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MAD MANレポートからの2018年予兆と観測 その3」 からご覧ください。
3)米国が採用する放送の新規格「ATSC3.0」への注目。2018年2月の韓国は平昌冬季オリンピックで、放送局主導による「テレビ番組のネットIP上での放映」が実用として開始され、テレビ局側のネット配信側に対する逆襲が見もの。日本の放送業界は韓国視察が花盛りに。
「ATSC 3.0」は日本のマーケター企業や一般企業の方にとっても「自分ごと」としての馴染みが少ない単語だろうが、重要な規格単語だ。米国と韓国(サムスン、LGのお膝元)ではすでに「地デジ」の後継となる次世代テレビ方式「ATSC 3.0」が「テレビのネット化」に向けて前進し始めている。このトレンドの先が明日のビジネスを左右する日本のテレビ局界隈では、周知の話題である。ATSC3.0方式が世界の先陣を切って開始される今年の韓国での平昌冬季オリンピックに向けて、その技術のインパクトを感じるために日本のテレビ局による「視察ツアー」が大賑わいになる。
現在私たちが日本で馴染みのある「地デジ」放送とは、「デジタル」という名は付くが、決して「IPのネット上」に流れるコンテンツではない。依然として「テレビ」の世界と「ネット」のビデオ世界との間には、「IPの壁」が存在している事に気づいておこう。新ATSC3.0方式はこの壁が無くなり、例えれば、Wi-Fiいらずで「スマホでテレビ」が見られて「テレビでネット」が見られる技術なのだ。
現在のWi-FiやブロードバンドによるIP放送と何が違うのか、という技術的な事はテレビ局関係の方にお譲りするとして、知りたい課題は「ATSC 3.0に移行するのか、それはいつか」、「移行すると、何が変わるのか」である。
大掛かりに移行完了した「地デジ」化は、この「テレビとネットの融合」技術のためのイントロ整備であり、ATSC 3.0(的な)技術が導入されてやっと「テレビ放送とデジタルビデオの垣根」がなくなり、アドレサブルな配信がテレビ局によって可能になる。特に「地方局」にとっては、キー局やGoogleに頼ることなく、自社オリジナルコンテンツを開発し、自立オーディエンスに向けて発信ができる「新生ローカル局」となれるチャンスを与える技術だ。
この方式は米国の連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)の旗振りで進んでいる。ちまたの日本のマスコミ報道ではFCCによる「ネットの中立性撤廃」について取り上げ、否定的な報道に偏った報道傾向がある。MAD MANレポートの読者には片側の意見だけではなく、両側やその先の考えを見ることで視野と思考の広がりを共有したい。例えば過去の「情報スーパーハイウェイ構想」などのキャッチコピーで釣る政策ではなく、着々と業態変革に向けて実務が進んでいる政策の1つがこの動きなのだ。(続きはMAD MANレポートにて)■