Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

8つのポイントで理解するSEO屋さんのための初心者対応ガイド

この記事はもともとSEOmozのYOUmozセクションに掲載したものですが、非常に優れているのでこちらのブログに格上げしました。
Randからまず一言:

ここに載せたのは、才能豊かでチャーミングなMystery Guestの投稿記事だ。Mystery Guestは、われわれSEO業界の人間に必要な、いや、知っておくべき部外者の見地を彼女なりに少しばかり紹介してくれている。ありがとう。君って最高。

私がSEO業界に属しているだけじゃなく、SEOについて広範な知識を持っていると多くの人が誤解している。

これはとんでもない話で、私にはRandのしていることなんて、ほとんどわからない。どちらかといえば、ハイテク音痴。実は最近、あるカンファレンスで1人の紳士からiPod shuffleをもらったのだけれど、どうやらそれを壊してしまったようなの。iTunesをログアウトしてそのプレーヤーを外そうと思ったら、RandのコンピュータのCDドライブがポンと開く始末。Randは大笑いしてたわ。その後2時間半格闘して、ようやく自分のMP3プレーヤーに1曲だけアップロードすることができた(アップロードしたのはModest Mouseの「Float On」よ。そう、お察しの通り、この曲を飽きるほど聴いても、同じ曲の繰り返しになるんだわ。でもその前にヒステリーを起こして、自分の車で警察の車に突っ込んでるだろうけど)。

ごく普通に考えて、(おそらくは)最高に簡単なMP3プレーヤーでさえうまく使いこなせなかったんだから、アルゴリズムや検索エンジンのことを理解しようなんて、かなり無謀な望みだってことがわかるわよね。でも、ここに本当の問題があるの。

私はSEOのことなんてほとんどわからないのに、職場ではSEOの専門家ってことになってるんだから。こういうジレンマについては、他の人よりかなりよくわかっているので、みんな私のところへよく質問に来るのよね。SEOについて私と同じか、それより少ない知識しか持たないクライアントに対応しなければならないことは、結構あると思うの。そこで、正真正銘のSEO初心者は何を知っていて、何を知らないのか、私が思っていることをみんなと分かち合えたらなと考えたのよ。

ただこれだけは注意してほしいんだけど、これは自分の経験を基にした話でしかないので、ここに挙げた話はすべて、1つの事例に過ぎないっていうこと。また、私が一緒に仕事をしている人たちの何人かは、非常に優秀な人たちだっていうこともはっきりさせておきたい。彼らの多くは、大手のオンライン小売業者(なかにはオンライン小売業者の最大手も)の仕事をした経験があるのよ。

  1. 平易な言葉を使うよう心がける。

    なかには、SEOと聞いても何のことだかさっぱりわからない人もいる。Randの仕事について外部の人に話すとき、私は「インターネットマーケティング」とだけ言うことが多いわ。そこでPeteのためにも、SERP(検索結果ページ)とか、トラックバックとか、あるいは301リダイレクトなんていう専門用語を持ち出さないでほしいの。

    専門用語をたくさん使って話せば、これからクライアントになるかもしれないその人は、「ああ、彼はこのことを良く知ってるんだな。私には何を言ってるんだかさっぱりだが」と思ってくれるかもしれない。

    けれども、その潜在的クライアントだって、担当者のしていることを理解しておいた方がいいと思うわ。理解は信頼の母。自分の仕事については、段階を踏んで徐々に説明するように心がけて。専門用語集があっても損はしないわね。「Beginner's Guide to Search Engine Optimization」にも載っているから活用してね。

  2. 検索エンジンとは何かを明確に示そう。

    Ask.comの広告がどうしてアルゴリズムの話なんか持ち出しているのか、私にはまったく理解できない。SEO業界の外にいる人が、そんなものの意味をわかるとは到底思えないわ(それに、このコマーシャルでアルゴリズムが何かわからない人のことを馬鹿にしているでしょ? なんで? 一体どこの世界に、自分のことを馬鹿にしている検索エンジンを使いたいと思う人がいるっていうの?)。ほとんどの人は、検索エンジンが会社なんだと、何となくわかっているだけ。

    実際に検索エンジンは営利企業で、インターネットでインデックスを無料提供(電話帳のように)しているだけじゃない(あ、ちょっと待って。イエローページも売上があるんだっけ? 確かそうよね。広告料でってことよね? ということは、無料提供のたとえに持ち出したのは適切じゃなかったかもしれないな)。それから、私が一緒に仕事をしている人のほとんどが、Googleしか使わない。MSNのLive Searchに詳しい人なんてほとんどいないし(私たちが暮らしているのはMicrosoft本社のお膝元のシアトルだっていうのに)、Yahoo!を使っている人も、ほんのひと握りしか知らない。そういう状態だから、SEO業界の外の人間が、検索エンジンの裏側にはアルゴリズムがあるんだってことを、本当に理解しようとするはずもない。

    こういう人たちを相手にする場合、一番良いのは、検索エンジンが実はどんなもので、どうやって検索結果をはじき出すのか、明確に示してあげること。

  3. すべての検索エンジンが同じというわけではない。

    さてと、検索エンジンがどんな仕事をしているのかうまく説明できたら(そうあってくれますように)、次はその違いを教えてあげなくちゃ。つまり、検索エンジンが異なれば、返ってくる結果も異なるということを、はっきりとクライアントに理解してもらうこと。ただ、私も初心者なので、正直なところ、どうしてそうなるのか、まったくわかっていない。個人的には、同じ結果が返ってきて当然だと思うんだけど。とすると、この点についても説明しておかなくちゃいけないわね。

    あ、そうそう。検索エンジンが同じじゃないことはおそらく理解するだろうけど(だって、クライアントはあなたがたに依頼してきたんだから)、あの名曲のように、ランキングが4月には舞い上がって、5月には打ちのめされることもあると理解する人は少ないわ。

  4. 誰もスパムを理解していない。

    私の上司は、頭の良い人物よ(これは絶対に皮肉なんかじゃなくて、本当に凄い人なんだから)。彼は、複数の大手オンライン小売業者のために、高い検索ランクを獲得したことがあるの。でも、スパムがどんなふうに機能するかについては、まったく知らない。

    何か月か前、私たちのブログにスパムコメントが入り始めたんだけど、その時の彼の第一声はこうよ。「この人たちは、どうやってウチを見つけるんだ?」ってね。彼は、スパム書き込みのプロセスがすべて自動化されているとは知らず(私はまず「ボット」から彼に説明しなければならなかったのよ)、まったくの無差別で相手を選んでいることも知らなかった。

    それから、彼はコメントをひと通り読んで(その書き込みはかなり悪質なものだったから、ひどく気分を害したんじゃないかしら)、私にこう言ったの。「わからん。これは何の意味もなしていないじゃないか。一体誰が、こんなリンクをクリックするんだ?」ですって(答えてあげるなら「クレイジー/肛門/住宅ローン/チアリーダー/アソコ/携帯電話」について読みたい人は誰でもよ)。私は、アンカーテキストの目的と、それが検索語のランキングに果たす役割について、最初から説明するはめに。これには彼も驚いてたわ。たいていの人は、リンクがあればクリックするものと思っている。それはそうなんだけど、次のポイントに話は続いていくっていうわけ……。

  5. 誰もリンクを理解していない。

    私たちは、リンクをクリックするものだと思っている。それがリンクの目的のすべて。実際にはリンクがランキングに影響を与えていると理解している人は、ほとんどいないわ。そして、アンカーテキストの重要性を理解している人も少ない(私の知るかぎり、アンカーテキストが重要な唯一の理由は、最初の方で触れた「Beginner's Guide to Search Engine Optimization」の編集を、Randが私に任せてくれたこと)。

    みんなに勝手にやらせたら、どのリンクも「ここをクリック」になっちゃう。だって文脈上はそれで意味をなすからね。そして、たいていの人は、購入したリンクや検索結果のスポンサーリンクのことを知らない。ユダヤ教にまつわる言葉があれば、どう見ても無関係だとしても、SEO初心者はすぐ関係があるんじゃないかと思ってしまうの。

  6. メタタグが世界を支配する。

    そう、その通り。もちろん実際にはそうじゃないってことくらい、私だって知ってるわ。でも、SEOについて1つだけ知ってることがあるって人がいると、それはメタタグなのよね。メタタグの考え方はいたって単純。だから人は、それですべての説明がつくと判断してしまう(多分たわ言の山に過ぎない弦理論みたいにね)。

    そこで、唯一あなたがしなくちゃならないことは、メタタグ神話の嘘を暴くこと。メタタグがうまく機能しない実例があると助かるわね。

    それからもう1つ、ここで白状しなければならないんだけど、実は私もメタタグってどれのことだか、良くわかっていないのよね。メタタグって、ページのコードの中で、括弧に囲まれた部分にあるもので、多分タイトルタグみたいなものじゃないかと思うの。だから、これは推測なんだけど、メタタグが何かを知っていると言い張る人でも、実は知らないんじゃないかしら。

  7. メタタグその2:PageRankの隆盛。

    メタタグと同様に、誰もがPageRankの概念にこだわるわね。そして、それが人生の究極の疑問に対する答えだと思っている(あのね、それを言うなら答えは42でしょ。Google先生だってそう言ってるわ)。そして、PageRankってLarry Page氏にちなんで名前を決めたものだって最近知ったばかりなんだけど、それはウェブページを評価するものなのよね?

    PageRankって一体何なの? それが10点満点だってことは知ってる。それから、高いPageRankのページから得るリンクは、より価値が高いんだと思ってる(そうなんでしょ? でも、どうして彼の名字にちなんだ名前じゃなくちゃいけないの? それにしても、何でSEO屋さんって必要以上に物事をややこしくするのかしら。まったくこいつらは本当に!!! おほん。失礼。ちょっと自分を見失ってしまったわ。もう大丈夫)。とにかく、PageRankが役に立たないのなら、あなたはそのことをきちんと説明しなければならない。そして価値があるのなら、ちゃんと定量化するべきよ。

  8. 嗚呼キーワード。

    キーワードについて何か少しでも理解すれば、ダイエットキャンプでOREOクッキーの隠し場所を偶然見つけた太っちょの子供みたいになってしまうわね。それが明らかに良いアイデアではないことがわかっていても、可能なかぎり、ありとあらゆる場所に(キーワードを)詰め込もうとするに違いないわ。おそらく、ここで一番の得策といえるのは、キーワードがどのように機能して、片っ端から詰め込もうとするのは良くない考えだということを、きちんと説明することよ。

ふぅーっ、これで良いかな。もう疲れたから、これでお終いにするわね。Randはどうやってほとんど毎日こんなことをしてるのかしら。私の仕事は、もっとずっと簡単な種類のブログを書くことなの。厚かましいけど、宣伝させてちょうだい。<恥知らずモード>Cranium Blogも読んでみてね</恥知らずモード>。どうもありがとう。

Randの後書き:

そう。Mystery Guestは、いつでもこれを活き活きと書いているんだ。そしてもし彼女が、僕のあげた指輪をはめているという事実がなければ、彼女を引っぱり込んでこのブログの常勤ライターにするために、きっとできる限りの力を尽くすのに。

用語集
PageRank / SEO / SERP / アップロード / アンカーテキスト / インデックス / クッキー / ボット / メタ / リンク / 検索エンジン
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