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【中国】アリババ「フーマー」、テンセント「永輝超市」などコロナ禍の生鮮食品スーパー&ECの今 | Digital Shift Timesダイジェスト

5 years 8ヶ月 ago
コロナ禍によって、急速に成長している生鮮ECサービスと、アリババ傘下の生鮮スーパー「盒馬鮮生」のような実店舗とECの機能を融合したOMO型店舗。その実態を探る

新型コロナウイルスによる感染拡大が一段落したとみて、「復旧」を強くアピールしている中国。今回のコロナ禍によって、急速に成長しているのが生鮮食品をオンラインで購入する生鮮ECサービスと、アリババ傘下の生鮮スーパー「盒馬鮮生(フーマー)」のように、実店舗とECの機能を融合したOMO型店舗である。実際にどのように成長を遂げているのか。そして今後もその成長は続くのか。

生鮮食品分野でOMO型店舗が加速、「盒馬鮮生」はコロナ禍で団地に出店?

中国では今、生鮮食品分野の動きが活発だ。アリババ傘下の生鮮スーパー「盒馬鮮生」は店舗数をさらに拡張する方針で、2020年内に200店舗を新規出店する見通し。「盒馬鮮生」は、オフライン店舗でありながら、配送力に優れ、ECと連携を図った次世代型OMO(Online Merges with Offline、オンラインとオフラインの融合)店舗として注目されている

通常の盒馬鮮生は、ECで注文した商品を半径3Km以内であれば最短30分で配送するサービスであるが、今回のコロナ禍により、注文してくれたお客様の団地に入れないという事態が生じている。そこで盒馬鮮生が展開しているのが、団地にサービスステーションとして出店する施策である。

団地周辺にサービスステーションを設置
団地周辺にサービスステーションを設置した「盒馬鮮生」

写真のように団地の周辺にサービスステーションを設置し、注文された商品をここで受け渡す仕組みを早急に構築している。

テンセントと京東が出資する生鮮スーパー「永輝超市」も2020年には、150店舗を新規出店する予定だ。「永輝超市」は中国の大手スーパーで「盒馬鮮生」同様、デジタルを活用したOMO店舗だ。

また、インターネット出前サービス大手の美団点評も生鮮品卸大手の生鮮スーパーへ出資を続けている。今回の新型コロナの感染拡大による外出制限の余波は消費を取り巻く環境を一変させたのだ。業界のさらなる淘汰、再編は避けられない。オフライン店舗が駆逐され、デジタルシフトを果たした小売企業が優位となる構図は明らかだろう。

中国の新小売業界相関図2019
参考:中国の新小売業界相関図2019

隔離施策で、オンラインシフトが加速した中国

中国では隔離施策が非常に厳しかったために、生活日用品や生鮮食品等の消費ニーズはほぼオフラインからオンラインへとシフトした。商品を速やかに配送できる小売企業が益々注目される結果となった。「生鮮到家」とくくられる生鮮食品ECサービスは、休眠ユーザーの回復、新規ユーザーの爆発的増加及びアクティブユーザーが増加した。結果、生鮮到家サービスは毎日売り切れ状態が続くほどだった。

実は今回のコロナ禍以前は、生鮮ECサービスはそれほど順調ではなく、2019年の下半期、生鮮ECサービス企業の閉店及び倒産のニュースが相次いでいた。先端を行っているかのように思えるこの業界もリニューアルの時期にきていたのだ。

なぜなかなか収益が出なかったのか? 主な要因は生鮮カテゴリーの商品は、物流と保存のハードルが高い点にある。損耗や損失が多いうえに、サプライチェーンも弱く、粗利は低い。そして運営コストは高い。そのうえ、消費者がオンラインで生鮮類商品を購入する習慣が育っていなかったのだ。その状況を新型コロナが一変させたわけだ。

生鮮食品ECサービス、2つのグループ

あらためて現時点で中国の生鮮食品ECサービス「生鮮到家」は、主に2つのグループに分けられる。

1. 生鮮OMOモデルを展開するグループ

1つは、スーパーマーケットと倉庫が一体化した生鮮OMOモデルを展開するグループだ。「盒馬鮮生」を筆頭に、「毎日優鮮」、「叮咚買菜」、「朴朴超市」、「7fresh」、「小象生鮮」、「京東到家」等がある。

2. オフライン店舗の先行優位性でオンライン市場を取っていくグループ

もう1つは、既存オフライン店舗の先行優位性を借りて、積極的にオンライン市場を取っていくグループ。最も代表的な企業は「Sun Art Retail Group」、「永輝超市」、「物美集団(WUMART)」、「カルフール」、「歩歩高」、「家家悦」などだ。

生鮮到家サービスの提供プレーヤー
生鮮到家サービスの提供プレーヤー(出典:天風証券研究所の証券レポート)

生鮮ECサービス企業を、さらに2種類に分けると?

生鮮ECサービス企業は、さらに2種類に分けられる。(1)自社経営モデルと、(2)第三者プラットフォーム提携モデルだ。

生鮮ECの自社経営と第三者プラットフォーム提携""
生鮮ECの自社経営と第三者プラットフォーム提携(出典:天風証券研究所の証券レポート)

自社経営モデルは、主に企業が店舗と倉庫及び物流を持ちながら、自ら開発したアプリやWeChat(LINEようなメッセンジャーアプリ)のミニプログラム経由でサービスを提供する。

一方で、第三者プラットフォーム提携モデルは主にスーパーマーケットが第三者プラットフォームに出店しているものだ。第三者プラットフォームが、ユーザーインターフェイス、オーダーシステム、配送等全てのサービスを供給してくれる。ただ、その分、対応スピードは自社経営モデルのほうが速い。

新型コロナの感染拡大時にも、速やかに人員を調達し、非常時期運営プランを策定し、すぐに変化に対応する事ができた。いずれにせよ、生鮮ECサービスの供給サプライチェーン問題をより明確にしたのが、今回の新型コロナであり、業界の再編を促進することは間違いない。

この状況は、既存オフライン店舗の先行優位性を借りて、積極的にオンライン市場を取っていくグループでも同様だ。(1)自社経営モデルと(2)第三者プラットフォーム提携モデルとに分かれるが、そのほとんどが(2)のモデルを採用している。

開発力が無いために、第三者プラットフォームの物流がひっ迫していることを承知の上で利用せざるを得ないのだ。ただ、第三者プラットフォームを活用することで、顧客データが幅広く取得しやすいというメリットはある。しかしこれ以後、自宅への配達=「超市到家」サービスは、小売業の標準サービスとなるだろうし、(1)の自社経営モデルと(2)の第三者プラットフォームモデルのどちらに対応しているかによって、明暗をわけていくかもしれないと考えている。

この記事は、株式会社オプトホールディング、中国事業推進室のゼネラルマネージャー李 延光(LI YANGUANG)氏が執筆しました。

「Digital Shift Times」のオリジナル版はこちら:アリババに対抗するのは? ネットスーパーの今(2020/6/4)

※記事内容は掲載時の情報です。
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「Digital Shift Times」について

日本企業のデジタルシフトの道しるべになることをミッションに掲げ、未来を見据えて経営の舵取りをしている経営者層やデジタル部門・マーケティング部門の責任者向けに、デジタルシフトと向き合い企業の変革を進めていく上で必要となる情報を提供しています。

具体的には、デジタルシフトを推進している企業のCEO・CDO、および有識者・専門家との対談やインタビュー、そして、国内のデジタルシフト事例やデジタルマーケティング最新情報などをお届けします。また、国内の事例だけでなく、中国・アメリカの最新事例や特集記事など、読みごたえのある記事を展開していきます。

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Digital Shift Times

自社ECサイト1万社超が使う「Amazon Pay」とは? 決済の特長、事例、音声対応までを徹底解説

5 years 8ヶ月 ago
「Amazon Pay」の運用開始(2015年5月)から5年が経過し、導入企業数は1万社を突破。多くの自社ECサイトが使うID決済サービスの効果や実績などを解説
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Amazonが提供するID決済サービス「Amazon Pay」の運用が、日本での提供開始(2015年5月)から5年が経過した。出前館のデリバリーサイト、劇団四季のチケット予約サイトなど大手から中小企業のECサイトなど、5年で1万を超える独自ドメインの自社ECサイトが「Amazon Pay」を導入している。なぜ、「Amazon Pay」は多くの自社ECサイトに支持されているのか? 「Amazon Pay」で期待される効果、導入によって得られた成果などから、多くの自社ECサイトが「Amazon Pay」を導入する理由を探っていく。

「Amazon Pay」の導入で、消費者は普段使うAmazonアカウントで決済可能

「Amazon Pay」とは、Amazonアカウントに登録された配送先住所やお支払い情報を使うことで、Amazon以外のECサイトで簡単にログイン・決済ができるID決済サービス。

「Amazon Pay」とは
「Amazon Pay」

独自ドメインのECサイトでは、クレジットカード情報を入力することに不安を感じる消費者が多く、特に新規顧客はそのハードルが高いと言われている。また、スマートフォンではクレジットカード番号の入力ミスなどにより、離脱してしまうケースも少なくない。

しかし、「Amazon Pay」が導入されたECサイトでは、Amazonアカウントを利用すれば、購入時に配送先・クレジットカード情報の入力をすることなく、決済を行うことが可能。買い物カゴに商品を入れてから、最短2クリックで決済することが可能になるため、消費者の「独自ドメインのECサイトでの情報入力の不安」「情報入力のめんどくささ」「入力ミス」などの解消が期待できる。また、Amazonブランドに対する信頼感、マーケットプレイス保証プログラム(「Amazon Pay」での商品の購入において、消費者を保護するためにAmazonが提供している保証)による安心感も、買いやすいECサイトの実現に一役買っているだろう。

「Amazon Pay」の紹介動画)

日本で「Amazon Pay」の提供が開始されたのは2015年5月。それから5年で、導入企業は1万社を超えた。ジャンルを問わずにさまざまなECサイトが「Amazon Pay」を決済手段として導入している。

「Amazon Pay」を導入しているECサイトの一部
「Amazon Pay」を導入しているECサイトの一部

「Amazon Pay」導入3つのメリットと事例

新規顧客の獲得

「Amazon Pay」のグローバルパートナープログラム(公式認定制度)の「Premier Solution Partners」であるフューチャーショップ(ECプラットフォーム「futureshop」の開発・販売)、アイピーロジック(「EC-CUBE」を中心としたECサイトの構築など)の調査によると、ゲスト購入者における「Amazon Pay」決済の割合は40~50%を占める。また、決済後に自社ECサイトの会員となったゲスト購入者の割合に関して、「Amazon Pay」は60~80%に達し、他の決済手段の平均20~25%を大きく上回る

導入メリット① 新規顧客の獲得(フューチャーショップ、アイピーロジック調べ)
導入メリット① 新規顧客の獲得(フューチャーショップ、アイピーロジック調べ)

こうした結果を踏まえ、Amazon Pay 事業本部 本部長 井野川拓也氏は次のように話す。

マーケティングコストとして、新規のお客さま1人あたりの獲得コストは1000円から、高額商品であれば1万円超が必要になると考えられるが、「Amazon Pay」を使えば決済コストのみで新しいお客さまを獲得することが期待できる。「Amazon Pay」は単なる決済手段ではなく、マーケティングツールだと考えていただきたい

Amazon Pay 事業本部 本部長 井野川拓也氏
Amazon Pay 事業本部 本部長 井野川拓也氏

阪急阪神百貨店、新規会員が増加

エイチ・ツー・オーリテイリング傘下の阪急阪神百貨店は、「Amazon Pay」の導入により、新規会員の獲得ならびに主な商圏である関西圏以外の顧客増加を実現したうえ、実店舗を利用する消費者の利便性向上なども図ることができたという。

「Amazon Pay」を使った消費者の情報は、個人情報の取り扱いに関する同意など一定の条件を満たせば自社ECサイトの顧客情報として活用できるのも特長の1つ。つまり、「Amazon Pay」を利用して会員登録や決済をした会員情報および購入情報を、一定の条件の下、自社ECサイトで管理できるというわけだ。

阪急阪神百貨店では、「Amazon Pay」を利用した新規顧客はそのままECサイトの会員になり、「Amazon Pay」の導入前後で比べると15%ほど会員が増えた。阪急阪神百貨店は関西に7店舗、福岡に1店舗、都内2店舗、そして神奈川に1店舗を展開。実店舗の利用者は関西圏が多いのだが、「Amazon Pay」の導入によって関西圏以外の消費者の利用が増えた

阪急阪神百貨店では会員が15%ほど増えたという
阪急阪神百貨店では会員が15%ほど増えたという

コンバージョン率の改善

Baymard Institute(ベイマード・インスティテュート)の調査によると、PCやモバイルのECサイトにおいて、商品をカートに入れた消費者の約70%は購入に至らないという。

調査結果では、消費者の55%が配送料、消費税、または手数料などの高さを理由にカゴ落ちすることが判明。そのほかの理由としては、「サイトがアカウント作成を要求した」(34%)「チェックアウトプロセスが長すぎる/複雑すぎる」が26%と続いている詳細はこちらを参照)。

カゴ落ちの理由

アイピーロジックによる「Amazon Pay」導入前後の比較調査では、購入フローに入ってから購入完了までの割合は導入前で65%であった。それが、「Amazon Pay」導入後で93%までに達し、28ポイントもコンバージョン率が改善した(導入した20社、導入前後6か月のデータの中央値で比較)。

購入フローに入った後、「Amazon Pay」はクリックだけで簡単に決済できるので、途中で購入を止めるというお客さまが大きく減ったのだろう。(井野川氏)

導入メリット②「Amazon Pay」導入でコンバージョン率が改善
導入メリット②「Amazon Pay」導入でコンバージョン率が改善

JINSではコンバージョン率が前年比で30%改善

メガネのECを手がけるJINSでは、「Amazon Pay」の導入後、コンバージョン率が前年比で30%改善。限定モデル販売では「Amazon Pay」の利用率が4割を超えたという。

JINSの「Amazon Pay」導入効果
JINSの「Amazon Pay」導入効果

不正取引対策

Amazonでは、クレジットカードでの決済に関し独自の不正検出ルール、グローバルで使用されている不正検知システムなどによってセキュリティ対策を実施している

また、消費者が「Amazon Pay」で商品を購入すると、一部の商材を除き、Amazonマーケットプレイス保証※の対象になり、消費者とEC事業者に「安心」「安全」を提供している

※Amazonにおいて販売事業者の出品商品を安心して購入してもらうために、購入商品のコンディションや配送を保証するもので、万一の場合、配送料を含めた購入総額のうち、最高30万円までAmazonが保証する制度のこと。「Amazon Pay」を利用した購入においても、同等の保証対象となる

コメ兵、不正取引に関する確認作業が軽減

ブランドバックなどのリユース品の販売を手がけるコメ兵では、「Amazon Pay」の導入で不正取引に関する確認作業が軽減されたという。

また、「Amazon Pay」での購入がAmazonマーケットプレイス保証の対象になることで、実質的にチャージバックのリスクをゼロに近づけることができたとしている。

導入メリット③ 不正取引対策に有効
導入メリット③ 不正取引対策に有効

決済だけではない、接客&サブスク&音声注文など「Amazon Pay」の多様な機能

Web接客型Amazon Pay

「Amazon Pay」が提供するのは、決済フローを簡単にする決済機能だけではない。その1つが、「Web接客型Amazon Pay」と呼ばれる新規訪問客のスムーズな購入を積極的にサポートする機能。

ECサイトの購入方法選択画面などにおいて、「Amazon Pay」の利用を促すメッセージをポップアップウインドウやチャット形式で表示。会員登録を行わずに決済できる「Amazon Pay」の利用をユーザーに提案し、入力フォーム画面からの離脱を大きく軽減させるという仕組みだ。

「Web接客型Amazon Pay」のイメージ
「Web接客型Amazon Pay」のイメージ

この機能を活用するには、ゲスト購入用入力フォームに「Web接客型Amazon Pay」を実装すればよい。顧客が支払い方法で「Amazon Pay」を選択しなかった場合でも、入力フォームからの離脱や、入力ミスなどを自動的に察知して、Web接客のポップアップを用いて「Amazon Pay」での購入を提案することができる。

「Web接客型Amazon Pay」の表示イメージ
「Web接客型Amazon Pay」の表示イメージ

また、チャット形式のWeb接客ツールを導入しているECサイトは、チャット内で「Amazon Pay」の利用を案内することも可能だ。

チャット形式での「Web接客型Amazon Pay」表示イメージ
チャット形式での「Web接客型Amazon Pay」表示イメージ

「MakeShop」「サブスクストア」「EC FORCE」「KARTE」「CART RECOVERY」「AiDeal(旧ZenClerk)」「SPROCKET」「qualva」といった、ECプラットフォームやWeb接客ツールが「Web接客型Amazon Pay」に対応している。

「Otameshi」はWeb接客型決済でコンバージョン率が改善

オークファングループのSynaBizが運営する社会貢献型ECサイト「Otameshi(オタメシ)」は、「Amazon Pay」以外での方法で買い物カゴへ進み、そこで7秒以上経過すると、「フォームの入力にお困りの方へ」と題して「Amazon Pay」を使った買い物方法の案内をポップアップで表示するようにしている

当初はお客さまに“しつこい”という印象を与えてしまうかなと思ったが、表示される秒数や決済への誘導が考えられている設計になっていた。正直、最初は効果に関して半信半疑だったが、結果的にコンバージョン率の改善につながっている。ご購入いただける割合が増え、もちろん売上増加にもつながっている。(Otameshi)

この「Web接客型Amazon Pay」の場合においても、消費者はAmazonアカウントでログインすることができ、住所やクレジットカード情報の入力が不要になるため、EC事業者は離脱(カゴ落ち)の軽減が可能になり、コンバージョン率の改善が期待できるという。

「Web接客型Amazon Pay」はコンバージョン率の向上につながっているという
「Web接客型Amazon Pay」はコンバージョン率の向上につながっているという

サブスクリプションにも対応する「Auto Pay」機能

さらに、「Amazon Pay」には、近年注目が集まるサブスクリプションビジネスの決済に対応するための機能「Auto Pay」がある

ECサイトに導入することで、購入者は初回の支払い手続き時に「以降の支払いをAmazon Payで行う」と設定することが可能になる。2回目以降は都度ECサイト上で支払いの手続きをすることなく継続して商品やサービスを注文できるようになるものだ。

「Amazon Pay」の「Auto Pay」機能を使えば、定期購入やサブスクリプションサービスを提供するEC事業者は、「自由に金額やタイミングを設定し、請求することが可能」「顧客へのサービス提供内容に応じて、決済の頻度や金額などのカスタマイズが可能」など、ビジネスモデルに対応した決済方法を購入者に提供することができる

「Auto Pay」の仕組み
「Auto Pay」の仕組み

クレジットカードの有効期限切れや種類などを変更する場合、お客さまは利用しているECサイトで新しいクレジットカード情報を改めて登録しなければならない。なかには、その登録を忘れてしまうケースがあり、それが販売機会の損失につながってしまう。「Amazon Pay」では日頃、お客さまがAmazonで買い物をする際に登録しているカード情報が使われる。最新のカード情報に更新されているケースが多いと考えられるため、EC事業者の販売機会の損失を軽減するといった効果が期待できる。つまり、LTV(顧客生涯価値)の向上にもつなげることも期待できる

また、Amazon Payでは、「Auto Pay」を使って、買い物カゴを経由しない1クリック購入、インスタントバイも実現できる。(井野川氏)

「Auto Pay」の内容
「Auto Pay」の内容

バルクオム、定期購入客の増加で月商は3倍以上に

男性向けスキンケアブランド「BULK HOMME(バルクオム)」の企画・販売を手がけるバルクオムは、メンズ向け化粧品のサブスクリプションECで急成長している企業。

「Amazon Pay」導入後、ランディングページ(LP)のコンバージョン率は50%ほど改善した。定期購入顧客数も増え続け、月商規模は3倍以上に拡大。「Amazon Pay」を使った購入の約95%はスマートフォン経由となっている

バルクオムは「Auto Pay」機能の活用で定期購入顧客が増加しており、LTV向上につなげている。

バルクオムは「Amazon Pay」導入がLTV向上につながっている
バルクオムは「Amazon Pay」導入がLTV向上につながっている

テレビショッピング活用

「Amazon Pay」はテレビショッピングにも活用が広がっている。テレビショッピングの放映中、画面内に商品申し込み方法としてQRコードを表示してECサイトでの購入を案内、Amazonアカウントがあれば「Amazon Pay」を使い簡単に決済できる――。こんな取り組みを行ったのがテレビ通販ブランド「ダイレクトテレショップ」を展開するテレビショッピング研究所。

テレビショッピングの放映中、「Amazon Pay」で購入できる旨を記載した案内とQRコードを表示し、視聴者にQRコードスキャンを促す仕組み。QRコードをスキャンすると「ダイレクトテレショップ」のECサイト内に用意されたランディングページに移動する。

テレビショッピングの放映中、コールセンターの席数を電話件数が上回った場合、超過した入電は自動応答によって対応するケースが多い。つまり。自動応答によって販売ロスが発生するケースが考えられる。

コールセンターへの負担を減らすと同時に、販売機会のロスを軽減する方法として、「Amazon Pay」はテレビショッピングでの活用も支援できるようになっている。(井野川氏)

「Amazon Pay」のテレビショッピング活用例
「Amazon Pay」のテレビショッピング活用例

音声ショッピングにも対応する「Amazon Pay」

「Amazon Pay」は音声でのショッピングにも対応している。Amazonのクラウドベースの音声サービス「Amazon Alexa」を使って音声で買い物ができるように、Amazon Pay対応Alexaスキルを開発することで音声ショッピングも可能になるのだ。

たとえば、宅配ポータルサイト「出前館」。Amazon EchoシリーズのAlexa搭載デバイスに「アレクサ、出前館をひらいて」と話しかけると、出前館の「Alexaスキル」が実行され、音声で出前の注文を行うことが可能だ。(なお、音声ショッピングにあたっては、事前に該当するAlexaスキルを有効にする必要がある)

Amazon Pay対応Alexaスキルは、中小の自社ECサイト運営企業でも、比較的手軽に、十分な開発知識がなくとも開発・提供できる環境が整えられている。

中小企業でも音声ショッピングに対応可能

それが、アイピーロジックが提供している、EC-CUBE向けAlexaカスタムスキルプラグインだ。オープンソースのECパッケージ「EC-CUBE」を利用してECサイトを運営するEC事業者であれば、このプラグインを活用することで、「Amazon Pay」に対応したAlexaスキルを、“手軽に”“開発知識なしに”“無料”で開発することができる

アイピーロジックが「Amazon Pay」対応の「EC-CUBE」向け「Alexaスキル」開発プラグインを提供している
アイピーロジックが「Amazon Pay」対応の「EC-CUBE」向け「Alexaスキル」開発プラグインを提供している

配送状況を「Alexa」経由で通知

また、自社ECサイトでの商品購入後に音声で配送状況を通知できる「Alexa配送通知機能」が2019年に始まった。これは、「Amazon Pay」を使って自社ECサイトで商品を購入すると、商品の配送状況を「Alexa」が音声で通知するというもの。

スマートスピーカー「Amazon Echoシリーズ」を始めとしたAlexa搭載デバイスを通じ、Amazonの顧客に音声を使った配送状況を通知する仕組みだ。

「Alexa配送通知機能」を使用した配送通知の動画イメージ

テクノロジーの進化、消費者生活の多様化で、場所、時間、さまざまな状況に応じて多様な商品購入方法が選べるようになった。それに合わせて、商品の配送状況も多様な方法で通知を受けたいという消費者が増えている。音声による配送通知はこうした消費者のニーズに対応する機能として期待される

こうした「Amazon Pay」の特長、導入事例、新しい機能を説明した上で、井野川氏は最後に、次のように語った。

今後は、単なるパソコン、スマートフォンでのお買い物だけでなく、Alexaのような音声サービスが導入されたさまざまなIoT家電、車などが増えていき、いろいろなチャネルやさまざまなデバイスの垣根を越えた、より良いお客さまのショッピング、生活体験が求められる。Amazonはこうしたことに対応したより良いショッピング、生活体験を提供していきたい。

◇◇◇

「Amazon Pay」では6月1日から、「Amazon Pay」での決済にAmazonギフト券を利用できる取り組みを始めた。ECサイトにおいてクレジットカードのご利用を控えたいという消費者は、あらかじめコンビニなどでAmazonギフト券を購入しておくことで、「Amazon Pay」が利用可能なECサイトでの買い物を楽しめるようになったのだ。

「Amazon Pay」を導入しているECサイトにとって、今までAmazonアカウントにクレジットカードを登録していなかった消費者にも、最短2クリックで決済可能な「Amazon Pay」の簡単・便利な購入体験を提供できるようになる。新規の消費者による買い物機会の増加も期待できるようになった。

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吉野 巨人
吉野 巨人

まだあまり知られていない2020年のEC市場(北米)5つのトレンドとは? | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

5 years 8ヶ月 ago
食料品販売では「店舗がECの大きな資産になる」、「カタログ通販と親和性の高いオンライン販売」、「健闘している小規模オンライン小売事業者」など、米国で起きているEC業界5つのトレンドを紹介します

紙のカタログや実店舗での販売ほど、20世紀的な過去の遺物があるでしょうか? しかし、21世紀も5分の1が過ぎた今、カタログと実店舗を中心にビジネスを構築してきた多くの小売事業者が、オンラインで好調に推移しています。

データから見えるEC業界5つのトレンド

『Digital Commerce 360』の「北米EC事業 トップ1000社データベース 2020年版」は、北米の主要企業1,000社を対象に、オンライン小売売上高別のパフォーマンスを分析したものですが、レポート執筆中に、2つの調査結果を目にして少し驚きました。レポートのデータから、注目すべきインサイトが浮かび上がってきました。レポートからわかった、まだあまり知られていないEC業界5つのトレンドを紹介します。

1. 食料品販売では店舗が貴重なEコマースの資産になる

一般的には、オンライン販売が実店舗を苦しめているというのが常識かもしれません。確かに、オンライン販売は多くの小規模な小売チェーンにも打撃を与えています。しかし、オムニチャネルの利便性を提供できるだけの資金を持つ実店舗型小売事業者は、特に食品を販売している事業者を中心にオンラインで成功を収めています。

大手小売チェーン5社、「Walmart」(北米EC事業 トップ1000社データベース 2020年版 第3位、世界最大のスーパーマーケットチェーン)、「Kroger」(同第13位、スーパーマーケットチェーン)、「Target」(同第12位、ディスカウント百貨店チェーン)、「Ascena Retail Group」(同第38位、DressBarn、Maurices、Lane Bryantなどのアパレルブランドを運営)、「The Home Depot」(同第5位、住宅チェーン・建築資材の小売りチェーン)は、いずれも2019年のAmazon(同第1位)の成長率(19.1%)を超えました

「Walmart」「Kroger」「Target」はいずれも大手食料品小売事業者であり、食品・飲料のトップ1000社に入ります。これらの企業を合わせると、2019年のオンライン売上高は前年比21.6%増となり、家庭用品・家財道具カテゴリー(22.4%)に次いで2番目に成長率の高い分野になりました。

近年の食品小売事業者のオンラインでの成長の大部分は、道端(カーブサイドピックアップ)や店頭でのピックアップサービスによるものですが、新型コロナウイルスの発生に伴い、サービスの利用が加速しました。

実店舗型小売事業者は2019年、全体的にオンラインの売り上げを大きく伸ばしました。実際、Amazonをオンライン販売のみの事業者のリストから外すと、小売チェーンは、カタログ・電話通販企業、消費者ブランドメーカーを含む4業種の中で、最も大きな成長を遂げました。

オンラインで急成長する店舗型小売事業者
オンラインで急成長する店舗型小売事業者(2019年の業種別の成長率。Amazonはオンライン販売のみの事業者から除外。画像は「5 hidden trends in North American ecommerce」より編集部が作成)

2. カタログ通販と親和性の高いオンライン販売

印刷された商品リストを郵送することからビジネスをスタートしたカタログ販売業者がトップ1000にランクインしていますが、テレビショッピングと同じグループに分類されています。テレビショッピングも、オンライン注文とテレビを見ながら電話で注文する2つの方法で売り上げをあげています。レポートの中でカタログ・電話通販企業と分類されるグループは、2019年のオンライン売上高が7.5%増加しただけで、トップ1000社の平均16.2%を大きく下回っています。

しかし、それはテレビショッピングと同じグループに分類され、純粋なカタログ企業の2019年のパフォーマンスが不当に下げられたせいです。カタログ・電話通販でトップ1000社入りした業界最大の小売事業者で、QVCとHSN(ホーム・ショッピング・ネットワーク)のテレビショッピングチャンネルを運営するQurate Retail Group(同第9位)の2019年のオンライン売上高は3.2%減少し、業界全体のパフォーマンスを低下させました。

数字の悪化は、Qurateの顧客が2015年ピーク時の9,900万世帯から8,000万世帯に減少したことに起因していますが、その後、ストリーミングサービスとの様々なパートナーシップにより1,100万世帯が新たに加入したと、同社は述べています。

Qurateの業績悪化がなければ、カタログ・電話通販のグループは、2019年にオンライン売上高を10.2%増加させていました。この数字はトップ1000社の平均を大きく下回ってはいますが、それでも立派な数字です。

カタログ通販事業者は通常、急成長している企業が多いトップ1000社のリストにはランクインしませんが、継続的なビジネスの力を持っています。また、トップ1000社にランクインしている老舗のカタログ・電話通販小売事業者は、1998年からオンライン販売を行っており、トップ1000社全体の中央値よりも3年早くオンライン販売に着手しています。

長年オンライン販売を行っているカタログ・電話通販事業者
長年オンライン販売を行っているカタログ・電話通販事業者(業種別、オンライン販売年数の中央値。画像は「5 hidden trends in North American ecommerce」より編集部が作成)

3. 予想以上に健闘している小規模オンライン小売事業者

「Amazon」「Walmart」「Target」、家電量販店の「BestBuy」などの大手企業がオンラインで急速に成長しているため、小規模なオンライン小売事業者は苦戦していると考えるのが一般的でしょう。しかし実際は、そうではありません。

トップ1000社データベースで501~1000位にランキングされた小売事業者は、2019年にオンライン売上高を全体で15.7%増加させ、北米のEコマース市場の成長率15.1%を上回りましたが、1~500位の小売事業者の成長率16.3%には及びませんでした。しかし、成長率19.1%のAmazonの巨大な売り上げが影響し、結果が歪んでしまっていることがわかります。実際は、Amazon以外の499のトップ小売事業者は、2019年に前年比14.9%の成長しかしていないのです。

小規模事業者でもオンラインで成功できる
小規模事業者でもオンラインで成功できる(2020年版トップ1000社データベースを100社ずつグルーピングした際の、グループごとの前年比成長率。画像は「5 hidden trends in North American ecommerce」より編集部が作成)

また、多くの中堅小売企業もオンラインでは非常に好調です。実際、トップ1000社を100社ずつ10のグループに分けた場合、最も成長していたのは401~500位の小売事業者で構成されたグループでした。同グループのEコマースの収益は、2019年に18.1%増加しています。

ここからわかることは、小中規模の小売事業者がニッチ市場を狙い、オンラインで成長する余地はまだあるということです。

4. 全体的なコンバージョン率から学べることは少ない

小売店のウェブWebサイトへの50回の訪問のうち49回は購入していないという、一見憂慮すべき統計を参照している記事やプレスリリースを見かけることも多いでしょう。もちろん、それは真実です。トップ1000社のコンバージョン率の中央値は2.2%です。しかし、小売事業者は、自社のビジネスを評価するために、より細かく数字を見る必要があります。

コンバージョン率は、販売方法や販売している商品によって大きく変化するからです。

例えば、カタログ・電話通販事業者は、コンバージョン率の中央値が2.9%で、トップ1000社の標準値を大きく上回っています。それはなぜでしょうか?

Webサイトを訪れる消費者の多くが、すでに光沢のあるカタログを見たり、テレビショッピングの番組で売り文句を聞いたりしているからです。そのような消費者は、Webサイトを閲覧するだけの消費者よりも購入する可能性が高いのです。

高いコンバージョン率を誇る、カタログ・電話通販事業者(画像は「5 hidden trends in North American ecommerce」より編集部が作成)

同様に、事務用品カテゴリーのコンバージョン率は4.5%で、トップ1000社の中央値をはるかに上回っています。Staples(第8位)とOffice Depot(第20位)などのWebサイトを訪れるのは、以前に購入した商品を補充しているオフィスマネージャーである場合が多いのです。その結果、購入に至る割合が高くなっています。

消費者が細かくリサーチをしたり、何度も価格を比較したりする商品カテゴリーもあります。トップ1000社データベース内、自動車部品・アクセサリー小売事業者のコンバージョン率の中央値が1.3%、宝飾品・スポーツ用品小売事業者のコンバージョン率の中央値が1.5%であるのはそのためです。

ポイントは、ビジネスを評価する時は、似たような業界のコンバージョン率を比較するべき、ということです。

5. アマゾンに嫌悪感を抱くデジタルネイティブブランド

多くの店舗が閉店したり縮小したりする中、消費財を製造するブランドが、オンラインで消費者に直接販売するケースが増えています。定価から40~50%引きの卸売価格で消費者に販売するのではなく、小売価格で販売するため、ブランドにとっては非常に利益が大きいのです。

トップ1000社の消費者ブランドメーカー268社のうち56.4%がAmazonで販売しているのに対し、トップ1000社全体ではAmazonでの販売割合が42.8%にとどまっているのはそのためです。Amazonが平均15%の手数料を取り、Amazonサイト内での検索結果を押し上げるために広告費がかかるにも関わらず、ブランドはAmazonのような大きなショッピングポータルで利益を上げることができます

しかし、DNVB(Digitally Native, Vertically Integrated Brand)と呼ばれる、オンライン販売に特化した69のブランドが、Amazonで販売する可能性はとても低いでしょう。DNVB企業の39.7%のみがAmazonに商品を提供していますが、トップ1000社データベース内の消費者ブランドメーカー199社全体の60.8%と比較しても、低い数字になっています。
 

Amazonから距離を置くデジタルネイティブブランド(トップ1000社全体、デジタルネイティブブランド、消費者ブランドメーカーがAmazonで販売している割合。画像は「5 hidden trends in North American ecommerce」より編集部が作成)

Amazonで購入した消費者に直接コンタクトを取ることができないため、Amazon利用者をロイヤルカスタマーにすることは難しいです。多くのデジタルネイティブブランドは、天然素材の服や健康食品など、独自性のある商品を販売し、消費者に再購入してもらうための努力をしています。

これらのブランドの多くは、積極的なソーシャルメディア・マーケティングを通じ、消費者を自社のWebサイトに誘導しています。Amazonを自社と消費者の間に挟むことは、少なくとも今のところ、ほとんどの企業が避けようとしている戦略です。

◇◇◇

上記は、「北米EC事業 トップ1000社データベース 2020年版」から浮かび上がってきたトレンドのほんの一部に過ぎません。新型コロナウイルスが様々な意味でショッピングの概念を根底から覆す中、2021年のレポートでは、北米を代表するオンライン小売事業者の情勢に大きな変化が起こることは間違いありません。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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アミジャット 田島佑哉 × HAPPY ANALYTICS 小川卓 対談(2)広告運用とアナリティクス

5 years 8ヶ月 ago

広告運用者田島佑哉がフリーランスとして受注できるようになるまで

HAPPY ANALYTICSの小川卓対談企画。第ニ回のお相手は、提案型ウェブアナリスト育成講座第3期卒業生で、アミジャットの田島佑哉氏。

2回目のテーマは『広告運用とアナリティクス』。広告運用者のGoogle アナリティクス活用法にせまります。

 

リスティング広告のスペシャリストとして活躍する田島氏の仕事ぶりについて迫ります。

進行役はエスファクトリーウェブディレクター兼HAPPY ANALYTICS 広報の井水朋子が務めます。

田島佑哉(たじまゆうや) 
1981年静岡県生まれ。2009年ゲーム会社、2013年インターネット広告代理店、2015年弁護士事務所、2017年アミジャットとして独立。上級ウェブ解析士、SEO検定1級 。企業のリスティング広告運用およびインハウス支援を行う。2019年提案型ウェブアナリスト育成講座三期修了。

田島式のお仕事スタイル


小川仕事は決まった時間にするタイプ?

田島朝の6時には広告の管理画面を開いています。それまでに見るべきものは見て、連絡するべきことは連絡して、お客様が出社する9時までには一通りのことを終わらせています。あとの時間は、リラックスしながらお客様の連絡を受けたり、残りの仕事や読書をする感じですね。

小川一人で働いていると、寂しいとかはない?広告だと個人プレイかな?

田島もともと代理店にいたので、広告運用で悩んだ時に他の運用者と話し合えるっていう環境はよかったです。
フリーランスですと、NDA(秘密保持契約)を結んでいるんで、実際に数字まで見せて相談できなくなっちゃいましたね。結局相談できず自分で考えたり、お客さんと一緒に考える感じですね。

小川そういう相談って難しいよね。私も講座の卒業生が相談することはあるけど、おっしゃる通り数字を出して相談なると、難しいね。

田島それを解決するために、今までは直案件しか受けていなかったんですけど、今後は自分の工数の1/3を代理店の下請け案件にして、その代理店様とコミュニケーションをとれるような仕組みを作ろうとしています。実際、去年の末からその取り組みを動いていたんですけど、コロナの影響でパートナーの広告代理店様自体が大きな打撃を受けてしまったので、今はペンディングしています。

小川広告は、リアルタイムで動くのが大事なことだったりします?

田島お客様からチャットなどで相談がきたら、最低限「〇〇までに確認します」といった即レスはします。ただ、良いお客様とお付き合いさせていただいているので「今日中にバナーを100本入れてください」みたいな無茶な依頼はないですね。

井水お客さんからこういう風にしてと依頼がくるのか、田島さんからこうしましょうと提案するのでいえば、どちらが多いですか?

田島私から提案することが多いですね。考えられるメリット・デメリットを伝えて、とはいえやってみないとわからないこともあるので、まずはやってみましょうと進めています。

小川ある程度任せてくれる感じですか?

田島そうですね、ウェブ広告の運用方針については私に任せていただいています。もちろん、お客様もセミナーやブログで新しい情報を仕入れているので「これを試したい」と相談されることもあります。そうゆう時って「新しい施策をやることが目的」になりがちなんですけど、それをこの案件でやるべきかどうか一緒に考えるのも私の仕事の一部ですね。


リスティング広告とGoogleアナリティクス

 

田島広告運用者がGoogleアナリティクスを使っているか、今回Twitterでアンケートをとってみたんですけど、7,8割の方は使っているようですね。

 

 

小川田島さんはどんな使い方をしてます?

田島まず、向き合うお客様は普段からGoogleアナリティクスを操作していることが多く、ウェブ広告運用以外にも、アナリティクスの操作方法も相談されることもあります。そのため、フリーランスで活動するからには、Googleアナリティクスの使い方や知識がないと、お客様と深いコミュニケーションを取るのは難しいと感じます。

また、リスティング広告は、Googleアナリティクスの知識がなくても出稿できますけど、Google広告とアナリティクスを連携すると色々な機能が使えるようになりますので、Googleアナリティクスの知識は持っているとウェブ広告運用の施策の幅も広がりますね。

小川分析とか評価もしやすくなりますよね。

田島そうですね。僕はまず、トレンド把握に使うことが多いです。
例えば、検索広告で成果がよかった時に、広告画面ではよかったというとこまでしかみれないんですけど、Googleアナリティクスまで見れると、じゃぁSEOのほうはどうだったんだろう、SEOと比較して両方が伸びていれば全体的なトレンドだと。SEOが落ちていれば、順位変動があった影響で、SEOでとっていたキーワードが広告によって来たと考察できますね。そういった意味でも、Googleアナリティクスを使えたほうが考察や分析の幅も広がりますね。

小川自然検索とお互いに影響を与え合いますもんね。

田島SEMは検索広告と自然検索の両方を見ないと、部分最適化になってしまいますよね。あとは、Google アナリティクスの「マルチチャネル」というレポートで、参照元/メディア パスっていうのがあるんですけど、そこでリスティング経由の間接効果を見られます。起点になったのがバナーだったとか、意外と違う検索広告だったというのが見られますので、最終ゴールの数字だけでの議論にならなくて済むのかなというのはありますね。

小川Googleアナリティクスでは間接効果が見られるというときに、お客さんにはその間接効果について説明していますか?

田島定期的なレポートでは触れないですね。急にウェブ広告の成果が良くなった、または逆に悪くなったりした時に要因を深堀する材料として使いますね。

小川お客さんからは間接効果はあるの?とか聞かれます?

田島私のお客様からはあまり聞かれないですね。僕自身も間接効果の議論をするよりも、施策を打つほうがよくないですかっていうスタンスなので。広告代理店にいたころは、間接効果が議論になることもありましたけど、「で、結局どうします?」と結論が出ないケースが多かったです。

小川そうそう、どれくらい貢献したかの議論は泥沼になることあるからね。広告、オーガニック、広告で流入の後にコンバージョンしたときに、広告の貢献度は何%とか。

田島アトリビューションという言葉がありますけど、その議論に手間をかけるのはちょっと・・・

小川そうそう、それってあまり施策につながらないんだよね。

井水先ほどお客さんにレポートっていう話が出てきましたけど、どんな形式のレポートですか?

田島私はエクセルでデータをまとめて、パワーポイントに貼り付けてコメントをつけています。

井水小川さんはどういう形式が多いですか?

小川データポータルで作ってと言われた場合や、決まった時に決まったものを見たいという場合は、それで自動化する感じにしますし、報告を伴う感じだとコメントがすべてなので、パワーポイントでサマリー作って渡すか、ミーティングで報告会で話すっていう感じですね。

田島私はまさに提案型ウェブアナリスト育成講座の時に作ったレポートを、お客様に出していますね。あの作り方が参考になっていますね。


特に、コロナの影響でウェブミーティングが増えて、今まで通りパワーポイントで何枚かにまとめたものをお渡ししていたんですが、お客様が理解しているかどうかをお客様の表情でみて判断しづらくなったんですよね。


そこで今役立っているのが、9回目の講義で教わった『1枚3分のサマリーシート』です。1枚のページに要点を3分ほどで把握できるようにまとめたシートなんですけど、まず始めにそれだけで説明して、あとは流れで質問や議論をしていくのが楽ですね。

小川わかります、一人で20分くらい延々と説明する感じよりは、最初に説明しておいて、そのあと質問やコメントで議論する感じにしたほうがお互い楽ですよね。

 

田島そのまま5分位でミーティングが終わることもありますね。
ただ、短いミーティングで終わってしまうとちょっと不安になるので、わざと時間を伸ばしたりしますけど(笑)「最近のテレビCMの効果はどうですか?」とか「リモートワークは慣れましたか?」とか、全然違う話をふったりしちゃいますね。

小川そういう雑談ができる時間が作れるっていいよね。一方向で説明するのに時間を使うよりも、雑談で色んな気づきが生まれる方が実りがあるっていう感じもしますよね。
一人でずっと話していると、シーンとする時間ができて、そのまま他に質問がなければこれで終わりますって言いながら大丈夫かなとか思ったりして。。。相手が納得していないのか理解していないのか、それとも隣に奥さんがいて聞けない状況なのかとか考えをめぐらせちゃいますね。

 

田島ウェブミーティングの難しさを感じますね。

井水コロナの前はオフラインの会議でしたか?

田島オフライン会議ですね。実際に会って打ち合わせをしていました。広告の管理画面をプロジェクターで直接映して、その場で操作しながら話していましたね。「この日のコンバージョンがなんで増えたんですか?」と聞かれたら、管理画面の詳細を表示して説明していましたね。広告案もミーティングの場で決めて、そのまま入稿設定したりとか。


ウェブミーティングだとそれができなくなって、それまでのオリジナルのスタイルができなくなりましたね。


管理画面を見せれば、資料に詳しく書かなくても口頭で補えることもありましたけど、紙ベースでの話し合いになると、ある程度細かくキャプチャーとって理由や考察を書かないと伝わらないかなというのはありますね。

井水ミーティングの時間が減っても準備の時間が増えたのでは?

田島そうですね。準備の時間も増えましたし、遠方のお客様とも打ち合わせがしやすくなりました。

小川今後の働き方を考えた時に、どっちがいいですか?

 

田島悩ましいですね。オンラインミーティングは、お客様先に訪問する時間が往復1,2時間かかるので、その時間がなくなったというのは大きいですね。
でも、直接お会いした方が色々な説明もできるし雑談もできるので、オフラインの方が良い部分もありますね。

 

小川うちは最近契約した2社くらいは、一回も会っていませんね。オンラインで問い合わせがきて、オンラインで打ち合わせして、オンラインで契約してという形だったので、リアルでは一回も会っていませんね。

田島たしかに私も、7月以降の新規のお客様は一度も会っていないですし、名刺交換もしていないですね。

井水今後は、オフラインで会うのが特別になってくるかもしれませんね。

小川毎月の定例は、オフラインで会う理由が必要になるかもしれないですよね。ワークショップみたいなオンラインでやりづらいことがないと会わなくなるかもしれませんよね。

田島時間の効率という面だけでいえば、ウェブ会議の方が良いですしね。

 

 

次回、(3)提案型ウェブアナリスト育成講座について へ続く。(明日公開)

 

前回はこちら

(1)フリーで受注できるようになるまで

 

デジタルD2C市場は2020年に2兆円を突破、2025年には3兆円に達する見込み【売れるネット広告社の調査】

5 years 8ヶ月 ago

売れるネット広告社が発表した「デジタルD2C」に関する市場動向調査によると、デジタルD2C市場は2020年に2兆2000憶円を突破、2025年には3兆円に達すると予測した。

デジタルD2C事業は、SNSなどを利用することで、企業が消費者と店舗を介さずに直接接点を持つことができるビジネスモデル。仲介業者を挟まず、SNSなどを通じて消費者と直接コミュニケーションを図ることで、独自の世界観や価値観を提案できるため、大手企業も続々と市場参入している。

2019年のデジタルD2C市場は高い水準で成長、2兆300億円規模になったと推測。2020年のデジタルD2C市場は、前年比9%増の2兆2200億円に達すると予測している。

デジタルD2Cの市場規模は中長期的に高い成長を継続し、2025年には3兆円に達するとした。コロナ禍における購買行動の変化はD2C市場の成長をさらに加速すると見ている。

売れるネット広告社が発表した「デジタルD2C」に関する市場動向調査によると、デジタルD2C市場は2020年に2兆2000憶円を突破、2025年には3兆円に達すると予測

スマホの普及に伴い、情報の接点がインターネットメディアやSNSにシフト。デジタル接点でのブランドのストーリーに共感して購入する消費者が増えてきている。

仲介業者を挟まず、消費者に直接商品を届けるビジネスモデルのD2Cは、SNSなどによる双方向のコミュニケーションを通じて信頼関係が向上、ブランドへのロイヤルティを醸成するため、需要はさらに拡大していくとした。

本調査は、「デジタルD2C」をネットメディアを通じて自社ブランドの商品を消費者に直接に販売する事業と定義。2019年の市場規模を推計し、2025年までの年間の国内市場規模予測を算出した。

石居 岳
石居 岳

イオングループのコックス「Yahoo!ショッピング」に出店、タッチポイントを増やす目的

5 years 8ヶ月 ago

カジュアルファッションを販売するイオングループのコックスは9月4日、「Yahoo!ショッピング」に「コックス公式オンラインショップ Yahoo!店」をオープンした。

自社ECサイト、「楽天市場」「ZOZOTOWN」など含む8サイトでECサイトを運営しているコックスが「Yahoo!ショッピング」に出店したのはタッチポイントを増やすため。新たな顧客層の開拓、ブランド認知の拡大を図る。

展開するブランドは「ikka(イッカ)」「LBC(エルビーシー)」「VENCE share style(ヴァンスシェアスタイル)」「notch.(ノッチ)」「TOKYO DESIGN CHANNEL(トウキョウデザインチャンネル)」の5ブランド。

カジュアルファッションを販売するイオングループのコックスは、「Yahoo!ショッピング」に「コックス公式オンラインショップ Yahoo!店」をオープン
「コックス公式オンラインショップ Yahoo!店」(画像は編集部がキャプチャ)

コックスの2020年2月期におけるEC売上高は、前期比15.8%増の16億9700万円。連結売上高に占めるECの割合(EC化率)は約10%。

2021年2月期の方針として、EC事業の推進・拡大をあげている。新型コロナウイルスの感染症拡大の影響で、2020年3-5月期(第1四半期)の連結売上高は前年同期比42.1%減の24億7300万円。店舗が休業に追い込まれる中、ECに注力。EC売上高は同89.4%増と大きく伸長したという。

コックスのEC戦略
EC事業の拡大策(画像は決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

 

瀧川 正実
瀧川 正実

アミジャット 田島佑哉 × HAPPY ANALYTICS 小川卓 対談(1)フリーで受注できるようになるまで

5 years 8ヶ月 ago

広告運用者田島佑哉がフリーランスとして受注できるようになるまで

HAPPY ANALYTICSの小川卓対談企画。第ニ回のお相手は、提案型ウェブアナリスト育成講座第3期卒業生で、アミジャットの田島佑哉氏。

最初のテーマは『フリーで受注できるようになるまで』。


リスティング広告のスペシャリストとして活躍する田島氏の仕事ぶりについて迫ります。

進行役はエスファクトリーウェブディレクター兼HAPPY ANALYTICS 広報の井水朋子が務めます。

田島佑哉(たじまゆうや) 
1981年静岡県生まれ。2009年ゲーム会社、2013年インターネット広告代理店、2015年弁護士事務所、2017年アミジャットとして独立。上級ウェブ解析士、SEO検定1級 。企業のリスティング広告運用およびインハウス支援を行う。2019年提案型ウェブアナリスト育成講座三期修了。

コロナの影響が大きかった月は収入が1/6に

 

井水普段のお仕事について教えてください。

田島リスティング広告の運用代行を仕事をメインに、それなりに食べているフリーランスです。
広告運用の手数料が収入減なので、コロナウイルスの影響で広告出稿が減ってしまたので大打撃でしたね。

小川広告予算って真っ先に削られますよね。広告を出してもお客さんが買わないってなったらどうしようもないし、リスティング広告が止めやすいっていうのもありますよね。

田島一番減った月ですと、前年比で1/6まで減りました。

小川広告運用の代行では、何%かを手数料としてもらう感じですか?

田島僕はマージン制ではなく、工数に応じた固定の手数料をいただいてます。広告掲載が止まったら、手数料の収入もなくなります。お客さんからも「広告を止めることになって本当にすみません」って謝られたりと。ただ、状況が状況だったので広告は止めざるをえないと自分でも感じていました。僕から「止めませんか?」と提案することもありましたね。

小川最近戻ってきそうな感じはあります?

田島3~6月は新規のお問い合わせは全くなかったのですが、7月以降からは徐々にお問い合わせが戻ってきて、8月からは2件の新規契約が動きました。

小川業種によってだいぶん違いそうですね。

田島そうですね。この先の見通しが立たない企業も多いので、同じ業種でも守りに入るか攻めにいくかでも違うと思います。

小川コロナの波がきて、止まるなっていう予感はしていました?

田島2月の時点でニュースを見ながら、うちのお客様の案件のほとんどが止まるなって予想はしていました。最悪、稼働案件が0になることも覚悟していました。そして4月以降、やはり広告掲載が止まっていきましたね。

小川私も一社止まったかな。そこは分析とレポーティングを毎月定例でやっていて。グローバルな企業だったので、全世界で予算を一度止めてくれっていう感じでしたね。そこも落ち着いてきたのか、8月から再開しました。ITは打撃が大きいところは少なかったかもしれないですね。弊社の分析とコンサルでいえば変わらずって感じしますね。

田島先日、経済産業省の統計を見ましたけど、広告業の打撃は大きかったので、なかなか厳しいなっていう感じはします。

 

 

■ 特定サービス産業動態統計月報(PDF)

https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/result/pdf/hv202006kj.pdf

 

 

田島今日も電車に乗ったら広告が少なかったので、広告の出稿金額が戻るまではもうしばらくは時間がかかりそうだなっていう感じはしましたね。(編集注:インタビューは2020年8月24日)

 

集中できる環境づくり

 

小川自宅で働いているということですが、どんな環境ですか?

田島うちはワンルームで、妻と二人、猫も3頭いるので5人暮らしです。ワンルームなので二段ベッドで生活しているんですよ。

小川二段ベッド!ちなみに、どっちが上ですか?

田島私が上です。テレビの前にカフェテーブルがあって、壁際に仕事用のちっちゃいスペースがあります。

小川やりづらいとかはないですか?

田島フリーランスになった当初は、自宅で仕事することに集中できなかったですね。でも、テレビに向かって座っていた席を反対方向に向けたら集中できるようになりましたね。

小川私も最初はリビングで仕事をしていたんで、テレビが横にあると集中できませんでしたね。「これは仕事」と言いながらちらちら気にしたり(笑)

田島リモートワークの導入が進んでいますが、自宅での生活と仕事を共存できるかは、人によって向き不向きがあるとは思いますね。

 

田島さんヒストリー

 

井水社会人になってからアミジャットを設立するまでのお話を聞かせてもらいますか?

田島まずは1981年に静岡県に生まれまして、当時は2,900グラムで。

井水そこから!(笑)

小川私と3つ違いですね~もうすぐ40歳なんですね!

田島大学生の時にマクドナルドのアルバイトにはまっちゃって、飲食業が大好きになりまました。特に藤田田さんという当時のマクドナルド会長が好きになり、藤田さんの本も多く読みまして。そのままマクドナルドに入社したかったんですけど、大学四年生の時に藤田田さんが退任されてしまい、「マクドナルドはもういいや」って感じになりました。でも飲食業にしか興味がなかったので、新卒でファミレスに入社しました。

小川ファミレスでは何してました?お店?

田島お店ですね。料理を運んだり作ったり、在庫管理やアルバイトのシフト管理などもしていました。でも24時間営業だったので”働くか、飲むか、寝るか”を繰り返してまして、2年ほど経ったときに、「これを続けていたら体がもたないな」と気づき転職しました。そこからは飲食業から離れて、テレアポ営業や飛び込み営業など、いろんな業種の営業職をしていました。

 

最後の営業職が東京ビッグサイトとかで展示会をする会社で、600社ほど集めて展示会を主催するような会社をしていました。その時にリーマンショックがあって、展示会に出る企業がガツンと減って、ショックを受けましたね。そのときに「これからはインターネットの業界で働くべきだな」と思いました。


ただ、当時は「インターネットの仕事をする」って具体的にはよく分かっていなくて、思い浮かんだECサイトの運営やカスタマーサポートなどの仕事に、片っ端から応募していました。とはいえ、ウェブの経験も知識も全くなかったので、なかなか転職するのは難しく、やっと採用していただいた仕事が、オンラインゲームのカスタマーサポートでした。

小川おもしろーい!

田島当時はネクソンやハンゲームなどが流行っていたころです。

小川怪盗ロワイヤルとかね。懐かしい。

田島最初はカスタマーサポートで、「ゲーム内のアイテムが消えたからすぐに戻して」や「ガチャの確率おかしいじゃないか」などの対応をしていました。その当時の年収が260万円でした。

小川それは安い。未経験だからですかねー。

田島当時私は20代後半で、年収も相当減ったんですけど、、。でも、まずは何でもいいからインターネットに関係する仕事をしたくて入社しましたね。
カスタマーサポートを3ヵ月ほどしていたら、社長がマーケ担当に異動させてくれたんですよ。「マーケ部の人員が足りない。営業経験がある田島ならできるだろう」と。

小川お、マーケティングの世界に入ったわけですね。

田島今思えば、ゲームの中のKPIってECサイトと同じなんですよね。

小川最後は課金だからね。

田島マーケ担当になってからは、ゲーム内のユーザー行動の分析と、ゲームの新規会員登録の集客を行っていいました。
新作ゲームのリリースが決まると、そのホームページ作成を社内のウェブ制作チームやデザイナーと相談することもあり。
ホームページのデザインの話になると「赤が良い!「青が良い!」といった感情論になってしまうことが多かったので、数字で話せる人がいないとダメだなと想い、ウェブ解析を勉強するようになりました。その流れで、2012年に上級ウェブ解析士の資格をとりました。

小川結構早いね。(編集注:ウェブ解析士協会の活動開始が2010年)

井水ゲームの解析はどんなツールを使ったんですか?

田島サーバーの生データを見ました。例えば、今日からガチャガチャというアイテムを売るという時に、その回転率をみて、公開して3時間くらいで「コレだめだ!」とかやっていました。

小川私もサイバーエージェントいた頃は毎月1日の0時に新しいガチャを出してたので、毎月1日の0時は会社にいましたね。最初の10分のデータを見れば結果がわかるので、0時10分にはミーティングをするか帰るかが決まっていましたね。

井水うわ、やだ。帰りたいです・・・(泣)

田島1分単位でお金が生まれるので、すぐに対応しないといけないんですよね。

小川ソシャゲは特にシビアだよね。直接お金につながっているから。

田島その後、その会社が大手に買収されてしまって、ゲームの開発部門は欲しいけど、私がいた運営部門はいらないということになったんです。
このまま別のゲーム会社に転職しようとも考えたのですが、当時はコンプガチャ問題もあり、別の業界に行く選択肢も入れて転職活動をしました。
ウェブ広告代理店も転職先の候補の1つでした。
ただ、ゲームのプロモーションで、広告代理店様にウェブ広告を出稿を依頼していましたが、提出されるレポートを見てもイマイチ分からない状況で。ウェブ広告の仕組みについては全然詳しくなかったんですよね。

小川事業会社の方だったのね。

田島大手のゲーム会社からも内定をいただいたのですが、ウェブ広告代理店に入社しました。ウェブ広告代理店の方は、転職活動した時期が2月後半だったので、代理店にとって猫の手にも借りたいくらい繁忙期だったこともあり、リスティング広告運用が未経験の私でも、応募してから1週間くらいで内定をいただきましたね。上級ウェブ解析士の資格を持っていたことも大きかったです。

小川そこは何年くらい?

田島広告代理店は2年半ほど勤めていました。代理店に勤めた後、また事業者側に戻りたくなって、ウェブマーケティング担当を募集していた弁護士事務所に転職しました。そこでは自社の中でウェブ広告を運用するっていう仕事もやっていたんですけど、なかなかお給料が上がらない諸事情があったので、弁護士事務所を2年ほど勤めてからスタートアップの会社に転職したんですね。

 

そこは年収は高かったのですが、スピード感や変化がすごく早くて、大変なところに入っちゃったなって悩んでいて、家に帰ると妻に色々と愚痴を聞いてもらっていたんですよ。「入社前に聞いてた仕事内容と、実際の業務内容のギャップが激しい…。でも今さらどうしようもないし、我慢するしかないかな…。」と。そしたら妻が会社に社長宛に電話をかけたんですよ。入社2週間のタイミングでしたね。

小川おぉ!奥さんはなんて?どうなってるんだって感じ?

田島妻曰く、事実確認をしただけって言ってました。社長宛に電話して、社長がいなかったので他の人と話したようです。「うちの夫はこうこう言ってますけど、本当ですか?」と。私はそのとき会議に出ていて席を外していたんですけど、席に戻ってきたら、人事の方から「ちょっと時間ある?」と言われて個室に呼ばれて。人事に「どうしました?」って聞いたら、「君の奥さんらしき人から電話がきて、こういうことがあったんだけど」「え、え、え、」となり…

小川田島さんは知らなかったんですよね?

田島そうです。まさかと思い、慌てて妻に電話したところ、「私は事実確認をしただけだ」と。妻にどんなことを話したのか聞いてみると、私が家で言っていた愚痴を全部伝えてしまっていましたね。
もう焦って、その日は直ぐに家に帰って妻と話をしました。


妻は「今にも電車に飛び込みそうなくらい悩んでいたから助けてあげた」って言うんですよ。僕はその時「もう会社にいられないよ!」と怒ったんですけど、妻は「今は怒ればいいよ。でも、いつか私に感謝するときが来るから」って言いました(笑)

井水それだけ心配していたんですね。

田島次の日の朝一に、役員全員と人事と私とで話し合いになり、私のほうから「こういう状況になってしまったので、申し訳ございませんが退職させて頂きます」と伝えました。そのまま近くの100均で封筒と用紙とハンコを買って、退職願いを書いて提出。一瞬で無職になってしまいました。

井水奥さんがなかなかの強者じゃないですか?

田島ファンキーですね。僕とは真逆のタイプ、直感で即行動するタイプの人間ですね。

小川フリーランスになるきっかけは?

田島妻の後押しというか、崖から突き落とされたことですね。35歳で会社を2週間で辞めてしまった人を中途採用する会社はもうないなと思いました。また、貯金も無かったので、時間をかけて転職活動することも難しかったです。なので、アルバイトをしながらでも自分でリスティング広告運用の仕事を直接受注して手数料を貰ったほうが、生活を続けられる可能性はあるなと思いフリーランスになりました。

 

フリーランスになりたかった訳じゃなく、会社員としてはドロップアウトしてしまったのでフリーランスになるしかなかったという感覚です。

小川それまで全部で何社くらい転職していたんですか?

田島10社以上は転職していましたね。継続性がないというか、会社員としての適性がないというか…。

小川それと比べて、今フリーランスになってどうですか?戻りたいとかあります?

田島今はないですね。会社員としての適性がないので、フリーランスの生活が自分には合っています。普通に会社員を続けていたら「フリーランスになろう」って気持ちが起きることは絶対になかったので、妻の言葉の通り今は感謝しかないです。

 

フリーで受注できるようになるまで

 

田島2017年9月にフリーランスになったんですけど、最初の半年は広告代理店にアルバイトのような契約で常駐していました。常駐の仕事をしながら、夜や土日の時間を使って自分でホームページを作成して、そこからお問合せがくるようになりました。

小川いいですね。ホームページでお仕事がくるようになった経緯は?

田島最初はウェブ広告を出稿してお問い合わせを集めようと考えていました。なので広告用のランディングページだけを用意しようと。ただ、制作会社に依頼できるほどお金に余裕は無かったので、なら自分でホームページごと作ることにしました。

小川お問い合わせはいつぐらいから来るようになったの?

田島ホームページを公開して3か月くらいでお問い合わせがきて驚きました。1日10アクセスほどしかなかったのですが。当時はまだサービスの説明資料も作っていなくて・・・

小川どどどうしよって感じだね(笑)

田島あとホームページを作ろうと思った切っ掛けの1つが、ホームページを持っているフリーランスが少ないことに気づいたからです。
ランサーズやクラウドワークスとかの案件に募集しているフリーランスのプロフィールを見ると、TwitterやFacebookページ、無料ブログを持っている人はいても、独自ドメインのホームページを持っていない人は9割ほどいました。
だからホームページを持てば、フリーランスの中で上位10%にはなれると思ったんです。

小川田島さんも応募しているの?

田島単価が安い案件ばかりなので、応募はしていないですね。ただ応募するとしても、ホームページを持っているかどうかは信頼に関わるので、作るべきだなとは思います。

小川田島さんはゲーム会社でホームページ制作もやってたんだったね。

 

田島いや、私はホームページのワイヤーフレームを作ったり、中身のテキストを用意するだけでした。ホームページの作り方は全く分からなかったので、色々と調べてドメイン取得やサーバー契約、ワードプレスも自分でインストールしてなんとか作りました。あとはホームページに、サービス内容と価格表を書いたサービスページを用意して、お問合せフォームを作って、空いてる時間にブログを書いていきました。

 

小川私もホームぺージに金額を出した方がいい派だけど、すごくわかるよ。逆の立場だったら、金額が書いてあった方が楽だもんね。

田島自分1人で対応できる件数が限られることを考えると、ホームページに金額を出すことでフィルターされたお問合せがくれば、対応の工数が減りますね

小川交渉がなくなるし、コンペになりづらいのもいいよね。

井水SEO検定をとったのもそのころですか?

田島はい。フリーランスになってからです。
ブログ記事を2、3つほど書いたら、少しづつアクセスが発生して、ブログを続けたらウェブ広告を出さなくてもお問い合わせがくるんじゃないかなってなって考えて、そこでSEOにも興味を持ちました。
自分のホームページのアクセス数を増やすためにSEOを勉強してみようと、その1つとしてSEO検定を受けました。
あとは、検索連動型広告を運用する際にSEOの仕組みも把握していた方が良いので。

井水記事を2,3書いてお問合せがくるってさすがですね。広告業界だと競合も多いですよね。

田島当時はSEOを意識してブログを書いている広告代理店が少なかったからだと思います
広告代理店のブログ記事って運用者向けのものが多いので、いかにお客様が検索しそうなキーワードを想定して記事を書くか、ブログ記事の内容のバランスが課題ですね。
僕も広告運用のマニアックな内容を書いていると楽しいんですけど、妻からは「広告運用者が読む記事を書く前に、お客様向けの”リスティング広告とは”を書けよ!」ってずっと言われていて…。未だに書いてないですけど…。

小川ブログは効果あると思いますね。私も2008年からウェブ解析のことを書き始めて、本の依頼もセミナーやお仕事の案件もそこからでしたねー。ちゃんと書いている人がそれだけ少ないっていうのはありますね。月4本とか5本とか書けばお問合せはしっかり来ますよね。

田島広告運用のブログを更新している広告代理店って、意外と少ないですよね。ヘルプページを引用したような「〇〇〇とは」のブログ記事だけじゃなく、代理店独自のノウハウや考察のブログを書いているところは5社くらいしかない印象です。なので、フリーランスでも独自の内容のブログを書けば目に止まるのかなと。

 

次回、(2)広告運用とアナリティクス へ続く。(明日公開)

「小倉昌男の宅急便作りは簡単なことではなかった」。ヤマトグループ100年のあゆみを学べる「クロネコヤマトミュージアム」に込めた思い | 物流女子の旅

5 years 8ヶ月 ago
「ヤマト運輸」誕生の歴史などヤマトグループ100年の歴史を学べる「ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム」にはどのような思いが込められているのか?館長の白鳥美紀氏に話を聞きました【物流女子の旅⑤】

創業100年を超えたヤマトグループのイノベーションの歴史などを資料や体験などを通して学べる「ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム」。個人向け宅配を全国に浸透させ、通販・EC市場の成長を古くから支えてきたヤマトグループの歴史を映すレガシーの役割が期待されるミュージアムの見どころを、館長を務める白鳥美紀氏にミュージアム設立の経緯などを踏まえて聞きました。

ヤマトグループ100周年を記念して設立

ヤマトグループは2019年11月29日に創業100周年を迎えました。

白鳥氏は2012年から100周年記念事業を担当。事業内容を決めていく中で「歴史をきちんとレガシーとして残せる物を作りたい」と考えところ、必然的に「歴史館」という案があがったそうです。

ミュージアムが入居するヤマトグループのビルも事業の一環として2019年10月にリニューアルオープン。「『つなぐ』をテーマとした『YAMATO NEXT 100』の発信地」というコンセプトで建設するビルだったことから、「ミュージアムを新しいビル内に設立する」構想を立て、オープンに向けた準備を行ったそうです。

「クロネコヤマトミュージアム」の名称は親しみやすさを込めて

ミュージアムの名称を、「資料館」ではなく「歴史館」にした理由について、「『ヤマトグループの歴史を展示する箱物』としてオープンしたから」と白鳥氏は言います。

おそらく皆さんの中では「クロネコヤマト」の方が馴染みがあるので、愛称として「クロネコヤマトミュージアム」と付けました。(白鳥氏)

ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム ヤマト運輸 ヤマトグループ 100周年 館長
コーポレートコミュニケーション戦略立案推進機能マネージャー ヤマトグループ歴史館 館長 白鳥美紀氏

見た人が一番印象に残ったところが見どころ

ミュージアムの見どころについて、白鳥氏は「見ていただいた方が一番印象に残っている展示が見どころ」「一番というのは決めていない」と言います。

子どもたちは宅急便体験コーナー、経営者なら2代目社長の小倉昌男氏に関する展示コーナーや経営理念など、立場や年齢などによって興味を持つ部分が異なる、というのが理由です。

ただ1つ、ミュージアムを見る上で「私たちと一緒に歩んで下さったお客さま自身の歴史を重ねてご覧いただきたい」と白鳥氏は話します。

ミュージアム内の展示はヤマトグループの歴史だけでなく、各時代に起こった多くの出来事の写真や年表も展示しています。

また、ミニシアターで放映している映像も、ある家族4世代が歩んだ100年に、ヤマトグループ100年の出来事を重ね、「ヤマトグループが人々とともに歩んだ」ストーリーになっています。

年配の方はオイルショックの展示を見て「昔もトイレットペーパーを買うために並んだことがあったんだよ」とお話されていたりしますね。

皆様にはヤマトグループの歴史を学びつつも「ああ、懐かしいな」と、当時の出来事を振り返りながらご自身の歴史と重ねてご覧いただけたら嬉しいですね。(白鳥氏)

全てのお客さまに「感謝の気持ち」を伝えたい

多くの人に訪れてほしいというミュージアム。ヤマトグループの歴史や物流を学んでほしいという思いはもちろんですが、ミュージアムを通して一番伝えたいことは「感謝の気持ち」だと白鳥氏は言います。

日ごろ宅急便を利用してくださっている方、取引のある企業、きめ細かい宅急便ネットワークに欠かせない取扱店、全てのお客さま1人ひとりに感謝の気持ちを伝えたい

私たちだけでは長い歴史を築くことはできず、常にお客さまの存在があり、ともに歩んできた結果、100年という歴史が刻まれました。

「ありがとうございます」と「これからもよろしくお願いします」という気持ちを伝えることが、このミュージアムの役割だと思っています。(白鳥氏)

その気持ちはミュージアムだけでなく、社員に配布した100周年記念誌にも現れています。

ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム ヤマト運輸 ヤマトグループ 100周年記念誌 100年のあゆみ
記念誌の右上には「100年ありがとう」の意味を込めた記念ロゴ。「お客さまとともに歩んできた」感謝の気持ちを表すために「100年の歴史」ではなく「100年のあゆみ」と記載したそう

年齢などを問わず幅広い方に見てほしい

7月のオープン以降、1か月半で約1,300人が来館。来館者のメイン層を決めているのか尋ねたところ「幅広い方々に来ていただきたいので、ターゲット層などは特に決めていない」とのこと。

それぞれ関心・興味を持っていただける点や「自分ごと化」していただける点が違いますので、さまざまな方に来ていただきたいと思っています。(白鳥氏)

予想より多かった、親子連れでの来館

来館者のメイン層などは全く決めていませんでしたが、8月23日時点で来館者のうち180組ほどが親子連れだったと言います。

品川駅から徒歩10分ほどの場所にあるミュージアムですが「人通りの多い場所でもないので、ふらりと立ち寄るような立地ではない」と考えていたため、予想より親子連れが多いことに白鳥氏は驚いたそう。

ホームページでご覧になったとか、「宅急便の車に乗れる」という評判を聞いてお越し下さったようです。お子さまにたくさん来ていただけて嬉しいです。(白鳥氏)

ヤマトグループ社員研修の一環として見てほしい

白鳥氏は「ヤマトグループの社員にもミュージアムを見に来てほしい」と思っているとのこと。

2019年に発行した100周年記念誌をヤマトグループ社員に配布しており、それを読んだ上で企業の原点である経営理念や創業の精神などをあらためて学んでほしいと言います。

「小倉康臣や小倉昌男が会社や宅急便を作ったことは簡単なことではなかった」ということを学び、会社の歴史や出来事を振り返る場所にしてほしいと思っています。(白鳥氏)

新型コロナウイルスの影響でまだ実現できていませんが、ミュージアムが入居するビルの別フロアには研修施設があるため、社員研修の一環としてミュージアムを訪れてほしいそうです。

多くの人が楽しめるイベントを行っていきたい

まだ展示しきれていない資料などもあるため、テーマを設けた企画展や、子どもが参加して一緒に物作りを楽しめるようなイベントを行っていきたいとのこと。

新型コロナウイルスの影響でなかなか実現のタイミングが難しいですが、年間を通してご来館した皆さまに楽しんでいただけるようなイベントや企画展を行っていきたいと考えています。(白鳥氏)

また、子ども向けのパンフレット作成も進めているそうです。

ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム ヤマト運輸 ヤマトグループ パンフレット
ミュージアムで配布しているパンフレット。英語版や中国語版も用意されています

ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム

  • 開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
  • 休館日:月曜日・年末年始 ※月曜日が祝日の場合は開館、翌営業日を休館。臨時休館日などあり
  • 所在地:〒108-0075 東京都港区港南2丁目13-26 ヤマト港南ビル6F
  • 電話番号:03-6756-7222
  • ※入館無料で予約なしの自由見学。アテンドツアーを希望の場合や10名以上で来館の場合は事前予約が必要
藤田遥
藤田遥

米国・欧州Amazonの顧客があなたの自社ECサイトで簡単に買い物できる方法とは? 「Amazon Pay」「ジグザグ」が実現したスゴイ仕組み

5 years 8ヶ月 ago
ジグザグの越境EC・ウェブインバウンド対応サービス「WorldShopping BIZ」と、Amazonが提供するオンライン決済サービス「Amazon Pay」が連携。米国・欧州のAmazonアカウントを保有する顧客が、日本の自社ECサイトで買い物できるようになるその仕組みを解説
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米国・欧州のAmazonのアカウントを保有する顧客が、日本の自社ECサイトにアクセスし、自身のAmazonアカウントを使って簡単に買い物できる――。このように、海外の消費者が簡単に越境EC形式で日本の商品を購入できる仕組みがついに実現した。

この取り組みを実現したのは、越境EC・ウェブインバウンド対応サービス「WorldShopping BIZ」を提供するジグザグと、Amazonが提供するオンライン決済サービス「Amazon Pay」。“越境EC購入でも買いやすい”ショッピング体験の提供に至った背景などについて、ジグザグの仲里一義社長、アマゾンジャパン Amazon Pay 事業本部 本部長の井野川拓也氏に話を聞いた。

「Amazon Pay」「WorldShopping BIZ」の協業で実現したことは?

「Amazon Pay」が海外のAmazonアカウントを持つ顧客による決済にも対応できるようになったらありがたい。

「Amazon Pay」導入企業から要望があがっていた「海外のAmazonアカウントを持つ顧客による決済」に対応したのが今回の協業策。ジグザグの越境EC・ウェブインバウンド対応サービス「WorldShopping BIZ」を導入している日本の自社ECサイトでは、アクセスしてきた海外の消費者が、自身が使用している米国・欧州のAmazonアカウントを使い、「Amazon Pay」を通じて越境EC形式で決済できるようになったのだ。

「WorldShopping BIZ」を導入している日本のECサイトにアクセスした米国・欧州の消費者は、クレジットカードなどの決済手段に加えて、「Amazon Pay」を選ぶことができるようになった普段使いしているAmazonアカウントで買い物ができるようになるため、異国のECサイトでも安心・安全に決済できるという仕組みだ。

このスキームは、米国・欧州のAmazonアカウントを使い日本のECサイトでも決済できる特別仕様の「Amazon Pay」を、「WorldShopping BIZ」が実装することで実現した。「WorldShopping BIZ」を導入している日本のEC事業者は、開発や運営オペレーションの変更を行わず、「WorldShopping BIZ」のタグを1行設定するだけで、米国・欧州のAmazonアカウントを保有する顧客に越境EC形式で自社ECサイトでの買い物体験を提供できる

これまで、海外のAmazonアカウントを持つ顧客は、日本国内の自社ECサイトでの買い物に際して「Amazon Pay」を使うことができなかった。今回の協業は、海外のAmazonを利用する顧客が初めて日本の自社ECサイトで「Amazon Pay」を利用して決済できる取り組みとなる。

海外からの注文に対応していないECサイトではカート離脱が多く発生する
海外からの注文に対応していないECサイトではカート離脱が多く発生する

拡大する越境ECの利用に対応できる

この仕組みにより、EC事業者は拡大傾向にある越境ECの利用に対応することができるようになる。『海外ECハンドブック2019』(著者:トランスコスモス株式会社)によると、グローバル越境EC市場規模は2020年に9940億ドルまで拡大する見込み。特に、北欧、西欧、そしてアジア太平洋などの各地域で越境EC利用が進むと見られている

グローバルでの越境EC市場の推移(画像はインプレスが発行した『海外ECハンドブック2019』(著者:トランスコスモス株式会社)から)
グローバルでの越境EC市場の推移(画像はインプレスが発行した『海外ECハンドブック2019』(著者:トランスコスモス株式会社)から)

また、米国のAmazon.comが公表した「年次報告書(2019年)」によると、全体売上(AWSなど含む)における地域別売上の割合は米国が69%、ドイツが7.9%、イギリスが6.2%この3か国でAmazonの全体売上の83.1%を占める。他のエリアを含めるとその割合はさらに増えるとみられる。

Amazonの地域別売上高(2019年)。カッコ内の数値は全体売上高に占める割合(編集部が作成)
Amazonの地域別売上高(2019年)。カッコ内の数値は全体売上高に占める割合(編集部が作成)

「WorldShopping BIZ」と「Amazon Pay」を実装した日本のECサイトは、Amazonアカウントで買い物する多くの海外ユーザーを、見込み客とすることができるようになる。

「Amazon Pay」と協業した「WorldShopping BIZ」とは?

「WorldShopping BIZ」は、大幅なサイト改修を伴わずに、JavaScriptを1行、自社ECサイトに設置するだけで、越境ECに対応できるサービス。世界125か国を対象とした海外販売対応を実現できる。

「WorldShopping BIZ」の仕組み
「WorldShopping BIZ」の仕組み

海外IPアドレスとブラウザ言語を識別し、海外ユーザーに最適化した「多言語ナビゲーション」「かな入力が不要なフォーム」などを表示。「WorldShopping」専用カートで注文を受け付け、ジグザグが受注処理や発送までを運用していく仕組み。インボイスの作成、国際配送の手配、多言語カスタマーサポートもジグザグが行う。

特別な開発、運営オペレーションの変更を行わずに越境EC販売に対応できるため、海外の消費者によるショッピングニーズに対応したい国内EC事業者からの引き合いが増加。大手から中小企業まで500社以上が利用している。

決済という側面では「WorldShopping BIZ」は主要クレジットカード、「PayPal」「銀聯カード」「Alipay」など多様な決済手段に対応しているが、今回、これらの決済に「Amazon Pay」が加わった。

「Worldshoppingチェックアウト」のイメージ動画

「Amazon Pay」「WorldShopping BIZ」が協業した理由

ジグザグ仲里一義社長(以下仲里):海外の人が日本の実店舗などを訪れるインバウンドのように、オンラインでも日本のECサイトでインバウンドが発生しています。当社では“ウェブインバウンド”と呼んでいますが、自社ECサイトへの海外からのアクセスは全体アクセスの2~8%と言われています。アクセス解析をすれば海外ユーザーが訪問してきていることがわかるはずです。平均的には日本国内のアクセスが95%前後を占めているため、EC事業者は海外からのアクセスをほとんど意識することなく見過ごしてしまっている。しかし、“ウェブインバウンド”ニーズを開拓しようと考えているEC事業者は、リアルのお店に来店する海外ユーザーへの対応と同様に、わずかな海外からのアクセスにも注目し、対応しているんです。

海外ユーザーが日本の自社ECサイトにアクセスし、商品ページが翻訳されていなくても商品をショッピングカートに入れるところまではできます。しかし、仮名入力、住所選択などで次のステップに進むことができません。つまり、日本のショッピングカートは海外ユーザーのアクセスに対応していないんです。仮にカートシステムが海外対応できるとしても、EC事業者側でのカスタマーサポート、不正決済対応、国際物流対応といった別の課題も存在します。

「WorldShopping BIZ」は越境ECに対応したいEC事業者さまのニーズに応えるもので、タグ一行をECサイトに埋め込めば、“ウェブインバウンド”に対応できるようになります。初期費用は3万円、月額5000円。海外発送、決済、カスタマーサポートはジグザグが対応するので、EC事業者さまは現状の業務オペレーションを一切変えることなく、ほぼノーリスクで越境ECに対応できるようになります

ジグザグの仲里一義社長
ジグザグの仲里一義社長

アマゾンジャパン Amazon Pay 事業本部 本部長 井野川拓也氏(以下井野川):Amazonの理念は「地球上で最もお客さまを大切にする企業になること」です。決済分野でも、お客さまに簡単・便利にお買い物いただけるようにするため「Amazon Pay」を提供しています。Amazonは出品サービスを通じて中小規模の事業者さまの越境ECのサポートを強化しています。そうした中、日本のEC事業者さまから「海外のお客さまにも『Amazon Pay』で自社商品をご購入いただけるようにしてほしい」といったお声をいただいていました。ただ、越境ECに関しては、インボイスや国際配送、カスタマーサポートなど、決済サービスである「Amazon Pay」ではサポートできない領域があります。今回、それらの課題を解決し、米国・欧州のAmazonアカウントをお持ちのお客さまも簡単に、安心・安全に日本のECサイトで「Amazon Pay」を使ってお買い物いただけるよう、ジグザグさんと協業することになりました

仲里:そうなんです、海外からの注文対応は決済対応だけでなく、国内販売とは異なるシステムやオペレーションといった課題が多いんです。1つの例が配送住所のデータの郵便番号や国など。例えば郵便番号がない国や、日本と桁数が異なるのは当たり前です。日本国内の住所フォーマットに海外の住所が入ると、システムエラーを引き起こす可能性があります。国内向けECサイトシステムは、海外からの注文を想定していないのでエラーが発生してしまうんですよね。

ほかにも国際輸送には通関手続きに必要な書類に商品内容を英文で記載する必要もあり、商品情報を英語で管理する必要も出てきます。不正決済対応や国際輸送の梱包、カスタマーサポートなど、海外からの注文に対応できる体制を構築しなければなりません。「Amazon Pay」の活用で、海外アカウントからの決済に対応できたとしても、EC事業者さまのバックオフィスが海外からの受注に対応していなければ、ご注文にきちんと対処することができません。今回の「WorldShopping BIZ」と「Amazon Pay」の取り組みは、決済から言語対応、受注、配送までの課題を一気に解決するものなんです。

アマゾンジャパン Amazon Pay 事業本部 本部長 井野川拓也氏
アマゾンジャパンのAmazon Pay 事業本部 本部長 井野川拓也氏

βテストで20以上の海外エリアの顧客から「Amazon Pay」で決済

井野川:テスト段階から非常に高いニーズがあったとお聞きしています。

仲里:約3か月間、すでに「WorldShopping BIZ」を導入している25社限定でクローズドのβテストを行いました。3月から実施したところ、21の国と地域のお客さまからご注文が入りました。アメリカ、カナダ、メキシコ、台湾、シンガポール、香港、韓国、タイ、マレーシア、マカオ、ベトナム、イギリス、スイス、オランダ、フランス、ドイツ、リトアニア、イタリア、アイルランド、……。米国・欧州のAmazonアカウントをお持ちのユーザーですが北米や欧州の他、南米、アジア、オセアニアなどさまざまなエリアにお住まいのお客さまが、「Amazon Pay」を使って決済しました。商材によって異なりますが、平均比率で示すとアジア圏が57%、北米が25%、ヨーロッパは15%でした。

井野川:EC事業者さまにとっては、ほぼ手を煩わすことなく、21の国と地域にお住いのAmazonのお客さまが新しいお客さまになったのですね。それぞれの企業さまの反応はどうでしたか?

仲里:テスト前からポジティブな意見があがっていました。テスト展開で25社の皆さまにご意見を伺ったときには、「衝撃的ですね」「これは本当にすごいですね」といったお声がありました。

井野川:皆さん待ち望まれていたサービスだったのですね。テスト導入されたECサイトではどのような反響がありましたか?

仲里:「WorldShopping BIZ」を以前から活用しているハースト婦人画報社さまのECサイト「ELLE SHOP(エル・ショップ)」では、「Amazon Pay」導入後にあたる3月度の月次売上は2月度比384%でした。さらに、合わせ買いが同1.2倍で、購入単価も飛躍的にあがりました。国別レポートでは、アメリカからの受注が4倍で、その他の国が2倍に。セール品はもちろん、定価商品のご購入もありました。また、「Amazon Pay」でリピート購入しているケースも増えています

「ELLE SHOP(エル・ショップ)」での表示イメージ
「ELLE SHOP(エル・ショップ)」での表示イメージ

井野川:「Amazon Pay」「WorldShopping BIZ」を一緒にご提供することで、事業者さまは、便利に、簡単に、そして安心・安全にお買い物ができる環境をお客さまにご提供できるようになります。海外のお客さまからすれば、日本という異国のECサイトでも、Amazonのロゴが入ったボタンがあることで、ご安心いただけるのかもしれません。Amazonと同じように、簡単にお買い物できる。ですので、リピート頂けるお客さまも多いのでしょう。

日本の質の高い商品を購入したいと思っているお客さまが世界各国にいます。今まで、そうしたお客さまのニーズに日本の自社ECサイトとして対応するために多くのハードルがあったと思います。「Amazon Pay」「WorldShopping BIZ」双方のサービスを使うことで、事業者さまは世界中のお客さまに安心して商品をお届けすることができます。それが最大の価値です。

仲里:確かに、自社ECサイトで世界中の“欲しい”に応えることが難しい環境でした。日本の自社ECサイトが売り手としてこだわりのあるメッセージを届けながら、世界中の消費者の方にどんどん商品をお届けできるようになるという、ショッピング環境作りにさらに貢献していきたいですね。

「WorldShopping BIZ」「Amazon Pay」を導入したい事業者はどうすればいい?

仲里:お買い物されるお客さまが「WorldShopping BIZ」上で「Amazon Pay」を利用するという仕組みになります。新規に「WorldShopping BIZ」を利用される事業者さまは「WorldShopping BIZ」のHPからお申し込みください

その後、「Amazon Pay」への審査申込を行い、「Amazon Pay」の審査を経た後、「WorldShopping BIZ」上でAmazon Payをご利用いただけるようになります。すでに国内の「Amazon Pay」を実装されているEC事業者さまは、Amazon Payの出品者IDで照合するといった仕組みとなるので、簡単な手続きで申し込むことができます

井野川:「Amazon Pay」をすでに導入しているEC事業者さまは、「WorldShopping BIZ」のお申し込み後、ECサイトにタグを1行設定するだけなので、すばやく越境ECに対応することができますね。

「WorldShopping BIZ」のHPから申し込みできる

世界のお客さまにコンタクトできる機会を

井野川:今回の「Amazon Pay」「WorldShopping BIZ」の協業は、手軽に越境ECに対応できるとても魅力的な方法だと思います。「こだわりのある商品は自社ECサイトでしっかりと伝えて売っていきたい」という日本のEC事業者さまには最適な販売手法になると感じます。手間をかけずに世界各地からのご注文に対応できるのですから。それにコスト面においても魅力的なのではないでしょうか。

仲里:今、海外で日本ブランドの商品が転売されていて困っているということをよく耳にします。こうした事態を防ぐためにも、ブランド各社さまがご自身で海外からの注文に対応できるようになることは今後、より求められていくことでしょう。これまでリソースやコスト、仕組みの問題で「できなかった」というブランド、EC事業者の皆さまには、「Amazon Pay」「WorldShopping BIZ」の活用で、顧客に自社ECサイトにアクセスして購入いただける環境を用意するということを実現してほしいですね。

井野川:販売元のECサイトに直接アクセスして商品を購入できれは、それも安心・安全、簡単なお買い物体験ですからね。そうすれば、日本のECサイトを訪れるために検索し、購入されるお客さまが増えていきますよね。こうした好循環を生み出すためにも、1社1社の事業者さまの取り組みが重要であり、「Amazon Pay」としても決済サービスという観点から引き続きサポートしていきたいと思います。

EC事業者さまが販売チャネルを広げることによって、お客さまの購入時の選択肢が広がります。事業者さまにとって、国内だけでなく、海外にもチャネルを広げて、世界のお客さまにコンタクトする機会を作っていくことの重要性がこれから増していくのではないでしょうか。今回の「Amazon Pay」「WorldShopping BIZ」の協業は、販売事業者さまの新規顧客の獲得、そして商品をご購入されるお客さまのご満足へとつながるはずです。

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瀧川 正実
瀧川 正実

TikTokがマーケティングパートナーを認定

5 years 8ヶ月 ago

ティックトックが、ティックトックのマーケティング活用を支援する事業者を認定するプログラム「TikTok For Business Marketing Partner Program」を開始。キャンペーン管理、クリエイティブ開発、ブランドエフェクト(仮想・拡張現実)、測定の分野で、19社を認定した。

https://newsroom.tiktok.com/en-us/introducing-tiktok-marketing-partner-program-for-advertisers

noreply@blogger.com (Kenji)

【参加前にチェック】ネッ担&Web担オンラインイベント(9/9+10開催)のよくある質問

5 years 8ヶ月 ago

Q. 事前申し込みをしていないのですが、視聴できますか?

回答を開く

Webinarは事前登録制となっており、当日のご参加を承ることができません。大変申し訳ございませんが、ご了承いただきますようお願いいたします。

Q. マイページのIDとPWがわかりません。

回答を開く

申し込み完了時に「event-info01@impress.co.jp」よりメールでマイページのIDとパスワードをご案内しております。迷惑メールフォルダに届いていないか再度ご確認ください。ご案内が届いていない方は事務局までご連絡ください。

  • 株式会社インプレス イベント事務局 E-mail:impress_seminar@pep-p.work

Q. 視聴方法がわかりません。

回答を開く

マイページにアクセス後、事前にご登録されたセッション部分に表示される「視聴する」ボタンをクリックし、再度情報を入力の上、お進みください。マイページにご登録したメールアドレスのみで視聴可能となります。お間違えのないようお気を付けください。

Q. Zoomアプリがダウンロードできません。その場合は視聴できませんか?

回答を開く

Webブラウザーで視聴可能です。Zoomのブラウザー版を利用する場合は、Zoomアカウントに登録する必要があります。 パソコンで視聴サイトからZoomにアクセスすると、画面下部に表示される「ここをクリック」をクリックするとZoomサイトより登録した講座をご視聴いただけます。

ただし、ブラウザーからの参加の場合は、講演者が投票機能(講演中のアンケート機能)を利用した際に表示されません。ご了承ください。

Q. Zoomにつながりません

回答を開く

「ホストが本ウェビナーを開始するまでお待ちください」や「お待ちください。ウェビナーはまもなく開始します」などの表示の場合は、そのままの状態でお待ちください。それ以外の表示が出た方は、恐れ入りますが再度アクセスし直していただくようお願いいたします。

Q. スマートフォンから視聴したいのですが、視聴ボタンが表示されません。

回答を開く

スマートフォンのブラウザーでご視聴の場合、視聴ボタンが表示されないため、画面を「PCサイト版」または「デスクトップ用Webサイト」に切り替えてお試しください。

Q. 講演資料のスクショや録画はOKですか?

回答を開く

講演中に講師が許可を出さない限り、スクリーンショット、撮影、録音、録画はお断りいたします。

内山 美枝子

【LIG社共催】「コンテンツマーケティングの準備はお済みですか?コンテンツの作り方とSEOの基本」

5 years 8ヶ月 ago

SEO Japan編集部の石戸です。 この度、LIG社とWebセミナーを共催することとなりましたので、本記事にて告知させていただきます。 BtoB/BtoCを問わず、Webマーケティングを行う上でコンテンツはとても重要で … 続きを読む

投稿 【LIG社共催】「コンテンツマーケティングの準備はお済みですか?コンテンツの作り方とSEOの基本」SEO Japan|アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ に最初に表示されました。

通販・ECビジネスの課題は「既存の顧客の満足度の向上」が上昇、「新規客の獲得や集客方法」が下降傾向

5 years 8ヶ月 ago

通販・ECシステム構築・支援を手がけるエルテックスは9月4日、「通信販売事業関与者の実態調査2020」の第2弾公表した。

「悩み事・困りごと」で最も重要なものについて

通販事業全般(ECを含む)の仕事について、過去から現在での「悩み事・困りごと」で最も重要なもの1つを選ぶ単一回答では、「新規客の獲得や集客方法」がここ5年のトレンドで下降傾向に。2020年は微減だが「既存の顧客の満足度の向上」が上昇傾向となっている。

エルテックスが実施した「通信販売事業関与者の実態調査2020」 「悩み事・困りごと」について(単一回答)
「悩み事・困りごと」について(単一回答)

通販・ECで商品を買う消費行動が浸透しており、良質な顧客体験(CX、カスタマーエクスペリエンス)の提供が課題になってきていることが推測される。

複数回答では「広告メディアの使い方や広告投下の配分」が前年比7.3ポイント増とスコアが上昇。過去の調査からも年々スコアが増えてきており2016年の約1.5倍となっている。

「新型コロナウイルスなどの感染対策」は複数回答では15.7%。単一回答で2.0%だった。これら数値を見る限り、通販・EC業界ではビジネス上のインパクトは小さいと考えられる。

エルテックスが実施した「通信販売事業関与者の実態調査2020」 「悩み事・困りごと」について(複数回答)
「悩み事・困りごと」について(複数回答)

「通信販売事業の課題」について

「通信販売事業の課題」の複数回答では「事故が起きない安全なシステム強化」のスコアが、前年比で11.7ポイント増の2桁増。年商別のグラフでは、年商100億円以上の企業の過半数以上(53.6%)がこの項目を選択している。

前年比でスコアが上昇した項目は「よく売れる商品の開発」が8.3ポイント増、「売り上げの拡大」が5.3ポイント増。

エルテックスが実施した「通信販売事業関与者の実態調査2020」 「通信販売事業の課題」について(複数回答)
「通信販売事業の課題」について(複数回答)

「事故が起きない安全なシステム」の項目では、年商によって回答の数値が大きく異なった。年商100億円以上の事業者では53.6%、1億~10億円未満では35.7%と17.9ポイントも差が開いている。

エルテックスが実施した「通信販売事業関与者の実態調査2020」 年商別に見た「通信販売事業の課題」について
年商別に見た年商別に見た「通信販売事業の課題」について

「新型コロナウイルスなどの感染症対策」は、複数回答では全体で31.7%が課題と捉えているものの、約3分の2は課題としていないという結果だった。

石居 岳
石居 岳

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