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マイナンバーの漏えいには超きびし~い罰則規定があるのは知っていますか? | ネット通販のための5分でわかるマイナンバー対策

10 years 8ヶ月 ago
「個人情報保護法」よりも厳しいマイナンバーの罰則規定、通販・EC企業の経営者・担当者は把握しておくべし

個人のデザイナーや開発者、コンサルタントに業務を委託している通販・EC企業はマイナンバー対策が必須です(詳しくはこちらから)。そうした個人事業主とやり取りをする際、どこで、どんなときに収集したマイナンバーが漏えいするかわかりません。漏えいしたら企業も罰則を受ける可能性があるんです。今回はマイナンバー制度にはどんな罰則があるかを理解し、万が一のために危機管理体制を作るための方法論などを解説します。

マイナンバー違反は即時罰則、最高罰は懲役4年又は罰金200万円

今回施行されたマイナンバー制度は、罰則が強化されたという点が大きな特徴です。最も厳しい罰則は懲役4年または罰金200万円、またはその併科、かつ、両罰規定があり、さらに直罰(違法行為があった場合、行政指導や行政命令で自主的な改善を促すといった過程を経ずに、即時に罰則を適用することを定めた規定)もあります。

併科は懲役と罰金のどちらも科されることがあるというもので、両罰は罪を犯した本人だけでなく、属している企業にも罰金という刑罰が科される可能性があるというものです。

懲役の期間や罰金の金額の大きさ(4年とか200万円とか)が注目されているようですが、特に注意したい規定は直罰です。

よくありがちな制度では、違法行為があった場合、行政指導や行政命令が出され、それにも従わなかった場合にはじめて罰則を与えるというものです。しかし、このマイナンバー制度では、そういう過程を経ることが無く即時に適用できる「直罰」制度になっています。

直罰規定で近年成立した法令といえば2012年の「改正暴対法」。それ以前の暴力団排除条例では無かった直罰規定が、改正暴対法によってより強化となり直罰が盛り込まれたというものです。

2005年に施行された「個人情報保護法」では、まず主務大臣が是正勧告を行い、それに従わなかった場合に罰則を科す「間接罰」の形になっています。つまり、直罰規定はありませんでした。

しかし、今回のいわゆるマイナンバー法では、直罰が織り込まれています。このマイナンバー制度の成立に至る過程では、「直罰は厳しすぎる」「対象となる取り扱い者には民間の事業者もあるので間接罰がふさわしいのでは」といった議論があったと報道されています。マイナンバーは非常に機密レベルが高く、ひとたび漏えいしてしまった場合、間接罰では罰則を科すまでに時間がかかり過ぎてしまい、情報漏えいの流れをくい止めることが難しくなる、といった理由もあり直罰となったようです。

不正手段によるマイナンバー取得は懲役6か月または罰金50万円

「安心して下さい!」。過剰に神経質になる心配はありません。普通にちゃんと業務をこなしていれば、罰則規定に抵触することは基本的にないと思います。ただし、そのためには罰則の内容をちゃんと理解しておくことがとても重要です。

マイナンバー制度の罰則規定を整理しておきましょう。以下が事業者に関わる罰則規定です。

  1. マイナンバーを管理する者が正当な理由なく特定個人情報ファイルを提供した場合
    ⇒懲役4年以下、または200万円以下の罰金、または併科
  2. マイナンバーを管理する者が不正な利益を図る目的でマイナンバー等を提供または盗用した場合
    ⇒懲役3年以下、または150万円以下の罰金、または併科
  3. 人を欺き、あるいは、人に暴行、脅迫、窃盗、不正アクセス等によりマイナンバーを取得した場合
    ⇒懲役3年以下、または150万円以下の罰金
  4. 偽りやその他の不正手段によってマイナンバーを取得した場合
    ⇒懲役6ヶ月以下、または50万円以下の罰金
  5. 特定個人情報保護委員会から命令を受けた者が、委員会の命令に違反した場合
    ⇒懲役2年以下、または50万円以下の罰金
  6. 特定個人情報保護委員会に対する虚偽の報告、資料提出、または検査拒否等をした場合
    ⇒懲役1年以下、または50万円以下の罰金
  7. この他、国や自治体、情報提供ネットワークシステムに従事する者、および特定個人情報保護委員会の委員に対する罰則規定があります。

罰則を恐れないですむためにはまず社内教育

上記の通り、懲役あるいは罰金などの刑になるケースは、故意や悪意があったといった人が問題となる場合です。

うっかりミスの場合や過失が無い場合で、たとえ罰則規定に引っかからない場合であっても、特定個人情報ファイルを本来の目的以外で提供してはいけません。事故を起こしてしまえば、マスコミの格好の餌食になることは、第1回目の寄稿でも書いた通りです。

善意であり、正しい業務だと思い込んでマイナンバーを取得した場合でも、マイナンバーの目的外で取得した場合には、もしかするとマイナンバーを提出する側の相手からクレームの対象になることもあります。

ですから、まずは社員への教育が重要になります。

一般社員向けの教育の大原則は、

  • 他人のマイナンバーはなるべく見ない
  • 見ても忘れる
  • 写真は決して撮らない
  • メモはしない

自分や家族のマイナンバーを提供する時は、必ずその利用目的を確認し理解することが重要です。マイナンバーをツイッターやFacebookにアップしたりすることは、もってのほか。

夏に実施した当社のセミナーでは、「『俺んちにこんな番号が届いたぜー』といって自社の社員がツィッターにアップしてしまうと大変ですから、しっかりと教育しましょう」と言って笑いを取りましたが、現実にSNSへ投稿されたという事故が発生してしまいました。すぐに指導があり削除されています。ですので、こういった細かな点についても注意喚起が必要になります。

主に人事の担当者であるマイナンバーの取扱担当者に対する教育は、ここだけでは書ききれませんが、これまで人事情報という重要な個人情報を取扱ってきましたので、その延長線で考えることが重要になります。マイナンバーについての特別な取り扱いをあえて言うならば、この連載をしっかり読み込んでください。

内部プロセスの整備は超重要。危機管理の業務フロー構築は特にです

もう1つ重要な点が、社内の内部プロセスの整備です。それにより、不正を起こそうとさえ思わせない風土作りが期待できます。

プロセス整備とは、

  • 規程やルールの文書化
  • 業務フローによる安全で確実な運用
  • リスクやコントロールの明確化
  • 組織体制の整備
  • システムの構築など

具体的には次回以降の寄稿でも記しますが、例として、危機管理の業務フローを以下に記します。

危機管理の業務フローとは、情報漏えいなどの事故が発生した時に発動するフローです。できることならば、机上のプランだけで済ませ、全く発動しないでいて欲しいフローですが。しかし、前もって議論し、いざという時に正しく機能できるように体制を整えておくことは重要です。起きては困るけど、毎年、避難訓練を実施するのと似ています。

危機管理の業務フローを考える場合、最悪のシナリオを想定してそのフローを構築しなければなりません。その上でいくつかの場面で判断が入ります。真っ先に判断しなければならないのが、その事故は、盗難または故意による情報流出といった事件性の高い案件なのか、それとも、書類の紛失であって事件性が低い事故であるのか、の判断です。

前者のように事件性が高い場合は、直ちに対策委員会を招集して、原因の究明、影響範囲の見極め、しかるべき機関(特定個人情報保護委員会および主務大臣)への報告、そして、被害拡大防止策と再発防止策を検討し、公表しなければなりません。

マイナンバーの漏えいには超~厳しい罰則規定があるのはご存知?①
インタセクトが提供しているマイナンバー業務フローテンプレートの「危機管理フロー」

業務委託しているから大丈夫、では済まされません

罰則には過剰に神経質になる必要はありませんが、過信は禁物です。

「自社は大丈夫」と思っている経営者も多いと思いますが、その1つの要因となっているのが業務委託でしょう。士業の方やBPO企業にアウトソースしているから大丈夫、というのがその理由です。

専門家である士業の方も、士業の方が集まる協会や団体等では頻繁にマイナンバーの勉強会が開催されていたり、より明示的に安全性を示せるようにプライバシーマークを取得しているという話はよく聞きます。

BPOの受託企業も顧客からより高い信頼を得るために最前線のアルバイトに至るまでちゃんと教育していると思います。ということが、安全であり、大丈夫だと思う根拠になっています。しかし、実際に発注しているBPO企業や士業の方が本当に大丈夫なのかは正しく評価する必要があります。

万が一、漏えい事故が起きた場合でも、委託元の自分たちは責任が無く大丈夫、と思っているとすればそれは大きな間違いです。

委託する場合、委託先で適切な安全管理措置が講じられるよう、委託元は委託先に対して必要かつ適切な監督を行う義務があるとされています。委託元がこの監督義務を怠り、その結果としてマイナンバーが漏洩するようなことがあった場合には、たとえそれが委託先のミスであったとしても委託元も法令違反に問われる可能性が十分あります。

さらに、委託先が再委託する場合、さらに再々委託する場合であっても、最初の委託元にも間接的な監督義務がありますので、それに伴い責任もあります。

では、必要かつ適切な監督とは、どんなことでしょうか。

ガイドラインでは、以下の3つがあげられています。

  1. 委託先の適切な選定
  2. 委託先に安全管理措置を遵守させるために必要な契約の締結
  3. 委託先におけるマイナンバーの取扱い状況の把握

1. の委託先の適切な選定とは、安全管理措置がちゃんと講じられているか確認しなければならないとされています。具体的にはプライバシーマークやISMS等、第三者機関による認証を受けていることは一つの判断材料になると思います。

2. の委託契約の締結については、以下の条項を盛り込むべきとされています。

① 秘密保持義務
② 特定個人情報の持ち出し禁止
③ 目的外利用の禁止
④ 再委託の条件
⑤ 事故発生時の責任
⑥ 委託終了後の特定個人情報の返却/廃棄
⑦ 従業者への監督・教育
⑧ 契約内容遵守状況についての報告
⑨ 取扱従業者の明確化
⑩ 委託先に対しての実地調査の規定

ガイドラインでは、このうち①から⑧まではほぼ義務的であり、⑨と⑩は望ましいという表現がされています。ですので、これから委託する場合には、これらの条項を織り込まなければなりませんし、すでに以前から委託している場合でも、この機会に契約内容の見直しが必要となります。

3. の取扱い状況の把握については、委託契約の⑧あるいは、⑩にもとづき、委託先から報告を受けたり、実地調査をすることになります。

このように「業務委託しているから安心」には一部理解しますが、大丈夫であるか否かについては、自らの監督義務がちゃんとなされているか次第となりますので、注意が必要です。

櫻井 隆博

インタセクト・コミュニケーションズ株式会社

櫻井 隆博(さくらい・たかひろ)

インタセクト・コミュニケーションズ株式会社 新規事業本部 コンサルティングチーム 部長

外資系石油会社、経済研究所、コンサルティング会社勤務などを経て現職。大学では化学を専攻するも卒業後は化学と一切無関係に過ごす。もったいない。

現職ではマイナンバーセミナーで語ったり、企業のプロセス改善などに従事。

週末は町内会対抗のソフトボールリーグで汗を流してはホップ入り飲料で補てん。2015年の成績は、リーグ・18チーム所属している中で、中の下。残念です。2人の子供は社会人となり、家族みんな専ら単独行動が多いこの頃。

オイシックスの西井氏と奥谷氏が語る「これからのネット通販とオムニチャネル」 | 通販新聞ダイジェスト

10 years 8ヶ月 ago
Eコマース業界で多くの実績を残し、知名度も高い2人のキーマンがこれからのネット通販について対談

化粧品通販のドクターシーラボで長らくEコマース事業を含めたネットマーケティング戦略を担当・統括してきた西井敏恭氏と、良品計画でネットと店舗をつなぐスマホアプリ「MUJIパスポート」を立ち上げるなどウェブ戦略を担う中心人物であった奥谷孝司氏というEコマース業界で多くの実績を残し、また、知名度も高い2人のキーマンがともに食品EC大手のオイシックスに参画、タッグを組んで同社の事業拡大に取り組んでいる。Eコマースを熟知した両氏が描くオムニチャネル戦略とは。また、通販企業が目指すべきEコマースの方向性とは。(聞き手は通販新聞編集長・鹿野利幸、記者・兼子沙弥子)

オフライン体験をオンラインに広げる

オイシックスの西井氏と奥谷氏が語る「これからのネット通販とオムニチャネル」 ドクターシーラボで長らくEコマース事業を含めたネットマーケティング戦略を担当・統括してきた西井敏恭氏 良品計画でネットと店舗をつなぐスマホアプリ「MUJIパスポート」を立ち上げるなどウェブ戦略を担う中心人物であった奥谷孝司氏
西井敏恭氏(写真右)と奥谷孝司氏

Q:昨今の通販市場ではオムニチャネル化が進んでいる。オムニチャネルをどう考えるか。

奥谷孝司COCO(以下、奥谷)「重要なのは、オムニチャネル化しているお客様に対し、企業がオンラインとオフラインで対応していくことだと考えている。

企業側が語るオムニチャネルは、もともとネットが弱い会社の取り組みが最初で、売り上げを起点に考えられがち。資金力がある企業が店舗とネット販売をつないで、お客様が両方を使うように導いている。

だけど、私はそうではないと思う。オムニチャネル化しているお客様に対して、産地やメーカーの見える化や、お客様と産地のコミュニケーションを図りながらブランドを立体的に見せて体験してもらい、オンライン上でくちコミが投稿されて広がることだと思う。

とは言え、入社後は店舗利用のお客様と定期便を利用するお客様のデータを掛け合わせて、定期便を休むお客様に店舗の案内を出すといったことをやった。案内を受けたお客様が店舗に来店したか、またその翌週も定期便をキャンセルしたかを分析した。それがすべてではないが、今後の布石として必要だと思う」

西井敏恭CMO(以下、西井)「オムニチャネルと言って、何を定義するかでしょうね。お客様から見て、すべての接点を最適化するのはマーケティング全体で必要な施策。接点となるオンラインメディアやオフラインの梱包などで、一貫したコミュニケーションをしっかり作る必要がある」

奥谷 「お客様との関係性をしっかり分かって、オンラインとオフラインで良い顧客体験を提供する。それはマーケティングの原点回帰のようなものでもあると思う」

お客様の体験をデジタル上に

オイシックスの西井氏と奥谷氏が語る「これからのネット通販とオムニチャネル」 良品計画でネットと店舗をつなぐスマホアプリ「MUJIパスポート」を立ち上げるなどウェブ戦略を担う中心人物であった奥谷孝司氏
奥谷孝司(おくたに・たかし)氏
オイシックス COCO(チーフ・オムニ・チャネル・オフィサー
1997年に良品計画入社。05年に衣服雑貨部の衣料雑貨のカテゴリーマネージャーに就き、定番商品の「足なり直角靴下」を開発した。10年にWEB事業部長に就き、「MUJI passport」をプロデュースした。15年10月にオイシックスに入社した。

Q:良い顧客体験とは何か。

奥谷 「オイシックスは、毎週木曜日にサイトが更新されて、カートに商品が入っている状態で買い物がスタートする。カートから買い物が始まるというのは驚きなんですよ。お客様が買いたいものを企業がパーソナライズ化して提案できるようになれば、お客様の買い物時間を短縮できる。

企業側でお客様が買いたいものを提示するアルゴリズムを作って、それに基づいてキャンペーンマネジメントを走らせて、リテンションをかけていくことができれば、そこに新しい顧客体験が生まれる。お客様にとっては、買い物の手間が無くなって、その空いた時間で料理をし、家族との団らんの時間を作ることができる。オンラインの『買う』とオフラインの『作る』『食べる』『団らん』の全てが顧客体験になる。オイシックスのサービスを利用して家庭で起きるすべての体験を、デジタルでどう見せるかだ」

西井 「私も、お客様が中心になる市場は加速していくと思っている。オンラインの強みは、ユーザーの声といったオフラインで見えなかったことを可視化できることだ。とはいえ、可視化できるようになったら、以前はペルソナを立ててマーケティングしていたけど、本当はペルソナのような人はどこにもいないことが分かってしまったんですよね(笑)。パーソナライズ化をしっかりやって、お客様の声に真摯に向き合うことは大事。社内体制も変化し、お客様の評価が集まる商品を仕入れたバイヤーを評価し、生産者やメーカーもヒーローになれるようになれば面白いと思う」

Q:2人から見て、オムニチャネルが成功しているサービスはあるか。

奥谷 「オムニチャネルがしっかりできているのは『ゾゾタウン』だと思っている。まず、ネット販売で洋服が売れない時代に、洋服をネットで売れる仕組みを作った。ファッションをパーツとしてネット販売を極めた。

その後に、アプリ『ウェア』を配信して、ファッショニスタが着用する写真を見たお客様が『ゾゾタウン』で購入する流れを作った。ファッションは着て初めて成立するもので、品ぞろえだけ増やしてもしょうがないんですよ。オンラインを使って良い体験ができる『ゾゾタウン』はやはり、オムニチャネル化しているなと思う」

大手にはない価値の提供を

オイシックスの西井氏と奥谷氏が語る「これからのネット通販とオムニチャネル」 ドクターシーラボで長らくEコマース事業を含めたネットマーケティング戦略を担当・統括してきた西井敏恭氏
西井敏恭(にしい・としやす)氏
オイシックス CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー
1975年生まれ。金沢大学大学院を卒業。バックパッカーとなって世界を1周した。Eコマース企業などを経て、07年にドクターシーラボ入社。Eコマースグループ長などを務め、13年末に退職。2度目の世界1周を経て、warmthを設立した。14年8月にオイシックスに入社した。

Q:良い顧客体験は事業にどう生きるのか。

奥谷 「お客様がわざわざネットで注文して買ってくれるのは、実物を確認せずに購入していることなので、お客様とブランドが対等にコミュニケーションし、信頼関係を構築していることになる。お客様と対等な関係で支持された企業はこれからも成長すると思う。

一般的にブランドがどう作られてきたかというと、企業がコンセプトとターゲットを決めて、消費者に見せてきた。これからは、お客様と一緒に成長してきた価値やブランドをデジタルで作り上げ、その価値をオフラインでもしっかりと見せる。そういうことができるブランドは、もっと伸びる」

Q:大手GMSなどのオムニチャネル化が加速している。脅威は。

西井 「ネットスーパーだったら、すぐに届く利便性を提供して市場が広がって、野菜をネットで購入することが当たり前になればいい。そうなったときに、オンライン企業は他社とは違う価値をお客様に提供できている必要はあると思う。

オイシックスは、すごく忙しいお母さんがいる中で、データに基づく提案や、忙しさに対応する商品開発できる会社になっている。大手はチラシで価格の安さを訴求しているが、通販会社として価格ではないところの価値をしっかり作っていけば、ネットでビジネスをしてきた先行者としての利益は得られる。むしろ、これができなければ、私たちマーケターの敗北なんですよ(笑)」

顧客の体験すべてでアマゾンとは違う価値を

Q:今後のEC市場はどうなっていくか。

西井 「『アマゾン』か『アマゾンじゃないか』の二極化になると思う。ロングテールの品ぞろえで簡単に安く早く手に入るサービスと、お客様の体験すべてで価値がでるサービスに分かれるのではないか。アマゾンでも楽天市場でも手に入る商品を、メーカーの公式サイトで購入する理由をどう定義するかは重要だ。今、成長している通販サイトは、アマゾンにはできないサービスを作ろうとしている」

奥谷 「違う見方をすれば、電子商取引としてのネット販売と、エンゲージメントを高めるためのネット販売になるのではないか。エンゲージメントを作る世界にならなければ負ける。それはネット販売だけでなく、カタログ通販もそう。

即日配送や越境ECはトレンドだけど、それは現象面の話。即日配送でエンゲージメントが高まるか考える必要がある。アマゾンに勝てないなら、発想を変えるべきだと、私は思う。エンゲージメントを高めることを目指せば、オンラインもオフラインも必然的に対応することになる」

お客様はPCもスマホも同じ

Q:広告効率の悪化などで新規客獲得を課題とする通販企業は多い。

西井 「新規客を取りにくくなっていると言うが、新規の定義にもよると思う。タクシー配車アプリ『Uber』はこれまでにない新しいサービスだから当然、新規しかいないはず。サービスをちゃんと磨いてブランドを作っていけば新規は増える」

奥谷 「オイシックスは『まだ10万人』の認識なので、もっと伝えればもっとお客様は増えると思っている。お客様に選んでもらうブランドになれば、ケタが1つ増えたって不思議ではない」

西井 「広告を見ている立場からすると、スマホは新規が取れなくなっているとか、購買率が低いとか言われているが、お客様はPCもスマホも同じなので、本質的にはあまり変わらない。ただ、コミュニケーションツールとしては複雑になっていて、そこが難しい。案外、通販では紙が復活するかもしれないよね。商品が届いたときには必ず箱を開封するので、絶対目にするものだから」

奥谷 「そうなんですよね」

西井 「奥谷さんからみて、アメリカの状況は」

奥谷 「すべてのビジネスがUber化すると思う。モバイルファーストになって、スマホで注文して決済までできる時代になるのだと思う」

Q:これからの企業はモバイルファーストを考えなければならない。

奥谷 「そこで選ばれるようにする必要はある」

西井 「面白いですよね。(将来の市場を考えながら)今更スマホって。やっぱり、スマホのビジネスインパクトは大きくて、それ以外の手段は変わっていないんですね」

奥谷 「そう。最終的な話は同じ。お客様とつながる方法は、ツールがEメールから『LINEビジネスコネクト』になっただけ。それ自体は全然、イノベーティブではないんですよね。『お客様にリーチする』という、やっていることの本質は何も変わらないわけです」

食体験をオンラインに乗せる

Q:奥谷さんは良品計画のウェブ戦略の中心人物だった。オイシックスに転職した理由は。

奥谷 「食の領域でデータを中核にマーケティングをやってみたいと思った。食の欲求は面白いもので、1億2000万人が3食食べれば3億6000万件のデータが取れる。だけど、1週間の献立すべてを精緻に考えている主婦はどこにもいないんですよ。計画されていない消費行動を収集して、何をどのぐらい食べるかを精緻にデータ化できれば、生産者の生産計画に活かすことができる。当社のバイイングパワーが上がるかもしれないし、廃棄される食品を減らすことができるかもしれない。

オフラインが弱い会社のオムニチャネルというものにも興味がある。オンラインでお客様のことを理解してオフラインに対応できる会社は、どのポジションにいっても面白いと思う」

西井 「オイシックスで収集できるデータは、店頭のPOSとは異なり、顧客情報が紐付いた連続性のあるもの。私もこうした計画性のない消費をデータ化できれば面白いと思う。ほかにも、お気に入りに商品を登録しても、レコメンドした商品を閲覧しても、購買につながらなかったものもある。お客様の興味もデータ化できれば、マーケターとしてはすごく興味深いデータだと思う」

Q:オイシックスにおける2人の役割は。

西井 「私が通販に近いところを、顧客体験を奥谷さんが担当する。ただ、明確に分けているのではなく、お互いの経験に近いところを分担している」

Q:オイシックスの課題や強みは。

奥谷 「課題でもありチャンスだと思うが、世界に通用するブランドがあることにもっと自信と誇りを持ってもらいたい。私がいた無印良品は、ブランドガイドラインがあってトーン&マナーがしっかりしていた。毎週の売り上げを伸ばす中で、どうしても力が入っているページとそうでないページの差が出てしまう。顧客体験として、どのページを見てもオイシックスのブランドを感じるようにしなければいけないと思う」

西井 「奥谷さんが考えていることと一緒。奥谷さんの参画で、スピードが2倍になる。奥谷さんが参画したことで、若手社員にとってすごく良い環境になったと思う。毎月2回、奥谷さんの『COCO谷講座』をやっている。社内の会議室は満員で、座れない人がいるほど盛況だ」

奥谷 「無印良品での経験からオイシックスでできることとか、私だったらこの企画をどうするかとか、オイシックスでやりたいことなどを話す。社員の方と僕の考えが合っているところと違うところが分かる」

西井 「オイシックスの社員は外部から入ってきても拒否反応がない。真面目に講座を聞きに来ていて、社風も風通しも良いと思う」

Q:まだまだマーケ部門には人が増えるのか。

西井 「マーケだけじゃなく、いろんな部署で転職者を受け入れている。マーケターはくすぶっているくらいなら転職した方がいいし、転職によって柔軟性が持てるし打ち手も広がる。評価してくれる経営者の元で働くべきでしょうね」

新しいプラットフォームを構想

Q:オイシックスでやりたいことは。

奥谷 「『買った』ことがオンラインの体験で、『食べた』ことがオフラインの体験になる。オフラインの体験をオンラインに乗せてもらうことで、まさにオムニチャネルになる。目指すものは、ファンを可視化して、エバンジェリストにもっとくちこんでもらうためのプラットフォームのようなものを作りたい」

Q:くちコミのプラットフォームで実現できることは何か。

奥谷 「今まではクレームに真摯に向き合っている会社であることが見えにくかったので、それも見えるようにしたい」

西井 「オフラインの体験をオンラインにのせていくためのもの。くちコミをアクションとしてデータを収集できれば、面白いデータになる。ただ、あくまでもそれは部品で、お客様に楽しんでもらうものを作りたいと考えている」

Q:スタートはいつ頃か。

西井 「来年か、もっと先になるかもしれない。今、構想中です」

「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
Eコマース業界のキーマンが語る今後の通販市場 「お客様のオムニ化に対応する」(2015/12/25)

ペンギンアップデートの次回更新が近づいている。が、具体的日程はいまだ定まらず

10 years 8ヶ月 ago

ペンギンアップデートの次回の更新の時期が近づいている。しかし具体的な実施日はまだ決まっていないようだ。Googleのゲイリー・イリーズ氏がツイッターでペンギンアップデートの現状についてコメントした。

- ペンギンアップデートの次回更新が近づいている。が、具体的日程はいまだ定まらず -

Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki

Kenichi Suzuki

Amazon ログイン&ペイメントと消費者の購買行動が学べるセミナーを東京と大阪で開催

10 years 8ヶ月 ago
セミナーは東京が1月15日、大阪は2月3日に開催

NHN PlayArtグループで、EC支援を手がけるNHN テコラスは、「Amazonログイン&ペイメントと、お客様(消費者)視点で作るカートの未来」と題したセミナーを東京と大阪で開催する。開催日はそれぞれ1月15日と2月3日。

▼セミナーの詳細はこちら

NHN テコラスは「Amazon.co.jp」のアカウントを利用して簡単に商品購入できる「Amazonログイン&ペイメント」を1月13日に実装予定。ネットショップ構築サービス「コレカゴplus」に搭載し、「コレカゴplus」導入企業による顧客の会員化などを支援する。

今回のセミナーは「Amazonログイン&ペイメント」実装に関するもので、アマゾンジャパンの担当者の講演などを用意している。

セミナーの内容は次の通り。

  • 第1部:アクセス解析ではわからない!「お客様視点」を活用して売上アップのヒントを探ろう(マミオン有限会社 佐藤純氏)
  • 第2部:Amazonログイン&ペイメントサービスのご紹介(アマゾンジャパン株式会社 鈴木保幸氏)
  • 第3部:お客様(消費者)視点で作るカートの未来とAmazonログイン&ペイメント連携について(NHN テコラス株式会社 徳山友紀氏)
  • 第4部:今の集客力でも受注成果を伸ばす購入支援型アプローチのすすめ(二天記 山本頼和氏)
  • 第5部:質疑応答、Amazonログイン&ペイメント 消費者の利用行動チェック動画公開

セミナーの詳細

東京開催

大阪開催

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

takikawa

BASEが最大4.5億円をメルカリから調達し資本業務提携を締結

10 years 8ヶ月 ago
BASEとメルカリはBtoCとCtoCそれぞれの領域で培ってきたノウハウを活用し連携を推進

無料でECサイトが開設できるECサイト構築サービス「BASE(ベイス)」を提供するBASEは、メルカリを引受先とした第三者割当増資を実施し、最大4億5000万円を調達する。1月4日に資本業務提携の締結について発表した。

BASEは2015年、ECサイト構築サービス「BASE」のアプリを大幅刷新。ECサイトの店舗運営アプリから、消費者が利用するショッピングアプリにリニューアルした。調達した資金は、ショッピングアプリ「BASE」のダウンロード数増加を見込んだプロモーション、人員採用の強化に充当する。

資本提携により、メルカリの小泉文明取締役がBASEの取締役に就き、プリンシパルエンジニアの長野雅広氏が技術アドバイザーに就任した。BASEとメルカリはBtoCとCtoCそれぞれの領域で培ってきたノウハウを活用し、両サービスでの連携を進める。

左から家入一真氏(BASE共同創業者で取締役)、長野雅広氏(メルカリのプリンシパルエンジニア)、鶴岡裕太氏(BASEの社長)、小泉文明氏(メルカリの取締役)

左から家入一真氏(BASE共同創業者で取締役)、長野雅広氏(メルカリのプリンシパルエンジニア)、鶴岡裕太氏(BASEの社長)、小泉文明氏(メルカリの取締役)

BASEは今回の資本業務提携について、次のようにコメントしている。

CtoC分野を牽引するメルカリとの連携により、これからのeコマースのスタンダードを構築し、これまで行き渡らなかった人々や地域にもお金やモノが行き渡るサービスを提供していく。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

takikawa

2016年の抱負とお知らせ

10 years 8ヶ月 ago
2016年になったので、今年の抱負と活動方針について書きました。 一緒に活動したい人は是非Sign Upを! 2016年は仲間を募集

2016年は仲間を募集

10 years 8ヶ月 ago
はい、2016年になりました〜。55歳で引退するとして、僕に残された時間はあと11年。と考えると、またアメリカに行って楽しく過ごす時間はもうないので、ソロ活動も減らして日本でじっくりと活動し、一緒に楽しく学べる仲間を増やしたいと思ってます。 まずは、いろいろぶっ壊したい! 堅くなった頭をぶっこわす! 常識に囚われず、自分とは異なる他人の意見にも素直に耳を貸し、右脳と左脳のバランス良く考えられるようになりたい。 最近よく開催しているコンセプトダイアグラムのワークショップは、表向きはWeb解析の話ですが、実はこれを練習して体感するための場なんです。 頭を真っ白にし、いつもとは違う顧客の視点でビジネスを捉え直す 左脳と右脳を使って、クリエイティブで論理的な図を描く 図をグループ内で見せ合って、本質的な違いについて議論する 思いがけない意外な意見から学ぶことを学ぶ 他人との間の壁を壊し、溶け合うようなコラボレーションを体感する 自分の殻に閉じこもらず、こういうことができたら、仕事が楽しくなるし、成果にも繋がるはず。 Web解析をぶっこわす! 数字を淡々と並べるだけの古い「アクセス

トップ300社合計の売上高は5.8兆円で4.4%増。通販・ECなどの売上ランキング調査 | 通販新聞ダイジェスト

10 years 8ヶ月 ago
健康食品などの自社企画による商品で強味を持つと思われる通販企業でも減収に見舞われ、やずや、小林製薬などが10%台の減収

通販新聞社が2015年12月に実施した「第65回通販・通教売上高ランキング」調査によると、上位300社の合計売上高は14年12月調査時と比べ4.4%増の5兆8916億9400万円となった。伸び率は前年同期調査時の8.8%増から低下。また上位200社までの合計売上高は5兆2846億4400万円、伸び率が4.4%増だった。(※表は週刊通販新聞本紙で掲載した1~300位までの売上高ランキングの中から上位10位のみを掲載。11位~300位および、利益率・増収率ランキングなどは本紙のみに掲載しております。「通販新聞」の購読はこちらご覧下さい)

トップ300社合計の売上高は5.8兆円で4.4%増。通販・ECなどの売上ランキング調査①

上位300社の売上高合計額は、前年同期の調査(5兆6440億6300万円)と比べ4.4%増、金額ベースでは2476億3100万円の増加となった。3月期決算の企業が大半となっているなかで、一昨年4月の消費税率の引き上げに伴う反動減が影響し、伸び率は前年同期調査時から低下したと見られる。

また、昨年7月に実施した第64回調査の上位300社の売上高合計額と比較すると、0.1%の増加にとどまっている。ネット販売市場の拡大が見られる一方で、消費増税特需の反動以外に企業間の競争激化も加わり前回7月の調査と同様に今回の調査にも影響している。

トップ300社合計の売上高は5.8兆円で4.4%増。通販・ECなどの売上ランキング調査①

各社の数値は、昨年7月の調査と比べ大きく変動していることはない。多くの通販企業の決算期が2月、3月、12月などで、7月の調査と今回の12月の調査で調査対象期間が重なっているためだ。企業数は多くないものの、15年6月から9月に前期決算期を迎えた企業に関しては売上高と営業利益の数値が変わっており、この分が今回調査に反映されている。

売上高が1000億円を超える最大手は11社がランキングし、前年同期調査時より1社減少した。減収で1000億円を下回ったQVCジャパンが抜けた以外、顔ぶれは前年と同一になっている。1000億円超の企業11社のうち増収は7社、減収が4社。増収組はトップのアマゾンジャパンほか、アスクル、ミスミグループ本社、大塚商会などネット販売やBtoB通販を行っている企業が目立つ。これらの好調企業に対し、ニッセンホールディングス、千趣会、ベルーナなど総合系通販は減収になっているところが多い。

1000億円超企業に迫る企業もランキングしている。13位の家電量販店のヨドバシカメラは前期が800億円の実績で、今期は25%増の1000億円を目指している。幅広い品ぞろえと当日配送の実施などで勢いを増している。

一方でヨドバシカメラが拡大基調にある中、ビックカメラやアベルネットなど他の家電量販店は多少苦戦を強いられているようだ。ビックカメラはグループ(ビックカメラ、コジマ、ソフマップ)合計で前期比約3.9%減の660億円で、当初見込みの800億円を下回った。今期はグループ合計で前期比約13.6%増の750億円を目指すとしている。

家電量販店に限らず強豪企業の台頭により、売り上げの伸び悩んでいるジャンルは少なくないようだ。

増収企業が半減

トップ300社合計の売上高は5.8兆円で4.4%増。通販・ECなどの売上ランキング調査①

「第65回通販・通教売上高ランキング」調査における増収・減収の企業数を見ると、上位300社のうち「増収」は120社(前年同期調査時156社)で全体の40%(同52%)、「減収」が95社(同48社)で32%(同16%)、「横ばい」が7社(同2社)で2%(同1%)、「不明・算出せず」は残りの78社(同94社)で26%(同31%)だった。前年調査時との比較では「増収」がほぼ半減し、一方で「減収」が倍増している。

「増収」については連記事で触れるため、本項では「減収」についてみる。

減収だった95社のうち2桁減は34社に達している。前年同期調査時の12社と比べ大幅に増加している。ただし、いずれも30%未満の減少幅でとどまっており、前年同期調査時のような40%台の減収企業は見当たらない。1桁台の減収企業は61社となっている。

2桁減のうち20%台の減収幅だったのは6社で、売り上げ規模が100億円未満の企業が多い。最大は95位のサン宝石(本紙推定=29.0%減)だった。また238位のヤーマンは、前年同時期調査時に比べ減収幅が縮小したが23.8%減。インフォマーシャルなどで費用対効果を重視した広告戦略への取り組みを続けていることにより減収となった。

10%台の減収企業では、売り上げ規模が100億円を超えるところが多くなる。70位のアベルネットは家電業界が消費税増税に伴う反動減の影響に加え、販売力を持つ強力な企業の台頭も要因となって減収になった。価格競争力や迅速な配達を武器にした企業の勢力が一層強まっているようだ。

一方、健康食品などの自社企画による商品で強味を持つと思われる通販企業でも減収に見舞われている。54位のやずや、128位の小林製薬も10%台の減収になった。売れ筋商品の販売力の低下や新規顧客獲得が難しい状況になっていると見られる。

間違ったら大変!? 消費者がもっとも見る「原材料表示」の作成で注意すべきこと | はじめてでもわかる食品ECのための食品表示講座

10 years 8ヶ月 ago
正しい原材料表示を作成するためには、原材料規格書から3つのポイントを必ず確認することが重要

今回は食品表示を作成する上でおそらく最も大変な作業となる「原材料名」について取り上げます。食品表示基準の施行で原材料名欄は原材料と添加物をわけて表示することが原則とされました。使用する原材料や配合が変われば、原材料表示も変わります。原材料表示には「アレルギー」と「添加物」の表示が含まれるため、実務の多くの場合で重要管理点になってくるでしょう。

原材料表示に必要な情報とは

正しい原材料表示を作成するためには、「仕入れた原材料の規格書(もしくは原材料表示)」の情報を取り寄せ、以下の項目を確認する必要があります。

原材料規格書から確認しなければならない情報

  • 使用されているすべての原材料名とその配合割合(もしくは重量順がわかるもの)
  • 添加物として使用されたものの用途(酸化防止剤など)
  • 原材料と添加物に含まれるアレルゲン(義務7品目、推奨20品目)など

これら以外にも、商品によって確認が必要な情報もあります。たとえば、ポップコーンのように「とうもろこし」を原料とした焼菓子を作成する場合や、せんべいなど米菓やだんごを作成する場合には、それぞれ遺伝子組み換えと原産地に関する情報が必要です。「植物性の○○を使用」など強調した表示をする場合には、その由来を確認するための情報が必要です。

商品によって、原材料規格書から確認しなければいけない情報

  • 遺伝子組み換えに関する情報
  • 原料原産地に関する情報
  • 原材料の由来、基原に関する情報など

ここで事例を見てみましょう。たとえばキッチンにある原材料を組み合わせて、新しいお菓子を作ったとします。知り合いの店から買い付けたばかりのドライアプリコットに自家製のチョコレートをコーティングしたものに、通販用の原材料表示を作ります。

まず、チョコレートにはスキムミルクを加えたのでアレルギー表示を記載しました(「乳成分を含む」の部分)。そして配合割合から原材料を重量順に並び替え(原材料名は使用した原材料をすべて重量順に表示するのが原則)、またチョコレートにはバニラエッセンスを加えたので、添加物の項目に記載しました。さて、これは正しい表示でしょうか?

食品通販でとっても重要な「原材料名」の作成作業①
※新しい食品表示基準にもとづき、原材料の表示を「原材料名」「添加物」にわけています

答えは、「特にドライアプリコットに関する情報が足りないので正しいかどうかは判断できない」です。

ドライアプリコットに「亜硫酸塩」など添加物が使用されていないか、ほかにアレルギー表示が必要な二次原料がないか、などを確認しなければ正しい表示を作ることができません。

回答見本はこのような感じです。

食品通販でとっても重要な「原材料名」の作成作業②
※亜硫酸塩はドライアプリコットが最終製品で形を保つ仕様のため、表示が必要
※大豆油は精製時にアレルゲンが除去されるため、アレルギー表示は不要と考えられるが、なるべく情報提供できるように記載することが望ましい

正しい表示でなかった場合、まずはシールやパッケージの再印刷が必要になります。

なかでも添加物やアレルギーの表示漏れがあった場合は、多くはお客様にお知らせして回収となるので注意が必要となりますが、特にアレルギーについては、事故を起こす前に気づくことができる環境を整備することがより大切と言えるでしょう。

原材料表示で間違いを起こさないために必要なこと

上記の例から、原材料に関して必要な情報をまとめた規格書の一般的な様式例をまとめてみます。

食品通販でとっても重要な「原材料名」の作成作業③

原材料表示の基本は重量順ですので、作業時間の多くが重量計算にかかるでしょう。数十以上の原材料名の項目が配合割合で並んでいることも一般的です。

ただこの作業は時間がかるとはいえ、計算間違いに注意して確認すれば「間違えそうなポイント」を予測しやすいでしょう。原材料表示で一番間違えやすいのは、以下の2つのケースです。

  1. 情報が不足し過ぎて、どの箇所を確認すればよいのかわからない
  2. 情報が多過ぎて、どの箇所を確認すればよいのかわからない

大切なことは、「何の情報を確認するかを決めておく」ことです。

これらの問題を解決するには、「書類管理チェックリスト」などを用意して、取り扱う情報を整理しておくとよいでしょう。またその書類をチェックするときにも、以下の点に注意しながらみていくとよいでしょう。

【絶対に必要になる情報】

  • 使用されているすべての原材料名(添加物含めた2次原材料まで)の情報はあるか
  • また、それらの配合割合(もしくは重量順)の情報があるか
  • 添加物として使用されたものの用途(酸化防止剤等)の情報があるか
  • 原材料と添加物に含まれるアレルゲン(義務7品目、推奨20品目)の情報があるか

【あることが望ましい情報】

  • その原材料を使用した際に必要となる表示の例

【場合によって必要になる情報】

  • 遺伝子組み換えに関する情報があるか(大豆、じゃがいも(ばれいしょ)、とうもろこし等の表示対象原材料を主に使用している場合)
  • 原料原産地に関する情報があるか(緑茶等の表示対象食品である場合、もしくは米等の表示対象原材料を使用している場合)
  • 表示の根拠となる情報があるか(その他パッケージ等で強調している表示がある場合)

情報の整理が最も重要です

原材料表示は、賞味期限や商品名を除けば一般消費者の方が最もよく見る箇所です。最も食品表示らしい表示部分でもあります。それだけに、確認作業でとても重要な箇所なのです。その上でも大切なのは、とにかく「情報の整理」と言えます。

次回は、原材料のうち「アレルギー表示」についてもう少し詳しくまとめてみましょう。

川合 裕之

株式会社ラベルバンク

川合 裕之(かわい・ひろゆき)

株式会社ラベルバンク 代表取締役

ラベルバンクは、食品表示作成、チェック用データベースの構築から、原材料・製品の規格書検査と作成、英文翻訳サポート等、食品表示に関する業務を幅広く行う企業です。

瀬間 春菜

伊藤忠インタラクティブ株式会社

瀬間 春菜(せま・はるな)

「Marketing and Technology for All」をコンセプトに、総合商社の事業ノウハウとIT 企業の技術ノウハウ、そしてクリエイティビティを組み合わせ、新しいビジネスを創造することに、日々取り組んでいます。

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モバイルフレンドリーの条件にページの表示速度が加わるのは時間の問題か?

10 years 8ヶ月 ago

近い将来、モバイルフレンドリーであることの条件に「ページの表示速度が十分に速いこと」が加わるかもしれない。単にスマホ端末でもそれなりにみやすく表示されるだけでは不十分で、スピードが速いモバイルサイトこそが本当のモバイルフレンドリーになる可能性がゆくゆくはありえる。

- モバイルフレンドリーの条件にページの表示速度が加わるのは時間の問題か? -

Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki

Kenichi Suzuki

ネット通販企業の倒産が増えているってホント? 円安、価格競争、競争激化で経営難に

10 years 8ヶ月 ago
2015年1-11月累計で2009年の調査開始以来、倒産は最多となる64件に拡大

ネット通販市場は拡大しているけれども、倒産する企業が増加しているらしい。

東京商工リサーチが2015年12月に公表した「2015年1-11月『通信販売・訪問販売小売業』の倒産状況」によると、通信販売・訪問販売小売業の倒産が増えているという。

2015年1-11月累計で2009年の調査開始以来、倒産は最多となる64件に拡大。調査を開始した2009年以降では2013年(56件)の年間件数を上回った。

東京商工リサーチの分析によると、

通販事業は、個人でも、人手が少なくても、事業の立ち上げが可能だ。だが、一方で消費者の嗜好変化や評判に敏感に左右される面が強い。また、スマートフォンの普及でネット利用が増大しているが、同業との差別化などの「強み」がなければ淘汰され、そのスピードが速くなっている。

倒産事例をみると、アベノミクスの円安加速で輸入品などのコストが上昇し、価格面での競争力を喪失して企業体力が消耗した事例も増えている。このため個人消費の回復度合いに加えて、円安基調がどう展開するか今後の推移が注目される。

ネット通販市場は拡大も倒産する企業が増加? 円安、価格競争、競争激化が原因、東京商工リサーチ

なお、ネットショップ担当者フォーラムが2015年に報じた倒産関連のニュースは次のようのものがある。

商材別の倒産割合

  • アパレル関連などの「衣服・身の回り品小売」が最多の20件(前年同期比122.2%増、前年同期9件)
  • インテリア用品や美術工芸品など「その他」が17件(同30.7%増、同13件)
  • 家電などの「機械器具小売」が8件(同166.6%増、同3件)

形態別・原因別の倒産割合

  • 企業が解体・消滅する破産が61件(前年同期比45.2%増、同42件)
  • 再建型の民事再生法は発生はなし
  • 販売不振(業績不振)が前年同期同数の39件
  • 他社倒産の余波が8件(前年同期2件)
  • 事業上の失敗が8件(同2件)
  • 運転資金の欠乏が4件(同ゼロ)

従業員数別

  • 5人未満が52件(前年同期比33.3%増、前年同期39件)
    ※小規模事業者の倒産が全体の8割(構成比81.2%)
  • 2010年以降に設立された事業者は18件(構成比28.1%)
    ※設立から日が浅い5年以内の新規事業者が約3割

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

takikawa

GAのECコンバージョンタグを別ツールで再利用する方法

10 years 8ヶ月 ago
ECプラットフォームが自動生成するGoogleアナリティクス用のEC計測タグから注文情報を抽出して別のツールのタグを生成してみたのでメモ。 モノが買えるEコマースサイトの場合、注文完了というコンバージョンを計測するために、注文完了ページに各種のタグを追加するのが一般的です。 カラーミーのようなECプラットフォームにはGoogleアナリティクスとの連携機能がついていることが多く、商品名や金額を含むECタグを自動挿入できますが、それ以外のマイナーなツールの場合は注文データを動的に入れられないので、「売れた」という情報のみを取得して妥協することがあります。 そこで今回は、すでに存在するGA用のECタグを読み取って、他のタグで注文データを再利用する方法について紹介します。 既存のECタグ カラーミーの場合、注文完了ページに以下のようなタグが自動出力されます。 code 45 タグを取得する タグマネージャーでタイミングを遅延させて以下のようなコードを実行すると、GAのscriptタグ全体を取得できます。 code...

モノよりコト。コトよりジブンゴト。動画広告こそ立ち返るべきマーケティングの基本

10 years 8ヶ月 ago

モノよりコト。コトよりジブンゴト。動画広告こそ立ち返るべきマーケティングの基本。

インターネットやソーシャルメディアが広く普及し、動画というものがぐっと身近なものになりました。企業だけでなく、一般消費者が撮影/編集した動画が数百万再生を稼ぐ時代です。

数年前には想像もできなかったほど、がらっと変わってしまった動画を取り巻く環境。そんな中、今こそ動画広告が立ち返らなければならないマーケティングの基本に注目してみたいと思います。

面白いだけで、売りに繋がらないコンテンツ

冒頭でも述べた通り、今の時代、パソコンでもスマートフォンでもインターネットにアクセスすれば面白いコンテンツが溢れています。

そんな中で企業が面白いコンテンツを作ろうとすると、エッジの効いたことに挑戦する必要があります。

しかし、純粋に面白いコンテンツが数多く転がっている世の中、商魂が透けて見えるコンテンツは避けられてしまいます。

そのため、面白いコンテンツを作ろうとすればするほど、「売る」という行為からは離れがちであることも事実。

では、「売る」という至上命題を背負っている企業のマーケターはどうすればよいのでしょうか?

今こそマーケティングの基本である「消費者に何を伝えれば、売りにつながるのか」に立ち返る必要があります。
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モノ/コトの先にあるジブンゴト

消費者が求める「コト」を起点にマーケティングを行う。これは、マーケティングの真理です。

しかし、「コト」に関する情報も簡単に手に入るため、「コト」を伝えるだけでは、「モノ」は売れません。

では消費者に何を伝えれば、購買活動に結び付くのか?「コト」の先に何があるのかを、示す必要があるのです。「モノ」を買い、「コト」を手に入れることで、「どんな体験」が待っているのか。

そこまで提案して初めて、消費者にとって広告は「ジブンゴト」となります。

「ジブンゴト」とは、消費者が「自分に関係のあるコンテンツ」と感じてくれる状況。「自分に関係のある」と思うからこそ、広告の中身をしっかりと見て、記憶してもらうことができます。

つまり「ジブンゴト」とすることで、面白いだけのコンテンツからの脱却を図ることができるのです。だから、「モノ」より「コト」、「コト」より「ジブンゴト」なのです。

ここでコンテンツの「ジブンゴト」化に挑戦したキヤノンの例を見てみたいと思います。
『#SightShooting at KAMAKURA, Japan』

キヤノンの「#SightShooting」キャンペーン。「単に旅行するだけじゃなく、カメラを持って行って写真を撮ることを旅行の一部としよう」というキャンペーンです。

単なる「コト(写真が撮れる)」の訴求ではなく、その先にあるライフスタイルの提案となっています。

最近では、「モノ(カメラ)」、「コト(写真を撮る)」だけなら、スマートフォンで十分という人が増えています。

そこで、スマートフォンでは体験できない「ライフスタイル(ちゃんとしたカメラを持って、知らない土地を訪れ、写真を撮る)」を提案することで、コンテンツを「ジブンゴト」化しようとしているのです。

もちろん、カメラには興味あるけど旅行には興味ない、という層には刺さりづらいコンテンツです。

その一方で、キヤノンが提案するライフスタイルに共感を覚える人にとっては、世の中にあふれている面白いだけのコンテンツよりも、はるかに「ジブンゴト」として心に残ります。

そして、この「ライフスタイル」を体験したいと思った消費者は、最終的に実際のアクション(購買活動)を起こす可能性があります。

モノよりコト。基本中の基本

面白いコンテンツは消費者の注意を惹く強いパワーを持っています。それは、今も昔も広告において、非常に重要なことです。

しかし、10年前と状況が違うのは、コンテンツメーカー側というよりも、受け手の消費者を取り巻く状況です。

動画系のコンテンツは、今ほど、一般個人が容易に作ることはできませんでした。

クオリティを加味すれば、企業発の動画コンテンツが、ほとんどすべてであったといっても過言ではありません。

一方で、今の時代、スマートフォンで動画の撮影も編集もできます。作った動画を共有するYouTubeなどのプラットフォームも充実しています。

そのため、ちょっと面白いコンテンツを作っただけでは一回見られてお終いです。そこから先のアクションはありません。
new_Drill-Hole

ここで、T.レビット博士が語ったマーケティングについての名言を思い出してみます。
『ドリルを買う人はドリルがほしいのではない、穴がほしいのである』

言い換えるならば、消費者が求める「コト(=穴)」を満たすために、どんな「モノ(=ドリル)」を提供するのか意識しないといけないということです。

もう一歩、広告的な観点に踏み込むと、「モノ」を売るためには「コト」を伝えなければならないという意味でもあります。

「一回見られてお終い」の面白いコンテンツから脱却し、消費者の購買行動につながる動画広告を発信するヒントがここにあります。

まとめ

インターネットが普及し、情報が氾濫しています。そこで、いかに面白いことをして注意を惹くかにフォーカスしがちな時代になっています。

しかし、マーケターの背負ったミッションは「売る」こと。注意を惹くだけで終わってはいけません。

消費者のアクションまで道筋を立てる必要があるのです。

そのため、「面白いコンテンツ」ではなく、消費者を「アクションに駆り立てるコンテンツ」を発信することを心掛けなければなりません。

それには、動画広告を「ジブンゴト」として捉えてもらうような仕掛けが必要です。

消費者にしっかりと、モノ/コトの先にある体験を伝え、ジブンゴトとしてもらって初めて、アクションにつながる可能性がでてくるのです。
(文:Scott Nomura)

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参考記事

・Sightshooting with Canon: Two Travel Videos in Japan

crevoAdmin

2016年広告マーケティング業界7つの予測 4~7

10 years 8ヶ月 ago

その4)デジタル人材の本格的な流動化スタートの年

    ~レガシー代理店マーケ・ストプラ系人材復権の年~

昨年からいわゆるデジタルマーケティング人材が転職する傾向が始まったと言える。2016年はさらに流動的になるだろう。マーケター側もエージェンシー側も両方である。
特にエージェンシー側は、デジタルに特化していた人材をレガシー代理店が取り込もうとする傾向が顕著になる。しかしいわゆる転職市場にいる人材は限られている。デジタルマーケティング支援をする企業は、地頭の良い学生をいかにこの業界に連れて来られるかは今後の業界の趨勢を決めるだろう。
 
 またコンサルティングファーム系にデジタル人材が異動する傾向はさらに顕著になるだろう。コンサルティングファームはIT系人材や広告会社人材、ブランドマーケター人材などを取り込むだろうが、そもそもコンサル会社の文化の違いによって、取り込んだもののうまく機能しないケースが多いだろう。
 コンサルも従来の概念論で終わる訳にはいかず、エグゼキューションを担ったり、成功報酬モデルを導入するなど、マーケティングのデジタルシフトでは実際成果を上げることを求められるだろう。

~使うのはデジタルデータでも必要なのは従来のマーケター発想~
 一方、レガシー代理店では、従来のマーケ・ストプラ系人材にデータドリブンなプランニングを求められる傾向がいっそう強くなる。これはネット専業系にデジタル領域を任せてきた広告主が、「打ち手」がネットに閉じていた間は良かったが、「打ち手」の広がりと伴に、プランニングにそもそものマーケター発想が必要なことに気づき始めるからだ。

 デジタルデータを駆使して最適化されるのはテレビであったり、リアルなメディアだったりするようになる。スマホのロケーションデータを使ったターゲティング発想もネット専業文化の知見では難しいだろう。
 その意味で、レガシー代理店のこうしたスキルへの見直しが起きるだろう。

 しかし、事はそう簡単ではない。
 レガシー代理店のマーケ・ストプラがこうしたデータドリブンなプランニングが出来るかどうかである。

 料理すべきデータの扱い方に慣れている人材はほとんどいないだろう。
 アウトプットする能力はあっても、インプットデータを咀嚼する能力がないというのが実態だろう。ここがこういう能力開発も最もキモになるところだ。
 
 ただ、マーケター発想でデジタルを料理しなければならない以上、まず必要なのは従来のストプラ思考なのであって、デジタルしか知らない人材には求められるアウトプットは出来ないと考えていいだろう。
 
 いずれにしても、「マスメディア・リアルプロモーション、クリエイティブ」という領域と「ネット・テクノロジー・デジタルデータ処理」という領域が分かれて存在することでの「価値の低減」はなんとか食い止めなければならない。

 ベムは従来から、アナログおじさんのところにデジタル小僧が来てマン・トゥ・マンでコンビを組んで新たなスキルを創出するようなトライがされるべきだと発信している。
 そうした意味では単なる人材流動だけではだめで、オン・ザ・ジョブでの融合スキル開発などチャレンジすべきことはたくさんある。そもそも新しい種が出来る時は個体に突然変異が起きる。あまり大きな組織単位の発想ではなく、個人に「突然変異」が起きやすい環境を用意することが先である。
 何人かにスキルが生まれてからスキルトランスファーのための組織を考えるべきだ。

  マス広告を扱う人材のデジタルデータ活用能力が試され始める年だとも言える。


その5)マーケティングダッシュボードから事業ダッシュボード・経営ダッシュボードへの進化の年   

~POEリアルタイムダッシュボードが確立することで入力変数は広告プロモーション領域だけではなくなる~
    
   
ビデオリサーチ以外にも秒間データでテレビ視聴ログデータを供給する事業者も複数現れている。ほぼリアルタイムでテレビCMのアクチャル到達データを自社競合とも取得して、ダッシュボードに反映させることが可能だ。テレビに限ってはペイドメディアのリアルタイムデータは取り込める。ここにオウンドのセッション数やブランド名検索数、ソーシャルメディアでもブランド名記述などが持ってくることが出来る。

 従って、POEの動向をリアルタイムで表示するダッシュボードが成立する。これらの説明変数をもとに、例えばメーカーなら取得しているPOSデータなどを目的変数としてフィードするとPOEダッシュボードが出来る。少し狭義な意味でのマーケティングダッシュボードである。

 今年はPOEダッシュボードが普及し出す元年となるだろう。

・テレビCM出稿量
・テレビ番組内でのブランドや商品カテゴリーに関する話題発信数
・ブランド名、競合ブランド名検索数
・自社ブランドサイト訪問数
・ソーシャルメディア上でブランド名を記述するソーシャルアカウント数
・POSデータなどの売上データ

これらをリアルタイム捕捉することで、一定の閾値を超えた場合の「打ち手」を想定しておき、随時アクションが起こせる状況にするのは「マーケティング施策対応のあり方だと言えよう。

 そして、このようなダッシュボードが価値を持ってくると、説明変数には単に広告プロモーション施策だけでなく、値引きのデータや工場からの出荷状況など、より売上利益に影響するデータの入力が求められるようになるだろう。
 「狭義のマーケティングダッシュボード」から「事業ダッシュボード」に変革していく。

また、データドリブンな思考をより活性化するために、「データドリブンなオフィス環境」をつくることも課題になるだろう。実際にイトーキなどはこうしたオフィス環境設計を提案している。

 エージェンシーがそうなるのはまだまだだと思うが・・・。


その6)ユーザーの関心文脈でコミュニケーションする動画制作がスタートする年

    ~テレビはブランドの文脈、オンラインはユーザーの文脈~
     シェアやすく、かつブランドメッセージが伝わるクリエイティブとは?
     ターゲットユーザーが反応する要素(因子)は何か

オンライン動画広告の市場拡大は顕著になっている。しかしまだまだテレビCMと同じ素材を使っている例の方が主流で、動画広告というより動画のブランデッドコンテンツを作りシェアさせようという試みにテレビCM以外の素材制作は向けられている。
 それはプロセスとしては当然の流れだが、オンライン動画広告用素材制作もオンライン独自素材を制作する企業が増えるだろう。

 もちろんインストリームでのスキップ防止なども目的に改修されるCMというものから始まり、テレビとは違うオンラインでの視聴を前提にしたクリエイティブが量産され出すだろう。

 テレビは非常にパッシブな環境であり、オンラインは基本アクティブな接触だ。またテレビでは視聴者はどういうユーザーか分からないが、オンラインではある程度分かる。どんなユーザーが広告配信面に来たかで配信する素材を最適化できる。
 であれば、オンライン動画広告はそのユーザーが興味を持っている文脈でのブランド訴求にクリエイティブを最適化するという考え方が出来る。


オンライン用の動画の意味はそもそもどう考えたらいいのだろうか。
ベムが提起するのは、「テレビはブランドの文脈、オンラインはユーザーの文脈で」つくるべきだということだ。話を単純化すると「猫が大好き」で「可愛い猫の動画」をよく観ているユーザーには「猫」はユーザーが強く反応する文脈である。こういう要素分析を行い、ターゲットに強く刺さるクリエイティブを創出するのがオンライン側の役割になるだろう。そして、テレビCMとオンラインCMの双方を視聴した時に(おそらくターゲットによってはテレビCMは同じでもオンライン動画は違う)、化学反応のようにブランドメッセージがより強くスパークすることを目標にするようになる。

 またブランディング効果に繋がる指標として「よりシェアされる」というデータ取得が可能で、「シェアされやすく、かつブランドメッセージが伝わるクリエイティブ」を制作する能力がオンライン動画クリエイティブでのスキルとして標榜されるだろう。

 またユーザーが反応する因子分析をして、「クリエイティブに持ち込む要素」をデータから特定するようにもなると思われる。

 データドリブンな「クリエイティブ・ブリーフ」が作られ、その上で良いアイディア、良いジャンプが出来るクリエーターが「良いクリエーター」として評価されるようになるだろう。(従来から本来そういうものだったはずだが)


その7)広告ブロックが端緒となってその連鎖によるネット専業ビジネス衰退の始まりの年

2015年はステマ問題などデジタル広告のなかでも「野放し」感のあるものに警鐘が鳴った年でもあった。またアドブロックの出現で業界は騒然となった。
広告ブロック自体の直接的な影響は少ないと思うが、ユーザーが気持ちよく受け入れられる広告配信への基調が出来る。うんざりするオンライン広告を是正する動きは、「刈り取れればよい」とする広告の配信を抑制する方向になるだろう。
既に買ったものやオーダーしたのに在庫がないとキャンセルさせられた商品の広告を配信してくる杜撰なリタゲに対する明確な拒否感も出てくる可能性も高い。

    もうひとつは「消費者契約法」の改正がらみ。ここには業界的にもたいへん懸念される状況がある。一連の動きはユーザー重視、消費者重視の観点から、「刈り取れればよい」系の広告に一線を画して、そのあり方を問う傾向が強くなるだろう。この流れをきっかけとして、この領域の広告市場だけで食っている専業会社の淘汰が始まると思われる。

  
~ネットに閉じているスキルとCPA至上主義の限界露呈~ 
とはいえ、ネットを販売チャネルとしている事業者にとってのネット広告の「刈り取り機能」のパフォーマンス最大化志向はまだまだ続くだろう。刈り取り広告市場がシュリンクすることはない。しかしその最適化ソリューションを提供するサプライヤー側のスキルの限界は露呈してくる。そもそも「打ち手」が配信先や配信手法を変えるだけというのでは、もう誤魔化しは効かない。つまりそうした「打ち手」だけのパフォーマンス改善に限界が来るので、抜本的なクリエイティブ改善やそもそも広告以外の本当のソリューションを提供できるプレイヤーでないと淘汰され始めるだろう。
今までは、広告主の担当者が広告費を使うアカウンタビリティのあるCPAで社内を通してきた傾向は、パフォーマンスが頭打ちになることでもっとトータルな施策な考え方と効果指標が求められるようになる。ただCPAだけが目標化されてきた行動様式は特定の専業代理店では「文化」として浸透しきっているので、これを改革することは容易でないかもしれない。

~ダイレクトマーケティングでもブランディング効果を付加しないと続かない~
ブランディングとは「マーケティングの時間軸を長く設定したときのROIの最大化」だとすると、ダイレクトマーケティングの世界でも今日明日の売上の最大化ではなく、今後1年または今後3年の売上を最大化するにはどんなコミュニケーションが必要かを考える事業者も出てくるだろう。こうしたことは俯瞰して全体最適が考えられる経営に近いポジションから生まれる必要があるが、アフィリエイト、リスティング、リタゲと来て、刈り取りに特化してきた広告のパフォーマンスの頭打ち現象から、商品力とブランディングコミュニケーションへのマーケティングコストシフトが起こる可能性は高い。ただし、やはりそこには経営層のこうしたマーケティングへの見識が問われることになるだろう。

~優勝劣敗がはっきりし始める業界~
こうした市場の右肩上がりに翳りが見えてくるため、CPAを目標化してのパフォーマンスを試されている専業広告会社のなかにも、そろそろ優勝劣敗がはっきりしてくると思われる。広告本来のまだ興味関心が顕在化していない層(潜在層)に認知と態度変容を促す役割をどう醸成するかに関して、多様な「打ち手」をもって課題解決が出来る広告会社とそうでない会社というところで一線が画されるという言い方も出来るだろう。


番外)  ブランド横断型マーケティング担当(DMPによるデータマーケティング担当)
     が重要な機能として認識される年

 人口現象社会の日本の市場で、ブランドマネージャーがブランドごとのマーケティングをすることの限界が明確になる。複数ブランドを展開する企業にとって、この位置づけのマーケターの必要性が大いに語られ、表明する企業が増えるだろう。
人口が減るなかでLTVを上げる、クロスセルを促進するなどの課題が出てくると、これはブランドごとにマーケティングしている事業部やブランドマネージャーでは出来ないことだ。またユーザーの年齢が上がれば、効率的に自社内ブランドに引き継ぐためにはどうしても商品視点ではなく、ユーザー視点でのマーケティングがメーカーにも必要なのである。

 ブランド側のマーケターがCMOに成長するプロセスに、まず営業や広告部門を経験し、ブランドマネージャーを経て、ブランド横断型のDMPを駆使したユーザーベースマーケティング担当となることが求められるだろう。
 複数ブランドを展開する企業では、こうしたスキルがCMOの必要条件となるだろう。

 企業の経営トップは、マーケティングのデジタル化に伴って、「マーケティング」を再定義して全社員とその認識を共有する必要がある。「マス・リアル」と「ネット」の分断と部署ごとの部分最適化を打破して、全体最適に持っていくのはトップの責任だろう。もう「デジタルが分からない」というエクスキューズは通用しない。


総論として、2016年はマス(テレビ)とリアルにデジタルデータが最適化のために活用されたり、デジタルメディアとの連動が本格化する。そういう意味で、日本でも「広告マーケティングの本丸が本格的にデジタルを取り込みだす年」ということになるだろう。どうやら「アドバタイジングウィークTOKYO」も始まる。これも象徴的なことで、アドテク業者同士が説明し合うだけでは、(ネット領域のアドテクに閉じたところに)本当の意味のソリューションがないことが明確になったところで、新たに「本当のデジタルマーケティング」が認識される年と言っていいだろう。

2016年広告マーケティング業界7つの予測  1~3

10 years 8ヶ月 ago

その1)デジタル広告でパブリッシャーの連携が始まる年

 英国の「パンゲア」など、巨大プラットフォーマーに利益を持っていかれているパブリッシャーが連帯して、自らの利益基盤を作ろうとする動きは日本でも始まるだろう。
 良質な一次コンテンツを創出しているパブリッシャーが、デジタルシフトしても持続的な経営基盤を維持出来るようになるのは、受益者であるユーザーにとっても大切なことである。
広告というマネタイズでそれが成立するためには、アメリカの1/4とも言われる広告単価を本当の価値に見合ったところまで引き上げる必要がある。そのためにも掲載面の良質コンテンツが誘引する良質なオーディエンスとその接触態度をもって、広告の「ブランディング効果」をもっと主張したい。
それには、ブランディング効果を生むフォーマットや効果指標を新たにつくる必要がある。こうしたことはパブリッシャーが単独で出来ることではない。連携・連帯が必要となるだろう。
また、今後期待されるネイティブ広告の動画フォーマットなどでのクリエイティブも、ブランドの文脈というより、パブリッシャー側のコンテンツ文脈(=オーディエンスの文脈)でつくられるべきであり、こうしたことはエージェンシーに頼ることなく、パブリッシャーが連携してクリエイティブ開発機能を獲得すべきである。

競合意識ばかりでお互いに向き合うのではなく、協調できることは積極的に連携を進める時期に来ており、大手パブリッシャーのリーダーシップにも期待する。


参考) http://digiday.jp/publishers/pangaea-symmachia-pubulisher-alliance/


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その2)スマホのロケーションデータ活用で交通広告・折込チラシ大変革スタートの年

これはまた、ユーザー情報活用ポリシー再検討の年でもある

2016年はスマホのロケーションデータをターゲティングに活用する元年になるだろう。しかし、これには大きな課題もある。ロケーションデータを使われるユーザーにとって「気持ち悪さ」の払拭はそう簡単ではないからだ。これにはパーミッションの仕方もあるが、そもそも広告配信ルール、運用上の自主規制が必要である。
 例えば、「セグメントする一括りを5000人以下にまでは絞らない」とか、個人特定に近づかないように運用面でのケアをするということである。

 ここを間違えると、すぐには市場形成に至らない可能性もある。いくらシステム的に個人情報と紐づいていないと言っても使われるユーザーからすると「気持ち悪さ」には変わりない。

 その上で、スマホのロケーションデータを活用したターゲティング技法が実現していくと、かなりマーケターにとっては幅広く使えるものになるだろう。

 先ほどのダイレクトマーケターの「潜在層からの新規ユーザー掘り起こし」にも新たなターゲティング手法として注目されるはずである。
 昨今はリタゲ偏重のように、既に興味関心を顕在化したユーザーにばかりをターゲットし、刈り取り促進にばかりコストを集中されているが、これはそもそもマーケターとしての発想が貧弱な証拠である。
 ロケーションデータを使った新たなターゲティング発想は、「新たなターゲットを創出する」発想であり、リタゲ的な縮小均衡のターゲティングではない。
 
 また、このターゲティングは従来の交通広告や折込チラシ、ポスティングサービスのプランニングに劇的な進化をもたらす。「打ち手」はスマホへのデジタル広告ばかりではなく、デジタルサイネージを含む従来の交通広告、折込チラシ、ポスティングほかリアルな施策に応用できる。2020年のオリンピックに向けて特に都内のサイネージなどは大きく変革され、進化するだろう。山手線の新型車両をはじめ、ディスプレイへのシフトで、時間を区切った広告表示など、印刷物からディスプレイへの進化の真骨頂というべき革新が起きるだろう。

 こうしたサイネージへの広告配信プランニングを支えるのが、スマホのロケーションデータになるのは間違いない。またデジタルサイネージはその視聴可能エリアにいるスマホデータをキャッチして最適な広告配信をすることになるだろう。このような実験も今年2016年に行われると思う。


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その3)全数系テレビ視聴データと全数系購買データが紐づく年

~新たなテレビ視聴データ分析とその活用が本格化する~

 テレビ視聴データというとビデオリサーチ社をはじめパネル調査によるものと理解されているが、テレビ端末の結線率が上げることでネット回線を使った視聴ログデータ収集は様々な事業者によってトライされると思われる。いわゆる全数系のテレビ視聴データである。これに全数系の購買データが紐づくことが想定される。
 つまりテレビ視聴と、その効果としての購買行動が測定されるということである。従来、メディア接触と購買データをシングルソースで見ることは出来たが、やはり数千、数万のパネル数だと確認したいブランドの購買データが出現しないとか、特定の広告のテレビ視聴者が少なすぎて分析に耐えられないということがあった。しかし、ビッグデータ時代、マーケティングデータは、ECやポイントカードデータという全数系購買データと紐づくべくテレビ視聴データも全数系となるだろう。

~視聴率から視聴質へ~
 視聴率はテレビが点いているという状態を測定しているに過ぎない。また個人視聴を測るピープルメータも自分が観ている時はこのボタンを押し、観ない時はまたボタンを押すという行為を被験者に強いている訳だが、これがどの程度正確なのか、疑問を挟み込むとキリがない。
 視聴率だけでなく、視聴質を測定できたらということはその昔当時の広告主協会からも業界に発信された経緯もある。

 ベムの考える「視聴質」とは、「誰が観ているか」(オーディエンス)と、「どの程度専念して観ているか」(ビューアビリティ=テレビの前への滞在度合い&アテンション=注視度合い)、「誰と観ているか」(コ・ビューイング)、「どんな反応をしているか」(表情分析)などで構成される。
 2016年はこうした「視聴質」データが世に問われる年にもなりそうだ。

 Netflixが上陸してきたが、彼らが視聴データ分析をコンテンツマーケティングにまで応用し、成果を上げているのに対して、日本のテレビ局はあまりに視聴データ分析を怠ってきた。視聴率は単に「商品が何個売れたか」に過ぎない。視聴者構造やオーディエンス分析をして、「誰が何個づつ買ったか」、さらに視聴質分析によって、消費者が商品(番組やCM)にどんな関与をしたかをアテンション=注視度合いや、コ・ビューイング(誰と誰で観ているか=例えば母親と子供で観ている)状況、反応分析(表情)などでさらに深めるべきだろう。
 昨年の週刊ダイヤモンドの特集タイトルは「誰がテレビを殺すのか」だったが、実際は体調が悪いのに血液検査もしないのだから、誰に殺される訳ではなく、自ら病気で弱っているのに処方箋を書いてもらっていないに過ぎない。需要より供給力が落ちているのが今のテレビ業界だ。ゼロサムだから日テレが頑張っているというよりCXの落ち込みで他局が相対的に良く見えるだけ。

 
~全国ネット番組をしっかり分析するローカル局データ~
全国ネット番組に関してはすべての地方局の視聴率がとれている訳ではなく、個人視聴率は機械式では東阪名しか取れていない。そういう意味では全国30局ネットと言ってもローカルのデータはほとんど分からないにも関わらず巨額なコストをかけて全国ネットの番組を買っている。
 前述のようにテレビ視聴ログデータも全数系データで分析できると、すべてのローカルデータも十分分析できる。
こうした分析が進むと、ベムが予測するに、「都市部はデジタルデバイスシフトが進むが、ローカルのテレビ出稿はかえって増える。」と思う。
そうした「都市部のデバイスシフトとテレビ出稿のエリアシフト」の基調がこうしたデータから起きるのも2016年と言えるだろう。


 いずれにしても、従来のマスメディアとデジタルメディアを連携して使うという基調が2016年から始まると言っていいだろう。


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引用をblockquoteタグで囲っても重複コンテンツ対策にはならない

10 years 8ヶ月 ago

ほかのサイトからの引用であることを示すために blockquote タグを使える。しかしGoogleに対しては blockquote タグは引用を示すシグナルにはならない。したがって重複コンテンツの防止に特に役立つこともない。

- 引用をblockquoteタグで囲っても重複コンテンツ対策にはならない -

Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki

Kenichi Suzuki

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