増え続ける「後継者不在問題」…代表者が60代でも約半数が「後継者なし」【TSR調べ】
不在率が最も高い業種ワーストは「IT関連」。事業承継の課題が浮き彫りに。
11/14 8:10 調査/リサーチ/統計 | 調査データ
東京商工リサーチ(TSR)は、2024年「後継者不在率」調査を実施した。事業実態が確認できた企業を対象に、後継者が決まっていない企業の割合を示している。
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2024年の「後継者不在率」は62.15%で1.06ptの増加
調査によると、2024年の「後継者不在率」は62.15%で、前年の61.09%から1.06ポイント上昇した。代表者が50代の場合は71.82%、60代の場合は47.88%と、シニア層でも半数近い企業で後継者の不在が明らかになっている。なお、後継者不在率については、調査を開始した2019年から右肩上がりで推移している。
産業別でみると、10産業すべてで55.0%を上回っており、トップは「情報通信業」の77.32%となった。ソフトウェア開発などは代表者が比較的若く、現時点では後継者を選定する必要がないため不在率が高いと考えられる。
また業種別でみると、後継者不在率が最も高いのは「インターネット附随サービス業」の88.67%となった。ワースト10の上位業種を見ると、インターネット通販を含む無店舗小売業や情報サービス業、通信業などが並んでいる。一方で、不在率が低い業種としては、「協同組織金融業」が29.42%、「協同組合」が34.47%、「漁業」が37.68%の順となった。
調査概要
- 【調査方法】東京商工リサーチの企業データベース(約400万社)のうち、2022年以降の後継者に関する情報が蓄積されているデータから17万135社を抽出、分析した。
- 【備考】「後継者不在率」は事業実態が確認できた企業を対象に、後継者が決まっていない企業の割合を示している。
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