第5回 PDCAサイクルで考えるWebサイト最適化手法

Webサイトの分析におけるWebサイトの最適化手法とPDCAサイクルの一例をご紹介致します。
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第5回 PDCAサイクルで考えるWebサイト最適化手法

Adobe社が提供するAdobe Analytics(以下AA)は、その多機能性と分析ツールの豊富さが際立つWeb分析ツールです。
過去のエントリーではデータ取得の仕組み、取得データの定め方、効率よくデータ取得~分析を行う手法、GAとの機能比較をご紹介致しました。
今回は最終エントリーとして、AAを活用したPDCAサイクルを基としたwebサイト改善手法をご紹介いたします。

■Webサイトとサイト分析のPDCAサイクル

本エントリーをご覧になっている皆様は、日頃からどうすれば担当webサイトをより良くできるかを検討されていることと思います。
この目的に沿って、課題抽出~原因の仮説出し、対策立案、実施し結果を判断し次アクションに繋げる、一連のPDCAを回されている方も多いかと思います。

しかし、施策を実施後、分析ツールで計測するも改善効果が現れず、どこに問題があるか、次アクションとして何をすれば良いか頭を悩ますケースを良く耳にします。
筆者自身もWebサイトリニューアルに関わっていた際、同様の悩みを抱えていました。

これら施策と成果が結びついていない状況下では、以下3つのパターンが多いです。

  1. 課題と認識している点が、本質的な課題では無い。
  2. 改善施策がデータに基づいていない。
  3. 施策評価軸となるデータと改善目的が異なっている。

1.課題と認識している点が、本質的な課題では無い。
特定顧客からサイトに関する指摘を受け、全ユーザの共通課題として認識してしまうケースが一例として挙げられます。具体的な例としては、ECサイトで検索機能が使い勝手が悪いと営業担当者に連絡が入り、改修を行ったところ、大多数のユーザは以前の方が良かったと判断する場合です。

2.改善施策がデータに基づいていない。
例えばLPからの離脱が目立つ課題があったとして、経験即でデザインの問題と断定し、複数のパターンをA/Bテストを行ったものの、どれも改善に繋がらず、実はデザインの問題ではなく、使用される検索キーワードとLPコンテンツの関連性が薄いケースです。

3.施策評価軸となるデータと改善目的が異なっている。
例として、目的のページに対し、より誘導し易いよう導線を簡略化したにも関わらず、サイト全体のPVを見て施策前よりも悪化していると判断してしまうケースです。

上記3つのパターンに共通して、PDCAの“C”のみ分析ツールを使っています。
しかし、分析ツールはチェックだけのモノではなく、むしろ改善プランの根拠となり得るモノです。
施策を打ち出す前に、しっかりと分析のPDCAを回し、その後サイト改善のPDCAを回すことで、より確実にサイトを良くしていくことができます。

以降の段落では、分析のPDCAを順に追い、どの様にサイト改善に結びつくかを解説致します。

■分析の”P”~まずは全体増を把握する~

分析を行う為のステップとして、ここではWebサイトの目的・目標・戦略を明確にし、どのような指標を計測しどのような分析を行うのかを明らかにしておくことを強く推奨いたします。
これにより「Webサイトを最適化するために必要な分析対象」「Webサイトの目的に沿った分析結果」を
得ることが可能となります。

この具体的な方法については、「第2回モニタリングレポートから読み解く数値分析と対策へのアプローチ」の「KGIとKPIを設計しよう」をご覧ください

この様に目的への道筋を可視化すると、次に打ち出す施策が目的としっかり連動しているか目線合わせが可能となります。
しかし、この段階ではまだ大枠で何を改善するかで、具体的にどこをどう改善するかには至りません。

そこで、次の準備として、目的に向けて、ユーザがサイト内でどのような行動を取るかマップを引くことをお勧めします。
この時点では、まだ数字を出すのではなく、次ステップで数値を取得する際の対象の定義となります。

(詳細は第3回エントリーをご参照ください)

■分析の“D”と”C”~データを取得し、比較を行う~

上記分析の”P”で、まずはサイトの目的が何か、目的に対し、現在のサイト構造はどのようになっているかを関係者間で認識合わせをする事から始めました。
認識合わせが終わったら、いよいよ実際にデータを取得し、比較することになります。

例えばあるLPのPVが200だったとして、それが良いと言えるかどうかは、相対的にどこと比較して良いか判断が必要となります。この比較対象は空間軸、時間軸が存在します。

“P”の段階で、目的に繋がる導線は可視化されておりますので、並べて比較してみるとどのルートが想定的に良いか判断し易いかと思います。

一方で、単一期間だけでなく、複数期間でも比較することで、特定の季節要因や施策効果に因る変動か、常時同水準かも判断可能となります。

これらデータを取得する際には、第3回記載の効率よくデータ集計を進める手法をご参照頂ければ幸いです。

ここまで進めると、どこを改善すべきか少し具体的に見えてきます。例えば直近で相対的にCV率が低いルートがあったとして、過去特定の施策を打った際に改善が見られた場合、今後同様の施策を打つことで一定の効果が見込めます。

一方で、なぜ想定的に低いのかがまだこの時点では見えてこないことがあります。この様な場合は、ユーザ/導線/時間別にデータをさらに細分化してみると違いが見えてきます。
ユーザ属性として、PC/モバイル、年齢、性別、新規/リピータ等、導線としてはサイト流入経路や各画面上でのリンククリック率、時間別では曜日や時間帯等が挙げられます。

これら複数の条件と比較することで、低い数値をどの程度引き上げることが出来るか、結果どの程度サイト目的に貢献できそうか、施策の想定効果指標と値を出すことができます。

■分析の“A”~データが導くサイト改善PDCA~

以上、分析のPDCを踏むことで、目的に向けてどこを改善すれば良いか具体的な個所が見えてきます。

どのように改善するかに関しては分析ツールだけで解を導くことは難しいものの、課題となる数値、対象、ユーザが明確になれば、デザインやコンテンツ、広告施策等の関係部署で、ターゲットを絞って施策を検討することが可能となり、より早く、精度の高い施策を打ち出すことが可能となります。

さらにこれらの中から短期に実現可能なモノから着手することで、早期に多くの事例がノウハウとして蓄積されます。

上記小さな改善で集めたノウハウで、サイトの大規模改修等、失敗の許されない大規模施策についても、過去データを基に明確なROIや、要件、KPIを設計でき、より確実にサイトを成長させることができます。

■まとめ

上記の通り、分析ツールはサイト改善PDCAのCだけではなく、全てのベースとなり得るものです。
すぐにサイト改善を行うのではなく、サイト改善に繋がるプランを練る為に、まずはしっかりと分析のPDCAを回すことを推奨します。

その後分析のPDCAで見つかった点を小さな改修から繰り返すことで、過去データがノウハウとして蓄積され、データドリブンなサイト改善につながり、結果として、サイトがより早く、より確実に成長を持続する体制が実現できます。

インテリジェンス ビジネスソリューションズ(IBS)では、上記のようなWeb解析/改善、PDCAサイクルについてお悩みの企業様向けに、Webアナリティクスサービスをご提供しております。何かWeb解析に関するご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

以上

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