ロケーションデータベースのxAdが国内サービスを本格化、店舗内外までわかる精度の高さが売り
ロケーションデータベースマーケティングの米国xAdの日本法人「エックスアド・ジャパン合同会社」は3月31日、国内サービス展開を本格化し、4月からロケーションデータサービスなどを順次展開していくと発表した。2016年6月にはセルフサービス型の運用システム「MarketPlace」の試験提供を開始する。
xAdは、モバイル端末の位置情報をもとにロケーションマーケティングサービスを提供する米国の企業。昨年6月1日に日本法人の登記を完了し、1月から営業活動をしていた。
独自の特許技術で精度の高いロケーションデータを提供
位置情報の取得方法にはいくつかあるが、xAdでは、モバイル端末のGPSデータを独自技術でスコアリングし、広告配信に利用可能な精度の高い位置情報だけを取得する。
また、住所情報をもとにした位置情報サービスの多くは、緯度経度を中心に円形の範囲を描くが、エックスアドでは施設のカタチまでわかる「ジオポリゴン」を作成することで、店舗の中と外、どちらにいるのかまで判別する。これら、独自の特許技術を用いた精度の高いロケーションデータサービスが最大の特徴となっている。
xAd CMOのモニカ・ホウ氏は、精度の高いロケーションデータを用いて意思決定の瞬間にアプローチできるため、コンバージョンに強い影響を与えると話す。
ロケーションデータをオーディエンスデータの代替とするには、精度が重要です。ジオポリゴンを表すことで、店舗の中と外どちらにいるか読み取ることができる。マーケターは消費者が決定する瞬間にアプローチし、オンラインとオフラインの行動を結びつけて育てることができます。
ロケーションデータの使い方は主に2つ。1つは、位置情報から読み取れるコンテキストを活用して、消費者の関心が高いメッセージを配信すること。もう1つは、消費者が何を欲しているのかという意図を把握するために使うこと。位置情報から、実際に世の中でいま何が起きているのか、消費者のニーズ、よく使われているアプリやサービスの種類がわかる(xAd CMO モニカ・ホウ氏)
オンライン広告でロケーションデータのカテゴリを確立する
日本法人の本格始動にあたり、日本法人代表の安里 勇吾氏は、オンライン広告市場においてロケーションデータベースのカテゴリを作っていきたいと話す。米国では、2019年までに広告市場の43%をロケーションデータが占めるという予測があり、日本市場でもロケーションデータを活用するアプリの使用頻度が大きく伸びているなか、検索、ソーシャルメディア次ぐカテゴリを市場に創出していく考えだ。
日本では、すでに主要施設など約680万件の位置情報を取得しており、たとえば全国のセブンイレブンの来店者をワンクリックでターゲット指定できる。配信規模がスケールしやすく、ユーザーのライフスタイルにあったフォーマットで配信できるのもxAdの強みだと安里は述べる。
米国では、すでにセルフサービスの「MarketPlace」が提供されているが、日本市場の展開として、2016年は広告代理店や広告主に啓蒙活動をしつつ、ダイレクトレスポンス以外も含めた活用例を模索していく。翌2017年は実績をもとにさらに拡大し、2018年には中小企業がセルフサービスで実施できるまで、スケールしていくという。
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