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トランプ政権下の新たな関税と「デミニミスルール」撤廃がEC市場に与えている5つの変化とは? | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

1 year 3ヶ月 ago
米国のトランプ政権による、従前の関税と貿易ルールの変更により、EC業界にはすでにさまざまな波紋が広がっています。各社による対処と、すでに出始めている影響とは?

EC業界では、小売事業者、配送業者、ベンダー企業といったサプライチェーン全体が、米国政府の関税と貿易ルール変更がもたらす新たな難局に直面しています。すでに起き始めている変化と、企業の対応を解説します。

米国政府の関税、「デミニミスルール」撤廃による打撃

トランプ政権による米国へのほぼすべての国からの輸入品に対する関税の引き上げが、EC市場に与える影響は無視できません。

小売業界のリーダーたちによるホワイトハウスでの会談、決算説明会など、EC事業者の経営幹部たちは「トランプ政権下の新たな関税措置と既存の貿易協定の変更が事業運営において課題を生み出し、将来の事業計画を立てることを困難にしている」と明言しています。

ECと小売業界全体で、関税による海外からの輸入コスト増加でAppleなどの電子機器を取り扱う事業者には大きな打撃に。さらに、商品の仕入れを輸入品に依存する家庭用品・家具は関税の影響を受けやすく、取扱事業者では事業運営の懸念が広がっています

一方、グローバルでの売り上げが多くを占めるEC事業者は、米国以外で製造された輸入品、報復関税を実施している国への米国からの輸出品に関して、運用がますます複雑な状況に直面しています。

トランプ大統領は4月22日、記者団に対して「中国からの輸入品への関税は145%を下回る程度の見通し」との見解を示しました。一方、ベセント財務長官は同日、非公開の会合で投資家に対し、「ごく近い将来」にトランプ政権下の貿易紛争が「沈静化する」と予想していることを伝えています。

それでも、過去数か月間、米国への輸入品に対する新たな関税(基本関税に上乗せする関税)の導入により、EC事業者にはすでに多くの変化が起きています。

すでに確認されている5つの主要な変化は以下の通りです。

1.高関税が越境ECに打撃

決済セキュリティと不正防止サービスを提供する米国事業者Signifydが発表したレポートによると、2025年1-3月期(第1四半期)において、米国の小売事業者からカナダの配送先への支払額は前年同期比6%減少しました。メキシコへの越境ECも同様に苦戦しており、米国からメキシコの消費者へのEC売上高は同31%減少しました。

その一方で、Signifydはこれらのエリアでの国内売上高が同期間に改善していることも確認しており、現地の消費者が米国の小売事業者からの越境購入を避けるようになっていることを示しています。

2.景気減速はEC事業者向けベンダーにも余波の見込み

たとえ売上高が打撃を受けても、小売事業者はITテクノロジーへの投資を止めることはできません。多くのEC事業者は2025年の最も重要なテクノロジー投資は、自社のサプライチェーンを管理するソリューションだと考えています。

一部の小売事業者は、サプライチェーンの管理をより効率的にでき、高いコストパフォーマンスを発揮できるソリューションを模索するでしょう。また、米小売大手のWalmartによる農業分野での「Cropin」を使用しているように、ニッチなケースに対応するテクノロジーもあります。

「Cropin」は、インドの事業者Cropinが提供する食品・農業分野向けのAIツール。収穫量予測の改善、作物の安全性チェック、季節の移り変わりの予測などを支援します。

ECのテクノロジーベンダーの命運は、関税による新たなコスト増に直面しているクライアント企業のEC運営と結びついています。たとえば、世界有数の金融機関Bank of America Securitiesのアナリストは、ECプラットフォーム構築ソリューションを提供するShopify、BigCommerce、Lightspeed CommerceなどのECソフトウェアベンダーが特に影響を受ける可能性があると指摘しています。顧客企業が中国からの仕入れに依存しているほど、関税に関連した景気減速の影響を受けやすくなる可能性が高くなるからです。

3.「SHEIN」「Temu」運営企業ほか小売事業者が値上げを計画

ファストファッションブランド「SHEIN(シーイン)」をグローバル展開するSHEIN Group、越境ECサイト「Temu(ティームー)」を展開する中国EC大手PDDHDは、トランプ政権による中国からの輸入品に対する追加関税に関連し、4月25日から実施の商品販売価格引き上げをすでに発表しました。

SHEIN GroupとPDDHDは4月25日からすでに販売価格を値上げしている(画像は「SHEIN」から追加)
SHEIN GroupとPDDHDは4月25日からすでに販売価格を値上げしている(画像は「SHEIN」から追加)

この動きはSHEIN GroupとPDDHDの2社だけではありません。商品の仕入れの多くを輸入品に頼る日用品・キッチン・家電を販売する米国事業者のWilliams-Sonomaと、高級家具やインテリアを扱う事業者RH(旧Restoration Hardware)の幹部も、販売価格の値上げを見込んでいると説明しています。

さらには、800ドル未満の貨物が免税で米国に輸入されることを可能にしてきた「デミニミスルール」(通称)が5月2日に撤廃される予定であることも、EC事業者のコスト面の課題を悪化させています。

4.大手配送事業者の貨物量はアップダウン

「デミニミスルール」の変更はECの配送事業者にも影響を与えています。米国株の情報を掲載している金融メディアSeeking Alphaの報道によると、米国を拠点とする大手金融事業者Wells Fargoのアナリストであるクリスティアン・ウェザービー氏は、FedExとUPSの事業に暗雲が立ち込める可能性を指摘しています。

ウェザービー氏は、貨物量が今後減少するリスク、「デミニミスルール」撤廃が差し迫っていること、そして2025年1-3月期にすでに観測された荷物量が減少していることを理由にあげています。

中国事業者が商品を米国に輸出する際に課される高関税と「デミニミスルール」の撤廃は、米国内の荷物量減少にも大きく影響するでしょう。特にUPSにとっては自社事業のレバレッジ解消につながってしまい、利益率を損なう可能性があります。

FedExは国際航空貨物減少のリスクがやや高いものの、短期的には、ほぼすべての国からの米国輸入品に対する関税の引き上げが導入される前に輸送を急ぐ動きが見込まれることから、流通量拡大の恩恵を受ける可能性があります(編注:トランプ政権は米国への輸入品に対する新たな関税(基本関税に一律10%上乗せする関税)の導入を4月10日から7月9日までの90日間停止。新たな関税措置はそれ以降に適用開始)。(ウェザービー氏)

一時的な荷物量拡大の例をあげると、DHLでは4月5日の時点ですでに、「デミニミスルール」の適用外となる、800ドルを超えるすべてのグローバル貨物の米国顧客への取り扱いを一時停止。貨物の流通量が急拡大したことで、DHLは「正式な通関手続きの急増につながっており、DHLは24時間体制で対応しているところです」と発表しています(編注:この一時停止はDHLが4月28日に撤廃し、800ドルを超える貨物の輸送を再開)。
 

5.無在庫販売の実施企業も苦境。中国サプライヤーが影響

トランプ政権下の関税引き上げと「デミニミスルール」撤廃の両方が、ドロップシッパー(無在庫販売)のEC事業者にも打撃を与えています。

ドロップシッパーは自社で在庫を抱えず、商品が売れた際にサプライヤーから直接顧客に発送してもらいます。打撃を受ける理由は、ドロップシッパーは少なからず、中国を拠点とするサプライヤーに依存しているからです。

toC向けのドロップシッピングビジネスを運営し、米国の金融・経済・ビジネス専門チャンネルのCNBCのインタビューに応じたカミル・サッター氏は「現在は、これまでほど米国向けに販売していません。従前は取扱製品のうち60%を米国向けに販売していましたが、現在は約20〜30%に減少させました」と述べています。「現在は米国での消費を減速させ、ヨーロッパ市場に注力しています」(サッター氏)

サッター氏によると、その理由は関税の引き上げにより商品発注にかかるコスト増加していることだけにとどまりません。中国からの注文が米国の国境で検査のために保留されるため、遅延しやすいことも理由に含まれます。米国政府による関税についての変更以前は、そのような遅延はありませんでした。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

「楽天市場」店舗の事業承継を支援する「楽天事業承継アシスト」、岩手県の老舗時計店から都内の卸会社への事業譲渡が成立

1 year 3ヶ月 ago

楽天グループは4月30日、「楽天市場」出店店舗の承継サポート事業「楽天事業承継アシスト」の事業譲渡案件が成立したと発表した。

岩手県に本社を置く老舗時計店TMプラネットが手がける「楽天市場」におけるEC事業を、東京都のタオルや作業着の加工、卸販売事業のアシークへ譲渡する。

楽天グループは事業運営者の高齢化や後継者不足の課題解決を目的に、「楽天市場」出店店舗の事業承継支援を手がける。出店店舗の事業承継の意思決定、M&A仲介会社の紹介、譲受企業の選定など、事業承継を希望する店舗と伴走し、事業承継希望店舗と譲渡先企業の双方が納得する形で店舗の受け渡しができるよう支援している。

マッチング成立後も、店舗がスムーズに運営移行できるよう、「楽天市場」に登録している企業情報の変更手続きのサポート、譲渡先の企業に対する店舗の運営ガイダンスなども実施しているという。

楽天グループは4月30日、「楽天市場」出店店舗の承継サポート事業「楽天事業承継アシスト」の事業譲渡案件が成立したと発表
楽天はM&A仲介会社を紹介の上、事業譲渡の成立からその後の運営支援までサポート

事業承継を実施するTMプラネットは、2000年に「楽天市場」へ「腕時計とバンドのアビーロード」を出店、月間優良ショップ賞を過去に多数受賞している。運営者の高齢化と後継者不足が課題となり、「楽天市場」からの退店も視野に入れる状況だったという。

そのなかでTMプラネットは、「楽天事業承継アシスト」を通じて事業承継の可能性を模索。楽天は提携するM&A仲介会社を紹介のうえ伴走しながら買い手を探し、1年8か月の期間を経てアシークに事業承継することが決まった。

譲渡先のアシークは東京に本社を構え、青森県に事業所を置きタオルや作業着などの加工・卸販売を手がける。「腕時計とバンドのアビーロード」の実績に魅力を感じ、TMプラネットからEC事業を譲り受けることとなった。今後はアシークが「腕時計とバンドのアビーロード」を運営していく。

楽天では今後も、「楽天事業承継アシスト」を通じて後継者不足に悩む出店店舗の事業承継を支援し、「楽天市場」およびEC業界のさらなる発展に貢献していくとしている。

鳥栖 剛

ECは未来のスピード成長産業で断トツ1位。AIソフトウェア&サービスは2位【マッキンゼーのレポート】

1 year 3ヶ月 ago

マッキンゼーがこのほど公表した成長産業などを予測するレポートによると、成長産業のトップに「Eコマース」、2位には「AI&ソフトウェア」をあげた。

レポートでは今後18の「アリーナ」(ビジネス環境を一変させる可能性を秘めた産業のことを指す)によって世界経済は変化し、2040年までに29兆ドルから48兆ドルの収益を生み出す可能性があるとした。

ECは未来のスピード成長産業で断トツ1位。AIソフトウェア&サービスは2位【マッキンゼーのレポート】
18のアリーナのうち「Eコマース」が成長トップに(画像はマッキンゼーのHPから編集部がキャプチャ)

18のアリーナのうち、「Eコマース」を成長産業のトップにあげた。2022年に4兆ドルだったEコマースの売上高は、2040年に14兆ドル~20兆ドルに成長すると予測。2022年から2040年までのCAGR(年平均成長率)は7〜9%になるとした。利益は2800億ドル~1兆円、CAGRは2〜5%になると推定している。

成長産業の2位は「AIソフトウェア&サービス」。売上高は2022年に850億ドルから、2040年に1兆5000億ドル~4兆6000億ドルまで成長すると予測している。2022年から2040年までのCAGRは17~25%。利益は2300億ドル~9200億ドル、CAGRは15~20%と推定した。

18のアリーナには、「クラウドサービス」「デジタル広告」などをピックアップ。新興の成長産業のアリーナとして「自動運転シェアカーサービス」「宇宙」「サイバーセキュリティ」などをあげた。

鳥栖 剛

企業のサイト改善施策、45%がコンテンツマーケティングを2024年度に開始。次点は「SEO」39%【Webマーケティングのトレンド調査】

1 year 3ヶ月 ago

PRIZMAがWebサイト制作・運営担当者を対象に実施した調査によると、2024年度に開始したWeb施策で最も多かったのは「コンテンツマーケティング」で45.6%、続いて「SEO施策」「UX/UI改善」だった。

調査人数は504人で、調査期間は2025年3月21日~24日。

2024年度に開始した主なWeb施策で最も多かったのは「コンテンツマーケティング」で45.6%、続いて「SEO施策」が39.3%、「UX/UIの改善」が35.5%、「広告キャンペーン」が33.7%だった。PRIZMAは、「コンテンツの充実やSEOといった従来の施策に次いで、UX/UIの改善が多くの企業で新たな施策の1つとして位置付けられている」とコメントしている。

2024年度に開始した主なWeb施策(複数回答可)
2024年度に開始した主なWeb施策(複数回答可)

2024年度に開始したWeb施策のなかで最も効果があった施策を聞いたところ、「コンテンツマーケティング」が最多の34.7%、続いて「SEO施策」が33.9%、「UX/UIの改善」が26.2%、「広告キャンペーン」が21.6%だった。

2024年度に開始したWeb施策のなかで最も効果があった施策(上位3つ)
2024年度に開始したWeb施策のなかで最も効果があった施策(上位3つ)

2024年度のWeb施策で期待した成果は、「アクセス数の増加」が最も多い44.3%、「サイト滞在時間の延長」が44.1%、「コンバージョン率の向上」が38.5%、「ブランド認知の向上」が35.1%だった。事業者はWeb施策において定量的な成果、特に訪問者数の増加や滞在時間の延長、コンバージョン率の向上など、測定できる定量的な成果を重視している傾向が強い。

2024年度のWeb施策に期待した成果(上位3つ)
2024年度のWeb施策で期待した成果(上位3つ)

施策がうまくいかなかった場合、どのような要因が影響したと考えられるかを聞いたところ、最多は「コンテンツの質や量の不足」で39.5%、続いて「ユーザー体験(UX/UI)の問題」が31.8%、「SEOの最適化不足」が29.6%、「ターゲット設定やセグメント選定ミス」が28.6%だった。

施策がうまくいかなかった場合の考えられる要因(上位3つ)
施策がうまくいかなかった場合の考えられる要因(上位3つ)

2024年度の施策でUX/UIの改善の有無について聞いたところ、「はい」は78.6%、「いいえ」は21.4%だった。約8割の企業がUX/UIの改善に積極的に取り組んでいることを示しており、多くの企業がユーザー体験の向上を重視していることがわかった。

2024年度の施策におけるUX/UIの改善の有無
2024年度の施策におけるUX/UIの改善の有無

UX/UIの改善の有無について「はい」と答えた人に対して改善した部分を聞いたところ、最も多かったのは「モバイル対応の最適化」で49.5%、続いて「ナビゲーションの改善」が45.2%、「サイト全体のデザイン(ビジュアル)」が38.1%、「ページ読み込み速度の向上」が32.1%だった。

UX/UIを改善した部分(複数回答可)
UX/UIを改善した部分(複数回答可)

UX/UIの改善の有無について「いいえ」と答えた人に、今後改善を行う予定がある場合はどの要素に最も注力したいかを聞いたところ、「サイトデザインの改善」が最も多く35.2%、続いて「ナビゲーションの簡素化」が30.6%、「ページ読み込み速度の改善」が26.9%、「ユーザー行動に基づくパーソナライズ」が20.4%だった。

UX/UIの改善を行う場合に注力したい要素(上位3つ)
UX/UIを改善する場合に注力したい要素(上位3つ)

PRIZMAは「企業の今後のUX/UI改善においては、サイトデザインやナビゲーションの簡素化、ページ読み込み速度の向上が注力すべきポイントとなっている」と解説している。

調査概要

  • 調査期間:2025年3月21日~24日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:Web施策に携わっているモニター504人
  • モニター提供元:PRIZMAリサーチ
大嶋 喜子

飲食料品の値上げ、2025年10月までに1.4万品目。2025年5月は5か月連続で前年超え

1 year 3ヶ月 ago

帝国データバンクが実施した、2025年5月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しに関する調査によると、2025年1月~10月までの値上げする累計品目数は1万4409品目となり、2024年の実績を上回る見通しだ。

5月だけでも、値上げとなる食品は478品目。食品分野別では、ハム・ソーセージなど食肉加工食品が多くを占める「加工食品」の値上げが目立つ。

主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした5月の飲食料品値上げは478品目で、値上げ1回あたりの平均値上げ率は15%。単月の値上げ品目数としては、1月以降5か月連続で前年同月を上回った(前年同月比51品目、同11.9%増)。

帝国データバンクによると、前年同月を5か月連続で上回るのは、記録的な値上げラッシュの1年となった2023年6月以来、約2年ぶりという。

2025年通年の値上げは、2025年10月までの公表分で累計1万4409品目にのぼり、2024年通年の実績(1万2520品目)を超えた一方、1回あたりの平均値上げ率は16%で、2024年の17%を下回る。

6月と7月は単月で2024年を大幅に上回る1000品目超の値上げが予定されており、帝国データバンクは「2025年における飲食料品値上げの勢いは2024年に比べて強い状態が続くことが予想される」と見ている。

また、帝国データバンクは「2025年の値上げは年間累計では最大2万品目が予想されるが、飲食料品の値上げラッシュが本格化した2022年の2万5768品目に並ぶ水準に到達する可能性もある」と示唆している。

近年の値上げ率と値上げ品目数の推移
近年の値上げ率と値上げ品目数の推移

2025年5月の値上げで多いのが、ハム・ソーセージなど食肉加工食品が多くを占める「加工食品」137品目(値上げ率16%)、カレールウなど香辛料を中心とした「調味料」192品目(値上げ率12%)。48品目が値上げされた「酒類・飲料」は、コーヒー飲料などが主な対象となった。

2025年の10月までの値上げ品目数を食品分野別に見ると、カレールウなどの香辛料製品やだし製品を中心とした「調味料」が最も多い4904品目、続いて冷凍食品やパックごはんなどの「加工食品」が3685品目、清酒やビール、清涼飲料水などの「酒類・飲料」が2759品目となっている。

食品分野別の値上げ品目数(2022年~2025年)
食品分野別の値上げ品目数(2022年~2025年)

2025年の10月までの値上げ要因として最も多いのは、原材料などモノ由来の「原材料高」で97.9%、続いて「物流費」が79.7%、2年ぶりに前年を上回った「エネルギー(光熱費)」が66.1%。

人手不足に伴う昇給・賃上げによるコスト増を背景とした「人件費」は52.0%で、帝国データバンクが要因別の集計を開始した2023年以降で最高値となった。

トラックドライバーの時間外労働規制などが要因となった輸送コストの上昇分を価格に反映する「物流費」由来の値上げは79.7%を占め、帝国データバンクの前月調査時(81.8%)からは割合が低下した。

値上げ要因の推移(品目数ベース)
値上げ要因の推移(品目数ベース)

帝国データバンクは値上げに関連して今後の市況を次のように考察している。

2025年は人件費や物流費などのコスト増を受けた価格転嫁の動きが続き、粘着性の高いインフレ圧力として飲食料品の値上げに強い影響を及ぼしている。

足元では1ドル140円前後の水準まで円高が進み、2022年以降の値上げで主な要因となった小麦粉で値下げの動きもあるものの、プラ容器など包装資材を含めた「モノ由来」「サービス由来」双方の値上げ圧力が強く、今夏以降も価格改定による採算改善をめざす動きが各社で続くとみられる。

大嶋 喜子

「楽天市場」の母の日ギフト、日傘や美容家電など実用的な商品への関心高まる。健康に気をつかったグルメ・スイーツの需要も増加

1 year 3ヶ月 ago

楽天グループは「楽天市場」内に、特集ページ「母の日ギフト・プレゼント特集2025」を公開している。「楽天市場」では日傘、財布、バッグなどのファッションアイテム、美容家電、コスメなど花以外のギフトへの関心が高まっているという。

実用性の高いギフトへの注目が高まる

「楽天市場」において、2024年の「母の日」における「母の日 花以外」のキーワード検索数は前年同期比約1.6倍と増加(2023年5月8日~14日と2024年5月6日~12日における上記キーワードの検索数を比較)した。

特に実用性の高い母の日ギフトとしてインナーカテゴリーは人気が高く、2024年4月~5月の靴下の流通額は前年同期比約1.6倍に拡大。1000円~2000円台の日傘は、同期間の販売個数が約1.3倍に増加した(2023年3月1日~5月31日と2024年3月1日~5月31日において、商品名に「母の日」を含む日傘および靴下カテゴリーの売上額を比較)。

また、2025年直近の「母の日 美容」キーワードでの検索数は前年同期比約1.3倍に伸長しており、楽天グループは「2025年は美容関連商品をギフトとして選ぶユーザーが多くなる」と推察している(2024年3月1日~4月13日と2025年3月1日~4月131日における上記キーワードの検索数を比較)。

楽天市場 母の日2025 実用的なファッションアイテムの例
(画像は「楽天市場」からキャプチャ)
楽天市場 母の日2025 実用的なファッションアイテムの例
実用的なファッションアイテムの例(画像は「楽天市場」からキャプチャ)
楽天市場 母の日2025 美容アイテムの例
(画像は「楽天市場」からキャプチャ)
楽天市場 母の日2025 美容アイテムの例
美容アイテムの例(画像は「楽天市場」からキャプチャ)

定番のカーネーションでは人気の色に変化が

「母の日」向けギフトの定番のカーネーションは、赤、ピンクなどの暖色系に加え、直近では青、紫などもランキング上位に入るなど、人気の色に変化が生じているという。

また、「楽天市場」では、バラ、カスミソウなどカーネーション以外の花も特集ページで紹介。直近では、ラッピングにカラフルなペーパー、チュールなどを使用しボリューム感がある「韓国風ラッピング」を施したブーケなども登場しているという。

楽天市場 母の日2025 定番カーネーションの例
定番カーネーションの例(画像は「楽天市場」からキャプチャ)
楽天市場 母の日2025 カーネーション以外の花の例
カーネーション以外の花の例(画像は「楽天市場」からキャプチャ)
楽天市場 母の日2025 「韓国風ブーケ」の例
「韓国風ブーケ」の例(画像は「楽天市場」からキャプチャ)

「母の日 健康食品」の検索数が約2.3倍に

2024年の「母の日 健康食品」のキーワードでの検索数が約2.3倍まで伸長しており、健康に気をつかったグルメ・スイーツの需要が高まると予測した(2023年5月8日~5月14日と2024年5月6日~5月12日における上記キーワードの検索数を比較)。

楽天市場 新生活フェア2025 フェーズフリーな商品の例
フードギフトの例(画像は「楽天市場」からキャプチャ)
藤田遥

花王が公式オンラインショップ「My Kao Mall」にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン 「ZETA VOICE」を導入

1 year 3ヶ月 ago

花王は、公式オンラインショップ「My Kao Mall」にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を導入した。

5つ星評価の表示、商品を購入したユーザーの情報表示でCX向上につなげる

花王はデジタルプラットフォーム「My Kao」を運営。「知る」「体験する」「買う」「創る」の4つの機能でユーザー1人ひとりの「Kirei-Life(キレイライフ)」を共創することを目的とし、One-IDでユーザーとつながり理解を深めることで、さまざまなUX(顧客体験)の提供に取り組んでいる。

「買う」機能については「My Kao Mall」を通じて、安心・安全・便利な買い物ができるサービスを提供している。

花王 公式オンラインショップ「My Kao Mall」
花王の公式オンラインショップ「My Kao Mall」(画像はサイトからキャプチャ)

先行導入しているレコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」との連携で、「検索結果ページ」「人気ランキング」で表示する商品情報に5つ星評価を追加した。商品の評価を視覚的にわかりやすくすることで、サイトの利便性向上につなげるという。

花王 公式オンラインショップ「My Kao Mall」 検索・レコメンド×レビューの連携でUX向上につなげる
検索・レコメンド×レビューの連携でUX向上につなげる

商品を購入したユーザーの年代、レビュー、5つ星評価といった情報を商品詳細ページに一覧で表示するようにした。ユーザーが購買判断をしやすくなるよう、客観的な評価を参考にできるようにすることで、CX向上をめざす。

花王 公式オンラインショップ「My Kao Mall」 レビュー表示で購買プロセスをサポートしCX向上をめざす
レビュー表示で購買プロセスをサポートしCX向上をめざす

「ZETA VOICE」とは

サイト内にレビューコンテンツを実装できるサービス。ユーザーのレビューを複数の評価軸で収集し、さまざまなUIで表示する仕組みを簡単に導入することができる。

ZETA VOICE 基本機能
「ZETA VOICE」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

シルバーエッグ、AIレコメンド「アイジェント・レコメンダー」をハートコアにOEM提供

1 year 3ヶ月 ago

AIレコメンドツール「アイジェント・レコメンダー」を提供するシルバーエッグ・テクノロジーは4月28日、DX支援などを手がけるハートコアと業務提携契約を締結したと発表した。

ハートコアは、DXを支援するソフトウェアやコンサルティングを提供する企業。主力製品であるHeartCore CMS、RPAの開発、保守、メンテナンスやタスクマイニングなどを提供している。

業務提携により、シルバーエッグは「アイジェント・レコメンダー」をハートコアにOEM提供。高度なリアルタイム・レコメンド技と、CMSプラットフォームを融合させることで、顧客体験の向上とコンバージョン最大化に貢献する新たな価値創造をめざすとしているす。

コンバージョン向上を支援するレコメンド機能「アイジェント・レコメンダー」をHeartCore CMSに搭載する。シルバーエッグは、ユーザーの行動情報を学習してニーズを予測するAI搭載リアルタイム・レコメンドサービスの提供を予定しているとし、パーソナライズされたコンテンツをリアルタイム提供し、コンバージョン率向上と顧客体験の最適化をめざす。

今後は両社の知見・技術を融合し、新たな顧客体験の創造に向けたビジネスの共同開発、価値の提供に取り組み、サービス内容や提供方法、ユーザーサポート体制の具体化に向け協議を進めていくとしている。

鳥栖 剛

グーグル、現状のままクッキー維持へ方針転換

1 year 3ヶ月 ago

グーグルは「Chrome」のサードパーティークッキーを廃止せず、ウェブの閲覧に適用される設定を利用者が選択できるようにすると、2024年7月に計画を変更していた。それを受け、サードパーティークッキーの応否を選択するプロンプトが展開されるとみられていたが、ここへきてグーグルはその計画も撤回した。サードパーティークッキーの選択プロンプトは展開せず、現在のアプローチを継続する。利用者は引き続き、「Chrome」の設定画面から最適なオプションを選択できる。

Next steps for Privacy Sandbox and tracking protections in Chrome
https://privacysandbox.com/news/privacy-sandbox-next-steps/
Chromeのプライバシーサンドボックスとトラッキング保護:今後のステップ
https://blog.google/intl/ja-jp/company-news/technology/privacy-sandbox-next-steps/

noreply@blogger.com (Kenji)

ecbeingがSBSグループと業務提携、メーカーの通販事業を包括支援

1 year 3ヶ月 ago

EC構築プラットフォーム「ecbeing」を提供するecbeingは4月28日、総合物流企業グループSBSグループの持ち株会社SBSホールディングスと、同グループで運営代行・フルフィルメントをワンストップで提供するマーケティングパートナーと業務提携を締結したと発表した。

業務提携の目的は、統合的なフルフィルメントや高度なデジタルマーケティングの実施。メーカーのEC・通販事業を次のステージへと押し上げるための総合的な支援体制を構築するとしている。業務提携を通じて次の取り組みを実現していくという。

  • ECと既存通販チャネルの統合支援
    • ECと従来の販売チャネルを円滑に融合し、統合したオムニチャネル戦略の立ち上げから運用まで総合的にサポートする。
  • 「ecbeing」の技術力とノウハウの活用
    • EC構築プラットフォーム「ecbeing」の技術力と、デジタルマーケティングのノウハウを活用し、メーカーの通販事業を支援する。
  • フルフィルメントの強化
    • マーケティングパートナー社の豊富なバックヤード業務やフルフィルメントのノウハウを生かし、メーカーが直面する物流や運営課題の解決を支援する。
  • デジタル人材の育成
    • 業界の未来を支えるデジタル人材の育成を推進し、継続的な成長を支える仕組みを構築する。

SBSグループの連結売上高は4481億円

SBSホールディングスは、総合物流企業グループであるSBSグループの持ち株会社。東証プライム市場に上場し、2024年12月期のグループ連結売上高は4481億円。1987年の創業以来、物流ならびに物流に付帯するサービスを充実させ、ワンストップの物流サービスを提供している。

グループ内には、食品から超重量物までさまざまな商品を扱う企業群、路線、区域、即日配送まで多様な配送形態に応える企業群、物流施設開発、環境物流などの専門的な企業群を有する。各専門業界のBtoB物流で培ったノウハウと、大規模拠点開発・運用能力、テクノロジーへの投資と研究開発力、自社ラストワンマイル網の構築を資源とし、2023年にEC運用プラットフォーム「EC物流お任せくん」をリリースした。

マーケティングパートナー社は、EC支援と自社EC運営がメイン業務。EC物流の運用構築からカスタマーサポートや商品登録など、日々のサイト運用業務までをカバーする。食品・アパレル・医薬品・医療機器など多種多様な品目のEC支援経験があり、業界ごとの必要業務や関連法などを踏まえたスムーズなサポートを実現している。要望にあわせた柔軟なカスタマイズメニューをもとに、スタートアップから大規模荷主までフルフィルメント戦略の実現や改善を支援する。

鳥栖 剛

「AIを推す」のではなく「AIの推し」になれるように。SEOとLLMOの間とこれから【ネッ担まとめ】 | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

1 year 3ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2025年3月29日~4月25日のニュース

新年度になり、登壇依頼をいただくことも増えているのですが、そのなかで「LLMO(Large Language Model Optimization)について講演してほしい」「Googleの『AI MODE』が国内で導入された時のことを想定しておきたい」などのお話があり、いよいよAIは不可避であることを痛感している日々です。生成AIによる業務効率化や品質向上を実感している人も増えていると思いますが、私の業務域では「SEOからLLMOに変わるかどうか」の狭間に立っていることをひしひしと感じるようになってきました。「SEOとLLMO」なのか「SEOからLLMO」なのか。いずれにせよ、EC業界でも情報を取得するに越したことはないですね。

AI時代でも信頼とブランド力は大切

SEOは終わらない!AI時代における“信頼”と“ブランド”の力(アレイダ・ソリス氏にブランド強化についてインタビュー) | ミエルカチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=REqCR7weB-U

ブランドは要するに「エンティティ」という意味合いです。企業でも、商品でも、人でもいいのですが、私たちが認識していて、親しみがあって、信頼できて何かしらメリットがあると感じられるものです(00:39)

Googleとしても「これは信頼できる」と判断するための非常に分かりやすい手がかりのひとつとなっているのです(02:33)

最終的に私たちはすでに信頼していたり親しみのあるブランドを選ぶという、ある意味当然の行動を取ってしまいます(03:28)

Faber Company 鈴木謙一氏とSEOコンサルタントのアレイダ・ソリス氏の対談。今後のSEOについて、有識者の貴重な見解を聞ける大変有益な動画です。そのなかから、アレイダさんの印象的な発言をピックアップしました。

読み方がわからない未知のブランド、出自が怪しい商品もECモールに出品されるなかで、「知っている」「見たことがある」「友達が使っている」などの情報は確かに安心感につながりますよね。

自社がそうなることは「AI Overview」や生成AIのリサーチで引用される際にもCTRに影響しそうですし、指名検索を獲得できるブランドになることがますます重要になることは想像に難くありません。

角度を変えれば、影響力のあるYouTuberやインフルエンサーとコラボして接触頻度を高めることも一つの手かもしれません。

ブランドというのは、自然な流れの中で育まれていくものだと私は思っています(07:39)

大切なのは、正直に、そして自分の言葉で情報を発信することだと思っています。AIが生成したような中身の伴わない投稿ではなく、自身の経験をそのまま伝えることが最も効果的です(08:12)

かつては「アルファブロガー」という言葉もよく使われていましたが、そういった人たちもブログ黎明期から発信を積み重ねてきたからこそではないかなと思います。

私は「さこっち」というニックネームをSNSでも使い、実際にその名で呼んでもらえることが多いです。現在「さこっち」で検索すると、私のサイトやXのアカウントが上位に表示されると思います。創業当初は他の「さこっち」さんが上位にいましたし、Xには「さこっち」をハンドルネームに使用しているアカウントが200以上あったことを確認しています。

創業当初「SEOをしているのに『さこっち』で出てこないじゃないか」と言われ、悔しさと共に「SEOを主業とする上でそれは良くない」と感じて、積み重ねてきた結果ではないかと感じます。

今では「さこっち」は私の代名詞となり、Googleも「『さこっち』といえば酒匂雄二」となっているのかなと思うと、アレイダさんのお話もごもっともですね。

AI時代でもその知識やスキルの多くがそのまま有効であると実感しているからです(13:40)

SEOからLLMOに変わるのか、並び立つのか、それともどちらかがもう一方に包含されていくのかは現時点ではわかりません。けれど両者は背反するものではなく、これまでのSEOという幹にLLMOという枝葉がついて、それらが一体となって大樹になるのではないか――そんな気がしています。

SEOとLLMOは別物ではなく、真摯にSEOに取り組んでいる人はLLMOにも自然と対応していけるのではないかと考えています。

Googleには通用しないものの、一部で「ChatGPT search」を欺く手法などもリークされていますが、そうした裏技はすぐに淘汰されていくでしょう。それでも、ブラックハット的な手法が次々生まれるイタチごっこは、これまでのSEOと似たような状況になることも想像に難くありません。

だからこそ「SEOに加えLLMOを実践していく」というよりは、ユーザーの課題、悩み、疑問、探し物に対して自社の答えを用意しておく、親切で丁寧なSEOを心がけていけばいいのではないか。現時点ではそう捉えています。

「生成AIが便利、手放せない」と推すのではなく、価値ある独自性の高いサイトをユーザーのために制作し、運営に労力を割くことで、みなさんのサイトがAIの推しになれるよう努めていくべきなのかもしれませんね。

要チェック記事

マーケティング関連

老舗鮮魚店の「売り物にならない魚」詰め合わせ、発売1時間で完売…「見て楽しい」「標本に」 | 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250409-OYT1T50003/

"変わった魚、入荷しました" "Xに投稿、4分で買い手"

餌や廃棄していた魚が2500円の商品に。それ自体が収益源とは言えないまでも、SNSで話題になり言及数が増えて指名検索につながる。そうして本来の主力商品への呼び水となる。店頭の実演販売やワゴンセールのようなことをWebに置き換えてみると面白いですよね。

同姓同名261人、タナカヒロカズついに会社化 何売るの? | 日経MJ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC112ES0R10C25A3000000/

私のクライアントにはアニメキャラと同姓同名の人がいて、スタッフ紹介ページのアクセスが急増したこともありましたが、

"同じようなのが集まってちょこちょこやっている、ミニオンズみたいなものです"

有名製菓メーカー、印刷所、農家、さまざまな同姓同名の人が集まってできた会社の活動、おもしろいですね。これも1つの指名検索によるブランディングなのかも?

同姓同名の有名人とは別に、自分の人物のエンティティをどう認識させる? | Web担当者フォーラム
https://webtan.impress.co.jp/e/2025/04/10/48966

"自分のほかに同姓同名の有名な人物がいる場合も、Googleはそれぞれ別のエンティティとして識別できます"

上記の記事とあわせて。どこで何をしている誰なのかをしっかり発信していくことで、同姓同名でも識別させることは可能ということ。昔、学校で習った「5W1H」がSEOに生きる日がくるとは……。私も「さこっちオブさこっちインジャパン」をめざします。

SEO、検索関連

【コラム】SEOの辻正浩さんにインタビューしたらその使命感に圧倒された | アナリティクスアソシエーション
https://a2i.jp/column/post-38415/

SEO界隈ではその名を知らぬ人はいないであろう、辻正浩氏。

"「検索」という人々の活動は決してなくなりません。SEOは、そうしたプラットフォームやデータベースに適切な情報を反映することです。そう考えれば、検索もSEOも、百年続くと思っています。
一方で、中途半端な今のSEOは無くなっていくでしょう。特に 質を軽視したコンテンツマーケティングはもう無くなります。"

検索もSEOはなくならず、形を変える。そこを見据えたサイト運営を心がけなければいけないですね。

"本当に人々が求めている大切な情報や、不測の事態の速報は、AIでも簡単には置き換わりません。むしろAIが苦手なところだとさえ思っています。"

AIが普及していくからこそ、「AIができないこと」「人だからこそできること」にフォーカスするのも、冒頭のアレイダ・ソリス氏と近しい見解ではないかと思います。

“ゲーミングドメイン”「.esports」、Googleスタッフから「SEO効果はない」とあっさり斬られる。eスポーツチームにうってつけと宣伝してたのに | AUTOMATON
https://automaton-media.com/articles/newsjp/web3-domains-20250421-335883/

「.esports」トップレベルドメイン(TLD)を販売する者がSEO効果を謳い文句にした宣伝を行ったところ、Googleのジョン・ミューラー氏が「そんな効果はない」と断言。現在、元の宣伝投稿は削除されていますが、ジョン・ミューラー氏の指摘は確認することができます(https://bsky.app/profile/johnmu.com/post/3lmtdhn36b22o)。

"このようなTLD ではSEOにプラスの効果はありません"

以前に比べると減りましたが、時々「そのドメインではSEOに不利なので乗り換えを勧める」という営業を受けたという話を聞くことや、商材名やサービスを冠した「shouzainonamae.com」のようなドメインのSEO効果を謳う動画にも出会うことがあります。

読みやすいドメイン、覚えやすいドメインはユーザーにとって親切ですし、ブランディングの観点では大切ですが、SEO効果はないことを改めて認識しておきたいですね。

海外カンファレンス参加レポート 2025年春brightonSEOのセッションとイベントまとめ | アユダンテ
https://ayudante.jp/column/2025-04-21/13-00/#a02

英国・ブライトンで定期開催されている世界最大級のSEOカンファレンスに参加したコガン・ポリーナ氏のレポート記事。非常に有用な情報をまとめてくれています。そのなかの1つとして、

"偽著者プロフィールやフェイクの口コミを用意する文字通りE-E-A-Tの偽装の話だったので、ショックで頭が真っ白になりました(笑)"

「E-E-A-T」も広く知られることになり、「『E-E-A-T』施策」みたいな言葉を見聞きすることも増えました。

「『LinkedIn』がSEOに強い」みたいな話から生成AIでプロフィール画像を作成、権威がある風の人物を仕立て上げ、コンテンツの著者・監修者にしているといった話も聞くことがあるのですが、こうした偽装工作が通じるものではないですよね。

今、みなさんにお伝えしたいこと

ChatGPTに対する「ありがとう」や「お願いします」といった礼儀正しい言葉が数十億円分の電力消費につながっているとOpenAIのサム・アルトマンCEOが発言 | Gigazine
https://gigazine.net/news/20250421-politeness-could-be-costly-ai/

OpenAIのサム・アルトマンCEOがXで発言した内容が話題になっています。口調から冗談のようだとも言われていますが、

"2024年後半に発表されたある調査では、アメリカ人回答者の67%がチャットAIに対して礼儀正しく接していると回答しています。礼儀正しく接していると回答した人のうち、55%が「それが正しいことだから」と回答し、12%は「AIの反乱に備えてアルゴリズムをなだめるために礼儀正しく接している」と回答"

それだけたくさんの「ChatGPT」ユーザーが「ありがとう」と打ち込んでいれば、大量の電力を消費するのは、あながち間違っていないのかもしれません。

そのなかで「AIの反乱に備えて」というのはSF映画のようですが、私の周りでもAIにお礼の言葉を投げかけている人は圧倒的に多いと感じます。かくいう私もその一人。

一方で、AIと会話をすることが増えたからではないかもしれませんが、最近、改めて人と人での礼節の大切さを再認識することも。「こんにちは」「ありがとう」「ごめんね」といったシンプルな言葉をかけるだけで円滑に進むはずのコミュニケーションが、「伝わるだろう」「俺は悪くない」といった思い込みで軋轢(あつれき)を生むシーンに度々遭遇しています。ふと立ち止まり、人に対する敬意などの思いが不足していないか省みたいですね。

AI=あい=愛。私たちの国の言葉の始まり2つで表されるかたち。AIに触れる機会が増すことで、人への愛を失わないようにしていきたいものです。

それではまた次回! 酒匂(さこっち)の「ネッ担ニュースまとめ」をよろしくお願いいたします。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

酒匂 雄二

エアークローゼット、新品アイテムの購入が可能に。レンタルサービス「airCloset」に機能追加

1 year 3ヶ月 ago

エアークローゼットは、月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」に新品アイテムの購入機能を追加した。利用者はレンタルサービスを通して実際に洋服を着用した上で、新品アイテムを購入できる。

「airCloset」では従前から、利用者がレンタルで実際に着用しながら、気に入った洋服を購入できるサービスを提供している。新機能は、利用者が現在レンタルしている商品だけでなく、過去にレンタルした商品も新品を購入できる仕様で、「気に入ったアイテムは新品でも購入したい」という顧客の声に応えて追加した。

「airCloset」の利用者が購入可能なアイテム
「airCloset」の利用者が購入可能なアイテム

「airCloset」の利用者はレンタルで洋服を試した後に購入できるため、衝動買いやサイズとデザインのミスマッチを防ぎ、必要かどうかを見極めた納得感のある買い物ができる。

新機能は、エアークローゼットが2023年にサービス提供を終了した提案型ファッションEC「airCloset Fitting」で提供していた「気に入った洋服の新品を購入する」という体験を、「airCloset」の新機能の追加で引き継いだ形。レンタルで洋服との出会いを創出し、気に入ったアイテムを新品で購入することで、1着の洋服をより長く大切に楽しめる体験を提供する。

2025年6月期売上高は48億円超を見込む

エアークローゼットの2024年6月期連結業績は、売上高が42億1600万円(前期比12.7%増)だった。営業損失は3500万円(前期は1億8800万円の損失)。

2025年6月期の連結業績は、売上高は前期比14.3%増の48億1800万円、営業利益は3200万円を計画している。

エアークローゼットの2024年6月期実績と2025年6月期の計画。「mall事業」は、商品を自宅でレンタル利用してから購入できるメーカー公認の月額制レンタルサービス「airCloset Mall(エアクロモール)」(画像はエアークローゼットのIR資料から追加)
エアークローゼットの2024年6月期実績と2025年6月期の計画。「mall事業」は、商品を自宅でレンタル利用してから購入できるメーカー公認の月額制レンタルサービス「airCloset Mall(エアクロモール)」(画像はエアークローゼットのIR資料から追加)

エアークローゼットのサステナブルの取り組み

エアークローゼットは洋服のサステナビリティ・循環型のサイクルを意味するサーキュラーファッションを推進している。

通常のアパレル商品の販売モデルである「すべての衣服をユーザーが保有し、使用後は可燃ごみとして廃棄する」フローと、「airCloset」で衣服のレンタル(シェアリング)を行う」フローを比較したところ、「airCloset」ではこれまでにCO2排出削減19%と廃棄物排出抑制27%の効果が推計されている。

現在はシェアリングモデルのファッションレンタルサービスの運営に加えて、レンタル提供を終了した洋服を販売する「エコセール」、アパレル販売員が制服として利用した商品を再活用する「アパレル販売員向け衣服シェアリング」などを運営している。自社で取り扱うすべての洋服は、焼却・埋め立て処分しない、衣服の廃棄ゼロを推進している。

エアークローゼットが実施しているサステナブルな取り組み
エアークローゼットが実施しているサステナブルな取り組み
大嶋 喜子

アダストリア、原宿に広さ230坪の「and ST」旗艦店を開店。他社との協業プロモーション+インバウンド顧客拡大をめざす

1 year 3ヶ月 ago

アダストリアは4月24日、ECモール「and ST(アンドエスティ)」の旗艦店「and ST TOKYO(アンドエスティ トーキョー)」を、東京・原宿に開店した。

自社ブランドの販売に加えて、アルビオンが運営する「PAUL&JOE」など他社ブランドの取り扱い、「サンリオキャラクターズ x and ST」などアダストリアブランドとIPのコラボレーション、飲食コーナーなどを展開。他社との協業プロモーションも推進する。

アダストリア 「and ST(アンドエスティ)」の旗艦店「and ST TOKYO(アンドエスティ トーキョー)」 原宿に開店した「and ST TOKYO」の外観
原宿に開店した「and ST TOKYO」の外観

「and ST TOKYO」は、他社と協業しながらメディアとモールの機能も併せ持つストアをめざしている。店舗面積は約760平方メートル、取扱SKUは2000種類超。若年層とインバウンドが顧客ターゲットで、年間集客目標は100万人を掲げている。

開店初期のインバウンド客の比率は来店客全体の50%を見込む。多言語対応のスタッフを配置し、インバウンド顧客の拡大を図る。

アダストリア 「and ST(アンドエスティ)」の旗艦店「and ST TOKYO(アンドエスティ トーキョー)」
他社との協業エリアの詳細。コンテンツは2週間から1か月の期間で入れ替える

店舗ではポップアップ、デジタルサイネージ、店頭サンプリング、店内放送などを実施し、「and ST TOKYO」そのものが情報発信メディアとして機能するという。

アダストリア 「and ST(アンドエスティ)」の旗艦店「and ST TOKYO(アンドエスティ トーキョー)」
「and ST TOKYO」の店内の一部。アダストリアの人気ブランド、他社ブランド、IPとのコラボレーションなど幅広く展開する

アダストリアは2025年9月1日にホールディングス体制への移行を予定している。グループ会社の1つであるアンドエスティの小林千晃取締役CBO(アダストリア執行役員ビジネスプロデュース本部長)は、メディア向けの「and ST TOKYO オープニング発表会・内覧会」で次のように展望を説明した。

「and ST」のリアル店舗ができたことで、ECとリアル店舗の連携でエンゲージメント向上が見込める。また、「and ST」ではスタッフが作る企画も成果を上げている。企画の発表の場としても「and ST TOKYO」を活用していく。さらに、インバウンド顧客獲得の観点でも「and ST TOKYO」から拡大させていきたい。

アダストリア 「and ST(アンドエスティ)」の旗艦店「and ST TOKYO(アンドエスティ トーキョー)」 アンドエスティの小林千晃取締役CBO
アンドエスティの小林千晃取締役CBO

また、アダストリアの木村治代表取締役社長CEOは「事業構造の変革は5回目のチャレンジ。持株会社体制への移行により、各社がこれまで以上にスピード感を持って事業運営できる体制にする。原宿での旗艦店の開店は、5回目のチェンジの軸となる」と説明した。

アダストリア 「and ST(アンドエスティ)」の旗艦店「and ST TOKYO(アンドエスティ トーキョー)」 アダストリアの 木村治 代表取締役社長CEO
アダストリアの木村治代表取締役社長CEO
アダストリア 「and ST(アンドエスティ)」の旗艦店「and ST TOKYO(アンドエスティ トーキョー)」 アダストリアの事業改革の変遷
アダストリアの事業改革の変遷

「and ST」では、2022年から他企業向けのオープン化と他社ブランド製品の取り扱いを本格化。現在の出店は33ブランドとなっている(2025年4月23日時点)。IPコラボ商品の販売やポイント連携などを活用した新規顧客獲得が進み、会員数は2000万人超。

アダストリア 「and ST(アンドエスティ)」の旗艦店「and ST TOKYO(アンドエスティ トーキョー)」
「and ST」では、スタッフによるスタイリングサービス「STAFF BOARD」、ライブショッピングなどさまざまなコンテンツを展開。「STAFF BOARD」は台湾のEC市場でも展開しており、成果を上げている

店舗概要

  • 店名:and ST TOKYO
  • 住所:東京都渋谷区神宮前1丁目14番30号 WITH HARAJUKU 1F
  • 営業時間:平日11:00~21:00/土日祝:10:00~21:00
大嶋 喜子
高野 真維

コンタクトEC大手のパレンテ、OMO型実店舗コンタクトレンズショップ「レンズアップル新宿」を開設

1 year 3ヶ月 ago

コンタクトレンズECサイト「レンズアップル」を運営するパレンテは4月26日、ECサイトとリアル店舗が融合したOMO型店舗「レンズアップル新宿」をオープンした。

「レンズアップル新宿」は、ECサイトで購入した商品を店舗で受け取ることができるほか、店舗で購入したコンタクトレンズをその後はオンラインで簡単に再購入できるようにしている。

「レンズアップル新宿」はコンタクトレンズ購入時の待ち時間を解消するため、モバイルオーダーサービスを導入。ユーザーはレンズアップルのECサイトで事前注文をするだけで、来店後すぐに商品を受け取ることができる。

コンタクトレンズと度数がわかれば、スムーズに購入でき、会員登録後は会員証を提示するだけで簡単に購入できる。返品・交換手続きも店頭で対応する。

そのほか、店舗ではコンタクトレンズの無料試着サービスも展開。試着チケットを定期配布し、クリアコンタクトレンズ、カラーコンタクトレンズを問わず、多数のコンタクトレンズを自由に試着できる。

パレンテの2024年6月期売上高は328億円

パレンテは1977年設立、千葉に本社を置く企業。資本金は1000万円。事業内容はECフルフィルメント事業、コンタクトレンズ小売事業(店舗販売・インターネット通販)。求人情報サイトによると2024年6月期の売上高は328億円、従業員数は216人(2025年現在)。

2002年からコンタクトレンズ販売を開始し、「安心・安全・スピード配送」をモットーに国内正規品のコンタクトレンズを取り扱う。EC事業は2008年から本格参入し、現在は自社ECサイトのほか、「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」などに出店。2024年12月には延べ注文件数4500万件に達しているという。「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」で4年連続受賞など、複数のEC関連のアワードの受賞歴がある。2013年から自社製品のコンタクトレンズ「WAVEワンデー」を販売。物流拠点を仙台、千葉、名古屋、岡山の4拠点に構える。

鳥栖 剛

ニッセンがスムーズでストレスのないログイン体験を実現。「パスキー」によるパスワードレス認証を導入

1 year 3ヶ月 ago

ニッセンはこのほど、公式アプリやECサイトへのログインに、生体認証によるパスワードレス認証を導入した。顔認証や指紋認証でのログインを実現している。

ニッセンがスムーズでストレスのないログイン体験を実現。「パスキー」によるパスワードレス認証を導入
ログイン時の離脱抑止も目的に生体認証を導入(画像はニッセンHPから編集部がキャプチャ)

ニッセンの生体認証はCapyが提供する「生体認証ソリューション(パスキー)」の導入で実現した。BIPROGYのECオムニチャネル事業をオールインワンで実現するSaaS「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER(オムニベース フォー デジタラトリエ)」のオプション機能として導入された。

ID・パスワード方式は、ユーザーのパスワード忘れや入力の手間からログイン時点での離脱が発生、ビジネス機会の損失につながるといったケースがある。これは多くのECサイト運営での課題にあがっている。

ニッセンでも課題となっていたため、スムーズでストレスのないログイン体験を実現するために「パスキー」によるパスワードレス認証の導入を決定したという。導入は2023年12月に本格開発をスタートし、数か月で導入を実現した。

今回導入したパスキーの特長は次の通り。

パスワードレス認証

従来のパスワード入力を不要とし、スマートフォンの生体認証機能(指紋・顔認証)を活用。

セキュリティ向上

フィッシング詐欺や不正アクセスのリスクを大幅に低減。

ユーザビリティ向上

ワンタップで迅速にログインでき、ストレスのない利用体験を提供。

FIDO規格準拠

国際認証標準に適合し、広範なデバイスでの利用が可能。

鳥栖 剛

Googleが品質ガイドラインを改定─AI生成コンテンツは“見抜かれ”、評価される

1 year 3ヶ月 ago

この記事は、2025年 4月 9日に Search Engine Land で公開された Danny Goodwin氏の 「Google quality raters now assess whether content is AI-generated」 を翻訳したものです。

Googleは最新の検索品質評価ガイドラインにおいて、AIなどの自動生成ツールによって作成されたコンテンツに対し、最低評価を付ける可能性があることを明確にしました。

この変更は、Googleのシニア検索アナリストであり検索リレーションズチームを率いるジョン・ミューラー氏が、マドリードで開催された「Search Central Live」で明かしたものです。同氏によれば、Googleは品質評価者に対し、メインコンテンツが自動化された手段、または生成AIツールによって作られているページを特定し、それらを「最低品質」と評価するよう求めているとのことです。
この方針は、Aleyda Solis氏が2025年1月の品質評価ガイドライン更新に関する情報をLinkedInで共有したことで、業界に広まりました。以下に、今回のガイドライン改定で注目すべきポイントをまとめます。

25/04/09 LinkedInでAleyda Solis が共有した情報

🚨 Google is now asking quality raters to assess if the main content of a page is auto or AI generated, and if so, is lowest rated 👀 John Mueller at Search Central Live Madrid

Aleyda Solís

この変更は、2025年1月の検索品質評価ガイドラインの更新の一部です。この更新で他に何か見逃した方のために、最新バージョンの最も重要な変更点を以下にまとめました。

1 : 1. Googleが新たな定義「Generative AI」を導入

今回のガイドラインでは、Googleが初めて「Generative AI(生成AI)」という用語を正式に導入し、その定義と位置づけを明示しました。生成AIとは、機械学習モデルの一種であり、与えられたデータサンプルから学習し、新たなテキスト、画像、音楽、コードなどを生成する技術です。
Googleは生成AIを「有用なツール」であるとしながらも、その使用には注意が必要であり、悪用される可能性があることも指摘しています。この定義は、ガイドラインの「セクション2.1(重要な定義)」に追加されました。

2 : スパムの定義を再編──AIによるスケール型コンテンツへの警鐘

Googleは、検索品質評価ガイドラインにおけるスパムページの定義を大幅に見直しました。

以前の「セクション4.6.3(自動生成されたメインコンテンツ)」は削除され、新たに複数のサブセクションが追加されました。これらは、生成AIなどによるスケール型コンテンツの氾濫や、労力をかけずに大量生産されたコンテンツに焦点を当てています。

2025年版ガイドラインは、昨年発表されたGoogleの検索品質方針の大きな見直しに合わせて調整されたものであり、AI生成コンテンツのリスクにも具体的に踏み込んでいます。

各セクションの主なポイント

セクション4.6.3:期限切れドメインの悪用

→ 過去に使用されていたドメインを再取得し、ユーザーにとって価値の乏しいコンテンツを掲載することで、新たな所有者の利益を目的とする行為。

セクション4.6.4:サイトレピュテーションの濫用

→ サードパーティのコンテンツが、ホストサイトが保有するランキングシグナル(通常は独自コンテンツから獲得)を利用して公開されるケース。この手法は、単体では評価されにくいコンテンツに不当な順位を与えることを狙ったもの。

セクション4.6.5大規模コンテンツの濫用

→ 手作業による編集やキュレーションなしに、大量かつ低労力で生成されたコンテンツ。生成AIはこの種のコンテンツ生成で使われる典型的なツールとして挙げられています。

セクション4.6.6労力や独創性に乏しいメインコンテンツ

→ コピー、言い換え、埋め込み、自動生成、再投稿などにより、ほぼすべてのメインコンテンツが付加価値を持たない状態となっているページは、最低評価の対象とされます。コンテンツの出典が明示されていても、価値が伴わなければ評価は下がります。

セクション 4.6.6は、ジョン・ミューラー氏も、Search Central Liveの講演でこのセクションに特に言及し、次のように強調しています:
「ページ上のメインコンテンツ(テキスト、画像、音声、動画など)のすべて、あるいはほとんどが、ほとんどまたは全く労力をかけず、独創性も付加価値も伴わずにコピーや言い換えで作られている場合、そのページは“最低評価”とされるべきです。」

評価者はどのようにしてコンテンツが自動生成かAI生成かを正確に判断するのでしょうか?
自動生成されたかどうかを直接判定するための明確な基準は設けられていないものの、「言い換えられたコンテンツ」については新たに具体的なガイドラインが設けられました。

自動生成・言い換えコンテンツの評価基準も明文化

セクション4.6.6:生成AIコンテンツ

→ 自動化ツールを使って他のページのコンテンツを言い換えたり要約したりして生成されたコンテンツも、評価対象に。

セクション4.6.7:生成AIツールによる出力の特徴をもつコンテンツ

→ 言い換えられたコンテンツは識別が難しいが、以下のような特徴が見られることが多い:
〇一般的に知られた事実のみを含む。
〇 Wikipediaやその他の著名なサイトと内容が高く重複。
〇 ニュース記事や掲示板などを要約しただけで、独自性や価値がない。
〇「AI言語モデルとして」など、生成AIツールによる出力に見られる表現が含まれている。

3 : 「低評価」と「最低評価」の違いを明文化──再パッケージコンテンツの線引

新たに追加されたセクションでは、「最低評価」とまではいかないが、検索ユーザーの役に立たないと見なされる「低評価」コンテンツについて、評価者向けに具体的なガイドラインが示されています。

■「低」と「最低」の違い
・低評価:
一部のメインコンテンツ(MC)は再利用されているものの、キュレーションや改変に多少の手が加えられている。

・最低評価:
ほぼすべてのMCが、労力や独自性、付加価値が全くない状態でコピーや言い換えされている。

この定義により、単なる「転載」「要約」「装飾」では評価が下がることを明確にし、オリジナリティや価値を伴わないリパッケージコンテンツへの警鐘が鳴らされています。

■具体例として挙げられた「低評価」コンテンツ
・ソーシャルメディアでの追加コメントや議論がほとんどないリポスト

・埋め込み動画や「再ピン」画像など、他サイトのコンテンツを掲載しているが、作成者自身のコメントや編集が加えられていないページ

・他人のレビューを流用しただけの「ベスト○○リスト」など、独自の観点や情報がほとんどないまとめページ

Googleは、これらのコンテンツを「見かけはオリジナルでも、実質的に価値が伴っていない」と位置づけ、評価者には「質の高いユーザー体験を装った薄い内容」を見抜き、フラグを立てることを期待しています。

4 : 「フィラー」コンテンツの可視化──見た目だけの情報は“低評価”

「フィラー」コンテンツの可視化──見た目だけの情報は“低評価”
もうひとつの新セクションでは、ページの目的にほとんど寄与していないにもかかわらず、スペースを埋めてページを“それらしく”見せている「フィラーコンテンツ」についてのガイドラインが紹介されました。

■フィラーとは?
フィラーコンテンツとは、視覚的にはページを充実させているように見えても、ユーザーにとって価値が低く、閲覧体験を妨げる要素のこと。

フィラーコンテンツの対象例

・広告、汎用的な導入文、冗長な段落などのせいで、肝心の情報を埋もれさせているページ

・主要コンテンツから注意をそらすような、目立つ位置に配置されたフィラーコンテンツ

・スペースを稼ぐことで、実際よりもページが長く、内容が豊富に見えるようにしている希薄なページ

Googleは、こうしたフィラーによって「ユーザーが本当に求めている情報へのアクセスが妨げられている場合」、そのページを低評価とすべきとしています。

■評価者への指針
評価者は、単にコンテンツの有無だけでなく、ページ全体のレイアウトや情報設計が「ユーザーの目的達成をどれだけ助けているか」に注目するよう求められています。

5 : 「専門家風」に注意──誇張・ミスリード表現は「低評価」

Googleは、コンテンツ作成者やサイト自体に関する誇張された主張や誤解を招く記述にも、厳格な姿勢を示しています。

新設セクション 5.6

「ウェブサイトやコンテンツ作成者に関する欺瞞的な情報は、最低評価(Lowest rating)の強い理由になります。」
完全な虚偽とまでは言えないが、「やや誤解を招くような誇張表現」も低評価の対象とされます。
→専門的な資格を実際よりも大きく見せている
→個人の体験談を「専門家視点」と偽っている
→内容よりも“経歴推し”の構成になっている

これはつまり、評価者は主張をそのまま鵜呑みにせず、メインコンテンツが実際に示していることや外部調査の結果をもとに評価することが求められるという意味です。

「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の評価は、メインコンテンツ(MC)そのものや、評判調査で見つけた情報、検証可能な資格情報などに基づくべきであり、『私は専門家です!』というウェブサイトや作成者の主張だけで判断してはなりません。」

そして、評価者が「この資格や主張は実質的な内容というよりも、マーケティング的な誇張では?」と感じた場合には、文書にはこう明記されます。

「ウェブサイトやコンテンツ作成者に関する情報が誇張されていたり、やや誤解を招くものだと思われる場合には、Low評価を使用してください

その他の変更点:細部も厳格に整理

Googleは他にもいくつか小規模な変更を加えました。

・セクション4.0:最低品質のページ
Googleは以下の文を追加しました:「ウェブサイトの所有者の利益(例:収益化)を目的に作られ、訪問者の利益や有益な目的にほとんど、あるいはまったく配慮していないページには、最低評価(Lowest rating)が必要です。」

・セクション4.5.3:ページ目的の欺瞞
ページ目的の欺瞞、ウェブサイトに関する誤解を招く情報、欺瞞的なデザインGoogleはこのセクションを改訂し、より多くの情報を追加しました。
また、表形式と箇条書きのリストで例を示し、それぞれのケースをわかりやすく分類しています。

・Low Recipe 3:新しい評価タイプ
この新しい評価タイプは、以下のような広告が目立つレシピページに適用されます:

  • 関連性のないコンテンツが多く含まれている
  • インタースティシャル広告(画面に割り込む広告)が表示される
  • 広告が目立ちすぎている

    このようなページは「Low Recipe 3」として低評価されます。

・セクション0.4:広告ブロック拡張機能
評価者は以下の指示に従う必要があります。「評価作業のためにウェブページを閲覧する際は、ブラウザに搭載された広告ブロッカーの機能をオフにすること。」
この指示は、Chromeなど一部の広告を自動でブロックするブラウザにも適用されます。

seojapan

ラクーンフィナンシャルの企業間決済「Paid」、購入会員数が50万社突破

1 year 3ヶ月 ago

ラクーンフィナンシャルは4月22日、企業間決済サービス「Paid(ペイド)」の購入会員数が50万社を突破したと発表した。

「Paid」は、企業間取引における後払い決済で発生する与信管理や請求書の発行、代金回収などの請求業務を代行するフィンテックサービス。​2009年にBtoB決済サービス「SDペイメント」として提供を開始し、2011年に企業間決済「Paid」へとリニューアルした。​

近年の人手不足やデジタル化促進の流れを背景に、「Paid」はEC・実店舗を展開するWebサービス、卸・販売、アパレル・雑貨、家具、印刷通販など幅広い業種が導入している。導入企業の増加で、購入会員が「Paid」を利用する場も広がり50万社を突破した。

 

宮本和弥

自社ECサイトで「Amazon Pay」の決済でギフトカード還元の大規模キャンペーン

1 year 3ヶ月 ago

アマゾンジャパンは、Amazonのオンライン決済サービス「Amazon Pay」を導入している自社ECサイトでの買い物で「Amazonギフトカード」を還元する大規模キャンペーンを複数開催している。

実施中中の還元キャンペーンは次の通り。

  • Amazonギフトカード大還元祭
  • はじめてのAmazon Payでもれなく最大10%還元
  • 最大1.0%ギフトカード還元プログラム

そのほか、東映傘下のシネコンチェーン「T・ジョイ」を展開するティ・ジョイでは、Amazonのオンライン決済サービス「Amazon Pay」で決済すると、映画鑑賞券が抽選で当たるキャンペーンも実施している。

Amazonギフトカード大還元祭

キャンペーン対象となる「Amazon Pay」を導入している自社ECサイトでの買い物で、購入金額1000円以上の買い物を「Amazon Pay」で決済した際、購入回数1回あたり最大10万円分の「Amazonギフトカード」などが当たる。還元総額は2025万円。

自社ECサイトで「Amazon Pay」の決済でギフトカード還元の大規模キャンペーン
Amazonギフトカード大還元祭では最大10万円が当たる(画像はキャンペーンサイトから編集部がキャプチャ)

購入回数1回につき1〜5等が必ず当たる抽選を実施。1等では10万円分の「Amazonギフトカード」が当たる。5等は2025万円から1~4等の当選分を差し引いた全額を山分けした金額の「Amazonギフトカード」が当たり、当選金額は1〜99円としている。キャンペーン期間は4月10日(木)〜5月31日(土)。5月11日(日)~17日(土)の7日間は1等抽選確率が2倍になる。抽選に参加できるのは最大5回。1アカウントにつき付与上限額は合計で15万円。

はじめてのAmazon Payでもれなく最大10%還元

キャンペーン対象となる「Amazon Pay」導入のECサイトで、初めて「Amazon Pay」で決済した場合、購入金額の10%分(最大1000円分)を「Amazonギフトカード」で還元する。過去に「Amazon Pay」決済を利用したことがある場合でも、キャンペーン対象のECサイトで初めて「Amazon Pay」で決済する場合は、5%分(最大500円分)の「Amazonギフトカード」で還元する。キャンペーン期間は4月17日〜5月16日。

自社ECサイトで「Amazon Pay」の決済でギフトカード還元の大規模キャンペーン
初めての「Amazon Pay」決済利用で最大10%を還元する(画像はキャンペーンサイトから編集部がキャプチャ)

最大1.0%ギフトカード還元プログラム

キャンペーン対象となる「Amazon Pay」導入のECサイトで、「Amazonギフトカード」の残高を利用して「Amazon Pay」で決済した場合、プライム会員は購入金額の1%、通常会員は0.5%分を「Amazonギフトカード」で還元する。付与上限は設けられていない。キャンペーン終了は定められていない。

自社ECサイトで「Amazon Pay」の決済でギフトカード還元の大規模キャンペーン
「Amazonギフトカード」の残高を利用して「Amazon Pay」で決済すると最大1%還元する(画像はキャンペーンサイトから編集部がキャプチャ)

ティ・ジョイ×10周年 Amazon Pay GWキャンペーン

「ティ・ジョイ」系列劇場にて、オンラインチケット予約「KINEZO(キネゾー)」、スマートフォン専用アプリ「キネパス」から「Amazon Pay」を選択して座席を予約、決済して映画を鑑賞すると、抽選で500組1000人にデジタル鑑賞券・ペアの「ティ・ジョイ映画鑑賞コード」が当たる。対象は5月8日までの期間に鑑賞した作品。応募は5月11日まで。

自社ECサイトで「Amazon Pay」の決済でギフトカード還元の大規模キャンペーン
Amazon Pay決済で映画を見ると抽選で映画鑑賞券が当たる(画像はティ・ジョイのサイトから編集部がキャプチャ)
鳥栖 剛

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