Aggregator

サザビーリーグのEC支援会社「サザビーリーグアウルスケープ」の相川社長に聞く事業内容や今後の展望 | 通販新聞ダイジェスト

1 year 2ヶ月 ago
新会社では顧客企業のCRM、EC、SNS、ブランディング支援を手がける。これまでにサザビーリーグが自社のブランドで運用してきた手法を生かす

衣食住の幅広いブランドを展開するサザビーリーグは4月1日、社内のDX推進室を分社化し、新会社サザビーリーグアウルスケープを立ち上げた。これまで自社ブランド運営で培った知見をもとに、デジタルマーケティング支援を外販していく。新会社の社長に就任したのは、DX推進室の室長を務めていた相川慎太郎氏だ。相川新社長に、サザビーリーグアウルスケープの事業内容や今後の展望について聞いた。

サザビーリーグアウルスケープ社長 相川慎太郎氏
サザビーリーグアウルスケープ社長 相川慎太郎氏

新会社でサービスを外販

自社ブランドを成長させたノウハウを外部にも展開

――DX推進室での取り組みは。

DX推進の高まりを受けて、2022年にDX推進室が設立された。40ほどの自社ブランドに対してCRMやECの構築、SNSマーケティングの支援を行ってきた。たとえば、ジュエリーブランド「agate(アガット)」では、ECと店舗のデータを統合するCRM基盤の構築を支援した。

売り上げや顧客データなどを集約した統合顧客データベースを作り、そこからDWH(データウェアハウス)を通して、MAツールと各種BIツールに連携した。CRMの統合基盤を構築したことで、本来やりたかったパーソナライズ施策が実施できるようになり、複数の指標が改善した。

たとえば、店舗とECのクロスユース率が20%増加し、会員比率が10%、LTVが30%増加した。

LTVアップなどさまざまな成果につながったジュエリーブランド「アガット」(画像はブランドのECサイトから追加)
LTVアップなどさまざまな成果につながったジュエリーブランド「アガット」(画像はブランドのECサイトから追加)

――新会社でも同様のサービスを提供、外販していく。

サザビーリーグのブランドは独自性を非常に大切にしていて、たとえばカートシステム一つとっても、ブランドごとに異なるものを使っている。ブランドの抱える課題や規模感に合わせてツールを変える手法は外部にも活用できるのではないかと考え、外販に至った

CRM、EC、SNSの3本柱に加えて、新たにブランディング支援も行う。従来はパートナー企業との連携こそあったものの、基本的には社内用のサービス設計は行っていなかった。分社化に合わせて、サービスの柱の一つに据える。

外販するサービスで顧客企業のBX向上を支援する(画像はサザビーリーグアウルスケープのサービスサイトから追加)
外販するサービスで顧客企業のBX向上を支援する(画像はサザビーリーグアウルスケープのサービスサイトから追加)

――支援業界は。

まずはこれまでサザビーリーグが展開してきたアパレルやジュエリー、生活雑貨、飲食といった領域の企業をターゲットにしていく。将来的には宿泊業や食物販など、新たな領域にも横展開していきたい。

顧客企業のブランドエクスペリエンス向上を支援

――新会社のビジョンは。

「複雑化した現代ブランドビジネスをシンプルにする」という企業理念を掲げている。一昔前は、単純に良いものを作って、良い場所に出店すれば商品は売れた。しかし現代は、SNSやCRMなど、やらなければいけないことが非常に多い。デジタル上でも顧客満足に向けた取り組みが必須になって、実際それが上手い企業が生き残っているように思う。

とくにアパレル業界はデジタルに精通した人材が少ないし、ブランドを成功に導くためのプロセスが複雑化しているので、ブランド戦略をシンプルにするお手伝いがしたい。

ゴールはずばりブランドエクスペリエンス(BX)の向上だ。DXばかり行っていてもだめで、ブランドの体験自体を良いものにしなければならない。

――サザビーリーグでの店舗運営がBXに活きるはずだ。

OMOなどはもはや前提の話だが、店舗とECの連携を考える上で、ブランドの世界観は考慮していかなければならない。たとえばメルマガ一つとっても、ブランドの独自性を損なわないような打ち出し方を考える必要がある

――D2Cブランドの運営が活きる点は。

サザビーリーグ時代は2018年にD2Cブランド「ARTIDA OUD(アルティーダウード)」を立ち上げた。「アルティーダウード」は当初EC専売のジュエリーブランドで、そもそも店舗を持たないブランドをどうやってデジタル展開すればよいのかという戸惑いがあった。

EC専売から開始したジュエリーブランド「アルティーダウード」(画像はブランドのECサイトから追加)
EC専売から開始したジュエリーブランド「アルティーダウード」(画像はブランドのECサイトから追加)

D2Cブランド隆盛の中で、生き残ったのは世界観をしっかりとデジタルで表現できていたブランドだ。どういったビジュアルや言葉を使えば、自分たちの提供価値がよりクリアに伝わるのか、常に考えていた。当時はすでにSNSが主流だったので、文脈をいかに上手くSNSに乗っけるかというところは細かく設計を行っていた。

現代では、いかにユーザーに共感してもらうかブランドのストーリーを伝えるかというところが肝要。我々の分析チームはサザビーリーグの約20ブランドのSNSアカウント分析を行っていて、エンゲージメントや保存数が多かった投稿に関しては全社内に共有している。いいね数と違って、そうした情報は外側から把握できないので、共有する価値がある。

――DX推進やSNSマーケティングにおけるトレンドは。

大前提でECが厳しくなってきているので、リアル回帰の流れは大きい。改めてオフラインの体験や店舗の役割をきちんと構築しなければならない。単に商品を売る場所というだけでなく、デジタルサイネージを設置するなど、店舗を体験の場として活用する流れが来ている

最近は店舗販売に主軸を置いたブランドが多いが、とはいえECと店舗の売り上げ落差を作らないような形で支援ができればいい。

3年間で目標50社にサービス提供

――数値目標は。

今後3年間で50社の外部ブランドを支援したい。3年間はサザビーリーグのノウハウが活用しやすい既存領域で支援を行い、そこから他業種に展開していく。

――BXを推進するSaaSプロダクトの開発も検討している。

考えている方向性としては、いわゆるBIツール。可視化したデータをブランディングに活用するソリューションを考えている。一般消費者よりも、ディレクターやMDなど、ブランディングに携わっている方が対象のツールになるだろう。

――現時点での支援状況は。

昨年からSNSやCRMの領域でアパレルメーカーを支援している。取引先の皆様に期待されるのは、サザビーリーグの多種多様なブランド運営で培った、お客さま視点の考え。カートシステムベンダーやCRMシステムベンダーの既存取引先も多くいるので、支援先の企業には複数の選択肢と実績を提示していくことができる。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

→ 年間購読を申し込む(通販新聞のサイト)
通販新聞の過去記事を読む(通販新聞のサイト)
→ 通販新聞についてもっと詳しく知りたい

通販新聞

購入前、参考になるレビューは「デメリットも記載されている」が54%【レビュー記事の消費者意識調査】

1 year 2ヶ月 ago

マイスタースタジオが全国の男女500人を対象に実施した「レビュー記事に関する意識調査」によると、商品・サービスを調べるときに「レビュー記事を参考にする」と回答した割合は95.8%にのぼった。参考になるレビューの特長は「デメリットも記載されている」「具体的な記載がある」「視覚情報がある」などがあった。調査期間は2025年5月1~5日。

95.8%が商品・サービスを調べるときに「レビュー記事を参考にする」

商品やサービスを調べるときにレビュー記事を参考にするかを聞いたところ、最も多かったのは「よくする」で66.0%、続いて「たまにする」が29.8%で、合計95.8%が「参考にする」と回答した。

マイスタースタジオは「購入前にレビュー記事を参考にする理由は、『失敗を回避したい』『ある程度商品の使用感などを予想して、安心して購入したい』という気持ちがあるため」と推測している。

商品やサービスを調べるときにレビュー記事を参考にするか
商品やサービスを調べるときにレビュー記事を参考にするか

参考になるレビューの特長1位は「デメリットも記載されている」

参考になるレビューの特長は、「デメリットも記載されている」が最多で54.2%、続いて「具体的な記載がある」が36.4%、「視覚情報がある」が19.4%だった。

マイスタースタジオは「消費者がレビュー記事を読む際に重視するポイントは、信頼性、具体性、視認性に分類できる。情報が具体的で写真などの視覚情報で証拠を提示することで、信頼性が高まる」と考察している。

参考になるレビューの特長(複数回答可)
参考になるレビューの特長(複数回答可)

「デメリットも記載されている」と回答した人からは、「デメリットを踏まえてでも欲しいと思えるかがわかるので、悪いレビューは助かる」「良いところばかり見ていると、実際利用した際にがっかりすることも多い」「悪い部分も知ったうえで、納得して購入したい」「購入後のギャップを最小限に抑えたい」といったコメントがあがった。

「具体的な記載がある」と回答した人からは、「具体的なレビューがいい。例えば機械なら使用感や『すぐ壊れた』などの情報、食品なら味や調理の簡単さの情報など」「読んでいると使い勝手がイメージできる」といった意見があがった。

「視覚情報がある」と回答した人からは、「商品レビューの場合は、大きさや色味がわかる画像や動画が添付されているもの。また画像や動画がなくても、『公式の写真より青みが強いです』など言葉でわかりやすく説明されていると参考になる」「文字だけでなく、画像や動画での検証や考察がなされていること。視覚情報があるだけでわかりやすい」「写真や動画があると信憑性が高まるため、まずはイメージできるものがあるか探す」といった声があがった。

参考にならないレビューは「メリットしか書いていない」

参考にならないレビューの特長について聞いたところ、最も多かったのは「メリットしか書いていない」で30.0%、続いて「情報量が少なすぎる」が23.0%、「具体的な記載がない」が16.0%だった。

参考にならないレビューの特長(複数回答可)
参考にならないレビューの特長(複数回答可)

「メリットしか書いていない」と回答した人からは、「やけに褒めてばかりの文章や、整いすぎていてキレイすぎる文章だと、『お金もらって書いた人かな?』と思ってしまう」「商品を必要以上に褒めちぎっていると、サクラではないかと疑ってしまう」といった声があがった。

「情報量が少なすぎる」と回答した人からは、「内容が薄いものは参考にならない」「『良かった』『悪かった』だけで、情報がほとんどない」「大したことのないレビューや口コミが多い場合、まったく参考にならない」といったコメントがあがった。

「具体的な記載がない」と回答した人からは、「主観的な感想のみで具体性に欠けるコメント」「体験談が書かれていなくて情報源にならないもの」といった意見があがった。

94.8%が「レビュー記事が購入・利用のきっかけになったことがある」

レビュー記事が商品やサービスの購入・利用のきっかけになったことがあるかを聞いたところ、「よくある」が38.6%、「たまにある」が56.2%で、合計94.8%が「ある」と回答した。

マイスタースタジオは「消費者は商品・サービスに興味をもってレビュー記事を読む。そのためレビュー記事で良い体験談、自分に合いそうな使用感などポジティブな方法を仕入れると、購入意欲が喚起されやすくなる」と解説している。

レビュー記事が商品やサービスの購入・利用のきっかけになったことがあるか
レビュー記事が商品やサービスの購入・利用のきっかけになったことがあるか

調査概要

  • 調査対象:全国の男女500人(女性350人、男性150人)
  • 回答者の年代:10代 1.0%/20代 15.6%/30代 35.8%/40代 26.4%/50代以上 21.2%
  • 調査期間:2025年5月1~5日
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
大嶋 喜子

シェアされやすいIPコラボキャンペーンとは?SNSシェア意欲が最も高いのは20代男性【消費者調査】

1 year 2ヶ月 ago

Mintoが実施したIPコラボに関するアンケート調査によると、IPコラボのSNSシェア人口が多いのは10代〜30代で、特にSNSシェア意欲が高いのは20代男性だった。調査結果を踏まえて、MintoはSNSにシェアされやすいIPコラボの傾向を考察している。

調査対象は15〜69歳の消費者1364人、調査期間は 2025年1月10〜15日。

SNSシェア意欲が最も高いのは20歳際代男性

IPコラボとは、ゲームやアニメ、マンガなどのキャラクター(IP)と、企業やブランドがコラボレーションし、共同で商品やキャンペーン、コンテンツを企画・製作・販売する取り組みのこと。マーケティング手法の1つとして定着し、さまざまな商材・業界で活用されている。

IPコラボについてSNSで発信したい、共有したいという意欲の高まりがあるかを聞き、「とてもある」「まあまあある」の回答割合を性別・年代ごとに可視化したところ、シェア意欲が最も高かったのは「20代男性」、続いて「30代男性」「10代男性」「50代男性」「30代女性」だった。

SNSシェア意欲が高い回答者の割合(性別・年代別)
SNSシェア意欲が高い回答者の割合(性別・年代別)

SNSシェア人口が多いのは10代〜30代

「SNSシェア意欲が高い割合」と、政府統計の「SNS使用率」をかけ合わせ、「IPコラボのSNSシェア人口」を割り出したところ、「20代」が最も多く、推計されるIPコラボのSNSシェア人口は約427万人となっている。

20代に続いて多かったのは「30代」で同309万人。「10代」は同234万人となっている。

推計されるIPコラボのSNSシェア人口(年代別)
推計されるIPコラボのSNSシェア人口(年代別)

意欲が高まるのは「無料キャンペーン」「コラボイベント」など

回答した各IPコラボのSNSシェア意欲について「とてもある」「まあまあある」の回答割合をIPコラボの形式ごとに可視化したところ、男性で最も高かったのは「SNSで無料で応募できるキャンペーンが実施される」、続いて高かったのは「サービスを利用すると応募できるキャンペーンが実施される」。

女性で最も高かったのは「コラボイベントが開催される」、続いて高かったのは「サービスを利用すると応募できるキャンペーンが実施される」だった。

SNSシェア意欲が高い回答者の割合(IPコラボの形式別)
SNSシェア意欲が高い回答者の割合(IPコラボの形式別)

シェアされやすいIPコラボの方程式

調査結果を踏まえ、Mintoは、SNSにシェアされやすいIPコラボは「男女ごとのシェア意欲の差異を意識」「キャンペーンのターゲットの特性に合わせたIP選定」「話題化 or 熱量の目的に合わせたコラボレーション企画設計」の組み合わせだと考察している。

Mintoが導き出したSNSにシェアされやすいIPコラボの方程式
Mintoが導き出したSNSにシェアされやすいIPコラボの方程式

このほか、Mintoは調査結果から考えられる傾向と、事業者がとるべき施策として、次のように指摘をしている。

  • 一般的には男性のシェアの意欲が高く、広く話題化するキャンペーンと相性がよい。女性をターゲットとする場合はよりシェアを狙う界隈を絞った施策設計が必要特に女性をターゲットとする施策の場合、IPコラボとしての想起力が低くとも消費喚起力が強い『偏愛・投資型』のIPを活用することで、共感性の高い施策設計ができる

  • 特にSNS上での話題を狙う『無料SNSキャンペーン』か、熱量の高さによる共感性を狙う『イベント施策』などがIPコラボ施策としてのシェア意欲が高い傾向

  • 『男性×無料SNSキャンペーン』『女性×イベント施策』の相性が良い傾向。起用するIPによるシェア意欲の差なども踏まえて、施策を設計する必要がある。

調査概要

  • 調査期間:2025年1月10〜15日
  • 調査目的:消費者が好意的に反応し、購買・参加の欲求が高まるIPコラボの分析・理解
  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査対象:15〜69歳の消費者1364人
大嶋 喜子

JADMAなど業界5団体、機能性表示食品公正競争規約の準備室を設置

1 year 2ヶ月 ago

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)など健康食品の業界5団体は7月7日、機能性表示食品公正競争規約の準備室を設置した。準備室は機能性表示食品公正競争規約の策定に向けて取り組む。

準備室は、一般社団法人健康食品産業協議会、公益財団法人日本健康・栄養食品協会、特定非営利活動法人日本抗加齢協会、一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会、JADMAが合同で設置した。

健康食品業界では、2024年に発生した紅麹関連製品による健康被害問題(紅麹問題)により国を中心にさまざまな対応策が進められた。そのなかで、内閣官房は検討課題の1つとして「機能性表示食品制度に対する信頼回復に向けた届出者による表示の適正化などの自主的な取組」を挙げた。

これを受け業界5団体は連携し「公正競争規約準備室」を設置。機能性表示食品公正競争規約の策定に取り組んでいく。準備室では、公正競争規約の内容と公正取引協議会の体制を検討していく予定としている。

「紅麹問題」を受け、消費者庁が機能性表示食品の総点検を呼びかけるなど、健康食品業界全体に大きな影響を与えた。そのほか小林製薬に関してはJADMAが改善勧告の処分を行う事態に発展した。

鳥栖 剛

楽天が「ふるさと納税」のポイント禁止で国を提訴。総務省の告示は「官民連携の努力や工夫を一方的に否定するもの」 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

1 year 2ヶ月 ago
訴訟提起の発端は、総務省が2024年6月28日に公布し、2025年10月1日から施行を予定している告示改正。ふるさと納税のポータルサイトを通じた寄付について、事業者が寄付者にポイントを付与することを全面的に禁止した。

楽天グループは7月10日、ふるさと納税のポータルサイトで寄付に対してポイント付与を全面的に禁止する総務省の告示は違法であるとして、国を相手取り、告示の無効確認などを求める行政訴訟を東京地方裁判所に提起したと発表した。

訴訟の発端となったのは、総務省が2024年6月28日に公布し、2025年10月1日から施行を予定している告示改正。ふるさと納税のポータルサイトを通じた寄付について、事業者が寄付者にポイントを付与することを全面的に禁止した。

記者会見で楽天グループの百野健太郎副社長は「国会の議論を経ずに告示1つでルールを変えるのは、法治国家としておかしいのではないか」と述べ、行政手続きの正当性を問う姿勢を示した。

楽天、「自治体負担ゼロ」で市場を創出、10年の官民連携を覆す「過剰規制」

楽天グループは2015年に「楽天ふるさと納税」を開始。「楽天市場」の仕組みを活用し、自治体の寄付募集を支援してきた。「楽天市場」のポイント付与サービスの仕組みも「楽天ふるさと納税」へ活用し、消費者の利便性、寄付促進に寄与してきたとする。

総務省の「ふるさと納税は“寄付”であってECではない。ポータルサイト側からの手数料徴収などの観点から、自治体の自由を妨げる」といった見解について、楽天グループは2019年から自治体に負担を求めることなく、すべて楽天側の費用負担で実施してきたと反論。「楽天市場」では基本1%分のポイント原資は出店者が負担するが、「ふるさと納税」を募集する自治体の場合、その原資は楽天が負担している。

楽天が「ふるさと納税」のポイント禁止で国を提訴。総務省の告示は「官民連携の努力や工夫を一方的に否定するもの」
2024年8月の会見で示したポイント負担に関する説明資料

松村亮常務執行役員は次のように説明する。

ポイントは「楽天ふるさと納税」固有のものではなく、「楽天市場」のサービスの一環として、通常のショッピングと同様のルールで付与している。原資は2019年からすべて楽天グループの負担で賄っており、自治体に負担をかけていない。

楽天グループ 松村亮常務執行役員
松村亮常務執行役員

続けて、百野副社長は、「楽天グループは10年以上にわたって、地方を元気にしたいという思いで、自治体と二人三脚で地方創生に取り組んできた。今回の告示は、そうした官民連携の努力や工夫を一方的に否定するものだ」と強い憤りを示した。

楽天は、訴訟における主な主張として次の3点をあげている。

過剰な規制である

総務省はポイント付与競争の「過熱化」を禁止の理由としているが、楽天側は「仮に過熱化の事実があったとしても、付与するポイントの割合に上限を設ければ十分であり、一律に全面禁止する必要性はない」と反論。また、クレジットカード決済に伴うポイント付与が認められていることとの不均衡を指摘し、「ポータルサイト事業者の営業の自由(憲法22条1項)を過剰に規制するものだ」と主張している。

法律の委任の範囲を超えている

「ふるさと納税」の根拠法規である地方税法が総務大臣に委任しているのは、あくまで「寄付の募集方法」に関する事項。国民の権利義務に制約を課すことまでは委任されていないと指摘する。「本来、ポイント付与の規制は国会での議論を踏まえた法律の改正によって定められるべき。法令による具体的根拠がないまま告示で定められたのは手続きとして問題がある」としている。

総務大臣の裁量権の逸脱・乱用

上記の理由から、今回の告示改正は、総務大臣に与えられた裁量権の範囲を逸脱、または濫用したものであり、違法・無効であるとしている。

楽天が「ふるさと納税」のポイント禁止で国を提訴。総務省の告示は「官民連携の努力や工夫を一方的に否定するもの」
訴訟の概要

「ふるさと納税」寄付拡大に寄与したポータルサイトのポイント付与、他のプラットフォームとの連携は?

「ふるさと納税」の転機となったのは、楽天が「楽天ふるさと納税」をスタートした2015年。2016年度の住民税の「ふるさと納税」に関する特例控除の上限が個人住民税所得割の1割から2割に引き上げられ、「ワンストップ特例制度」が創設された。

「楽天市場」の仕組みで利用できる「楽天ふるさと納税」も同時期にスタートし、手間をかけることなくECプラットフォームで「ふるさと納税」が利用できることになったのは、「ふるさと納税」利用拡大に大きく貢献してきたと言える。

楽天が「ふるさと納税」のポイント禁止で国を提訴。総務省の告示は「官民連携の努力や工夫を一方的に否定するもの」
「楽天ふるさと納税」について

松村常務は、「ふるさと納税」が地方の関係人口の創出や地場産業の振興、地域経済の活性化に多大な効果をもたらしていると強調し、「今回の規制は、こうした地方創生のエンジンを止めてしまいかねない」と懸念を示した。

楽天は告示改正に反対するオンライン署名活動を2024年6月から実施。2025年3月には295万件を超える署名を内閣総理大臣に提出した。

「ふるさと納税」のポイント付与を巡る動き
「ふるさと納税」のポイント付与を巡る動き

百野副社長は、「これは地方創生、日本の消費者、そして法治国家として正しい手続きとは何かを問う訴訟だ」と、司法の場で正当性を訴えていく考えを示した。

百野健太郎副社長
百野健太郎副社長

なお、現在のところ「ふるさと納税」を提供する他のプラットフォームとの接触や連携はないとしたが、「ふるさと納税へのポイント付与禁止」に関する事業者連携の可能性は否定していない。

瀧川 正実

「SmartNews」への広告掲載、自社で出稿・運用できる新機能「セルフサーブ型広告」をリリース

1 year 2ヶ月 ago

スマートニュースは7月10日、広告事業「SmartNews Ads」において広告主がオンライン上でアカウント開設から広告配信までを一気通貫で行える新機能「セルフサーブ型広告」の提供を開始した。

少額から出稿でき、審査を経て最短1日でニュースアプリ「SmartNews」への広告を配信できるようになるという。事業者の新規獲得などを後押しする。

ニュースアプリ「SmartNews」は近年、地域密着型の企業や専門ECなど、中堅・中小企業による広告出稿が拡大。2024年第1四半期の出稿金額は前年同期比44.7%増、アカウント数は40.5%増と大きく伸長している。

そのような環境下で、中堅・中小企業がさらに広告出稿をしやすい環境を提供するために「セルフサーブ型広告」を開始した。

「セルフサーブ型広告」によって中堅・中小企業の広告主は限られた予算と人員でも、負担を抑えながらデジタル広告の導入・運用が可能になるという。主な特長は次のとおり。

  • アカウント開設から配信設定・予算管理・決済まですべてオンラインで完結
  • 最低出稿金額なしのCPC課金、少額から手軽に広告掲載が可能
  • クレジットカード決済に対応、資金繰りの負担を抑えつつ支払処理も簡便化
  • 配信の開始・停止やクリエイティブ変更を即時に反映、柔軟な運用を実現
  • ニュース記事と同一面に掲載され、ブランドセーフティを確保
  • SmartNewsユーザーの約4割はSNSを日常利用していないことから、SNS広告では届きにくい潜在顧客層にもリーチ可能
広告主がオンライン上でアカウント開設から広告配信までを一気通貫で行える

そのほか、セルフサーブ型広告ではエリアターゲティング広告も利用できる。管理画面で地図上で任意の地点を選び、半径を入力するだけで配信エリアを設定できる「地点半径ターゲティング」が利用可能。特定の商圏で来店促進や営業活動を行いたい出稿主には最適な配信方法となる。

鳥栖 剛

レスキュー損害保険が「置き配盗難保険」を販売開始/「よく利用する決済手段がない」場合は約6割がサイトを離脱【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

1 year 2ヶ月 ago
2025年7月4日~2025年7月10日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 「置き配盗難保険」販売、レスキュー損害保険。月額保険料は4.7~8円

    同保険は個人で加入できるタイプの保険ではなく、事業者が保険契約者となり、事業者の商材に置き配盗難保険を付帯するもの。例えば、クレジットカード会社が付帯サービスとして提供する保険や、EC事業者の会員サービスに付帯する保険などを想定しているという。

    2025/7/4
  2. よく利用する決済手段がない場合は約6割が離脱。よく利用するECモールは「Amazon」が66%、「楽天市場」が56%【EC利用者の決済手段調査】

    調査結果によると、ECサイトの利用時、よく利用する決済手段がない場合は男女ともに過半数が購入せずサイトを離脱することがわかった。また、よく利用される決済方法は商材や年齢別にも違いが見られる

    2025/7/8
  3. BtoB市場でのPayPayとの協業、対人サービス業種の強化などアスクルの新中期経営計画

    目標数値として2029年5月期には売上高5400~6000億円、営業利益率3.7%~5.0%を掲げた。

    2025/7/8
  4. 2035年のアスクルはEBITDAの半分を新規事業が占める。M&Aや他社協業を進める将来ビジョンとは

    アスクルは将来、既存事業であるリテールと新規事業のソリューションの2軸で成長を加速させる。ソリューションとしては「DX」「ウェルビーイング」「BPO」領域について取り組んでいく。

    2025/7/8
  5. 税理士が見た「優秀な幹部」と「無能な幹部」の明確な違いから見る、今日から心を改めて会社をもっと良くしていくためにできること【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2025年6月7日~7月4日のニュース

    2025/7/8
  6. Amazonが物流倉庫に導入した「DeepFleet」とは?+ロボティクス強化に向けた投資の変遷まとめ

    Amazonが倉庫内ロボットの移動効率アップのために導入したAIモデルとは。新AIモデルがもたらすさまざまなメリットと、Amazonのロボティクス全般の取り組みに注目します

    2025/7/10
  7. MTGがリカバリーウェア領域に参入。薬局、病院内ショップ、スポーツ用品店などへの「ReD」販売で攻勢

    MTGのリカバリーウェア「ReD」は一般医療機器区分「家庭用遠赤外線血行促進用衣」として、インナーウェアやスリープウェアなどを展開するブランド。

    2025/7/10
  8. ベイクルーズ、「Saint James(セントジェームス)」の展開開始、伊藤忠とパートナー契約

    ベイクルーズは今年4月に子会社セント ジェームス ジャポンを設立。セント ジェームス ジャポンは、日本における独占輸入販売権とマスターライセンス権をもつ伊藤忠商事との国内アパレルとブランドストア運営に関するパートナーシップ契約を締結した。

    2025/7/4
  9. カルビーの新たな販売戦略とCRM施策。1人ひとりの腸内環境に合わせた“自分専用グラノーラ”「Body Granola」の事例

    カルビーの「Body Granola(ボディグラノーラ)」は腸内フローラ検査後、1人ひとりに合わせた「自分専用グラノーラ」を販売している。「Body Granola」の販売戦略やCRM施策、課題などを取材した

    2025/7/7
  10. 「楽天市場」無料メルマガ配信のセグメント、「メールクリック:12か月以内 OR メール購読開始日:3か月以内 OR 店舗での購入3か月以内」に変更

    「楽天市場」の「週1回無料メルマガ配信キャンペーン」は、「楽天市場」が提供する「週1回無料メルマガ配信対象のユーザへ送信」リストを用いて、毎週日曜日0時から土曜日23時59分までの間に無料で1回、メルマガを配信できる施策。

    2025/7/9

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    夏休みの予算は平均5.7万円で2年連続の減少。予定に「物価高・円安影響」が7割、「ショッピングや食事など」で過ごすは17%

    1 year 2ヶ月 ago

    市場調査やマーケティングリサーチのインテージが7月10日に公表した夏休み期間(7月19日〜9月30日)における過ごし方の調査によると、予算総額の平均金額は前年比2%減の5万7284円だった。減少は2年連続。物価高や円安が夏休みの予定に影響すると答えた割合は全体の70.1%にのぼった。

    夏休みの予算は2年連続で減少に

    夏休みの過ごし方

    「自宅で過ごす」(37.5%)が最多。次いで「国内旅行(宿泊あり)」(18.3%)、「ショッピングや食事など」(17.2%)だった。また、「キャンプ/バーベキュー」「公園」「テーマパーク」と屋外アクティビティの意向減少が顕著。猛暑のために暑い場所で過ごすのを控えるという意識が伺える。

    「ショッピングや食事など」は17.2%に

    そんななか、「今年の夏休みがもし猛暑でなかったら」と仮定して希望する過ごし方(理想)を聞いた。実際の過ごし方とギャップが最も大きかったのは「テーマパーク」で、予定者(その過ごし方をすると回答した人たち)の3.5倍が希望。続いて「遊園地」が3.2倍、「大阪・関西万博」が2.4倍でギャップが大きかった。

    猛暑の影響で屋外アクティビティの意向が減少

    夏休みの「海外旅行」の意向

    海外旅行の予算は前年比9.3%減の40万1707円で、2年連続で減少した。

    海外旅行の予算も2年連続で減少

    渡航先は「韓国」が23.7%でトップ、前年比で大きく増加した。比較的予算が低めの「韓国」への旅行が多くなるため、全体の海外旅行予算の押し下げにつながっているという。

    渡航先では韓国の人気が大きく伸びた

    海外旅行に行きたいと思う為替相場も聞いた。「100円〜110円未満」が最多で、海外旅行意向者の約半数が「100円未満」「110円未満」を希望している。「140円台以上」でも海外旅行に行きたいと答えた回答者は、意向者のうち1割弱。為替相場が海外旅行の大きな足かせとなっていると見られる。

    海外旅行意向者の約半数が1ドル「100円未満」「110円未満」を希望

    調査では、2025年の夏休みは「猛暑」と「物価高・円安」が影響し、あまりお金をかけずに行動が控えめとなる見込みであると総括した。

    調査概要

    • 調査地域:日本全国
    • 調査対象者:15~79歳の男女
    • 標本抽出方法:インテージの「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
    • 調査数:5000人
    • 調査実施時期: 2025年6月19日(木)~6月23日(月)
    鳥栖 剛

    漫画ECのTORICO、ビットコイン投資など暗号資産事業に進出

    1 year 2ヶ月 ago

    漫画のECサイト「漫画全巻ドットコム」を運営するTORICOは7月8日、暗号資産投資事業に参入すると発表した。初期投資額は約5億円を見込む。

    暗号資産投資事業の内容を次の通り。

    • 暗号資産(ビットコイン/BTC)への投資・保有を通じた資産の多角化および価値保全
    • 暗号資産およびブロックチェーン技術を活用した既存事業の高度化と新規事業の創出

    ECやイベントサービスにおいてもブロックチェーン技術やデジタルアセットの活用による新たなビジネスモデルの可能性を視野に入れているという。

    初期投資額は約5億円。内訳は新株予約権行使で調達する予定資金から3億円、手許資金2億円を投じる。なお​​新株予約権行使調達予定資金は当初、M&Aに充当する予定だったが資金使途変更を公表している。

    暗号資産投資事業の運営は、暗号資産の外部専門家の協力の下、推進していくという。また、TORICOが定める下落率(例:購入価格から 50%以上の下落)を超えた場合には、一部または全部を売却することを基本方針とするロスカットルールを設定するなど、リスク管理を徹底した体制で運用していく。

    事業運営は外部専門家と契約を想定、アドバイザリー費用は自己資金からの充当を予定している。

    EC業界では暗号資産投資事業へ参入する企業が増えており、直近ではアパレルのANAPホールディングスが暗号資産投資事業に進出している。

    鳥栖 剛

    決済トラブルに36%が経験。2割が購入断念、7割が他サイトへ流出【旅行・チケット予約の決済調査】

    1 year 2ヶ月 ago

    YTGATEが実施した「オンラインショッピング時の決済エラーにおける消費者実態調査2025」によると、回答者の36.2%が直近6か月以内に旅行予約時のクレジットカード決済エラーを経験しており、エラーが発生した後は20.4%が購入を断念したことがわかった。

    調査対象は旅行・チケットをオンライン予約した10〜70歳代の男女2005人、調査日は2025年7月2日。

    3人に1人が決済エラーを経験

    直近6か月以内に、旅行予約サイトでオンライン予約時に決済エラーが起きたかを聞いたところ、「起きたことがある」が36.2%(363人)、「起きたことがない」が63.8%(641人)だった。

    直近6か月以内に、旅行予約サイトでオンライン予約時に決済エラーが起きたか
    直近6か月以内に、旅行予約サイトでオンライン予約時に決済エラーが起きたか

    エラー発生後、20%以上が購入を断念

    「起きたことがある」と答えた回答者に、決済エラーが起きた後、購入を諦めたか聞いたところ、「購入を諦めなかった」が最多の59.2%(215人)、「購入を諦めた」と「店舗で予約した」はそれぞれ20.4%(74人)だった。

    決済エラーが起きたあと、購入を諦めたか
    決済エラーが起きたあと、購入を諦めたか

    購入を諦めなかった半数以上が「モールで同じ予約を探した」

    「購入を諦めなかった」と答えた回答者に、購入を諦めずどのような行動をとったかを聞いたところ、最も多かったのは「モール(チケットぴあ、イープラス、ローソンチケットなど)で同じ予約を探した」が51.4%(92人)、続いて「同じサイトで再チャレンジした」が26.8%(48人)、「モール以外の他のサイト(Peatix、ZAIKOなど)で購入した」が20.1%(36人)だった。

    購入を諦めず、どのような行動をとったか
    購入を諦めず、どのような行動をとったか

    他サイトに移動する理由は「決済エラーが繰り返されそうで不安」

    モールや他サイトに移動した理由を聞いたところ、最多は「決済エラーが繰り返されそうで不安だったから」で57.0%(73人)、続いて「よく使っているモールにカード情報がすでに登録されていたから」46.1%(59人)、「他サイトのほうが支払いがスムーズに感じたから」が38.3%(49人)だった。

    ECモールや他サイトに移動した理由(複数回答可)
    ECモールや他サイトに移動した理由(複数回答可)

    決済エラー時に困ったことや印象に残っている体験を聞いたところ、次のようなコメントがあがった。

    • 解決までに時間がかかった
    • エラーになることでカード番号などが流出してないか不安
    • ソールドアウトにならないか、ヒヤヒヤした
    • 早く買いたいのにイライラした
    • 二重で決済が来ていて少し驚いた

    調査概要

    • 調査日:2025年7月2日
    • 調査主体:ノウンズ
    • 調査対象:旅行・チケットをオンライン予約した10~70歳代の男女 合計2005人
    • 調査方法:インターネットリサーチ
    大嶋 喜子

    マーケターの7割がAI活用・導入に前向き。導入済企業は約3割。強化したい領域は「分析・インサイト抽出」が最多

    1 year 2ヶ月 ago

    ラクスルの子会社であるノバセルが実施した「マーケティング業務における課題と、AI活用に関する実態調査」によると、マーケティング業務でAIを導入している企業は全体の約3割で、AIを活用(または検討中)の業務は「商品や広告のテキスト作成」「データ分析」「市場調査・リサーチ」などが上位にあがった。

    調査対象はマーケティング業務に従事する全国の会社員500人、調査期間は2025年6月20~24日。

    マーケティング業務にAIを導入している企業は約3割

    マーケティング業務にAIツールを導入しているかを聞いたところ、「はい」が31.8%、「導入していないが、導入を検討中」が40.8%、「導入しておらず、検討もしていない」が27.4%だった。

    年間売上規模別で見ると、年間売上1000億円以上の企業は「導入済み」あるいは「導入を検討中」と回答した割合が32.8%で、1000億円未満の企業に比べて高い。

    マーケティング業務にAIツールを導入しているか(左)/年間売上規模別:マーケティング業務のAIツール「導入済み」または「導入検討」の割合(右)
    マーケティング業務にAIツールを導入しているか(左)/年間売上規模別:マーケティング業務のAIツール「導入済み」または「導入検討」の割合(右)

    時間がかかっているマーケティング業務は「戦略策定」「データ分析」「効果測定」など

    現在のマーケティング業務で特に時間がかかっている業務は、「戦略策定・立案」が最多で36.8%、続いて「データ分析」が31.0%、「効果測定・レポート作成」が28.2%。「クリエイティブ制作」が26.6%だった。

    現在のマーケティング業務で特に時間がかかっている業務
    現在のマーケティング業務で特に時間がかかっている業務

    AIを活用したい業務は「商品や広告のテキスト作成」「データ分析」「市場調査・競合リサーチ」

    現在の実務において、どのようなマーケティング業務にAIを活用、または導入しているかを聞いたところ、最も多かったのは「商品や広告のテキスト作成」で51.0%、続いて「データ分析」が47.9%、「市場調査・競合リサーチ」が47.7%だった。

    どのようなマーケティング業務にAIを活用しているか
    どのようなマーケティング業務にAIを活用しているか

    AI活用の課題は「セキュリティ、情報漏洩」「社内リテラシー不足」

    AIを導入している企業のマーケティング担当者に、現状のAI活用に関する課題を聞いたところ、最多は「セキュリティ、情報漏洩」で39.9%、続いて「社内リテラシー不足」が39.4%、「精度の低さ」が38.3%、「カスタマイズ性の不足」が28.7%だった。

    現状のAI活用に関する課題
    現状のAI活用に関する課題

    AI推進の弊害は「人的・組織的な要因」「知識、理解の不足」

    「まだマーケティング業務にAIツールを導入していない」と答えた回答者に、その理由やAI活用を推進する上で最も課題・弊害となることを聞いたところ、AIに詳しい人材が社内にいないといった「人的・組織的な要因」が最多で29.2%、続いて、成功事例がないためAI活用のイメージがしにくいといった「知識・理解の不足」が20.4%だった。

    セキュリティやプライバシーに対する不安などの「技術やデータの未整備・セキュリティ」は19.7%だった。

    マーケティング業務にAIツールを導入していない理由や、AI活用を推進するうえで最も課題・弊害となること
    マーケティング業務にAIツールを導入していない理由や、AI活用を推進するうえで最も課題・弊害となること

    7割が「AIによるレポート自動生成・可視化サービス」に関心あり

    AI技術が生かせるマーケティング業務を例にあげ、どのAIサービス利用に関心があるかを聞いたところ、最も多かったのは「レポート自動生成・可視化」で71.0%、続いて「自社の課題に合わせてカスタマイズされたAIマーケティングツール」が66.0%、「AIを活用したクリエイティブ制作・改善提案サービス」が59.0%だった。

    どのAIサービス利用に関心があるか
    どのAIサービス利用に関心があるか

    今後AIで強化したい領域、最多は「分析・インサイト抽出」

    AIを活用して強化したいマーケティング業務の領域は、「分析・インサイト抽出」が最多の43.6%、続いて「レポート作成」が34.8%、「クリエイティブ制作」が32.6%だった。ノバセルは「AI活用を求める領域は作業ベースの実務であり、戦略に関してはAIに任せないで、人が携わっている現状がうかがえる」と解説している。

    AIを活用して強化したいマーケティング業務の領域
    AIを活用して強化したいマーケティング業務の領域

    必要な支援、最多は「最適なツール選定や導入支援に関するサポート」

    AI活用を推進する上で最も必要だと感じている支援を聞いたところ、「最適なツール選定や導入支援に関するサポート」が最多の27.4%、続いて「データ整備・基盤構築サポート」が18.4%、「具体的成功事例やユースケースの提供」が18.0%だった。

    AI活用を推進する上で今、最も必要だと感じている支援
    AI活用を推進する上で今、最も必要だと感じている支援

    会社の売上規模別に見ると、1000億円以上の売上の会社では「教育・トレーニングの提供」と「具体的成功事例やユースケースの提供」が多く、10億~100億円未満、100億~1000億円未満の会社では、共通して「経営層・上層部への説明支援」が求められる傾向があった。

    AI活用を推進する上で今、最も必要だと感じている支援(売上規模別)
    AI活用を推進する上で今、最も必要だと感じている支援(売上規模別)

    調査概要

    • 調査期間:2025年6月20日~24日
    • 調査方法:第三者機関インターネット調査(ノバセル調べ)
    • 調査対象:マーケティング業務に従事する全国の会社員500人
    大嶋 喜子

    デジタルガレージ、「TikTok Shop」活用支援サービスを開始

    1 year 2ヶ月 ago

    デジタルガレージは7月1日、「TikTok」のアプリ内で商品を販売・購入できる「TikTok Shop」への出店支援および運用代行サービスの提供を開始した。

    「TikTok」アカウントの運用やクリエイター連携、広告運用、LIVE配信支援など、多数のプロジェクトで培った知見をもとに、「TikTok Shop」の開設支援から運用までを一貫してサポートしていく。

    サービス開始の第1弾として、韓国発のセルフジェルネイルブランド「ohora(オホーラ)」の「TikTok Shop」におけるショップの開設と運用支援を開始。デジタルガレージがアカウント申請から初期設定、商品登録、投稿コンテンツの企画・制作、LIVE配信設計支援、注文対応などのオペレーション体制の構築まで、全方位的にサポートしたとしている。

    「TikTok Shop」は、ショート動画やLIVE配信を通じて“発見・関心・購買”のすべてが「TikTok」のプラットフォーム内で完結する、革新的な購買体験を実現するECサービス。デジタルガレージは、視聴体験と購買行動の接続を意識した導線設計、自社ECやモールEC、CRMとの統合設計までを見据えた支援で、単発施策にとどまらない、LTV視点での成果創出をめざすとしている。

    宮本和弥

    月額5万円で「楽天市場」店舗のLINE運用を包括支援。施策の企画、セグメント配信、クリエイティブ制作などをMUNICAが提供

    1 year 2ヶ月 ago

    LINEを活用したCRMツール「munica for LINE」を提供するMUNICAはこのほど、「楽天市場」出店店舗に向けたLINE運用に関する新サービスをリリースした。

    LINE配信に関する各種機能に加え、LINE施策の企画からクリエイティブ制作、施策の振り返りまでを月額5万円で提供。「楽天市場」ユーザー向けのLINE運用を包括的に支援する。

    MUNICAによると、「楽天市場」に出店する約5万7000店舗のうち、LINE施策に本格的に取り組んでいるのは約8500店舗(約15%)という。

    「楽天市場」がLINE通知メッセージ機能の提供を始めたのは2025年2月。出店店舗は自社のLINE公式アカウントを効果的に活用できるようになり、1週間で1000~2000人の新規友だち獲得に成功している店舗もあるという。

    「楽天市場」出店店舗に向けたLINE運用包括支援サービスは、EC事業者が抱える運用上の課題(企画立案、クリエイティブ制作、効果測定、施策の改善)の解決をめざす。データ連携を活用した高度なセグメント配信機能の提供、運用代行で総合的にサポート。「LINE運用はできない」といった内部リソースに限界を感じる企業に対し、高いROI(投資対効果)と安定的な成果を実現するために支援するとしている。

    LINE運用包括支援サービスの特長は次の通り。

    • 高度なセグメント配信を実現するツール機能
      ECモール店の購買データとLINE公式アカウントのデータをシームレスに連携。顧客属性や購買履歴に応じたセグメント分けにより、「パーソナライズドな情報配信」「リアルタイムな効果測定とPDCAサイクルの加速」を実現する。
    • プロフェッショナルな運用代行サービス
      内部リソースに限界を感じる店舗、初めてLINE施策に取り組む企業向けに、MUNICAが運用代行支援サービスを提供。「運用戦略立案と勝ちパターンの構築」「定期的な効果分析と改善策のフィードバック」を手がける。

    MUNICAは「LINE施策に取り組みたいが内部リソースが不足しているという企業にとって、低コストかつ高いROIを実現する有力な選択肢になる」とコメントしている。

    近年、スマートフォンの普及でLINEは日本国内での主要なコミュニケーション基盤として定着。EC事業においても直接的な顧客コミュニケーションでてLINEを活用するケースが増えている。

    一方で、ECサイトを運営する現場からは、「リソース不足」「LINEに関わる運用ノウハウがない」といった声がある。こうした状況を踏まえて、MUNICAは新サービスを開発した。

    宮本和弥

    元ユナイテッドアローズの最高デジタル責任者・藤原氏がヘラルボニーのリテール戦略アドバイザーに就任

    1 year 2ヶ月 ago

    障害のある作家と共創し、アートやアパレル、雑貨などのプロダクトを展開しているヘラルボニーは7月9日、自社ブランド「HERALBONY」リテール戦略アドバイザーに元ユナイテッドアローズのChief Digital Officer(最高デジタル責任者)を務めた藤原義昭氏が就任したと発表した。

    へラルボニーは障害のある作家が描く2000点以上のアート作品をIPライセンスとして管理し、正当なロイヤリティを支払うことで持続可能なビジネスモデルを構築する企業。自社ブランド「HERALBONY」の運営、企業との共創やクリエイティブを通じた企画・プロデュース、社員研修プログラムを手がける。国際アートアワード「HERALBONY Art Prize」の主催など、アートを軸に多角的な事業を展開している。

    2024年度のヘラルボニー全体売上は前年比1.63倍に成長。作家への年間ライセンス料の支払総額は過去3年で15.6倍に拡大しているという。

    自社ブランド「HERALBONY」を展開するリテール事業は前年比で約2倍の売上成長を記録。2025年3月には岩手・盛岡に旗艦店、東京・銀座に常設店舗をオープンした。さらなる成長に向けEC・デジタル・マーケティング領域のメンバー採用を強化するなかで、藤原氏をリテール戦略アドバイザーに迎えた。

    藤原氏の略歴は?

    藤原氏は1999年、コメ兵ホールディングスに入社。ECの立ち上げ、販売や物流などマーケティング領域の変革を担当。2010年にIT事業部の部長に就任し、ウェブ事業・デジタルマーケティング・社内システムを統括した。

    2021年4月にユナイテッドアローズへ転職し、執行役員CDOとしてデジタル戦略を推進。2025年3月末に退任し、その後はプライベートエクイティファンドであるアドバンテッジパートナーズを経て、BX(Business Transformation)カンパニーである株式会社300Bridgeを創業した。

    ヘラルボニーが大切にしてきた「異彩」と「共感」を、より多くの人の行動と価値創造へ結び付ける挑戦に、デジタル変革とブランドグロースの知見を障害のあるアーティストの物語を、顧客体験を起点に循環する新しいエコシステムを構築することで、社会性と経済性を両立させる“選ばれるブランド”へ進化させたいと考えている。企業と社会、そしてお客さま1人ひとりが感動を共有し、互いの価値観を重ね、行動へとつなげる――その仕組みをデジタル時代に最適化し、ヘラルボニー発の“異彩経済”を世界標準へ押し上げたいと考えている。(リテール戦略アドバイザー 藤原義昭氏)

    元ユナイテッドアローズの最高デジタル責任者・藤原氏がヘラルボニーのリテール戦略アドバイザーに就任
    リテール戦略アドバイザーに就任した藤原義昭氏

    「HERALBONY」をより強いブランドとして社会に浸透させていくためも、リテール事業の拡大に現在取り組んでいる。そのなかで藤原氏が伴走してくださることは、これ以上ない心強さであり、大きな希望。「HERALBONY」がこれまで大切にしてきた「共感」や「多様性」を、より多くの方の行動や選択へとつなげていくために、障害のあるアーティストによる創造を経済圏として循環させる仕組みを、藤原氏とともに築いていきたいと考えている。(代表取締役 Co-CEO 松田 崇弥氏・松田文登氏)

    ヘラルボニー 松田崇弥氏(写真左)と松田文登氏
    松田崇弥氏(写真左)と松田文登氏
    鳥栖 剛

    IAB、ゲーム広告測定フレームワークを公開

    1 year 2ヶ月 ago

    IABがゲーム広告の測定についてのフレームワークを公開。ゲーム広告キャンペーンの測定に明確性、一貫性、信頼性をもたらすべく、標準的なゲーム広告フォーマットについて、利用可能な指標を紹介している。

    IAB Launches Gaming Measurement Framework to Standardize and Elevate Advertising in Gaming
    https://www.iab.com/news/iab-launches-gaming-measurement-framework-to-standardize-and-elevate-advertising-in-gaming/
    Introducing the IAB Gaming Measurement Framework
    https://www.iab.com/blog/gaming-measurement-framework/
    IAB Gaming Measurement Framework
    https://www.iab.com/guidelines/gaming-measurement-framework/

    人気記事トップ10

    人気記事ランキングをもっと見る