近時の新型コロナ・ウイルス感染症の影響や同業他社の追い上げ等の厳しい経営環境の中で、今後も当社グループが発展していくためにも、本件を踏まえた今後の対応が、単に以降の広告内容が「おとり広告」にならないようにする、という場当たり的なレベルにとどまってはならない。
スシローが業界最大手であること、また、本件を受けて、当社グループに対する消費者や社会の目がかなり厳しくなっていることも強く認識し、今一度、消費者目線に立って物事を考えていく必要がある。
実際はすしの在庫がないのに販売しているかのように宣伝していたとして、消費者庁から「おとり広告」を行ったとして景品表示法違反で措置命令を受けた大手回転寿司チェーンのあきんどスシロー。
親会社FOOD&LIFE COMPANIESの社外取締役で構成する監査等委員会、利害関係を有しない外部弁護士4人が調査報告書を作成。報告書のまとめでは、上記のような厳しいメッセージを、FOOD&LIFE COMPANIESに投げかけている。
7月6日に公表した
調査報告書(クリックするとPDFが開きます。画像は公表資料から編集部がキャプチャ)
今回の報告書では、コンプライアンス意識の向上として、「消費者の気持ちから考える」「経営陣がコンプライアンスの遵守が最優先の経営課題であることを宣言する」「研修や教育の実施」「キャンペーンそのものに関するあり方の再検討」――などをが必要であることを指摘してきしている。
事実関係、原因の調査結果のほか、再発防止策をまとめた報告書から、FOOD&LIFE COMPANIESの再発防止策、景品表示法対策をまとめた。
再発防止のための対策
キャンペーン商品の改善
- コマーシャルなどにおけるキャンペーン商品は、期間全日で販売が継続できるよう計画販売を実行
- キャンペーン内容を決定する会議にて法務部門が参加、法的視点からの確認を実施
- 既存商品などについて広告表現を変更する場合、事前に法務部門にも確認を入れる体制へ変更
- 1日数量限定のキャンペーン商品の内、当日販売予定分に完売が出た場合、店頭において告知する
キャンペーン開始後の管理体制の構築
- 欠品などの事情で消費者に広告通りの商品を提供できない場合、適時に広告の掲載中止・変更を行うため、販売状況のモニタリング実施と関係部署における情報共有を徹底
- キャンペーンの内容変更、それに伴う広告内容の変更対応の検討を行う体制の構築
コンプライアンス意識の向上と日常業務への反映を徹底
- 経営陣を含めたコンプライアンス教育の実施によるコンプライアンス意識の向上(景品表示法など関係する法令についての教育を徹底)。なお、経営陣、広告に関連する部署の全従業員に対し、景品表示法に関する研修を実施している
- 経営陣による、社内への継続的なコンプライアンスに関する情報発信を実施。全社一丸となったコンプライアンス意識の醸成と、各自の業務への反映を徹底
広告制作、その審査に関わる体制の再整備
- 適正な広告制作のためのガイドラインを作成し、それを徹底する
- 広告の内容・出稿などに関する管理責任者を明確化
不適切な広告などを発見した場合の体制構築
- 不適切な広告などが実施された場合、その使用をすぐに停止できる体制構築(責任者およびその権限の明確化)
- 内部通報制度を含め、不適切な広告などに気づいた際に必ず情報が責任者などに届く体制の構築
キャンペーンのあり方の見直し
- 消費者の期待に添った商品提供を、できる限り実現できるような期間設定、仕組みや方法の検討
- 限りある資源をフードロスが生じないように守りながら、消費者が満足する商品を提供できる販売方法の検討
- 精度の高い販売予測と、それに合わせた食材の調達の実施
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オリジナル記事:スシローの景表法違反事例に学ぶ景品表示法の対策と体制整備&再発防止策
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