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急成長を遂げつつあるモバイル広告だが、テクノロジーの進化はすさまじく、仕掛ける企業は消費者のエンゲージメントを獲得するために常に新しい課題を与えられているのが現状だ。その中でも注目はやはり位置情報を活用したターゲティング広告(LBA: Location-based advertising)である。モバイル端末向けの広告技術で、検索機能と連動して、ユーザーの所在地に応じたサービスや商品を提案する。
企業や店舗がGoogle PlacesやYelp、Foursquare、Facebook Placesに情報登録していれば、ユーザーは位置情報技術を利用して近隣のショップやレストラン、商業施設の情報を獲得できる。今いるお店や商業施設が提供しているディスカウントやキャンペーンのベネフィットを受けることもできるし、たまたま近くで開催されているコンサートやイベント情報や近隣の映画館の上映スケジュールも入手できる。たとえば、どこで食事するか迷ったら、米国ではUrbanSpoonというアプリが使用されている。端末をシェイクすればスクリーンがスロットマシーンのように回転し、徒歩圏で評判のレストランが表示されるというものだ。
ユーザーが位置情報や個人情報の提供を忌避する傾向はあるものの、米国人の53%および英国人の69%が、クーポンやディスカウントのようなプレミアムを獲得できるのであれば、自分の位置情報を共有することに抵抗がないといっている(2011年JiWire社調べ)。この比率は34歳以下の回答者では更に高くなる。モバイル広告を研究しているJiWireのDavid Staas氏(シニアマーケティングディレクター)は言う。「位置情報は間違いなくモバイル広告の主要な推進力である。ローカルショップ、有名ブランド店、その規模や形態を問わず、ユーザーのエンゲージメントを獲得するのに重要だ。」
http://www.mandmglobal.com/news/22-08-11/consumers-prepared-to-share-loc...
今や凡そ半数近くの検索がモバイル端末によって行われている現状を踏まえると、米国でのロケーションベース広告の設置と活用は、氏の言うとおり必須戦略となりつつある。
スウェーデンのビジネス分析ファームであるBerg Insightによると、2016年までに、モバイル広告市場全体に占める、グローバルでリアルタイムの位置情報を活用したターゲティング広告の割合は28%以上になる(2011年比で複合年間成長率91%になる見込み)という。またTelecomアナリストのRickard Andersson氏によれば、「有名ブランドはモバイル端末向けの位置情報広告を積極的に取り入れている。この傾向は中小規模のブランドにも拡大している。」という。
http://www.cellular-news.com/story/54324.php
Google Placeによれば企業や店舗等の登録情報は世界中に約800万件あるといわれ、Yelpには米国・欧州・オーストラリア等世界19カ国(*)で60万以上のビジネス登録情報があり(2012年時点)、そのうち約4%の2万4千件ほどが有料広告となっているという。現時点ではロケーションベース広告を導入している企業の数はまだ多いとは言い難いが、企業登録の無料化やユーザーにとっての使い勝手の良さから、確実に世界中に浸透している状況である。
今や位置情報を活用したターゲティング広告は、企業にとってもユーザーにとっても必要不可欠である。企業担当者は、様々なデジタルメディアに対応できるロケーションベース広告を駆使することでマーケティング(またはメディア)ミックスの手法を獲得した。年齢、性別、ライフスタイルなどユーザーの属性に応じたターゲティングキャンペーンを即時的に行うこともできる。ユーザーにとっても、これまでの検索手法ややみくもな広告(blind advertising)と異なり、自分のライフスタイルとの関連性が高く、またニーズ(必要な時機も含めて)に適った情報にだけ触れられることのメリットは大きい。
*)Yelp利用可能国:オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ノルウェー、ポーランド、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、オランダ、トルコ、イギリス
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