数字で見る各国ネット広告市場
~ネット広告がTV広告を抜いた英国、日本におけるソーシャルメディアの収益構造
2009年11月12日から13日にかけて、イベント「Infinity Venture Summit 2009 Fall」が宮崎で開催された。その中の「ネット広告に未来はあるのか? ~ネット広告サバイバル」と題されたセッションでは、サイバーコミュニケーションズ、D2C、オプト、セプテーニ、アドウェイズといったネット広告を代表する企業から関係者が参加し、パネルディスカッションが展開された。
まずは、セプテーニの代表取締役社長、佐藤氏が世界のネット広告市場と日本のネット事情に関する数字をいくつか紹介した。それによると、各国の総広告費に占めるインターネット広告費の比率は、デンマークが24.4%と世界的に最も高く、次いでイギリスが23.1%、ノルウェーが21.1%、スウェーデンが19.5%と、欧州で高いことが伺われた。次いで韓国が18.6%と5位、米国が12.5%と9位に位置している。日本は、電通データによると10.4%と13位(経済産業省データによると3.0%と17位)で、先進国の中では遅れをとっていることがわかる(図1)。
また、英国では2008年から2009年にかけて、TV広告の比率が横ばい(21.9%)だったのに対して、インターネット広告は19.2%から23.5%に伸びている。つまり、英国ではネット広告がTV広告費を抜いたのだ。インターネット広告が登場して十数年ということを考えると、非常にエポックメーキングなことだ(図2)。
次に、国内のネット事情については、ネットメディア、特に主要ソーシャルメディアの収益構造がどうなっているか、広告と課金の比率を比較したグラフが紹介された(図3)。
これによると、Amebaとmixiは広告収入が中心であるのに対して、モバゲー、ニコニコ動画、GREEでは課金のボリュームが比較的高くなっていることが伺われる。現時点で広告比率が高い企業にとっては、今後、課金によるビジネスの可能性が残っているといえそうだ。一方で、すでに課金の比率が高い企業にとっては、メディアの拡大とともに、広告収入拡大の可能性もあるといえよう。
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この記事の筆者
堀田 有利江
株式会社インプレスR&D インターネットメディア総合研究所を経て、現在はITジャーナリスト。
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