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休業者が生活資金を直接申請できる「休業支援金」の申請対象期間を7月末まで延長

4 years 9ヶ月 ago

新型コロナウイルス感染症の影響で勤務先から休業させられたものの、勤め先から休業手当を受け取れないといった労働者が直接、生活資金を申請できるようにする労働者向けの給付制度「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」(休業支援金)に関して厚生労働省は、申請対象期間を7月末まで延長すると発表した。

これまでの申請対象期間は6月末だった。

「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」(休業支援金)は7月末まで
休業支援金の申請対象期間について

「休業支援金」は、企業の選択によって雇用調整助成金を活用しない勤務先から休業手当を受け取れないといった労働者が直接現金を申請できる制度。中小企業・大企業の被保険者(労働者)に対し休業前賃金の80%を、国が休業実績に応じて支給している。

大企業については、シフト労働者など(労働契約上、労働日が明確ではない労働者)が対象。中小企業での日々雇用やシフト制で、実態として更新が常態化しているケースにおいて、事業主が休業させたことについて労使の認識が一致した上で支給要件確認書を作成すれば支給対象としている。

原則的な措置の助成額上限は9900円。緊急事態宣言、感染が拡大している地域(まん延防止等重点措置対象地域の知事による基本的対処方針に沿った要請)について、都道府県知事による要請を受けて時短協力などに応じた企業による休業で、事業主に休業させられる労働者が休業手当を受け取れないときは、助成額の上限額は1万1000円。

瀧川 正実
瀧川 正実

GMOペパボと全国商工会連合が連携し、中小企業・小規模事業者のEC化を支援

4 years 9ヶ月 ago

GMOペパボが運営するネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」は、全国商工会連合会(全国連)と連携し、2021年6月1日から企業のEC化を支援する取り組みをスタートした。支援の対象は、全国の商工会に所属する中小企業や小規模事業者が対象。

ネットショップを開設したい企業を支援

全国商工会連合会が実施する「令和3年度 地域力活用新事業創出支援事業」にカラーミーショップが協力。ECを活用した販路拡大支援セミナー、ネットショップ構築ワークショップ、個別相談会などに「カラーミーショップ」が講師として参加する。

実施期間は2021年6月1日~2022年2月8日で、支援対象は各都道府県の商工会連合会や商工会職員、商工会に所属する中小企業や小規模事業者。

GMOペパボ カラーミーショップ 全国商工会連合会 EC化支援
GMOペパボと全国商工会連合会が連携し、EC支援を実施

GMOペパボと全国連は2019年5月に、全国の商工会に所属する中小企業・小規模事業者のインターネットを活用した経営効率化や販売促進を目的に包括連携協定を結んでいる。

全国の商工会会員事業者向けにホームページ作成サービス「グーペ byGMOペパボ」の特別プランの提供や、セミナー・ワークショップを通じたホームページ作成や運営支援を行っている。

藤田遥
藤田遥

「磯丸水産」がECビジネスに参入、コロナ禍の巣ごもり消費を「自宅居酒屋」で開拓

4 years 9ヶ月 ago

「磯丸水産」「鳥良」などを展開するSFPホールディングスは5月、公式ECサイト「磯丸水産 お届けグルメショップ」をオープンした。

主力の磯丸事業「磯丸水産」を冠した公式ECサイトでは、「磯丸水産」で一番人気の「蟹味噌甲羅焼」「蟹味噌焼おにぎり」などを展開。姉妹ブランド「おもてなしとりよし」の水炊き、「いち五郎」の餃子、「玉丁本店」の味噌煮込みうどん、「四代目隆盛」のもつ鍋なども販売する。

SFPホールディングスが開設した公式ECサイト「磯丸水産 お届けグルメショップ」
ECサイトのトップ画面(画像は「磯丸水産 お届けグルメショップ」からキャプチャ)

長期化するコロナ禍で飲食産業は大きなダメージを受けている。「磯丸水産」の人気商品などをネットで販売し、巣ごもり消費における「自宅居酒屋」ニーズを開拓していく。

SFPホールディングスの2021年2月期連結決算は売上高が前期比56.7%減の174億2800万円で、当期純損失は56億5000万円。本業となる居酒屋展開の磯丸事業部門では、「磯丸水産」を17店舗退店、2月末の店舗数は直営106店舗、フランチャイズは13店舗となった。磯丸事業部門の売上高は同55.3%減の103億2600万円。

SFPホールディングスの売上高、原価の推移
売上高と原価率の推移(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

外食業界は緊急事態宣言の発出などで業界全体の業績が悪化。居酒屋業態は、自治体からの営業時間短縮要請、外出自粛や集団での会食に対する警戒感の高まりなどの影響で大きな打撃を受けている。

SFPホールディングスは、一部店舗で家主に家賃を減免してもらったほか、雇用調整助成金などの活用で損失の最小化を図ってきた。また、メニューの見直しによるロスの削減、テイクアウトの拡充やデリバリーも開始している。

丼物を中心としたテイクアウトメニューに加え、浜焼き・オードブル・弁当などを大幅に拡充。2020年7月にはデリバリー専業店もスタートし、「うなぎの岡島」「からあげ専門店 巨匠の食卓」といったブランドでもデリバリー展開を始めている。

SFPホールディングスのコロナ禍の取り組み
コロナ禍の一部の取り組み(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

 

石居 岳
石居 岳

2021年5月に掲載された記事

4 years 9ヶ月 ago

2021年4月に更新された記事のまとめ


 

 

こんにちは。ハピアナ広報担当の井水朋子です。

先月、小川が執筆した記事や、小川が登場した記事をまとめて紹介いたします。

 

~ラインナップ~

  1. Googleサーチコンソール活用 第3回:検索流入を増やすべきキーワードとページを見つけるための方法
  2. 小川卓が解説!~まずは実践!CRM編:全6回~
  3. SEO対策・コンテンツマーケティングツール「ミエルカ」に、新機能「競合流入キーワード調査」を追加
  4. 吉和の森 森和吉 × HAPPY ANALYTICS 小川卓 対談

(※公開順) それではお楽しみください!

 

■1.Googleサーチコンソール活用 第3回:検索流入を増やすべきキーワードとページを見つけるための方法

検索エンジンからの流入を増やしたい方必見!サーチコンソールのデータをどのように生かすかがわかりやすく書かれています。

 

  • 媒体名:JBPress
  • 公開日:5/6

 

www.jbpress.co.jp

 

 

 

■2.小川卓が解説!~まずは実践!CRM編:全6回~

5月上旬に公開した、CRMの解説全6回。超ボリューミーな内容ですが、CRM初心者が理解できるように書かれています。
第1回 ユーザーの行動と態度変容を描こう~
第2回 計測するためのデータ取得と設計環境を整える~
第3回 ユーザーの「分類」を考える~
第4回 ユーザーを分類して計測できる状態にする~
第5回 分析に基づいた改善施策を考えて実行する~
第6回 改善施策の実施と評価~

 

  • 媒体名:DXnote公式
  • 公開日:5/5

 

dxnote.jp

 

■3.SEO対策・コンテンツマーケティングツール「ミエルカ」に、新機能「競合流入キーワード調査」を追加

小川卓がCAOを務めるFaber Companyの「ミエルカ」から新機能がリリースされました。

 

  • 媒体名:時事ドットコムニュース
  • 公開日:5/17

 

www.jiji.com

 

 

■4.吉和の森 森和吉 × HAPPY ANALYTICS 小川卓 対談

提案型ウェブアナリスト育成講座の卒業生対談企画。3月に卒業したばかりの森和吉さんとの対談。経験豊富な森さんとの対談、全3回でお届けします。

 

  • 媒体名:リアルアナリティクス
  • 公開日:5/26

 

1回目は、森氏がどのように解析と出会い、デジタルマーケティングの経験を積み重ねていったかを伺いました。

 

analytics.hatenadiary.com

 

2回目は、森氏が受講した提案型ウェブアナリスト育成講座について。受講で役立ったポイントや、受講後お仕事の獲得につながったポイントなどを伺いました。

analytics.hatenadiary.com

 

 3回目は、森さんと小川さんの働き方について、見積の仕方、自分が働く工程と一緒に働くスタッフ、コロナ禍の影響、GA4、CDP、講座で得た横のつながり、地方への想いと、ざっくばらんに伺いました。

analytics.hatenadiary.com

 

 

次回の対談は

 

「こんなこと聞いて」などのリクエストは、井水朋子までお待ちしております!

 

 

 

2021年5月に掲載された記事は以上です。ありがとうございました。

 

 

最新情報は、小川卓のTwitterおよび弊社広報アカウントよりご覧になれます。

 

  

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売上8倍、社員数3倍強を実現した輸入販売サイト「AXES」。成長の秘訣は「徹底的な業務のアウトソーシング」 | 『EC通販で勝つBPO活用術』ダイジェスト

4 years 9ヶ月 ago
EC通販における差別化成功事例②『EC通販で勝つBPO活用術』(高山隆司/佐藤俊幸 著 ダイヤモンド社 刊)ダイジェスト(第14回)

AXES(アクセス)」は2012年、取締役社長である大下公宝氏が、別の会社の一部門だった事業を分離して設立。そのままスクロールグループに加わった。現在は、自社で輸入した海外ブランド品をECサイトで販売している。取扱い品目は、男女用ファッション、バッグ、財布、時計、アクセサリー、小物、シューズなど幅広く、姉妹サイトでは化粧品も扱う。

同社は現在、在庫管理、受注処理、配送、さらには代金回収までフルフィルメントのすべてをBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)化している。その結果もたらされたメリットについて解説する。

企業データ

株式会社AXES(アクセス)
「AXES」https://www.axes-net.com/
所在地:東京都品川区
設立:2012年3月
資本金:9500万円
事業内容:バッグ、革小物(財布等)、アクセサリー、時計、化粧品など、海外ブランド商品の輸入・通信販売

海外のファッションやブランド品を直輸入

大下氏は学生時代にアメリカへ留学し、そのまま現地でブランド品などの日本向け輸出ビジネスを始めた。バブル崩壊後の日本では、ファッションや鞄などブランド品の並行輸入がブームになっており、大手流通業や百貨店などと取引きし、事業は順調だった。

しかし2005年頃、EC通販市場が日米とも本格的に拡大していく中で、ブランド品の輸出ビジネス(卸業)のままでは先行きに不安を感じ、小売業への転換を決断。日本に戻り、知人の会社で海外ブランド品のEC通販事業を始めた。

楽天市場に出店し、大下氏自身も数名の社員とともに、商品の撮影からサイト構築、受注処理、梱包や出荷までこなしていた。独自のネットワークを活かした海外からの仕入れが強みで、数年後には「ショップ・オブ・ザ・イヤー」を受賞するまでに成長した。

「フルフィルメント」を全面的にBPO化

次なるステップを考えたとき「仕入れの強化にしろ、業務の合理化にしろ、経営基盤をより堅固なものにする必要を感じた」と大下氏は語る。

2012年3月に独立してAXESを設立。同年5月にスクロールグループに入りました。スクロールは1部上場企業であり、子会社のスクロール360は物流代行などのサービスを幅広く手掛けています。そうしたリソースを自分たちの強みと結合することで、もう一段上に進もうと考えたのです。(大下氏)

大下氏は以前から、コールセンター業務をアウトソーシングしていたが、スクロールグループ入りを機に、フルフィルメント全般にBPOを拡大した。

まず、自社で借りていた倉庫からスクロール360の物流センターに商品を移しました。その結果、土日を含めて365日発送できるようになり、在庫の誤差もゼロになって、社員の負担がかなり減りました。(大下氏)

バイヤーが海外で買い付けた商品がスクロール360の物流センターに到着すると、ささげ業務の専門チーム「ささげ家」/が撮影やサイズの計測を行い、原稿を作成してECモールに掲載する。

掲載先は以前は自社サイト、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonだけだったが、現在はdファッションなど10か所に増えた。それでも入荷後1週間以内に販売を開始する。

「AXES」dファッション店
「AXES」dファッション店

コールセンター業務やメール対応もスクロール360の浜松コールセンターに移管した。クレーム情報などは日次集計され、AXESへ提供される。オペレーターでは判断が難しいエスカレーション案件を除けば、AXESの社員が対応に手をとられることはない。

こうして現在、在庫管理、受注処理、配送、さらには代金回収までフルフィルメントのすべてをBPO化しているのである。

社員のモチベーションアップにも効果

フルフィルメント全体をBPO化したことで、社員は土日にきちんと休めるようになり、最近の働き方改革の流れに対応しやすくなりました。

それ以上に重要なのは、社員のモチベーションアップにつながったことです。もともとEC通販業界の離職率は高いのですが、理由の1つはやりたい仕事ができないということです。ファッション系のEC通販は特にそうです。せっかく入社したのに受注処理や発送業務ばかりやらされていたのでは、社員がやる気をなくすのも当然でしょう。

その点、裏方的な業務の多いフルフィルメントをBPO化することで、社員は商品の買い付けやプロモーションといった本来の業務に集中でき、経験やスキルを磨くことができるのです。(大下氏)

スクロールグループに入った当時、AXESの年間売上は12億円、社員は15名だった。その後、スクロールが買収した化粧品を扱うEC通販サイト「イノベート」と経営統合し、現在、社員は50名と約3倍強になったが、売上は87億円(2019年度)と8倍近くまで伸びている

その原動力は、社員のモチベーションアップのほか、スクロールの財務力をバックにした商品仕入の強化もある。それまでの仕入先は欧米が中心だったが、いまでは東南アジアから中近東にもバイヤーが買い付けに出かけ、日本にまだ入っていないようなブランド品を輸入し、ショップの知名度と人気につながっている

そうした商品を10か所のサイトやモールに、それぞれ最適な形で素早く掲載し、季節や記念日などに合わせたキャンペーンを行い、スピード感のあるプロモーションを展開している。

10年前のEC通販事業者はどこも、売れば売るほど受注処理や発送業務に追われ、パンクするところが珍しくありませんでした。

EC通販用の各種システムもパッケージで1,000万円、ランニングコストも月数十万円かかるなど高額でした。そのため、仕方なく人手でやっている中小のショップがほとんどだったように思います。(大下氏)

いまでもモール別に担当者をあて、注文が入ると担当者がいちいち倉庫へ在庫を確認しに行ったりしている事業者を見かけるが、スクロール360であれば受注処理も含めて、同じ業務量をほぼ10分の1の人員で処理できる。

BPO活用には相互の信頼関係が重要

現在のEC通販事業では、自社の強みに集中するため、BPOの役割がますます大きくなっている。ただ、何でもBPOにすれば良いというわけではない。前提として、業務フローの標準化ができていないと、コストばかりかかってむしろ逆効果になりかねない。それを避けるには、経営者が業務フローとその勘所をわかっていることが大前提になる。

それでも、「BPOがスタートすると事前の想定との食い違いがどうしても出てくる」と大下氏は指摘する。

BPO企業も、事前にどんなことが起こるかすべてわかるわけではないからです。依頼側としては、月次ミーティングで前月の振り返りを行いつつ、修正点についてどんどん要望を出していくべきです。

同時に、出荷予測をきちんとBPO企業に渡すことも重要です。セールやポイント倍率のアップなど、モールごとのイベントの際は特に出荷数が大きく変動します。当社では、過去のデータなどを踏まえ、プラスマイナス10%程度を目指しています。

そうした積み重ねがお互いの信頼関係と業務品質のアップにつながるのです。(大下氏)

出荷予測(受注予測)の精度が低いと、出荷遅れなどのトラブルにつながる。BPO先を変更しても同じことの繰り返しで、“物流ジプシー”になるケースもある。

AXESでは今後、ブランド品(新品)の輸入販売に加え、「RE事業」と名付けた中古販売、レンタル、リフォームの各事業をスタートさせる準備を進めている。

新品を販売した後も中古買取、中古販売、レンタル、リフォームなどによって顧客との接点を増やし、LTVを高めるのが狙いだ。こうした「RE事業」についても、まずは社内で業務をルール化してからBPOへ移行させる予定である。

AXESのように順調に成長を続けているEC通販事業であっても、時代の変化に応じて常に新しい事業モデルや業務体制の効率化を続けていくことが欠かせない。

 
サイドストーリー

グループシナジーによるBPO活用

AXESやスクロール360が所属するのがスクロールグループだ。もともとカタログ販売の老舗で、総合通販企業だった。その後、AXESを初めとするEC企業のM&Aを行い現在、22社のグループ体制となった。

事業セグメントとしては、スクロール本体の行う通販事業、AXESやナチュラムが所属するeコマース事業、豆腐の盛田屋やキナリの所属する健粧品事業、スクロール360の所属するソリューション事業がある。

そして、B2C販売のeコマース事業と健粧品事業のシステム、受注処理、物流、決済を、ソリューション事業が受け持つ体制を取っている。これにより、グループ各社はわずらわしいルーティン業務から解放され、一番重要な商品開発や販売戦略に集中でき、業績好調となっている。

また、ソリューションセグメント各社では、対応する業務が拡大することで、より専門性が増し、対応品質が上がっていく。同じグループ内でコンタクトセンターや物流、決済が横連携しているため、アウトソーシングするEC事業者にストレスを感じさせない、シームレスなサービス提供が可能となっている。

スクロールは以前の総合通販企業ではなく、複合通販企業に生まれ変わった。ダイレクト・マーケティング・コングロマリットは、eコマース事業セグメント、健粧品事業セグメントをソリューション事業セグメントがBPO対応するだけでなく、売れている商品をスクロール本体の生協事業に供給するほか、海外にも販売していく戦略となっている。

 

この記事は『EC通販で勝つBPO活用術』(ダイヤモンド社刊)の一部を編集し、公開しているものです。

EC通販で勝つBPO活用術 ─最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

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高山 隆司 /佐藤 俊幸 著
ダイヤモンド社 刊
価格 1,650円+税

活況のEC・通販業界において、アフターコロナを勝ち抜くために必要なことは何か。ネット通販の事業戦略設計やプロモーション、フルフィルメントなど、ネット通販の実践から得たノウハウを紹介し、物流、受注といったフルフィルメントのアウトソーシングの活用の仕方や成功事例を解説する。デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、「BPO」(Business Process Outsourcing)を最大限有効活用したシステム構築に必携の1冊。

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佐藤 俊幸
高山 隆司, 佐藤 俊幸

アパレルは「コロナ前」に戻れるのか? データで読み解く消費者行動とニーズの変化 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

4 years 9ヶ月 ago
Digital Commerce360シニア・コンシューマー・インサイト・アナリストが、コロナ禍のアパレル購入状況を分析

アパレル業界にとって2121年は、早く過ぎ去って欲しい厳しい1年ですが、そんな中、個人の状況に応じてアパレルの購入が加速するかどうかを分析するのは興味深いことです。『Digital Commerce 360』でシニア・コンシューマー・インサイト・アナリストを務めるローレン・フリードマン氏が解説します。

コロナ禍で変化した、アパレル商材の消費行動

コロナ禍の影響で、アパレルやアクセサリーに対する消費行動が変わりました。多くの人にとって、毎日の仕事着はスウェットや、俗に言う「アスレジャー」になったのです。

オンラインやオフラインの店舗で買わなくても、自分のクローゼットに既にあるモノで事足ります。しかし、ワクチン接種が実現すると、消費行動は再び変わるでしょう。買い物に出掛け、自宅オフィスを抜け出しておしゃれをし、トレンドに乗ろうと考えています。そう考えているのは、私だけではないはずです。

『Digital Commerce 360』によると、2020年のオンラインアパレル売上高は2,407億1,000万ドルで、2019年の3,018億4,000万ドルから20.3%減少しました。今後、復活の余地はありますが、どのくらいの量で、どのくらいの速さで復活するのか、という2つの疑問が残ります。

『Digital Commerce 360』は、調査会社の「Bizrate Insights」と共同で、5月上旬にEC利用者1,049人を対象に調査を実施。この調査では、洋服の補充(41%)、衣替え(36%)、ワードローブを一新したい(35%)という理由で、消費者がアパレル、アクセサリーを購入していることがわかり、心強く感じました。

皮肉なことに、これらはコロナ禍が存在しない世界で、消費者がアパレルを購入する理由と同じです。アパレル業界にとって厳しい2021年、個人的な状況によってこの動きが加速するかどうかを見守るのは面白いでしょう。調査対象者の27%が回答した「欲しかった商品のキャンペーン」も見逃せません。また、「気分を上げたい」という回答が多いことを期待していましたが、23%にとどまりました。22%は私同様、スタイルを見直したいと考えていました。

最近数か月間でアパレル、アクセサリー、靴をオンラインで購入したきっかけは何か?
質問:最近数か月間でアパレル、アクセサリー、靴をオンラインで購入したきっかけは何か?(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査結果を基に編集部が作成)

「コロナ禍後に購買額が増える」と予測しているのは4人に1人で、大半の回答者は「今と同じ程度の購買額になる」と考えています。しかし、最終的には消費者が外に出れば、異なる感情を抱き、結果的に消費が増えると思います。そうでなければ高級品や、これからも在宅勤務が続けば、仕事用アパレルにも重要な影響を与えるでしょう。

2020年と比較した時、2021年のアパレル、アクセサリー、靴の購買額はどれくらいになると予測するか?
質問:2020年と比較した時、2021年のアパレル、アクセサリー、靴の購買額はどれくらいになると予測するか?(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査結果を基に編集部が作成)

EC利用者の約8割が「コロナ禍がオンラインでの行動に影響を与えた」

EC利用者の76%が、「コロナ禍がオンラインでの行動に影響を与えた」と認め、5人に1人は「コロナ禍の影響で、予想されていたいくつかの変化がさらに加速された」と考えています。

消費者は、返品をさらに気にするようになり、コロナ禍以前から利用していた返品送料無料のオプションをさらに活用するようになりました。また、オフラインでは21%が地域社会の活気を維持するためには中小企業への応援が必要で、地元での買い物が重要であると理解するようになりました。

コロナ禍において消費者がECの利便性を実感したことから、ECは長期的にコロナ禍の恩恵を受けると多くの人が考えています。しかし、今回の調査では、コロナ禍後もオンラインでの買い物を継続する人は19%しかいませんでした。

もちろん、買い物には個人的な事情が常に大きく関わっています。実店舗が消費者を呼び戻すために必要な強い存在感のアピールに苦労しているため、コロナ禍後の継続的なトレンドを知るには、1年かかるでしょう。

アパレル、アクセサリー、靴をオンラインで購入する際、コロナ禍の長期的な影響を受けるのはどんな事か?
質問:今後、アパレル、アクセサリー、靴をオンラインで購入する際、コロナ禍の長期的な影響を受けるのはどんな事か?(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査結果を基に編集部が作成)

アパレル分野でも強いAmazon

オンラインで買い物をする人は、さまざまな小売事業者から商品を購入しますが、なかでもAmazonが優位に立っています。アパレル分野でもAmazonがトップになるということは、私にとっては複雑です。なぜなら、「Amazonで買えばいいや」と考えるようになってしまいそうだからです。

アパレルの購入場所として、「百貨店」を選んだ回答者が45%というのは、業界の衰退が叫ばれて久しいなか、心強い限りです。「専門店」も28%とまだ重要な役割を担っており、消費者向けのD2Cブランドも、かつて勢いのあった専門店と同様のアプローチを採っています。

アパレル、アクセサリー、靴をどのオンラインショップで購入したか
質問:アパレル、アクセサリー、靴をどのオンラインショップで購入したか?(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査結果を基に編集部が作成)

「サステナビリティへの取り組み」が消費行動に与える影響は?

調査結果によると、消費者は新しい消費スタイルを試しており、13%が「サステナビリティやその他の環境保護の考えに基づいてアパレルを購入している」ことがわかりました。この数字をさらに掘り下げると、持続可能性への関心についてさまざまなインサイトがわかります。

いずれにしても、消費者がこの重要な問題に関心を持っているのは良いことです。39%は「この問題に関心を持っている」と回答する一方、特定の小売事業者は探しておらず、さらに32%は「持続可能な購買行動を考慮していない」と答えています。

金銭面に関して、20%の人は「より多くのお金を払いたくない」と考えており、10%の人は「サステナビリティに関連するコストを受け入れる」と回答。持続可能性という概念は、消費者がサステナビリティに焦点を当てたブランドを求め、地球を守るために代償を払うことを厭わなくなって初めて到達できるでしょう。

オリジナル商品への関心が高まる傾向に

また、海外での買い物や委託販売、自分だけのオリジナル商品を作ることにも関心が高まっており、今後の普及に期待が寄せられています。

アパレル購入に関して利用したことがあるものは?
質問:アパレル購入に関して利用したことがあるものは?(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査結果を基に編集部が作成)

消費者はソーシャルメディアをショッピングの一部として利用

小売事業者は、インフルエンサーやブロガーを活用して、今の時代に適したストーリーを伝えようとしています。30%が「新しいブランドや商品について知るためにソーシャルメディアを利用」し、29%「SNS広告をクリック」し、28%が「マーケティングからインスピレーションを得ている」ことから、消費者はソーシャルメディアをショッピングの一部として利用していることがわかります。

また、「ソーシャルメディアをフォローしていない、利用していない、影響を受けていない」と回答したのはわずか24%であったことも特筆すべき点です。最後に、20%が「特定のアパレルブランドや小売事業者をフォロー」しており、興味のあるブランドとの重要なつながりをソーシャルメディアを通じて作っていることを示しています。

アパレル、アクセサリー、靴の購入にソーシャルメディアはどんな影響を与えているか?
質問:アパレル、アクセサリー、靴の購入にソーシャルメディアはどんな影響を与えているか?(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査結果を基に編集部が作成)

ECで自分に合ったサイズを選ぶために、消費者が利用・参考にしているのは?

自分に合ったサイズを選ぶことは、アパレルを購入する際の最大の課題の1つです。小売事業者は、消費者がよりよい選択ができるよう、従来の方法からテクノロジーを利用したツールまであらゆる方法を採用しています。

従来の方法として、48%のEC利用者が「フィット感を示す指標を参考」にしており、46%が「サイズごとの寸法を記載したチャートを利用」しています。

また、消費者はレビューも参考にしており、38%が「フィット感に関する情報をカスタマーレビューから得ている」と回答。消費者のサイズを特定するプロファイリング・クイズは一般的ではないかも知れませんが、そのデータを活用することで将来の顧客につながる可能性が高いサブスクリプションサービスや革新的な小売事業者にとっては、重要なツールです。

自分に合ったサイズを決める際、どれが役に立つか?
質問:自分に合ったサイズを決める際、どれが役に立つか?(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査結果を基に編集部が作成)

◇   ◇   ◇

アパレル成長の軌跡は、単純かつ簡単には予測できないでしょう。サプライチェーンの問題、在宅勤務の状況、実店舗の復活など、すべてがアパレルのパフォーマンスに影響を与えます。その昔、ドレスカジュアルがスーツを脅かし、その影響が他のカテゴリーにも及んだことを思い出させます。

ブロガーやインフルエンサーは、その勢いとマーケティング効果を維持するでしょう。委託販売やサブスクリプションサービスなどのモデルは、さらなる成長のために改良されるでしょう。若い消費者が主導権を握り、今後何年も続くであろうアパレル業界の流れを作っていくでしょう。

私にとって唯一変わらないことは、私がずっとショッピングを続けることだけです。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360
Digital Commerce 360

「アクションリンク」のアドブレイブが無料CRM診断サービス

4 years 9ヶ月 ago

アドブレイブは5月27日、EC・通販専門のCRM自動化ツール「アクションリンク」で無料CRM診断サービス「すぐ分かるCRM診断」を始めた。

「すぐ分かるCRM診断」は、通販事業者やEC事業者が抱えるリピーター対策の課題について、スピーディーで手軽に課題を特定、解決策を提示する取り組み。

通販事業者やEC事業者のCRM施策の支援を通じた知見を生かし、Webサイトに専用の診断サービスを設置。所要時間1分程度の質問項目(質問は4つ)に答えると、現状の課題を洗い出すことができるという。

詳しいアドバイスや相談を希望する場合、表示された個人情報入力画面に連絡先を入力すると、アドブレイブの「アクションリンク」に携わるCRMエキスパートが対応する。

アドブレイブの無料CRM診断サービス「すぐ分かるCRM診断」
「すぐ分かるCRM診断」について(診断サイトはこちらをクリック
瀧川 正実
瀧川 正実

青山商事がデジタル化を加速。「デジタル・ラボ」を全国100店導入でOMO型店舗を拡大する中期経営計画

4 years 9ヶ月 ago

青山商事はネットとリアルの融合システム「デジタル・ラボ」の導入を加速させる。

2016年の開始以来、5年で「洋服の青山」の約60店に導入してきたが、今期(2022年3月期)は2022年3月末までに100店へ導入する。6月から順次開始し、独自のOMO型店舗を全国に拡大する。

青山商事が展開するネットとリアルの融合システム「デジタル・ラボ」
「デジタル・ラボ」のイメージ

「デジタル・ラボ」は、ネットの豊富な在庫数とリアル店舗の接客サービスの両メリットを生かす青山商事の独自システム。導入店の店内には、青山商事のECサイトと連動するタッチパネル式の大型サイネージやタブレット端末を複数設置し、来店客はこれらの端末を通してECサイト上にある在庫から好みの商品を選ぶことができる。

店舗在庫をゲージ見本として試着や採寸できるため、実際の商品の色柄や着心地などを確認することが可能。販売員の接客を受けながら購入できるのも特徴となっている。

青山商事はネットとリアルの融合システム「デジタル・ラボ」のメリット
「デジタル・ラボ」のメリット

デジタル化の加速は、2021年度スタートの新規中期経営計画(中計)の一環。中計のテーマは「一本足経営」から脱却し、「スクラム経営」で成長をめざすというもの。トップ依存型でのスーツ・フォーマル販売に偏りすぎることなく、ビジネスを軸として顧客に向き合い、事業・商品・サービスを推進する各組織が自立して協働することで、グループでの成長をめざしていくという。

中計ではリブランディングを柱とするLTV(顧客生涯価値)の最大化をめざす戦略を掲げ、ビジネスウェア事業の変革と挑戦に取り組む。①顧客接点拡大をめざしたDX戦略(OMO戦略・デジタル基盤整備)②成長分野(オーダー/レディス/フォーマル他)――といった拡大戦略だ。

青山商事の中期経営計画では、LTV(顧客生涯価値)の最大化をめざす戦略を掲げている
新規中期経営計画で掲げた戦略(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

中計最終年度の2023年度には、DX戦略などの効果によりビジネスウェア事業は現状比で250億円の増収を計画。そのうちECは50億円の増収を計画している。

青山商事の中期経営計画(ビジネスウェア事業の計画)
ビジネスウェア事業の計画(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

OMO戦略による顧客接点の拡大では、店舗とECを相互利用する併用顧客を増やし、店舗とECそれぞれの売上高を拡大。MAツールを見直し、EC送客への店舗評価拡充およびデジタルクーポンを導入するほか、アプリやECサイトの刷新で店舗起点の情報発信、スタッフによるコーディネート発信などSNSとの連動を強化する。

青山商事 ビジネスウェア事業のOMO戦略
ビジネスウェア事業のOMO戦略(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

さらにデジタル基盤を強化し、店舗の効率化と顧客接点の拡大を図る。「デジタル・ラボ」の導入で、在庫の縮小と売り場スペースの創出によって新アイテムやサービスを投入。接客端末などを活用したオンライン接客で、顧客接点を拡大していく。

ビジネスウェア事業のデジタル施策(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

 

石居 岳
石居 岳

2021年、EC売上TOP200サイトの表示スピード状況とGoogleのUX重要指標「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」対策 | 勝手にスピードテスト Powered by SpeedCurve

4 years 9ヶ月 ago
2021年6月中旬から表示スピード改善の新指標「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」がアップデートされます。UX・SEOの観点からも注目が集まっていますが、EC売り上げTOP200サイトの対策状況はどうなっているのでしょうか? 調査・分析を行いました

「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」が、2021年6月中旬から検索エンジンのアルゴリズムでアップデートされます。Googleは、UX重要指標「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」の3指標が検索ランキング決定要素の一部になると公式に発表。このアップデートは、2018年の「スピードアップデート」時以上に、SEO観点において注目すべきだと考えられています。

最新のEC・売り上げTOP200サイトを計測し、Googleが推奨する「SpeedIndex」の指標をベースに一部ランキング化。最新ランキングをベースに、各サイトの「コアウェブバイタル」対策の状況を考察しました。

「コアウェブバイタル」とは

Googleが2020年に発表した表示スピード改善のための新しい指標で、「LCP(Largest Contentful Paint)」「FID(First Input Delay)」「CLS(Cumulative Layout Shift)」の3つです。

以下の3つの要素を元に総合的に組み合わせ、UXの良し悪しが判断できるように構成されています。

  • Largest Contentful Paint (LCP):ページ表示速度を測る指標
  • First Input Delay (FID):ユーザー応答性を測定する指標
  • Cumulative Layout Shift (CLS):視覚安定性を測定する指標
勝手にスピードテスト スピードカーブ SpeedCurve コアウェブバイタル Core Web Vitals LCP
Largest Contentful Paint (LCP):ページ表示速度を測る指標
勝手にスピードテスト スピードカーブ SpeedCurve コアウェブバイタル Core Web Vitals FID
First Input Delay (FID):ユーザー応答性を測定する指標
勝手にスピードテスト スピードカーブ SpeedCurve コアウェブバイタル Core Web Vitals CLS
Cumulative Layout Shift (CLS):視覚安定性を測定する指標

表示スピードが速いサイトは「コアウェブバイタル」対策も万全か?

計測ツール「SpeedCurve」に新しく加わった「コアウェブバイタル」対応のダッシュボードを活用して、詳しくデータを見ていきます。(参考:コアウェブバイタルズ(CoreWebVitals)をSpeedCurve内で確認する方法

勝手にスピードテスト スピードカーブ SpeedCurve コアウェブバイタル Core Web Vitals コアバイタルダッシュボード
SpeedCurveのコアバイアルダッシュボード。時系列での変化がわかります。

表示スピード上位20サイトのうち6サイト(約30%)が「コアウェブバイタル」の各指標で「良好」(オールグリーン)を獲得しています。

TOP200サイト全体では19サイト(約9.5%)という結果ですので、表示スピードが速いサイトは「コアウェブバイタル」対策も積極的に進めてきたと考えられます。それを裏付けるように、上位10サイトでは、4サイト(約40%)が3つの指標で「良好」(オールグリーン)を達成しています。

「daily-3」「ヨドバシ・ドット・コム」など、サイト名の背景が黄色になっているサイトが「コアウェブバイタル」の3指標すべてが「良好(グリーン)」のサイトです。数値はトップページ、カテゴリ、詳細ページの平均値を集計しています。

ECトップ200のSpeedIndexランキング上位20サイト

順位サイト名Speed
Index
(秒)①
LCP(秒)TBT
(※FID
代替え指標)
CLS
1アサヒカルピスウェルネス1.381.5110100.00
2daily-3 (デイリースリー)1.391.56190.01
3ローカロ生活1.391.623480.00
4ヨドバシ・ドット・コム1.421.49460.00
5ビックカメラドットコム1.451.444560.02
6ツクモ(TSUKUMO)1.451.631000.21
7サウンドハウス1.461.47270.04
8北の快適工房1.512.381480.50
9激安!家電のタンタンショップ1.511.45280.00
10DELL公式サイト1.561.585000.17
11花王ダイレクト販売サービス1.571.3070.02
12アイドラッグストアー1.671.281520.00
13ニトリネット1.751.827540.06
14プロアクティブ+1.821.932020.38
15とらのあな1.842.341950.14
16ジーユーオンラインストア1.882.3113300.21
17オレンジブック.com1.982.061820.27
18PCボンバー1.981.9190.16
19エノテカオンライン2.001.927120.01
20フォレストウェイ2.032.78550.20

※TBT(FIDの代替指標)について
本計測はSpeedCurveのSynthetic計測サービスを利用しています。FIDはWebサイトに訪れたユーザーのリアルデータに基づく統計指標であり、仕様上精緻な計測が難しい指標です。そのため、GoogleDevelopersサイトの内容を踏まえて、FID代替え指標のTBT(Total Blocking Time)で計測、集計しています。

オールグリーンのハードルが非常に高い理由

3つの指標のうちいずれか1つで「良好」を達成しているサイトは31%~38%という割合ですが、LCP、FID(TBT)、CLSのすべての指標をクリアしているサイトは、19サイト(約9.5%)しかありませんでした。

これは各指標で「良好」(オールグリーン)を取るためのハードルが相当高いことを表しています。そもそも、上位サイトの表示スピード対策の内容は、サイトの構造やコーディング、画像リサイズ、CDNのキャッシュ対応など非常に手がかけられており、簡単には追随できないレベルです。

CoreWebVitalsの各指標とサイト数(割合)

 LCPTBT
(※FID代替え指標)
CLS
良好
(グリーン)
60サイト(約31%)72サイト(約38%)60サイト(約31%)
要改善
(オレンジ)
79サイト(約41%)46サイト(約24%)50サイト(約26%)
不良・低速度
(レッド)
52サイト(約27%)73サイト(約38%)81サイト(約42%)

※EC・売り上げTOP200サイトのうち、正しく計測できたのは191サイト

対策すべき指標の優先順位はこれだ!

すべての指標で「良好(グリーン)」をめざすべきですが、人と時間的リソースに制約がある中でどういう優先順位で対応すべきか? という疑問がわきます。

① 良好(グリーン)の割合

「良好(グリーン)」が最も多かった指標はTBT(※FID代替え指標)で72サイト(約38%)となり、LCP、CLSは同数の60サイト(約31%)でした。

② 要改善(オレンジ)の割合

「要改善(オレンジ)」ですが、最も多かったのはLCPの79サイト(約41%)でした。CLSは50サイト(26%)、TBTは48サイト(約24%)で、TBT(FID)より各指標で大きな違いが出ました。

③ 不良・低速度(レッド)の割合

最も低い評価である「不良・低速度(レッド)」が多かったのは、CLSの81サイト(約42%)です。続いて、TBTの73サイト(約38%)、LCPの52サイト(約27%)でした。この結果から、多くのサイトにCLSの課題があると予想できます。

この疑問に対するヒントは、GoogleのLighthouseのスコア変更に関する説明記事にありそうです。(参考:https://web.dev/performance-scoring/(英文))

元々「コアウェブバイタル」は、表示速度の計測ツール「Lighthouse」に採用されている指標です。「Lighthouse」における各スコアの配分(Weight)を見てみると、LCP(ページ表示速度) が25%、TBTが25%(※FID代替え指標、ページ応答速度)で、2つの指標で2分の1を占めているのがわかります。それと比較するとCLS(視覚の安定性)のスコア配分はわずか5%程度です。

勝手にスピードテスト スピードカーブ SpeedCurve コアウェブバイタル Core Web Vitals Lighthouse6での各メトリックのスコアに対するウエイト配分
Lightouse6での各スコアに対するウェイト配分

この情報から、まずはLCPとFIDの改善を優先的に行いつつ、次にCLSを図るというステップが、最も効率的なスコア向上=UX向上につながると言えるでしょう。

勝手にスピードテスト スピードカーブ SpeedCurve コアウェブバイタル Core Web Vitals CLSのズレを視覚化
SpeedCurveのダッシュボードで視覚化したCLSのズレ

対策難易度の高さは、FIDがトップ

対策の難易度ではどうでしょうか? Googleによると、FID(First Input Delay)とはWebサイトが表示されて実際にユーザーが操作可能になるまでの時間、インタラクティブ性を図る指標と定義されています。しかし、その推奨値は0.1秒と非常に高いレベルを求められます

FIDが遅くなる要因はさまざまですが、表示スピード改善の経験上最も多いのが「不要なJavaScriptの読み込みと実行」によるリクエスト数の増加です。

Webサイトを運用していく中でさまざまなJavaScriptを読み込みますが、「不要になった自作のJavsScriptライブラリが残っている」「以前は使っていたが、今は使用していない販促&マーケティング用のサードパーティタグがそのままになっている」などのケースは非常に多いと言えます。

下の表は、EC・売り上げTOP200の表示スピードランキングから、リクエスト数400以上のサイトを抽出したデータです。「Amazon」など高速サイトのリクエスト数が150前後なので、400というのはかなり多い数字です。

こうした多くのリクエスト数を持つサイトの中で、19サイト中「Good(良好)」の評価を獲得したのは「ハーブ健康本舗」だけでした。このデータを見る限り「リクエスト数が多いサイトはTBTが遅い傾向があり、その結果として『Needs Improvement(要改善)』か『Poor(不良・低速)』」という評価が出てしまいます。

リクエスト数が400以上あるサイトとTBT(FID)状況

順位サイト名Speed
Index(秒)
RequestTBT
(※FID
代替え指標)
1アサヒカルピスウェルネス1.385601010
33サントリーウエルネス2.367001735
102富士フイルムヘルスケアラボラトリー3.67495789
126エーザイの通信販売4.224942705
127DHCオンラインショップ4.26453570
128ソニーストア4.34428437
135ヤーマンオンラインストア4.538942748
150シーオーメディカル公式通販ストア5.22408764
153MTG Online shop5.274411275
160カゴメ健康直送便5.598461403
161ハーブ健康本舗5.65544253
162アイリスプラザ5.70407837
164ピーチ・ジョン公式通販サイト6.134191474
168RUNWAY chanel6.444071404
179Maison KOSÉ8.084561147
182ビタブリッドジャパン公式通販サイト8.484471326
185マウスコンピューター9.86445429
187チャップアップ公式ショップ13.1416403345
188Hamee13.16448665

「コアウェブバイタル」対策を強く意識しなければならない理由とは

Webサイトスピード研究会の有志 (ファシリテーター/スピード研究会主催:種村和豊氏(ゴルフダイジェスト・オンライン)、加藤晋平氏(インフラレッド合同会社)、近藤洋志氏(大日本印刷))の3人で、今回の結果についてディスカッションを行いました。

ゴルフダイジェスト・オンライン 種村和豊氏(以下、種村):今回、初めて「コアウェブバイタル」の計測分析データを見て、いろいろな気づきがあったと思います。これらのデータをどのように捉えていますか?

大日本印刷 近藤洋志氏(以下、近藤):「良好」という基準をめざすためには、まず現状を正確に計測して、何からどう改善するかの道筋を考えて取り組むのが重要だと感じました。

特にリクエスト数が多いと、FIDの指標が悪くなるということが今回の調査からも見えています。不要なページリクエスト内容の精査・断捨離がFIDの改善を進める上で非常に重要ですね。

インフラレッド 加藤晋平氏(以下、加藤):これまでのGoogleの指標と異なっているのは「よりユーザ視点(UX)で、それも複数の指標でWebサイトの来訪体験を評価する」という点でしょう。

種村:一方で、CLSの「視覚のズレ」という点ではレスポンシブウェブデザインは、実装上の仕組みとして不利になってしまいます。これはショックですよね。今までGoogleに推奨されていたやり方だったのに、どういうことなのかと。

近藤:その動向が少し気になりますが、いずれははっきりと駄目になっていくのだと思います。急に駄目だといったら、みんな困ってしまいます。

「コアウェブバイタル」はモニタリングと課題対応が必要

種村:いよいよ「コアウェブバイタル」がSEO検索ランキングのシグナルに組み込まれていきます。今回の調査データから、各サイト対応状況をどう感じましたか?

近藤:表示スピード上位TOP10に関しては想像通り。「コアウェブバイタル」の各指標に関しても高い水準で「良好」なので、表示スピード改善とあわせて「コアウェブバイタル」の指標もモニタリングが必要だと再認識しました。

加藤:今回の「コアウェブバイタル」の対応は、フロントエンドの実装やそれを支えるインフラアーキテクチャ含めて、きちんとモニタリング・課題対応しないといけないと改めて感じました。「コアウェブバイタル」は「Webサイトの顧客体験指標」なので、ごまかしが効きません

種村:難しいのは、「コアウェブバイタル」ではSpeedIndexのように絶対評価がしにくい点です。2つが「良好(グリーン)」でも残りが「不良・低速度(レッド)」だと大きく違いがでる。今後、評価ランクを見極めて総合ランク付けをしてくことも、わかりやすさのためには必要かもしれません。

まとめ

当初、「コアウェブバイタル」は2021年5月中旬に開始される予定でしたが、6月中旬に延期になりました。とはいえ、今回のEC・売り上げ TOP200サイトの計測データから、売り上げの大きい・表示スピードの感度が高いECサイトは、「コアウェブバイタル」対策準備が完了しているサイトが多いことがわかりました。

FID、LCP、CLSの3つ指標に関しては「さらにWebサイトの顧客体験をより良くすべき」という、Google社の強い意思を感じます。我々はサービスを提供する側として、顧客の来訪体験をより良くするために、「コアウェブバイタル」にきちんと向き合うことが大事だと再認識しました。

◇◇◇

今回の「コアウェブバイタル」ランキングの完全版データは、スピード研究会の研究記事を掲載・公開しています。ご興味ある方はこちらの「売り上げTOP・EC200サイトのCoreWebVitalsデータ完全版」からご確認ください。

この調査について

本記事の「コアウェブバイタル」の基準値はGoogle社情報「ウェブに関する主な指標レポート低速なサイトを修正してユーザー エクスペリエンスを改善する」に準拠した形をとっています。

 Good
(良好)
Needs
Improvement
(要改善)
Poor
(不良・低速度)
LCP2.5 秒以下4 秒以下4 秒を超える
TBT
(※FIDの代替)
300 ミリ秒以下600 ミリ秒以下600 ミリ秒を超える
CLS0.1 以下0.25 以下0.25 を超える

従来の一般的な計測ではアイドルタイムと呼ばれる、購入客が少ない午後の時間に計測されることが多く、朝、昼、夜のピークタイムや、土日の計測がほとんどされていませんでした。例えば、メルマガやLINEなどでキャンペーン情報を送った時にサイトがどんな状態になるのかを、ほとんどのEC事業者が知らないのが現状です。

今回の調査では売れている時間帯のコンディションを把握するために、12:30、18:30、22:30の1日3回、比較的高負荷の時間で実施しました。1サイトにつきトップページ、リストページ(カテゴリページ)、商品詳細ページの3つのURLを計測対象としました。

本記事、計測データの指標について

①「Speed Index」……Googleが発表したパフォーマンス指標。ブラウジング開始後、経過時間あたりのファーストビューが何秒で表示されるかを総合的に算出したもの。本計測、分析を行っているスピード研究会では最低目標値 4秒台、推奨値4秒以下を推奨しています。
(参考:(スピード研究会)SpeedIndexの基本合格基準、5秒から4秒の引き上げを決定!!

誤差や数値の違いについて

今回の計測は、12:30、18:30、22:30の1日3回という、ECサイトにおいて比較的高負荷とされている時間帯に行いました。従来の計測結果と乖離があるとすれば、この時間滞とアイドルタイムの違いが一番の違いとなります。

調査概要

調査期間:2021年2月22日(月)12:30 ~ 2021年3月8日(月)12:30までの14日間

調査対象:EC・売り上げTOP200のサイト対象に関しては、2019年度のネット通販売上高、上位200社のECサイト(日本流通産業新聞社「ネット経済研究所」 [2020年版]ネット通販売上高ランキングTOP480データ)を参考にしています。

調査範囲:1サイトにつき①トップページ、②リストページ(カテゴリページ)、③商品詳細ページの3つのURL(サイトの構成上、該当ページがなく測定できなかったサイトもあり、実際に計測したのは①195URL、②195URL、③195URLの計585URL。リストページと商品詳細ページが同一のため②③に同一ページで計測したのは3URL)。当該サイトURLは、検索エンジンによる検索結果から移動できるURLを用いた。

①トップページ、②リストページ(カテゴリページ)、③商品詳細ページ、それぞれの中央値(median)を平均したものをサイトの代表値とする。

※アスクルの2サイト(ASKUL、LOHACO)は別サイトとしてそれぞれ計測

※ゲオショップの2サイト(セカンドストリート、ゲオショップ)は別サイトとしてそれぞれ計測

※ログインや会員登録が必要、モール出店のみ、スマーフォン対応サイトがない場合などは計測対象から除外、EC・売り上げTOP200企業サイトの内、外部から正常計測が確認出来た191サイトを本計測、分析の対象としています。

計測時間:12:30、18:30、22:30の1日3回

測定プロファイル:Apple iPhone X(4G LTE)

1回当たりの計測数:3 checks

計測回数:585URL × 1日3回 × 3checks × 1デバイス × 14日間 = 73,710回計測

エミュレート回線品質(4G):ダウンロード 11.7Mbps/アップロード 11.7Mbps/レイテンシー 70ms

サイト調査実施:レポート/Web表示スピード研究会 種村和豊 調査解析/村岡温子、畑山真治 協力/Web表示スピード研究会(インフラレッド 加藤晋平、大日本印刷 近藤洋志) 監修/ドーモ 占部雅一

種村 和豊
種村 和豊

「ヘッドレス」で実現する一歩先のコマース体験とは? デジタルとリアルの垣根を越えるためにできること | CX UPDATES Digest

4 years 9ヶ月 ago
EC製品の機能は一旦忘れ、顧客視点でどんなeコマース体験を提供したいか、あるべき姿”を描いた上で、実装できる方法をを検討していこう

コロナ禍以降、生活者にとって、デジタルとリアルの垣根は想像以上に低くなっているようです。そうして顧客との接点が増え多様化している昨今だからこそ、企業は、その変化に合わせてデジタル・リアルをシームレスに捉えて設計した顧客体験(CX)を提供する必要があると電通アイソバーは考えます。

本稿では、顧客体験を起点に設計する“一歩先”のコマース体験とはどのようなものか? また、その柔軟な顧客体験の実現を可能にするアイソバーのヘッドレスソリューション“Kirimori”ができることはなにか? セミナーの内容をもとにお伝えします。

 

リアル店舗での体験はテクノロジーによって変化している。では、eコマースは…?

ここ数年、リアル店舗では、キャッシュレス決済やセルフレジの導入、webで購入しておいて店舗で受け取る(BOPIS)の普及など、デジタルやテクノロジーを活用することでより便利になり、購買体験が進化しています。

特にデジタルサイネージでできることは増えており、例えば商品のバーコードを読ませると色やサイズ展開などの知りたい情報が表示されるほか、店内や近隣店舗の在庫状況まで把握できるようにもなっています。こうした進化によって、顧客は「すぐに欲しい! すぐに見たい!」というニーズを十分と満たせるようになっています。

では、eコマースの購買体験はどうでしょうか?

商品の見せ方などは様々に進化しているが、肝心の購買体験はその仕組みを支えるEC製品の機能に合わせて実現できること”を考えているのではないか?」との問いを投げかけるのは、電通アイソバー株式会社 ビジネスディベロップメント部 エグゼクティブソリューションディレクター船井宏樹です。

とは言え、eコマースはコロナ禍によって売り上げが伸長しているケースが多く、「顧客に提供する体験を今すぐ改善しなければならない」という意識にはなりにくいかもしれません。

しかし船井は見聞きした話から、「確かにeコマースの売り上げは伸びているが、ソーシャルメディアやインフルエンサー経由で購買されているため店舗の名前すら覚えてもらえていないこともある。もっと顧客を大切にしてしっかりとファンづくりをしなければ…、と考える運営者は少なくない。現状に満足してウカウカしてはいられない、との危機感も高まっているようだ」と指摘します。

前述の船井の指摘から、eコマースを利用する顧客に対してもたらすあらゆる体験にはまだまだ改善の余地があることが想像できます。では、どのような発想が必要でしょうか?

これについて船井は、「よく用いられるEC製品に含まれる機能軸で自社が提供できるサービスを構想しない方がいいのではないか? EC製品を導入すればすぐにeコマースを始められるかもしれないが、その機能は過去からの『ベストプラクティス集』であり、過去から変わらない“eコマースの常識”もセットになってついてくることになる。そうなると顧客がハッとするようなイノベーションは実現しづらいだろう」との考えを述べました。

そして、「EC製品の機能は一旦忘れ、顧客視点でどんなeコマース体験を提供したいか考えてみよう」と、投げかけます。

例えば、「決済完了後、住所がわからないソーシャルメディア上で友だちになった相手にメッセージを送り、住所入力をしてもらうことでプレゼントができる」という仕組みや、「ソーシャルメディア上の友だちに欲しいものをカートに入れてもらい、決済はこちらに回してもらう」というフローはこの時代だからこそ考えられるニーズであり、新しいワクワクするような顧客体験になると言えるでしょう。

そうした“あるべき姿”を描いた上で、それが実装できる方法をどう持たせるか? を検討していこう、というわけです。

顧客体験の向上という意味では、新商品や瞬間的に人気が集中した商品のページが高負荷によって見られなくなった場合こそ“改善のしどころ”と言えます。

船井は、「そうした際に従来通りエラー画面を表示させるのではなく、リアルの店舗と同じように『どのくらい行列ができているか』待機人数がわかるようにしたり、待ち時間に特別なCM動画が見られるようにしてガッカリさせないようにもてなすことはブランディングにも貢献するはず」と、アイディアを挙げました。

このような考えを述べた上で、船井は、「顧客に受け取って欲しいメッセージングをはじめとした顧客体験を考える際、私たちは、人の心を動かす『Motivation』とゴールに向かうまでの障壁を下げる『Frictionless』の2つの軸を意識している。今回の場合、想定される施策は『Motivation』になり、それを実現させるテクノロジーが『Frictionless』だと言える。電通アイソバーでは、これらを組み合わせながらCX Design Firmとして顧客体験(CX)を作っている」としました。

ヘッドレスソリューションでeコマース体験はどう変わるか?

では、eコマースの「知る、検討する、買う、使う」という体験の中で、Frictionlessを叶えるソリューションとしてなぜ「ヘッドレスソリューション」が必要とされるのでしょうか?

電通アイソバー株式会社 ビジネスデベロップメント部 プランニングディレクター 門別諭は、「eコマースを支える仕組みは、大きく分けると顧客が接するフロント部分で用いられるCMSやMAツールと、決済や在庫情報などの“裏方”を担うECツールがそれぞれの役割を果し合いながら機能している。

これにヘッドレスソリューションをかぶせれば、各製品と通信しながらまとめ役として顧客に接することができるようになる」と、ヘッドレスソリューションの可能性を示しました。

また、そうした発想で誕生した「Kirimori」を例に、「API連携がしやすくなるので今まで以上に機能追加が柔軟にできたり、表示速度などのパフォーマンスも早くなる。また、混雑時にはエラー画面ではなく船井が示したようなスペシャルコンテンツや離脱者に『次回来店時に使えるクーポン』を付与するなどのマーケティング活動を展開することも可能だ。

このように、ヘッドレスソリューションをかぶせることでマーケティングコミュニケーションが担う事柄とテクノロジー領域ができることが広がり、結果として最適なアーキテクトのもとで最適な顧客体験(CX)を実現しやすくなる」と解説しました。

しかし、ヘッドレスソリューションの導入は単に“運用上の利便性の向上”を叶えるためのものではない、と門別。

「ヘッドレスコマースやヘッドレスソリューションというキーワードに目が行きがちかと思うが、本質は良質な顧客体験を実現するため、何が課題になっていて目指すべき姿はどのようなものかを考えた結果、必要になるだろうものとして導き出されるのがヘッドレスソリューションだ」としました。

 

デジタルとリアルの垣根を越える購買体験をヘッドレスソリューションで実現する

ここまで示してきた通り、eコマースの顧客体験をより良いものにするための環境を整えたなら、次はコロナ禍によって大きく変化した消費者行動に合わせて「どのような体験を提供するか?」を考える必要が出てくるでしょう。特に、リアル店舗を利用してきた顧客にとって、eコマースでもこれまで体験してきた“当たり前の体験やトキメキ”により近い体験をもたらすことは優先度の高い事柄だと考えられます。

その方法のひとつとして、すでに実施され始めているのがライブコマースやオンライン接客です。

この新しい取り組みについて、電通アイソバー株式会社 エグゼクティブプランニングディレクター 口脇啓司は、「eコマースやデジタル上での購買体験において大事なのは人間味が感じられるかどうか、ということだ。

eコマースを取り巻く環境は進化しているが、購買体験の中でも大きな要素はなんといっても『顧客と店舗のスタッフがコミュニケーションして生まれる“関わり合い”やその場の雰囲気を楽しむこと』だと考えられる。これをデジタル上でも体験することができれば、『リアル店舗の接客でしか提供できないことがある』というeコマースにおける課題を解決することができ、顧客が求める購買体験が叶うだろう」との考えを述べました。

ライブコマースについては、2019年から市場規模は拡大しているとの発表もなされています。認知度こそまだ高くはないものの、だからこそ伸び代は大きいと言えるでしょう。

オンライン接客についても、コロナ禍以降には実施する企業や体験したことがあるという人の数は増えています。

これらの施策について、重要なのは、オフライン(リアルな店舗)のスタッフがオンラインでも活躍する、という点を理解することです。実際に売り上げに貢献している事例も出てきており、リアル店舗のスタッフを“オムニチャネルスタッフ”へと転換するような発想も今後必要になってくると考えられます。

一方、そうしたリアルとデジタルの垣根を越えた接客の仕組みを構築したなら、その可能性をさらに伸ばすための「データ活用にも目を向ける必要がある」と、口脇。

「例えば、前回どのライブ配信を見ていたか? 以前購入した商品は? といったことを接客スタッフが事前に把握できるようになれば、前回の相談時のデータをもとにどのチャネルであろうがシームレスな体験を提供できるようになる。また、オンライン接客の満足度が確認できたり、スタッフの稼働率や成約率、KPIの管理やオンラインの売り上げ貢献度合いなどが把握できれば改善もしやすくなるだろう。

このようなリアルとデジタルの垣根を越えた顧客体験の提供するためのツールを導入する際、現在使用しているシステムとの連携に課題があり断念するという企業も多いと想像される。しかし、ヘッドレスソリューション『Kirimori』があれば、そのような場合でも柔軟に対応できるようになり、さらに、いずれ追加するかもしれないシステムの連携時や施策の展開の際にも実現可能性を高めることになるはずだ」と、締め括りました。

電通アイソバーでは、withコロナやafterコロナに求められる顧客体験を起点に設計する”一歩先”のコマース体験の実現に向けてクリエイティビティとテクノロジーの両面から様々な企業をサポートしています。

船井 宏樹 Hiroki Funai
ビジネスディベロップメント部 エグゼクティブソリューションディレクター
通販企業での10年間の業務経験を経た後、マーケティングソフトウェア企業にてビジネスコンサルタントとして7年従事。コマース企業を中心に分析/接客改善のコンサルティング実績多数。2019年7月より現職。

 

口脇 啓司 Keishi Kuchiwaki
プラットフォームコンサルティング部 エグゼクティブ プランニング ディレクター
アパレル企業で、ECビジネス、オムニチャネル戦略やデジタルトランスフォーメーションプロジェクトなどデジタルに関する全社プロジェクトを責任者として推進。2019年7月より現職。

 

門別 諭 Satoru Monbetsu
ビジネスディベロップメント部 プランニングディレクター
大手制作会社にてビジネス設計、UX/UI、アーキテクチャなどさまざまな分野を経験。コンサルティングからインフラに至るまで、大手から中小までの幅広い経験から状況に応じた知見があり、長いパートナシップをクライアントと築くプロセスを構築する。コマースにおける幅広い知識を活かし、受注受付までではなくその先の業務フロー設計および出荷までの全体設計、フルフィルメント設計を得意とする。
 
CX UPDATES

フリマアプリユーザーの56.2%が「売上金はキャッシュレスのまま使う」

4 years 9ヶ月 ago

楽天が運営するフリマアプリ「ラクマ」の調査によると、フリマアプリユーザーの56.2%がフリマアプリの売上金を現金化せず、キャッシュレスで利用していることがわかった。調査期間は2021年3月18日~3月23日、対象者はフリマアプリ利用経験のある20代~40代の女性600人。

「ラクマ」では約7割が売上金をキャッシュレス決済で活用

調査対象者にフリマアプリの売上金の利用方法を聞いたところ、56.2%が「キャッシュレスのまま、フリマアプリや他の買い物で使う」と回答した。「振込申請をして現金化して使う」と回答した人は43.7%だった。

ラクマ フリマアプリ キャッシュレス フリマアプリの売上金をどう使っているか
フリマアプリの売上金をどう使っているか(n=600)(出典:ラクマラボ)

「ラクマ」における2021年4月の売上金の利用方法を利用者数ベースでみると、振込申請をして現金化する人は32.5%だった。楽天のオンライン電子マネー「楽天キャッシュ」にチャージして利用している人は67.5%で、現金化する人と比べて2倍以上がキャッシュレスで利用していることがわかった。

ラクマ フリマアプリ キャッシュレス 売上金の利用方法
売上金の利用方法(利用者ベース)(出典:ラクマラボ)

売上金をキャッシュレスサービスで利用する理由としては、「振込手数料がかからないこと」「取引完了後すぐに売上金が使える即時性」などがあるという。

売上金の使い道トップは「フリマアプリの購入で使う」

売上金の使い道について聞いたところ、最多は「フリマアプリでの購入に使う」(36.2%)で、次いで「街の店舗での買い物に使う」(29.7%)「ネットショッピングで使う」(16.2%)だった。

ラクマ フリマアプリ キャッシュレス 売上金の具体的な使い道
フリマアプリの売上金(現金化したもの、電子マネー含む)の具体的な使い道で、最も金額の割合が大きいもの(出典:ラクマラボ)
藤田遥
藤田遥

「コアウェブバイタル」対策で自社ECの表示スピードやUXを改善! ヤフーの喜楽氏が登壇【6/16開催の無料ウェビナー】

4 years 9ヶ月 ago

ドーモは、「Yahoo!ニュースのコアウェブバイタル対策を公開」と題したセミナーを2021年6月16日(水)17時からオンライン形式で開催する。

ECサイト運営・事業者やSEO施策・UX改善に取り組んでいる人向けのセミナー。2021年6月からスタートするGoogleによる「コアウェブバイタル」について、各指標の意味や対策内容などについて解説する。

セミナーでは、既に対策を進めている企業の事例を元に座談会を実施。ヤフーの喜楽智規氏をゲストに迎え、ヤフーの対策状況や効果についても解説する。

喜楽氏は2016年にヤフーに入社。フロントエンドエンジニアとして、Yahoo!ニュースの大規模なシステムリプレイスやパフォーマンス・チューニングなどに従事している。

こんな人にオススメ

対象者

  • ECサイトの運営・事業者
  • 自社サイトの表示スピードに課題を抱えている
  • SEO施策に取り組んでいる
  • UX改善に取り組んでいる

解説内容

  • 「コアウェブバイタル」とは何か
  • 各指標の意味や、どのようなランク付けが行われているか
  • 対策方法や改善ステップについて
  • 達成すべき目標はどこか
  • 「コアウェブバイタル」対策予算をどのように確保するか

セミナー開催概要

藤田遥
藤田遥

顧客を「ファン」に育成する方法は? 事例とデータに学ぶEC事業者向け「ファンコミュニケーション術」【資料を無料提供】

4 years 9ヶ月 ago
コメ兵のLINE接客事例、トラコス発表の調査データに学ぶ「ファンコミュニケーション術」+企業のファンマーケ支援サービス解説をまとめたホワイトペーパーを無料提供
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コロナ禍によるEC参入企業の増加、人口減少などにより、多くの企業にとって「いかに1人の顧客とつながり続けるか」が課題となっている。

本書は、顧客のファン化を促進するための「ファンコミュニケーション術」を紹介。LINE接客で100万円の高級バッグを即売するコメ兵の事例、「顧客理解」に欠かせない各種データ(トランスコスモス発表)に基づいた考察を掲載している。

PDFのダウンロードはこちら 「Impress Business Library」(インプレス・ビジネスライブラリー)に移動します

事例紹介ページでは、コメ兵が実践する「LINE」などのデジタルツールを活用したオンライン接客を掘り下げ、売上1.3倍、客単価2倍を実現した裏側に迫る。また、「リピーターを生む顧客体験とは?」と題し、「手間・負担感の改善」がファン化育成に欠かせない理由を、トランスコスモスによる調査結果から解説。

併せて、企業のファンマーケティングを支援する2社のサービス内容についてもわかりやすく紹介している。

本書は3章立ての全9ページ構成。このホワイトペーパー1冊で、競争激化の時代を勝ち抜くための「ファンコミュニケーション術」、企業のファン化促進をサポートする有力サービスの特徴などを学ぶことができる。

CONTENTS

第1章:リピーターを生む顧客体験とは? 〜手間・負担感の改善がファン化につながる理由〜

顧客をファンに育成するには、コミュニケーションが欠かせない。トランスコスモスが実施した調査「消費者と企業のコミュニケーション実態調査」から、企業が顧客のファン化を促すヒントを探る。

第2章:LINE接客で100万円の高級バッグを即売〜売上1.3倍、客単価2倍。コメ兵の「LINE接客」活用事例〜

コメ兵が実践するオンライン接客事例を解説。導入前と比較し、売上1.3倍、客単価は2倍以上、100万円の高級バッグを即売する事例も出始めている「LINE接客」など、消費者とのOne to Oneコミュニケーションをどのように実現しているのか。具体的な事例を交えて紹介。

第3章:ファンマーケティング支援事業者のサービス概要

企業のファンマーケティングを支援する2社のサービスとは? 紹介しているのは、ノーコードで手軽にアプリを開発できる「Yappli」、EC特化のMAツール「HIRAMEKI XD」。

  • ヤプリ……ノーコードで手軽にアプリ開発可能な「Yappli」。ブランドのファンを育成しリピート購入の促進へ
  • トライベック……EC特化のMAツール「HIRAMEKI XD」。カート落ちメールでCV率が4.5倍向上!

無料でダウンロードできる資料(PDF)のご案内

 
「ファン」を生み出すコミュニケーション術
〜競争激化、人口減少時代を勝ち抜く顧客対応〜

事例には、コメ兵の甲斐真司氏(OMOプロジェクトリーダー WEB事業部長 )、佐野竜太氏(One to Oneタスクリーダー KOMEHYO新宿店 店長)、小上馬舞氏(One to Oneタスクメンバー KOMEHYO銀座店 アシスタントチーフ)が登場している。

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ネットショップ担当者フォーラム編集部

「雇用調整助成金」の特例措置を7月まで延長、厚生労働省が方針を発表

4 years 9ヶ月 ago

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが減少した事業者が休業手当を支給して従業員を休ませた場合、解雇などを行っていない中小企業の従業員の休業および教育訓練に対する助成率9/10、大企業は3/4、1日1人あたりの上限助成額は1万3500円とする現行の「雇用調整助成金」特例措置について、厚生労働省は7月末まで延長する方針を発表した。

厚労省は5-6月の「雇用調整助成金」特例措置について、特に業況が厳しい事業者などに対して特例を設け、原則的な措置の水準は一定程度抑えて運用。7月以降の助成内容は、通常制度に向けて見直しを進めていくとしていた。

緊急事態宣言の延長などを踏まえ、7月も5-6月の助成内容を継続。8月以降の助成内容は、雇用情勢を踏まえながら検討、6月中に公表するとしている。

#7月までの延長が決まった「雇用調整助成金」特例措置の内容

雇用調整助成金の助成内容(厚労省が発表した資料からキャプチャ)

原則的な措置

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが減少した事業者が休業手当を支給して従業員を休ませた場合、解雇などを行っていない中小企業の従業員の休業および教育訓練に対する助成率9/10、大企業は3/4、1日1人あたりの上限助成額は1万3500円。

解雇などを行っている中小企業の従業員の休業および教育訓練に対する助成率は4/5、大企業は2/3。1日1人あたりの上限助成額は1万3500円。

地域特例、業況特例

地域特例は、「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」の対象地域で、知事による基本的対処方針に沿った要請に基づき、営業時間の短縮といったことに協力する企業などが対象。

業況特例の対象は、生産指標(売り上げなど)が直近3か月の月平均と前年または前々年の同期と比べ3割以上減少した全国の企業。

対象となる企業などには、大企業への助成率は4/5で解雇せず雇用を維持した場合は10/10、中小企業の助成率は4/5で解雇せず雇用を維持した場合は10/10。1人1日あたりの助成額の上限は1万5000円。

瀧川 正実
瀧川 正実

「置き配」の個人情報漏えいリスク低減を目的にヤマト運輸が「EAZY」に二次元コード伝票、EC事業者ではZOZOが導入

4 years 9ヶ月 ago

ヤマト運輸は6月1日から、配送サービス「EAZY」における「置き配」時の個人情報漏えいリスク低減に向け、配送伝票の届け先情報を二次元コード化して配達する取り組みを始める。

まずは、ZOZOが運営するファッション通販サイト「ZOZOTOWN」が導入。東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県エリアで展開し、8月2日から対象を全国へ拡大する。

ヤマト運輸は、配送サービス「EAZY」における「置き配」時の個人情報漏えいリスク低減に向け、配送伝票の届け先情報を二次元コード化して配達する取り組みをスタート
二次元コード化された配送伝票イメージ(配達票あり)

EC事業者が届け先の個人情報を二次元コード化して配送伝票を発行し、荷物に貼付して発送。リアルタイムで更新される利用者からの受け取り要望の情報を、「EASY」の荷物を配送する「EAZY CREW」(「EAZY」の荷物を配送する配送パートナー)などと連携し、利用者が希望する受け取り方法で配達する。

二次元コードを使用すると、配送伝票上の個人情報は判別できなくなるため、個人情報漏えいのリスクを低減できる。利用者は安心して「置き配」などを指定することが可能。梱包資材を廃棄する際も、伝票を自身で剥がす手間を解消できる。

ヤマト運輸は、配送サービス「EAZY」における「置き配」時の個人情報漏えいリスク低減に向け、配送伝票の届け先情報を二次元コード化して配達する取り組みをスタート
サービスのイメージ

「EAZY」は2020年6月24日にスタート。対面に加えて「玄関ドア前」や「宅配ボックス」など、EC利用者の多様なニーズに徹底的に応え、配達の直前まで何度でも受け取り方法を変更できる機能、「置き配」時に配達完了通知と撮像データをリアルタイムにメール配信するなどの機能がある。

一方で、「置き配」は「個人情報の漏洩リスクが不安」といったユーザーの声があがっており、EC事業者とリスク低減の取り組みを検討してきた。ユーザーがより安心して荷物を受け取れるよう、EC事業者が発行する二次元コード伝票に対応した配達を開始する。

ヤマト運輸は、配送サービス「EAZY」における「置き配」時の個人情報漏えいリスク低減に向け、配送伝票の届け先情報を二次元コード化して配達する取り組みをスタート
「置き配」時の二次元コード化された配送伝票イメージ

ZOZ0は「EAZY」ローンチ当初から、ファッションECモール「ZOZOTOWN」に導入。新型コロナウイルス感染症の影響を背景とした安心・安全な配達へのニーズの高まりを受け、現在は「ZOZOTOWN」の多くのユーザーが「EAZY」を通じた「置き配」で商品を受け取っているという。

「置き配」が浸透する一方、配送伝票に届け先の個人情報が記載された状態のまま荷物が置かれることによる「個人情報の漏洩リスク」に不安を感じる顧客も存在。顧客の不安を解消し、より便利で安全に「置き配」を提供するために、配送伝票の二次元コード化を導入することにした。

石居 岳
石居 岳

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