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「新規売上10%増」「アプリ経由のLTVが35%アップ」。店舗と両軸でのEC施策で成果をあげるチュチュアンナの成功事例 | 通販新聞ダイジェスト

1 year 2ヶ月 ago
EC売上アップ、コスト圧縮、LTV向上など次々と成果をあげているチュチュアンナ。オンライン、オフライン両軸で取り組んだ施策の詳細をまとめる

女性用靴下・下着を販売するチュチュアンナでは、ネット販売売上高が順調に伸びている。顧客理解を徹底してLTVの向上を図り、また、「チュチュアンナ」公式アプリの利用促進や日々の改修・改善に注力することでアプリ経由のEC売り上げを伸ばしているという。

同社では顧客の育成を第一に据え、データを軸にした仮説検証を繰り返している。「実店舗とECにたまった各種データを活用して顧客インサイトをつかみ、最終的にLTVを最大化していきたい」(西岡和也デジタルマーケティング部シニアマネジャー)とする。

売り上げへ貢献度別に顧客を分類

伸びしろを可視化

同社は顧客育成戦略を進めるのにあたり、顧客解像度を上げる取り組みに着手した。

まず、会員を年間購入金額によって「ダイヤ」「ゴールド」「シルバー」の3つの顧客ランクに分類。続いて「通販会員」「アプリ会員」、両方を統合した「統合会員」の3つの種別に分けた。さらに、3つの顧客ランクと3つの会員種別を掛け合わせて、顧客を9つのセグメントに細分化。各セグメントの人数構成比や売上高構成比を算出し、売り上げに対する貢献度の濃淡を可視化した。

これにより伸びしろやボトルネックをかかえるセグメントを把握し、打ち手に優先順位を付けることができるようになったという。

会員にさまざまなメリットを提供する(画像はApp Storeの「チュチュアンナ」アプリダウンロードページから編集部がキャプチャ)
会員にさまざまなメリットを提供する(画像はApp Storeの「チュチュアンナ」アプリダウンロードページから編集部がキャプチャ)

通販とアプリの「統合会員」が2倍増

年間購入金額の高い「ダイヤ」×「統合会員」を増やすために、かつては新規ユーザーにインセンティブ付きメッセージを配信し、アプリIDと通販IDの統合を促したが成果が出なかった。新規顧客はブランドに対する理解が低く、ID統合後のメリットを感じにくいためだ。

そこで、構成比の高い、通販のみ・アプリのみのダイヤ会員に着目。ブランドへの理解度が高い当該層適切なタイミングやインセンティブでID統合を促した。結果、統合会員が前年比2倍以上に伸長したという。

まずは単一チャネルで顧客育成

次に着手したのは購入チャネルの分析だ。実店舗とEC両方を利用するクロスユース顧客はLTVが高い傾向があるため、店舗ユーザーにEC用のクーポンを配布するなどして、クロスユースを促したが、両チャネルを併用する会員の比率は思ったように上がらなかった。

そこで、同社ではダイヤ会員になるまでのチャネル推移に改めて着目した。初回購入が店舗の人は店舗、ECの人はECと、単一チャネルでダイヤ会員までたどり着く顧客が多いことがわかったため、店舗またはECの単一チャネル内で優良会員を育成することに注力一定水準まで育成した後にクロスユースを案内することで、転換率は向上したという。

アプリ経由のLTVが35%増

店舗施策で新規売上10%増

同社は「チュチュアンナ」公式アプリの利用者を増やすため、店舗での取り組みを強化している。従来は「今入会すると○%オフ」というような獲得キャンペーンで訴求していたが、新規獲得数は多いものの、一時的な関係性で終わってしまうことが多かった。そこで、キャンペーンに依存しない平常時の新規開拓を強化した。

具体的には、少数の店舗で、アプリ登録を促す声掛けを確実に行う「100%声掛けテスト」を実施。対象店舗では獲得数が増加し、声掛けが有効なアプローチであることが明らかになった。

獲得の実績を踏まえ、新規客のF2転換率とその後のLTVを調査。新規アプリユーザーが店舗にどの程度貢献するかを可視化し、データを全店で共有した。

また、店舗スタッフのモチベーションを高めるため、好調店舗にはインセンティブを付与。社内評価との紐づけも行った。

その結果、新規売上が前年比10%増となった。新規獲得を強化するタイミングを平準化したことで、キャンペーン時の新規売上は28%減となったものの、平常時の新規売上が37%増に跳ね上がった

アプリ経由の売上アップに貢献

経費面でも大きな成果が見られ、新規獲得コストは前年比63%減と圧縮。経費率は5.2%から3.5%まで抑制することに成功した。

アプリの総ダウンロード数は330万を超え、2020年時点で27%だったアプリ経由のEC売上は足もとでは50%に上昇LTV伸長率は35%伸長した。

今後はパーソナライズを強化

アプリ施策においてはスピードを優先し、短期間でPDCAを回すことを心がけている。営業日平均で1日2~3回、社内でアプリを改修し、UI等を変更。「小さい変化を積み上げることで、大きな変化に耐えられる体制が作れる」(西岡和也デジタルマーケティング部シニアマネジャー)という。

営業費は1日に2~3回改修する「チュチュアンナ」公式アプリ
営業費は1日に2~3回改修する「チュチュアンナ」公式アプリ

今後のアプリ施策に関しては、1to1のコミュニケーションを強化していく。BIツールを使って統合分析を行い、MAに落とし込んで個別最適なコミュニケーションを図っていく。

取り扱いアイテムが多いなかで、「アイテムごとの購入履歴や購入頻度などを分析し、パーソナライズ提案できる環境を作っていきたい」(同)とする。

初回購入メディアの転換率を重視

LTVに関する施策では、メディアごとのLTV貢献度を可視化初回購入メディアから、その後どのメディアのF2転換率、1年後のLTVが高いかを測っている。いずれも、同社のユーザー層は、アプリ、メール、LINEの数値が比較的高い傾向にあったという。

これをもとに、初回購入メディアに対する獲得への費用配分を決定。また、どのアイテムがどのランクの人に支持されているかを把握することで、初回に案内するアイテムやアプリ通知・メルマガ配信の選定に生かしているという。

また、同社では、試着できないECのデメリットを解消するため、下着のEC購入における返品送料を無料にしている。こうした顧客サービス利用者のLTVは高いが、サービスの認知自体が低いため、サービスを求めている顧客への周知を図っていく。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

Google「今後改善していく」 サイト運営者「もう限界かも」 ダニー・サリバンの語るコアアップデートの裏側【海外&国内SEO情報ウォッチ】

1 year 2ヶ月 ago
Web担当者Forum の連載コーナー「海外&国内SEO情報ウォッチ」を更新。昨年~今年にGoogle検索トラフィックが激減したサイトで、2024 年 8 月のコアアップデートでも復活していないサイトはどうなるのか? コアアップデートの実際のところとサイト復活の見込みについて、SEO 専門家のバリー・シュワルツ氏が Google のダニー・サリバン氏に聞いた。
Kenichi Suzuki

【物流2024年問題】宅配便ドライバーの月給「あまり変化がない」が約6割、「仕事に余裕がなくなった」「人を増やしてほしい」の声

1 year 2ヶ月 ago

ホンダモビリティソリューションズ(HMS)は、宅配便ドライバーへの意識調査を行い、その結果を公表した。

働き方改革関連法改正が施行された2024年4月以降、月給に変化があったか聞いたところ、宅配便のドライバーで最も多かったのは「あまり変化はない」で64.8%。「減った」は21.1%、「増えた」は12.0%だった。

労働時間に関する変化では、「あまり変化はない」が74.2%で最も多かった。ホンダモビリティソリューションズは「各企業が施行前から整備や管理等の準備をしていたことで、現場への急激な変化は回避されていることが予測される」としている。

ホンダモビリティソリューションの調査。宅配便ドライバーの月給「あまり変化がない」が約6割、「仕事に余裕がなくなった」「人を増やしてほしい」の声
月給の変化について

ドライバーの仕事で感じた変化について、「ドライバーの人手が不足するようになった」が最も多く36.4%だった。「特に変化を感じることはない」が32.5%、「仕事時間を細かく管理されるようになった」が27.4%、「仕事に余裕がなくなった」が19.5%で続いた。

ホンダモビリティソリューションの調査。宅配便ドライバーの月給「あまり変化がない」が約6割、「仕事に余裕がなくなった」「人を増やしてほしい」の声
変化を感じること

労働時間に関する変化について、トラック、バス・タクシー、宅配便のドライバーごとに集計すると、宅配便ドライバーは「仕事に余裕がなくなった」が31.5%で、他のドライバーよりも高い。理由は、「EC市場の拡大などにより宅配ニーズが高まるなかで、人手不足への対策や効率化が急務の領域だと推察される」としている。

ホンダモビリティソリューションの調査。宅配便ドライバーの月給「あまり変化がない」が約6割、「仕事に余裕がなくなった」「人を増やしてほしい」の声
労働時間に関する変化について

さらに、ドライバーの仕事で改善を期待する内容について聞いたところ、3種類のドライバーとも「労働時間に見合った給与にしてほしい」が最多。トラックは38.6%、バス・タクシーが36.9%、宅配便のドライバーは40.4%だった。

「仕事に余裕がなくなった」との回答が最多だった宅配便のドライバーは、改善を期待する内容について「人を増やしてほしい」が33.0%。他のドライバーよりも多く働き手の増加を切望する声が高い。

ホンダモビリティソリューションの調査。宅配便ドライバーの月給「あまり変化がない」が約6割、「仕事に余裕がなくなった」「人を増やしてほしい」の声
ドライバーの仕事で改善を期待する内容について

調査概要

  • 調査名称:ドライバーの仕事についてのアンケート
  • 調査期間:2024年8月9日~17日
  • 調査対象:全国、ドライバーの仕事をしている20~69歳の男女計709人
  • 調査方法:Webアンケート
松原 沙甫

リピート客が継続的に増えるスキームを見つけ出すEC支援サービス「デジマヘッジ」をトリノリンクスが提供開始

1 year 2ヶ月 ago

トリノリンクスは、D2CモデルのECサイトでリピート客が継続的に増えるスキームを見つけ出すことを支援するサービス「デジマヘッジ」の提供を開始した。

データ分析+収益追求型DMを活用し、継続スキームを見つけ出す

トリノリンクス デジマヘッジ 新サービス
トリノリンクスの新サービス「デジマヘッジ」(画像はトリノリンクスのサイトからキャプチャ)

「デジマヘッジ」は、リピート客が継続的に増える(継続売り上げを伸ばし続ける)スキームを作り出すことを支援する非定期通販専用のサービス。主な特徴は次の通り。

  • リピート客が増え続けるスキームを作る
    単発施策の成果創出ではなく、「この時期に、この訴求で、このターゲットにアプローチすればその後の継続売り上げが伸び続ける」という、CRM発想の継続売上拡大スキームを作る
  • 収益追求型のダイレクトメールを使用
    デジタルマーケティングだけではカバーしきれない点を、アナログ媒体(収益追求型のダイレクトメール)によって、継続売上につながる施策を見つける
  • 売り上げ予測に基づく顧客判定
    実績データから6か月後の売り上げを予測し、最適なターゲットへの継続スキームを見つけ出す

商品マスタ、顧客マスタ、媒体マスタ、取引明細データを分析。解析結果から継続スキームの仮説を策定し、テストプランを作成する。その後、収益追求型DMによる小規模テストを実施し、精度を引き上げるという流れだ。

サービスでは最大3回のテストを実施し、スキームを見出すという。初回のテストで十分な成果が得られた場合は、残り2回のテストを見送り、別のスキーム開発を試すことも可能。テスト3回分の初回費用は24万円、4回目以降は1回あたり8万円の費用が発生する(いずれも税別)。

トリノリンクス デジマヘッジ 利用料金と納品物などについて
利用料金と納品物などについて(画像はトリノリンクスのサイトからキャプチャ)
藤田遥

テレビ通販最大手ショップチャンネル、ラジオ通販に参入。TBSラジオ「爆笑問題の日曜サンデー」内で展開

1 year 2ヶ月 ago

テレビ通販最大手のジュピターショップチャンネルは10月3日、ラジオ通販に参入すると発表した。

TBSラジオの「爆笑問題の日曜サンデー」(毎週日曜日13時~17時放送)内でラジオ通販を展開する。ショップチャンネルの商品を紹介するキャストが、ラジオパーソナリティである爆笑問題と言葉だけで商品の魅力を伝えることにチャレンジ。テレビショッピングで人気の高い食品や生活雑貨などを扱う。

ラジオ通販のコーナー名は「ショップチャンネルラジオショッピング」。13時40分頃に放送予定。コーナー内容はトーク5分、通販5分としている。

ショップチャンネルはCS・BSを中心にテレビショッピングを展開。ECサイト、カタログなどクロスメディアで事業を展開している。ラジオ通販に取り組むことにより新たな顧客接点を創出。「人気ラジオ番組とタイアップすることにより、これまで接する機会が少なかったラジオのリスナー層への認知拡大に取り組む」(同社)としている。

鳥栖 剛

東京都が中小企業・小規模事業者への助成金など支援施策を推進/アイリスオーヤマがECマーケットプレイス事業に進出【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

1 year 2ヶ月 ago
2024年9月27日~2024年10月3日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 最低賃金を1163円に引き上げる東京都、中小企業・小規模事業者へは助成金などの支援施策を推進

    東京労働局では、改正された最低賃金額など最低賃金制度を周知する一方、中小企業・小規模事業者に対する支援施策「業務改善助成金」「ワン・ストップ無料相談」「キャリアアップ助成金」を推進都する。

    2024/10/1
  2. アイリスオーヤマがECマーケットプレイス事業に進出、「アイリスプラザ」への他社出品でECの成長戦略を加速

    より多くの商品やサービスを出品できるマーケットプレイス機能を、「アイリスプラザ」に導入することを決定した。

    2024/9/30
  3. 楽天カード、みずほFGと資本業務提携を検討。拡大が見込めるカード事業の法人領域を強化

    幅広い顧客基盤を有するみずほFGとの提携を強化することで、楽天カードの事業領域の拡大および持続的な成長を実現する

    2024/10/2
  4. 10月から郵便料金値上げ。請求書を主に紙で発行する企業は71%、紙の請求書発行に課題を感じている割合は75%

    第一種定形郵便物の「封書」について、25g以下の84円、50g以下の94円という現行料金をそれぞれ110円に値上げ。サービス改善の一環としてこの重量区分を1区分に統合する。また、第二種郵便物の通常葉書は現状の63円から85円に引き上げる。

    2024/10/1
     
  5. 「決済手段の拡充ではなく新規登録のハードルを下げること」。会員登録率7%UPを実現したワコールが「Amazon Pay」を導入した理由

    ワコールが自社ECサイトのグロースに成功している要因とは? EC事業の取り組みをけん引する責任者が成功につながった施策の全貌を語る

    2024/9/30
     
  6. 【2023年EC市場のカテゴリまとめ】市場規模が最大は「食品、飲料、酒類」で2.9兆円、EC化率トップは「書籍、映像・音楽ソフト」で53.45%

    経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」。物販系分野のBtoC-EC市場規模は、同4.83%増の14兆6760億円で、EC化率は同0.25ポイント増の9.38%となった

    2024/9/30
     
  7. バルクオムがサステナブル物流を推進。梱包資材を環境配慮の素材へ+置き配促進で宅配ボックスの「OKIPPA」をテスト導入

    バルクオムは、メンズビューティを通じてサステナブルな社会を実現するために、研究開発、生産、パッケージング、製品出荷などのプロセスにおいて環境への負荷を減らす取り組みを推進している。

    2024/9/27
     
  8. カウネットが始めた、顧客データや生成AIの活用でユーザーの悩みを把握しサポートチャネルを最適化する取り組みとは?

    「カウネット」のECサイトでは、CX(顧客体験価値)のさらなる向上をめざすし、ノンボイスチャネル(音声を使わないサポートチャネルの総称)すべての再構築を進めている。

    2024/9/27
     
  9. 楽天グループ、「令和6年9月能登半島豪雨被害支援募金」への寄付受付を開始

    寄付は、「楽天ポイント」「楽天カード」「VISA」「Mastercard」ブランドの各種クレジットカードの他、「楽天銀行」指定口座への現金振込で受け付ける。

    2024/10/2
     
  10. 【2023年の物販系BtoC-EC市場まとめ】市場規模は14.6兆円、EC化率は9.38%。スマホ経由は8.6兆円、スマホ比率は約59%に

    2023年の物販系分野におけるBtoC-EC市場規模は14兆6760億円(前年比4.83%増)。そのうちスマホ経由は8兆6181億円(同10.0%増)で、スマホ比率は58.7%に達した。

    2024/9/30
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

アイスタイル、EC・店舗の大型イベント「@cosme BEAUTY DAY」を12月に開催

1 year 2ヶ月 ago

美容系総合サイト「@cosme(アットコスメ」の企画・運営などを手がけるアイスタイルは12月1日、年に1度のEC・店舗の大型イベント「@cosme BEAUTY DAY」を実施する。期間は12月1日12時から12月3日23時59分まで。

「@cosme BEAUTY DAY」は、「@cosme」の公式通販「@cosme SHOPPING」、「@cosme」のフラッグシップショップ「@cosme TOKYO」「@cosme OSAKA」、コスメセレクトショップ「@cosme STORE」および「東京小町」「シドニー」の各店で実施する。

400以上のブランドから協賛を募り、ECサイトと実店舗で2600以上のブランドを取り扱う。「コスメ欲、年に一度の大解放!」をテーマに、さまざまな仕掛けや事前イベントを通して生活者とコスメの出会いを創出していく。

美容系総合サイト「@cosme(アットコスメ」の企画・運営などを手がけるアイスタイルは12月1日、年に1度のEC・店舗の大型イベント「@cosme BEAUTY DAY」を実施
協賛ブランドの一部

ECでの販売は、毎年売り切れが続出する各ブランドの「@cosme BEAUTY DAY」限定アイテムの事前予約販売を実施。対象商品は10月22日12時に公開し、11月19日の12時から申込受付を開始する。

実店舗では、「@cosme」の店舗のみで販売する店舗限定セットを展開。「@cosme BEAUTY DAY」で扱う全商品の店舗取置を受け付ける。店舗限定セットの詳細は、10月22日以降順次公開する。なお、実店舗によって扱うブランド・商品は異なる。

松原 沙甫

森永乳業、飲料の一部宅配・EC専用商品の価格を引き上げ

1 year 2ヶ月 ago

森永乳業は、飲料の一部宅配・EC専用商品を11月1日出荷分から値上げする。対象は宅配・EC専用商品4品。値上げ額は1本あたり10円となる。

森永乳業は、飲料の一部宅配・EC専用商品を11月1日出荷分から値上げする
値上げのお知らせ(画像は森永乳業のWebサイトから編集部がキャプチャ)

値上げするのは「肌うるおいセラミド」「充実野菜」「国産玄米仕込み まろやか黒酢」「楽歩習慣 グルコサミンプラス」の4商品。現在150円の商品は160円、160円の商品は170円に値上げする。価格改定率は6.3%~6.7%。

原料や包装資材の価格、エネルギーコストの上昇に加え、人手不足の深刻化で人件費や物流費も高騰しており、今後も継続することが予想されている。森永乳業はこれまで、自助努力によるコスト低減に取り組んできたが、企業努力を超える水準となったことから価格改定を決めた。

松原 沙甫

竹用品ECの竹虎が「YouTubeショッピング」、動画視聴からスムーズな購入を実現

1 year 2ヶ月 ago

竹材の専門ECサイト「虎斑竹専門店 竹虎」を手がける山岸竹材店は10月1日から、「YouTubeショッピング」を開始した。

竹材の専門ECサイト「虎斑竹専門店竹虎」を手がける山岸竹材店は10月1日から、「YouTubeショッピング」を開始
YouTubeチャンネルページの「ストア」タブには商品一覧が掲載される

「YouTubeショッピング」は、「YouTube」チャンネルや「YouTube」上での動画、ショート動画、ライブ配信で商品販売ページへの導線を用意できる機能。視聴者は「YouTube」上に掲載された導線をクリックすることで商品ページにスムーズに遷移できる。

山岸竹材店では公式YouTubeチャンネル「虎斑竹専門店 竹虎」を10年以上にわたって運営。10月3日時点でチャンネル登録者数は7万8400万人、公開した動画数は1200本超。人気の動画は333万回再生を超える。

「虎斑竹専門店 竹虎」では竹炭関連製品や100%天然成分のエコ洗剤「竹炭の洗い水」、健康グッズ「青竹踏み」など人気商品の魅力の動画で紹介。動画内では、商品の製造過程や使用方法、こだわりを分かりやすく解説している。

「YouTubeショッピング」を開始し、商品を紹介している動画内に商品リンクを掲載。動画からECサイトの商品ページへスムーズに遷移できるようにした。山岸竹材店はYouTubeショッピングの活用により「これまで以上に多くのお客様に竹虎の商品を知っていただき、手に取っていただくきっかけが増える」(同社)ことに期待しているとした。

竹材の専門ECサイト「虎斑竹専門店竹虎」を手がける山岸竹材店は10月1日から、「YouTubeショッピング」を開始
商品を紹介する動画内にECサイトへの導線を掲載(画像左下)

なお山岸竹材店のECサイトはSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」で構築・運用している。「futureshop」では今夏から「YouTubeショッピング」との連携を開始。「虎斑竹専門店 竹虎」では「futureshop」の機能を活用して「YouTubeショッピング」を実装した。

鳥栖 剛

ワコールHD、英国の女性用インナーウェアメーカーを買収へ。欧州でのEC事業を強化

1 year 2ヶ月 ago

ワコールホールディングスは9月26日、英国子会社のWacoal Europe Limitedを通じて、女性用インナーウェアや水着などの企画開発・直営店や自社EC販売のBravissimo Group Limited(ブラビッシモグループ)の全株式を取得し、子会社化すると発表した。同日に開いた取締役会で株式譲渡契約書の締結を決議した。

ブラビッシモの株式取得を通じ、欧州での海外事業展開でEC事業の強化を加速。フィッティングサービスの機会供与の強化、平均市場成長率を超えて伸長する大きいバストサイズ商品市場でのドミナントポジションを確立する。

また、将来的にはランジェリーや水着といった商品のデザイン・企画開発、製造・物流・販売の過程においてワコールグループとブラビッシモの強みを融合。競争優位性を高めると同時に成長スピードを加速させ、生産性・業務効率のさらなる向上を図る。

ブラビッシモグループは1995年の創業、大きなバストを持つ顧客から絶大な支持を得ている。グループの従業員は約700人、英国内で25店舗を構えている。この他、自社ECサイトを運営し、世界中の"ブラビッシモ"ファンに商品とサービスを届けている。

また、英国における下着、水着、レッグウェア小売の卓越性を表彰する「Stars Underlines Best Shop Awards 2022」において、最優秀eTailer賞を受賞するなど数多くの賞を獲得、顧客やアパレル業界から高い評価を得ているという。

ブラビッシモグループの2023年度業績は、円換算で売上高が約107億円、営業利益が約6億3000万円。

松原 沙甫

GMOペイメントゲートウェイが本人確認機能「Verifyサービス」の提供開始。決済前の不正ログイン・なりすまし防止につなげる

1 year 2ヶ月 ago

GMOペイメントゲートウェイは、オンライン総合決済サービス「PGマルチペイメントサービス」の新たなオプション機能として、本人確認機能「Verifyサービス」の提供を開始した。

決済前の本人確認で、不正ログイン・なりすまし防止につなげる

「Verifyサービス」は、導入事業者が決済前に本人確認を行えるサービス。GMOペイメントゲートウェイが独自に開発したエンドユーザー向け多要素認証機能を活用している。

「Verifyサービス」では、ユーザーだけが把握しているパスワードや秘密の質問といった知識情報、スマートフォンやICカードなどの所持情報を組み合わせて、Webサイトへの会員登録時、ログイン認証時、属性情報変更時など任意のタイミングで多要素認証する。

EC事業者などは「Verifyサービス」を利用することで、不正アクセスの抑止につなげられるという。また、決済を伴うECサイトなどでは取引前に本人確認ができるため、不正利用取引のリスク低減、決済承認率向上が期待できるという。

GMOペイメントゲートウェイ Verifyサービス 不正利用防止 不正ログイン・なりすまり防止
「Verifyサービス」について

第1弾として、電話番号へのワンタイムパスワードを通知するSMS認証を10月29日から本格始動する。そに先駆けて、9月25日からテスト環境での利用申込受付をスタートした。SMS認証により見込めるメリットは次の通り。

不正ログイン・なりすましの予防

ID・パスワードに加え、ワンタイムパスワードの入力を求めて認証を行う。

  • 既存会員のクレジットカード情報といった個人情報の窃取防止
  • 窃取されたクレジットカード情報の不正利用、チャージバックなどの金銭的リスクを回避

アカウントの複数登録の予防

1電話番号1アカウントとし、SMS認証を用いて正しい番号を確認する。

  • 会員登録クーポン、ポイントなどを複数入手されることによる、意図しない値下げを回避
  • 複数アカウントを用いた抽選商品の複数回申込みを回避
GMOペイメントゲートウェイ Verifyサービス ユーザー、加盟店、GMOペイメントゲートウェイの3者間での大まかな流れ
ユーザー、加盟店、GMOペイメントゲートウェイの3者間での大まかな流れ
(画像はGMOペイメントゲートウェイのサイトからキャプチャ)

サービス利用に伴う初期費用、月額固定費は無料で、処理料だけ発生する従量課金制(SMS認証の場合は認証コード送信1件あたりの費用)。金額については個別見積もりとなる。開発が必要になる場合は、加盟店側負担。

接続方式は、世界標準の接続仕様であるOpenAPI方式に対応。GMOペイメントゲートウェイが提供する決済サービス未導入企業やOpenAPI非対応でも、「Verifyサービス」を利用できる。

2025年春頃に、デジタル認証アプリを介し「マイナンバーカード」を使った本人確認(マイナIC認証)への対応を予定している。その他の認証手段についても、利用状況やユーザーの利便性などを考慮して導入予定という。

クレジットカード不正利用額増加、ガイドラインの改訂なども背景に

近年、クレジットカードの不正利用が増加しており、2023年の不正利用被害額は約541億円に達した。そのなかでもカード番号盗用被害が最も多く、被害額は約505億円。カード番号盗用にはクレジットカード自体の盗用、番号などの情報の盗用も含まれる。

GMOペイメントゲートウェイ クレジットカード不正利用額の推移
クレジットカード不正利用被害額
(画像は一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」からキャプチャ)

こうした状況もあり、2024年3月にはクレジットカード取引に関わる事業者が実施すべきセキュリティ対策を定めた「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂。2025年4月以降、すべてのEC加盟店は「セキュリティ・チェックリスト」に記載しているぜい弱性対策などのセキュリティ対策の実施が求められる。

一方、GMOペイメントゲートウェイは、「EMV3-Dセキュア」、不正検知・認証システムといった決済におけるリスクを回避するセキュリティソリューションの拡充を進めてきた。

「クレジットカード・セキュリティガイドライン」改訂により、ECサイトで決済前・決済時・決済後ごとに不正利用対策を導入するという「線の考え方」が示されたことから、決済時以外の不正対策に向けた新たなソリューションとして、新サービス提供開始に至った。

藤田遥

アスクルがリアルイベント「いい明日(あす)がくる展」を11/9日(土)+10(日)に開催

1 year 2ヶ月 ago

アスクルは、11月9日(土)・10日(日)に東京都・世田谷区「二子玉川ライズ スタジオ&ホール」で、体験イベント「いい明日(あす)がくる展」を開催する。同社がリアルイベントを行うのは、2019年から5年ぶり。

イベントでは47社のメーカーとコラボした59商品を展示

アスクル ASKUL LOHACO いい明日がくる展
11月9日(土)・10日(日)に実施する「いい明日がくる展」
(画像は「いい明日がくる展」サイトからキャプチャ)

イベントでは、事業者向け通販「ASKUL(アスクル)」と個人向け通販「LOHACO(ロハコ)」のオリジナル商品・限定販売商品を中心に、47社のメーカーとコラボした59商品を展示する。Webではさらに5商品を追加し、計64商品を紹介する。

また、展示商品を購入できるポップアップストア、クイズラリー、ワークショップなども実施する。

アスクル ASKUL LOHACO いい明日がくる展 商品の一例
商品の一例(画像は「いい明日がくる展」サイトからキャプチャ)

展示は仕事場と生活空間をひと続きにし、コロナ禍を機にオン/オフの境界線が曖昧になった現在の環境を表現。出展商品はビジネス向け/個人向けを問わず、多様化するユーザーのニーズに対応できることを暮らしのシーンのなかで提案。

商品の開発コンセプトをもとに、各商品がどのような困りごとや社会課題解決につながるのかを、「ちょっとラクに」「ゴミを少なく」「地球にやさしい」「みんなに寄りそう」の4つの視点から紹介する。

アスクル ASKUL LOHACO いい明日がくる展 商品の一例 商品開発を4つの視点から紹介
商品開発を4つの視点から紹介(画像は「いい明日がくる展」サイトからキャプチャ)

また、他者、地球環境、未来の子どもたちの課題に寄り添った商品も紹介。商品の製造過程など目に見えないストーリーを想像し、“いい明日”に向けて商品選択の理由を考えるきっかけを、パネル展示や体験コーナーなどで提供する。

イベント概要

  • 会期:2024年11月9日(土)~10日(日)
  • 時間:9日(土) 10時00分~18時00分(最終入場:17時30分)、10日(日)10時00分~17時00分 (最終入場:16時30分)
  • 会場:二子玉川ライズ スタジオ&ホール(東京都世田谷区玉川1-14-1)
  • 入場料:無料
  • 主催:アスクル
藤田遥

【Amazonの販売事業者向け最新AIツールまとめ】生産性向上と事業成長を支援する「Project Amelia」、動画と画像のAIツールとは | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

1 year 2ヶ月 ago
Amazonは生成AIを取り入れた販売事業者向けのツールを次々に発表しています。2024年のカンファレンスで詳細を明らかにされたAIツールと、ツールがもたらすメリットとは?

Amazonは販売事業者向けの年次カンファレンス「Accelerate(アクセレレート)」で、新たなAIツール「Project Amelia(プロジェクト・アメリア)」を公表しました。そのほかにも、AmazonはさまざまなAIツールのリリースを計画しています。Amazonが計画している、AIを活用した販売事業者向け支援策をまとめます。

生産性向上と事業成長に寄与する「Project Amelia」

Amazonは9月に実施した「Accelerate」で、販売事業者向けの新たなAIツール「Project Amelia」を発表しました。

「Project Amelia」は、たとえば売り上げやWebサイトのトラフィックなどの指標に関するインサイトを提供するなど、販売事業者の生産性アップと事業成長を促進するためのAIツール。

Amazonが提供するAIツールの1つ「Project Amelia」(右下。画像はAmazonのニュースリリースから編集部がキャプチャ)
Amazonが提供するAIツールの1つ「Project Amelia」(右下。画像はAmazonのニュースリリースから編集部がキャプチャ)

Amazonのワールドワイド・セリングパートナー・エクスペリエンス担当副社長であるメアリー・ベス・ウエストモアランド氏は、ニュースリリースで次のように説明しています。

「Project Amelia」は、使い手となるそれぞれの販売事業者に合わせた生成型AIベースの知見を提供し、販売事業者が事業運営で成功するために必要なインサイト、アドバイス、手法をいつでも即座に提供します。(ウエストモアランド氏)

「Project Amelia」の活用イメージ(動画はAmazonのニュースリリースから)

「Project Amelia」についてウエストモアランド氏は、「販売事業者がいつでも頼りにできるパートナー」と説明します。「Project Amelia」は、Amazonのサードパーティ販売事業者向けプラットフォームであるセラーセントラルで提供しています。

現在は米国の一部の販売事業者向けにベータ版として提供。今後、数週間でより多くのユーザーに展開する予定で、2024年の後半には多言語対応でグローバルな展開も計画しています。

販売事業者ごとにカスタマイズしたアドバイスを提供

Amazonが提供するAIアプリケーションを開発するためのクラウドプラットフォーム「Amazon Bedrock」を搭載した「Project Amelia」は、AI機能とAmazon固有のマーケットプレイスに関するインサイトを組み合わせ、販売事業者によりカスタマイズした知見を提供します。

たとえば、販売事業者が「ホリデーシーズンに向けて準備すべき最も重要なことは何ですか?」と質問すると、販売事業者ごとにパーソナライズされたアドバイスを「Project Amelia」から得ることができるとウエストモアランド氏は説明しています。

また、売り上げ、販売個数、Webサイトのトラフィックなど、販売事業者の最新ステータスやビジネス上の指標を、前年比で示しながら提供します。販売事業者は「綿のTシャツの販売状況はどうですか?」といった、よりターゲットを絞った質問をすることで、商品固有のデータをより深く掘り下げることができるそうです。

将来的には、「Project Amelia」は「300枚の商品を配送中ですが、レポートに反映されていません。調べてもらえませんか?」といった物流面の解決など、より複雑なタスクを処理できるようになる見通しです。

ウエストモアランド氏は、「Project Amelia」が販売事業者に代わって行動を起こす可能性があると指摘しています。「Project Amelia」の機能の発展について、Amazonは具体的なスケジュールを明らかにしていませんが、AIがルールや権限を逸脱せず自律的に動作することが期待されます。

動画広告の作成や商品詳細ページを充実させる動画と画像のAIツール

「Accelerate」において、「Project Amelia」のほかにも、新たなAI搭載ツールを発表しました。Amazonの広告ソリューション「Amazon Ads」の新しいツールである「Video Generator」です。

「Video Generator」は、1枚の商品画像からカスタム動画を生成できるので、簡単に動画広告を作成できます。Amazonは、広告主からのフィードバックと業界のトレンドに基づいて「Video Generator」を開発しました。

Amazonはニュースリリースのなかで、米国の動画マーケティング会社Wyzowlの調査を参考に「2024年は消費者の89%がブランドからの動画をもっと見たいと望んでいる」としつつ、「企業は動画マーケティングを運用する上のハードルとして時間とコストがかかることをあげている」説明しています。

「Video Generator」の活用イメージ(動画はAmazonのニュースリリースから)

さらに、Amazonが提供する画像生成ツール「Image Generator」の機能の1つ「Live Image」を使用すると、販売事業者はキャンペーン用の短いアニメーションビジュアルを作成できます。

「Video Generator」と「Live Image」は現在、米国の一部の広告主向けにベータ版として提供しています。

さらに、販売事業者が商品詳細ページを充実させるのに役立つ、画像カルーセルなどのカスタムコンテンツ作成ツール「A+ Content(エープラスコンテンツ)」も発表しました。このツールを活用することにより、販売事業者は売り上げが最大20%アップすると説明しています。

「A+ Content」によって、ブランドは画像カルーセルや比較表を備えたカスタム商品ページを作成できるようになり、時間のかかっていたプロセスを効率化できます。現在、米国のブランドは無料で利用でき、年内までには国際的な展開が予定されています。

分析ツールを強化

新たな分析ツールは、販売者事業者のデータマーケティングをさらにサポートします。分析ツールの機能と、販売事業者にもたらすメリットは次の通りです。

  • 「Customer Journey Analytics」は、バイヤーが商品を選ぶ際の傾向と問題点を特定し、顧客の購買体験とコンバージョンの改善を支援
  • 従来よりも強化された「Tailored Audiences(テーラードオーディエンス)」は、興味・関心によって顧客をセグメント化し、クロスセルと新規顧客獲得を促進
  • 「Business Planner」はAIを活用し、売り上げと販売データを基に、販売事業者の事業成長のタイミングを特定
  • 近日中に試験運用が開始される「Custom Analytics」は、販売事業者に対して、売り上げから広告までの主要な指標を包括的な管理画面によって提供

分析ツールは、2023年にAmazonが提供を始めた「Brand Tailored Promotion」を基盤としており、特定の顧客層に販売事業者が割引を提供できるようにしています。Amazonによると、サービス開始以来、10万人以上の販売者が「Brand Tailored Promotion」を利用しており、約800万人の新規顧客にリーチして、1500万件以上のリピート購入を促進しています。

AI搭載ツールの拡大

Amazonは、自社が提供するサービス全体でAIを着実に拡大してきました。2024年の初頭、Amazonは販売事業者が商品リストを作成できるAI搭載ツール、AIショッピングアシスタントの「Rufus」、企業や開発者向けの「Chatbot Q」を導入しています。

商品リストを作成できるAI搭載ツールの利用イメージ(画像はAmazonのニュースリリースから編集部がキャプチャ)
商品リストを作成できるAI搭載ツールの利用イメージ(画像はAmazonのニュースリリースから編集部がキャプチャ)
開発者をサポートする「Chatbot Q」(動画はAmazonのニュースリリースから)

Amazonはクラウドベースの音声サービス「Alexa(アレクサ)」のAI搭載アップグレードにも取り組んでいると報じられており、これは新たな有料サブスクリプションサービスの一部となる予定です。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

ヤマトグループと産直通販のレッドホースコーポレーションが資本・業務提携、地域創生に向けた取り組み強化

1 year 2ヶ月 ago

ヤマトグループと産直通販を手がけるレッドホースコーポレーションは9月30日、資本・業務提携すると発表した。ふるさと納税領域の取り組みで連携していく。

ヤマトホールディングスとレッドホースコーポレーションの持株会社であるRHは、RHの全発行済普通株式の48.57%をヤマトHDが取得することに合意。ヤマトHD傘下のヤマト運輸とレッドホールコーポレーションは9月24日に業務提携契約を締結した。

レッドホースコーポレーションでは、自治体向けにふるさと納税の企画、運営代行事業を展開。ECサイト上で生産者と個人ユーザーを直接つなぐDtoC事業「産直アウル」も手がける。前身は土産品通販大手のトラベラーで、2009年にRedhorse Groupが株式の過半を取得し子会社化した。2012年2月、Redhorse Corporation香港によるTOB(株式の公開買付)で100%子会社化している。

レッドホースコーポレーションはふるさと納税領域において、ヤマト運輸と連携。「返礼品の開発」「寄附サイトの運営代行」「管理システムの提供」「返礼品の流通加工」「ラストマイル配送」まで一気通貫のソリューションを提供し、自治体への提案力を強化する。また、ヤマト運輸の顧客基盤を生かした返礼品の開発や営業リソースの活用を通じて、運営代行を受託する自治体数、返礼品の取り扱い件数および配送件数の拡大をめざすとしている。

「産直アウル」領域では、生産者の新規開拓やヤマト運輸の個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」との連携など、事業連携を進める。

ヤマト運輸の執行役員でネコサポ事業開発、エリアマネジメント推進 統括の櫻井敏之氏は「1次産品の市場外流通の拡大やB級品を活用した地域産品の製品化、効率的な流通プラットフォーム確立などに向けて検討を進めていく」とコメントしている。

ヤマト運輸、レッドホースコーポレーションは地域経済の振興を目的に、地域のステークホルダーと連携した地域産品の発掘や開発、流通販路拡大による産業の振興、事業承継などを通じ、移住促進や観光など関係人口の増加につなげる「自立自走可能な地域創生を実現させる事業モデル」の確立もめざすとしている。

鳥栖 剛

NTTドコモが始める、dポイントがたまるショッピング用ポイントサイト「dポイントマーケット」とは

1 year 2ヶ月 ago

NTTドコモは10月8日、ドコモのサービスを紹介するポータルサイト「dマーケット」をポイントサイトにリニューアルし、「dポイントマーケット」に改称する。

NTTドコモが始めたdポイントがたまるショッピングサービス「dポイントマーケット」とは
「dポイントマーケット」は10月8日からスタートする

ユーザーは「dポイントマーケット」を経由して買い物をすることで、「dポイントクラブ」会員ランクに応じたdポイントを、購入金額の最大1.5%獲得できるようになる。「dポイントマーケット」に出店するECサイトごとに設定する特典を加えると、最大で購入金額の20%のdポイントが還元される。

NTTドコモが始めたdポイントがたまるショッピングサービス「dポイントマーケット」とは
還元ポイント倍率はランクによって異なる

「dポイントマーケット」は出店する複数のECサイトの商品をまとめて検索して詳細情報を確認できる。サービス開始時は家電、食品、日用品、ファッション、本など約150サイト、1000万点以上の商品を掲載する。現時点の加盟店としては「アイリスプラザ」「アディダス」「エディオン」「オイシックス」「Qoo10」などが名を連ねている。

NTTドコモが始めたdポイントがたまるショッピングサービス「dポイントマーケット」とは
オープン時は約150サイト・1000万点以上の商品掲載からスタート

「dポイントマーケット」に出店する加盟店は、「dポイントクラブ」顧客基盤を活用した商品販促ができるほか、マーケティングデータの取得やドコモデータを活用した広告出稿・キャンペーン実施も可能となる。加盟店トップページへ遷移するだけでなく、商品情報を連携することにより商品単位での表示ができる。商品を検索して訪問する購買意欲の高いユーザーの送客もできるとしている。加盟店の計算料金は月額の固定費5万円(税別)と成果報酬費用となる。

ユーザー向けの施策として10月8日から11月11日の期間で「dポイントマーケットオープニングキャンペーン」を開催する。期間中の購入回数に応じてdポイント(期間・用途限定)総額2000万ポイントを山分けする。

鳥栖 剛

ベルーナ安野社長が語る事業再編&成長戦略。売上高2900億円をめざす「専門通販のグロース」「紙とECの融合」とは? | 通販新聞ダイジェスト

1 year 2ヶ月 ago
カタログ通販大手のベルーナが事業再編に乗り出している。幅広い事業を手がけているが、苦戦分野も多いベルーナ。再編の狙いと、各事業の成長戦略を安野社長に聞いた

ベルーナでは、不動産やホテルの「プロパティ・ホテル事業」と、化粧品・健康食品事業やグルメ事業、ナース関連事業などの「専門通販事業」に関して、収益性拡大をめざす「グロース領域」に分類。一方で、主力の「アパレル・雑貨事業」のほか、「呉服関連事業」などは、収益性の効率化を第一とした「サステナブル領域」とした。カタログやチラシなど、紙を使った通販の社内における位置づけが大きく変わるわけだ。再編の狙いはどこにあるのか。

ホテルと通販事業で利益追求

『社会価値』寄りの事業を『サステナブル領域』とし、『経済価値』に寄った事業を『グロース領域』と区分けることにした」。6月7日の決算説明会で、同社の安野雄一朗取締役専務執行役員はこう宣言した。

カタログやチラシなど、紙を使った通販事業については「売り上げ規模は国内ではトップだが、高齢化・過疎化を支える消費インフラといえる」(安野取締役)。そのため、継続性と収益効率の最大化を主眼に、安定した収益を上げられる事業としていく方針だ。

一方で、プロパティ・ホテル事業と専門通販事業という、営業利益率の高い2事業については、規模拡大とともに利益を追求していく。

アパレル・雑貨は前期比29億円の減益

アパレル・雑貨事業の2024年3月期業績は、売上高が前期比15.9%減の742億5100万円、セグメント損益は29億9200万円の赤字と不振だった。安野清社長は「用紙代と印刷費の上昇、さらには急激な円安による仕入れ価格上昇の影響を受けた。一方で最終価格への転嫁は難度が高い。結局のところ、値上げを我慢したアパレル小売り企業が勝っているわけで、そういう意味では、構造的に収益が上がらない事業になってしまっている」と渋面を作る。

ベルーナのアパレル・雑貨事業の業績推移
ベルーナのアパレル・雑貨事業の業績推移

今後は売上よりも利益重視にシフト

不調の理由は、商品値上げに伴うレスポンス率の低下だ。カタログ発行部数も前年から約20%減らしている。「当社だけではなく、紙媒体を中心とした通販企業はどこも厳しい。『それならネット通販に注力すればいい』という声もあるが、ネット専業は余分な人員を抱えずにローコストオペレーションを行っている。歴史のある総合通販企業はそういうわけにはいかない。紙の延長線上で商売をしたら失敗する」(安野社長)

今後は売り上げ拡大ではなく、利益を重視した施策を展開する。印刷用紙や印刷費の高騰、急激な円安に対応した取り組みを進めているほか、マーケティング面では顧客リストの収集・活用・掘り起こしなどを見直しており、結果が出はじめているという。

紙とネットの相乗効果を持ち味に成長めざす

ただ、用紙代は今後も値上がりを続ける可能性は高く、そうなれば「紙を使ったビジネス」自体が成り立たなくなる恐れもある。安野社長は「紙とネットの融合に可能性を見出したい。紙とネットの間にどれだけシナジー効果を生み出すか、これを模索するしか道はないだろう」と話す。

具体的には、どういった形を想定しているのか。「ネット通販のみで勝ち抜くのは難しいが、『カタログを見てネットで注文する』といった、紙とネットで相乗効果を生み出すようなビジネスモデルがベルーナの持ち味でもある」(安野社長)

かつて安野社長は「総合通販各社がカタログ通販を縮小するなかで、残存者利益を取りに行きたい」と公言していた。「振り返ってみると、(取れる余地は)ほとんど無かった」と苦笑いする安野社長だが、「それでも中高年層を中心にカタログファンがいるのは確かだし、社会的な意義も踏まえて期待に応えていきたい。そのためにも黒字にしなければいけない」と気を引き締める。

専門通販は成長事業として加速

同社が展開するさまざまな通販のなかでも、成長事業と位置づけられたのが、化粧品や健康食品、グルメといった「専門通販事業」だ。

化粧品事業に関しては、海外市場の開拓を推進。現在は台湾・香港・シンガポール・マレーシアで展開しているが、中国・ベトナム・タイへ進出することで売り上げを拡大する。国内については卸販売を拡充する。

成長が続いてきたグルメ通販については、前期売上高は微増にとどまった。安野社長は「競合と比較してLTVが弱いが、逆に言えば伸びしろでもある。ブランディングとCRMの両輪を強化することで成長を実現したい」とプランを明かす。

製造小売業の強化を継続

もう一つは製造小売業の強化だ。同社は昨年6月、谷櫻酒造(山梨県北杜市)の全株式を取得し子会社化した。「酒蔵は非常に面白いが、大々的に展開するには製造能力の問題もある。今後は海外への輸出も考慮し、もう1社くらい買収してもいいかもしれない」(安野社長)。さらには、減塩など昨今の健康志向に合致した総菜のラインアップを拡充、ニーズを取り込むことで再び成長軌道に乗せる。

ワイン通販は、急激な円安の影響を受けているものの、今後は高級ワインのラインアップを強化。現在、高級ワインの売上高は3億円程度だが、これを10億円まで増やす狙いだ。

早期に黒字が出る体制作りが急務

コロナ禍以降のインバウンド需要を取り込み急拡大しているホテル事業と、専門通販の両輪で、前期営業利益97億円を、将来的に200~300億円規模まで増やすというベルーナ。安野社長は「外部環境に左右される部分はあるが、ベストは売上高2900億円、営業利益300億円。普通のシナリオでは売上高2500億円、営業利益200億円というイメージだ」と目標を語る。ただ、そのためにもまずは「紙とネットの融合」モデルを確立し、早期に黒字が出る体制へと変えていく必要がある

もう一つ、成長領域と位置づける専門通販についても、2025年3月期第1四半期の売上高は、前期比4.8%減になるなど、まだ成長軌道には乗っていないのが実情

化粧品通販のオージオ、健康食品通販のリフレについては、両社合算で200億円(前期は147億円)という目標を立てているものの、4~6月は2桁減収だった。特に、リフレはここ数年減収が続いていることもあり、テコ入れが必要になりそうだ。

安野社長が語る前期振り返り&成長戦略

ベルーナ 代表取締役社長 安野 清 氏
ベルーナ 代表取締役社長 安野 清 氏

通販事業、値上げはしたいが我慢

――前期を振り返って。

アパレル・雑貨事業における総合通販事業については、コロナ禍が終わったことで、消費者の通販での購入ハードルが高くなった上に、用紙代・印刷費の値上がり、急激な円安による仕入れ価格の上昇という逆風があった。

一方で、商品価格への転嫁は顧客の抵抗があるので、難度が高い。結局のところ値上げを我慢したアパレル小売りが勝っている。値上げを我慢する商品と、値上げをする商品の比率が問題なわけで、恐らく我慢すべき商品が6~7割、値上げする商品が2~3割が正解ではないか。ただ、こうなると構造的に赤字体質となってしまう。

原価が上がっているので、本当は全商品値上げしなければいけないが、ある程度は我慢しなければいけない。他社が1000円で売っているものを1100円で売ったら買ってくれない。結局のところ、消費者の所得が増えていないのが全てだろう。

値上げをしたいのはやまやまだが、値上げするとレスポンスが落ちてしまう。また、結局のところ売れるのも値上げを我慢した商品だ。とにかく、できるだけ我慢して値上げをすべきではないというのが教訓だ。

ホテル事業は好調

――ホテルを中心としたプロパティ事業は好調だった。

ホテル関係はインバウンドの関係で、東京・京都・北海道が非常に好調だった。ホテル関係は、総合通販と違って値上げできる点が大きい他の事業については、おおむね横ばいなので、不調の総合通販と好調のホテル事業ということになる。

通販はカタログ発行部数2割減。「非常に厳しい状況」

――紙を中心とした通販事業は思った以上に悪かったということか。

総合通販だけでも 29億円ほどの赤字となったわけだが、結局レスポンスが悪化したことが全てだろう。通販は広告宣伝費がコントロールできればもうかるし、できなければ赤字が出る。カタログの発行部数が2割減なので、どうしても効率が悪化してしまうわけで、非常に厳しい状況だ。稼働顧客数が減っているのと同時に、用紙代・印刷費の上昇で思うようにカタログが出せなくなっている。

――用紙代の値上がりでネット通販の比重は高まっているのか。

「紙が値上がりするならネット通販に注力すればいい」という声が出てくるわけだが、ネット専業は余分な人員を抱えずにローコストオペレーションを行っている。

しかし、カタログを作っているような通販企業は、どうしても人員が必要になってくる。紙の延長線上で商売をしたら失敗するというのは、競合他社の例をみればわかる。ネット通販で成功するなら、ゼロからスタートし、少数精鋭で熱量をもって取り組まなければいけないのではないか、ということに2年ほど前に気づいた。

――紙に関しては輸入紙を使うという手もあるが。

1ドル110円くらいなら考えるが、150円では難しい。

――紙や印刷代は今後も値上がりする可能性は高いが、そうなると紙を使ったビジネス自体をどうするか、という話も出てくるのでは。

紙とネットの融合でシナジー効果を生み出せるかどうか。この道を模索するしかない。20年先にどうなるかは分からないが、確立きればしばらくは大丈夫だろう。ただ、ECはプラットフォーマーこそ儲かっているが、出店者はなかなか難しい。3分の1はもうけが出ていても、3分の1はカツカツで、残り3分の1は赤字という印象。

――製品の原価もかなり上がっている。

為替の関係で非常に厳しい。たとえばワインはユーロ高が響いている。以前は1ユーロ130円くらいだったが、今は160円。ただ、それでも値上げすると競合に流れてしまうので上げることができない。つまり、皆がもうからない構造になっているわけで、為替予約で取引をするしかない。前期はワインだけで為替差益が7億円ほど出ている。

顧客リストの活用で通販ビジネスを再構築

――総合通販では、顧客リストの再構築を図っているとのことだが。

通販会社はリストの収集・活用・掘り起こしの循環で売り上げと利益を作れるかどうかが大事だが、そこのバランスが崩れているわけだ。今の時代に合わせる形で、商品・カタログのビジュアル・コピーも含めて再構築していかなければいけない。

ただ、紙の通販ビジネスはプレイヤーが減り、供給が減っている割には当社のレスポンス率は上がっていない。もう少し、時代に合う形で再構築することで「サンセット」から「サンライズ」へと持っていきたい。

――紙を中心としたビジネスの売り上げ規模はどの程度を見込んでいるのか。

とにかく、無理をしないことが大事。キャッシュフローを意識して無理やり売り上げを作るようになったらおしまいで、当社のように損益を意識しているうちは健全経営ができる。前期のアパレル・雑貨事業売上高は約740億円だが、近い将来のイメージとしては600~700億円程度で、全社売上高の構成比としては3割くらいになるのではないか。

ただ、このくらいの規模を保たないと、通販のシステムを支えることができない。リストの収集・活用・掘り起こしを再構築することで、あわよくば売り上げを伸ばしていきたい。

ネットとの融合、一部テスト販売ではレスポンス率アップ

――MDやカタログの見せ方などはどう変えていくのか。

商品力・ビジュアル・コピーを含めて、どう表現するか、どうやってネットを絡ませていくか。テスト販売では一部レスポンス率が上がっている取り組みもあるので、成功事例を増やしていきたい。

EC売上高は8%減の146億円

――総合通販事業のEC売上高に関しては。

前期比8%減の146億円だった。値上げの影響は非常に大きい。ただ、そこは当初から織り込み済みなので、ブランディングやパーソナライズ強化を図った。

ブランディングについては、各ブランドの「らしさ」を強調するサイトの作りを意識した。パーソナライズについては、顧客の属性に応じて打ち出すブランドや商品を変えるようにしたり、メールマガジンもシナリオ配信を活用した。今期は、前期取り組んだブランディング強化を土台に、単品訴求を強めている。

ブランドらしさを打ち出したサイト作りを行っている(画像は「ベルーナオンラインストア」のブランド「ベルーナ」特集ページから編集部がキャプチャ)
ブランドらしさを打ち出したサイト作りを行っている(画像は「ベルーナオンラインストア」のブランド「ベルーナ」特集ページから編集部がキャプチャ)

具体的には、各ブランドにおける戦略商品、つまり「特S商品」を全面に打ち出す形として、ブランドの差別化と商品力の掛け算が功を奏し、足元ではEC売り上げがプラスで推移している。

――ブランドの「らしさ」とは。

どういう顧客にどういった価値提供をしていくか、つまりターゲットを明確にして、ビジュアルやコピーとして打ち出していくようにした。また、これまで掲載する商品情報も少なかったが、拡充している。

――ブランディングやパーソナライズの成果は。

足元では、単品訴求と相まって売り上げも前年同期比10%増で推移している。特S商品については、ネットだけではなく、カタログと店舗、マス媒体でも全面的に打ち出し、販促を集中させている。在庫もしっかりと積んで、売り切れがないようにしている

――「吉見ロジスティクスセンター」を増築した成果も出ている。

特定の商品がたくさん売れると、自動的に商品を補充する仕組みが効果を発揮するので、省力化が進んだのは非常に大きい。

増築した「吉見ロジスティクスセンター」(画像はベルーナのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)
増築した「吉見ロジスティクスセンター」(画像はベルーナのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)

SNS活用は勝ちパターンを模索中

――インフルエンサーやSNSの活用を進めている。

成果が出るまでは至っていないのが現状だ。チャレンジは続けていくつもりなので、テストを続けながら勝ちパターンを作りたい

――考えられる勝ちパターンは。

「LINE」の有効活用はできているのだが、インフルエンサーマーケティングについては試行錯誤している段階だ。

――ネット広告の出稿に関しては。

レスポンス向上を優先しながら出稿している。アフィリエイトはほぼやっておらず、ソーシャル広告と検索広告が中心。ただ、検索広告の単価も年々上昇しているので、それ以外から顧客を取るべくチャレンジしている。

今期については、アプリを武器にできないかと考えている。プッシュ通知などを活用し、自然に顧客が通販サイトに来訪する導線が作れれば、広告を使わず売り上げにつなげることができる。

――まずアプリをインストールしてもらう必要があるが、導線は。

ソーシャル広告やアパレル店舗から誘導している。

――リュリュモールは流通額が前期比17%減だった。今後のサービス継続については。

新規の獲得が依然として苦戦している。「オフィスカジュアル」という方向性はぶらさず、なんとか採算を合わせていきたい。

ベルーナが運営するレディースファッションEC「リュリュモール」(画像は「リュリュモール」から編集部がキャプチャ)
ベルーナが運営するレディースファッションEC「リュリュモール」(画像は「リュリュモール」から編集部がキャプチャ)

――紙とECの融合に関して、もう少し具体的に。

ネット通販のみで勝ち抜くのは難しい。紙とネットは異質なものだと考えているが、「カタログを見てネットで注文する」といった、紙とネットで相乗効果を生み出すようなビジネスモデルが当社の持ち味でもある。

当社の顧客は比較的年齢層が高いこともあり、力を発揮できるのではないか。また、カタログファンのニーズにも応えていきたい。

――かつて安野社長は「総合通販各社がカタログ通販を縮小するなかで、残存者利益を取りに行きたい」と公言していた。

実際にはほとんど無かった。ただ、少しはあると思うので、頑張りたい。そのためにも利益を出さないといけない。今期も茨の道だが、来期にはなんとか黒字にしたい。

専門通販は店舗販売を強化。化粧品は3億円目標

――専門通販事業については収益性拡大をめざす「グロース領域」と位置づけた。

ガンガン攻めて売り上げを伸ばしていきたい。化粧品に関しては、ベトナムなど東南アジア市場は面白いと思っている。海外売り上げは店舗への卸が40%程度だが、日本国内においても店舗販売を強化していきたい。ドラッグストアやドン・キホーテへの卸など、今期の国内における化粧品の店舗販売は3億円程度をめざす

――化粧品通販のオージオでは、以前タレントを使った販促を展開していたが、今後行う予定はあるのか。

今のところやるつもりはない。結局販促はコストに見合う成果が出るかどうかということが重要だ。

健食通販は200億円めざす

――健康食品通販のリフレは苦戦が続いている。

今は「サンセット」だが復活させたい。化粧品・健康食品合算で前期は147億円売っているので、これを200億円にするのが目標だ。

――小林製薬の「紅麹サプリ」問題の影響は。

一定数キャンセルが出たので、影響は出ている。

グルメは健康志向のラインアップを拡充

――このところ成長が続いていたグルメ事業に関しては、前期売上高は微増にとどまった。

競合と比較するとLTVが低いのが弱点だが、逆に言えば伸びしろでもある。ブランディングとCRMの両輪を強化することで成長を実現したい。また、昨年6月に谷櫻酒造を子会社化しているが、製造小売業を強化していきたい。

さらに、減塩など昨今の健康志向に合致した総菜のラインアップを拡充する。前期のグルメ事業の売上高は324億円だが、売上高500億円をめざして「暴走運転」していきたい

――LTVが低いのはなぜか。

やはりブランディングの問題だろう。知名度を上げるためにインフォマーシャルを強化していきたい。また、昨年システムを刷新したので、ポイント付与などCRM強化の効果も出てくるだろう。

――買収した酒蔵は順調なのか。

酒蔵は非常に面白いが、大々的に展開するには製造能力の問題もある。今後は海外への輸出も考慮し、もう1社くらい買収してもいいかもしれない。

――その他、今後のM&A戦略については。

1つはロマンを感じられるかどうか、もう1つは既存事業とのシナジー効果。いかに収益増に貢献できるかということになるだろう。

めざす業績目標は売上高2900億円

――今後の業績目標については。

外部環境に左右される部分はあるが、ベストは売上高2900億円、営業利益300億円。普通のシナリオでは売上高2500億円、営業利益200億円というイメージだ。プロパティ事業と専門通販事業、さらにはソリューション事業と呉服関連事業で利益を稼ぎたい

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通販新聞

ティックトック、検索広告キャンペーンを提供

1 year 2ヶ月 ago

ティックトックが「Search Ads Campaign」の提供を開始(現在はアメリカのみ)。既存の「Search Ads Toggle」機能を使用すれば、検索結果ページにも広告を配信できたが、キーワードの指定はできなかった。新たな「Search Ads Campaign」は、キーワードを指定して検索結果ページに広告を配信できる。

Introducing Search Ads Campaign
https://www.tiktok.com/business/en-US/blog/introducing-search-ads-campaign
About Search Ads Campaign
https://ads.tiktok.com/help/article/about-search-ads-campaign

noreply@blogger.com (Kenji)

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