サイトのデザインは54%が「好みで決定」、27%が最後に上司にひっくり返され、90%は消費者の意見を参考にせず/デザイン決定プロセス調査
参考意見としてターゲット消費者の意見を取り入れているのは10%に過ぎず、90%が消費者の意見を聞かずにデザインを決定している。
デザイン決定のポイントは、「発注側の経営者・上司・担当者の好み」が54%。「サイト制作のゴールを達成できそうだから」(20.7%)の倍以上の割合で「好み」を優先。
27.3%が「発注側の経営者や上司の独断的な意向で最終決定の直前にデザインがひっくり返った」ことで困った経験がある。
これは、デザイン決定のプロセスをビジネス目的に対して最適化するための消費者評価(アンケート)ソリューション「CREATIVE SURVEY」を提供する株式会社フォーデジットとWeb担当者Forumは、共同で行った、「Webサイトのデザイン決定プロセスに関する調査」の結果のハイライトだ。
この調査は、企業サイトの制作において、デザイン決定がどのように行われているのかを調べることで、ビジネス目的を達成できる最善のデザイン決定がどれくらい行われているのかを明らかにし、現在のデザイン決定プロセスにおける問題点を発見することを目的としている。
調査結果から、いくつかのデータを紹介しよう。
※この調査における「デザイン」は「Webサイト制作における主要ページデザイン」を指す。調査は発注側・受注側の両方に対して行った(調査概要は記事末尾を参照)。
デザイン決定は、まだまだ旧来の主観ベースが多い
まず、Webサイトの主要ページデザインに関して、デザインの決定をだれが行っているかを聞いたところ、発注側の経営者だという回答が48%と最も多かった(図1)。決定の責任が発注側の経営者にあるのは当然と言えば当然だろう。
しかし、その決定は何を基準に成されているのかを調べてみると、最も多かったのは「発注側の経営者・上司・担当者の好み」だった(図2)。
本来ならば、どのデザインを選べばサイトのゴールを達成できるのかを基準にデザインを決定するべきなのだろうが、そうしていると答えたのは全体の20.7%に過ぎない。おそらく、「デザイン」と「ビジネス成果」をリンクして考えられていないのか、または、ビジネスゴールベースの選択をしようにも判断の基準があいまいでわかりづらいことが原因だろうと思われる。
「その他」としての自由回答には「見やすさ、使いやすさ」や「CI規程に基づき」「要求する仕様が機能するかどうか」などがあったが、いずれもビジネスゴール視点の手前の基準に留まっている。
では、サイトのビジネス成果を左右する最大の要因は何だろうか。それは、実際にサイトを訪れるユーザーがデザインに対してどう反応するかだろう。しかし、デザイン決定プロセスにおいて、ターゲット消費者の意見を参考にしているのはたった10%に過ぎない。つまり残りの90%は、ビジネス成果を左右するはずの消費者の意見を聞かずに物事を進めているのだ(図3)。
ちなみに、デザイン決定プロセスで「困ったこと」「おかしいと感じたこと」を聞いたところ、最も多かったのは直しの手間という回答だったが、「上司が最後にひっくり返す」「言うことがコロコロと変わる」といった意見も多かった(図4)。
「その他」の回答として「経営者にいくら説明しても理解してもらえない」というものがあったが、これも含めて、現場でサイト制作に携わったことがある人ならば「あるあるあるある」と頷くところだろう。
コメント
IT業界の実態とは?
昔、ネットで流行った「顧客が本当に必要としたもの」を思いだしました。
ITは進化したけど、作る方は進化しないのね・・・
http://www.cagylogic.com/archives/2004/03/04021256.php
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でらでらさん
編集部の安田です。コメント投稿ありがとうございます。
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