「スイーツ × テクノロジー」を軸に買う理由を可視化し、顧客体験を最大化するデジタルマーケティング~BAKEのオウンドメディア活用インタビュー~(前編) | ネットPR.JP

ネットPR.JP - 2015年3月6日(金) 07:50
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行列のできる店として有名な「焼きたてチーズタルト専門店 BAKE(ベイク)」をはじめ、魅力的なスイーツブランドを多彩に展開する株式会社BAKE様。
同社は写真ケーキをアプリから注文できる「PICTCAKE」など、デジタルテクノロジーの積極的な活用でも知られており、IT化に保守的と言われる洋菓子業界に新風を吹き込む存在として大きな注目を集めています。
今回ご登場いただくPICTCAKE事業部部長・広報の阿座上陽平氏は、「スイーツ×テクノロジー」によるイノベーションで「お菓子にもっと新しい価値を」生み出したいと語っておられます。そのイノベーションの部分について、同社の取り組みをお伺いしました。

シンプルかつ魅力的な商品ビジュアルで、自然発生的なクチコミや拡散を誘引する ――BAKEの手掛ける事業の全容についてお聞かせください。

主な事業としては、リアル店舗の「焼きたてチーズタルト専門店 BAKE(ベイク)」「シュークリーム専門店 クロッカンシューザクザク」、オンラインの「オンライン写真ケーキ専門店 PICTCAKE(ピクトケーキ)」の3ブランドになります。

チーズタルトはもともと親会社である「きのとや」の人気商品で、東京へ進出した際にファンの方々によってソーシャルメディアで拡散されたこともあり、大きな売上を出しています。一方、オンラインの「PICTCAKE」も順調に売上を伸ばしており、2年後にはいまの5倍の売上を目指しています。今後の事業拡大にあたっては1ブランド1商品という方針のもと、オフライン・オンラインを含めブランド数を着実に増やしていく予定です。

――BAKEの商品はメディアやオンライン上のクチコミなどで話題になっていますが、どこまでが意図的な仕掛けで、どこからが自然発生的なのでしょうか?

実は、ほとんどが自然発生です。最初のきっかけは、ブランドの立ち上げ当初に自社で作成したニュースリリースが、ファッション系のニュースメディアに掲載された時。その記事がTwitterやFacebookなどで拡散されて話題化し、その後はテレビ番組でも紹介されるなど、次々に広がっていきました。

コミュニケーションについては意図的にバズらせようとしたわけではありませんが、ここまで話題化したのは商品の見せ方にも要因があると思っています。ビジュアルを作り込み、焼きたてへのこだわりや食感などもわかりやすく伝えたことで、純粋に「おいしそう」と思ってもらえたのではないでしょうか。

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さくっとした食感のタルト+ふんわりとしたチーズクリームの「焼きたてチーズタルト」

――シンプルかつ明確なメッセージを打ち出せたことが成功の要因だと。先ほどの1ブランド1商品という考え方もそうですね。

はい。一見すると自然発生的ですが、実はビジュアル面で仕掛けている部分もあります。おいしいお菓子を若い世代にも広く楽しんでもらえるように、北海道発のお菓子でありながら、海外ブランドのような面白さ・格好よさを意識しています。それが結果的に話題化につながっているので、今後もビジュアルには力を入れていきたいと考えています。

「アプリで買える写真ケーキ」で潜在需要を掘り起こし、劇的な売上アップを実現 ――オンラインブランドの「PICTCAKE」では、写真ケーキのカスタマイズや購入ができるアプリが画期的ですね。

アプリを開発したのは、写真ケーキをもっと簡単に、楽しく注文できる仕組みが必要だと考えたからです。「PICTCAKE」の前は「clickoncake(クリックオンケーキ)」という宅配ケーキ専門サイトを運営していたのですが、当時は突き抜けるほどの売上がありませんでした。そこでユーザーの方々が「ネットで買う理由」とは何か、ヒアリングを行ったところ「写真ケーキなら買いたい」という声があったのです。

しかし当時の写真ケーキといえば、面倒なメールのやり取りや受け取りまでに時間がかかるなど、気軽に買えないものが一般的でした。その不便さを解決する手段としてアプリを開発したところ、売上が見る見るうちに上がっていったのです。そこで2014年の7月から「PICTCAKE」ブランド1本に切り替えた結果、いまでは売上が4倍になりました。

PICTCAKE_top

――ネットで買いたいという需要はあるのに何が阻害していたか、というところでアプリを作られたと。

そうですね。「ネットで買う理由」を作り出し、UX(ユーザーエクスペリエンス)を最大限高めることで売上アップにつなげていく。そのひとつの成功事例が「PICTCAKE」です。現在「PICTCAKE」の売上の半分はすでにアプリからの購入が占めていますが、恐らく他のECサイトではアプリがそれほど売上に貢献するとは思っていなかったでしょう。

UXを高めていけばソーシャルメディアでの拡散効果もより高まります。「PICTCAKE」はまだ立ち上げたばかりですが、それでも商品やサービスに感動されたお客様からInstagram(インスタグラム)などで盛んにシェアしていただいています。そこはもっと突き詰めていきたいですし、オンラインだからこそできることは積極的に取り組んでいきたいですね。

――アプリを利用している層にはリピーターが多いのですか?

現在、アプリからのリピート率は10%ほどです。主軸の商品が1年に1度しかない誕生日向けのケーキなので、どうしても数値に反映されるのは時間がかかりますが、近いうちに2割以上にはしていきたいと思っています。

ただし、PCベースのECサイトで買うよりも、自分のスマートフォンにアプリがある方がリピートしやすいという面はあると思います。EC業界において、いまの消費者は完全にスマホベースになっていますし、そうした方々にとってはアプリが一番買いやすい手段です。我々としても、プッシュ通知などアプリならではの機能を活用しながらイベントなどを仕掛けていきたいと考えています。

「良質な商品」が基本にあるからこそ、効果的なオンライン施策が可能となる ――オフライン・オンラインを含め、今後の事業展開についてお聞かせください。

リアルブランドについては、リーン・スタートアップ(※build(構築)、measure(測定)、learn(学習)のサイクルを効率的に回しながら改善することで、ユーザーに向けた迅速なサービス提供が可能になること)でトライ&エラーを経ながら積極的に出店していく予定です。そして、売上が伸びる時期に多く展開して投資分を回収し、そこで出た利益をオンラインブランドや新しいサービスなどへ投資していくことで、相乗的な売上アップを図っていきたいと考えています。

一方、オンラインブランドでは2015年の秋頃、チョコレートのカスタマイズができるECサイトをスタートさせる予定です。また「PICTCAKE」についても、写真ケーキにアプリ経由でカメラをかざすとメッセージが立ち上がるAR機能を追加するなど、UXを高めるさまざまな施策に取り組んでいきます。

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自由が丘店に並ぶ焼き立てのチーズタルトは、開店前からお客さんの列ができるほどの人気商品。

――その、さまざまな取り組みの根本にあるものとは何ですか?

何よりもまず、おいしいお菓子であること。どんなに面白い仕掛けをしても、商品がおいしくなければリピートにはつながりません。フレッシュであること、原材料にこだわること、誰よりも手間をかけることという3つのポイントを忠実に守りながら、確実においしい商品を作ることが大切です。

そのうえで、企業理念でもある「お菓子にもっと新しい価値を」の実現に向けて、オンラインを活用しながら売り方や伝え方を工夫していく。その先には、日本を代表する製菓メーカーという目標も見据えています。

今回は、話題化につながる商品の見せ方やアプリの活用など、Webを活用した商品プロモーションについてお届けしました。
後編では「スイーツ×テクノロジー」で業界のイノベーションを目指すBAKE様の取り組みについてお聞きします。

<今回お話いただいたのは…>
bake_azagami
阿座上 陽平(アザカミ ヨウヘイ)
株式会社BAKE PICTCAKE事業部 部長 兼 広報

出版社、デジタルコミュニケーションエージェンシー、インテリアの企画販売会社を経てBAKEへ参画。商品の企画・製造から、販売プロモーションやデジタルを活用したコミュニケーションの実施を行ってきた経験を基にお菓子のスタートアップである株式会社BAKEにて、オンライン事業部の責任者および、広報としてBAKEの魅力を発信しファンを作っていくプロジェクトを推進している。

<インタビュアー紹介>
N2u_asahi
朝火 英樹(アサヒ ヒデキ)
株式会社ニューズ・ツー・ユー マーケティングコミュニケーション部 マネージャー

NEC、ソフトバンクモバイルを経て、2014年9月ニューズ・ツー・ユーに参画。
事業主側でWebマーケティングを推進してきた経験を活かし、現在、ニューズ・ツー・ユーにてネットPR(News2uリリース)を軸としたオウンドメディアによるマーケティング コミュニケーションの仕組みづくりを推進中。

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