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店舗のディスプレイ広告もパーソナライズ。オンラインとオフラインのデータ連携でCX向上を実現する中国のデータ活用法 | 中国の最新買い物事情~トランスコスモスチャイナからの現地レポート~

4 years 7ヶ月 ago
中国ではオンラインで取得した情報を消費者理解を深めています。また、オフラインで取得したデータと連係し、消費者の体験価値向上に取り組んでいます

キャッシュレスやプラットフォームの集約化が進む中国では、オンラインの決済情報や配車アプリから取得した位置情報などを活用し、消費者理解を深めています。また、オフラインで取得したデータと連係し、中国企業は消費者の体験価値向上に取り組んでいます。

消費者ごとに変わる広告表示

中国では、各大手ECプラットフォームの激しいオンライントラフィックの争奪戦を経て、現在はオフラインの顧客争奪戦も激化しています。

オンライン・オフラインの広告配信を行うため、アリババグループは2018年、中国最大のエレベーター広告運用企業のFOCUS MEDIA(分衆媒伝)に150億元を出資。両社は共同で、顔認証と電子スクリーン認識技術を開発しました。

この顔認証と電子スクリーン認識技術は、ビッグデータとクラウドコンピューティング技術を活用し、ディスプレイ広告をパーソナライズすることができます。

「Databank」(アリババがユーザーデータの管理をブランド企業へ提供するダッシュボード)を通じ、消費者の画像とエレベータ広告を設置したビルを使うユーザー属性を精確にマッチング。その結果、パーソナライズしたオフライン広告でリーチすることができ、商品購入などコンバージョン率の向上につなげています。

中国 越境EC Databank オンライン オフライン データ活用 トランスコスモスチャイナ
アリババが行っているディスプレイ広告のパーソナライズ

キャッシュレスやプラットフォームの集約化が進んでいる中国では、オンライン・オフラインの決済情報だけでなく、タクシーや自転車アプリから得ている位置情報など、アリババやテンセント(Tencent)が取得できるデータ量は多岐にわたります。

2019年にはアリババがパーソナライズドマーケティング支援システム「Tmall2.0」をスタート。「Tmall」で使用しているアカウントIDと多種のデータをつなげることで、各ブランドで買い物をする消費者分析の精度を向上させています。「Tmall」の店舗訪問時に掲載される店舗トップページを消費者に合わせて表示するなど、パーソナライズドマーケティングを実現しています(参考:https://netshop.impress.co.jp/node/7640

日本でも始まったパーソナライズしたオフライン広告

日本でも同様のオフライン広告の取り組みが始まっています。埼玉高速鉄道は2019年11月、NTTドコモ、ビズライト・テクノロジー、LIVE BOARDと共同で、鉄道車内では世界初となる環境変化に応じて表示内容や広告を切り替えることができるダイナミックDOOH事業を推進すると発表しました。

ビズライト・テクノロジーはデジタルサイーネージ「ダイナミックビークルスクリーン」を開発。2019年11月中旬から埼玉高速鉄道車両内に順次設置しています。

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ビズライト・テクノロジーが開発したデジタルサイネージ。見ている人や環境の変化に合わせて表示内容が変わるスクリーン型の広告(画像は埼玉高速鉄道サイトから編集部がキャプチャし追加)

スクリーン型の広告にはカメラやLTEモジュール、温湿度センサーなどが搭載されており、見ている人の年齢や性別など、おおよその属性や位置情報によって広告を出し分けします。

「Databank」活用で広告精度を向上

アリババのオフラインにおけるパーソナライズ広告配信のメイン技術「Databank」について説明します。「Databank」は個人情報保護の観点から個人を特定する情報を見ることはできませんが、属性の近い消費者をグループ分けし、分析することができます。

また、下図のようにブランドが構築したWeChat(ウィチャット)上のミニプログラムが保有する会員情報を属性ごとにタグ付け、「Databank」に取り込むことでアリババプラットフォーム外の消費者属性も把握できます。

ミニプログラムだけでなく、ECサイトの会員データなど「Databank」のユーザー情報を電話番号と紐づけすることで、さまざまな顧客データの情報を深堀りすることができます。

中国 越境EC Databank オンライン オフライン データ活用 サイネージ広告 トランスコスモスチャイナ
「Databank」の活用方法(transcosmos China 作成)

「Databank」の本来の目的は消費者分析ではなく効果的な広告配信です。そのため、分析した結果をもとに広告配信を行い、広告精度の向上と広告配信結果(閲覧者、クリック率、コンバージョンレートなど)から、再度消費者分析を行い、より情報精度を高めるPDCAを組むことができます。

広告配信先としても、アリババが保有するさまざまなプラットフォーム・アプリが配信対象になるため、オフライン情報も活用した広告配信を行えます。

冒頭のサイネージ広告に戻ると、カメラによるユーザー属性の分析が進むことで、スマホからアプリやサイトにアクセスすることなく、電車の中で乗客の属性に合わせた広告が配信できるようになります。

CX向上はオンラインとオフラインの情報を組み合わせで

中国では、京東集団(JD.com)が展開するスーパー「7フレッシュ(7FRESH)」において、顔認証による決済が提供されています。オフラインにおけるユーザー特定に必要な情報も備わってきています。

京東集団(JD.com)のスーパー「7フレッシュ(7FRESH)」における顔認証決済のようす(画像は編集部が撮影)
顔認証決済のようす(画像は編集部が撮影)

オフラインから認識したユーザーとオンラインで保有しているユーザー情報を紐づけできるようになれば、ユーザー属性の精度が高まり、人ごとに表示広告が瞬時に変わっていくなどの対応ができるようになると考えられます。

アリババが提唱する「ニューリテール」。オンラインとオフラインを融合させた新しい商品体験を提供する

昨今うたわれているCX(カスタマーエクスペリエンス)においては、ブランドと消費者のすべての接点において、いかに心地良く満足度の高い体験をもたらすかが重要となっています。消費者それぞれのニーズに合わせた情報や伝達方法を選び、不要な情報を減らすことで、体験価値を高めることができます。

海外向けECビジネスを実施・検討中企業は必見! 30か国のECデータをまとめた『海外ECハンドブック2020』

インプレスでは海外EC市場への進出を検討、進出済み企業などに向けて、世界30の国・地域のECデータを1冊の書籍にまとめた『海外ECハンドブック2020』(著者はトランスコスモス)を発刊。「世界のEC市場規模予測」「地域別EC市場データ」「越境EC市場規模およびEC利用者の推移」「EC市場データランキング」などを詳しくまとめています。

『海外ECハンドブック』は、グローバルECにおいて豊富な経験を持つトランスコスモスが、世界30の国と地域におけるECの現状と将来展望について、最新データを集約・整理した一冊
『海外ECハンドブック』は、グローバルECにおいて豊富な経験を持つトランスコスモスが、世界30の国と地域におけるECの現状と将来展望について、最新データを集約・整理した一冊

[主要30の国・地域のEC市場概況]

  • 世界のEC市場規模予測
  • 地域別EC市場データ
  • 30の国・地域のEC市場ポテンシャル
  • 越境EC市場規模およびEC利用者の推移
  • 越境ECの地域別利用状況
  • アジア10都市EC利用動向調査
  • EC市場データランキング(TOP10)
  • 各国のEC市場環境比較表2019年
    などを掲載。アジア太平洋、北米、中南米、欧州、中東・アフリカなど、主要30の国・地域について、各国のEC市場環境比較表などを掲載しています。
    https://www.amazon.co.jp/dp/4295010766/
トランスコスモスチャイナ(transcosmos China)
トランスコスモスチャイナ(transcosmos China)

ネイティブとミニアプリを効果的に使い分ける方法とは?【ECアプリ活用法を450社超が使う「Yappli」が解説】

4 years 7ヶ月 ago
「Yappli」を開発・提供するヤプリが、ネイティブアプリがEC 運用に欠かせない理由、ミニアプリとの使い分けポイントについて解説する。
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ネイティブアプリの開発・運用・分析をノーコード(プログラミング不要)で提供するアプリプラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」。アプリ市場が拡大を続けるなか、2020年に「Yappli」からリリースされたECアプリの平均ダウンロード数は、2016年比で10.92倍まで伸長した。ネイティブアプリがEC運用に欠かせない理由、ミニアプリとの使い分けについて解説する。

ミニアプリとネイティブアプリの使い分け

「Yappli」は、ノーコードでiOSとAndroidのネイティブアプリをスピード開発できるSaaS型のアプリプラットフォーム。クラウドサービスのため、OSのアップデートやマーケティングトレンドに合わせた機能拡張が、随時全ての導入企業に対して行われる。運用に必要なデータ分析機能も充実。2021年2月時点の導入社数は450社超で、うち過半数をEC事業者が占める。

現在事業者が利用できるアプリの中には、ネイティブアプリの他、ウェブアプリや、近年では「LINEミニアプリ」のように、親アプリ(スーパーアプリ)のなかで提供される「ミニアプリ」もある。各アプリには、ライトユーザー向けにはミニアプリ、コアなファンを獲得・育成するにはネイティブアプリなどのように使い分けのポイントがある。

化粧品、食品、ファッションなど、幅広い業種でネイティブアプリの開発・運用実績を持つヤプリでも、導入企業からミニアプリとの使い分けに関する相談を受けることがあるという。

ヤプリでは、それぞれ役割やターゲット、ゴール設定などが異なることから、いまの課題やニーズに応じて使い分けることを推奨している。

現在「Yappli」を導入しているO2O、EC、オムニチャネル関連アプリの大半は、顧客のエンゲージメント向上やコミュニケーション強化を目的に作られている

ユーザー側も利便性の良さを実感しやすいことから、新規・既存顧客によるダウンロード数が大幅に増えているという。

ヤプリ 井階京太氏(セールス・マーケティング部 本部長)
ヤプリ 井階京太氏(セールス・マーケティング部 本部長)

自社ECの強化、全体LTVの向上に成果を出すアプリ活用

EC事業者がネイティブアプリを運用するメリットは、①自社ブランドのアイコンをスマホのホーム画面に置くことができる②ネイティブアプリならではのテクノロジー活用③自社の顧客基盤との連携――の大きく3つがあげられる。

スマホからのECサイトへの流入や購入比率が年々拡大するなか、ユーザーとのもっとも身近な接点であるスマホのホーム画面上での競争が激化している。

ミニアプリが、メインのアプリの内部に位置付けられるのに対し、ブランドの顔となるアイコンをホーム画面へ設置することができるネイティブアプリの優位性は明らかだ。

また、プッシュ通知を筆頭に、ネイティブアプリでしか利用できないテクノロジーを魅力に感じるEC事業者は多い。

メルマガと比べて開封率が高く、パーソナライズした情報伝達が可能で、高いリーチを実現できる点が人気だ。

Yappli導入事業者による、O2O、EC、オムニチャネル関連のアプリがすべて大幅に伸長
Yappli導入事業者による、O2O、EC、オムニチャネル関連のアプリがすべて大幅に伸長(画像:ヤプリ提供)

そして、モールなどのサードパーティーに依存せずに、自社の顧客基盤と連携させた独自プロモーション施策が実行できるところも、ネイティブアプリのメリットだ。

コアなファンとのつながりを強化できれば、自社ECの売上拡大やLTV(顧客生涯価値)のアップが期待できる。

一方、自社で十分な顧客データベースを保有していない場合は、ミニアプリを提供するプラットフォームに蓄積されたデータを活用すると良いだろう。

ECに必要な機能が充実、アプリで顧客体験価値を向上

「Yappli」には、450社超の導入実績から得た成功ノウハウが豊富に蓄積されている。

特に、導入社の半数以上を占めるEC業界向けの機能やサポート体制が充実しており、導入前から導入後(ダウンロードの促進や運用上の効果的な施策提案)までを全面的にサポートすることで、導入企業の成長に貢献している。

ヤプリ 清野雄太氏(マーケティング本部 マス&オンラインマーケティング部)
ヤプリ 清野雄太氏(マーケティング本部 マス&オンラインマーケティング部)

※本稿は、ダウンロード資料「アプリを小売・ECビジネスに活用する方法は? ネイティブアプリ・ミニアプリの基礎から使い分けを解説」(2021年3月8日公開)に掲載された記事を再編集したものです。

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朝比美帆
朝比美帆

「映えるパッケージ」「TV番組とのコラボ」「商品力」。化粧品・サプリメントのECベンチャー「pupu」に聞く成長のポイント | EC業界で活躍する女性の働き方に迫る“e-女”~Presented by売れるネット広告社~

4 years 7ヶ月 ago
売れるネット広告社の代表取締役社長の加藤公一レオ氏と、化粧品・健康食品通販のpupu株式会社 荒巻里恵氏との対談

売れるネット広告社の代表取締役社長CEOの加藤公一レオがEC業界で活躍する女性にフォーカスし、ネット通販(EC)に携わる経営者や担当者とさまざまなテーマについて対談する企画。10回目はpupu株式会社 荒巻里恵さんの登場です。

今回の“e-女”

pupu株式会社 荒巻里恵(あらまき りえ)さん
pupu株式会社 荒巻里恵(あらまき りえ)さん
福岡県出身。2016年に化粧品・健康食品通販のpupu株式会社に入社。以降、通販のお客さま対応から、新規獲得の広告プランニング、ECサイト・Web施策、商品開発、AND THE SOIL.店舗運営サポートまでさまざまな案件を担当。現在はコンタクトセンターの代表も兼任する。

「自分の仕事がなくなる」という危機感からWebの世界へ

加藤公一レオ氏(以下、加藤): まずは自己紹介をお願いします。

荒巻里恵氏(以下、荒巻): pupuに入社して6年目になります。もともとは事務の仕事をしていましたが、業務がどんどんWebに置き換わっていくなかで、「このままでは自分の仕事がなくなる」と危機感を抱き、Webの仕事に興味を持つようになりました。転職活動でpupuを紹介していただき、「面白そうだな」と感じて入社することになりました。

加藤: pupuはどんな会社なんですか?

荒巻: お客さまであっても社員であっても「個人を尊重する」ということを大切にしています。「お客さまと1対1でちゃんと向き合う」ということは創業時から続けていますし、時代が変わり、これまでの常識が通用しない場面も多々あるなか、会社として、新しく入ってきた若いメンバーの発想や感覚を大事にしようとしています。1人ひとりを大切にして、社員の「やりたい」という気持ちを応援する社風です。

平均年齢は28歳。私の知らないワードが出てくることもよくありますし、「そういうところに目を付けるんだ!」と発想の違いに驚くこともあります。

ププストア
ププストアより

テレビ番組とのコラボや路面店出店にも果敢に挑む

加藤: 御社ならではの施策や制度はありますか?

荒巻: 1つはRKB毎日放送の『オケハザマってなんですか?』というテレビ番組のスポンサーをしていて、それに関連する取り組みです。番組でpupuのCMが流れるほか、コラボ商品も作っています。これまでTシャツやピールオフパック、入浴剤、香水など5点ほどのコラボ商品を開発しました。コラボ商品を作る際は社内でのミーティングの模様など、商品開発の段階からテレビのコーナーで取り上げていただいています

加藤: なるほど! 面白いですね。

荒巻: オーガニックや無添加を大事にしているのもpupuの特徴で、生産者から直接仕入れるなど、原料にはとてもこだわっています。pupuは通販でオーガニックや無添加原料を使った商品を販売していますが、世の中全体でオーガニックや無添加の商品がどこでも手に入るかというと、まだまだ難しいところがあります。オーガニックや無添加に力を入れている企業は他にもありますが、なかなか世に広まっていないのが現状です。

そんな現状を知って、福岡市中央区に「AND THE SOIL.(アンドザソイル)」というオーガニックストアも出店しました。こだわりを持って作っている企業のオーガニック商品、無農薬や減農薬にこだわって作っている農家から卸を通さずに直接仕入れた新鮮な野菜を販売するなど、一般的なオーガニックスーパーにはない品ぞろえを心がけています。

福岡市中央区の「AND THE SOIL.(アンドザソイル)」

加藤: いいですね。メインは通販・D2Cでも、それ以外の新たな取り組みもどんどんしているんですね。

荒巻: はい。「面白い!」と思ったことにはどんどん挑戦する社風ですね。pupuが一貫してやっているのは、オーガニックや無添加など「身体にいいこと」「地球にいいこと」が大前提ですので、そこから派生する事業が広がっています。「コロナ禍で売り上げが下がってしまった小売店を支援したい」「買い物弱者の方を支援したい」など、社内では次の事業に関するいろいろな構想やアイデアが出ています。

加藤: なるほど。御社は社会貢献意識が高いんですね。

お悩み商材だからこそ映えるパッケージに

加藤:通販で一番の主力商品はどれですか?

荒巻: 一番売れているのはエストロゲンとよく似た働きをする成分「エクオール」配合サプリメントで、商品名は「クオリア」です。クオリアに配合している「エクオール」は、大豆由来のイソフラボンを特許技術製法で抽出した希少な原料を使っています。実は女性だけでなく、男性にも人気の商品です。

クオリア
クオリア

荒巻: 最近広告に力を入れているのは、「とてたま洗ひ肌」という八王子産の炭を使った、まつエクでも使用できるホットクレンジングです。ミネラルや天然成分をバランスよく含んだ霧島の名水、エイジングケアに欠かせないヒト幹細胞培養液エキスも配合し、クレンジング、洗顔の他にも温感マッサージ、毛穴ケア、美容パック、角質ケア、エイジングケア(年齢に応じたケア)、アンチポリューション、ブースター効果の9つの機能を備えています。

とてたま洗ひ肌
とてたま洗ひ肌

加藤: 御社の商品はパッケージが面白いですね。めちゃくちゃ映えますね!

荒巻: はい。pupuはダイエットサプリなどデリケートなお悩み商材を多く扱っているので、持ち歩いていても恥ずかしくない、お客さまが「可愛い!」と思えるパッケージに特徴があります。とはいえ見かけ倒しではなく、オーガニック原料を使うなど「本物」にこだわっています。

ププストアの商品ラインナップ

商圏の広さがECビジネスの醍醐味

加藤: EC業界に入ってみてどう感じていますか?

荒巻: とても面白いです。ECなら、福岡にいながら日本全国のお客さまを相手にすることができます。巷で売っていない商品や世の中にない商品を作って、それを本当に必要としている方に届けることもできます。

加藤: 通販なら北は北海道から南は沖縄まで、場合によっては海外にもビジネスを広げられますからね。

荒巻: pupuは台湾を拠点にして、東南アジアに進出しています。定期購入の文化がないので当初は苦戦しましたが、商品の良さを実感して定期で購入してくださるお客さまも増えてきました。現地では定期よりもまとめ買いが主流で、びっくりするくらいまとめ買いしてくださるお客さまもいらっしゃいます。

加藤: 24時間365日、絶えず広告効果が数値化される世界をどう思いますか?

荒巻: ちょっとした違いが結果を大きく左右することがあるので、A/Bテストの結果を見るのはすごく面白いです。 バナー1つをとっても、ただキレイに作ればいいというものではなく、つい押したくなるような人間心理をついたものにする必要があると感じています。日々闘いですね(笑)

ECは「攻めの広告と受け身の消費者」という構図になりがち

加藤: ECならではの難しさはありますか?

売れるネット広告社の代表取締役社長 加藤公一レオ氏
売れるネット広告社の代表取締役社長 加藤公一レオ氏

荒巻: 対面販売ではないECは、お客さまの真意を知るのが難しく、ともすれば「攻めの広告と受け身の消費者」という構図になりがちです。そうならないよう、「どの媒体に出稿するのが一番いいのか」「どんな打ち出し方をすればいいのか」など、お客さまが何を求めているのかを日々考えています。最近はSNSやLINEでコミュニケーションが取れるようになったことで、少しずつお客さまの心理やニーズがわかるようになってきましたが、やはり難しいですね。

加藤: 御社はコールセンターを自社で運営するようになり、お客さまとのコミュニケーションは取りやすくなったんじゃないですか。

荒巻: そうですね。コールセンターを外注していた頃は外注先に対する遠慮がありましたが、今はそれがなくなりましたし、お客さまとの会話の録音を聞けるようにもなりました。商品だけではなくサービス面でも、お客さまの求めるものが見えるようになってきています

加藤: お客さまを知ることは大事ですよね。pupuのクライアントの中には、社長も交えたお客さまとの大規模な交流会を定期的に開催している通販会社もあります。

荒巻: それはいいですね。pupuの場合はお悩み商材が多いので、お客さまとコミュニケーションが取りづらいという難しさがありますが、様子を見ながらコミュニケーションを取っていきたいと思います。

コロナ禍で社会のWeb化が5年早まった

加藤: コロナ禍で大変な業界も多いですが、通販業界は運が良かったですよね。pupuのクライアントの8割~9割はコロナ禍の影響がないと聞いていますし、むしろ売り上げが伸びた会社もあります。コロナ禍がなかったとしても、社会のネット通販化、テレワーク化、オンライン会議化の流れは出てきたと思いますが、コロナ禍によって5年間ぐらいは早まりました。

荒巻: そうですよね。「5年後10年後にはこうなるだろうな」と思っていたことが今年起こっています。

加藤: pupuのクライアントは9割以上が化粧品や健康食品ですが、この1年間はワイン、雑穀、肉、キムチなど食品会社からの引き合いが多かったです。コロナ禍の影響が少ない業界だからこそ、これまでネット通販に参入してこなかった業態の方々と一緒に業界を盛り上げていきたいなと思っています。

荒巻: 農家さんをはじめとする生産者がネット通販に参入するハードルも低くなってきたので、pupuも生産者を支援するECプラットフォームを作っていきたいと思っています。

加藤: 頒布会として毎月おすすめの野菜の詰め合わせを送るといいですね。消費者に「直接売る」というカルチャーや「定期コース」というカルチャーがなかったところにそのそれらを持ち込めば、新しい未来が開けると思います。

荒巻: はい。食品ロスも重大な課題だと思っているので、pupuが介在することによって、そういった社会課題にも対応していきたいです。

pupu株式会社 荒巻里恵(あらまき りえ)さん

「わかりやすいもの」「エッジがきいたものが売れる時代」

加藤: 2年ほど「売れるネット広告つくーる」を使っていますが、改善した数字はありますか?

荒巻: もちろんコンバージョン率も上がりましたが、アップセル率が全然違います。以前は3人に1人が3個まとめ買いをしてくれていたのが逆転しました。導入前に比べ、4倍以上のお客さまが1個買いから3個まとめ買いにアップセルするようになっています。

加藤: 御社はずっとワンステップマーケティングをやってきたんですか?

荒巻: はい。pupuはずっとワンステップだけでやってきました。リスティングが中心で、ランディングページを訪れる方は温度感が高いので、獲得につながっていました

加藤: リスティングは需要が顕在化していますからね。ただ、ワンステップマーケティングにはどうしても限界があります。合コンで知り合った女性にいきなり「僕と結婚してくれ」と言っても無理があるじゃないですか(笑)。世の中の7~8割の単品通販会社がやっているワンステップマーケティングは、恋愛に例えるとそういうことなんです。

だから、ワンステップマーケティングは需要が顕在しているお客さましか申し込みません。青汁なら「そろそろ青汁飲んでみようかな~」と思っている人しかターゲットにならないんです。いきなりプロポーズは無理でも、デートなら劇的にハードルが下がります。言ってみれば、合コンで出会った相手に「まずは僕とデートしてみませんか」とアプローチするのがツーステップマーケティングなんです。

デート(無料モニターや500円モニター)が入口であれば、「無料なら(500円なら)1度試してみようかな~」と、需要が顕在化していなかった層にも興味を持ってもらうことができます。無料モニターや500円モニターを入口としたツーステップマーケティングにすれば、いきなり定期をオファーするワンステップマーケティングに比べ、レスポンスは10倍くらいになります。

売れるネット広告社の代表取締役社長 加藤公一レオ氏

荒巻: 今ちょうど、ツーステップマーケティングを始める準備をしているところです。pupuの商品はLTVが高く、一度使っていただいたお客さまには良さをわかっていただけるので、まずは使ってもらう機会を増やすことが大事ですよね。

加藤: クレンジングは特にツーステップマーケティングが合うと思いますよ。女性の3分の1しか使っていない美容液に比べ、ほとんどの女性が使うクレンジングのほうが市場が大きいからです。

最近の傾向として「わかりやすいもの」「エッジがきいているもの」が売れるという特徴があります。クレンジングの場合は「肌に付けた瞬間あったく感じる」「手にのせるとトロトロになる」「シュワっとする」など、わかりやすい特徴のある商品が売れています。御社のクレンジングもそうですよね。

昔と違って今は「大手企業の商品だから売れる」という時代ではありません。健康食品は味を楽しむものではなく、即効性もないので、大手製薬会社が有利ですが、化粧品の場合、お客さまは使った瞬間すぐ「いいかも」と使用感の良さや効果を実感できます。そういう意味では、健康食品よりも化粧品の方が実力勝負ができ、ベンチャーや中小企業でも戦えるんです。

ワンステップマーケティングなら「完了画面でアップセル」

加藤: 御社のネット広告において、何か課題はありますか?

荒巻: せっかくランディングページを訪れてくれても離脱するお客さまは必ずいます。途中で離脱したお客さまに関しては情報がないので、広告で追いかけても刈り取りが不十分だと感じます。離脱させないようにする方法がいまひとつ見えていません。

加藤: そもそもツーステップマーケティングにするとレスポンスが10倍上がるので、それ自体が一種の離脱防止策になります。またワンステップマーケティングの場合は、アップセルは申込確認画面よりも申込完了画面でオファーした方がいいです。ツーステップマーケティングなら、ランディングページではモニター商品を訴求し、「確認画面でアップセル」で本商品の定期コースを訴求、「完了画面でアップセル」で3か月おまとめ定期を訴求するのがテッパンのノウハウです

ただし「確認画面でアップセル」をすることで、数%の離脱があります。ツーステップマーケティングの場合はそれでも構いませんが、ワンステップマーケティングの場合は、アップセルをオファーする前に注文を“確保”しておいて、申込完了画面でアップセルを仕掛ける方がいいです。申込完了画面までたどり着いた段階で、最低でも本商品1つは売れているわけですから、損がありません。

お客さま主導の「共感型」のネット社会になりつつある

加藤: pupuに入社してからの6年でEC業界の変化は感じますか?

荒巻: ものすごく変わったと思います。私が入社した6年前は、通販自体にまだまだ怪しさがありましたし、お客さまは情報に対して受け身で、通販会社から一方的に出される情報をもとに判断するしかありませんでしたが、SNSやインフルエンサーが台頭してきた今は、立場が逆転してきています。

私たち通販会社も、お客さまから情報を受けることが増えてきました。「お客さまと一緒にやっていく」という空気が醸成されていて、お客さま主導のネット社会になってきているなと感じています。「共感型」というか、いかに私たちの想いを受け止めて納得していただけるかということがますます重要になってきています。もちろん商品力が前提ではありますが、「いかにお客さまと向き合っているか」という会社としての姿勢もしっかり伝えていきたいです。

pupu株式会社 荒巻里恵(あらまき りえ)さん

加藤: 今は消費者がSNSで自分の思いをシェアするようになっていますが、今後企業や商品に対して、消費者がどのように変わっていくと思いますか?

荒巻: 最近出てきている、カスタマイズされた自分専用の商品へのニーズがますます増えていくと思います。今まであるもので我慢していた人たちが声を上げられる時代になりましたよね。

テクノロジーを駆使しつつパーソナルなコミュニケーションを実現したい

加藤: 今後チャレンジしたいことはありますか?

荒巻: 自社でコールセンターを運営して新たに気づいたことがあります。AI技術やシステム開発がすごいスピードで進んでいて、以前はなんとか工夫しながら人力でやってきたことが自動化されたり、クラウドを使ったシステム連携によってITソリューションサービスでお客さまとのコミュニケーション課題を解決できるようになったりしています。

以前はなかなかできなかったことも簡単にできるようになりつつあるので、テクノロジーを駆使しながら、パーソナルなコミュニケーションがとれる通販を実現したいです。

加藤: 通販の本質は商品を売ることではなく、それをきっかけに半永久的にお客さまとリレーションをとることだと思っています。その強みを生かしたいですよね。たくさんいるお客さま1人ひとりと細かくコミュニケーションを取ることはできないかもしれませんが、AIを使ったサポートはもちろん、メールや同梱物などでお客さまの人生が豊かになるような情報を発信していけたらいいですね。

荒巻: 本当にそう思います。

対談を終えて

ECだけでなくオーガニックストアの出店など、構想中も含めさまざまな事業を展開されているpupu。今回の対談で、「困っている人を助けたい」「お客さまやパートナーのお悩みを解消したい」という事業の根底にある想いが感じられました。商品の品質へのこだわりも強く、荒巻さん自身が、「商品力には自信があります!」と断言されていたのが印象的です。

目で見てわかるpupuの商品の特徴といえば、見るだけで心ときめく「映える」パッケージ。お悩み商材だから目立たないパッケージにするのではなく、あえて人に見せたくなるような可愛いパッケージにすることで、商品を手にしたお客さまもポジティブな気持ちで自身の悩みに向き合えるのではないでしょうか。

アクセサリー感覚で持ち歩きたくなるようなおしゃれなデザインと、「本物」にこだわった商品力。それらの掛け合わせは、pupuのブランド力をますます高めていくはずです。

売れるネット広告社の代表取締役社長の加藤公一レオ氏とpupu株式会社の荒巻里恵氏
※「確認画面でアップセル」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第5569381号

加藤公一レオからのお知らせ

日本で唯一のネット広告/ランディングページ特化型のクラウドサービス「売れるネット広告つくーる」は、登場した“e-女”が所属する企業さんも利用しています。

【無料セミナーのご案内】

売れるネット広告社は、「仮説ベース」ではなく「事実ベース」で、いかにクライアントの広告の費用対効果を上げていくか、いかに売り上げを上げていくかに特化し、“100%確実性”のある広告を追求してきました。無料セミナーでは、“最強の売れるノウハウ”、つまりは10社以上で広告の費用対効果が上がった成功の仕組みを大公開します。

加藤 公一 レオ
加藤 公一 レオ

これは便利! コアウェブバイタル改善に役立つ3つのツール【海外&国内SEO情報ウォッチ】

4 years 7ヶ月 ago
Web担当者Forum の連載コーナー「海外&国内SEO情報ウォッチ」を更新。コア ウェブ バイタル(CWV)、そろそろ改善しなきゃだけど、どこからどう手を付ければいいのやら……そんな風に悩んでいるあなたに、サクっと使える便利なツールを3種類、紹介する。
Kenichi Suzuki

パーソナライズサプリ&ダイエットプログラム「Waitless」をSpartyが開始。東京・表参道に専用ジムも開設

4 years 7ヶ月 ago

ヘアケアブランド「MEDULLA」、スキンケアブランド「HOTARU PERSONALIZED」などのSpartyは4月22日、サプリとダイエットプログラム(食事・運動サポート)に特化したパーソナライズサブスクリプションサービス「Waitless(ウェイトレス)」の提供を開始した。定期コースの価格は6,980円(税込)。

「Waitless」ユーザーであれば月4回まで月額6,380円(税込)で利用できる専用ジムも東京・表参道に開設し、オフラインでのダイエットサポートも行う。

9万通りの組み合わせの中からサプリを提供

Spartyのパーソナライズサービスは、用意した約20の質問にユーザーが回答するところからスタート。その回答を基に、栄養士・料理家・プロトレーナーなどの専門家と共同開発した食事レシピ、運動動画コンテンツからなるパーソナライズダイエットプログラム、独自開発した「Dual-smart Method」によるパーソナライズサプリメントを9万通りの組み合わせのなかから提供する。

「Waitless」ユーザーに提供されるサプリのイメージ
「Waitless」ユーザーに提供されるサプリのイメージ

サプリは、体内環境を整える「ベース」、ダイエットプログラムに合わせた最適な「パーソナライズド」の2種類をセットで送付。ユーザーがモチベーションを維持し続けられるよう、LINE上でオンラインカウンセリングを行う。

継続に重要というスタート後3週間は、ダイエットに適した行動習慣付けのためのアドバイスを送るなどのフォローアップを実施。フィードバック機能を設け、ユーザーがプログラムの実施状況やサプリの常飲状態などを入力すると、より適したプログラムとサプリを提案する。

毎月届く商品イメージ。「Waitless(ウェイトレス)」にかけ、ユーザー1人ひとりにパーソナライズされた詳細はレストランのメニューに見立てて作られているほか、雑誌のように外箱ごと室内に立てかけておけるスタイリッシュなデザインを採用
毎月届く商品イメージ。「Waitless(ウェイトレス)」にかけ、ユーザー1人ひとりにパーソナライズされたリーフレットはレストランのメニューに見立てて作られているほか、雑誌のように外箱ごと室内に立てかけておけるスタイリッシュなデザインを採用

セルフフィットネスジムをオープン

5月には、東京・表参道にユーザーが専用機器を使いながら自身でフィットネスやエステを行えるジム「Waitless THE PERSONAL SALON」をオープン。オフラインでのダイエットサポートも行う。

ジム内の個室。部屋の中には「MIRROR FIT.」、エステマシン、スキンケア用品の「HOTARU PERSONALIZED」などが置かれている
ジム内の個室。部屋の中には「MIRROR FIT.」、エステマシン、スキンケアブランドの「HOTARU PERSONALIZED」などが置かれている

セルフフィットネスには、IoTミラーデバイス「MIRROR FIT.」を導入した。

ジム運営、サービス内で提供する動画コンテンツの一部は、「MIRROR FIT.」の開発を手がけるミラーフィットの代表取締役社長で、「バチェロレッテ・ジャパン」シーズン1で注目を集めた実業家の黄皓氏がサポートしている。

ジムはオンライン予約制。ユーザーは個室に入り、「MIRROR FIT.」を利用してセルフでフィットネスを行う。ジムの利用料は月額6,380円。1フロア上には、パーソナルトレーナーの指導を受けながらトレーニングできるスペースも設けている。価格は月額2万7,500円。Waitless会員であれば1回50分、月4回まで利用可能となっている。

パーソナルトレーニングスペース
パーソナルトレーニングスペース
公文 紫都
公文 紫都

日本郵便がEMS(国際スピード郵便)に特別追加料金を6/1から導入【料金表あり】

4 years 7ヶ月 ago

日本郵便は6月1日から、EMS(国際スピード郵便)に特別追加料金を導入する。通常料金に、特別追加料金を加えた合計金額が当面の間、EMSの利用金額となる。

適用対象地帯はオセアニア、北中米、中近東、ヨーロッパ。フランス向けのクールEMSも特別追加料金を加える。

たとえば、オセアニア、北中米、中近東宛て1.0キログラムまでのEMSの場合、通常料金2900円に800円の特別追加料金を加算した3700円がEMSの合計金額となる。

日本郵便がEMS(国際スピード郵便)に特別追加料金 適用対象地帯はオセアニア、北中米、中近東、ヨーロッパ
オセアニア、北中米、中近東宛ての料金体系
日本郵便がEMS(国際スピード郵便)に特別追加料金 適用対象地帯はオセアニア、北中米、中近東、ヨーロッパ
ヨーロッパ宛ての料金体系
フランス宛ての保冷EMSの料金体系
フランス宛ての保冷EMSの料金体系

特別追加料金は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で航空輸送量の減少に伴い、輸送コストが高騰しているため。コストの割増分に相当するEMS特別追加料金は当面の間、オセアニア、北中米、中近東、ヨーロッパ向けで導入する。

瀧川 正実
瀧川 正実

良品計画の「無印良品」、子ども家具の月額定額サービスをスタート

4 years 7ヶ月 ago

「無印良品」を展開する良品計画は4月22日、子ども向け家具の月額定額サービスを開始した。

子ども向け家具は使用期間が短く、まだ利用できるのに処分しなければならない場合もある。無印良品は廃棄物削減の取り組みの一環として、月額定額サービスを日本国内の無印良品20店舗で始めた。

月額定額サービスは大きな初期費用を支払うことなく、手頃な月額定額料金で利用できる仕組み。月単位の契約で、利用期間に合わせて5パターンのプランを用意した。選んだプランの期間が満了した場合、「解約・返却」を選択できるようにする。希望する顧客は買い取り料金を支払うことで、そのまま利用することが可能。

「無印良品」を展開する良品計画は、子ども向け家具の月額定額サービスを開始
子ども向け家具の月額定額サービスについて

月額定額サービスの投入で、子どもの成長に伴う不要な家具の処分といった課題を解消、廃棄物の削減にもつなげる。

返却された家具は廃棄せず、循環させる方針。パーツ交換やメンテナンスを施し、改めて月額定額サービスに再利用することを予定している。利用期間が短い家具についても悩むことなく安心して利用できることを提案していく。

月額定額サービスに合わせて、2015年に発売した「ひのき材ベビーベッド」を刷新。オーク材を活用した「オーク材ベビーベッド」にリニューアルし、子ども向け家具の月額定額サービスに投入した。

加えて、子ども家具の定番として知られるハイチェア「トリップ トラップ」をストッケ社から仕入れ、国内の無印良品5店舗で販売。月額定額サービスの対応も始めた。

石居 岳
石居 岳

実際に効果が期待できる、あまり見ないCTAの具体例

4 years 7ヶ月 ago

SEOの主目的はオーガニックトラフィックの最大化と考えることができますが、せっかく集客に成功しても、望むべく行動を取ってくれるユーザーが少ないと、コンバージョンの達成には至りません。 CROは、ユーザー行動を改善しコンバ … 続きを読む

投稿 実際に効果が期待できる、あまり見ないCTAの具体例SEO Japan|アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ に最初に表示されました。

スーパー「ライフ」の戦略/オンワードのEC化率が23.9%に上昇【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

4 years 7ヶ月 ago
2021年4月16日~22日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. EC売上1000億円めざすライフコーポレーションのネットスーパー戦略

    ライフコーポレーションの2021年2月期EC売上高(ネットスーパー事業)は前期比76.1%増の53億円。2030年度に1000億円規模まで拡大する方針

    2021/4/19
  2. オンワードのEC売上は約416億円で26%増、EC化率は23.9%に上昇【2021年2月期】

    オンワード樫山の自社EC売上高は前期比35.4%増の264億6600万円、他社ECモールでの売上高は同4.7%減の18億9200万円

    2021/4/16
  3. Amazonのプライム会員はグローバルで2億人を突破

    2019年12月期の決算発表で12月末時点のプライム会員数が1億5000万人を突破したと公表しており、約1年で5000万人以上増加している

    2021/4/19
  4. ビックカメラの連結EC売上は24%増の803億円、EC化率は19.1%【2021年中間期】

    ビックカメラグループの中間期連結EC売上高は前年同期比24.1%増の803億円。EC化率は19.1%。EC事業は大きく伸びたが実店舗の低迷を補うには至っていない

    2021/4/20
  5. 2021年は「SEO」と「広告」を一緒に考える! いま、自社ECサイトでやるべきことは何?

    かつては別の担当者がそれぞれ運用するのが当然だった「SEO」と「広告」。今年は一緒に考えて見ましょう!【連載第1回】

    2021/4/21
  6. 社員50人の通販・EC会社が進める働き方改革。年24万円の自己投資支援、柔軟な労働時間などスタッフの「幸福度を最大化」する取り組み

    「ていねい通販」を運営する生活総合サービスは2020年11月1日から新制度「わくワーク」のトライアルをスタート。1日の所定労働時間を選択できる、フルフレックス、自己成長支援金を支給する「わくわくサポート」などの取り組みを行っている

    2021/4/19
  7. グルメをテーマにした店舗が順位を競う「楽天グルメバトル2021春」を実施

    「楽天市場」は、全国558のグルメをテーマにした「楽天市場」出店店舗が参加し、ユーザーの購入結果で9つの商品カテゴリーの各1位と総合1位を決定する「楽天グルメバトル2021春」を実施

    2021/4/20
  8. 1000億円の取扱高、ファッションEC市場のシェア3%をめざすロコンドの「長期ビジョン」

    ロコンドは、2030年度の取扱高1000億円、営業利益は100億円をめざす「2030年長期ビジョン」を発表

    2021/4/21
  9. テレビ通販最大手ショップチャンネルとC Channelが提携、生放送ノウハウ+ネットメディアでライブコマース事業

    生放送のテレビ通販といったノウハウを持つショップチャンネルと、メディア運営を軸にした顧客基盤を持つC Channelがタッグを組む

    2021/4/21
  10. 松山英樹選手のマスターズ優勝でネット通販にも波及効果、ゴルフ用品の購買が伸びる

    松山選手がマスターズで使用したいくつかのゴルフ用品を、ゴルフダイジェスト・オンラインの「GDOゴルフショップ」内の購買データで調査した

    2021/4/22

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    アスクルの「新しい働き方」改革。テレワーク中心の勤務形態へ移行、オフィスには完全個室などを新設

    4 years 7ヶ月 ago

    アスクルは「新しい働き方」の実現に向け、東京本社を全面リニューアルした。2020年6月からWith・Afterコロナ時代に向けて準備を進め、完全個室や吸音パネル搭載ブースなどを新設。勤務形態も従来は月4回を上限としていたテレワークの制限を撤廃し、テレワークを中心とした働き方に移行した。

    業務に応じて自由に選択できるブースを新設

    従来の固定席を廃止し、フリーアドレス制を導入。コールセンターなどユーザー対応業務以外のエリアはゾーン別にフリーアドレス制へと移行した。

    業務に集中したい時に使用できる「個人集中ブース(籠もれるスペース)」、社内外とオンラインミーティング時に使用できる完全個室の「テレカンポッド」、半個室で吸音パネルを搭載した「テレカンブース」、防疫対策を施した「ディスカッションスペース」などさまざまなブースを新設した。

    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 ブース新設 完全個室のテレカンポッド
    完全個室の「テレカンポッド」
    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 ブース新設 半個室で吸音パネルを搭載したテレカンブース
    半個室で吸音パネルを搭載した「テレカンブース」
    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 ブース新設 ディスカッションスペース
    防疫対策を施した「ディスカッションスペース」

    オフィス位置情報アプリで「密」を回避

    テレワーク推進とフリーアドレス制導入に伴い、リアルなコミュニケーションを促進するデジタルツールとして、オフィス位置情報アプリ「Beacapp Here(ビーキャップヒア)」を導入した。

    アスクルが貸与するスマートフォンを保持する従業員が対象。アプリをインストールしていれば、オフィス内に設置しているビーコン端末から発信されるBluetoothをスマートフォンが検知、従業員の位置情報をアプリ内のオフィスマップで可視化する。

    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 オフィス位置情報アプリ Beacapp Here オフィスマップ 密状況回避 コミュニケーション促進
    オフィスマップ例

    出社している従業員のリアルなコミュニケーション促進と、オフィスの「密」状況の回避やオフィス有効利用促進ツールとして役立っているという。

    緑溢れるエントランス

    リニューアルにあたり、エントランスのコンセプトを「豊かな自然溢れる地球の尊さを感じ、人の生命力が溢れる空間に」に刷新。そら植物園代表でプラントハンターの西畠清順氏が監修し、室内環境でも長く生き抜く原種の植物をエントランスに植えた。

    2020年12月に策定したアスクルのパーパス(存在意義)である「仕事場とくらしと地球の明日に『うれしい』を届け続ける。」を体現。来訪者や従業員がエントランスを通る度に「うれしい」を届けられる場所をめざしたという。

    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 エントランス
    本社エントランス
    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 エントランス アスクル坊や 四季に応じて変化する樹木
    コーポレートマークの「アスクル坊や」の傍らには、桜など季節の樹木を設置

    テレワーク制限やコアタイムを撤廃

    2020年2月17日から、従来は月4回を上限としていたテレワークの制限を撤廃、テレワークを中心とした働き方に移行した。2020年6月に実施した社内アンケートでは、新しい働き方に対し約8割が週3日以上のテレワークをベースとした働き方を希望した。また、生産性については約75%が「オフィスと同等」もしくは「上がった」と回答したという。

    こうした状況を受け、2021年1月21日から「出社は月最大6日以下」を継続、コアタイム撤廃など「働き方基本指針」を刷新した。

    「働き方基本方針」刷新に伴う変更事項

    • フレックスタイム勤務のコアタイム撤廃
    • 新しい働き方手当として、月額6000円を支給(年2回の賞与月にまとめて支給)
    • 通勤手当は1か月の通勤費支給を停止し、出社回数に応じた実費支給に変更

    リアルとオンライン、シームレスに集える仕事場に

    アスクルは2020年6月にオフィスリニューアルに向けた「未来ベースプロジェクト」を発足、新しいオフィスのコンセプトに「ASKUL CROSSING」を掲げた。リニューアルに際し、アスクルは次のようにコメントしている。

    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 リニューアル時に重視したポイント
    リニューアルに向けて重視した点 

    多様な働き方をする多様な人材が、情報を分かち合い刺激を受けながら働ける場所として、従業員同士のエンゲージメントを高め、一体感を感じられる「会うことの価値が感じられる新しい仕事場」をめざした。

    藤田遥
    藤田遥

    松山英樹選手のマスターズ優勝でネット通販にも波及効果、ゴルフ用品の購買が伸びる

    4 years 7ヶ月 ago

    ゴルフのメジャー大会「マスターズ」で松山英樹選手が日本人選手として初めて優勝したことにより、ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)のECサイト「GDOゴルフショップ」では、各アイテムのPV(ページビュー)、実売数が、マスターズの前週を大幅に上回ったという。

    松山選手がマスターズで使用したいくつかのゴルフ用品を、「GDOゴルフショップ」内の購買データで調査した。

    • クラブ:ZX5ドライバー
    • ボール:Z-STAR
    • ウェア:スリクソンゴルフ全般
    • 対象期間:4月5日~11日、4月12日~18日 ※月曜日~日曜日で比較

    PV数ではドライバー(651%)、ボール(329%)、ポロシャツ(304%)の順でマスターズの前週を大幅に上回った。実売数はドライバー(414%)、パンツ(406%)、ボール(366%)。

    ゴルフのメジャー大会「マスターズ」で松山英樹選手が日本人選手として初めて優勝 マスターズ週とその前週の各アイテムPV数
    マスターズ週とその前週の各アイテムPV数
    ゴルフのメジャー大会「マスターズ」で松山英樹選手が日本人選手として初めて優勝 マスターズ週とその前週の各アイテム購買数
    マスターズ週とその前週の各アイテム購買数

    松山選手が初日から好スコアで優勝争いを繰り広げたこともあり、優勝前からドライバーの人気スペックが市中でも品薄状態に、欠品も目立ち始めたという。結果として、早い者勝ちで完売となった用品もあり、実売数では在庫数の多いボールやウェアの購買が目立ったとしている。

    GDOの2020年12月期連結業績は、売上高が前期比1.7%減の336億9000万円。コア事業のゴルフ用品販売は同3%増。2020年3月中旬以降、新型コロナウイルス感染症拡大により政府や地方自治体の要請による外出自粛などで、ゴルフプレーの減少や実店舗の休業で一時的に業績は苦戦。しかし、ゴルフは「3密」を避けやすい屋外スポーツであることが認知されたこと、天候に恵まれたことなどから順調に需要が回復した。

    石居 岳
    石居 岳

    「Amazon」vs「Shopify」の戦いの行方。EC事業者が注視すべきポイントは? | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    4 years 7ヶ月 ago
    ECの2大プラットフォーム「Amazon」と「Shopify」間で起こっている水面下の戦いは、小売事業者にどのような影響を与える可能性があるでしょうか

    EC業界の2大プラットフォーム「Amazon」と「Shopify」は、ECエコシステムの中で異なる役割を担っています。しかし、将来的には直接の競合になるかもしれません。水面下で行われている現在の戦いは、小売事業者に大きな影響を与える可能性があります。

    Amazonが中小企業向けECプラットフォーム買収で直接対決?

    2020年末、AmazonがShopifyに対抗するサービスを開始するのではないか、もしくはShopifyを完全に買収するのではないか、という憶測がメディアを賑わせました。

    結局、AmazonはShopifyのライバルとも言えるオーストラリア発の「Selz.com」(中小企業をターゲットとしたECプラットフォーム)を買収しました。Shopifyと直接対決することになれば、「Selz.com」が貢献することになるでしょう

    「Selz.com」のトップページ(画像:サイトより編集部がキャプチャ)
    「Selz.com」のトップページ(画像:サイトより編集部がキャプチャ)

    そこで、AmazonとShopifyの戦いがEC事業者にとって重要な理由を説明すると同時に、小売事業者が目的に合った適切なECチャネルを選択する際に役立つ情報を解説します。

    AmazonとShopifyの競争

    小売事業者にとってのAmazonの強みは、巨大マーケットプレイスのおかげで、消費者に幅広くリーチできることです。一方のShopifyは、小売事業者がITやプラットフォーム開発に大きな投資をしなくても、独立したECサイトを迅速に構築できます。Shopifyは消費者にはあまり知られていませんが、小売事業者の自社ブランド育成に焦点を当てたサポートをしています。

    ニュースサイトの「Quartz」によると、「Selz.com」は2006年以降、小規模なスタートアップ企業から食品やアパレルの大手ブランドまで、世界中で100万以上の顧客基盤をひそかに築いてきました。

    Shopifyのトップページ
    Shopifyのトップページ(画像:サイトより編集部がキャプチャ)

    このような違いを見ると、AmazonとShopifyをゼロサムゲームのライバルと考えたくなります。ゼロサムゲームの考え方では、小売事業者はAmazonのマーケットプレイスで販売するか、Shopifyプラットフォーム上で独自のストアを運営するかのどちらかを選択することになりますが、実際のECエコシステムはそれよりも複雑です。

    異なるニーズを満たすAmazonとShopify

    AmazonとShopifyは今のところ、小売事業者の異なるニーズを満たしています。つまり、AmazonとShopifyはエコシステムの中で異なる役割を担っているのです。

    Shopifyの役割や満たすニーズ

    たとえば、リピーターを増やしたいと考えている事業者は、自社の価値や品質について魅力的なストーリーを語り、信頼を確立し、消費者とコミュニケーションをとる必要があります。この傾向は、ソーシャルメディアを多用する消費者向けのD2Cブランドに特に当てはまります。

    ShopifyでECサイトを構築している靴のD2Cブランド「Allbirds」
    ShopifyでECサイトを構築している靴のD2Cブランド「Allbirds」(画像:サイトより編集部がキャプチャ)

    同時に、顧客データを管理し顧客の好みや季節の変化、サイトダウンや天候不順などの不測の事態に合わせて、返品・返金ポリシーを柔軟に設定・調整する必要があります。

    ShopifyのようなECプラットフォームを活用して独立したオンラインストアを持つことは、このような小売事業者のニーズを満たすのに役立ちます

    独立したオンラインストアを持つことで、消費者が好む形で詳細なコンテンツを作成して共有したり、データに基づいてサイトを調整したり、顧客と直接コミュニケーションを取ったり、顧客データをマーケティングやサイトの改善に活用することができます。

    ブランドの規模や決済方法にもよりますが、潜在的なデメリットとしては、市場へのリーチが狭くなること、消費者が毎回支払い方法を設定・入力しなければならない場合はコンバージョンが下がる可能性があります。

    しかし、Shopifyは最近、「Shopアプリ」(消費者向け買い物アプリ)と「Shop Pay」(配送先やクレジットカード情報を再度入力することなく決済できるShopify提供の決済サービス)を追加し、加盟店の検索、店舗・ソーシャルメディア上での簡単なチェックアウトを実現しました。この動きにより、ShopifyはAmazonの縄張りに入ったことになります。

    「Shop Pay」ボタンイメージ
    「Shop Pay」のイメージ(画像:「Shopify ブログ」より編集部がキャプチャ)

    Amazonの役割や満たすニーズ

    ブランドが顧客基盤を拡大するためには、新規顧客を着実に獲得する必要があります。また、消費者が簡単に商品を見つけられる機能も必要です。Amazonは広大なリーチ(広告の到達率)を持ち、多くの商品検索の出発地点になっています。そのため、消費者に向けて他では商品を目にすることがないであろう商品を表示することができます。

    また、保存された支払い方法や「今すぐ購入」のオプションにより、迅速に注文を完了することができます。それらのメリットと引き換えに、小売事業者は、Amazonの手数料、固定された商品ページのフォーマット、返金・返品ルールを受け入れます。また、多くのAmazonユーザーがブランドとの関係を築くよりも、できるだけ安い価格を探すことに集中している、という事実を受け止めなければいけません。

    現状、多くの小売事業者は、AmazonとShopifyのどちらか一方ではなく、両方を利用しています。たとえば、アクセサリーデザイナー・ブランドの「Rebecca Minkoff」は、「Shopify Plus」(Shopifyの最上級プラン)を利用したWebストアで、3DやAR(拡張現実)を使った商品表示を行い、Amazonではできないような没入感のある体験を消費者に提供しています。

    同時に、「Rebecca Minkoff」はAmazonにも店舗を構えており、人気のバッグの多くは無料のプライム配送が利用できます。多くの小売事業者は、ECの世界では両方のプラットフォームにそれぞれ利用価値があると感じているようです。

    「Rebecca Minkoff」の公式サイト
    「Rebecca Minkoff」の公式サイト(画像:サイトより編集部がキャプチャ)

    Amazonの新たな動き

    Amazonは以前、独立したWebストアサービスを小売事業者に提供しようとしましたが、2015年に中止しました。現在、同じサービスに再挑戦する準備ができているのかもしれません。Amazonは2021年1月、オーストラリアのECプラットフォーム「Selz.com」を買収すると発表しました。

    「Selz」のサイトのなかでAmazonによる買収について言及しているページ
    「Selz」のサイト内でAmazonによる買収について言及しているページ(画像:サイトより編集部がキャプチャ)

    これまでのところ、Amazonは「Selz.com」をどのように活用するかを明らかにしていませんが、業界アナリスト達は「AmazonがWebストアサービスに再挑戦する可能性がある」と考えています。

    そうなれば、小売業界で「ダビデとゴリアテの戦い」(※編注:旧約聖書「第一サムエル記」第17章で出てくるエピソードで、強者の弱点を突けば弱者でも勝てるという教えで使われる)が繰り広げられることになるかもしれません。

    コロナ禍の影響で、Shopifyの売上高は2020年1-9月期で前年同期比82%増で伸長。ただ、ECプラットフォーム第2位でありながら、その規模はAmazonよりもずっと小さいのが現状です。Amazonの2020年売上高は3,860億ドルを突破し、Shopifyの売上高は29億ドルでした。

    AmazonがECプラットフォームの分野に再参入することで、小売事業者の選択肢が増えるのか、Shopifyが排除されるのかは未知数です。

    小売事業者にとって、潜在的なリスクは高いと言えるでしょう。一方で、AmazonがWebストア分野に進出することで、小売事業者の自由度が向上。コンテンツや商品情報が提供しやすくなると同時に、引き続きAmazonの市場リーチやテクノロジーの恩恵を受けることができます。

    AmazonがWebストア分野で競合を駆逐した場合、出店事業者はコンテンツフォーマットのオプション、顧客データ、ストアポリシー、および不正防止オプションのコントロールを維持できなくなる可能性があります。

    ◇   ◇   ◇

     EC事業者へのメッセージ

    AmazonとShopifyの競争は、その他のWebストアサービス、ひいてはそれらのサービスを利用する顧客に大きな影響を与える可能性があるため、EC事業者は両社の動きから目を離すことはできません。

    また、それぞれのプラットフォーム上でのチャンスを最大限に生かすために、自社ブランドが単独のWebサイトとマーケットプレイスの両方を持つべきかどうかを検討してみるのもよいでしょう。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360
    Digital Commerce 360

    アフターコロナに求められる物流センターは「多拠点化機能」「感染症対策」「One to Oneマーケティング」が必須 | 『EC通販で勝つBPO活用術』ダイジェスト

    4 years 7ヶ月 ago
    『EC通販で勝つBPO活用術』(高山隆司/佐藤俊幸 著 ダイヤモンド社 刊)ダイジェスト(第12回)

    アフターコロナ時代に求められる物流センターの第3の条件は、「多拠点化に対応できる全国展開」だ。コロナ以降、BCP(Business Continuing Plan)の観点で1拠点だった物流センターを2拠点にしたいというニーズが高まっている

    物流センターで感染者が出て、業務がストップする事案も国内で起きている。もともと火事や地震といった災害の多い日本では、1か所の物流センターが止まったり能力が半減したりした場合、もう1つのセンターが機能していれば安心だ。

    「L-spark」の多拠点化対応機能とは

    スクロール360の「L-spark」は、ECショップから一括で出荷指示データをもらえば、複数拠点で在庫引当を行い、物流センターに近い顧客を選び、出荷指示データを分割する機能を持っている。これがないと、ECショップのほうで在庫引当と顧客住所を見ながらデータを分割しなければならない。

    なお、「L-spark」の多拠点化対応機能には3つのバージョンがある。多拠点化Ver.1.0では、ECショップのほうで2拠点に出荷指示データを振り分ける。多拠点化Ver.2.0では、ECショップの担当者が一括して出荷指示データを送れば、「L-spark」が自動的に2拠点の在庫と顧客の振り分けを行う。

    多拠点化Ver.3.0では、受注処理を360コンタクトセンターにアウトソーシングし、日々の出荷指示はコンタクトセンターからL-sparkに直接送られ、2拠点出荷が可能となっている。

    図
多拠点化ver.1.0 EC担当者が受注データを最適な2拠点に分割して送信する
多拠点化ver.2.0 EC担当者は受注データを分割せずにL-sparkに送信する
多拠点化ver.3.0 受注処理業務は360コンタクトセンターにBPO委託→EC担当者は受注〜出荷の業務から開放される
スクロール360
コンタクトセンター
コンタクトセンターが受注処理対応をし、L-sparkに出荷指示を行う
L-spark(物流管理システム)
L-sparkが顧客の住所と在庫データを確認し、最適なセンターにデータを送信する
物流センター
2か所の物流センターでデータ受信して出荷
    「L-spark」の多拠点化対応機能のバージョン

    北海道、関東、東海、関西と連携した物流展開が可能

    スクロール360の物流センターは、これまでは浜松市を中心としたエリアでの展開だったが、2019年開設のSLC関西、北海道千歳センターに続き、2020年5月に茨城県つくば市にSLCみらいがオープンした。関東圏で初めてのセンターであり、今後の全国展開の先鋒となるセンターだ。

    SLCみらいの外観
    SLCみらいの外観

    SLCみらいの竣工により、北海道、関東、東海、関西と連携した物流展開が可能となる。商品を分散して保管し、注文した顧客に一番近い物流センターから出荷することで、リードタイムと配送コストがより最適化できる

    BCPの観点からも、1か所のセンターが災害や感染症の影響を受けても、他の拠点から出荷することで事業継続が担保される。SLCみらいには「L-spark」はもちろん、SLC西浜松と同レベルのマテハン設備が装備されているほか、スタッフが快適な環境で働けるよう、テラスや休憩スペースが豊富に設けられている。

    センターの延べ床面積は9000坪。1階から5層構造で、最上階の5階から1階までベルトコンベアーが装備されている。5階で出荷準備が完了した商品は自動的に1階まで搬送され、方面別仕分け機により配送キャリア別、方面別に自動仕分けされる

    今後、入居するEC事業者に合わせさらに多くの自動化設備を導入することにより、月間110万件の出荷能力となるよう設計されている。今後も拡大するEC物流の未来を支えるセンターを目指している。

    感染症対策が可能な管理体制や労働環境

    アフターコロナ時代に求められる物流センターの第4の条件は、「適切な感染症対策が可能な管理体制や労働環境を整備していること」である。

    SLC浜松西では常時出社の600名のスタッフ用の駐車場を完備している。浜松市は車文化という特長を持っており、一家で4台の車を保有していることも珍しくない。車通勤のため、かなり遠くのエリアからでも出勤が可能だ。もう1つのメリットは、電車やバスに乗らないため、感染リスクが少ない

    上の写真は一度に600人が利用できる食堂だ。現在は感染症対策のため、11:30からはA棟とB棟、12:30からはC棟とD棟というように、2交代制で決められた座席で昼食をとるようにしている

    交代時のほか入館時、昼食の前後、休憩の前後に食堂の窓を開けて換気し、1日5回のアルコール消毒をしたうえ、マスク着用が全員に義務付けられている。実はコロナ以前から、冬場のインフルエンザ対策のため、毎年のマスク着用は常態化していて、そのため各自マスクの備蓄をしていた

    もう1つ重要なのは、作業場の全館冷暖房設備だ。作業環境を良くするため、スクロール360の出荷場はどこも冷暖房完備となっている。夏場でもマスク着用で熱中症にならない環境を整備しているのだ。

    SLC浜松の内部の様子 打ち合わせ風景
    SLC浜松の内部の様子 打ち合わせ風景

    ワン・トゥ・ワン・マーケティングに対応したコミュニケーション

    アフターコロナ時代に求められる物流センターの第5の条件は、「ワン・トゥ・ワン・マーケティングに対応したコミュニケーション」である。

    物流は顧客体験の最終ゲートである。インターネットというバーチャルな世界で商品を購入した顧客に、リアルな商品が届く場面を演出することが欠かせない。

    この点で、大きな効果を発揮するのが、オンデマンドプリンターの利用である。オンデマンドプリンターはバリアブルプリンターとも呼ばれ、一人ひとりの顧客に別々のメッセージをその場で印刷できる。「L-spark」はこのプリンターと連携する機能を備えている。

    オンデマンド・プリンターの外観
    オンデマンド・プリンターの外観

    事前にECショップから、複数の画像の印刷データを送ってもらい、オンデマンドプリンターにセットしておく。出荷指示データの中に印刷する画像のIDを紐づけておけば、顧客ごとに画像を出し分けることができる

    例えば、顧客の住んでいる都道府県毎に、そのエリアにある店舗のイベントを紹介する画像を出し分けて商品と同梱したり、災害のあったエリアだけにお見舞いのメッセージを入れたりといったOne to Oneマーケティングが可能となる。

    あるいは、顧客がオンラインサイトのカートに入れっぱなしにしている商品のデータから、「お買い忘れありませんか?」というメッセージとともに、入れっぱなしの商品画像と注文用QRコードを仕込むことも可能だ。このプリンターはたいへん高価だが、スクロール360の場合、複数のECショップが共有して使えるため利用可能となっている。

    ◇◇◇

    ここまで、アフターコロナ時代に求められる物流センターの条件を5つ説明してきた。

    アフターコロナ時代の物流センター 5つの条件
    1. 出荷量の波動に柔軟に対応できる人員規模があること
    2. 出荷増でも品質の落ちないシステムとマテハン機器を装備していること
    3. BCPの観点から多拠点化に対応できる全国展開を行っていること
    4. 適切な感染症対策が可能な管理体制や労働環境を整備していること
    5. ワン・トゥ・ワン・マーケティングに対応したコミュニケーションを提供できること

    従来の物流センターのイメージとは大きく異なることを理解していただけたのではないだろうか。

    この記事は『EC通販で勝つBPO活用術』(ダイヤモンド社刊)の一部を編集し、公開しているものです。

    EC通販で勝つBPO活用術 ─最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

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    ─最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

    高山 隆司 /佐藤 俊幸 著
    ダイヤモンド社 刊
    価格 1,650円+税

    活況のEC・通販業界において、アフターコロナを勝ち抜くために必要なことは何か。ネット通販の事業戦略設計やプロモーション、フルフィルメントなど、ネット通販の実践から得たノウハウを紹介し、物流、受注といったフルフィルメントのアウトソーシングの活用の仕方や成功事例を解説する。デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、「BPO」(Business Process Outsourcing)を最大限有効活用したシステム構築に必携の1冊。

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    高山 隆司
    佐藤 俊幸
    高山 隆司, 佐藤 俊幸

    米国ネット広告費、アマゾンのシェアが10%超に

    4 years 7ヶ月 ago

    イーマーケッターによると、2020年のアメリカでのアマゾンの広告収入は157.3億ドルとなり、インターネット広告市場におけるアマゾンの占有率は10.3%にまで上昇した。2021年には200億ドル、2023年には300億ドルを超えると予想。

    Amazon's share of the US digital ad market surpassed 10% in 2020
    https://www.emarketer.com/content/amazon-s-share-of-us-digital-ad-market-surpassed-10-2020

    noreply@blogger.com (Kenji)

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