モバイルサイトのユーザーへの効果
モバイルサイトのユーザーへの効果
マルチメディア型のユーザーは、他のタイプに比べ、モバイルサイトを通じて商品やブランド・企業のことを知ったり、興味を持ったりするなど、商品やブランド・企業への興味喚起がされやすいタイプです(図7)。検索や来店にも積極的で、商品やブランド・企業について話題にしたり、ブログやSNSで情報共有したりする頻度も高く、クチコミにつながる行動を最も起こしやすいタイプでもあります。
マルチメディア型ユーザーの攻略法
これまでの特徴を踏まえると、このタイプのモバイルユーザーはどのようなモバイル施策でアプローチすれば反応するのでしょうか。
1. クロスメディアのコミュニケーションプラン
マルチメディア型ユーザーは他メディアとの同時接触が多いため、メディアを横断して行うような施策に反応しやすいといえます。モバイル単体でコンテンツを展開するだけでなく、テレビや雑誌といったマスメディア、交通広告やフリーペーパーなどで認知をさせたキーワードをモバイルで検索させるといったフローが作れると良いでしょう。
2. 提供する情報やコンテンツは「最新」「先取り」
マルチメディア型のユーザーは、流行や最新の情報に敏感なのが特徴です。「他の人よりも早く最新情報を手に入れたい」というユーザーのために、情報を提供するサイトであれば最新の情報を、早いタイミングで届けてあげるとよいでしょう。また、トレンドになるような目新しいコンテンツやサービスに反応してくれるのも、このタイプです。情報の鮮度やコンテンツの提供スピードも重要になるでしょう。
3. メリット・インセンティブの提供
もちろん、どのユーザーにも当てはまることですが、キャンペーンにおける応募や登録を促すためには、ユーザーに対してメリットをきちんと示すことが必要です。ただ、マルチメディア型はメリットをきちんと示せば、比較的ハードルの高いキャンペーンにも応募してくれるユーザーですので、特にこのタイプのメリットになりうる最新の情報や流行を意識したインセンティブをきちんと準備してあげるとよいでしょう。
参考事例1 コーセーコスメポート「コスマジ探偵キャンペーン」
テレビ雑誌交通広告PC
概要2009年春に新発売された新メイクブランド「コスマジック」のプロモーション。テレビCMで登場したEXILEのMAKIDAI扮するコスマジ探偵がモバイルサイトで恋の電話相談に応じるというコンテンツを展開し、マスメディアとモバイルをミックスしたキャンペーンを展開(※現在、記事中のキャンペーンは終了)。キャンペーン期間中は駅貼りポスターや、月刊EXILE(雑誌)といった認知メディアにて告知され、モバイルでは音声認識機能によりコスマジ探偵からの着信による通話などが楽しめた。5日間で参加5万件という成功を収めている。
※販促会議2009年6月号を参照
ポイント情報感度の高い女性がメインターゲットになるため、女性20代、30代の比率が高く、最新トレンドに敏感なマルチメディア型の人物像に近いターゲットが想定されます。新ブランド訴求にあたり、新作コスメに興味を示しやすいマルチメディア型をターゲットとするために、相性の良いテレビCMや交通広告を同時に展開し、敏感に反応したユーザーが、モバイルサイト上でコンテンツを利用するといった設計と、着信による通話というキャッチーなコンテンツが効果的に作用していると考察できます。
参考事例2 アシェット婦人画報社「ELLE girl」
フリーペーパー雑誌PC
概要自社発行の雑誌「ELLE girl」とPCサイト・モバイルサイトでコンテンツを連携させる、キャンペーンの応募ツールとしてPC・モバイルを利用するなど、雑誌からの流入を図っている。雑誌発売前に配布されるフリーペーパーや他社とのタイアップペーパーといった紙媒体でも同様にサイト連動を図っている。サイトでは雑誌に登場するハリウッドセレブなどの情報が毎日更新されるコンテンツなどを用意している。
ポイント雑誌のターゲットとなるファッション情報感度の高いユーザーに向けて、インセンティブを用いて紙媒体からインターネットへ誘引し、さらに顧客とのコミュニケーションを強化している事例です。また、サイト上では毎日更新されるコンテンツを用意することで、情報に敏感なマルチメディア型のユーザーを飽きさないようにしていることもポイントといえるでしょう。
上記のようなコスメ、ファッションなどの女性を対象にしたコンテンツは、女性20代~30代の属性比率が高く、情報感度の高いマルチメディア型と非常に相性が良いといえるでしょう。もちろん、他のジャンルや男性をターゲットとしたメディアでも応用できます。他のメディアとの接触が多いマルチメディア型を攻略し、モバイルインターネットをより活用するためにも、インターネット以外のメディアにも目を向け、ターゲット層に人気の雑誌やフリーペーパーをリサーチしたり、交通広告であればどの時間帯のどんな場所で、どんな見せ方をすればよいか検討したりする必要があるでしょう。
マルチメディア型の攻略まとめ
マスメディア、PC、モバイルを使いこなすマルチメディア型の特徴をまとめると、次のようになります。
- メディアを組み合わせたキャンペーンに反応しやすい!
- 最新、先取りに反応しやすい!
- メリット(インセンティブ)に反応して、モバイルでアクションしやすい!
マルチメディア型のような人物像がターゲットの場合、上記のような点を意識してプランを検討するとよいでしょう。また、このようなプランの実施が決定している場合は、マルチメディア型が反応しやすい有効なターゲットであることを意識してみるとよいのではないでしょうか。
モバイル検索サイトの利用率も比較的高く、モバイルサイトでも情報収集を行うマルチメディア型は、モバイル単体のキャンペーンでも効果は望めますが、複数のメディアを組み合わせたキャンペーンを企画することで、より高い効果を得られでしょう。
次回はPCとモバイルを使い分けるネット型について紹介します。
※本記事にて紹介する事例は、IMJモバイルの実績紹介としての掲載ではありません。
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