SEO Book.comのAaron Wall氏が、「ダメなアドバイスほど良さげに聞こえる(Bad Advice that Sounds Good)」というすごく良い記事を書いていた。僕らがもっともらしく口にし続けている、SEO界にあるごく少数の「罪のない嘘」のことだった。そのうちのいくつかについて、僕は心から同感だと思ったんだ。
良質のコンテンツを作ろう。
僕がなぜこれを嫌うかって? だって、ブランド認知度が高くなければ、平均より質の高いコンテンツだって並みのコンテンツに負けちゃうんだよ。良質のコンテンツを作れとは言うけれど、ほとんどの人はウェブの社会的な側面に言及しない。ウェブサイトは検索エンジンのためではなく、ユーザーのために作ろう。
僕がこれを嫌う理由? 検索っていうのは、多くの出版業界のビジネスモデルを無用のものにする。リンク価値の高いコンテンツを作成するのに金銭を充てるなら、より低コストで高収入を生む埋め草を、ウェブサイトに大量投入することが意味を持ってしまう。
ほかに僕が見つけたものもあるので、以下に付け加えておく。
誰でもブロガーになれる。
これはまったくの嘘だ。ブロガーになろうと思ったら、読み手の人たちと関係を築けなければならないし、常におもしろい材料を見つけて書き続けなければならない。まず時間を割いてサイトを作る必要があるし、誰も読んでいなくても、同じ分野にいる何百、何千という他のブロガーに対して独自性を保つ道を探らなければならない。
盗用するな。
当然のことながら、コンテンツの盗用を推奨しているわけじゃない。けれども、ウェブ上で成功するってことは、コンテンツをはじめ、技術、価値、資本化、ブランド構築、広告、そしておよそウェブマーケティングの範疇に入ることならすべてについて、多くの場合、何かしらのアイデアの再利用に他ならない。アイデアを盗んで、それに磨きをかけ、リンクを張ってくれそうな読み手の人たちにアピールしていけばいい。しゃかりきになって働く必要なんてないんだ。スマートにいこうよ。
SEOで金を儲けるのは簡単だ。
そう。給料は米国の確立したハイテク系分野の中でもかなり良い部類だ。それに評価を得ているなら、コンサルティング業はとても儲かる可能性がある。SEOの末端にいる人々にとっては、アフィリエイト収入が今もって強い味方になるし、MFA(Make for Adsense)サイトで広告クリックの売上も期待できる。しかしそのためには、深い知識と洞察力、そして見苦しくとも成功を目指して働く意志が必要だ。なかには、非常に要領が良く、多少怠けながらも大金を稼ぐ人もいるため、SEOは簡単なことのように見えるかもしれない。けれども、そうした人たちと勝負しようと思ったら、何年もの経験と試行錯誤の繰り返しが必要になる。それを経験してこそ、いかにして最小の努力で最大の見返りを得るか、ということがわかるようになるんだ。
SEOmozが長年にわたって、直接的であれ、曖昧な引用を通じてであれ、多少なりとも悪いアドバイスを与えてきたのは、ほとんど間違いないと思っている。そしてそれは、常に僕たちが取り組んでいかなければならない事なんだ。
コメント
SEO屋のアドバイス?
良質のコンテンツを作ろう。
ウェブサイトは検索エンジンのためではなく、ユーザーのために作ろう。
というのは、SEOという切り口から見れば間違っているのかもしれないが、これをやることは間違いではないでしょう。
あまりに偏見にとらわれすぎているのでは?
これを鵜呑みにしたら(しないと思うけど)日本の作り手が間違ってしまう気がする。
Re: SEO屋のアドバイス?
編集部の安田です。
これに関してですが、Randの言っている
彼のことなので、「ブランド認知度が高ければ、コンテンツの質はたいしたことがなくてもいい」という意味ではないはずです。
これは、「良質のコンテンツを作ろう」の全否定ではなく、「“単純に良いコンテンツを作ればそれでいい”と考えてしまうと良くない」ということだと思われます。