優れた企業サイト、人を表彰するアワード「第7回Webグランプリ」贈賞式レポート

優れた企業サイトおよび人にフォーカスした「企業グランプリ部門」「Web人部門」の贈賞式が、12月5日に八芳園で行われた。今年の参加企業は過去最多の60社。

公益社団法人日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会は12月5日、アワード「第7回Webグランプリ」の「企業グランプリ部門」および「Web人部門」各賞の贈賞式を開催した。

第7回Webグランプリ贈賞式の様子(写真はWeb人部門)

企業グランプリ部門は、「Web関係者のWeb関係者によるWeb関係者のための賞」として、アワードに参加する企業サイトの担当者による相互審査方式を取り入れているのが特徴。今年度は参加企業60社、審査員213名によって5部門のグランプリを決定した(受賞一覧は記事末尾を参照)。

グランプリサイト

浅川賞(アクセシビリティ賞)は審査方法を変更

優れたWebアクセシビリティをたたえる浅川賞は、今年度からエントリー制ではなく、すべての応募サイトを審査する方法に変更した。3種類のWebアクセシビリティチェックツールのスコア審査後、2次審査に通過した20サイトをプロフェッショナル5名が審査し、5サイトまで絞り込む。最終審査では、審査委員長のIBMフェロー 浅川智恵子氏をはじめとする視覚障碍者の方数名で最終審査を行う方式にした。

浅川氏は、審査を次のように振り返る。

今年グランプリに選出された中外製薬のサイトは、ページ内・ページ間のWebアクセシビリティが非常に高かった。それに加え、現在関心の高い「がんゲノム医療」についてわかりやすく説明されていた。その結果、全会一致でグランプリが決定した。

10年間、グランプリの選出基準について非常に白熱した議論を交えてきた。しかし、最終的には内容が理解できるか、おもしろいかという主観的な評価があったように思う。

最近は情報へのアクセス方法も変わり、音声でのアクセシビリティも次の段階へと進んできた。健常者も音声を使って情報へアクセスする時代がきているので、音声でわかりやすい情報への需要が今後高まっていくのではないかと考えている。

これまで、浅川賞の1つの目的として、企業のWeb担当者の方々へ向けてアクセシビリティの啓蒙をすることを掲げてきたが、この目的は今年達成できたのではないかと思っている。

私は、今年度でこの賞の審査から退かせていただくが、今後ともアクセシブルでわかりやすいページの作成を継続いただけることを願っている(浅川氏)

Web人大賞:クラシコムのオウンドメディア、日本放送協会のネット広告健全化へ寄与に注目

業界に貢献した“人”をたたえるWeb人部門の大賞は、クラシコムの青木耕平氏が「Web人大賞」を、日本放送協会の蔵重龍氏が「Web人 of the year」を受賞した。

Web人大賞を受賞したクラシコムの青木氏は、ネットショップとメディアが両立されたサイトを確立し、独自の立場を形成。ソーシャルメディアなど、新しいことへ積極的に挑戦していく姿勢も評価のポイントとなった。

今回、Web人 of the yearを受賞した日本放送協会の蔵重氏は、「ネット広告の闇」と題して、海賊版サイトやアドフラウドのフェイク広告、ソーシャルメディアにおけるインフルエンサーの水増しなど、様々な問題についてテレビ番組「クローズアップ現代+」などで取材。その問題点やその実態を明らかにした。また、複雑な不正の仕組みを番組やWebサイトでわかりやすく啓発。これがネットの健全化に大きく寄与したことが評価ポイントだった。

第7回Webグランプリ 受賞一覧

コーポレートサイト賞

プロモーションサイト賞

企業 BtoC サイト賞

企業 BtoB サイト賞

浅川賞

Web人大賞

  • 青木 耕平 氏(株式会社クラシコム)

Web人 of the year

  • 蔵重 龍 氏(日本放送協会)

Web人賞

  • 緒方 恵 氏(株式会社中川政七商店)
  • 音部 大輔 氏(株式会社クー・マーケティング・カンパニー)
  • 坂井 康文 氏(サントリーマーケティング&コマース株式会社)
  • 西口 一希 氏(株式会社Strategy Partners)
  • 庭山 一郎 氏(シンフォニーマーケティング株式会社)
  • 廣澤 祐 氏(花王株式会社)
  • 村岡 慎太郎 氏(ネスレ日本株式会社)
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