ホームページという「場」を作り、育てる3つの行動(第1回)
「ホームページを育てるための"心得帳"」では、「ホームページを公開したものの、そのあとどうしていいかわからない……」という方へのヒントとして、見落としがちな視点や意識しておきたい考え方をお伝えします。第1回は、このお話をする前に知っておきたい大前提のお話。ホームページとの付き合い方について考えていきましょう。
「ホームページを作る」ってどういうこと?
みんビズのような簡単にホームページ作成ができるサービスが登場したことで、ホームページを作る敷居が低くなってきました。「ホームページが誰でも作れる時代」になりつつある、なんてことも言われたりします。ここで言われている「ホームページを作る」というのは、「ホームページというモノ」を作ることを指しています。デザインをしたり、文章を書いたりして、全世界に公開するということです。
確かにこれも「ホームページを作る」ことなのですが、もう一つとても大事なことがあります。 ホームページは「モノ」でもありますが「場」でもあります。「場」は存在するだけでは何も起こりません。場の存在を誰かに伝え、そこに誰かがやってくる必要があるのです。ホームページを作る上では、「ホームページという場」を作っているという意識がとても大切です。
「ホームページを作る」という行動には、ざっくり分けると「モノ」と「場」を作るというふたつの意味があります。ホームページを公開しただけではホームページの半分くらいしかできていないのです。むしろその先の「場」づくりがとっても大事!ということを意識して、ホームページを作っていきましょう。
ホームページは人が手をかけると「育つ」
「モノ」は人やツールの技術や知識を使って「生み出される」ものですが、「場所」は人の思いや愛情などによって「育てられる」ものだと考えています。そういう意味で私たちはよく「ホームページは生き物である」という例え方をします。手をかけるほどホームページはよく育ちます。
植物が育つためには水や太陽の光が必要だったり、時には栄養を与えたり、植え替えをしたり株分けをしたりしますが、水をあげないまま放置すると枯れてしまいます。ホームページの運営もこれにとても似ていると思います。
今回のコラムは「ホームページを育てるための心得帳」というタイトルにしましたが、ここで「育てる」という言葉を使ったのは、このような思いが私たちにあったからです。これからの連載で、ホームページを育てていく上で持っているとよい意識、視点、考え方などについて書いていきたいと思っています。
次に、「ホームページを育てる」って具体的にどういうこと?というところを少し見ていきましょう。
育てる=3つの行動を繰り返すこと
何年も前の話ですが、私たちがアドバイザーとして関わったお客様で、社長自らがとても熱心にホームページの運営に取り組んでいる会社がありました。当時はまだみんビズのようなツールはありませんでしたから、ホームページの作成技術を独学で学び、デザインもすべて自分で考えて作って公開して、ネット専業で収益を上げてきた会社です。
社長は、この色をこう変えよう、この文章をこうしてみよう、この写真を差し替えてみよう、という試行錯誤を毎日繰り返していました。そして日々のアクセス数とそれに対して何をしたか、売上がどう変わったかというメモを手書きで書き続け(あえて手書きにしていたそうです)、何冊ものノートが書き上げられていました。ページをめくって過去を振り返る社長の姿は、子どもの成長アルバムを見る父親のようでした。
社長の行動から学べることは2つあります。
- 小さな「ホームページいじり」を毎日やっていたこと
- やったことを記録して、成果を見ていたこと
ホームページを育てるためにまず必要なことは、ホームページを「いじる」ことです。
改善になりそうな小さな修正を積み重ねていきます。そしてその成果を見てまた修正します。割と地道な試行錯誤です。成果はすぐに出るとは限らず、ある程度の期間を置かないとわからない場合もあります。割と見逃しがちなのが「いつ何を修正したのかを記録する」ということ。これをやっておくと成果が目に見えてくるようになります。
「いじる」「記録する」「成果を見る」。
この3つの行動を常に意識して、ホームページを大きく育てましょう!
ホームページを育てるとどうなるの?
ところで、どういう状態が「ホームページが育った」という状態なのでしょうか。「育つ」というとなんとなくページ数やアクセス数が増えるというイメージを持ちますが、これはホームページによって答えが異なってきます。なぜかというと、ホームページの「目的」がそれぞれ異なるからです。
商品やサービスを多くの人に広めたいという目的であれば、アクセス数が増えて「育った」と言える場合もありますが、広める必要のない人たちにただ闇雲に広まっただけで売上が上がっていないとしたら、「育っていない」のかもしれません。アクセス数があまり多くなくても、ホームページを知った誰かが「これいいなあ」と誰かに口コミで広めてもらえるほうが「育った」と言えることもあるかもしれません。
植物であれば、花が咲いたり丈が伸びたりといったことが「育つ」ということなのでわかりやすいのですが、ホームページの場合は「どういう方向に育てるのか」という指針を定めておかないと、育ったかどうかが判断しづらいのです。このへんはどちらかというと人を育てるほうが近いかもしれませんね。
次回は、そのあたりを中心にお話します。(第2回につづく)
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