフォンの存在感は年々増している状況にある」(経産省)
ECでもその傾向が見られ、物販分野におけるスマートフォン経由のBtoC-EC市場規模は6兆9421億円で前年比11.5%増。物販のBtoC-EC市場規模の52.2%を占めている。
前年比1兆532億円の増加であり、電子商取引においては市場規模が拡大するなかでPCからスマートフォンへの移行がさらに進んでいるものと見られる。(経産省)
スマホEC市場規模とその割合の推移
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オリジナル記事:BtoC-EC市場規模は20.6兆円。物販系は13兆円でEC化率は8.78%、スマホEC規模は6.9兆円【2021年の電子商取引調査まとめ】
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