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呉服販売の京都きもの友禅がネット通販市場に参入

5 years 8ヶ月 ago

呉服販売の京都きもの友禅がネット通販をスタートした。自社ECサイトの開設のほか、「楽天市場」に出店。9000点超の在庫量、品質の良い振り袖を現金で大量買取して販売する価格力を武器に、ECユーザーや既存ユーザーのネット利用を開拓する。

和装業界は消費者の節約志向、少子高齢化などによる「和装離れ」が顕在化。こうした状況に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響による営業活動の自粛、生活様式の変化などが経営を直撃している。

こうした状況を踏まえ、京都きもの友禅は以前から準備を進めていたEC事業のスタートを、6月22日の臨時取締役会で決議。7月1日にECビジネスをスタートした。

自社ECサイトはGMOペパボが提供しているECサイト構築ASPの「カラーミーショップ」で構築・運用。通常の商品販売のほか、レンタル販売も展開するとしている。EC事業を担当する部署は、マーケティング本部内に専用部署を設置した。

矢野経済研究所の調査によると、和装関連のEC市場は260億円で和装市場全体の10%強を占める。和装関連の商材は店頭販売中心の販売手法から、ECへの移行が今後、見込まれるという。

京都きもの友禅の2020年3月期連結業績によると、2019年7-9(第2四半期)は前年同期比29.7%増、2019年10-12月期(第3四半期)は同16.5%増と2ケタ増で連結売上高は推移。成人式や卒業式など需要期の2020年1-3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で同2.3%増と伸び率が失速した。

瀧川 正実
瀧川 正実

顧客維持率が5%アップすれば利益は最大95%向上する――小売・ECビジネスでリピート施策が重要な理由 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

5 years 8ヶ月 ago
収益性を確保するための最も効果的な戦略が、顧客維持です。そのためには、現在の顧客がより頻繁にブランドに関わるよう、インセンティブを提供する必要があります

不確実な経済情勢の中では、顧客維持に焦点を当て、収益性を確保することこそが持続的な成長の鍵を握っています。

収益性を確保する効果的な方法は顧客維持

過去10年間に登場した大手スタートアップの多くは、収益性を後回しにして、どんなにコストがかかってもとにかく成長することを目標としていました。シリコンバレーの新興企業の多くは急成長を遂げたにもかかわらず、その後、急落。四半期ごとに赤字を計上し続けています。積極的な顧客獲得戦略にもかかわらず、これらの企業は利益を上げるのに苦労したのです。

このような「破滅を招く」成長志向は、もはや投資家にとって魅力的なものではありません。それよりも、不確実な経済情勢の中では、収益性こそが持続的な成長の鍵を握っているのです。そして、収益性を確保するための最も効果的な方法は、顧客維持に焦点を当てることです。

顧客維持率5%アップで、利益は最大95%まで増加

利用頻度の少ない顧客をロイヤルカスタマーにすることで収益性を高める

顧客維持は収益性を促進し、ひいては投資家にも継続的なリターンをもたらします。新規顧客の獲得には顧客維持の5倍のコストがかかりますが、顧客維持率(CRR、Customer Retention Rate)をわずか5%向上させることで、25%から最大95%まで利益を増加させることも可能です。

顧客維持率5%向上で、利益を最大95%まで増加させることも可
顧客離れ5%改善で利益は25%アップすという5:25の法則について(デジタルマーケティング広告代理店InvespのWebサイト「Customer Acquisition Vs.Retention Costs – Statistics And Trends」から編集部が翻訳し作成)

顧客維持率の向上には、現在の顧客に自社ブランドとのエンゲージメントを高めるインセンティブを提供する必要があります。エンゲージメントを高めるための最も効果的な方法の1つが、プレミアム・ロイヤルティ・プログラムです。

一般的なプログラムは、たまに訪れる顧客のデータを収集するには絶好の機会ですが、割引を提供してもロイヤリティを生み出すことができないため、小売事業者が収益を圧迫していると考えることが多々あります。

一方、プレミアム・プログラムとは、顧客がお金を払って参加するプログラムで、エンゲージメントのレベルが高く、長期的なロイヤルティを構築します。今回は、このような定額制のロイヤルティ・プログラムの特徴をご紹介します。

顧客が求める特典とは?

データに基づいてプレミアム・ロイヤルティ・プログラムを提供すれば、最もロイヤルティの高い顧客が利用している特典を軸に、継続的に特典を最適化し、時間の経過とともに調整することができます。

特典には、即時割引や送料無料といった取引上の特典と、店舗内での限定カスタマーエクスペリエンスなどの体験上の特典の両方を上手く組み合わせたものが含まれます。

プレミアム・ロイヤルティ・プログラムは、顧客がすぐに利用できる、より優れた特典を提供することで、会員の定期的なエンゲージメントを促すことができます。プレミアム・ロイヤリティ・プログラム参加者の半数以上が、少なくとも週に1回はプログラムの対象となる小売店で買い物をしています。さらに、ウイルスの流行やその他の要因で、実店舗で買い物ができない場合は、送料無料や返品などの会員特典を提供することで、会員のエンゲージメントを促進することができます。

長期的で信頼の厚い顧客関係を築くには?

小売業界、顧客の期待、ビジネスはすべて、時間の経過とともに進化し、ロイヤルティプログラムも進化していきます。会員が継続的に価値を実感できなければ、会員継続の更新はしません。顧客データの傾向に基づいて特典を最適化する方法を探しましょう。

たとえば、どの特典がどの会員に最も利用されているかを把握し、それに応じてプログラムを調整します。ニーズに合わせて提供される特典に会員が満足している場合、ブランドへのロイヤリティが強くなる可能性が上がります。プレミアム・ロイヤルティ・プログラム会員の87%が、他の小売店で同一商品が安く提供されていたとしても、プログラムの会員になっている小売店を選択すると回答しています。

◇◇◇

現在の小売業では、収益性が顧客との厚い信頼関係に依存しているため、プレミアム・ロイヤルティ・プログラムは、ブランドと顧客との関係を強化するための最高のツールと言えます。プレミアム・ロイヤルティ・プログラムは、初日からROI(投資対効果)がプラスになることは言うまでもありません。会員費の収益と顧客ロイヤルティが、ブランドの成功を促し、長期的に持続的な成長を達成するために必要な後押しとなります。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360
Digital Commerce 360

オイラ大地・奥谷氏、オプト・伴氏が語る「Withコロナを勝ち抜くための小売・EC事業者が取るべき戦略」【無料ウェビナー7/29】

5 years 8ヶ月 ago

オイシックス・ラ・大地の奥谷孝司氏(執行役員/Chief Omni-Channel Officer)、オプトの伴大二郎氏(エグゼクティブ・スペシャリスト パートナー 兼 オムニチャネルイノベーションセンターセンター長)が、最新の米国小売・EC業界のトレンドや企業事例を基に、Withコロナ時代の日本市場でEC事業者が勝ち抜くための戦略について議論する対談形式無料ウェビナーを、7月29日(水)午後2時から開催します。

今回のウェビナーは、ネットショップ担当者フォーラム創刊6周年記念セミナーとなります。

<こんな事業者にオススメ>

  • リアル店舗の閉鎖で売上面に影響を受けている小売り事業者
  • 新規でECに参入、または参入検討中の小売り事業者
  • デジタルトランスフォーメーション(DX)に本腰を入れたい小売り事業者
  • コロナ禍でEC売上を伸ばすための方法を探している小売り・EC事業者

<こんなことが学べます>

  • 奥谷氏・伴氏が注目する米国の小売り・EC事例とその理由
  • 上記の中から日本企業が取り入れられるポイント
  • 日本の小売り業が効率的にDXを推進するためには何から取り組めばいいか?
  • Withコロナ時代を生き抜くために小売り業&EC事業者が取るべき戦略とは?
  • これからのリアル店舗の役割とは?

詳細とお申込みは以下をご確認ください。

「米国事例に学ぶ『Withコロナ』を勝ち抜くためのECビジネス、今日本企業が取るべき戦略

  • 日時:2020年7月29日(水)14:00~15:00
  • 参加費:無料
  • 参加申込方法:以下のフォームよりご登録ください。当日の参加URLをメールでお送りいたします。(アンケートのご協力もお願いいたします)
  • YouTubeライブ配信:当日はYouTubeライブ配信を行う予定です。URLは、当日ネットショップ担当者フォーラムのFacebookイベントページ内でご案内します。
    https://www.facebook.com/events/1139954149708760/

<登壇者プロフィール>

オイシックス・ラ・大地株式会社 奥谷孝司氏
執行役員COCO(Chief Omni-Channel Officer)
株式会社顧客時間 共同CEO 取締役
1997年、良品計画入社。3年の店舗経験の後2年ドイツ駐在。家具、雑貨関連の商品開発や貿易業務に従事。帰国後「World MUJI企画」を運営。2003年、良品計画初となるインハウスデザイナーを有する企画デザイン室の立ち上げメンバーとなる。2005年、衣服雑貨部の衣料雑貨のカテゴリーマネージャー。現在定番商品の「足なり直角靴下」を開発、ヒット商品に。2010年、WEB事業部長。「MUJI passport」のプロデュースで14年日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の第2回WebグランプリのWeb人部門でWeb人大賞を受賞。2015年10月よりオイシックス株式会社(現オイシックス・ラ・大地株式会社)入社。現在、執行役員、COCO(Chief Omni-Channel Officer)を務める。2010年、早稲田大学大学院商学研究科夜間主MBAマーケティング・マネジメントコース(守口剛ゼミ)修了。2017年4月、一橋大学大学院商学研究科博士後期課程入学。2018年9月、株式会社大広との共同出資会社 株式会社顧客時間設立
株式会社オプト 伴大二郎氏
エグゼクティブ・スペシャリスト パートナー 兼 オムニチャネルイノベーションセンターセンター長
小売業界においてCRMの重要性に着目。一貫してデータ活用の戦略立案やサービス開発に従事した後、2011年にオプト入社。マーケティングコンサルタントを経て、2015年よりマーケティング事業部長として事業拡大に向けた組織作りに着手。マーケティングマネジメント部やOMO関連部門等を立ち上げ、統括しながらエグゼクティブ・スペシャリストという立場から社内外への発信活動も担務。

ご登録いただだきましたメールアドレスに、当日のWebinar用URLをお送りいたします。

公文 紫都

米国・欧州のアマゾンユーザーが日本の自社ECサイトで簡単に買い物――「Amazon Pay」「WorldShopping BIZ」の協業策

5 years 8ヶ月 ago

越境EC・Webインバウンド対応サービス「WorldShopping BIZ」を提供するジグザグは7月14日、Amazonが提供するオンライン決済サービス「Amazon Pay」と協業し、Amazonアカウントを保有する米国・欧州ユーザーが「Amazon Pay」を使い日本国内のECサイトで注文・決済できるようにしたと発表した。

この協業によって、「WorldShopping BIZ」を導入した日本のECサイトで、米国・欧州ユーザーが「Amazon Pay」を利用して越境ECで買い物できるようになる。

この仕組みは、米国・欧州のAmazonアカウントで決済できる特別仕様の「Amazon Pay」を「WorldShopping BIZ」に実装。国内EC事業者は、開発や運営オペレーションの変更を行わず、「WorldShopping BIZ」のタグを1行設定するだけで、自社ECサイトにアクセスする米国・欧州のAmazonアカウントを持つユーザーに越境ECによる買い物環境を提供できる。

「WorldShopping BIZ」を提供するジグザグは7月14日、Amazonが提供するオンライン決済サービス「Amazon Pay」と協業し、Amazonアカウントを保有する米国・欧州ユーザーが「Amazon Pay」を使い日本国内のECサイトで注文・決済できるようにした
米国・欧州から日本の自社ECサイトにアクセスしたときのイメージ

事前に行った約3か月のクローズドβテストでは、北米、南米、アジア、ヨーロッパ、オセアニアの計20か国以上のお客さまが「Amazon Pay」を利用して決済をした。これからの本格稼働により、米国および欧州のAmazonアカウントをお持ちのお客さまが、日本のECサイトで便利にお買い物ができるようになることになる。(ジグザグ 代表取締役 仲里 一義氏)

「WorldShopping BIZ」は、大幅なサイト改修を伴わずに、JavaScript1行を自社ECサイトに設置するだけで越境対応できるサービス。国際物流、多言語のカスタマーサポートなどもジグザグが対応する。

瀧川 正実
瀧川 正実

オンワード、ZOZOのサイズデータ活用のオンライン完結のオーダーメードECを「ZOZOTOWN」で展開

5 years 8ヶ月 ago

オンワードホールディングス子会社のオンワードパーソナルスタイルは8月下旬、オーダーメードブランド「KASHIYAMA(カシヤマ)」において、ZOZOが運営するファッションECサイト「ZOZOTOWN」と、オーダーメードビジネスにおける取り組みを開始する。

日本人の約95%を包含できる豊富なサイズを展開し、自社による生産プラットフォームを有する「KASHIYAMA」と、「ZOZOSUIT」から得た100万件以上のサイズビッグデータを蓄積し、年間800万人以上(2020年3月末時点)のサイト購入者数を有するZOZOが連携。

両社の膨大なボディーデータから、幅広いサイズバリエーションに対応する体制を整備。オンライン完結で簡単にオーダーメードファッションが注文できる仕組みを実現する。

第1弾として8月下旬から、メンズ・ウィメンズのオーダーメードセットアップアイテム28種類を、ZOZOの「マルチサイズ」(「ZOZOSUIT」で得た100万件以上の体型データを活用し、「身長」と「体重」を選択するだけで、自分に合った最適なサイズのアイテムが簡単に手に入るサービス)を用いて「ZOZOTOWN」で展開。「身長」と「体重」を選択すると、100万件以上の体形データの活用で簡単に適したサイズのアイテムを注文できるようにする。

ファッションビジネスを取り巻く環境下では、1人ひとりの好みや体形に合った商品を受注ごとに生産し、余剰在庫を生まないビジネスモデルの需要が拡大する見込み。今後は新規アイテムの開発・販売も計画する。今回の「KASHIYAMA」とZOZOとのオーダーメード×オンライン完結型ビジネスモデルで、5年後には100億円規模の売り上げめざす。

オーダーメードビジネス領域の取り組みに合わせて、オンワードグループは8月下旬、「ZOZOTOWN」に再出店する。「ZOZOTOWN」ユーザーと親和性の高い11ブランド・13ショップが出店する。2019年2月に「ZOZOTOWN」を退店して以来、約1年半ぶりの再出店となる。

石居 岳
石居 岳

TSI ECストラテジー元社長の柏木氏に聞く「これからのEC・アパレル業界」「小売業のDX」「最新リテールテック」

5 years 8ヶ月 ago
トランスコスモスに転職した、「ナノ・ユニバース」「東京スタイル」などを傘下に持つTSIホールディングスグループのEC専門会社TSI ECストラテジー元社長の柏木又浩氏。「EC業界・アパレル業界」「注目していること」について聞きました【インタビュー後編】

「ナノ・ユニバース」「東京スタイル」などを傘下に持つTSIホールディングスグループのEC専門会社TSI ECストラテジーの社長を務めていた柏木又浩氏。次の活躍の場に選んだトランスコスモスでは、常務執行役員 リテールコマース総括責任者として、小売業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援していく。インタビュー後編では、新型コロナウイルスの影響を踏まえた、「EC業界・アパレル業界の現状とこれから」、「注目していること」について聞いた(前編はこちら)。

旧態依然の企業はこの危機は乗り越えられない

――現在のEC業界、アパレル業界をどう見ていますか。

2020年はアパレル単体で見ると、多くの企業でさまざまな手法による在庫換金を余儀なくされるでしょう。コロナ禍の2020年について、日本企業はそこまで危機感を持っているのかわかりませんが、グローバルブランドは、新型コロナウイルスとの共存によりブランドの在り方、プライシング、生産サイクルなど事業本質の大変革が始まったと考えています。

そして、このような状況にさらに拍車をかけるのがサステナビリティ(持続可能性)への取り組みです。新型コロナウイルス感染症拡大によるパンデミックと同時に、世界で起きている自然災害への課題解決としても加速していくと思います。

生活に必要な商品やサービスを、デジタルデバイスやネットワークを通じて顧客とつないでいくことは増え続けるでしょう。そこで、社会や世界に本当に必要なブランド、商品、サービスは何なのか? 存在すべきブランド、商品、サービスの価値とは何なのか? を理解しながら事業イノベーションをしていくべきです。企業は、「ニューノーマル(新しい当たり前)」とは何を意味するのか?と、問い続けながらこの危機を乗り切っていくことが求められます

TSI ECストラテジー元社長 現在はトランスコスモス常務取締役の柏木又浩氏
柏木又浩氏。2014年に設立されたTSIグループのEC事業、デジタルマーケティング、オムニチャネルを統括するTSI ECストラテジーの代表取締役社長に就任したのは2014年。2014年2月期におけるグループEC売上高は134億3200万円。退任時の2020年2月期におけるEC売上高は、前期比6.4%増の363億3700万円と、TSIグループのEC売上拡大の功労者の1人

柏木が注目する3つのリテールテック「体験型店舗」「オンライン接客」「Instagram」

柏木氏がTSI ECストラテジー社長時代から、常にアンテナを張っていたのが海外のリテールテック情報。日本の一歩・二歩も先を行く先端リテールテック情報から、TSIグループのECビジネスに役立つテクノロジーを導入してきた。

2014年にはECプラットフォームにクラウド型ECプラットフォームの代表だった現セールスフォースの「Commerce Cloud」(旧デマンドウェア)を導入。2015年には日本のアパレル企業としては初めて店舗分析プラットフォームなどのリテールネクスト社(本社は米国カリフォルニア州)が提供する店舗IoTプラットフォーム、2020年には店内の販売員がEC顧客にリアルタイムで接客するオンライン接客ソリューション「HERO」などを導入した。

店内情報をメーカーとリアルタイムで共有する新しい小売店「b8ta」の日本進出(8月1日に新宿マルイ本館1階、有楽町電気ビル1階に2店舗を開設)、TSI時代の経験、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、柏木氏が語った注目する“リテールテック”とは。

店舗の「ビッグデータ化」「IoT化」「デジタル化」

米国では、D2Cブランドの商品などを展示・販売するショールーミング形式の新しい小売店が台頭しています。その代表格である「b8ta(ベータ)」、「Neighborhood Goods(ネイバーフッド・グッズ)」、「Showfields(ショーフィールズ)」には共通点があります。

その3店は、来店顧客が店内でどのような体験・行動をしたのかを設置したカメラを通じて収集して分析、出展するD2Cブランドのマーケティング活動に生かしていること。このRaaS(Retail as a Service、サービスプラットフォームとしての小売)のビジネスモデルをテクノロジー観点で支えているのが、リテールネクスト社(本社は米国カリフォルニア州)が提供する店舗IoTプラットフォームなんです。

▼b8ta(ベータ)とは
2015年に体験型の小売店を米国サンフランシスコ近郊のパロアルトでオープン。実店舗への出品を手軽にし、消費者にイノベーティブな製品を発見、体験、購入できる場を提供するのがミッション。RaaS(Retail As A Service)のパイオニアと呼ばれる。たとえば、店舗運営に必要な従業員の手配、トレーニング、シフト管理、在庫管理、物流サポート、POSは全て付帯サービスとして、サブスクリプションモデルを採用した月額の出品料金を徴収する。店内で来店者がどのような体験をしたかを設置したカメラを通じて収集し、ソフトウェアで行動分析している(詳しくはこちら)。日本市場に2020年8月、初店舗を都内に開設する。

「b8ta」のイメージ動画(音声は設定→字幕→自動翻訳で日本語を選ぶと、日本語訳が表示されます)

▼Neighborhood Goods(ネイバーフッド・グッズ)とは
ネット通販主体のD2Cブランドを集めたショールーミングストアを展開し、自社のことを「新しいタイプの百貨店」と呼ぶ。現在、米国で3店舗を展開。専用アプリを通じて展示するD2Cブランドなどの情報を得たり、商品を購入することもできる。レストランを併設した店舗もある。店内で来店者がどのような体験・行動をしたのかを設置したカメラを通じて収集し、行動分析。D2Cブランドのマーケティング活動に生かしている。

「Neighborhood Goods」のイメージ動画

▼Showfields(ショーフィールズ)とは
ネット通販主体の新興D2Cブランドの商品を紹介・販売するニューヨーク発のストア。「世界一面白いお店」を自称し注目を集めている。数か月単位でブランドにスペースの短期貸しを実施。店舗設計・デザイン、在庫管理のほか、店舗オペレーション費(各ブランドの商品やサービス知識を習得した「Showfields」スタッフが接客・販売代行)が出展料に含まれる。店内で来店者がどのような体験・行動をしたのかを設置したカメラを通じて収集し、行動分析。D2Cブランドのマーケティング活動に生かす(詳しくはこちら)。

「Showfields」のイメージ動画

TSIグループもリテールネクストのプラットフォームを導入していましたが、想定よりも店舗のインストア分析、DX化のドライブをかけることができませんでした。最大の理由はショップスタッフのUX(ユーザー体験)において日々の課題認識に可視化できなかったこと、そしてPDCAを回すためのコーチングができなかったことです。単にプラットフォームを導入すれば、店舗のデジタル化が実現できるわけではありませんでした

ただ、新型コロナウイルス感染症の影響で、店舗とお客さまのソーシャルディスタンシングによる距離感、店舗の存在意義が変わるため、店舗のDX化は間違いなく進むでしょう。商業施設やデベロッパー、百貨店など、1つの施設全体でプラットフォーム化を進め、オフラインストアのビッグデータ化を実現できる時代になると確信しています。

「b8ta」「Neighborhood Goods」「Showfields」は店舗のIoT化を実現し、お客さまの行動を計測して分析。それぞれのスタイルで可視化した消費行動をビジネスモデルに生かしています。私は米国で注目されているこうした商業施設や店舗の「ビッグデータ化」「IoT化」「DX化」はwithコロナ時代に必要とされる絶対的な戦略だと思っています

「RetailNext」のイメージ動画(音声は設定→字幕→自動翻訳で日本語を選ぶと、日本語訳が表示されます)。リテールテック(小売×Tech)企業として2007年に創業。店舗分析ソリューションベンダーで、日本を含む世界85か国以上で事業を展開している。「RetailNextプラットフォーム」は、大手メーカーのアナログカメラやIPカメラなどを利用し、小売店舗に関わる多様で膨大なデータを収集。リアルタイムでの混雑状況の把握、入店率、入店数、購買率、シフト、スタッフ配置、エリア滞留時間、動線、年齢、性別などのデータを可視化する

オンライン接客は当たり前になる

新型コロナウイルス感染症の拡大で、ECサイトでもオンライン接客を行う企業が増えてきましたね。まさにwithコロナでドライブがかかったという印象です。

以前から、実店舗を中心に事業を営んでいた小売企業はみんな、ECサイトにおけるオンライン接客について考えてきたんです。ショップスタッフの接客力をどう活用すればEC売上をさらに伸ばせるのか? オフラインでできることを何で、オンラインでできないんだろう? と、実現する方法を長年、模索してきたのです。

私がこれまで見てきた中で最も優秀なオンライン接客ソリューションが「HERO」。米国のHero Towers Limited社が開発・提供し、TSIグループも導入しました。テキストメッセージ、チャット、ビデオを使ってリアル店舗とECサイトのスタッフが消費者とコミュニケーションをとることができるオンライン接客ツールで、今後、爆発的に需要が高まる可能性のあるソリューションだと感じています。

「HERO」のイメージ動画(音声は設定→字幕→自動翻訳で日本語を選ぶと、日本語訳が表示されます)

「HERO」はなぜ凄いのか? 個々のショップスタッフがどれだけのお客さまから支持されているのか、自身の接客がどれだけのEC売上になっているのか、それらを全部可視化できること。ゲームのように自分の勝ち得たEC売上が可視化されるので、ショップスタッフの成功体験になり、モチベーションアップになるのです。

実店舗には本当に接客が上手なスタッフがたくさんいらっしゃいます。ネット上ではそうした優秀なスタッフの販売ノウハウが生かされていない。私もTSIグループに在籍していた時、痛感していました。ショップスタッフがオンラインをサポートするという意味ではオンライン接客がベストな選択肢。

ショップスタッフは今までリアルで接客の楽しさを見出せていませんでしたが、オンライン接客ツールを活用すれば、「オンラインでも接客の力を発揮できるんだ!」となります。腹落ちした瞬間、確実にオンライン接客のEC売上は伸びるでしょう。それは買う側(お客さま)にとっても楽しい体験になりますから。

進むソーシャルコマース

D2Cブランドやファッションなどでは、Instagram(インスタグラム)のEC活用が重要視されるようになっています。このInstagramのショッピング活用で注目するツールが「Dash Hudson」(ダッシュハドソン)という画像AI分析ソリューションです。

Instagramにおいて世界に1億8千万人のフォロワーを持つスーパーセレブ・カイリージェンナーのプロデュースする「KYLIE COSMETICS」(カイリーコスメティクス)、そして、インフルエンサーマーケティングで上場したといっても過言ではない人気米国ファッションモールREVOLVE(リボルブ)など、名だたる企業やブランドがソーシャル時代の画像分析プラットフォームとしてダッシュハドソンを利用しています。

投稿されたソーシャルメディア上の画像を、どのような要素や構図の画像が、コンバージョン、エンゲージメントが高いのかなどをAIが解析。その上で、プラットフォーム上に撮影した画像をアップすると、解析に基づいて、エンゲージメントやコンバージョンが高くなると予測した画像を選び出し、ソーシャル上での投稿を最適化するプラットフォームになっています。

「Dash Hudson」のイメージ動画(音声は設定→字幕→自動翻訳で日本語を選ぶと、日本語訳が表示されます)

SNSの浸透と伴にインフルエンサーマーケティングが浸透、ソーシャルコマースの時代に突入しました。これまでも画像、映像、テキストがオンライン上でのビジネスで重要でしたが、今後はさらに重要視されます。画像のECマーケティング活用としては、プラットフォームとしては「Dash Hudson」が、一番出来が素晴らしいと思っています。

◇◇◇

2014年、柏木氏はトランスコスモスへ転職。今度は、事業者側からベンダー側へと、小売事業者・EC事業者にサービス提案などを行う立場になった。

次の時代に向けた変革を求める小売企業に必要なソリューションを提案し、一緒に創造する側になれないだろうか。確実に世界が変化するこの時期だからこそ日本のリテールビジネスの在り方を根本的に変えるサポートがしたい。BOPIS(Buy Online Pick-up In Storeの略称で、店舗受け取りサービスのこと)、OMOなど今までの日本なら10年かかっていたことが3年で実現できるかもしれない。(柏木氏)

こうした思いを抱いての転職。柏木氏は自身の経験、そしてコロナ禍の小売事業者のDXを促進するために、「コマースビジネス、エンゲージメント、売り上げを最大化するためのNo.1サポーターになりたい」と今後の抱負を語り、インタビューを締めた。

瀧川 正実
瀧川 正実

ピアリビング室水氏が語る海外進出で重要なこと。「時間をかけて情報を継続発信していくこと」 | 動画で学ぶ「ECの未来」produced by Savari.,Co.Ltd.

5 years 8ヶ月 ago
ピアリビング代表取締役の室水房子氏とozieの柳田氏が語る「国内ニッチメーカーが海外に打って出る方法は」【ECの未来⑦後半】

ECに関わるキーパーソンがこれからのECビジネスなどについて語り合う「ECの未来」。司会進行役は人気ECサイト「ozie」を運営する柳田織物の柳田敏正社長。

7回目は防音商材の販売や製作、施行などを行う「ピアリビング」代表取締役の室水房子氏をゲストに迎え、「国内ニッチメーカーが海外に進出する方法」をテーマに語り合う。後半は「海外の展示会に参加したことで変わった意識」「知ってもらうことの重要さ」について語る。

室水氏が語る、海外進出で重要なこととは

室水氏はシンガポールで行った展示会を振り返り、「防音という意識がない国で、販売ではなくどういった生活をしているのか、悩みを知ろうと思った」と述べる。海外で展示会を行ったことで、防音や企業について知ってもらうことの大切さや日本製品が愛されていることを感じた。また、スタッフの意識も変わったという。

▼動画を早くみたい! という方はこちらをクリック

  • 【7回目のゲスト】ピアリビング 代表取締役の室水房子氏

ECの未来 ピアリビング 防音 越境EC 中国 室水房子 柳田敏正 ozie 柳田織物 EC
ピアリビング 代表取締役の室水房子氏。
1993年に起業し、2001年にヤフーオークションをスタートし、現在ピアリビングを運営。ネットで初めて一般に防音建材を販売。『工事なしで!女性でも簡単に防音ができる』商品の開発や製作、販売を行う。二級施行管理技士の資格を持つ。2018年にイーコマース学会九州支部長、2003年からネット業界のセミナー講師などを務める。
  • 【司会進行】柳田織物 代表取締役の柳田敏正氏

ECの未来 ピアリビング 防音 越境EC 中国 室水房子 柳田敏正 ozie 柳田織物 EC
柳田織物代表取締役の柳田敏正氏。
法政大学卒業後、バーニーズジャパンに入社し横浜店にてメンズ全般の接客に従事。1999年退社し柳田織物に入社。2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie(オジエ)」を開設しBtoCへ進出。2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。2012年第4回エビス大賞にて大賞受賞。2013年4月代表取締役に就任。

ネットは世界中から見ることができる、日本だけの販売じゃなくても良いのではないか

対談内での印象的なワードを以下に紹介する。

英語がわからない中で、どうやったら伝えられるかを考えるようになった。スタッフのモチベーションが上がった。(室水氏)

日本のモノが愛されている。日本が好きという国は何か国かあるので、やらない手はない。(室水氏)

周知してもらうために、シンガポール在住の日本人YouTuberに取材をしてもらった。(室水氏)

時間をかけて継続して発信していくことで、気付いてもらえる、その市場を育てていくこともありますね。(柳田氏)

情報発信からでも良いのでやって欲しい。絶対に何かしら動くと思うんです。出さないといつまでも変わらないので。(室水氏)

室水氏と柳田氏が語り合った「ECの未来」。詳細をもっと知りたい方は動画をチェックしてください!

「ECの未来」とは

EC業界の著名人などにインタビューし、これからのECを考察する動画メディア。企画・運営はEC支援のサヴァリ。司会進行役の柳田社長がEC業界のキーマンに独自の視点で切り込んでいく。

ECの未来 チャンネル登録はここをクリック!
サヴァリ株式会社
サヴァリ株式会社

「ShopifyはAmazonキラーなんかじゃない!」――「Shopify」と「Amazon Pay」の組み合わせがEC成功のカギだ

5 years 8ヶ月 ago
EC企業のブランディングなどを支援するフラクタの河野貴伸社長に聞く、「買いやすいECサイト作り」「成功するためのブランディング」など“ECサイト運営で重要視すべき勘所”
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在京キー局の経済番組で特集が組まれるなど、EC業界内での存在感を増しているECプラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」。そして、日本でサービスを開始してから6年目を迎え、大手から中小までさまざまな業種・業態のECサイトによる導入が加速している「Amazon Pay」。なぜ「Shopify」と「Amazon Pay」は注目を集めているのか? 「Shopify」と「Amazon Pay」の魅力から、買いやすいECサイト作り、成功するためのブランディングなど、ECサイト運営で重要視すべき勘所について、EC企業のブランディングなどを支援するフラクタの河野貴伸社長にインタビューした。写真:吉田浩章

フラクタの強みはECとブランディングの両立

フラクタは、ECをベースに企業や商品のブランディングを手がけるブランディングエージェンシー。もともと前身の企業はECサイト制作会社だったが、ブランドの課題を解決するためにはECの枠を超えてサポートする必要性を感じ、その時の経験やノウハウをベースに企業や製品のブランディングを手がけるフラクタを2013年に設立した。

フラクタの河野貴伸社長
フラクタ 河野貴伸社長

フラクタの強みは、ECとブランディングを両立できることです。意外にもそういった支援企業は少ないんです。ECで重要なのは利益を最大化するためのパフォーマンスマーケティング戦略。いかに短期間で利益を伸ばすのかを重視するので、長期的な視野で考えるブランディングとの両立は難しく捉われがちでした。

フラクタはD2Cビジネスを中心に、ブランドとお客さまとの直接的な関係性の構築を重視するブランディングでファンを育成、リピート顧客を育成していくというブランドビジネスの支援に特化してきました。高速立ち上げで売り上げを拡大するといった領域だけを重視するのではなく、「ブランディング×コマース」という長期的な視野から戦略を汲み上げるところに特化してきたところが、他社にはない強みなのです。

そのため、クリエイティブ、エンジニア、コンサルティングに携わるスタッフはほぼ同じ人数の組織構成。その中でも特徴的なのは、前職までにモノを売る仕事、たとえば製造小売り、小売り、接客業などの商売に身を置いていた経験者が多いことです。

フラクタのゴールは、クライアントが最終的に「自走できること」。ブランディングやコンバージョンにつながるクリエイティブの作り方なども自社で考え、最終的に自走できるように支援することをメインゴールとしています。コマース業界の変化は著しいので、フラクタは先進的なことを他社よりも早く取り入れ、それをベースにしたノウハウや情報などをクライアントに提供し、共に進化していくことをめざしています。

フラクタのHPで掲げているメッセージ
フラクタのHPで掲げているメッセージ

ビジネスの重要なところをしっかり押さえている「Shopify」

河野社長は前身の企業から20年以上手がけてきたEC支援ビジネスで気づいたことがあるという。「支援先が増え、その企業の受注が伸びると改善点がより見えてくるようになった」。それは何なのか。河野社長は言う。

お客さまの消費心理を考えたとき、たとえば店舗運営の事情でスピード配送が実現できないといった企業側の事情は関係ありません。どうすればスピーディーに、良い商品を消費者へ展開するといったことに事業者は専念すべきでしょう。

EC事業者は商売に専念すべき――。この解を実現できるECプラットフォームを考えたとき、「Shopify」はよく考えられた設計になっていると河野社長は言う。「今でも、自社の収益に見合わないイニシャルコスト、ランニングコスト、さらには膨大な時間をかけてECサイトを構築・運用している企業は少なくありませんこのようなビジネスは長期的に見たときに厳しくなります。そうした視点で見たとき、『Shopify』はビジネスの重要なところをしっかり押さえているプラットフォームだと思いました」。

クライアントのビジネスを考えたときもっとも最適なECプラットフォームは何なのか――。この視点で考えた際、注目すべきは「Shopify」だと河野社長は結論付けたという。

「Shopify」案件の相談は2019年末から急激に伸びています。感じるのはクライアントからの期待値の高さです。オープンソースでのECサイト構築も手がけてきましたが、クライアントごとに適したECプラットフォームもわかってきました。私がお伝えしたいのは、「Shopify」はすべての企業に適しているわけではない、ということ。これは理解しておいた方がいいでしょう。

「Shopify」に適しているビジネスモデルは、自社での売り方、ブランディングの方針に明確な考えを持っており、消費者との直接的なコミュニケーションを設定したい、そして継続的にアップデートを行っていきたい企業です。「Shopify」は「うまくいく」仕組みを持っていることが最大の強みなので、業務スタイルを「Shopify」の仕組みに合わせることができれば、低コストで大きなメリットを得ることができます。一方、既存のビジネスのルールにEC側を合わせられるようにしたい、またECサイトの構築、運用までをアウトソーシングしたい企業はパッケージなどの導入を検討した方がいいでしょう。

私が考える「Shopify」を選ぶ際のメリットはスケールの限界値がないことです。「Shopify」は、月額29米ドル(日本円で約3000円)のプランでどんなトラフィックにも耐えることができます。また、より高度な機能を備えた「プレミアム」プランや、エンタープライズ向けの「Shopify Plus」もあります。つまり、「Shopify」はあらゆるビジネスに対応できるというわけです。

「Shopify」の料金プランと機能
「Shopify」の料金プランと機能

フラクタのクライアントでは、「Shopify」を使って年商100億円規模にまで成長した企業の事例もあるんです。

また、機能面の拡充はアプリを利用するだけという簡単さも特徴の1つでしょう。「Shopify」は基本機能以外の拡張機能は、インストールして利用するアプリやさまざまなAPIを活用してECサイトをカスタマイズしていくシステム設計です。ECパッケージを導入していると、たとえばマーケティングオートメーションを使う場合、数十万円といったカスタマイズ費用が必要になります。「Shopify」はアプリを入れるだけ。ランニングコストも抑えることができるんです。

消費者の買い物行動は大きく変わっており、必ずしも新品を選ぶというわけではなく、価格合理性から中古品を好んだり、必要なモノだけを最低限購入するといった消費行動が増えてきています。EC事業者は今後の成長において、ランニングコストを極力抑え、消費行動の変化にスピーディーに対応しながら利益を最大化していくことが必要になるでしょう。「Shopify」はこうしたニーズにもっとも応えることができるECプラットフォームだと考えています。

フラクタの河野貴伸社長
河野社長は「Shopify」のエバンジェリストとしてさまざまイベントなどで登壇。「stand.fm」などさまざまなメディアを通じて積極的に情報発信も行っている

ECビジネス成長のカギは「時間の使い方」にあり

河野社長は「Shopify」のエバンジェリストとしてさまざまなイベントへの登壇、メディアに登場している。そして、ECを運用している、または導入を希望する多くの企業の「ブランディング×EC」をサポートしてきた。こうした経験を踏まえ、D2CなどECビジネスの成長にはどんな点が重要なのか、河野社長は次のように話す。

今後の成長のために重要になるのは「いかに、商品を作り、それを売るための思考を巡らせる時間を確保できるか」ということに尽きるでしょう。

ECサイトの更新作業、受注処理など、機械でできる単純作業をいかに効率化し、スタッフは「消費者とのコミュニケーションを通じてお客さまの満足度を高める」ための考える時間を増やすことが重要です。そうしなければ生き残ることが難しくなるでしょう。

時間という観点では消費者も同じです。昨今の消費者は時間を無駄にしたくないと考えていますよね。ECサイトの買い物でもそうです。でも、ECサイトの買い物で大きなストレスを感じる部分があります。それは買い物時に求められる顧客情報の入力です。

配送先住所、カード情報を入力するのはとても面倒。EC事業者は消費者の視点に立ち、時間をいかに消費させないかという視点を持つべきで、そこは工夫を施すべきです。ひいては、消費者も事業者も楽になるのですから。「ショッピングはエンターテイメント」という価値を提供できる基礎作りにもなります。

NTTグループの情報通信総合研究所が2017年に発表した「ECを利用することによる買い物時間の節約効果に関する調査結果」
NTTグループの情報通信総合研究所が2017年に発表した「ECを利用することによる買い物時間の節約効果に関する調査結果」。ECを週1回以上利用する消費者は年間274時間、月1回以上利用する消費者では年間84時間の節約効果があるという。消費者の時間節約ニーズは高まっていると見られる

そこで、消費者の時間を無駄にしないという観点でもっとも重要なのが「決済」ですブランドビジネスを成功させるための大切なことの1つに「決済は楽であること」ということを申し上げておきたい。

消費者は「簡単に決済できる」ということに加え、信頼も求めています。たとえば、商品はとってもいいが、決済画面に不安を感じたり、配送先住所やカード情報の入力方法が非常に煩雑だったらどうでしょうか?

決済は「信頼」「使いやすさ」という印象を消費者に抱いてもらうための必要不可欠な要素となっているのです。

消費者庁が公表した「平成29年度消費者意識基本調査」
消費者庁が公表した「平成29年度消費者意識基本調査」。「同じ店舗・事業者を利用することが多い」「実際に現物を見て商品を確認してから購入する」はともに6割を超えており、消費者が店舗や事業者に対して信頼性を重視している傾向がわかる

「Amazon Pay」はコミュニケーションツールである

決済の重要性を語った河野社長が、コミュニケーションツールと呼んでいる決済サービスがある。「Shopify」にも導入されているAmazonのID決済サービス「Amazon Pay」だ。なぜ「Amazon Pay」をコミュニケーションツールと表現しているのか。これまであまりメディアなどでも報じられてこなかった「Amazon Pay」の見えない価値を河野社長が次のように語る。

これは実際にあったお話です。ブランディングを重要視しているある企業側から、「Amazon Pay」のボタンがブランドイメージと合わないので導入しない、といった声があがったのです。しかし、ある日、お客さまからこんな問い合わせがあったそうです。「なんで『Amazon Pay』を入れていないんですか?」と。

ブランド側が考えるブランディングは往々にして自己満足に陥りがちになります。いわゆる求められていない価値観の押しつけです。求められていない価値観によって生み出されたデザインは、ブランド側の自己満足に過ぎないので、消費者はそれを求めてはいません。求めているのは、そのECサイトで購入しても大丈夫なんだという「信頼」「安心」。その時、「Amazon Pay」はただの決済ツールではない、お客さまに「信頼感」「安心感」を伝えるコミュニケーションツールなんだと気付いたのです。

カート内に「Amazon Pay」のボタンがあることが「信頼」「安心」の提供につながるという
カート内に「Amazon Pay」のボタンがあることが「信頼」「安心」の提供につながるという

もちろんECサイトを運営している企業にとって魅力的な機能も多いです。その最たるものが、不正注文を事前に検知してくれることでしょう。不正注文はブランドビジネスにつきまとう問題で、年々、手が込んできており、自社ECサイトでは不正注文が増えているんです。ただ、受注情報を1件1件調べていくのはとても労力がかかります。世界水準のセキュリティで不正注文対策に取り組んでいる「Amazon Pay」は、事業者の利益に直結する決済サービスだと実感しています。

ブランドビジネスを手がける事業者が意識すべきことは、悪意ある第三者が行った不正注文によって、CtoCなどで転売されているケースがあるということです。それこそブランドイメージが毀損(きそん)される憂うべき事態。その対策として、「Amazon Pay」の導入は大いに役立つでしょう。

知っておくべき「Amazon Pay」導入のメリット
知っておくべき「Amazon Pay」導入のメリット

不正注文という観点からもう1点あります。クレジットカード経由の不正注文でチャージバック※が数多く発生しているケースは少なくありません。その件数が積み上がり年間ベースで換算したらいくらの損失になるか考えると結構な額になるはずでしょう。「Amazon Pay」は少なからず、こうした損失の軽減にも直結しているはずです。
※チャージバックとは、購入者が(Amazonを介さずに)銀行またはクレジットカード会社を通じて請求の異議申し立てをした場合に、銀行またはクレジットカード会社による支払いが無効になること

「Amazon Pay」の決済料率(物販の場合は4%、デジタルコンテンツの場合は4.5%)を決済代行会社のクレジットカード料率と比較すると、「高い」とイメージしてしまいますが、年間で必要なコストを定量的に比較すると、決して高くはないんです。先ほどお話したように、見えない損失をカバーするといった効果、そして適切なブランドエクスペリエンスの保持という観点で大きな役割を担っているのです。

河野社長がECビジネスに携わる人に届けたいメッセージとは

あらゆるビジネスシーンでデジタル化が進み、ネット通販はなくてはならない買い物ツールへと進化している。こうした環境において、「信頼できて、簡単に商品を購入できるECサイトはより伸びていくだろう」と話す河野社長。インタビューの最後、ECビジネスに携わる方々に向けて以下のメッセージを贈り、インタビューを締めた。

フラクタの河野社長
東京・渋谷に置く本社のオフィス内で撮影

もし自社ECサイトのプラットフォームで悩まれている場合は「Shopify」も検討の材料に加えていただくことをお勧めします。また、自社ECサイトのビジネスモデルが「Amazon Pay」にマッチするのであれば、単なる決済サービスではなくお客さまとのコミュニケーションツールとして活躍する「Amazon Pay」の導入を勧めたいですね。

冒頭で申し上げたとおり、Shopifyは「合う、合わない」がありますが、「Amazon Pay」はすべてのECに必要不可欠な決済になってきていると感じています。もし、「Amazon Pay」を使って買い物をしたことがない方がいらっしゃれば、その利便性に驚くと思うので、ぜひ一度使ってみてほしいです。

また、「Amazon Pay」の導入に迷っている場合は、不正注文の削減の可能性やLTV(顧客生涯価値)の換算をして導入の検討をしてほしいと思います。買いやすいECサイトは必ず、今後伸びていくはずです。

Amazon Payからのお知らせ

2020年6月1日から2020年7月31日の間に、Amazon Payを利用開始しかつ Amazon Payでの注文が受理された事業者様に、Amazonギフト券3,000円分をプレゼント!

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瀧川 正実
瀧川 正実

電通グループとブレインパッド、新会社「電通クロスブレイン」設立 マーケティング戦略支援・データ分析領域を強化

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