エキスパートが明かす、有料版「Google アナリティクス4」を使う本当の意義

「無料版」と「有料版」の違いがユーザー企業にとってどのような意味を持つのか。
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2020年10月のリリース以来、ユーザー企業の裾野を拡大しているWeb、アプリのアクセス解析ツール「Google アナリティクス4プロパティ」(以下、GA4)。このツールに「無料版」と「有料版」があることは知られているが、両者の違いがユーザー企業にとってどのような意味を持つかについてはあまり知られていない。

ここでは、アユダンテのCOO(Chief Operating Officer:最高執行責任者)でデジタルマーケティングコンサルタントの山浦 直宏氏にGA4有料版を使う意義について聞く。

アユダンテは、GA4の有料版(Google アナリティクス360、以下GA 360)を中心とする「Google Marketing Platform(GMP)」のセールスパートナー(リセラー)として豊富な実績を有する企業だ。

山浦 直宏氏

山浦 直宏氏 アユダンテ株式会社 COO

GA 360、GMP有効活用を支援するデジタルマーケティングコンサルタント。ネット広告の黎明期より一貫してネット広告、デジタルマーケティング畑を歩む。講師を務めた「Google アナリティクスIQ講座」では資格取得者1200名余を育成。
シンガポール国立大学大学院MBA。

GA4有料版へのニーズを生むデータボリューム

実のところ、GA4の無料版と有料版が提供する機能の項目には大きな違いはなく、「有料版」でできることは一部の機能を除いて基本的に無料版でもできるといってよい。ではなぜ、GA4有料版を使う必要があるのか。その大きな理由として、アユダンテ COOの山浦 直宏氏があげる最も大きな理由は、有料版で扱えるデータボリュームの大きさだ。

無料版と有料版とでは、同じ機能であっても扱えるデータボリュームに大きな違いがあります。その違いが、企業が無料版から有料版へと移行する大きなトリガーになっています(山浦氏)

「BigQuery」を巡る「無料版 vs.有料版」

GA4の無料版と有料版はともに「BigQuery Export」の機能を備えており、Googleのフルマネージド型データウェアハウスサービス「BigQuery」に対して、Webサイトなどから収集したイベントデータをエクスポートできる。ただし、無料版では1日100万イベント分しかエクスポートすることができない。

1日100万イベントという上限は、Webサイトの規模や来訪者の数が一定以上の水準に達するとすぐに超えてしまう程度のものです。そして、BigQueryにエクスポートされるイベントが1日100万を超えるとGA4からアラートが発生され、それを無視しているとエクスポートの処理がすべて停止してしまいます。

それに対して有料版のGA4では、BigQuery Exportの上限が“1日数10億件”とほぼ無制限です。ゆえにユーザーはBigQuery Exportが停止してしまうリスクから解放されることになり、それを求めて有料版に移行する企業が多いのです(山浦氏)

山浦氏によれば、GA4有料版を使う企業の大多数(94%)がBigQuery Exportを使用しているという。この結果は、GA4有料版を使う主たる目的がBigQuery Exportの使用にあり、GA4よりも大きな分析基盤を使って大量のデータを効率的に分析したいというニーズの多さを示すものでもある。

有料版GA4においてBigQuery Exportの利用率は94%を超える

この調査結果が示すように、今日ではオンライン上のユーザー行動を計測する仕組みとしてGA4を位置づけ、GA4が取得したデータをBigQueryなどの外部の分析基盤にエクスポート(オフロード)して、顧客理解の深化やデジタルマーケティング施策の改善に役立てる動きが活発化しています。この取り組みは、例えば、店舗でモノを買ったコンバージョンに至るまでのオンライン上でのユーザー行動を詳細に把握する試みでもあり、その試みを展開するうえではGA4が計測したすべてのユーザー行動データが必要になります。

ゆえに、扱えるデータボリュームに制約のあるGA4の無料版ではなく有料版を使うのが適切といえるわけです(山浦氏)

一方、デジタルマーケティングにおけるアプリ活用の広がりも、GA4有料版に対するニーズを押し上げつつあると山浦氏は指摘する。GA4では、Webサイトとアプリのイベントを統合的に計測し、一元管理できるが、アプリのイベント数はWebサイトよりも多くなる傾向がある。したがって、Webサイトとアプリのイベントを一括して分析活用するためには有料版を選ぶのが理にかなった判断といえるだろう。

有料版を使うもう1つの意義

山浦氏は、GA4有料版を使うもう1つの意義として「データ所有権」を巡る問題への対応を掲げる。これは、GA4の無料版ではデータの所有権がGoogleに帰属し、有料版ではユーザー企業に帰属するという問題だ。

企業の中には、自社のガバナンスやポリシーの視点から、自社の計測データがGoogleに帰属することに抵抗感を抱く企業もあります。一方、GA4有料版のデータにはサービス保証やサポートが付帯するほか、計測されたデータは自社の所有権の元で利用できます。そのため、より安心できる環境で安定したデータ運用を行いたい企業はGA4の有料版を選ぶ傾向にあるのです(山浦氏)

また、GA4では、プライバシー保護や法的要件への対応を目的に「データの保持期限」という機能があり、ユーザー単位のデータを最長14カ月までに設定することができる。これを超えたユーザーデータは「探索レポート」で分析することができなくなる。長期間遡って分析したい場合はBiqQuery Exportが有効だが、そうすると上記で説明した1日のExport上限が気になるところだ。このような視点においても有料版を検討するポイントになるのではないか。

以上のように、GA4の有料版はさまざまな点で無料版よりも扱いやすく、企業に数々のベネフィットをもたらす。料金についても、その最低料金が前バージョンの「ユニバーサルアナリティクス(UA)有料版」の2分の1以下に抑えられ、導入のハードルは大きく下がった。そのため、ユーザー企業の裾野も大きく広がりつつあり、大企業のみならず中堅企業での活用も進展しつつある。

また、業種についても、従来はWebサイトでのコンバージョンの改善が売上増に直結するようなeコマース企業や不動産事業者、金融機関などに偏っていたが、今日では実店舗を展開する小売チェーンやアパレルメーカー自動車などの製造業へと広がりを見せているようだ。ちなみに、小売チェーンやアパレルメーカーではGA4有料版を使ってBigQueryにイベントをエクスポートし、そのデータと実店舗における顧客の購買行動とを突合して顧客理解を深化させるといった使い方をしているという。

リセラーがGA4有料版の普及を担う

ここまでの記述を読んだ人の中には「GA4有料版の利点については理解できたが、そもそもどうすれば有料版が入手できるのか」と疑問を抱いた方がいるかもしれない。GA4有料版はGoogleから直接購入できず、アユダンテのようなリセラー(Google認定のセールスパートナー)から購入し、リセラーによる導入支援やプラットフォーム構築支援、データ活用支援などのサポートを受けることになる。

日本においてGA4有料版がリセールできる企業数社の中にあってアユダンテは2009年に国内初のGA認定パートナーとなり、2012年にGA有料版のリセールを始動させた最も長い歴史と実績のあるリセラーだ。以来、10年以上の長きにわたってGAに関する実績と経験、知識、知見を積み上げてきた。それは同社の強みであり、豊富な知見に支えられた同社のサービスは、ユーザー企業からの評価も高い。

さらに同社は、海外からの社員が多く働いており6か国の言語に対応できるという。そうした人材の多国籍性を生かし、日本企業によるGMPのグローバル展開もサポートしている。将来的にはGMP事業の海外進出も視野に入れていると、山浦氏は言う。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の潮流のなか、業種・業界を問わず、多くの企業がオンライン上での顧客接点やデジタルマーケティングの強化に注力している。オンライン上でのユーザー行動データの収集、分析、活用は、そうした取り組みの中心を成すものといえる。その意味でも、アユダンテによる支援のもと、GA4有料版の活用を推し進め、それをDX戦略推進の原動力にしてみてはいかがだろうか。

アユダンテ株式会社

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