僕と彼女と著作権

オブジェを写真に撮るのは複製(コピー)にあたる?

オブジェを写真に撮るのは複製(コピー)にあたる?

「コピー」って何なのか、自分の言葉で言ってみなさいよ。

ええと…「そっくりなものを作る。」

だいたいあってる。

著作権法上は、複製とは「印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製すること」と言われてるわ。

オブジェを写真撮影すると複製にあたる場合もある?

あるかもね。表現方法が厳密に同じでなくてもいいの。たとえば、同じく著作物である絵画の複製写真なんかは複製にあたると考えられているわ。

ちょっと待ってくださいよ!それなら、今回オブジェを写真に写すのは、複製なんじゃないですか?

ここが難しいのよね。いい? 1回しか言わないわよ。「表現上の本質的特徴が実質的に同一じゃないなら複製には当たらない」わ

「表現上の・・・本質的特徴」?

このオブジェ、前からはもちろん、横からも、後ろからも、上からも斜め下からも眺めることができるものよね。

はい。よく覚えてませんが、そうでした。

表面の質感とか、採光や角度による表情の違いとか、そういうものを見る人に感じ取ってほしいのよね。

オブジェだし、そういうもんですよね。

確かにこの写真からは、一方向から見たオブジェの形はわかる。ただ、これだけでオブジェの表現したい本質が感じ取れるかしら?

写真には小さくしか写っていないし、立体的にどういう形をしているのかもわかりにくい。無理っぽいですね。

もとの著作物の本質的特徴が感じ取れないなら、複製権の侵害にはあたらないわ

おお!

まあ、オブジェを写真に撮る場合、「複製権」より「翻案権」の問題と考える人もいるわ。

ほ、翻案?

翻案とは、著作物の「表現上の本質的な特徴を維持しつつ、表現形式を変えた新しい著作物を作ること」。小説の映画化なんかも翻案ね。

なるほど。あ、もしかしたら、ここでも、もとの「著作物の表現上の本質的特徴」が感じ取れないなら「翻案権侵害にならない」ってことですか?

そういうこと。わかってきたじゃない。まあ、私の説明でわからないほうがおかしいんだけど。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

Python
「Python」(パイソン)は、プログラミング言語の1つ。プログラマのグイド・ヴ ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]