楽天は12月25日、提供するID型決済サービス「楽天ID決済」の提携事業者を拡大し、新たに4社のショッピングカートASPサービスで導入できるようにしたことを発表した。すでに、決済代行事業者3社、ASPカート5社と提携。今回の提携で多くのECサイトが「楽天ID決済」を導入できるようになる。
楽天は今後、さらに「楽天ID決済」の提携事業者を拡大する考え。「楽天ID決済」の拡大につなげていく。
新たに、GMOペパボが提供する「カラーミーショップ」、GMOメイクショップが提供する「MakeShop」、テモナが提供する「たまごリピート」、フューチャーショップが提供する「FutureShop2」に対応。それぞれのシステムの対応が済み次第、これらのショッピングカートASPを利用してECサイトを構築している店舗は、「楽天ID決済」を利用できるようになる。
記者発表会では楽天ID決済の特徴などを紹介。消費者は使い慣れた楽天会員IDとパスワードを提携サイトで入力するだけで決済を完了できる。クレジットカード番号を再入力する手間がなくなるほか、取引相手にクレジットカード番号を知られる心配がない。
店舗側では決済時の離脱率などを改善できる効果が期待されている。実際、楽天ID決済を利用している3000店舗における決済時の離脱率は10%程度という。通常クレジットカード番号を打ち込む際に比べ、離脱率は4分の1程度になっている。
楽天ID決済を利用することで1%のポイントを付与できるようになるほか、店舗は自由にポイント付与率を変更することが可能。キャンペーン展開なども行いやすくなるとしている。
ある総合通販サイトでは、クレジット決済利用者に比べて楽天ID決済利用者の方が購入単価で11%高く、年間注文件数が28%多いとの結果も出ている。
楽天ID決済について説明する楽天・高橋理人常務
スマホ対策、信頼性にも強み発揮
発表会には、ショッピングカートASP提供会社の役員がゲストとして参加。それぞれの立場から楽天ID決済の現状や課題を討論した。
討論の中で、「ショップサーブ」を提供するEストアーの細野純子執行役員は「スマートフォンで購入するユーザーが増えており、EC店舗はスマホ対策を行うことが急務となっている。スマホでクレジットカード番号まで入力するのは大変なため、IDとパスワードだけで決済を完了できる決済はスマホECに向いている」と、拡大するスマホECにとって最適なサービスであると語った。
また、フューチャーショップの星野裕子代表取締役は「自社サイトはモール店に比べて信用度が劣るが、楽天ID決済を導入している店ならば安心して買い物ができる」といったメリットがあることを強調した。
テモナの佐川隼人社長は「今後、実店舗との連携が重要になってくるが、こうした連携がスムーズにできるサービスを楽天ID決済で実現してもらいたい」と要望した。
楽天ID決済について話し合うショッピングカート各社
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オリジナル記事:楽天ID決済の提供を拡大、楽天がショッピングカートなどとの連携を強化
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