このページは、外部サイト
ikedanoriyuki.jp | Tribal Media House, Inc. の情報をRSSフィード経由で取得して表示しているため、記事の一部分しか表示されていなかったり、画像などが正しく表示されなかったり、オリジナル記事が意図したデザインと異なっていたりする場合があります。
完全な状態のオリジナル記事は 「
遠距離恋愛から学ぶソーシャルメディア戦略」 からご覧ください。
企業は、なぜこれほどまでにソーシャルメディアをマーケティングに活用したいのでしょう。
目的にもよりますが、(短期的なキャンペーンではなく)Twitter公式アカウントやFacebookページのような、いわゆる公式アカウントの運営目的は、主に「ブランド好意度の向上」 「ブランド理解度の向上」 「純粋想起率の向上」 「購入意向の向上」などの「意識変容」を狙ったものです。
既存顧客だけでなく、現時点においては比較的ブランドへの関与度が低いターゲット消費者も含め、恒常的なつながりや関係性を持つことで、少し気になるブランドになってもらい、好きになってもらったり、一番最初に思い出してもらえるブランドになったり、どうせ買うならこのブランドを買いたい、と思ってもらおうというわけです。
これらの意識変容を実現するために大切なポイントは何でしょう。
それはたぶん、いつも隣にいることです(英語では、Always On なんて言葉で言われたりもします)。そして、Always On型の公式アカウントの成功ポイントは、遠距離恋愛の成就または破たんしてしまう理由とほぼ同じ要素によって説明できるんじゃないかと思います。
<とあるヒトコマ>
男:「突然だけど、今度大阪支社に転勤することになったんだ…。来月から赴任する」
女:「えっ」
男:「いままでみたいに、ちょくちょくは会えなくなるね…でも僕らの関係は変わらないよ」
女:「そうだね…会えない時間が二人を近くするって言うしね…」
男:「週末ごとに帰ってくることはできないけど、月に1~2回は会おうよ」
女:「うん、そうだね。二人で三都物語もいいかもね♪」
半年後。
男:「ここしばらくあんまり会えてないね…」
女:「うーん、そうだね…」
男:「昨日だって電話したのに出ないしさ。メールの返信だって最近遅いじゃん」
女:「うーん、ごめん。最近いろいろと忙しくてさ」
男:「もしかして、他に好きな男とかできた?」
女:「えっ、いやー、まーそんな人はいないけどさー…」(実はいる)
みたいな。
まあよくありますよね。こういうこと。遠距離恋愛が続かない理由ってなんでしょう。いろいろありますけれども、結局はCRMのときの代表的指標である下記3点だと思うのです。
● CRM(Customer Relationship Management)にとってのRFM(Recency / Frequency / Monetary)これは知らない人は少ないでしょう。CRMが「データーベースマーケティング」と呼ばれていた時代から脈々と受け継がれる代表的指標です。次に遠距離恋愛のポイント。同じRFMで表現することができます。
● 遠距離恋愛にとってのRFM(Recency / Frequency / Meet)「いくら使ってくれたのか」という購入額の総額から顧客のロイヤル度を測るMonetaryをMeetに変えています。恋愛は、やっぱり実際に会わないと続きませんよね。会って、ご飯食べたり、触れ合ってお互いのぬくもりを感じたりしないと、どうも感情が続かない気がします。いずれにせよ、遠距離恋愛が破たんしてしまう理由は、上記RFMのバランスが崩れてしまうことが要因だと思います(中には、遠距離恋愛もCRMと同じRFM(MeetじゃなくてMonetaryが重要)なんて女性がいるかもしれません…)。最後に、企業の(Always On型の)ソーシャルメディア戦略におけるポイント。
● 企業のソーシャルメディア戦略にとってのRFE(Recency / Frequency / Engagement)MをEngagementのEにしました。RFMならぬRFEです(イマイチ言いにくいですけど)。
たとえば、
・ 1日前にテレビCMで接触
・ CMの大量出稿時には1週間に複数回接触
・ 一方向的な情報のプッシュなのでEngagement(関わり合い)は無し
というブランドAと、
・ 今日、Facebookのニュースフィード(or Twitterのライムライン)で接触
・ さらに、ほぼ毎日、Facebookのニュースフィード(or Twitterのタイムライン)に情報が流れていることを見ている
・ たまに「いいね」をしたり、RTをする
というブランドBで、どちらの方が、
・ ブランド好意度
・ カテゴリー内純粋想起率
・ 購入意向
が高くなるでしょうか。むろん、AとBのやり方を組み合わせることが一番いいわけですが、このケースではブランドBの方が意識変容は起こりやすいと思います(何度も言いますが、商材特性やターゲットの規定によってケースバイケースです)。
消費者の頭の中のアテンションやマインドシェアは日々移り変わる生ものであり、かつ、競合が良いポジションを獲ると自社の位が下がるという誠にシビアな「相対的なもの」です。そしてそれは同業界だけで戦っているものではなく、「同じターゲット消費者」の限られたアテンションと「意識」 「興味」を全企業で奪い合う異種格闘技戦なわけです。
そんな過酷な競争環境の中で、常に勝利し続けるためには上記RFEが大切だと思うのです。
いままでは、(既存顧客ではなく)比較的ブランドへの関与度が低い消費者の人たちとRFEを高める術はありませんでした(メールマーケティングはありましたが、多くのメルマガは、ユーザーとの関係性を深めて関与度を向上させる目的よりも、キャンペーン情報の告知やコンバージョンを重視した運用に力点が置かれています)。でもいまはソーシャルメディアがあります。企業の頑張り次第で、少しずつブランドとの関係性を育んだり、維持・向上させたりすることが以前よりも格段にやりやすくなっています。
遠距離恋愛が成就するように、皆さんもRFEに気をつけて、大切なお客様(潜在顧客も含む)とのコミュニケーションをとるようにいたしましょう。そして、その活動がしっかりと成果を出しているのか、ちゃんと内外比較とBefore / After調査を実施して成果を検証するようにしてください。(効果測定のやり方については、こちらのP21をご覧ください)