
BEENOSグループのBeeCruiseはUCC上島珈琲、JTBと共同でアジア向けオンラインツアー「UCCコーヒー×JTB×BeeCruise特別企画 UCCコーヒーの美味しさとその秘密を知る オンラインライブ中継見学ツアー (抽出実習付き)」を実施する。主な対象者はアジア圏の越境ECの代理購入サービス「Buyee(バイイー)」ユーザーで、初回は2021年7月3日(土)。
オンラインツアーでは、ハワイにあるUCCコーヒー直営農園、神戸市にあるUCCコーヒー博物館からライブ中継を実施。案内はすべて英語で行う。ライブ中継ではないが、UCC六甲アイランド工場での品質検査や製品化までの加工工程などの映像も配信する。
直営農園からは、コーヒー栽培やコーヒー焙煎のようすなどを参加者からの質疑応答を交えて配信する。場合によっては農園で働くスタッフとのコミュニケーションも行うという。

事前に「Buyee」(日本の通販商品・オークションの代理購入・代理入札サービス)に会員登録したツアー参加者には、ドリップコーヒーのギフトセット「チョコフルチーズに合うセット(6個入り)」を郵送する。

ツアー当日は届いたセットを使用し、自宅でプロの抽出方法やフードペアリングを学びながら、自分自身でコーヒーのドリップに挑戦するワークショップを行う。

ツアーの所要時間は150分でZoomを利用する。定員は20人で、費用は6000円。初回の7月以降、9月と11月に実施予定。
近年、アジアのコーヒー需要に伴い、UCCコーヒー博物館への海外からの来館者が増加していたが、新型コロナの影響により2021年5月現在は来館できない状況になっている。一方で、在宅時間の増加により、コーヒーの愛飲者が増加していると予想する。

コロナ禍でインバウンド需要が激減する一方、訪日できないことから「日本ロス消費」が発生、日本商品の購買はオンライン上の越境ECに移行しているという。2020年度の「Buyee」の流通総額は前年比22.3%増加と過去最高を記録した。
今回のツアー実施に際し、BeeCruiseは次のようにコメントした。
「カップから農園まで」を理念とするUCCコーヒーによる上質なコンテンツの提供と、JTB監修による充実したオンラインツアー体験、そしてBeeCruiseによる海外代理購入サービス「Buyee」を活用した一気通貫の販売サポート体制の構築により、拡大するオンラインツアー市場において、参加するだけではなく、参加者自身の行動を伴う体験を提供することで、その先の消費行動の喚起を図ります。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:ハワイのコーヒー農園見学やワークショップをオンラインで。UCCコーヒー、JTB、BeeCruiseが共同開催
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この記事は、書籍『DX経営図鑑』の一部を特別にオンラインで公開しているものです。
「マーケティングのNIKE」に突如テクノロジーの香りを添えることになったのは、NIKE+(ナイキプラス)です。
NIKE+は2006年、AppleのiPodと連携して始まった活動量測定デバイスおよびソフトウェアサービスです。専用の小型センサーをシューズ内に埋め込み(内蔵ポケットのある専用シューズがある)、その走行データをiPodに送って表示させる仕組みです。
やがてiPodの軽量化が進むと、トレーニング中に音楽を聴くことが容易になりました。NIKEはさらに、活動量を正確にデータ測定する機能を追加し、一般人のトレーニング行為にエンターテインメント性と科学的レビューを持ち込みました。
さらにiPodがジャイロセンサー(角速度センサー)内蔵になると、シューズへのセンサーの埋め込みが必要なくなりました。2008年にはSport bandという腕輪型のNIKE製ウェアラブル・デバイスによって、iPodなしでも測定が可能となり(NIKEウェブサイトでデータ確認)、以後NIKE+はiPhoneやApple Watchを含めたさまざまなデバイスに対応していきます。最終的には、スマートフォン上のスポーツアプリでナンバーワンのシェアを獲得するに至りました。
2018年、NIKE+は突然終了します。しかし、2019年にはランニングに特化したNRC(NIKE Run Club)と、ジムトレーニングに特化したNTC(NIKE Training Club)によって、そのコンセプトは継承されました。
NIKE+の終了からNRCへの転換の背景にあるのが、「トリプルダブル」といわれるNIKEの戦略です。
2017年、伝説的なCEOマーク・パーカーが打ち出したこの戦略は、“2X Innovation, 2X Speed and 2X Direct”という言葉が示す通り、「2倍のイノベーション、2倍のスピード、2倍の直販」を目標にしました。商品そのものに加え、NIKE+などの周辺サービスを含めたイノベーションと、それを世に先んじてリリースする市場投入スピードをさらに上乗せし、そのうえ「直販」による売上を2倍にするという戦略で、各方面に衝撃を与えました。
また、NRCとNTC発表の同年にリリースされた「NIKE SNKRS(ナイキ・スニーカーズ:スニーカー専用の直販アプリ)」と「NIKE(NIKEブランド全般の直販アプリ)」は、NIKE直販の代名詞的な存在になります。これらアプリの誕生の背景には、Amazonによる小売流通業の大刷新と、世界的なスニーカーブームがありました。
Amazonショックによる伝統的小売業の破壊によって、スポーツグッズ量販店であるSports Authorityなどは倒産に追い込まれました。これまでの強力な販路が衰退すると、2015年頃から、スポーツとアパレルの販売主導権がeコマース企業に移行し始めます。さらに、スニーカーブームによってレアモデルの偽物がオンラインで出回るようになります。
NIKEとしては、新しい消費チャネルへの対応と、ブランド毀損へのディフェンス、そして利益率の確保を兼ね揃える意味で、前述の戦略の一部である“2X Direct”は最重要課題となったわけです。
また、NIKEは2018年のブラックフライデー直前に、House of Innovation 000と呼ばれるフラッグシップショップ(旗艦店)をニューヨークに設置しました。NIKEアプリによる購買受け取り、予約受け取り、試着予約が可能で、店舗内の決済もNIKEアプリを使えばレジに並ぶことなく完結します。この旗艦店の001は上海に、002はパリにオープンしており、いずれ東京にも上陸することでしょう。
NIKEはスポーツメーカーとしては比較的新しく、斬新なマーケティング手法を展開してきたとはいえ、伝統的な製造工程と商流によって成長した、伝統的メーカーといえます。
そのNIKEが大きくプロセス変革をしたのは、2006年のNIKE+から始まったデジタルシフトです。NIKE+はデータ測定をトレーニングに持ち込むことで、2つのペイン除去に貢献しています。
1つは、測定や分析という難しくわずらわしい作業を個人レベルでも可能にしたことです。従来、科学的なトレーニングをするには、タイム計測の機材はもちろん、その履歴を細かく記録し、成長進捗を管理する必要がありました。NIKE+は本格的で科学的なトレーニングの実行プロセスを圧縮したことで、特別な機材を用意したり環境が整わなくても、個人で自主トレや毎日の健康管理ができるようにしたのです。
もう1つは、NIKE SNKRSなどの直販アプリによって、メーカー直販という「入手手段の価値」を消費者に提供したことです。こだわりのない消費者は売られている商品の中から最善のものを選びますが、熱心なファンは欲しい商品をどうしても手に入れたいと考えます。その商品が量販店やAmazonで欠品すると、公式店舗や大型量販店がない地方在住者などは、人気商品が入手困難であるというペインに悩まされます。さらには、転売業者によって価格が高騰したり、二次流通による詐欺被害にあったりという新しいペインも生み出されるかもしれません。
NIKE直販アプリは、人気商品の抽選予約販売や定番商品の公式販売を通じて、地理的に入手不利というペインをフェアな状態にしました。メーカー直販による正価流通を守ることで、転売や詐欺被害への回避ルートも提供しました。NIKEはデジタル販売施策を通じて、地域格差や暴利搾取という「不条理」のペイン除去に挑戦しています。


NIKE+は個人レベルでも科学的なデータトレーニングを可能にする世界を実現したわけですが、これによってあらゆるアスリートが得られる恩恵は、進捗が可視化できることの安心感、そして達成感でしょう。本来、アスリートの達成感とは公式試合の結果で得られるものです。しかし、試合でのパフォーマンスはほんの一瞬であり、アスリートが費やす時間のほとんどはトレーニングという「苦痛」です。トレーニング中のアスリートは、「この努力は本当に正しい方向に向かっているのか?」「自分は昨日より伸びているのか?」という不安と常に戦っています。専門的な施設や組織では、精密なトレーニングプログラムと進捗管理が提供されますが、個人レベルではそうもいきません。NIKE+によって進捗が可視化されることで、多くの草の根アスリートがもつ「自分の現在地への不安」は「自分の未来への伸びしろ」という価値に生まれ変わり、日々の修練に達成感を得られるようになりました。

直販アプリによって、入手したいアイテムをいつでもどこでも買うことができるようになりました。例えば、地方の小さな町に住んでいたら、欲しいサッカースパイクを手に入れるために2時間かけて札幌のプロショップへ出向いたり、地元のスポーツ店に注文して納品まで2〜3ヵ月待ったりということもあるでしょう。
本来、eコマースが提供していた「流通の地理的不利を消し去る」という価値は、Amazon型モールでの転売業者の出現やオークションサイトの浸透によって新しいペインに相殺されてしまいました。NIKEはそこに直販というルートを大々的に設け、「あのシューズで明日はもっとタイムを上げたい」というアスリートの思いに応えます。入手とトレーニング環境の公平性──「フェアネス」という当然のゲインを、デジタル直販とトレーニング支援アプリによって提案しているのです。
「アスリートの成功のためにNIKEは存在する」というのがブランドアイデンティティーであり、NIKEの約束です。NIKEが現代もなお、ナンバーワンでいられるのは、このアイデンティティーや「Just Do It(行動あるのみ)」というブランドスローガンからぶれることなく、デジタル戦略を立案し、実行しているからでしょう。
一瞬の成果のために苦痛を伴う日々のトレーニングにいそしみ、1秒でもタイムが縮むなら少しでも高性能のシューズを手に入れたい。NIKE+はそのトレーニング効率をより向上させ、高性能アイテムを高速で市場に投入し、可能な限り公正な入手手段を提供しています。そのためには、NIKEブランドそのものが「勝つためにどうしても欲しい商品」であり続けなくてはなりません。NIKEの「トリプルダブル」戦略は、デジタル時代のマーケティング戦略の成功例として捉えられることが多いのですが、革新的な製品を高速で市場リリースし続けるという至上命令も課されているのです。すなわち、超高速で商品開発と市場提供を行いながら、常に「欲しいブランド」であり続けるからこそ、NIKEのデジタルマーケティングは成功しています。NIKEのDXの本質は、デジタルによる新しい価値提供とともに、これを生み出すための研究開発・生産・マーケティングの全てにおいて壮大な構造変革を行っていることなのです。
コロナ禍直前の2020年1月、マーク・パーカーCEOは退任し、eBay出身でPayPal会長でもあるジョン・ドナホーが後任となることを発表しました。デザイナーからCEOに上り詰めたパーカーによる「クリエイティブのNIKE」は今後、ドナホーによる「デジタルのNIKE」にシフトするでしょう。NIKE+に始まったNIKEのDXはいわば第1章であり、今後のさらなる進展が見込まれます。
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オリジナル記事:【ナイキのDX事例】アスリートの孤独に寄り添うNIKE+、NIKE Run Club、NIKE Training Clubのアプリとデジタル戦略 | DX経営図鑑(全8回)
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勝てるDXの本質
~次に生き残るのは、誰か?~
世界の伝統的企業やスタートアップがいち早く取り組んできたDXの数々。各事例をつぶさにレポートしてきた「DX Navigator」編集部の知見をまとめ、事例分析と価値提供のプロセスを可視化した一冊です。
本書は世界全32社のDX事例を収録。いずれも、顧客/ユーザー視点での「ペイン(苦痛)」と「ゲイン(利得)」を切り口に、顧客/ユーザーが最終的に得た「価値」について解き明かします。
Part 1では、従来の商習慣や価値提供の概念を新しい基準に転換させた「ゲームチェンジャー」である9社―Netflix、Walmart、Sephora、Macy’s、Freshippo、NIKE、Tesla、Uber、Starbucks―を取り上げます。
Part 2では、海外のスタートアップを中心に日本企業も加えた23社の事例を、業界別に紹介。多くの顧客/ユーザーから支持を得た、各社のエッジが効いた斬新なアイデアとその背景に鋭く迫ります。
日本の「DXブーム」には問題も潜んでいます。DXとは単なる技術導入やカイゼンを言い換えた言葉ではなく、「ユーザーが最終的に得る価値」を見つめ、新しい価値提供の仕組みを創り出すということ。これからも続く企業の変革、世の中の変革のなかで、次に生き残るのは誰か?
2021/5/20の経済産業省の特定サービス産業動態統計調査から。http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/result/result_1.html
全体では前年同月比で0.4%増で、18カ月ぶりのプラス。
新聞は3.9%増で、こちらも全体と同じく18カ月ぶりのプラス。雑誌は31.7%減で、マイナスは71カ月連続。テレビは同2.9%減。
インターネット広告は6カ月連続プラスで15.5%増、2桁のプラスは3カ月連続。屋外広告は4.4%減。交通広告は36.9%減。折込・ダイレクトメールは2.9%増と、連続マイナス記録は51カ月で終わった。

DINOS CORPORATION(ディノス コーポレーション)は今年度、社内業務で排出されるコピー用紙など古紙を回収し、セイコーエプソンの製品である乾式オフィス製紙機「PaperLab」で再生したR100(古紙パルプ配合率100%)自社再生紙による紙媒体の社内報を発行する。
カタログ通販企業として、従業員に対し社内古紙を社内報へとアップサイクルすることを通じ、紙の価値と自然環境の2つの視点を同時に伝えていく役割も担っている。

社内複数か所に専用ボックスを設置して古紙回収を促し、不要となった保存書類なども併せてA4サイズの古紙を回収。これら約1万3000枚から、独自技術ドライファイバーテクノロジーでオフィスでの紙循環を実現したセイコーエプソンの「PaperLab」を用いて、150g/平方メートルの厚みでA3サイズ3000枚を製紙、社内報用紙として使用する。
「PaperLab」に回収したA4古紙を挿入、毎時216枚の150g/平方メートル・A3用紙が誕生する。同製品はオフィスでの紙循環を実現するだけでなく、製紙に際して大量に必要となる水もほとんど使わないなど、マルチな点で環境負荷軽減に貢献するという。

セイコーエプソンは今回の取り組みについて、「PaperLab」が提供できるアップサイクルの新たな企業事例創出のための実証実験と捉え、全面的に協力した。
2021年に創業50周年を迎えるDINOS CORPORATIONの通販ブランド「ディノス」では、テレビ・ECに加え、顧客に対するコミュニケーションツールとしてカタログ等などの媒体を展開している。持続可能な社会の実現に貢献するため、2021年に策定した「サステナビリティビジョン2030」において、自然環境に対する取り組みの1つに「責任ある紙の使用」を掲げている。
紙によって伝えていくことの価値を大切にする企業として、これまでの社内コミュニケーションではWebに加えて紙メディアも用いてきた。2021年3月、ディノス・セシールからの社名変更・新体制スタートを機に、社内古紙を再生したR100自社再生紙を使用。紙媒体の価値に環境保全視点も加えた社内報としてリニューアルすることにした。
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オリジナル記事:自社再生紙で紙媒体の社内報を発行、「紙の価値」「自然環境」の2視点を社内に啓発
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EC企業のSNS活用、最多はInstagram。課題は「効果の実感がない」「運用人材不足」「ネタ不足」

コロナ禍の需要増でオイシックス・ラ・大地の売上は1000億円を突破【2021年3月期】

アシックスがデジタルを軸にした経営への転換を掲げた中期経営計画の中身とは?

楽天の国内EC流通総額は1.1兆円で約22%増、ショッピングECは約40%増【2021年1Qまとめ】

三越伊勢丹HDのEC売上高は57%増の315億円、化粧品や食品定期宅配も伸長

カクヤスがモール事業に参入。「日本酒+つまみ」に特化した専門EC「カクベツ」を開設

みんな最初は失敗する。EC業界のしくじり先生に学ぶEC事業の立ち上げ方【ネッ担まとめ】

コロナ禍でEC活用はどう変わった? EC利用率は33%、利用拡大の意向は44%、EC活用を検討している企業は約2割

LINEとSTAFF STARTが業務提携。オンライン接客のパーソナライズ化に向け、「LINE STAFF START」を共同開発へ
【WalmartのDX事例】Amazonショックに立ち向かうリテール王が進めたデジタルとリアルの良いとこどり
※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。
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オリジナル記事:EC企業公式アカウント運営の悩み/オイシックス・ラ・大地が売上1,000億円を突破【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング
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リフトオフが、アドコロニーやファイバーなどとの共同プロジェクトの一環で各社のデータを分析し、アップル「iOS 14.5」公開以降の初期の影響を明らかにした。それによると、「アプリのトラッキングの透明性」(ATT)のオプトイン率は、各社でやや幅がある。モバイル広告費は一部を除きiOS向けが減少し、Android向けが増加している。iOS向けはCPMも低下している。これは一時的なもので、iOS 14.5が普及してマーケッターがIDFAなしの広告支出に自信を持てば回復すると予測される。
14.5 Days After iOS 14.5: An Early Look at the Impact on Mobile Advertising
https://liftoff.io/blog/att-impact-analysis-1/
iOS 14.5リリースから14.5日:モバイル広告にもたらした変化
https://liftoff.io/ja/blog/14-5-days-after-ios-14-5-an-early-look-at-the-impact-on-mobile-advertising/
リフトオフは「Mobile Ad Performance Tracker」で、IDFAありのトラフィックの割合の推移なども公開している。
Mobile Ad Performance Tracker
https://liftoff.io/company/mobile-ad-performance-tracker/
AppleのIDFA利用のポリシー変更により、Androidの広告費が21%急増:Liftoff 、ポストIDFAアライアンスでの共同調査を発表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000027330.html

ヤフーは5月20日、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(透明化法)の施行を踏まえ、規制対象となる「Yahoo!ショッピング」(PayPayモール含む)における透明性向上のための取り組みに関する出店者向け説明ページを公開。合わせて、「協働」「共有」「協創」という出店者との3つの約束を発表した。
ヤフーは2020年12月、「Yahoo!ショッピングストア運用ガイドライン」を改訂。9月には「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」で開示している消費者・ストア向けの「おすすめ順について」の記述について、背景や理念を補足説明している。
今回公開した説明ページでは、透明性向上のための取り組みをまとめて紹介。合わせて出店者との3つの約束を公表している。

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オリジナル記事:ヤフーが「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」出店者に3つの約束「協働」「共有」「協創」を公表
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楽天グループは、独自の配送サービス「Rakuten EXPRESS」を終了する。楽天が独自に消費者へ商品を届けるラストワンマイルは、順次、日本郵便を中心に他の配送キャリアに移行する。「楽天市場」出店者への影響はないという。
「Rakuten EXPRESS」は、楽天グループで生活用品や日用品を取り扱う「Rakuten24」などの直販、「楽天ブックス」、ファッション通販サイト「Rakuten Fashion」、家電ECサイト「楽天ビック」の商品、「楽天市場」出店店舗を対象とする物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」で受託する一部の荷物を自社配送するラストワンマイルのサービス。

楽天グループが担っていたラストワンマイルは、資本・業務提携先の日本郵政傘下の日本郵便を中心に、他の配送キャリアへ順次、移行する。「Rakuten EXPRESS」の人口カバー率は約70%。三木谷浩史会長兼社長は、残りの30%を自社配送でカバーするには「コストが相当かかる」と説明していた。
「Rakuten EXPRESS」の業務委託先には5月に入り、サービスを終了する旨の説明をスタート。終了時期は明らかにしていないものの、委託先との調整を進め、順次、終了するとしている。
楽天グループは単独での物流DX(デジタルトランスフォーメーション)の構築ではなく、日本郵便と物流拠点や配送システム、受取サービスの構築、楽天フルフィルメントセンター、ゆうパックなどの利用拡大に向けた取り組みを共同で進める構想を掲げている。
事業を推進するのは2社出資の合弁会社「JP楽天ロジスティクス株式会社」。まず、楽天グループが新設する完全子会社「JP楽天ロジスティクス合同会社」に、物流事業に関る権利義務を簡易吸収分割の形式で承継。7月1日に楽天、日本郵便が「JP楽天ロジスティクス合同会社」に出資し、翌日に「JP楽天ロジスティクス株式会社」へ商号変更する予定。

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オリジナル記事:楽天が独自の配送サービス「Rakuten EXPRESS」を終了へ。ラストワンマイルは日本郵便などへ移管、出店者への影響はなし
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靴のECサイトを運営する「Zappos」は、女性向けファッションブランドの「M.M.LaFleur」とパートナーシップを結びました。今後も主要アパレルブランドの販売を拡充していくことでしょう。Zapposがアパレル販売を拡充する戦略意図を探っていきます。
「M.M.LaFleur」はZapposでのデビューと同時に、コロナ禍の影響で仕事を離れている多くの女性のために、プロフェッショナルな女性の服装に焦点を当てた仕事復帰キャンペーンを開始しました。

Zapposのクリスティ・ハウザー氏(オペレーションおよびブランドパートナーシップ担当ディレクター)は、「アパレルはZapposのMDの中で新たに成長しているカテゴリーで、全体の売り上げの中でアパレルが占める割合は、四半期ごとに大きくなっています」と言います。
ここ数年、Zapposは数百のアパレルブランドをサイトに追加していますが、「2021年にはアパレル商品を大幅に拡大する予定」とハウザー氏は言います。
Zapposは2016年、「New Balance」の衣類品からアパレル商材の販売をスタート。消費者の「『Zappos.com』でもっと衣料品を購入したい」という声を受け、アパレルへの本格的な進出を始めたのは、ここ数年のことです。
私たちは靴の販売で知られていますが、ここ数年、アパレルへの要望が増えています。我々はそんなお客さまの声をとても大切にしています。(ハウザー氏)
ロイヤルティの高い顧客層は、いろいろな商品をZapposで購入したいと考えています。彼らは、「Zappos.com」内で衣料品のショッピングが完結することを望んでいるのです。Zapposはここ数年、徐々に衣料品の取り扱いを拡大してきましたが、独自のアパレルブランドを立ち上げる予定はありません。(ハウザー氏)
「Zappos.com」で取り扱いが始まった最新のブランドの1つが、女性向けアパレルブランド「M.M.LaFleur」です。Zapposと「M.M.LaFleur」は2020年12月、パートナーシップを開始しました。ハウザー氏によると、両社の関係は卸売りに似た「収益折半モデル」。Zapposが「M.M.LaFleur」の商品を購入、倉庫に保管すると同時に、発送、返品、カスタマーサービスの問い合わせなどすべてに対応しています。
Zapposは2021年4月、数十種類の「M.M.LaFleur」商品の販売をスタートしました。この立ち上げは、コロナ禍の影響で仕事を離れているビジネスウーマンの仕事復帰に焦点を当てたキャンペーンと同時進行に行われました。

このキャンペーンは、「Zappos.com」内のブランドページで展開されています。そのページでは、コロナ禍後に再就職する女性のために、Zoomでの面接時におススメの服、職場復帰の初日、在宅勤務から職場に復帰する際におススメの服といった切り口で「M.M.LaFleur」の服を紹介。また、Zoomを使った就職面接のコツも解説しています。
Zapposと「M.M.LaFleur」は、コロナ禍で働く女性が直面する問題(自宅で子供の世話をするために、多くの女性が男性よりも職場を離れなければならないなど)に焦点を当てたキャンペーンを開始しました。同時にZapposは、非営利団体「Dress for Success Worldwide」に2万5,000ドルを寄付しています。
この寄付金は、恵まれない女性をサポートし職業訓練を提供する団体のプログラムのために活用されます。また、仕事用に新しいワードローブを必要としている身近な女性を消費者がZapposに推薦できるキャンペーンを行い、10人の女性に500ドルのギフトカードをプレゼントしました。
売上データは非公開ですが、「これまでのところ、このキャンペーンは順調に進んでおり、コロナ禍の問題に光を当てたことについて、顧客や顧客以外からも好意的なメッセージがZapposに寄せられている」とハウザー氏は語っています。「Zappos.com」内の「M.M.LaFleur」ブランドページへの顧客のエンゲージメントと、商品へのフィードバックをKPIにしてキャンペーンの成功を測定しています。
成功を測る方法はいくつかあります。「M.M.LaFleur」の服を着て、より快適に過ごしてもらうと同時に、職場復帰のストレスを解消するような課題に我々が取り組んでいることを、一般消費者とZapposの顧客の両方に認識してもらうことが大切です。(ハウザー氏)
全体的には、ハイヒールなどの仕事用アイテムやイベント用アパレルは、2020年の水準と比較して「上昇傾向」にあります。しかし、「決して急増しているわけではない」とハウザー氏は話します。「M.M.LaFleur」からはこの件についてコメントがもらえませんでした。

「M.M.LaFleur」の商品は、ブランドサイトから直接購入することもできますが、多くの消費者はZapposでの購入を好む可能性がある、とハウザー氏は考えています。
消費者は、Zapposで靴を購入した後、「MMLaFleur.com」に移動して仕事用の服を購入するのではなく、カテゴリーを超えた複数のアイテムを一度にZapposで購入できる利便性を好むと考えられるからです。
さらに、Zapposのロイヤルティプログラムのメンバーは、寛大な返品ルール(365日以内返品可能)と送料無料の特典を利用したいと思うでしょう。「M.M.LaFleur」がまだ提供していない商品を、Zapposが先に提供する可能性もあります。
「M.M.LaFleur」の商品はZapposの一般的な価格帯よりも高いですが、ハウザー氏によると、Zapposの顧客が「M.M.LaFluer」の取り扱いを望んだそうです。Zapposは「北米EC事業 トップ1000社データベース 2021年版」1位のAmazon傘下で、「M.M.LaFleur」は同データベースの504位にランクインしています。
Zapposは今後も「M.M.LaFleur」の商品を拡売していく予定で、Zoomに適した面接のコツを紹介している専用ランディングページは、他の関連コンテンツに随時変更されることになっています。
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オリジナル記事:「熱狂的なファン」が集まるZapposがアパレルを拡充する理由。ロイヤル顧客の声に応えるザッポスの戦略意図とは? | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ
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スーパーマーケットを中核に、ホームセンター、ドラッグストア、スポーツクラブを展開するバローグループの持株会社バローホールディングス(HD)は、3年後の2023年度までにEC売上高を前年度(2021年3月期)比で約2倍の100億円、将来的には500億円まで引き上げる。
決算説明会において中期経営計画で明らかにした。2020年度のEC売上高は51億円。売上高の内訳は、EC(ドラッグストア・ホームセンター事業)、事業所向け宅配「ainoma(アイノマ)、ドライブスルー、その他無店舗販売事業の売上高を含む。

バローHDは、「ainoma」、ホームセンターバローが運営するECサイト「プロサイト」、DIYから作業工具などのファーストが運営するECサイト「FIRST」、中部薬品が展開するV・ドラッグやホームセンターバローのECビジネスなどでEC事業を展開している。
中期経営計画では、顧客とつながる「顧客との接点」を強化すると表明。DX(デジタル・トランスフォーメーション)を通じて、「顧客との接点」強化を進める。店舗での販売に加え、EC やプリペイドカード「LuVitカード」、アプリの活用に注力する。

EC戦略として2つの重点領域を設定し、主要業態がドミナントを形成する地域では自社の経営資源を中心に展開する「ドミナント自社EC」、2021年夏からアマゾンジャパンと開始するネットスーパー事業のような自社で足りない技術やマーケットを協業などによって補完する「広域協業EC」に取り組む。
特に、「ドミナント自社 EC」では事業所向け宅配「ainoma」、ドライブスルーによる商品受け取り、その他無店舗販売事業を通じ、複数の接点を持ちながら地域が抱える課題に対応していく。

2021年夏にアマゾンジャパンと協業し、東海地方で生鮮食品のネット通販、最短2時間の配送サービスを始める。「Amazon.co.jp」のWebサイト、Amazonショッピングアプリ上にバローのストアをオープン。顧客からの注文後、バロー店内の専門スタッフが顧客に代わって商品を選び、Amazonの配送ネットワークで注文から最短2時間で注文商品を届ける。バローがAmazonに出店し、ネットスーパーを展開するビジネスモデルとなる。
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オリジナル記事:EC売上500億円めざすバローグループ。ネットスーパー、移動販売、ネット通販、モール出店などを活用するEC戦略
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「ナチュラム」は大阪に本社を置く釣り具とアウトドア用品の専門ショップだ。釣りに使う浮きや仕掛けなど釣り具用小物のメーカーが母体で、釣り具の小売店も運営していた。1996年よりEC事業を開始し、2000年に独立してナチュラムとなった。
同社の強みは圧倒的な品揃えにある。釣り具は魚種や釣り方によってさまざまな商品を揃え、釣り具の他にもキャンプ用品やアウトドアアパレルなどを扱い、かつては40万SKUに達していた。「ショップにないものでもナチュラムへ行けば必ずある」とマニアの間では有名である。
ここでは、そんなナチュラムがどうやって独自性を獲得してきたのか、その道のりを紹介する。

同社は早くから「ナチュログ」という釣りとアウトドアに特化したブログで情報発信を行ってきた。ユーザーも自由に投稿できる。日本最大級の釣りとアウトドアのコミュ二ティに成長し、月平均1,500万PVを獲得。
投稿したユーザー自身が商品ページにリンクを貼り、リンク経由で商品が売れた場合にはポイントを受け取ることができる「アフィリエイト・リンク」の仕組みも導入。まさにUGC(User Generated Contents)の先駆例である。
サイトオープンから業績は右肩上がりで、2007年には大証ヘラクレス市場に上場。EC通販事業者としては初めての快挙だった(その後、東証と大証の合併により東証ジャスダック市場へ移り、現在は上場廃止)。
しかし、その後は苦難の道のりが待っていた。
現在取締役社長を務める西田耕三氏によると、「上場後も売上は拡大していたのですが、2010年になると収益が急激に悪化し赤字に転落。2011年には売上も減少に転じ、3期連続の赤字となってしまいました」。
まさに経営は崖っぷち。そこで当時の経営陣は2つの手を打った。
1つは取扱商品の拡大だ。2011年からフランスの大手スポーツ用品メーカーであるDECATHLON(デカトロン)と提携し、同社のアウトドア用品、スポーツ用品を販売し始めた。さらに2014年8月にはデカトロンの出資を受けてその傘下に入り、上場を廃止した。
もう1は業務体制の見直しだ。売上の伸びに業務体制の整備が追い付いておらず、売上の伸びが少し鈍化しただけで、収益が悪化していた。経費からオペレーションに至るまで、ムダやムラが蓄積して“水ぶくれ体質”になっていたのだ。
例えば、バイヤーの仕事はそれまで、メーカーの新商品が出ればサイトに登録し、売上を管理し、補充発注を行うことでした。
しかしEC通販市場が拡大して競争も激しくなる中、そうしたルーティンワークに時間を割いても業績にはつながりません。そこでバイヤーの仕事を順に取り上げて、アウトソーシングしていったのです。
代わって、多様化する顧客ニーズに合ったシーン別の売り場を作ったり、潜在顧客へ働きかける新しいプロモーションを企画したり、未来の売上を創造するマーチャンダイザーを育てていきました。(西田氏)
こうした対策で業績はなんとか持ち直した。2017年にはキャンプブームもやってきた。ところが、ここでまた売上が60億円になりながら、赤字に転落してしまったのである。
同社の事業モデルはもともと「専門ロングテール型」なので、売上に対して商品数、SKU数が多い。売れ筋に絞るやり方もあるが、品揃えという強みを手放すことができず、かつ売上重視の体質からなかなか抜け出せなかった。
社員も40名以上に膨らんでいた。1回の見直しだけでは取り除けなかった弱点が顕在化したと言える。
この段階でもう一度、業務体制の見直しに取り組みました。同時に、デカトロンの方針転換から2018年1月、スクロールの傘下に移ることになり、私が責任者に就いたのです。(西田氏)
スクロールグループ入りは、同社にとって業務体制の見直しを加速する効果があった。スクロールグループでは事業ユニットや取り扱う商品単位ごとに予算進捗、損益などを管理する「small teams earn profit(STEP経営)」という仕組みを導入している。ナチュラムでもこの仕組みを導入し、細かく損益状況をチェックした。
それまで年2回ほど、金額によらず送料無料にするキャンペーンを行っていたがこれをやめ、送料を一定額以上のみ無料に変更するなど、注文単位での損益管理を徹底することにした。売上が伸びているのに赤字になるということは、そもそも収益構造に問題がある。その点にもメスを入れた。
着目したのが自社ブランド商品のテコ入れだ。同社には「ハイランダー」というプライベートブランドがある。「ハイランダー」は2009年5月にスタート。小物アイテムから手掛け、数千万円ほどの売上になっていたが、その後はあまり力を入れていなかった。
しかし、アウトドア愛好者のニーズをとらえたアイテムを、海外有名ブランドと同等の品質で、かつ手頃な価格で提供できれば大きな武器になる。経営的にもナショナルブランドに比べて原価率を抑えられ、収益構造の改善に寄与する。
こうしてナチュラムでは「ハイランダー」ブランドでテーブル、テントなどの新商品を開発し、プロモーションを積極的に行った。するとマスコミにも取り上げられるなどして、売上は倍々ペースで順調に拡大した。今後もアイテム数を増やし、生産ネットワークを拡充していく方針だ。

こう言うと自社ブランドにシフトしようとしているように聞こえるかもしれないが、必ずしもそうではない。
収益力を強化する上で自社ブランドは重要ですが、ナショナルブランド(NB)も大切にしており、そちらの売上も伸ばしていく考えです。なぜなら、NB商品がないとEC通販サイトとして面白くなくなり、顧客の支持を失ってしまうからです。(西田氏)
ナチュラムでは最近、自社サイトでNBブランドのショップinショップを強化している。あるアウトドア用品の人気メーカーは、2年ほど前から自社製品のモール出品を禁止しているが、正規取扱店の自社ECサイトであれば認めている。
同社はいまも多くのNBメーカーと良好な関係を維持し、オリジナルカラーなどのコラボ商品(SMU:Special Make Up)などの開発に取り組んでいる。
スクロールグループに加わった後の業務体制の見直しとしては、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の全面活用にも踏み込んだ。
同社はすでに2004年、中国四川省に成都インハナというBPOの子会社を設立し、業務の一部を移管していた。成都インハナには日本語が堪能な現地社員がおり、商品データの作成から、市場調査(競合店の価格調査)、受注処理、販売管理などへ担当領域を広げてきた。先ほどふれたバイヤー業務のアウトソーシングも成都インハナが受け皿になった。
また、成都インハナはナチュラムの基幹システムを共有しており、年間約10万SKUの新規商品の登録業務や、売り場における画像生成の業務を行うことで、ナチュラムのルーティーン業務が大きく削減されている。

2018年からはスクロール360の物流センターを活用している。現在、同社が扱っている商品は一時より減ったとはいえ25万SKUあり、物流センターでの在庫管理は資金効率の鍵を握る。
この点、ナチュラムには独自の売上予測システムがあり、そこに過去の売上データなどを組み合わせ、月単位で翌月分の仕入を取引先に発注する。こうして無駄を減らしながら、幅広い注文に対して欠品を起こさない在庫水準を維持することに成功しているのだ。
売上予測システムは仕入だけでなく、売上管理にも利用されている。商品ごとの販売計画と実績のかい離に応じて自動補充発注による欠品の防止やアラートメール通知で予実かい離の確認、修正を行い、業務効率を向上させている。
顧客からの電話による問い合わせなどはスクロール360の浜松コンタクトセンターが対応する。この対応も単なるマニュアルベースではなく、ナチュラムの受注管理システムと連動することで、ケースに応じてオペレーターが注文のステイタス(現在状況)をその場で確認し、一歩踏み込んだ臨機応変な受け答えを行っている。
1回の問い合わせで問題が解決し、二次問い合わせが以前より大幅に減少したほか、いわゆる「サンクスメール」の増加にもつながっている。
こうしてナチュラムはフルフィルメントをほぼ100%アウトソーシング化した結果、2018年に黒字化へ転換し、2019年も増収増益を達成している。
業務体制の見直しと並行して、マーケティング面でナチュラムが力を入れているのがOMO(Online Merges with Offline)の推進だ。
OMOと言うと、ユニクロやユナイテッドアローズといったアパレル企業による、リアル店舗とオンラインショップの融合が知られている。ナチュラムは逆に、ネット通販企業としてリアルイベントを開催し、アウトドア用品を顧客に実際に体験してもらい、その様子をSNSなどで拡散するというアプローチをとる。
ナチュラムは2018年3月、キャンプブームの盛り上がりに合わせ、大阪の京セラドームで「touch the outdoor」と名付けたイベントを開催した。50〜60のテントを展示するもので、告知は自社サイトと登録ユーザーへのメール、SNSのみだったにも関わらず、「こんなに多くの商品を一度に見られるところはない」と人気を集め、2日間で5000人が来場した。
その後も全国各地で開催されるアウトドア用品の合同展示会に参加し、2019年には同じ京セラドームで2回目の「touch the outdoor」を開催。今度は「ハイランダー」製品のほか、他社とのコラボ商品なども多数展示。ネットでの購入で使えるクーポンも発行したところ、来場者数は7000人に増えた。同社では今後も、こうしたリアルのイベントに力を入れていく予定だ。

アウトドア用品業界ではいま、大手メーカーがD2Cにシフトする流れがある。
我々EC通販事業者の強みは何なのか。1つは情報力です。ナショナルブランドでもメーカーは自社製品の売れ行きしかわかりません。それに対して当社は、自社も含めて複数ブランドの商品を扱っており、それぞれの売れ行きから業界のトレンドや顧客ニーズの変化をいちはやくキャッチできます。
リアルイベントなどを通じて社員が直接、顧客の声を聞くことも貴重な情報源です。(西田氏)
市場環境がさらに厳しくなる中、老舗有名ショップとはいえ生き残るためには価格競争に巻き込まれない商品戦略(MD)ときめ細かな顧客対応によるファンの拡大が鍵を握る。
MDの点では新たな試みとして、2019年に災害用備蓄品や非常用保存食、防災資機材を扱うミヨシを子会社化した。
小売の原点を守りつつ、「独自の商品をつくる」ことと「独自のファンを育てる」ことの両面で挑戦を続けるナチュラムの今後に注目したい。
筆者とナチュラムとの出会いは2006年に遡る。筆者が総合通販ムトウ(現在のスクロール)のマーケティング課からソリューション事業部に異動した時だ。ソリューション事業部ではすでにナチュラムの物流を受託していた。
筆者はムトウでEC事業を手掛けていたが、ナチュラムのECは段違いだった。
わかりやすく言うと、カタログ販売の大量の在庫を使って片手間でECをしているムトウに対し、ナチュラムはECオンリーのオリジナルな仕組みで、仕入れから販売まで一貫して行っている。両者には大人と子供くらいの差があった。
これは現在、リアル店舗を主体とし、片手間でECをやっているアパレル企業と、ECオンリーで命を懸けている企業との差を連想させる。
筆者が特に驚いたのは、40万SKUという圧倒的な品揃えだ。ところが実際には、物流倉庫に置いてあるのは8万SKUだけだった。残りの32万SKUの商品は、注文が来てから発注する方式だったのである。
売れ筋の8万SKUについては取引先と価格交渉のうえ商品を買い取る。残りの商品は受発注だ。ショートヘッドの8万SKUだけで、全体の80%の売上を稼いでしまう。ロングテールの商品は取引先から取り寄せ後の発送となる。

とはいえ8万SKUの発注を毎月人力で行うのは無理だ。そこでナチュラムが独自に開発したのが「8マスシステム」という受注予測のシステムだ。過去3年の受注実績から、SKU別に翌月の受注数量を予測するのである。

図の例で解説すると、このチェアーの2019年6月の受注数量を予測するには、2017年と2018年の4月〜6月、そして2019年の4月と5月と8つのマスの数値データから算出する。スコミでの露出による突発的な数値データは、異常値として予測に反映しないといったアルゴリズムが適用されている。
現在、この8マスシステムで予測された数量をもとに、補充発注数の見直しをしているのが、中国四川省にある成都インハナである。ナチュラムはコアな業務に集中するために、ルーティン業務を徹底的にアウトソーシングしてきた。
成都インハナは現在、スクロール360の100%子会社となり、ナチュラム以外の日本のEC事業者にさまざまなBPOを提供している。ロングテール型EC事業者には、ナチュラムで開発した8マスシステムの提供も開始している。
この記事は『EC通販で勝つBPO活用術』(ダイヤモンド社刊)の一部を編集し、公開しているものです。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:売上増も赤字転落。どん底からV字回復を遂げた釣り具とアウトドア用品の老舗「ナチュラム」の収益改善アプローチ | 『EC通販で勝つBPO活用術』ダイジェスト
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