CVR5%を実現したコメ兵のカゴ落ち対策とLTV改善策[ブラウザプッシュの効果と活用例] | ネットショップ担当者フォーラム

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リユース品の買取販売を手がけるコメ兵は、アプリを使わずにスマートフォン(スマホ)やパソコンのブラウザにプッシュ通知を配信するツール「Browser Push Factory」を導入し、ECサイトのカート落ち対策や顧客生涯価値(LTV)の向上につなげている。カート落ちした顧客にプッシュ通知を配信したところ、CTR(クリックスルー率)は20%、購入率(CVR)は5%に達したという。

コメ兵が新たな施策としてブラウザプッシュを導入したのはなぜか。どのような販促を行い、どんな成果をあげているのか。コメ兵IT事業部の甲斐真司次長と、「Browser Push Factory」を提供しているムーヴの向井康祐社長がセッション形式で語った。写真◎ライトプロ

コメ兵が導入した「Browser Push Factory」とは?

「Browser Push Factory」は、スマホやパソコンのブラウザにプッシュ通知を配信するツール。特定のアプリをインストールする必要はなく、ブラウザを閉じた状態のスマホ画面にもメッセージを表示できる。

カート内の商品内容、商品購買履歴、商品閲覧履歴などに基づいて顧客をセグメントし、それぞれ配信条件を設定することで、プッシュ通知を自動送信することも可能。

「Browser Push Factory」はパソコンでもスマートフォンでも、通知を受け取ることができます。
「Browser Push Factory」のイメージ

向井社長によると、「Browser Push Factory」を活用することで、EC事業者は次のような販促施策が打てるようになるという。

  • カート落ち(カートに商品を入れた状態でサイトを離脱)したユーザーに、カート内商品各種情報を自動抽出・反映し、CVRの向上につながるリマインドメッセージを送信する
  • 新規購入者に対し、次回購入時に使用できるクーポンを配信する
  • 単品商品を購入した顧客に対し、商品を使い切る直前のタイミングで「定期引き上げ」を促すメッセージを通知する
  • 定期購入の顧客に対し、解約が多くなるタイミングの直前で、購入サイクル/個数を変更できることを通知する
独自の機能…見た カートに入れた 買った(商品、金額など詳細)という、ECにおける三大マーケティング要素を活用した、1人ひとりの顧客の好みや状態に応じたおもてなし(パーソナライズ訴求)カート落ち対策施策に強みCV後顧客LTV向上施策に強み
顧客の購買履歴やサイトの閲覧履歴にもとづき、カート落ち対策やLTV向上施策を打つ

顧客が「どのページを閲覧し、何を購入したか」といった行動の分析、メッセージの開封率やメッセージ経由のCVRなどを集計することも可能。「Browser Push Factory」を導入したクライアントのサイトでは、高い成果が現れているという。

カート落ち対策で「Browser Push Factory」を使っているクライアントの実績では、CTRが10%を超えることがほとんど30~40%というケースも珍しくありません。(向井社長)

ムーヴ株式会社 向井康祐社長
ムーヴ株式会社 向井康祐社長
総合広告代理店を経て、2011年にムーヴ株式会社を設立。ECを中心としたクライアントのWeb上の数字を向上させる事業と総合広告代理業との二軸で事業を展開し、ツールの単純な提供のみならず、顧客と一緒にデジタル活用戦略やシナリオを構築し、さまざまな課題を解決している。
会員登録やメールアドレスの取得は不要

「Browser Push Factory」でプッシュ通知を受け取るユーザーは、会員登録やメールアドレスの登録などは必要ない。「Browser Push Factory」を導入したサイトにユーザーがアクセスすると、ブラウザプッシュの許諾画面がポップアップで表示される。ここで「許可」をクリックすると、それ以降、ブラウザプッシュ通知を受信する。

許諾は1アクションのみで完結する。向井氏によると、サイト訪問者全体で平均5%強が許可するという。

「Browser Push Factory」のオプトインは1アクションで完結する
オプトインは1アクションで完結する

会員登録が必要ないため、潜在顧客や未購入の顧客とコミュニケーションを取ることができる点が、「Browser Push Factory」の強みだ。

会員登録していない顧客に接触する方法は、これまでリターゲティング広告ぐらいしかありませんでした。「Browser Push Factory」を使えば、サイトを訪れた見込み客に対して、個別に最適化した情報を、最適なタイミングで届けることができます。(向井社長)

「Browser Push Factory」は2018年1月のリリースから約4か月で、EC系ではリユースブランド品のコメ兵、ファッションECの伊藤久右衛門、美顔器大手のMTGなどのほか、単品通販や映画チケットなど、幅広い商品ジャンルの企業に導入されている。

コメ兵が成果をあげた「カート落ち対策」「潜在顧客の囲い込み」「LTV向上」

コメ兵は、自社ECサイト「KOMEHYO ONLINE STORE」に「Browser Push Factory」を導入し、「カート落ち対策」「潜在顧客の囲い込み」「メルマガに代わるLTV向上策」に取り組んでいる。

「KOMEHYO ONLINE STORE」のトップページ
「KOMEHYO ONLINE STORE」は常時5万点以上の商品を取り扱っており、主力商品は10万円前後のブランドバッグやジュエリー。店頭への取り寄せサービスも行っており、実物を見てから購入できる(画像は編集部がキャプチャ)
施策1 カート落ち対策でCVR5%

「カート落ち対策」では、カートに商品を入れたままサイトから離脱した顧客に対し、一定の時間が経過した後、カート内に入っている商品をブラウザプッシュで通知する。カートに入っている商品を自動的にプッシュ通知の本文に反映。プッシュ通知は自動送信しているという。

カート落ち対策のプッシュ通知のCTRは20%CVRは5%に達しました。弊社のサイトとしては驚異的な数字です。たとえば、メルマガだと開封率が15~16%でCTRは5%、CVRは1%以下ですから。(甲斐氏)

カート落ち対策基本:カート内商品(画像、商品名、価格など自動反映)、リマインド訴求による購買促進プッシュ通知活用施策→シナリオ(対象ユーザーと訴求内容)
コメ兵は、カートに入っている商品を自動的にプッシュ通知の本文に反映し、自動送信している
株式会社コメ兵 IT事業部 次長 甲斐 真司 氏
株式会社コメ兵 IT事業部 次長 甲斐 真司 氏
2000年、新卒でコメ兵に入社。2005年頃までブランド時計担当として、ロレックスなどの高級時計の販売および買取、値付け業務に従事。2006年より時計専門のECサイト運営を担当。2009年、WEB事業グループの前身となるWEB事業室の立ち上げに携わり、以後ECサイトの責任者としてEC関連全般を担当。
施策2 非会員や未購入者など潜在顧客の囲い込み

「KOMEHYOオンライン」の会員以外のユーザーにも、セール情報などをブラウザプッシュで告知している。一斉通知ではなく、ブランドバックの商品ページをよく閲覧するユーザーにはブランドバックの新着情報やフェア情報を通知するなど、サイトの閲覧履歴に基づき顧客の好みを推測し、セグメントごとに配信内容を変えているという。

顧客ごとに興味を引く情報を、リアルタイムで配信できるため、販促効率が上がりました。設定の方法も簡単なので、負担なくセグメント配信に取り組めています。(甲斐氏)

潜在顧客の囲い込み 閲覧、購買内容を加味した、同一カテゴリ対象セール、フェアなど、活用による購買意欲喚起
サイトの閲覧履歴などから顧客の好みを推測し、セール情報や入荷情報をリアルタイムに配信する
施策3 メルマガに変わるLTV向上施策

これまでメルマガで配信していた新商品の入荷情報などを、ブラウザプッシュ通知でも配信している。メルマガの開封率やCTRが頭打ちになる中、「メルマガにとって代わる強力なコミュニケーションツールを探していた」(甲斐氏)。

コメ兵が扱う商品はリユース品がメインであるため、商品は1点物が多い。魅力的な商品が入荷されたら、すぐに購入しようと考えるユーザーは、新着情報をこまめにチェックする。そのため、新入荷商品の情報は、ECサイトの中で最もアクセスが多いという。

新着情報をアップする時間をおおよそ決めておき、アップした直後にブラウザプッシュで告知すると、反応が非常に良いです。その際、顧客のサイト閲覧履歴に合わせて、興味が高そうな情報を届けています。こうした施策のCTRは17~20%CVRは約1%に達しており、メルマガの何倍もの効果が出ています。(甲斐氏)

「Browser Push Factory」流 CEM、LTV向上
サイト訪問回数や閲覧履歴、カートに入れた商品の種類、購買履歴などを分析し、顧客をセグメントした上で、マーケティングシナリオを走らせる
コンテンツマーケやオムニチャネルに活用も

「Browser Push Factory」は販促効果が高いだけでなく、月額10万円以下から利用できるコストメリットも魅力。また、お客さまにお得な情報を提供することで、顧客満足度の向上にもつながっていると思います。(甲斐氏)

「Browser Push Factory」のメリットをこう説明した甲斐氏。今後、「Browser Push Factory」を活用した新たなマーケティング施策も計画しているという。

たとえば、コメ兵が運営するオウンドメディア「トケイ通信」にアクセスしたユーザーを、ECサイトのカテゴリーページに誘導することを検討している。閲覧した記事に基づきユーザーの興味・関心を分析し、ブラウザプッシュで関連情報を配信したいという。

また、ECと実店舗の連携強化にも「Browser Push Factory」を活用する計画だ。たとえば、ECで買い物をしたユーザーに、近隣店舗のセール情報を送って店舗へ送客することも考えている

ECと実店舗の両方で買い物をしているユーザーのLTVは、ECか実店舗のどちらかだけを利用しているユーザーよりも高いことがわかっています。ECと実店舗を併用するユーザーを増やすために、ブラウザプッシュを活用していきたいと考えています。(甲斐氏)

「Browser Push Factory」を活用して成果をあげているコメ兵では、「ムーヴは『Browser Push Factory』という良い道具だけに頼らず、それを使いこなすための知見とアイデアもある。足しげく毎月ミーティングを開催してくれるので、最善策を打つことができている」と説明する。

メールやLINEなど既存販促チャネルとの違い、今後の方針

深くさまざまな商品を提案できる訴求の深さが特徴の「メールマガジン」。コミュニケーションツールとして双方向のやり取りができる「LINE」。「Browser Push Factory」は、こうした既存販促チャネルと併用していくことで、売上効果を最大化できるという。

タッチポイントごとやシーンに応じて組み合わせて活用することがベスト」。こう話す向井社長は、次のように既存販促チャネルとの違いなどを説明する。

  1. 「Browser Push Factory」は、ユーザー側から見ると企業とつながりやすい+登録しやすい
  2. セールス的な訴求は意外と嫌がられない。コミュニケーションツールとしての役割があるLINEとは性質が異なる。メッセージ内容はセールス的でも構わない
  3. 「Browser Push Factory」だけで完結するので、コストパフォーマンスが高い。
  4. ブラウザプッシュは開封率が高い。そのためECサイトへの誘導が増える
  5. デスクトップに活用できる。意外にもブラウザプッシュはPC向けでの施策効果が高い

こうしたことを踏まえ、向井社長は「Browser Push Factory」の今後の開発計画に言及した。

1つ目は、スマホの位置情報を活用したセグメント配信機能を実装すること。この機能を活用すれば、リアル店舗を持つ企業は、顧客の近隣店舗に関する情報をユーザーに通知し、来店を促進できる。

そして2つ目は、CPC広告の媒体と連携し、「Browser Push Factory」にオプトインしたユーザーにだけ広告を表示する機能も検討しているという。

「Browser Push Factory」の機能追加は、クライアントの要望を反映しながら進めています。今後もクライアントと一緒に、ECの売上拡大につながる機能を開発していきます。(向井社長)

ムーヴ株式会社 向井康祐社長 講演風景

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オリジナル記事:CVR5%を実現したコメ兵のカゴ落ち対策とLTV改善策[ブラウザプッシュの効果と活用例]
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渡部 和章
ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

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