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ファンがファンを呼ぶ共創型コミュニケーション。「ZENB」ブランド急成長の裏側

3 years 2ヶ月 ago
ミツカングループが挑むD2Cビジネス「ZENB」。主力商品である「ゼンブヌードル」は発売2年で700万食を突破した。「ZENB」ブランド急成長の裏側を、同グループの子会社であるZENB JAPANの集客・販売領域(広告・SEO・SNSなど)を担当する松永友貴氏が語る

1804年創業のミツカングループは、「人と社会と地球の健康」「新しいおいしさで変えていく社会」「未来を支えるガバナンス」という3つの“ 未来ビジョン宣言”を掲げている。「ZENB」は、この“未来ビジョン宣言”を実現するため、2019年に立ち上がったD2Cブランドだ。なぜ今、ミツカンがD2Cなのか。急成長を可能にした、顧客とつながり続けるためのダイレクトマーケティング戦略とは何か。ZENB JAPAN の集客・販売領域(広告・SEO・SNSなど)を担当する松永友貴氏が、「ZENB」ブランド急成長の裏側を解説する。

ミツカングループが立ち上げたD2Cブランド「ZENB」

「ZENB」ブランドは、10年後の未来を考え、人と社会と地球の健康に貢献するという考えのもと、2019年にミツカングループが立ち上げたブランドだ。

「ZENB」ブランドは、パスタとしても、ラーメンとしても食べられる、黄えんどう豆だけで作られた「ゼンブヌードル」という製品を筆頭に、お菓子のように食べられる「ゼンブスティック」、野菜をまるごと使用して製造した「ゼンブペースト」などの製品をD2C で展開している。足元では、2022年8月にヘルシーな朝食をコンセプトとした「ゼンブミール」を発売している。

「ZENB」ブランドの商品ラインアップ
「ZENB」ブランドの商品ラインアップ

なぜ今、ミツカンがD2Cなのか

ミツカングループは、“未来ビジョン宣言”として、次の3つを掲げている。

  • 人と社会と地球の健康
  • 新しいおいしさで変えていく社会
  • 未来を支えるガバナンス

この“未来ビジョン宣言”を実現するために生まれたブランドが「ZENB」だ。「ZENB」では、「まるごとがおいしい」というコンセプトを非常に大事にしている。

野菜や植物の種や皮といった部分に含まれる栄養素は高いと言われているにもかかわらず、家庭では廃棄されてしまう。地球環境、食材ロス問題にも焦点をあて、それらを独自の技術でおいしく提供することで、野菜を「全部」食べることにつなげるというコンセプトだ。

「ZENB」は「まるごとがおいしい」というコンセプトを大切にしている
「ZENB」は「まるごとがおいしい」というコンセプトを大切にしている

しかし、その価値を商品として販売するとなると、販売価格が高くなってしまう。「ゼンブヌードル」であれば一食あたり198円になり、一般的なスーパーなどで売られるパスタが一食あたり40~80円であることを考えると、店頭で手に取ってくれる顧客は限定的と考えられる。

一方で、値段に見合う付加価値を提供している自負はあり、その価値に納得してくれる顧客にとっては妥当な値段設定だと考えている。そこで、顧客に直接アプローチできるD2C(Direct to Consumer)をマーケティング戦略として選んだ。

「ゼンブヌードル」と一般的なパスタとの価格の違いは大きい
「ゼンブヌードル」と一般的なパスタとの価格の違いは大きい

ビジネス方針にあった戦略、共創型コミュニケーション

ファンがファンを呼ぶ仕組み作り

「ZENB」の主力商品である「ゼンブヌードル」は、黄えんどう豆という豆を100%使って作られた麺で、グルテンフリーであり、食物繊維や植物性たんぱく質が取れることが特徴となっている。また、パスタやラーメン、焼きそばなど多様なメニューに活用できるのも特徴で、ホテルニューオータニに採用されるなど、味の面でも評価されている。

「ゼンブヌードル」の特徴
「ゼンブヌードル」の特徴

「ゼンブヌードル」の発売は2020年。「ゼンブヌードル」に合うパスタソースやラーメンスープ、焼きそばソースなどの関連商品を充実させたこともあり、翌年には100万食を突破した。2022年には細麺の販売も開始し、「ゼンブヌードル」の売り上げは700万食、「ZENB」ブランド商品で1000万食を突破した。

なぜ、このような急成長を実現できたのか。ビジネスを成長させていくためには、ビジネスの方針にあったダイレクトマーケティング戦略を中心に据えて考えていく必要がある。「ZENB」のビジネス方針は、顧客とつながり続けることだ。それを戦略として言い換えると、顧客の声を活用してファンがファンを呼ぶ仕組みを構築することであり、これを「共創型コミュニケーション」と呼んでいる。

顧客とつながり続けるための戦略として「共創型コミュニケーション」を掲げている
顧客とつながり続けるための戦略として「共創型コミュニケーション」を掲げている

カギとなるファンの醸成にはUGCが必要

UGC(User Generated Content)とは、SNS やレビューなど、ユーザーによって制作・発信されるコンテンツを指す。メーカーなど、発信側企業のメッセージの信ぴょう性が下がり、相対的にSNS やレビューサイト、口コミなどを見て購買の意思決定をするユーザーが増えている。

めまぐるしく市況が変化するなかで、正しく広告を配信して成果を上げていくためには、ファンの醸成が鍵になる。そのため、「広告表現などを工夫するよりも、既存顧客の声を新規顧客に届けていく方が、より購買行動につながるはずである」と考えた。

生活者のUGCに対する信頼度は年々高まっている
生活者のUGCに対する信頼度は年々高まっている

急成長の舞台裏にあったUGCの徹底活用

成果が上がりにくいUGC、上がりやすいUGCの違いとは

UGC 活用の具体的な内容は、EC サイトの商品詳細ページに口コミを掲載するなど、非常にシンプルで当たり前のことである。しかし、重要なのは、シンプルなことを深く掘り下げてやり続けることだ。

実際に、現在段階を追って進めている検証では、検証開始当初よりCVR(コンバージョンレート)は約2倍改善し、コンバージョン件数は105倍まで増加している。

CVRは約2倍に改善、CV件数は105倍に増加
CVRは約2倍に改善、CV件数は105倍に増加

もちろん他のいろいろな要素もあるが、この「UGC を突き詰めて科学する」ということにより、実績がここまで上がってきている。非常にシンプルだが侮れないということは、この数字からも受け取れるのではないだろうか。(松永氏)

ZENB JAPAN ダイレクト戦略グループ主任 松永友貴氏
ZENB JAPAN ダイレクト戦略グループ主任 松永友貴氏

これまで実施してきたUGC を、CVRが「上がりにくいもの」と「上がりやすいもの」に分類した結果、それぞれの特徴が見えてきた。商品の特徴や機能的なポイント、使ってみた感想のみを紹介する「商品主語」のUGCは、LP(ランディングページ)に掲載したり購入動線の中に設置したりしても、結果的にあまり成果が上がらなかった。

一方で、食べ始めた経緯や自身のライフスタイルと共に商品を紹介する「体験主語」のUGCは、成果につながりやすかった。

成果が上がらなかったUGC(左)と高い成果を上げたUGC
成果が上がらなかったUGC(左)と高い成果を上げたUGC

また、成果が上がるUGC の中には、自身の体験やライフスタイルの変化に言及したものが多く見受けられた。結論としては、「商品主語」のUGCもCVRに寄与するときはあるが、「体験主語」のUGC の方がCVR の向上につながりやすいという傾向があった。

ZENB JAPAN では、「商品主語」を“UGC 1.0”、「体験主語」を“UGC 2.0”と分類している。UGCの活用で成果を上げるためには、“UGC 2.0”を生み出していくことが重要になる。

「商品主語」の“UGC 1.0”と「体験主語」の“UGC 2.0”
「商品主語」の“UGC 1.0”と「体験主語」の“UGC 2.0”

“UGC 2.0”を活用するポイント

一般的な使用感をレビューするだけのUGCでは、顧客の需要すべてに対応できない。顧客にもさまざまな層が存在していて、潜在層、既存客、リピート層、クロスで他の商品を購入する層などがいる。それぞれのケースで考えていることは違うはずで、それに対して一面的なUGCだと、特定の顧客層には刺さるかもしれないが、その他の層をカバーするのは難しい。

いかに多くの顧客層をカバーしていくか。それが“UGC 2.0”を活用するポイントだ。よって、“UGC 2.0”は、戦略的に自分たちが欲しい投稿や口コミをつくり出し、そしてそれを顧客層ごとに展開していくことが重要となる。

戦略的につくり出した“UGC2.0”をファネルごとに活用
戦略的につくり出した“UGC2.0”をファネルごとに活用

“UGC 2.0”の活用により、D2C・通販事業はもっと成長させられるのではないか。重要なのは、それぞれに適材適所のUGC をあてていくことだ。(松永氏)      

「ZENB」ブランドはどうやって急成長を遂げたのか

検証段階ごとの磨き込みによるバージョンアップ

「ZENB」ブランドは、4段階の検証を実施し、ステップ4では、CVR約2倍、コンバージョン件数105倍にまで成長してきた。ステップ1では媒体別に、UGCとの相性の検証を行った。UGCを「機能性」「おいしさ」「レシピ」「飽きなさ」の4カテゴリに分け、SNS広告やリスティング広告などの各広告に適用。最もCVRが上がる組み合わせを検証した。

4段階の検証を通じて急成長を遂げてきた
4段階の検証を通じて急成長を遂げてきた

ステップ2では、口コミレビューの数を増やしていった。ステップ1の検証で生み出された「勝ちパターン」の口コミレビューを、2枠から4枠、8枠と徐々に拡充した。LPが長くなりすぎると離脱につながるので、最適な数を検証しつつ最大限枠数を増やした。

ステップ3では、テキストだけのレビューを実装した。Instagramなどの写真付き投稿による成果が頭打ちになったこともあり、アンケート結果を顧客の声として掲載することで、どんな人が購入しているのかをより明確にした。その結果、再びCVRが改善していった。

購入回数が多い顧客のレビューを掲載するとCVRが上がりやすかった
購入回数が多い顧客のレビューを掲載するとCVRが上がりやすかった

ステップ4では、これらをどのように配置するか検証した。まだ検証中だが、現時点で最も効果が出ているのは、LPの中で言及した内容に関連するレビューを、その真下に置くパターンだ。発信情報に、より厚みが増し、信ぴょう性を担保してくれる結果となり、CVR の向上につながった。

共創型コミュニケーションの実現が成長の原動力

ミツカングループが打ち出した“未来ビジョン宣言”を実現するために、「ZENB」ブランドが立ち上がった。その「ZENB」が世の中に価値を提供するには、D2C形式が最適だった。

「ZENB」では、顧客とつながり続けることを重要視している。それをダイレクトマーケティング戦略に置き換えると、顧客の声(UGC)を活用してファンがファンを呼ぶ仕組みを構築することであり、この「共創型コミュニケーション」を実現していきたい。

1つひとつは非常にシンプルなことかもしれないが、それを突き詰めてやっていくことにより、成果としてCVR約2倍、コンバージョン件数では105倍に行きつくことができた。(松永氏)

中村 美音

ファッションレンタルEC「airCloset」、マタニティ向け対応サービスを拡充

3 years 2ヶ月 ago

エアークローゼットは、月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」で扱うマタニティサービスを拡充し、多くのユーザーにサービスを提供できる体制を構築した。

マタニティ向けサービスでは、スタイリストが妊娠初期から後期までユーザー1人ひとりの体型に合わせた洋服を選択する。マタニティウェアなど妊婦専用アイテムは取り扱っていないが、ゆったりとしたデザイン、大きめサイズのアイテム、トップスのみのスタイリングなど、ユーザーの状況に合わせて対応する。

エアークローゼットは、これまでもマタニティ向けサービスを一部で実施してきた。ユーザーから「一時的に体型が大きく変化するマタニティ期にファッションレンタルサービスを活用することで、自由にファッションを楽しめる」といった声が届いていたという。こうした声を受け、より多くのユーザーに提供できる体制を構築した。

「airCloset」の会員ページの「Myカルテ」内ライフスタイル情報の項目で、該当する項目にチェックを付けると、それに対応したスタイリングを受けることができる。

エアークローゼット airCloset マタニティ向けサービスの拡充 登録画面イメージ
登録画面イメージ

マタニティ期だけでなく、「授乳中」「育休中」などライフスタイルに関する情報を登録できる。

エアークローゼット airCloset マタニティ向けサービスの拡充 さまざまなライフスタイルに対応 パーソナルスタイリング
パーソナルスタイリングで、さまざまなライフスタイルに対応する
藤田遥

売れ行き不振の声上がるヤフー「Yahoo!ショッピング」。イベント増+商品券での買い回りで巻き返しは実現する? | 通販新聞ダイジェスト

3 years 2ヶ月 ago
ポイント制度変更などにより流通額の減少に歯止めがかからない「ヤフーショッピング」。「ポイントキャンペーン増」「商品券」で巻き返せるか。

「打つ手がない」「キャンペーン原資を返してほしい」「周囲から『早く逃げた方がいい』と言われている」など、あまりの売れ行き不振で出店店舗から怨嗟(えんさ)の声が上がっている、ヤフーの仮想モール「ヤフーショッピング」。ただ、同社では6月からキャンペーンを増やすなど、必死の巻き返しを図っている。

ヤフーが発表したキャンペーン内容の変更の一例
ヤフーが発表したキャンペーン内容の変更の一例

日曜日のキャンペーン廃止+イベント減が打撃

同モールを専門にコンサルティングを行っている、アルドの佐藤英介代表取締役は「あくまで感覚だが、毎週日曜日のソフトバンクの携帯電話契約者向けキャンペーンを廃止したことで10%減、イベントを減らしたことで10%減、合計で前年同月比20%減というイメージだ」と説明する。

ヤフーでも「昨年大きなイベント(5のつく日曜日など)があった月と比較すると、必ずしも満足いく推移とはいえない」(広報室)と思惑通りの流通額ではないことを認める。

流通額減に危機感、ポイントキャンペーン復活

ただ、6月は日曜日の「買う!買う!サンデー」や29日の「肉の日キャンペーン」を復活させるなど、ポイントアップキャンペーンを増加。7月も同様にキャンペーン数を5月よりも増やした。

7月下旬に開催される「超PayPay祭」においても、キャンペーン終盤の「グランドフィナーレ」期間の最大ポイント還元率を、3月の同イベントにおける22.5%から24.5%に増加。「3月は、定期的に開催される『5のつく日』より1%お得なだけだったが、さすがにポイント付与率を増やしてきた」(アルドの佐藤氏)。

また、3月はフィナーレの期間を6日間に設定し、間延びしてしまった反省を受け、7月のフィナーレは29~31日の3日間に絞る。

ヤフー親会社のZホールディングスでは「流通額減少のトレンドが続く」としていたものの、当初の想定以上に流通額が減っているため、キャンペーンを増やす方向に転じたものとみられる。

今後半年は厳しいと見る声も

ただ、成長と収益性のバランスを取る方針に転換した「ヤフーショッピング」。以前のように赤字覚悟の施策は打ち出せないだけに「現状のポイント施策でどこまで流通額を戻せるかは不透明。ヤフーとLINEの統合効果がどのくらい出てくるかにもよるが、今後半年くらいは厳しい状況が続くのではないか」(同)。

ヤフー商品券に転換も、利便性に疑問

8月からは「5のつく日」の付与特典を「PayPayポイント」から「ヤフーショッピング商品券」に切り替える。商品券は、同モールでのみ利用できるため、出店店舗からすれば、リピート購入が期待できるわけだ。同社でも「商品券利用による『ヤフーショッピング』での再購入の効果により、流通額増になる」(広報室)と見込んでいる。

「PayPayポイント」から切り替えた「ヤフーショッピング商品券」(画像は「ヤフーショッピング」から編集部がキャプチャ)
「PayPayポイント」から切り替えた「ヤフーショッピング商品券」(画像は「ヤフーショッピング」から編集部がキャプチャ)

「ポイントばらまき」のメリットを失うことに

ただ「『どこでもポイントが使える』という良さをなぜ手放すのか」(ある店舗)との声に代表されるように、消費者にとっては利便性が落ちる施策であるのは間違いない。

アルドの佐藤代表取締役は「2月5日から、5のつく日のポイント付与上限が5000円から1000円に変更になったときは、それほど流通は落ちなかったので、目に見えては減らないのでは」と予想するが、消費者がどういった反応をするかは不透明だ。

いずれにせよ、こういった施策を導入するということは、グループ内でのポイント消費が思うようにいかず、「PayPayポイント」が想定以上に外部へと流出していることが予想される。「ポイントばらまき」という武器を失った「ヤフーショッピング」は、厳しい舵取りを迫られている。

ヤフーの明暗は? ポイント以外の独自性に注視

今後、EC企業は「ヤフーショッピング」とどう付き合えば良いのか。アルドの佐藤代表取締役は「プロモーションパッケージの『プレミアム統計』は、非常に高度なデータ分析ができるので、特に中小規模の店舗にとっては、ニッチな需要を見出すなどの便利な使い方ができる。ただ、規模の大きな店舗はどうしてもモール全体の増減に影響されてしまうので難しい」と話す。

「プレミアム統計」の画面イメージ(画像は「Yahoo!JAPAN ストアクリエイターPRO」のサイトページから編集部がキャプチャ)
「プレミアム統計」の画面イメージ(画像は「Yahoo!JAPAN ストアクリエイターPRO」のサイトページから編集部がキャプチャ)

EC企業にとって、売り場が楽天とアマゾンに集約されるのは良いこととはいえない。「ヤフーショッピング」が、ポイント以外の独自性を打ち出せるかにかかっている。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
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「通販新聞」について

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企業オウンドメディア成功の秘訣とは? 成果は? 指標は? 体制は?【海外&国内SEO情報ウォッチ】

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メディアマスが破産保護申請

3 years 2ヶ月 ago

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MediaMath To File For Bankruptcy After Acquisition Talks Fall Apart
https://www.adexchanger.com/online-advertising/mediamath-files-for-bankruptcy-after-acquisition-talks-fall-apart/
MediaMath Owes More Than $100 Million To At Least 200 Companies, Including Major SSPs
https://www.adexchanger.com/online-advertising/mediamath-owes-more-than-100-million-to-at-least-200-companies-including-magnite-and-pubmatic/
MediaMath Founder Joe Zawadzki Weighs In On The Bankruptcy And His ‘Third Act’
https://www.adexchanger.com/online-advertising/mediamath-founder-joe-zawadzki-weighs-in-on-the-companys-bankruptcy-and-his-third-act/

破綻までの過程は、次の記事が詳しい。

The Inside Story of Why MediaMath Filed for Bankruptcy
https://www.businessinsider.com/the-inside-story-why-mediamath-filed-chapter-11-bankruptcy-2023-7

2021年にはデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムと共同で日本法人を設立している(前身となる日本法人は2014年から存在)。

DAC、米MediaMathと次世代広告ソリューションにおける共創を開始
https://www.dac.co.jp/press/2021/20210623_mmjapan
https://www.mediamath.co.jp/

マクロデータで観るテレビCMとデジタル動画広告市場

3 years 2ヶ月 ago

ベムが2018年に推定したテレビCMとデジタル動画CMのインプレッション数を年代別にしたグラフですが、DACの協力で2023年版ができました。DAC砂田くんありがとうございました。

 これをみると、テレビCMのインプレッションは4%強減少している一方、デジタル動画広告は40%増加しています。どちらも推定値なので(特にデジタル動画広告のインプレッション数は算出が難しいので)

 数字は4週間の関東地区のインプレッション数で推定しています。

 ベムも実際にはデジタルはもっと増えている、ないし2018年推定値はもっと少ないのではと感じます。2018年から2023年であればデジタル動画広告は何倍にもなっていておかしくないにでは?と・・・。そこはなにせ推定値なのでご容赦いただくとして、2023年版はDACに協力してもらったのでかなり正確かと思います。

2023年版ではデジタル動画広告のインプ数が30代で落ち込みますが、仕事や子育てで可処分時間が少なくなる30代で落ちるのは現実感はあります。

 さて、いまさらながらですがテレビCMのほとんどが60代以上で消化されているのがこのグラフから読み取れます。まずは2023年版

60代以上の構成比は2018年で43.7%でしたが、2023年ではなんと58.3%です。デジタルの伸びよりむしろこちらの方が衝撃です。

 ベムはよく講演で比喩として、「女子高生にリンゴをひとつあげるには、お母さんに3つ、おばあちゃんに6つ、」計10個用意しないといけない」と表現しますが。それ以上の感があります。10代、20代ではテレビCMのインプ数をデジタル動画広告が上回りました。

 ただ、これを見て単純にデジタル動画広告の優位と思うと少し違います。1インプレッションの価値が微妙に違うということと、急速なリーチ獲得(但し個人全体に対して)にはまだテレビの優位があることです。

 まず、1インプレッションの価値ですが、前回の投稿でも言及しましたが、テレビCMの挿入のしかたは何十年もかけてテレビ局と広告主と視聴者の間で許容されかつ効果のある方法を導き出してきたものです。それに対してデジタル動画においては、視聴環境が異なるなか、非常にプッシュ型(場合によっては非常にエイリアン広告型)になっています。よりアクティブは視聴行動をしているYouTubeでミッドロールの強制視聴型が本当にプラスの効果があるのかは前回書きました。デジタル動画もリーチしているという感覚ではテレビ以上かもしれませんが、その価値についてはどう評価するか非常に大切なテーマです。ベムはテレビのGRPをインプレッション数に換算することで、テレビデジタルを同じ土俵に上げたのですが、全く同じものとするのはやはり少し乱暴です。双方の1インプの価値や効果(プラスorマイナス)を吟味する必要があります。しかしながらテレビCMをインプレッション数という絶対値にしたことはいろんな効用があります。

 ひとつはエリアごとのインプ数を合算できることです。従来GRPだと母数が違うので「関東500GRPに関西500GRPで合計1000GRP」というわけにはいきません。しかし関東に1000万インプレッションに関西500万インプレッションで合計1500万インプレッションになります。ベムはテレビの結線視聴データから北関東3県だけ抽出してインプ数を把握して、そのメーカーの北関東の販社の売り上げデータと相関させるなど、メディアを買う側のデータに変換しています。こんなことも絶対値だからできることです。米国でスーパーボウルの視聴に関して視聴人数でいうようになってから10年以上経ったと思いますが、もう率ではなく回数や人数という絶対値で把握するのは当然なのです。そもそも日本では人口が恐ろしいほど減っています。テレビを観ない、持っていない若者も急激に増えています。母数が減っているのに率で把握しようとするのは極めてナンセンスです。

 さて、昨今テレビ局も言い出した「コア視聴率」で単純比較してみましょう。(単純比較は個々のブランドにとっては意味がないことは含みおいてください)

 コア視聴率とは13歳~49歳ということらしいのですが、とりあえずベムのデータでは10代~40代でテレビとデジタルを比較してみましょう。2023年のそれは、テレビ297.6億インプレッション、デジタル271.2億インプレッションです。単純化すると30:27です。

 

 特に広告主の皆さん、この比率を実感していますか?

 ただ前回投稿のように、だからデジタル動画CMを出せばいいというものではないことを肝に銘じて、テレビとデジタルの統合、融合の目的をしっかり設定しましょう。上層部からデジタルやれと言われるからとか、代理店が薦めるからだけで意味なく投じると前回投稿い書いたようなマイナス効果もあることもお忘れなく・・・。

ベム

イオンの新ネットスーパー「Green Beans(グリーンビーンズ)」がスタート

3 years 2ヶ月 ago

イオンの子会社であるイオンネクストは7月10日、ネットスーパーの新ブランド「Green Beans(グリーンビーンズ)」を本格始動した。

品目数は約2万品目から段階的に扱い、今後1年をメドに5万品目へと拡大する。最先端の人工知能(AI)が在庫数を管理し、品切れを最小限に抑制して機会損失を防ぐ。過去の購入履歴に基づき、AIが5万点のなかからお薦め商品をクリック1つでカートインするスマートカート機能も実装した。

イオンの子会社であるイオンネクストは7月10日、ネットスーパーの新ブランド「Green Beans(グリーンビーンズ)」を本格始動した
「Green Beans」のサイト

顧客の必要な頻度(週1回~2か月に1回まで設定可能)に合わせて自動でカートインする定期購入機能、買い物の最後に商品をレコメンドする「チェック アウトウォーク」機能も搭載。7月中にはモバイルアプリのダウンロード開始を予定している。

商品を管理・発送する誉田CFC(顧客フルフィルメントセンター)では、注文が入ると最大約1000台のロボットが秒速4mで移動。生鮮食品や加工食品、日用品など最大約5万品目の商品のなかから6分間で50個の商品をピッキングする。

注文を受けた段階で配送のルート計算をスタート、同じ地域の消費者がどれくらいの商品を購入しており、どのように配車するのが効率的なのかをAIが最適化、配送効率向上を図る。

イオンの子会社であるイオンネクストは7月10日、ネットスーパーの新ブランド「Green Beans(グリーンビーンズ)」を本格始動した
稼働するロボットのイメージ

消費者の手元に商品を届けるラストワンマイル配送は自社で対応する。商品を届けるドライバーは、イオンネクストの子会社であるイオンネクストデリバリーが直接雇用するグリーンビーンズ専任者が担う。

イオンの子会社であるイオンネクストは7月10日、ネットスーパーの新ブランド「Green Beans(グリーンビーンズ)」を本格始動した
誉田CFCの外観

サービス開始時の対象エリアは、東京都新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、大田区、千葉県千葉市、船橋市、習志野市。2023年夏に順次対象エリアの拡大を予定しており、東京都港区、目黒区、世田谷区、江東区、品川区、江戸川区、千葉県市川市、浦安市、四街道市、八千代市、神奈川県川崎市を予定している。今後1年をメドに東京23区全域へ配送エリアを拡大する。

配送対応時間は7時から23時までの1時間単位(翌日から14日先まで購入可)。最低購入金額(税別)は4000円。送料(税込)は330円、440円、550円。決済手段はクレジットカード。

瀧川 正実

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3 years 2ヶ月 ago
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    2023/7/20

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    「ZOZOTOWN」の即日配送サービスが甲信越地域に対応

    3 years 2ヶ月 ago

    ZOZOは「ZOZOTOWN」で展開する即日配送サービスの対応エリアを7月19日に拡大し、新潟県、長野県、山梨県の甲信越エリアを新たに加えた。

    即日配送サービスは、「ZOZOTOWN」「ZOZOTOWN Yahoo!店」で注文を受けた商品を最短翌日に届ける有料サービス。即日配送手数料は350円(税込)。そのほか送料250円(税込)がかかる。

    これまで即日配送サービスは、関東、中部、関西、中国・四国エリアで展開。甲信越エリアへの対象範囲の拡大で、即日配送サービスは合計27都府県が対象エリアになる。出荷件数全体では、約80%が即日配送サービスの対象になる見込みという。

    なお、甲信越エリアでは6時から17時59分までの注文で、最短翌日午前中に荷物を届けることができる。

    瀧川 正実

    オルビス、「ORBISアプリ」の累計ダウンロード数が500万を突破

    3 years 2ヶ月 ago

    オルビスは、スマートフォンアプリ「ORBISアプリ」のダウンロード数が累計500万を突破したと発表した。

    アプリ内でさまざまなサービスを提供

    オルビスは2018年にリブランディングを実施。2018年6月にECサイトと店舗のポイントカード機能を備えた「ORBISアプリ」をローンチした。

    オルビス ORBISアプリ 500万ダウンロード突破
    「ORBISアプリ」の画面イメージ

    プロのパーソナルカラー診断がスマートフォンで行える「パーソナルAIメイクアドバイザー」の機能を2019年4月に実装、2023年6月30日時点で累計実施数426万件を超える。

    2020年9月には似合う眉の形とお手入れ方法を提案する機能「AIアイブローシミュレーター」、同年12月には現在の肌状態、生活習慣、顔画像解析結果をもとに5年後・10年後・20年後の顔立ちを予測する機能「AI未来肌シミュレーション」を順次開始し、AI解析による分析コンテンツ拡充を進めてきた。

    オルビス ORBISアプリ 500万ダウンロード突破 パーソナルAIメイクアドバイザー
    「ORBISアプリ」内で提供しているサービス「パーソナルAIメイクアドバイザー」
    (画像はORBISのサイトからキャプチャ)

    2022年11月には「ORBISアプリ」をアップデート。アプリ内サービス「肌カ.ル.テ」を新たに実装した。美容に関する記事コンテンツ、心理テストのようなエンターテインメントコンテンツなども提供している。また、アプリからはライブコマースやオンラインカウンセリングも利用できる。

    ポイント付与キャンペーンを実施

    「ORBISアプリ」累計500万ダウンロードを記念して、2023年7月20日から「ORBISアプリ」で商品を購入すると、500ポイントを付与するキャンペーンを開始する。キャンペーンの詳細は次の通り。

    • キャンペーン期間:2023年7月20日~8月19日
    • ポイント利用について:全商品、通販または店舗での買い物に使用可能。付与したポイントの有効期限は2023年11月30日まで
    • 参加について:キャンペーン期間中1人1回限り。サンプルのみ注文の場合はキャンペーン対象外
    オルビス ORBISアプリ 500万ダウンロード突破 ポイント付与キャンペーン
    2023年7月20日からキャンペーンを実施する
    藤田遥

    デジタル広告の「買い方改革」の必要性セミナー

    3 years 2ヶ月 ago

    経済産業省は「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」に関連してデジタルプラットフォーム取引相談窓口を設置しているが、そこが主体となりデジタル広告取引についてのセミナーが開催された。資料をダウンロードできる。

    「広告主意識アンケート調査から見えるデジタル広告の『買い方改革』の必要性」に関するオンラインセミナー
    https://digi-ad.meti.go.jp/seminar/seminar-2023-06-29.html

    なお、デジタル広告分野も対象となる「デジタルプラットフォームの透明性・公正性に関するモニタリング会合」は6月から開始されている。

    デジタルプラットフォームの透明性・公正性に関するモニタリング会合
    https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_platform_monitoring/

    https://www.advertimes.com/20230712/article426998/

    楽天グループと日本郵便、A5サイズに対応した新規格の配送サービス「ゆうパケットポストmini」を全国一律160円で提供

    3 years 2ヶ月 ago

    楽天グループ(楽天)は7月19日から、フリマアプリ「楽天ラクマ」と日本郵便との連携による配送サービス「かんたんラクマパック」の新機能として、A5サイズに対応した「ゆうパケットポストmini」の提供を開始した。

    「ゆうパケットポストmini」は、郵便局で販売している「ゆうパケットポストmini封筒」を利用することで、郵便ポストから全国一律料金で商品を発送することができる匿名配送サービス。

    現行の「ゆうパケットポスト」よりも小さいA5サイズに対応した新規格で、「楽天ラクマ」で提供している「かんたんラクマパック」で選択できる配送方法のなかでは最も安い送料になる。配送料金は全国一律160円(税込)。

    楽天グループ(楽天)は7月19日から、フリマアプリ「楽天ラクマ」と日本郵便との連携による配送サービス「かんたんラクマパック」の新機能として、A5サイズに対応した「ゆうパケットポストmini」の提供を開始
    「ゆうパケットポストmini」のイメージ

    ユーザーは、「楽天ラクマ」で商品の出品手続きをする際、配送方法の選択項目で「かんたんラクマパック(日本郵便)」を選択。出品後、発送時に「ゆうパケットポストmini」を選択することで利用できる。

    「ゆうパケットポストmini」のサイズ目安は、外寸が長辺21.6cm×短辺17.8cm、内寸は長辺21.1cm×短辺16.8cm、郵便ポストに入る厚さ(3cm目安)、重さ2kg以下。「ゆうパケットポストmini封筒」の販売価格は20円(税込)で、全国の郵便局で販売する。

    「楽天ラクマ」で2023年1~5月に取引された商品のうち、CD、漫画、トレーディングカード、アクセサリーなどA5サイズに収まる小型商品の取引シェアは、2021年が11.7%、2022年が13.3%、2023年は14.2%と年々増加している。

    「楽天ラクマ」で2023年1~5月に取引された商品のうち、CD、漫画、トレーディングカード、アクセサリーなどA5サイズに収まる小型商品の取引シェア
    A5サイズに収まる小型商品の取引シェア

    「楽天ラクマ」の購入経験ユーザーを対象に実施した配送方法に関するアンケート調査によると、「商品購入時に商品ページの配送方法欄を重視する」というユーザーは67.8%に達した。「重視する」と回答したユーザーが確認する点は、「匿名配送あり」が84.4%、「追跡あり」が65.7%、「補償あり」が43.4%で、安心・安全な配送方法を意識していることがわかった。

    「楽天ラクマ」の購入経験ユーザーを対象に実施した配送方法に関するアンケート調査によると、「商品購入時に商品ページの配送方法欄を重視する」というユーザーは67.8%に達した
    商品ページの配送方法欄を重視するユーザーが確認する点

    こうした背景から、「楽天ラクマ」で需要が高まるA5サイズのカテゴリーにおいて、安全性を備え、利便性の高い「ゆうパケットポストmini」との連携を決めた。

    アンケート調査の概要

    • 調査エリア:全国
    • 調査対象者:「楽天ラクマ」ユーザー
    • 回収サンプルサイズ:1万3390サンプル
    • 調査期間:2023年6月19~6月20日
    • 調査実施機関:楽天ラクマ
    瀧川 正実

    花王がめざすEコマース戦略とミドル層のチャレンジ

    3 years 2ヶ月 ago
    Eコマースに取り組む花王の2つの戦略、自社ECサイトでのユーザー体験価値の創造への取り組み、変革を成功させるためのミドルマネジメント層の活動ポイントを元DX戦略推進センター・部長の生井秀一氏が解説する

    花王でDX戦略推進センターECビジネス推進部長などを歴任したアントレプレナーシップ代表の生井秀一氏。現在は個人事業主としての活動のほか、茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校の校長として“公教育”に携わる。花王で培った突破力、調整力などを武器に、学校改革に取り組む生井氏が花王時代に取り組んだのがEC推進。花王時代の講演から、花王のECへの取り組み、自身の挑戦の礎となった組織におけるミドル層の役割を紹介する。

    花王がめざす事業DX

    花王の事業は「Reborn Kao」と呼ばれる基幹事業、「Another Kao」という新創成事業から成り立っている。一般消費者になじみ深い洗剤や紙おむつ、石けん、化粧品などが基幹事業。一方の新創成事業では先進的なライフケア事業を展開中だ。

    花王 DX D2C 花王のめざす事業全体像における事業DXの位置づけ
    花王のめざす事業全体像における事業DXの位置づけ(花王統合レポートより引用)

    DXは3つの部門の連携で推進している。①基幹事業のDXを進める「DX戦略推進センター」②新規事業創造を担う「デジタル事業創造部」③社内対応として先端テクノロジーで生産性向上を担う「先端技術経営改革部」――である。

    生井氏は2022年まで①「DX戦略推進センター」に所属し、現在の花王の売り上げを支える基幹事業分野でDXによる変革、Eコマースに取り組んだ。

    花王 DX D2C 2022年までの花王のDX推進体制
    花王のDX推進体制(2022年までの体制)

    DX戦略推進センターで取り組むEコマースには2つの戦略がある。1つは「プラットフォーマーとの共創」、もう1つは「自社リテンション型ビジネス構築」だ。

    プラットフォーマーとの共創戦略

    Amazonなど生活者との“強い”つながりをもつプラットフォーマーは、多くの情報が集まりビッグデータを蓄積している。この資産を活用した商品・サービスの開発や提供にプラットフォーマーと共に取り組み、事業を拡大する戦略だ。

    自社リテンション型ビジネス構築戦略

    生活者との“深い”つながりを作り、継続的な購買につなげるリテンション型のビジネスを、自社ECを中心に構築する戦略。「買ってもらってからが勝負」と捉えて、自社ECサイトで消費者との関係構築(CRM)に注力し、2回目、3回目の購買につなげていくことを狙う。

    花王 DX D2C 花王が推進するEコマースの2つの戦略 自社リテンション型ビジネス プラットフォーマーとの共創
    花王が推進するEコマースの2つの戦略

    リテンションモデルへの挑戦

    花王にとって、自社ECを立ち上げ、D2C(Direct to Consumer)に取り組むリテンションモデルの推進は新しいチャレンジだ。従来の「売り切りモデル」では短期的な販売ボリュームの最大化をめざしてきたが、「リテンションモデル」では、長期的なLTV(顧客生涯価値)の最大化が目標となる。KPIにはリピート率を新たに設定した。

    従来の「売り切りモデル」は「買ってもらうまでが勝負」だったが、「リテンションモデル」では「買ってもらってからが勝負」。現在は、この2つのモデルを並行して進めている。

    花王 DX D2C 売り切りモデルとは異なるリテンションモデルへの挑戦
    売り切りモデルとは異なるリテンションモデルへの挑戦

    「両利きの経営」の考え方

    方向性が異なる事業を並行展開する時、「両利きの経営」の考え方が参考になる。売り切りモデルは「知の深化」の方向であり、長年考え抜いてきた売り方の知見を踏襲するもの。一方、リテンションモデルは「知の探索」の方向であり、冒険的な新規事業に取り組むアントレプレナーシップが必要な活動。これら2つの方向性のバランスが重要であり、「両利き」の状態になったときにイノベーションが起こるとされている。

    このため組織としては、双方を併せて扱うECビジネス推進部を設け、それぞれの事業担当者の情報交換を促し切磋琢磨しながら、新しい気付きが得られるよう組織運営をしている。

    花王 DX D2C 「両利きの経営」の考え方
    「両利きの経営」の考え方
    (両利きの組織をつくる――大企業病を打破する「攻めと守りの経営」(刊:英治出版)から引用)

    ユーザー体験の価値創造とSNS時代における情報伝達

    メーカーにおける消費者との関係性は大きく3つある。1つ目は「流通」を通じた商品提供で、花王においては主戦場である。2つ目は、「Amazon」「楽天市場」といった専業ECプラットフォームのチャネルを通じたリテール事業。3つ目は、ネットを活用して直接消費者に商品を販売するEコマースだ。

    消費者の消費行動は多様化している。メーカー側は、Eコマースの戦略と同時にリアル店舗も含めたOMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)型の戦略を考える必要があるため、花王もこうした関係性の構築を進めている。

    花王 DX D2C 製造業と消費者の関係 ユーザー体験の価値 消費行動の多様化
    製造業と消費者の関係

    SNSが広く使われる時代においては、情報の信頼性が重要だ。家族、友人、知人から推薦された情報は影響力が高く、日本をはじめ各国で1位にランクされている。そのため、第三者からの声は購買決定における重要な情報となる。

    そこで、第三者からどうやって自社のブランドを薦めてもらうか、広告ではなく消費者自ら発信してもらうための仕掛け、愛されるブランド、ECサイトを作ることが重要だと生井氏は考えている。

    花王 DX D2C 媒体・情報ソース別の信頼度 アンケート調査
    媒体・情報ソース別の信頼度

    メディア融合への取り組み

    そのためには、トリプルメディアと言われる「ペイドメディア」「オウンドメディア」「アーンドメディア」、Amazonや楽天グループが運営している「ショッパーメディア」を「連動させなければならない」と生井氏。つまり、商品提供側としては、テレビ広告やブランドホームページ、ブログ、SNSなどへバラバラに取り組むのではなく、一気通貫で戦略性を持って実施することが必要だと考える。

    このため、生井氏が所属していたECビジネス推進部では、事業部門と一緒になって戦略を立て、認知から購買に至るまで、一気通貫で進めてきたという。

    花王 DX D2C トリプルメディアとショッパーメディアの融合 メディアミックス 顧客アプローチ
    トリプルメディアとショッパーメディアの融合

    トリプルメディアとショッパーメディアの融合例

    具体的な例は、飲料の「ヘルシア」シリーズだ。ヘルシアの商品をSNSで告知、プラットフォーマーが行う大きなセールに合わせてメールを配信。すると、ECチャネルでの購入につながり、最終的にサブスクモデルで消費者とエンゲージメントを図ることができた。

    一見当たり前のようではあるが、大きな企業では社内で機能が分かれていることが多く、組織が分断されて施策を実行できなかったり、効率的に運用できなかったりすることの方が多い。

    「花王は、関連部署と連携して進めることができている。こういったところが、トリプルメディアとショッパーメディアの融合が成功しているポイント」と生井氏は語る。

    アントレプレナーシップ 代表の生井秀一氏 元花王DX戦略推進センター・部長
    アントレプレナーシップ 代表の生井秀一氏(元花王DX戦略推進センター・部長)

    UGCの重要性

    情報伝達は、メーカーからのプッシュ型である1対NからN対Nに変化している。この状況では、UGC(User Generated Contents:ユーザー生成コンテンツ)が重要になってきている。UGCには、信頼性が高く、行動転換が起こりやすい、シェアしたくなりやすいという特徴があり、良いものは拡散的に広がっていくという効果がある。

    この効果を活用するには、コミュニティ作りが大切。まずプッシュ型で伝え、そこから第三者の声で拡散する、この両輪が情報伝達には重要だ。

    花王 DX D2C UGCの特徴
    UGCの特徴
    花王 DX D2C ソーシャル時代の情報伝達
    ソーシャル時代の情報伝達

    SNS時代の行動プロセス(ULSSAS)

    SNS時代の行動プロセスを表すマーケティングフレームワークの1つとして「ULSSAS」がある。

    • U:User Generated Contents(UGC)
    • L:Like(いいね)
    • S:Search 1(Twitter、Instagramなど)
    • S:Search 2(Google、Yahoo!など)
    • A:Action(購買)
    • S:Spread(拡散)

    まずは「UGC」、第三者の声に「いいね」を押し、良さそうなものはTwitter、Instagramなどで検索し、さらに詳しく知りたい場合には、「Yahoo!」「Google」で検索。その結果、自分ごと化した商品はそのままECサイトで「買う」、そしてその感想を「拡散」する、この声に「いいね」する人が生まれる――このような好循環が発生する。

    これらはシームレスでつながっている。だからこそメーカーとしては広告とECサイトの販売に一気通貫で取り組まなければならない。また、拡散を促すための仕掛けも重要になってくる。

    花王 DX D2C SNS時代の行動プロセス ULSSAS
    SNS時代の行動プロセス

    ブランドとのエンゲージメント向上施策例

    生井氏は2つの実施例を紹介した。

    1つ目は、カネボウブランドの化粧品についての、スタッフの使用感レビューだ。実際に使ったときの感触やお薦めポイントを自社ECサイトに載せることによって、消費者からの信頼につながり、購買のひと押しになるようなコンテンツを提供している。

    花王 DX D2C カネボウのスタッフレビュー
    カネボウのスタッフレビュー

    2事例目は、ライブコマースへのチャレンジ、メーカー自らライブを通じてモノを売る取り組みだ。回数を重ねるごとに視聴者数も増え、コメントの中身も変化している。

    化粧品ブランド「est」では、今だけのお得感を出しながら店舗運営をしている。特徴はお客さまとの双方向のコミュニケーションが取れるということ。夜、仕事を終えたお客さまが夜9時以降にライブを通じて困っていることを問い合わせてくださっても、即座に答えることができる。これは新しいイノベーションと感じている。

    カネボウでは、ECサイトのなかにコンサルタントが徹底解説するというコンテンツを入れている。動画と静止画を組み合わせてお客さまとの深いつながりを作り、ブランドとの接点を大きくすることによって店舗やプラットフォーマーへの送客につなげる取り組みだ。最終的にはブランドを通じた顧客への価値提供がゴールと考えている。(生井氏)

    花王 DX D2C カネボウ ライブコマースへの取り組み例
    ライブコマースへの取り組み例

    トランスフォーメーションを起こすためのミドル層の役割

    「取り組みの方向性が見えてきても実際に新しい取り組みを進めるには、『ミドルからの変革』が重要だ」と生井氏は語る。

    生井氏は、早稲田大学ビジネススクールに通い、「ミドルからの変革」という研究会を通じて『ミドルからの変革 早稲田大学ビジネススクール×SAPジャパン&RELAYからの提言』(プレジデント社)の出版に参加。そこからのキーポイントを共有する。

    まず、ミドルの定義だが「自分には決定権がないが変革をしようと考えている人」。変革のためには、いわゆる「イシューセリング」が成功するためのポイントになるという。イシューセリングは3つの活動に分けられる。

    ① パッケージング活動

    経営がめざす財務的な指標と関連性を付けてロジカルに説明することが重要になる。

    ② 巻き込み活動

    組織内組織外もしくは反対者をどう巻き込むのかが重要。特に反対者に対してはとにかく丁寧に説明し、賛成はしなくても、反対もしないというところまでネゴシエーションする。こういったことが変革を起こすためには重要になる。

    ③ セリング活動

    部門のトップや会社のトップが変革を進めようとしていることに対して、どうやってタイミング良く提案を持っていくのか。そのために準備しておく、そして外部に仲間を作ることも重要になる。

    生井氏はこう言う。

    大事にしていることはアントレプレナーシップ。起業家的リーダーシップをもって今の業務に邁進し、自分の会社を良くするために変革を起こし、事業成長につなげる。これがミッションだと理解して事業を進めている。(生井氏)

    花王 DX D2C ミドルからの変革ステップ アントレプレナーシップ イシューセリング
    ミドルからの変革ステップ

    UX創造企業への取り組みと推進者の意識

    花王はUX創造企業をめざし、ブランドを通じて消費者の価値を創造していこうと取り組んでいる。

    従来のモノによる数の幸せの実現から、パーソナライズされた体験価値による多様な幸福の実現へ向けて、IT技術の進化を背景に、Eコマース事業を通じた実現をめざしている。

    そのために生井氏は、「私が置かれているミドルというポジションをよく理解したうえで変革を起こしながら、世の中のためそして日本企業を良くするために志を高く持って活動していきたい」と言う。

    花王 DX D2C デジタルトランスフォーメーションの本質 UX価値の創造
    デジタルトランスフォーメーションの本質
    栗山 敦

    ナイキのEコマース事業の現状は? 全社売上の26%を占め133億ドル規模に達したNikeのデジタル事業の今+これからの課題 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    3 years 2ヶ月 ago
    ナイキのデジタル事業「Nike Digital」の2023年度の業績は好調に推移しましたが、課題も浮かび上がりました

    ナイキのデジタル事業「Nike Digital」(ECサイトやアプリ運営)の2022年度(2022年4月~2023年5月期)売上高について、2023年3-5月期(第4四半期)は前年同期比14%増、通期では前期比24%増で着地しました。「Nike Digital」の売上高は総売上高のうち4分の1以上(26%)のシェアを占めており、2022年度の「Nike Digital」売上高は約133億ドルに達したと推測できます。

    ナイキのEコマース事業は堅調に拡大

    米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』が発行する「北米EC事業 トップ1000社 レポート 2023年版」で第9位にランクインしているナイキは、2023年3-5月期(第4四半期)もデジタル領域の売り上げを引き続き伸ばしました。

    ナイキのデジタル事業「Nike Digital」が展開するアパレル・アクセサリーのEC売上高は第4四半期で14%増、通期では24%増加しました。「Nike Digital」の2022年度の売上高は、全体売上のうち26%のシェアを占めています。

    「Nike Digital」は、「Nike.com」「Converse.com」といったECサイトの運営、アプリの配信などを展開しています。コロナ禍前の2019年、「Nike Digital」の売上シェアは、全体売上の10%程度でした。

    ECを含むナイキ全体の2023年3-5月期(第4四半期)の売上高は前年同期比5%増の128億ドル。通期売上高は前年度比10%増の512億ドルでした。

    「Nike Digital」の売り上げは全社売上の26%を占めることから、『Digital Commerce 360』は、ナイキのEC売上は2022年度に約133億ドルに達したと予測します。

    「Nike Digital」が手がけるEコマース事業は好調に拡大している(画像は米NikeのEコマースサイト「Nike.com」から編集部がキャプチャ)
    「Nike Digital」が手がけるEコマース事業は好調に拡大している(画像は米NikeのEコマースサイト「Nike.com」から編集部がキャプチャ)

    ナイキのジョン・ドナホー社長兼CEOは次のように話しています。

    消費者はブランドに対して、Eコマースが担うデジタルと、実店舗が担う物理的なアクセスの両方を望んでいます。これに加えて、デジタルと実店舗で地続きとなる、シームレスな購買体験も望んでいます。このニーズに応えることが、市場におけるナイキのマーケティング戦略の原動力となっています。

    中国市場ではデジタルよりも実店舗が優位

    北米における「Nike Digital」の売り上げは17%増加しました。また、欧州、中東、アフリカでは、24%増加しています。

    一方、中国では、「Nike Digital」の売上高が12%減少しました。マシュー・フレンド副社長兼CFOは「実店舗での購入が前年比を上回る傾向が続いているため」と説明します。

    中国で売り上げが減少した一方、アジア太平洋およびラテンアメリカにおける「Nike Digital」の売り上げは前期比9%増加しています。

    中国では「Nike Digital」の売り上げは減収となった(画像は言語を中国語に翻訳した「Nike.com」から編集部がキャプチャ)
    中国では「Nike Digital」の売り上げは減収となった(画像は言語を中国語に翻訳した「Nike.com」から編集部がキャプチャ)

    私たちは、消費者がマーケットプレイスでほしい商品を探す前に、私たちの店舗やオンラインショップで買い物をしている、もしくは少なくともオンラインショップで商品をチェックしているという事実に基づいて、「Nike Digital」事業を成長させるために投資を続けています。(マシュー・フレンド副社長兼CFO)

    D2C事業は前期比14%増収で推移

    ナイキが店舗やEコマースサイトなどを通じて消費者に直接販売するD2C事業「Nike Direct」の2023年3-5月期(第4四半期)の売上高は55億ドルで、レポートベースでは前年同期比15%増、為替変動調整後では同18%増。実店舗の売り上げは24%増加しました。なお、「Nike Direct」の通期売上高は前期比14%増の213億ドルでした。

    「Nike Direct」の第4四半期の売り上げを地域別で見ると、北米では15%増、中東とアフリカでは28%増、中国では19%増、アジア太平洋およびラテンアメリカは9%増となっています。

    D2Cにアクセルも、コロナ禍収束で戦略見直し?

    Webサイトのトラフィック分析などのサービスを提供する英Similarweb(シミラーウェブ)の分析によると、2023年3-5月期(第4四半期)の「Nike Digital」のコンバージョン量は、前年同期と比較して5.8%減少しました。

    購入につながったナイキEコマースサイト訪問数の推移(グローバルデータ)。グラフ中の縦軸はサイトの訪問数。折れ線グラフは前年比増減率。出典:Similarweb
    購入につながったナイキEコマースサイト訪問数の推移(グローバルデータ)。※グラフ中の縦軸はサイトの訪問数。折れ線グラフは前年比増減率(出典:Similarweb)

    Similarwebによると、スポーツアパレルブランド上位10社のうち、2023年5月時点でナイキのデジタル市場におけるシェアは42.5%。10社のなかで最大でしたが、シェアは前年同月比で6.2%減少しました。

    米国スポーツ用品店チェーンのDick's Sporting Goods(ディックス・スポーティング・グッズ)が運営するECサイトへの、ナイキからのトラフィックは2023年3-5月期(第4四半期)は前年同期比で3.4%減少しています。

    コロナ禍をきっかけに、ナイキはD2C販売に注力する傾向が大きくなっています。これにより、ナイキはEコマースやナイキアプリのような顧客とダイレクトにつながる販売チャネルを拡大しているのです。そのため、卸先との取引が縮小しています。

    現在、コロナ禍の終息に伴いECへの追い風が弱まっています。市場がこのように変化しているため、ナイキはマーケティング戦略を再検討し、D2Cと卸売りの最適なバランスを再考せざるを得なくなっている状況です。(Similarweb インサイトマネージャー スネハ・パンディ氏)

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん、白川久美さん、中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    多すぎる「楽天市場」のイベントで疲弊していませんか? 効率的に売り上げを上げるコツを紹介【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    3 years 2ヶ月 ago
    ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年7月10日~7月16日のニュース

    本当に多い「楽天市場」のイベント。何も考えずに参加すると忙しいだけで赤字ということも多いのでは。いったん冷静に考えて立て直せば、安定的に売り上げを出してくれるはず。

    売り上げを気にするよりも「損をしない設計」を

    楽天市場のセール施策、疲弊せずに成果を出すには?割引できないメーカーのアプローチ方法も伝授 | ECzine
    https://eczine.jp/article/detail/12935

    楽天市場を攻略する上で欠かせないセール・キャンペーン戦略。年間を通して見ると開催回数や種類が多く、新規参入したばかりで「どのような施策をすべきか」「どうKPIを設定すべきか」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。今回は、主なセール・キャンペーンの年間スケジュールと、疲弊しない付き合い方をお伝えします。

    「楽天市場」に出店中の皆さんならおわかりですよね。「楽天市場」はとにかくイベントが多いので、全部参加していると疲弊してしまいます。疲弊するのはイベント準備に追われること、それに対する売り上げがあまり上がらないというパターンが多いです。反対に売れすぎてしまっても問い合わせや出荷が忙しくて疲弊することもあります。

    ◇定期的に開催されるイベント

    • 楽天スーパーSALE:年に4回、3月・6月・9月・12月
    • 楽天お買い物マラソン:ほぼ毎月開催され、多い月では月の前半・後半の2回開催
    • 5と0のつく日:「5」と「0」のつく日に開催
    • ワンダフルデー:楽天市場で毎月1日に開催されるキャンペーン
    • ご愛顧感謝デー(市場の日):毎月18日に開催

    ◇その他のイベント

    • 楽天ブラックフライデー:11月後半に開催
    • 楽天イーグルス感謝祭:プロ野球のリーグ戦・CS(クライマックスシリーズ)終了後に3日間程度で開催
    • 楽天大感謝祭:毎年12月後半の年末に、およそ1週間開催
    • 楽天超ポイントバック祭:年に数回開催
    • 楽天39ショップ買いまわり:定期で数ヵ月おきに開催

    記事中で紹介されているイベントをまとめてみました。多いです…。売る側も買う側も大変ですね。

    確かに、楽天市場はセール・キャンペーンの回数が多く、イベントごとに施策検討から商品調達、販売までを行うのは大変な部分もあります。しかし、この数年は開催期間も安定しており、「勝ちパターン」やそのヒントの種を見つけ、磨き込むことで結果につなげやすい環境が整っているといえます。

    ここは重要なポイントです。なんとなく参加して疲弊をするのではなくて、計画的に取り組んで結果を振り返り次のイベントに生かす。これを繰り返すことで、無理なくイベントに参加できて売り上げも上がるようになってきます。「イベントに参加すれば売れる」のではなく、「イベントに参加すれば売れるようにする」のが目的です。

    数日間にわたって開催されるセールは、「セール期間中ずっと頑張らなければならない」と思われがちですが、基本的に労力をかけるべきは「最初と最後の売上の山作り」です。もし開催期間中に「5と0のつく日」が重なる場合は、その日も注力すべきタイミングとして追加しましょう。回を重ねる中で、「作れる売上」と「それに対応できるバックヤードのオペレーション」も見えてくるはずです。それらを踏まえて予算設定、出荷のリソース配分を考えることも大切です。

    これは買う側の気持ちになればわかりますね。イベントを狙って参加する人が多いでしょうから初日は購買意欲が高い人が来るはずです。最終日も買い忘れがないかを確認したり、迷っていたものを買ったりする場合もあります。メリハリをつけてうまく手を抜いていかないといけません。

    必要なのはとにかくシミュレーションをすることです。セールは身を削る施策ではありません。顧客に対し「商品が安く買える」という価値を提供しながらも、自社も在庫処分による倉庫代などのコスト削減や客数増加によるトータルの売上増加など、何かしらのメリットが存在する、「損をしない設計」にすることが商売である以上必要です。

    最後はここ。EC事業全体で見てプラスになるのかどうか。売り上げがトントンでも在庫が処分できればメリットがありますし、新規の顧客が増えてくれればここもメリットがあります。イベントに参加することに意義はなくて、EC事業に何かしらのメリットを与えるのが目的です。

    ここを忘れないようにしましょう。

    今週の要チェック記事

    Amazonが配送拠点を拡大、2024年問題でも「配送スピード維持」を宣言 | 通販通信ECMO
    https://www.tsuhannews.jp/shopblogs/detail/71736

    「Amazonの配送拠点数がヤマト運輸に近づいてきている」。これもう完全に運送会社ですよね。

    コスト増時代を生き抜くためのアイデアを解説。送料無料ラインUP、フルフィルメントの最適化、価格勝負の回避などのEC事例3選 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/11169

    そうなるとわかっていたら知恵を絞るしかありません。

    高速道トラック速度、規制緩和を検討 「2024年問題」見据え 警察庁 | 毎日新聞
    https://mainichi.jp/articles/20230712/k00/00m/040/358000c

    トラックは制動距離が長いために速度規制が80kmでした。これが緩和されそうです。

    【日本郵便とヤマト運輸の本格協業】「競争」から「共創」へ向かう施策詳細+2024年物流問題への政府の対応策 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/11120

    リーズナブルな料金で確実に届く状況を作るということでしょうか。

    GA4導入のはじめの一歩!ネットショップが、やっておくべき4つの初期設定 | BASE U
    https://baseu.jp/29921

    この4つだけはお忘れなく! ASPカートの場合はpurchaseイベントが発生して、自動的にコンバージョンとしてカウントされることが多いです。

    【EC事業者が利用する通販基幹システムの満足度調査】6割以上が「通販基幹システム」利用で売上アップ、一方で「カスタマイズ性」不足への不満あり EC事業者に寄り添うベンダーの在り方とは? | コマースピック
    https://www.commercepick.com/archives/38236

    基幹システムをカスタマイズしすぎるとあとから大変ではあるのですが…。

    「リピート客」を生むためのCRM、ちゃんと理解していますか? 顧客を管理する9つのセグメント、KPI設定のコツを解説 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/11084

    記事中にある9分類は参考になりますね。ここを把握できるようにすることから。

    今週の名言

    32歳校長「国公立大0→20人合格」させた凄い改革 定員割れだった「福岡女子商業高校」の奇跡 | 東洋経済オンライン
    https://toyokeizai.net/articles/-/684409

    どんなに小さなことでもいいんです、生徒たち自身が変化を起こせると感じられる学校にしたい

    こういった環境がある職場にしたいですね。日々成長が感じられる職場であれば、自然と業績も伸びるはずです。

    筆者出版情報

    「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

    「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める
    小さい会社のウェブマーケティング必勝法

    森野誠之 著
    翔泳社 刊
    発売日 2021年10月15日
    価格 2,200円+税

    この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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    森野 誠之

    楽天グループが新キュレーションメディアを本格展開、クーポン特化の「人気のクーポン獲り放題!わくわくクーポンランド」とは

    3 years 2ヶ月 ago

    楽天グループは7月18日、ECモール「楽天市場」などで利用可能なクーポンを閲覧できる「RaCoupon」(ラ・クーポン)のスマートフォン版において、クーポンを直接獲得できるクーポンキュレーションメディア「人気のクーポン獲放題!わくわくクーポンランド」の提供を開始した。

    クーポンを利用する楽天会員は増加傾向にあり、2018年から2022年の4年間で約2倍に伸長している。ユーザーがさまざまなクーポンを獲得できる環境を整え、商品購入やサービス利用の機会を増やす。

    「人気のクーポン獲り放題!わくわくクーポンランド」は、掲載されている全サービスのクーポンをワンタップで直接獲得することが可能。簡単にさまざまなサービスのクーポンを利用できるようにした。

    閲覧履歴に基づくクーポンを「あなたのためにピックアップ」として表示するほか、「人気のジャンル別」「今日の新着」、割引額や割引率の大きい「大特価」、楽天会員ランク別など、さまざまなカテゴリー別のクーポンも表示・獲得できる。

    楽天グループは7月18日、ECモール「楽天市場」などで利用可能なクーポンを閲覧できる「RaCoupon」(ラ・クーポン)のスマートフォン版において、クーポンを直接獲得できるクーポンキュレーションメディア「人気のクーポン獲放題!わくわくクーポンランド」の提供を開始した
    クーポンメディアのイメージ

    これまで、「RaCoupon」トップページで「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天ブックス」「楽天Kobo 電子書籍ストア」のクーポンを提供していた。新たに、「Rakuten Fashion」「楽天西友ネットスーパー」「楽天ビューティ」を追加した、クーポンは毎日更新、対象サービスも今後、追加を予定している。

    瀧川 正実

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