SMX Advanced Seattle 2010 : Bingの責任者にダニー・サリバンが色々聞いてみた。 | SEO Japan

SEO Japan - 2010年6月22日(火) 13:02
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さて二日目の最初のキーノートはマイクロソフトのオンラインオーディエンスビジネスのバイスプレジデント、ユースフ・メディ(Yusuf Mehdi)の話から。初めて聞く方ですが、マイクロソフトの初期の検索エンジンやマイクロソフトの広告の開発を統括していた人で、現在は、MSNとBingのビジネス、特に市場拡大の責任者だそうです。つまりGoogleから検索シェアを奪うことが至上命題の人ですね。さて、どんな話が聞けるやら。ダニー・サリバンとの対話形式で。

まずは簡単なBingの紹介映像を。検索エンジンは1つだけで良いのか?という問いかけの後、ユニバーサル検索や様々なBingの特殊検索をPC、携帯などユーザーが使っているシーンを紹介。さらにBingの開発スタッフを紹介し、「先は長いかもしれないが頑張る」的なメッセージも。
サリバン:
Bingの1年目の努力は予想以上にうまく進んでいると思うがどうなんだ?
ユースフ / Bing:
そう思う。ユーザーベースも少しずつ増えている。1年で2,000万人の新規ユーザーを獲得した。シェアでいうと4%。順調だと考えている。
サリバン:
テレビ番組(ゴシップガール)と連携してプロダクトプレースメントを行ったり、クレージーなチャレンジを色々やっているよね。
ユースフ / Bing:
No.2でいる限りは常にチャレンジし続けなければならない。我々はユーザーテストを通して我々の製品がユーザーに受け入れられるものだという自信は持っている。後はどうやって使ってもらうかだ。なので少しチャレンジングな試みも行っている。
最近、僕の娘が友達にどの検索エンジンを使っているか聞いてくれたんだが、Bingは4人だけで大半が他の2つのエンジンだった。娘に「お父さんの仕事はやることだらけね」と言われた 笑
今はとにかく様々なチャレンジをしている。No.2じゃないとできない過激なこともどんどんやっていくつもりだ。
サリバン:
Appleとのパートナーシップはどう?
ユースフ / Bing:
Appleとの提携はうまくいっている。Bingの目標は「ユーザーに最適な答えを与える」だ。「世界中の情報をインデックスする」とは違う。Appleの考え方とBingの考え方はより近い。
iPhoneのインターフェースはビジュアル的に優れているし、ビジュアルは消費者にとっても最も影響力が強い要素の1つだ。Bingの様々な機能を十分に生かせると思っている。
HTML5に関しても協力して対応していくつもりだ。
サリバン:
採用されるためにAppleにお金を払っているの?
ユースフ / Bing:
その情報は機密だからいえないな。。。
サリバン:
現在、相当な投資をBingに行っていると思うが。
ユースフ / Bing:
多額の費用を技術開発はもちろん、配信チャンネルの開拓やマーケティング・広告にも使っている。
サリバン:
これからもクリエイティブなマーケティング手法を行っていくのか?
ユースフ / Bing:
そのつもりだ。実際にシェアも上がっているわけだし。
サリバン:
Bingが力を入れている分野は?
ユースフ / Bing:
まずBingはビジュアルを非常に重要視している。ビジュアル的に使いやすい・見やすいサービスを意識している。
次に誰にでも、特に子供でも使いやすいサービスにすることを意識している。小学校でデモをすると子供たちが喜んで使ってくれる。
最後に問題解決ができるサービスであることを意識している。チケットの価格予測や旅行検索のバーティカルなど問題解決のための様々なサービスを提供している。
サリバン:
力を入れていきたいバーティカルサービスは?
ユースフ / Bing:
地図検索は様々な優れた機能を持っていると思うが、十分にマーケティングできていない。例えば地図と連携してローカルのニュース情報を出したりフォースクウェアの情報を出すようなこともやっている。今後もっと力を入れていきたい。
サリバン:
ライブデータフィードを地図情報に統合するサービスはいつ始めるんだ?
ユースフ / Bing:
もうすぐ始める。後、3D検索に関しても実際の3Dモデルを使ってよりリアルな3D検索を実現している。
ユースフ / Bing:
1年に2回、大きなリリースをすることを目標にしている。この夏、1つ大きなリリースがある。
(ここで実際のサービスをプレゼン)
今、意識していることの1つがソーシャル検索だ。今からデモを見せるが失敗しても笑わないでくれ 笑
(ここでデモ版のソーシャル検索エンジンを紹介。例えば昨日デビューしたばかりの野球選手の名前で検索すると、ツイッターやフェイスブックのつぶやきやニュースの情報をまとめて紹介。またフェイスブックやツイッターからより多くのリンクが張られているウェブページを優先的に表示。画像や映像も連動して表示。確かに最新の時事ネタに関する情報を検索するには通常のウェブ検索以上にかなり便利そうなインターフェースでした。)
サリバン:
ソーシャルは皆が注目している分野と思うが、この新サービスが皆が使ってくれるサービスとして差別化できると思うか?
ユースフ / Bing:
ソーシャル検索に関してはまだ誰も完璧といえるサービスを提供していないと思う。我々はそれを目指す。
サリバン:
消費者を常に意識してサービス開発をしていると思うが、何か興味深いデータはあるか?
ユースフ / Bing:
これはBingのログデータを分析した事例だが、例えば、家族が集まる時にどうやって実家に帰るか決めようとしている人がいるとする。4時間かけてレンタカーから航空会社、地図まで27のサイトを見ていた。この状況をいかに改善できるか?がBingの課題であり機会だ。
別の事例を見てみる。携帯電話でユーザーが7週間の間でどういう検索をしているか分析する。レシピ名からガーデニング、店の名前まで様々な検索をしている。Bingを通していかにより使いやすいサービスを提供できるか様々なアイデアが出てくる。
このような実際のユーザーの検索データの分析を通して、今後いかにBingをより使いやすいサービスにすべきか道筋が見えてくる。
これらのデータを今後もっと深く分析していく必要がある。
サリバン:
いつBingがYahoo!の検索エンジンに変わるのか?年内という話を聞いているが。
ユースフ / Bing:
米国に関してのみだが、その予定だ。現状は順調に進んでいる。
サリバン:
Yahoo!との提携のメリットは?
ユースフ / Bing:
Yahoo!と提携することで、広告市場を一気に拡大でき、競合に対抗できる。ユーザーにとっても個別の検索エンジンにそれぞれ投資するより便利だろう。
サリバン:
君のチームはどんどん人が増えていると思うが、雰囲気はどうだ?
ユースフ / Bing:
以前より、チームスピリットが高まって皆やる気が出ている。マイクロソフトの他のチームとも協力して上手くいっている。雰囲気は非常に良い。
ユースフ / Bing:
1つ言い忘れていたが、ウェブマスターツールズをアップデートする。競合より遅れている分野なことは認識しているし、今後さらに良くしていく予定だ。
(ここからQ&A)
オーディエンス:
Yahoo!との統合ロードマップについてもう少し教えてくれないか?
ユースフ / Bing:
年内に検索エンジンと広告システムを米国に関しては完了させるつもりだ。できればクリスマスシーズン前を目指している。検索結果と広告の表示内容は同じになるが、Yahoo!はさらに検索結果ページに独自の情報を追加することもできる。
オーディエンス:
検索エンジン会社は伝統的にデータを公表しない。一般的に公表されているデータはコムスコアやニールセンなどの調査会社だ。Bingは積極的にデータを公表していく予定はないのか?例えばユーザーの属性や、もっと細かいクリック率や滞在時間など。マーケティングに必要なデータをもっと公表してほしい。
ユースフ / Bing:
Bingだけが公表することもできるが、他社も公表してくれないと比較はしにくいかもしれないね。ただ検索ユーザーのデータが企業のマーケティング活動に重要なことは認識しているし、情報を公表していくことに関しては否定的ではない。皆の意見を聞いて考えていきたい。
オーディエンス:
Yahoo!のサイトエクスプローラーなどYahoo!が現在提供しているサービスはどうなるのか?
ユースフ / Bing:
良い質問だ。現在、この件についてはYahoo!とリアルタイムで議論している最中だ。Yahoo!のエンジニアもBingチームに次々に参加していて意見交換をしている。決まった時点で随時発表していきたい。
サリバン:
Bing サイトエクスプローラーは出ないのか?
ユースフ / Bing:
あるかもしれない。
サリバン:
今日はBingの1歳の誕生日だからバースデーケーキをもってきたよ!
(ここでサリバンがケーキをユースフにプレゼント。会場全員でハッピーバースデーの歌を合唱 笑)
ユースフ / Bing:
ありがとう。まだまだやることはあるが、全てのチャレンジが楽しい。これからも頑張っていきたい。今日はありがとう。
マイクロソフトの従来のイメージをくつがえすというと失礼ですが、ユースフ氏はソフトな語り口で話の内容も楽しく、会場全体の雰囲気も良く、Bingに対して皆の好感度は間違いなくアップしたと思います。サリバンもかなり好意的でしたね。米国では様々なユニークなマーケティングキャンペーンを行っているようでそれも好意的にとらえられているようです。ユースフ氏はかなり優秀な人の印象を受けましたし、今日聞いた限りだとまだまだシェアは少しずつですが伸びていく気もします。
年内に米国Yahoo!はBingに切り替わるようですが、さて日本はいつになるんでしょうね。検索エンジンの開発をいつまでも継続しているわけにもいかないでしょうし、流石に来年中には切り替わると思いますが、それがいつなのか気になります!
Bingの真剣度と米国でこの1年の努力がかなり認められていることが分かりましたし、色々未来に向けてポジティブな話が聞けて有益なキーノートでした。
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