第2回 モニタリングレポートから読み解く数値分析と対策へのアプローチ

分析の基本となるKGI、KPI設計からモニタリングレポートの考え方
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

■Adobe Analyticsは怖くない!一緒に学ぶWebサイト分析

Adobe社が提供するAdobe Analyticsサービスに含まれるReports&Analyticsは、その多機能性と分析ツールの豊富さが際立つWeb分析ツールです。
第1回では、Reports&AnalyticsのUIや指標の定義、集計方法をご紹介しました。
第2回では、取得データをもとに、サイトの現状を知り、課題抽出~改善に生かす手法「モニタリングレポート」についてご紹介いたします。

■サイトの目的を把握しよう

Reports&Analytics上では様々なレポート・指標が存在し、用途に合わせた詳細分析が可能です。しかし、サイトを改善する為には、これら全てのデータを確認すべきでしょうか?

答えはNoです。

例えば製品レポートでは、「webサイト上の販売データをレポート表示」が可能で、売上額の自動集計も可能です。ECサイトであればこの機能は得てして有益な情報となるでしょう、しかし、例えばニュースサイト等そもそも購入が発生しないサイトも多々あります。
(実際に筆者が現在担当しているサイトでは製品レポートを使用していません。)

上記例の通り、分析対象データはサイトによって異なります。分析ツールはあくまでwebサイトが目的を達成しているか否かの判断や、目的に対する課題、改善点を発見する為のものです。
大前提として、「サイト目的を見誤らないこと」が非常に重要です。
ツールでの分析に着手する前に、今一度ご担当サイト、ページの目的を振り返って頂くことを強く推奨いたします。

■KGIとKPIを設計しよう

実際の現場では、サイト目的ははっきりしているものの、どのデータを見たら良いかわからない、と言う声をよく聞きます。例えばECサイトで、「目的はサイト上で売上を発生させることと、はっきりしているが、単純にサイトでの売上高だけ見ても、サイト内のどこに課題があるのかわからない」といったことです。

この場合、「その目的に対して具体的な目標値はありますか?」といった質問を行います。
例えば「年間売上を前年比で+1,000万」といったものです。
このサイト目的に対しての目標値をKGI(Key Goal Indicator)とも呼びます。

KGIが定まれば、自ずとKGI達成の為には、どんな戦略・戦術を行うべきか検討に移ります。
前述の「年間売上を前年比で+1,000万」を例とすると、戦略では、サイト流入数を増やす、サイト流入後の購入率を上げるなどが挙げられます。
戦術としては、サイト流入数増のためにSEO施策を行う、広告配信を強化するなどの手法があります。

これら戦術の中で、例えばSEO施策を行った場合、検索エンジンからの流入数増減を見る事で、成果を定量的に評価することができます。この定量評価軸となる指標をKPI(Key Performance Indicator)と呼びます。

KPIに対しても、KGI同様具体的な目標値を定める必要があります。しかし、KPIはあくまでKGI(=最終目標値)を達成するための要素です。KGIがしっかり定まることで、例えば現状4,000万の売上で+1,000万を目指すなら、流入数を25%増やす必要がある等、施策単位の目標設計がより容易にかつ具体的にものとすることができます。

下図1の様に、一つのKGIに対し、複数の戦略、各戦略配下に戦術/KPIがぶら下がっている形が望ましく、弊社では、この図をKBOツリーと言います。このKBOツリーを元にサイトを評価し、課題発見~改善策立案までを効率よく行うのが、Web解析の王道です。

   図1 KBOツリーとは
      別ウィンドウで開きます


これらKGI~KPI設計の詳細は弊社ブログでも紹介しております。

インテリジェンスビジネスソリューションズ Webアナリティクス ブログ

一方で、いくつかの現場ではKGI、KPIをどの様に数値設定すべきか頭を抱えているご担当者様も目にします。
次にご紹介するモニタリングの手法を活用することで、これら数値設計の根拠を見つけることも可能です。

■モニタリング

ここまでWebサイト解析には、分析ツールを触る前にKGI/KPIの確認が重要と述べてきました。
ここからはKGI達成に向けての各種分析の内、最も使用頻度が多い「モニタリングレポート」と呼ばれるものを紹介致します。

弊社ではモニタリングを「Webサイトのトレンドや異常値の発見など、サイトの健康状態を定点観測すること」と定義しています。すなわちサイトの定期健康診断であり、良化/悪化を診断、何か異常が見つかった際に、早期に精密検査が行える状態を作るプロセスです。
モニタリングレポートとは、このプロセスを可視化したレポートのことです。

健康診断でも基本検査項目があるように、サイトモニタリングでも基本があります。
以下でどの様な指標を対象とすべきか説明していきます。

■モニタリングレポートで取る指標は?

仮に以下のサイト、KGI、KPIの場合、どういったデータを取得していけばよいでしょうか?

  • サイトタイプ
    ECサイト
  • KGI
    2014年年間売上を前年比で+1,000万円
  • KBO
    サイト流入数を増やす
    購入フォーム遷移率を上げる
    フォーム完了率を上げる
  • KPI
    流入増:検索エンジンからの流入数前年比5%増
    購入フォーム遷移率上昇:流入後のページからフォームへの遷移率10%増
    完了率:フォーム入力完了率10%増

3つのKPIに対し、一例として、以下の指標を取ることで、サイトKPIの実数が把握できます。
しかし、果たしてこれら全てが前年比+10%増であれば、KGIを必ず達成できるでしょうか?

  • 検索エンジンからの流入:リファラータイプレポートで検索エンジン
  • 購入フォーム遷移率:パスレポートで流入後ページ→購入フォーム遷移率
  • フォーム完了率:パスレポートで購入フォーム入力画面→完了画面遷移率

答えはNoです。

例えば図2のように、購入者の平均購入金額が前年より大幅に下がっていたとしたら、KPIを達成したとしても、総売上ではKGI未達成は起こり得てしまいます。
逆パターンとして、KPI未達成でも、平均購入金額上昇によりKGIを達成してしまう場合もありえます。

   図2 KGI・KPI目標達成状況
      別ウィンドウで開きます

上記例より、モニタリングレポートでは、KGI,KPIは重要な指標ですが、それ以外の指標も見ていく必要があります。それ以外の具体的な指標として、100%常に当てはまるものは無く、サイト目的や報告者ニーズに合わせ、適宜取捨選択を行っていく必要がありますが、重要なポイントは、「何のために」指標を取るのか見誤らないことです。

筆者の場合、下図3のように取得する指標を一覧化し、サイトにおけるユーザ行動をもとに流入、回遊、コンバージョンの3つに分類し、取得目的を埋めていく作業をお客様ヒアリングの上行っています。

   図3 取得指標一覧
      別ウィンドウで開きます

■モニタリングレポートの役割と差し示すもの

ここまでで、モニタリング対象指標として、KGI、KPIに加え基本指標と流入、回遊、コンバージョンと述べました。
これらを見る事で以下の点が把握できます。

1.サイトの現状を示す指標

  • 流入獲得状況:サイトへ訪問されているか
  • ユーザ回遊状況:訪問したユーザを逃していないか
  • コンバージョン状況:訪問したユーザはサイト内で目的を達成しているか

2.サイトの目標達成状況を示す指標

  • KPI達成状況:サイトの中間目的が定められた目標値に達しているか
  • KGI達成状況:サイトの最終目的が定められた目標値に達しているか
  • KPI以外のKGI構成要素と影響範囲:KPIが適切か、また追加すべきKPIがあるか

サイトの現状を示す指標を把握することで、サイトの目標達成状況を示すKGI/KPIの根拠とすることも可能です。
ただし、数値は季節変動や市場、競合他社状況等の影響を受ける為、これら外的要因を踏まえた上で現状を判断する必要があります。

以上を定点観測することで、ボトルネックの発見や次に着手すべきKGI、施策、KPIを客観的にとらえ、効率の良いサイト改善の足掛かりとなる、これがモニタリングレポートの最も大きな役割です。

■Report Builderによる一括データ取得

ここまでモニタリングレポートの役割と考え方について述べてまいりましたが、上記内容はAdobe Analyticsだけに限ったものではなく、汎用的なモニタリングレポートの手法です。

一方で、上記の手法に則って、一つ一つレポートを見ていくと、サイト規模によってはモニタリング資料の作成だけで相当の工数がかかってしまうといった声も耳にします。
この課題に対し、Adobe Analyticsでは、Adobe社公式ツールとして、Report Builderと呼ばれるExcelプラグインを提供しています。

Report Builderでは、複数ある任意の指標を選択し、ピボットテーブル形式で一括データ取得ができる非常に優れたツールです。また、あくまでExcel上で動作するツールですので、事前にExcelファイルを加工しておくことで、取得したデータを任意の表やグラフ作成まで自動化することが可能です。

このような一括データ取得ができる関連ツールや、指標に対しての複雑なフィルタリング条件設定を公式ツール上で行えることがAdobe Analyticsの優位性の一つです。


次回について

課題解決へ導くAdobe Analyticsツール紹介」についてお伝え致します。


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