企業サイトのスマホ訪問率は60%、コンバージョン率は3%。アドビ調査レポート
アドビは、企業のマーケティング動向を分析したレポート「Adobe Digital Insights(ADI)」の最新版を10月4日に公開した。日本と、米国、欧州、アジア太平洋のデータをまとめている。
同レポートは、同社が提供するクラウドツール群「Adobe Marketing Cloud」に蓄積されたデータを活用し、米国、欧州と、日本を含むアジア太平洋それぞれ数千億回の訪問データを集約して分析したもの。今回紹介するのは、各国で「スマートフォン経由の訪問」がどういう状況にあるかのレポートだ。
日本のスマホ経由の訪問率は上位20%サイトでは60%
スマートフォン経由からの訪問率は各国とも前年比で着実に増え続けており、日本は上位20%のWebサイトでスマートフォン経由の訪問が60%近くに達し、平均値を大きく上回った。上位20%とは、Adobe Marketing Cloudを利用している企業のうちさまざまな重要指標において各業種で上位20%のものを指す。全体の平均値では、37.9%がスマートフォン経由の訪問だった。
日本の次は韓国で、スマートフォン経由からの訪問率は上位20%のWebサイトでは47.1%、平均値は31.6%だった。上位20%のWebサイトと平均Webサイトの差は縮小傾向にあり、2015年中にモバイルへの最適化が進んでいることがわかる。
スマホ経由でのコンバージョン率は上位20%サイトで3%
企業Webサイトのスマートフォン経由でのコンバージョン率は、上位20%のWebサイトでは日本が3.0%で、世界トップだった。全体の平均値では日本とインドが1.5%で並びトップだった。
また、日本において上位20%のWebサイトと平均の数値の差は縮小しており、全体的に数値が底上げされている。これは、日本の企業Webサイトでスマートフォン経由のコンバージョン対策が進んでいることを示している。
スマホ訪問が多いのは通信業界とメディア/エンタメ業界
日本を含むアジア太平洋地域ではすべての国でスマートフォン経由からの訪問が増加し、調査対象になった業界でも同様に前年比からの増加が見られた。なかでも通信業界とメディア/エンターテインメント業界はスマートフォン経由での訪問数が突出して多く、通信業界のスマートフォン経由からの訪問は上位20%のWebサイトで68.3%と、7割近くがスマートフォン経由からの訪問だった。
一方、金融サービスやテクノロジー業界の数値はふるわず、スマートフォン経由からの訪問は上位20%サイトでもそれぞれ31.9%と22.5%にとどまった。
同社は、これは米国や欧州でも共通の傾向で、数値が低いながらもこの2つの業界でもスマホ経由の訪問率に多少の増加が見られており、スマートフォン向けに最適化した顧客体験を提供することが大切だとしている。
調査概要
- 調査企画・実施: アドビシステムズ
- 調査目的: 各国企業のマーケティング動向を調査するため
- 調査方法: Adobe Marketing Cloudを利用している企業のデータを集計・分析
- 調査対象地域: 米国、欧州、アジア太平洋地域
- 有効回答数: 米国1万以上のWebサイトに対する2,000億回の訪問データ/欧州3,000以上のWebサイトに対する1,000億回の訪問データ/アジア3,000以上のWebサイトに対する1,000億回の訪問データ
- 調査対象業界: 小売業、旅行&ホスピタリティ、メディア&エンターテインメント、金融サービス、IT、通信および自動車の6つ
- 調査詳細: https://www.slideshare.net/adobe/adobe-digital-insights-best-of-the-best-2015-asiapacific
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