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スクロール360が食品EC物流に対応した冷凍冷蔵倉庫を大阪に拡大

1 year ago

スクロール360は、食品EC物流に対応した冷凍冷蔵倉庫の拠点を関西エリア(大阪)に拡大した。

温度帯の変更、ギフト対応、BtoB対応なども実現

北海道の「石狩センター」、静岡県の「東海コールドセンター」、東京都の「東京コールドセンター」、千葉県の「千葉コールドセンター」に続き、大阪府大阪市に「大阪コールドセンター」を設置した。

スクロール360 物流倉庫 大阪コールドセンターの外観
新たに設置した「大阪コールドセンター」の外観

冷凍宅配弁当、レトルト食品、スイーツ、惣菜などさまざまな食品商材への対応が可能。また、温度帯による荷姿変更にも対応する。冷凍で保存している食品を解凍し、チルド品に変更しての配送も可能だ。

個人宅への配送(BtoC)以外にも、店舗への配送(BtoB)にも対応するという。月間9万件の出荷実績があり、大規模出荷へも対応するとしている。

冷凍冷蔵での保管、ピッキング、梱包、出荷といった基本的な工程だけでなく、ギフト対応、出荷期限管理、温度帯変更や個別対応なども実施する。主な特徴は次の通り。

  1. ギフト対応:アソート加工、ラッピング、熨斗がけ(名入れ)、メッセージカードに対応。オリジナル資材の提案も可能
  2. 波動対応:お中元・お歳暮、母の日・父の日、年末年始、バレンタインなど、季節要因による物流波動に対応
  3. 販促物同梱:特定商品へのチラシ同梱、購入回数に応じた同梱内容変更など、購入情報に応じた同梱物制御
  4. 流通加工:ラベル貼り、アセンブリ(組み立て)といった加工業務も可能
  5. 出荷期限管理:商品ごとに入庫日起点、賞味期限起点での出荷期限管理を行える
藤田遥

所有物の資産価値は日本全国で216兆円、1人あたり平均は約182万円。メルカリが所有物の価値を「持ちモノ資産」として算出

1 year ago

メルカリが実施した「日本の『持ちモノ資産』に関する調査」によると、所有物の価値を「持ちモノ資産」として算出した場合、日本全国で推計約216.4兆円、1人あたり平均約182.4万円だった。また、若年層ほど不要品の保有率が低く、高齢層と比べて売却・譲渡を選ぶ割合が高いことがわかった。調査期間は2024年10月11日~10月15日、対象は10歳代~60歳代の男女2400人。

国民1人あたりの「持ちモノ資産」額は平均約182.4万円

36カテゴリごとの持ちモノと不要品の平均個数を性年代別に調査し、日本全国の家庭の「持ちモノ資産」を算出。総額は推計約216兆3925億円で、国民1人あたりの額は平均182.4万円という。

メルカリ 調査 日本の「持ちモノ資産」総額は推計約216兆3925億円
日本の「持ちモノ資産」総額は推計約216兆3925億円(出典:メルカリ)

「持ちモノ資産」で最も多いカテゴリは「服飾雑貨」

「持ちモノ資産」の内訳を見ると、最多は「服飾雑貨」(33.6%)で、次いで「趣味(ホビー・レジャー)」(27.5%)「家具・家電・雑貨」(19.6%)だった。

メルカリ 調査 国民1人あたりの「持ちモノ資産」で最多カテゴリは「服飾雑貨」
国民1人あたりの「持ちモノ資産」で最多カテゴリは「服飾雑貨」(出典:メルカリ)

1世帯あたりの「持ちモノ資産」額は平均約356万円

「持ちモノ資産」の総額を日本の世帯数で割り戻し、1世帯あたりの平均「持ちモノ資産」を算出したところ、約356万円だった。

調査結果に基づき、世帯構成別の「持ちモノ資産」を算出したところ、単身世帯が約179.7万円、20歳代・30歳代夫婦2人世帯が約251.6万円、夫婦と子ども(15歳未満)の3人世帯が約393.6万円、50歳代・60歳代夫婦2人世帯が約454.7万円だった。

メルカリ 調査 1世帯あたりの「持ちモノ資産」額の平均は約356.0万円
1世帯あたりの「持ちモノ資産」額の平均は約356.0万円(出典:メルカリ)

年代別で「持ちモノ資産」の保有数を見ると、最多は60歳代で平均約528.2個、最も少ないのは10歳代~20歳代で平均約239.2個。また、「持ちモノ資産」のうち1年以上使っていない不要品の保有数の割合も、60歳代(20.7%)が最も多く、最も低いのは10歳代~20歳代(10.3%)だった。

メルカリ 調査 年代別「持ちモノ資産」の保有数と不要品が占める割合
年代別「持ちモノ資産」の保有数と不要品が占める割合(出典:メルカリ)

若年層は高齢層と比べて「捨てない」傾向

直近3年間のファッションアイテムの整理の仕方について質問。年代別で見たところ、「捨てた」という回答が最も高いのは60歳代(78.3%)だった。一方、最も低かったのは10歳代~20歳代(53.6%)で、60歳代と比べて24.7ポイントの差があった。

メルカリ 調査 直近3年間で服・靴・バッグなどのファッションアイテムを捨てて整理して経験の有無
直近3年間で服・靴・バッグなどのファッションアイテムを捨てて整理して経験の有無(出典:メルカリ)

「売った」と回答した割合では、30歳代が35.8%で最も多く、次いで10歳代~20歳代が29.8%、40歳代が27.6%だった。最も低い60歳代の16.7%。30歳代おと比べると19.1ポイントの差があった。

メルカリ 調査 直近3年間で服・靴・バッグなどのファッションアイテムを捨てて整理して経験の有無
直近3年間で服・靴・バッグなどのファッションアイテムを捨てて整理して経験の有無
(年代別、出典:メルカリ)

今回の調査結果を受け、ニッセイ基礎研究所の久我尚子氏(生活研究部 上席研究員)は次のようにコメントした。

これまでは自動車や住居のような高額商品に限られていたリセールバリューの意識が、日用品や趣味のアイテムにまで広がり、一般消費者が簡単にモノを売買できる環境が整いつつある。特にZ世代では、所有するモノを売却し、その価値と現金を組み合わせて新たな購入資金にあてる行動が目立つ。

さらに今回の調査では、若年層ほど不要品の保有率が低く、高齢層と比べて不要なモノを捨てず、売却や譲渡を選ぶ割合が高いことがわかった。彼らは不要になるモノを最小限に抑えて、購入時からモノの将来的な換金可能性を見据えており、これは節約志向を超えたモノの循環を意識した生活スタイルと言えるだろう。(久我氏)

調査実施概要
  • 調査タイトル「日本の「持ちモノ資産」に関する調査」
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2024年10月11日~10月15日
  • 調査対象:10代~60代の男女2400人
  • 調査対象項目:下記の5分類、計36カテゴリに該当する所有物の個数を調査
    • 服飾雑貨:トップス、ボトムス、靴、時計、バッグなど計12カテゴリ
    • 書籍・音楽・ゲーム:書籍・コミック、CD、ゲームソフトなど計5カテゴリ
    • 美容・健康:メイク・スキンケア用品、香水、ダイエット用品など計4カテゴリ
    • 趣味(ホビー・レジャー):おもちゃ、アウトドア用品、車など計8カテゴリ
    • 家具・家電・雑貨:PC、スマートフォン、家具など計7カテゴリ
  • 算出方法
    • 日本の世帯構成比に準じた調査サンプルを設定:日本全国を「北海道・東北」「関東(東京以外)」「東京」「中部」「近畿」「中国・四国」「九州・沖縄」7ブロックに分類。7ブロック内の世帯人員別のサンプル構成比を総務省統計局「令和2年国勢調査 人口等基本集計」の都道府県、世帯人員別一般世帯数と同等比率になるように割り付け、上記サンプルを対象に調査を実施
    • 個人の所有する持ちモノおよび不要品の総量を個数単位で調査:上記の5分類36カテゴリに該当する持ちモノと不要品を自宅内に何個所有しているかを調査
    • 性年代別一人あたり「持ちモノ資産」を算出:調査結果から、性年代別に36カテゴリごとの持ちモノと不要品の平均個数を算出。これらの数値と36カテゴリごとの「メルカリ」における平均取引価格(2023年1月~2023年12月実績)をかけあわせ、性年代別1人あたり平均「持ちモノ資産」を算出
    • 日本全国の「持ちモノ資産」の総額を算出:性年代別1人あたり平均「持ちモノ資産」を日本の性年代別人口とかけあわせ、その総計を「持ちモノ資産」として算出
藤田遥

フェリシモ、ZOZO、オイシックスが取り組む「インクルーシブ」な商品開発とは? 障害や病気のある人向けの製品展開広がる | 通販新聞ダイジェスト

1 year ago
障害、性別、国籍などの違いを認め尊重しあうインクルーシブな考えが広がりつつあり、通販・EC各社でもインクルーシブに対応する商品の展開が広がっている。注目各社の取り組みをまとめる

「すべてを包み込む」「包括的」などの意味を持つインクルーシブ。障害の有無や性別、国籍、人種などの違いを認め合い尊重しあう社会をめざす考え方で、これまで公園などの街づくりや企業組織、教育などに多く用いられてきた。昨今は企業組織の観点から広がり、商品やサービスにもその考え方を用いられている。通販各社では社内プロジェクトや他社との協業を通じて商品化をすすめる。社会貢献や企業ブランドの向上につながっているようだ。

フェリシモはデザイン性と機能性を両立

裏表、前後に関係なく着られるトップスなどを開発

フェリシモは半身不随などの障がいを持つ人の意見を参考にインクルーシブウェアを開発している。

同社内のプロジェクト「オールライト研究所」は、障がい者の人々にとって「弱さや苦手、コンプレックスはそのままでいい」と思えるような商品開発を行っている。第1弾テーマ「裏表のない世界」では、裏表前後なく着られるトップス、パンツ、靴下の3商品を開発した。

第2弾は片手で着られることにこだわった商品開発

「学生でも履きやすいように白い靴下を販売してほしい」というような要望が出るなど、第1弾の反響・ニーズは大きかったという。「合格点を出せる」(中島健太郎広報部部長代理)売れ行きだったこともあり、第2弾テーマとして「onehand magic」を発表した。

「オールライト研究所」内のアンケートで、障がいを持つ人から寄せられた「服の脱ぎ着に苦労している」「きれいめの洋服が見つけづらい」などの悩みに応える商品を開発した。商品開発には障がいを持つ当事者や、子育て中の母親ユーザーも参加し、彼らの声を参考に改良を重ねた。

インクルーシブウェアの一例
フェリシモが販売するインクルーシブウェアの一例

商品は、シャツ、シューズ、ショルダーバッグ、コート、ネックカフ、イヤカフ、パンツの全7点。いずれも「片手で着用する」ことにこだわった商品で、デザインの良さと機能性を両立している。10月4日から「オールライト研究所」のサイトで販売を行っている。

育児中の母親や高齢者もターゲット

商品のターゲットとなる層は、2層に分けて設計した。コアとなるのは障がいを持つ当事者となる人。さらに、日常生活で衣服の着脱などに不満を抱えている、障がいを持っていないユーザーをサブターゲットに据えることで拡販を狙う。

忙しくておしゃれを諦めていた方や、育児や高齢により服の着脱が難しい方にも試してほしい」(同社社員で『オールライト研究所』研究員の筧麻子氏)とした。

「片手で着られるスナップボタンシャツ」(税込5390円)は、ボタンの掛け違いによるずれを解消するため、上から3番目のボタンの位置に刺しゅうのラインを入れた。同商品は子育て中の母親の意見も取り入れ開発。「帰ってすぐ洗い物がしたい」という要望に応えて、袖口にゴムを通し、家事のときにまくり上げやすいようにした。

障がい者向けの服を作品ではなく「製品」として提供

同社は11月8日と9日の2日間、「onehand magic」のアイテム体験・試着会「オールライトDAY」を都内で開催。8日には、「オールライト研究所」の研究員である澤田智洋さん、同じく研究員で左半身麻痺を抱える百武桃香さん、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの木戸奏江さんを迎え、筧氏とともにトークセッションを行った。

木戸さんらは当事者として商品開発に参加。「従来、障がい者向けの服はあくまでも少数の人に向けられた『作品』のようなもの。価格も高くて買いづらかった。『製品』として、我々をターゲットに含んでくれたのは、今までにないこと」(木戸さん)、「フェリシモの洋服を着てインスタライブなどに登場すると、障がいを持っていない人からも『商品買ったよ』と声が届くのが嬉しい」(百武さん)と手ごたえを口にする。

第3弾以降の商品展開も計画

企画は第3弾以降も継続予定。今後の商品展開について、木戸さんは自身の子どもの七五三でスーツを着るのが大変だった経験から、「楽に着られるフォーマルなアイテムが欲しい」と要望を話した。

同プロジェクトのnoteやフェリシモのSNSなどを通じて認知を高める。障がいを持っていない人の「日常生活の悩みが解消された」「当事者でないとわからないことが知れた」などの声を交えながら紹介し、当事者以外にも親近感を持ってもらう。

同社は、障がい者を支援する「チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト」などの事業を行っている。「今後もこうした支援事業や、障がい者向けの商品開発を行っていきたい」(中島部長代理)とした。

ZOZOはインクルーシブウェアの受注販売を展開

ZOZOは、服のお直しサービス「キヤスク」を手がけるコワードローブと連携し、生産支援プラットフォーム「Made byZOZO(メイドバイゾゾ)」を通じてファッションブランドが通販サイト「ゾゾタウン」上でインクルーシブウェアを受注販売できるサービス「キヤスク with ZOZO」を、8月から開始している。

在庫リスクゼロで多様な商品を提供

インクルーシブウェアは、障害の有無や体型の違い、性別などに関係なく誰もが便利に使える“インクルーシブデザイン”の考え方を取り入れた服だが、障害の種類や程度によって1人ひとり異なるファッションの悩みを抱えており、服を選ぶときは“着やすさ”を優先せざるを得ず、服の選択肢が限られる

そこで、「メイドバイゾゾ」と、障害や病気のある人に向けたオンラインお直しサービス「キヤスク」が協業して「キヤスク with ZOZO」を立ち上げた。

「メイドバイゾゾ」は「ゾゾタウン」での受注後に最低1枚から生産し、最短10日で発送できるのが特徴。デジタルでサプライチェーンを一気通貫し、異なるデザインの商品を同時に生産することも可能で、ファッションブランドは在庫リスクゼロで多様な商品を提供できるのが利点だ。

最大56サイズに対応

従来、ファッションブランドは障がい者1人ひとりのニーズに応えるにはサイズや仕様などさまざまな種類の在庫を持つ必要があったが、「キヤスク with ZOZO」を活用し、あらかじめ複数のインクルーシブウェアのデザインを用意することで、在庫を持たずに販売できる。

ゾゾは顧客が「ゾゾタウン」上で身長と体重を選択するだけで豊富なサイズ展開の中から体型に合ったサイズのアイテムを購入できる「マルチサイズ」対応商品を展開。最大56サイズに対応できるため、障がい者など1人ひとりが着やすいサイズの商品を提供することができる。

今回の協業について、コワードローブの前田哲平社長は「ゾゾの仕組みを活用し、既製品として服を提供することで、より多くの人にとって服の選択肢が広がる」期待を寄せる。

当事者だけでなく、介護者の意見も反映

ゾゾも、インクルーシブウェアはニッチ市場ではあるものの競合が少なく、海外も含めてビジネスチャンスがあると見ている。

新サービスで提供するアイテムは、「キヤスク」の知見を活かし、障がい者を含めたすべての人が着やすいデザインが特徴で、第1弾として車椅子ユーザーの悩みに応えるチェアーパンツを開発し、「ゾゾタウン」で販売している。

車椅子ユーザー向けに販売しているチェアーパンツ
車椅子ユーザー向けに販売しているチェアーパンツ

当該商品は、足に障害があっても着脱しやすくするために、腰から裾と、腰から膝まで開閉できるファスナーをパンツの両脇に取り付けたほか、指がかけられるファスナーや、取り外しできる肩掛けベルトなど、さまざまな機能を盛り込んでいる。

また、体重によって圧迫される部分の皮膚が傷つくのを防ぐために、臀部には縫い目を作らない設計だ。

介助者の意見もヒアリング

商品化に当たっては、特別支援学校に協力してもらい、困りごとなどのヒアリングをして作ったサンプルを試してもらった。その際、当事者だけでなく介助者の意見も聞くなど、細かい部分まで検証しながら仕様を決めたという。

オイシックス・ラ・大地は「外食」の代わりになるハレの日を演出

オイシックス・ラ・大地は10月31日、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の取り組みの一環で、ミールキットを発売した。さまざまな形の家族やカップルでもハレの日の食事を楽しめるように支援する。商品企画は社内プロジェクトの一環で発足したDE&I委員会が行った。

発売したのはミールキット「KitOisix寺井幸也監修!幸せ溢れるカラフルいなり」(2~3人前税込2015円)。ビーツやクレソン、茄子の黒酢炒め、かぼちゃのカレーマヨ、さばほぐしを使用した4種のいなりずしを調理できる。

いなりずしや丼ぶりのレシピなど「ハレの日」の食事を演出
いなりずしや丼ぶりのレシピなど「ハレの日」の食事を演出

いなりずしよりも簡単に調理できる丼ぶりのレシピを同封。調理工程を簡易化することで、細かな料理が難しい人なども楽しめるようにした。

外食を楽しめない人に着目した商品開発

DE&I委員会による取り組み「#みんなにうれしいプロジェクト」で企画した第1弾商品。「いろいろな声を聞くなかで、さまざまな理由で外食を楽しめないという問題があることに着目した」(同社)という。必要な材料やレシピがセットになったミールキットの強みを生かすことで、さまざまな形の家族やカップルのハレの日の食事をサポートできると考えた。

いなりずしは監修した寺井幸也氏が展開するケータリング事業「YUKIYAMESHI」で人気メニューとなっている。見た目の華やかさに加え、味や野菜の食感、香りも楽しめることから、ハレの日のメニューにも最適と判断した。

なお、寺井氏はこれまでにオイシックス・ラ・大地で発売したLGBTQ+を応援するミールキットの監修も手掛けた。DE&Iへの共感や賛同を得て、今回のコラボにつながったという。

第2段は商品だけでなくサービスの提供も検討

今後、プロジェクトの第2弾も視野に入れる。牛乳が飲めない乳糖不対症の人でも飲めるA2ミルクの普及やヨーグルト、生クリームの展開についても計画する。商品だけでなくサービスまで包括的に検討していく。

DE&I委員会で「LGBTQ+部会」「障がい者部会」を展開。メンバーは社会貢献プロジェクトに参画

DE&I委員会は2023年に発足し、社員研修や規定改定の取り組みを推進してきた。発足時から社内に向け取り組みだけでなく、商品やサービスを通じて社内外に広げることを視野に入れる。

委員会はキャリア支援制度の1つ「ダブルミッション制度」を活用して運営。業務時間の20%を上限に、部署に所属しながら社会貢献プロジェクトに参画してスキルアップができる仕組み。

メンバーは21人(11月12日現在)。委員会の傘下に部会「LGBTQ+部会」と「障がい者部会」を設けて活動する。委員会は7人で構成し、隔週1時間のミーティングを行って、各部会の進捗報告やKPI達成のための施策について議論する。部会は手を挙げたメンバーが参加する。それぞれ毎週ミーティングを実施し、主催イベントやKPIの進捗を報告する。「組織に部会を設ける委員会はDE&Iのみ」(同社)とした。

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通販新聞

佐川急便の年末年始の配送対応について【2024年~2025年】

1 year ago

佐川急便は、年末年始期間中の集荷・配達業務の対応を公表した。

年末年始期間中は交通渋滞が予想されるため、「日時に余裕をもった発送をお願いいたします」としている。

12月1日(日)~2025年1月5日(日)の期間、電話やインターネットで受け付けている集荷依頼は、前日までに連絡するように要請。12月28日(土)~2025年1月5日(日)の期間に配達を希望する場合、「指定日配達シール」を貼付するか、送り状に配達指定日を明記するよう呼び掛けている。

佐川急便は、年末年始期間中の集荷・配達業務の対応を公表
「指定日配達シール」の貼付について

時間帯指定サービスは通常通り利用可能。また、2024年1月1日(水)に受け付けた荷物は1月3日(金)以降に対応する。

「飛脚ジャストタイム便」は12月14日(土)~2025年1月5日(日)まで、「飛脚国際宅配便」は12月25日(水)~2025年1月5日(日)までサービスの引き受けを中止。

「飛脚メール便」「飛脚ゆうメール便」「飛脚電報便」は12月28日(土)~2025年1月5日(日)まで、サービスの引き受けを停止する。

瀧川 正実

「置き配」の利用率は約8割、4人に1人が在宅時に利用。利用理由は「再配達が申し訳ない」がトップ

1 year ago

ヤマト運輸は11月28日、宅配便の荷物を玄関前や宅配ボックスなど非対面で届ける宅配サービス「置き配」の利用状況・利便性に関するアンケート調査の結果を発表した。

ヤマト運輸に限らず「置き配」の利用経験を聞いたところ、78.5%が「利用したことがある」と回答した。

北海道、東北、関東といった地域別で見てみると、「置き配」の利用経験者率が最も高かったのは北信越の81.4%。北海道が80.8%、関東が80.7%で続いた。利用経験者率が少ないのは中部の75.5%、東北の75.7%、九州・沖縄の76.6%だった。

ヤマト運輸は11月28日、宅配便の荷物を玄関前や宅配ボックスなど非対面で届ける宅配サービス「置き配」の利用状況・利便性に関するアンケート調査の結果を発表 地域別の「置き配」の利用経験者率
地域別の「置き配」利用経験者率

在宅時と外出時の「置き配」利用経験について、外出時は75.2%、在宅時は24.8%だった。在宅時でも受取人の都合によって「置き配」を利用していることがわかった。

「置き配」を利用する理由については、「ドライバーに何度も来てもらうのは申し訳ない」が89.5%で最多。「家にいなくても荷物を受け取りたい」が79.7%、「荷物が届くまで待たなくていい」が53.0%、「再配達の依頼が面倒」が51.3%で続いた。

ヤマト運輸は11月28日、宅配便の荷物を玄関前や宅配ボックスなど非対面で届ける宅配サービス「置き配」の利用状況・利便性に関するアンケート調査の結果を発表 「置き配」を利用する理由
「置き配」を利用する理由

一方、「置き配」を利用しない理由を聞いたところ、「盗難リスクが心配」が54.4%、「雨で濡れるのが不安」が33.7%、「宅配ボックスが付いているから」が18.7%、「利用方法がよく分からない」が17.6%だった。

ヤマト運輸は11月28日、宅配便の荷物を玄関前や宅配ボックスなど非対面で届ける宅配サービス「置き配」の利用状況・利便性に関するアンケート調査の結果を発表 「置き配」を利用しない理由
「置き配」を利用しない理由

最も利用する受け取り方法は「対面配達」で48.4%、「置き配」で33.8%、「宅配ボックス」が9.7%。

ヤマト運輸は11月28日、宅配便の荷物を玄関前や宅配ボックスなど非対面で届ける宅配サービス「置き配」の利用状況・利便性に関するアンケート調査の結果を発表
最も利用する受け取り方法

宅配ボックス設置状況については、「設置なし(戸建て)」が50.6%、「設置なし(集合住宅)」が29.0%。全体の79.6%は宅配ボックスが設置されていなかった。

ヤマト運輸は11月28日、宅配便の荷物を玄関前や宅配ボックスなど非対面で届ける宅配サービス「置き配」の利用状況・利便性に関するアンケート調査の結果を発表
宅配ボックス設置状況

調査概要

  • 調査期間:2024年10月28日~11月11日
  • 調査対象:公式LINEアカウントユーザー
  • 対象年齢:10歳代以下、20歳代、30歳代、40歳代、50歳代、60歳代、70歳代、80歳代以上
  • 調査地域:全国(北海道99人、東北107人、関東635人、北信越102人、中部163人、関西320人、中国・四国154人、九州・沖縄218人)
  • 調査方法:インターネット(アンケートフォームへの回答)
  • 回答者数:1798人
松原 沙甫

イーザッカマニア ストアーズに学ぶ「ブランド作り」+ECメディア3社が語る“2025年のEC業界”【EBSの情報交換会1/11開催】

1 year ago

一般社団法人イーコマース事業協会(EBS)は1月11日(土)、「第214回定例会および情報交換会」を実施する。非会員でも申込み可能。定例会では、イーザッカマニア ストアーズの浅野かおり氏(取締役副社長)、日本流通産業新聞社の手塚康輔氏、MIKATAの吉見紳太朗氏、インプレスの瀧川正実が登壇するセミナーを実施する。

▼「第214回定例会・情報交換会

第一部 イーザッカマニア ストアーズ「ブランドは誰がつくるのか」

第一部ではイーザッカマニア ストアーズの取締役副社長 浅野かおり氏が登壇。「ブランドは誰がつくるのか」と題して13時55分から開催する。独自のブランドを築き上げてきたイーザッカマニアの歩みを通して、「ブランドとは何か」そして「誰が作り上げていくのか」について語る。

イーザッカマニア ストアーズ 取締役副社長 浅野かおり氏
イーザッカマニア ストアーズ 取締役副社長 浅野かおり氏

第二部 本誌編集長らイーコマースメディア3社が2025年のEコマースについて語る

第二部は「2025年どうなる? メディアが語るイーコマースの未来」と題して15時55分から開催。講師は日本流通産業新聞社(日本ネット経済新聞)の手塚康輔氏、MIKATA(ECのミカタ)の吉見紳太朗氏、本誌編集長の瀧川正実で、モデレーターはフューチャーショップの稲生達哉氏。025年のEC業界について3社がトークセッション形式で語り合う。

日本流通産業新聞社(日本ネット経済新聞) 手塚康輔氏
日本流通産業新聞社(日本ネット経済新聞) 手塚康輔氏
MIKATA(ECのミカタ) 吉見紳太朗氏
MIKATA(ECのミカタ) 吉見紳太朗氏
インプレス(ネットショップ担当者フォーラム) 瀧川正実
インプレス(ネットショップ担当者フォーラム) 瀧川正実
フューチャーショップ 稲生達哉氏
フューチャーショップ 稲生達哉氏

イーコマース事業協会「第214回定例会・情報交換会」について

  • 日時:1月11日(土)13:50~20:15
  • 会場
    • 定例会:新大阪丸ビル別館4-1号室(大阪府大阪市東淀川区東中島1丁目18-22)
    • 情報交換会:ホテル新大阪(大阪府大阪市東淀川区東中島1丁目20-33)
  • 参加費
    • 定例会:協会会員は無料、非会員は1万円(税込)
    • 情報交換会:5500円(税込)(定例会、情報交換会共に事前申し込み必要)
  • 主催:一般社団法人イーコマース事業協会
  • 詳細と申し込みhttps://www.ebs-net.or.jp/regular_meeting/latest_info/
藤田遥

AIの誤情報量産サイトの閉鎖、Google「コアアップデート」がリリースされるなか、「ヘルプフルコンテンツ」は報われるのか?【ネッ担まとめ】 | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

1 year ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2024年10月25日~11月29日のニュース

日本時間2024年11月12日の早朝、Googleは2024年3回目となるコアアップデート「November 2024 Core Update」のリリースを発表。以前ほどお祭り騒ぎではなくなってきた印象もありますが、それでも「検索順位が上がった・下がった」というポストを目にするのは恒例行事のような気もします。コアアップデートの数日前、X(旧Twitter)のとある投稿が拡散され、瞬く間に騒ぎとなりました。今回はSEOに従事する人は押さえておきたい話題を中心に取り上げます。

生成AIが誤情報を量産。思い出される「WELQ騒動」

生成AI、実在しない観光名所紹介 福岡市後援の官民連携サイト | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20241116/k00/00m/040/248000c

生成AIで誤情報作成の福岡観光サイト閉鎖へ 実在しない名所紹介 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20241128/k00/00m/040/197000c

実在しない観光名所やご当地グルメが紹介された。記事は生成人工知能(AI)で作成していた

(中略)

問題となったのは「官民連携」のキャンペーンをうたうサイト「福岡つながり応援」。

サイトは福岡県の魅力を発信する目的で2024年11月1日に開設されましたが、上記の問題が拡散されると炎上状態に。後援していた福岡県福岡市と飯塚市は事態を重く受けとめて後援を取り消し、サイトはわずか1か月で閉鎖されました。

AIで作成された記事では、「うみなかハピネスワールド」という福岡市に実在しない架空の施設を紹介。福岡県古賀市でも、存在しない公園、海岸、観光客に人気だという架空のメニューなどを生成、紹介していました。

SNS上には2016年の「WELQ騒動」を思い出す人もいたようです。騒動以降にWeb・EC業界に入って、「知らない」という人もいるかもしれないので、当時の記事を参照しておきます。

WELQ騒動、通販・ECビジネスから見た問題点と注意点 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/3772

医療や健康に関連する検索結果の改善について | Google 検索セントラルブログ
https://developers.google.com/search/blog/2017/12/for-more-reliable-health-search?hl=ja

「WELQ騒動」は、Googleの検索品質評価ガイドラインに明記されている、お金や生活に関連するジャンルで重要視される概念「YMYL」(Your Money or Your Life)を広く知らしめるきっかけになりました。

2017年には、Googleのブログでも「日本語検索におけるページの評価方法をアップデート」したことについて触れています。

ちなみに筆者が使用している「ChatGPT-4o」では、「『うみなかハピネスワールド』はどこにある?」という問いに対し、「『うみなかハピネスワールド』は、福岡市東区にある『国営海の中道海浜公園』内の『ワンダーワールド』というエリア」と回答、ハルシネーションが発生しました。

今回の件を通じて、人々の財産や健康に影響を与えかねないジャンルにおける信頼性や有益性を担保する大切さ、生成AIの記事に人的チェックを設けずに公開する危うさを再認識しました。

そんな騒動のさなかにコアアップデートがリリースされたことで、検索結果や順位変動が気になっている人も多いのではないでしょうか。

Googleは独立系・小規模サイトの評価改善が完全ではないことを認め、改善に取り組み続けているとしています。そのなかでも、サイト運営者には「諦めずにユーザーに役立つ高品質なコンテンツ(ヘルプフルコンテンツ)を提供し続けてほしい」と呼びかけていますので、誤情報を含む危うい大量生産のような手法ではなく、ヘルプフルコンテンツをコツコツと積み重ねることが報われると信じていきましょう。

要チェック記事

米司法省がGoogleに「Chrome」売却要求……SEOはこれから「崩壊」するのか? | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2411/27/news051.html

こちらも見出しに「SEO崩壊」と書かれた記事です。本記事では「SEOの形は変化しても、その本質的な重要性は変わりません。企業は引き続きSEO対策に投資し、変化する検索環境に適応していく必要があります」としながらも、「Chrome」がGoogleの手を離れるかどうかが検索に影響がないとは言い切れないので、注視していきたい話題ですね。

「本日、2024年11月のコア アップデートをリリースしました。」 | Google Search Central(公式Xアカウント)
https://x.com/googlesearchc/status/1856072700751687910

リリースのアナウンスでは「完了するまでに最大2週間かかる場合があります」と書かれていましたが、11月29日時点で完了のアナウンスはありません。Xのリンクにある「Google検索セントラル」の記事にあるコアアップデートの仕組みも熟読し、落ち着いて対処してください。

2024年11月のGoogleコアアップデート 初動~中間の所感 | ユウキノイン
https://yuhkinoine.com/blog/20241117coreupdate/

当社のブログで恐縮ですが、今回のコアアップデートの所感をまとめています。みなさんのSEOの参考になれば幸いです。

「75%強が表示速度の重要性を認識」「顧客体験の向上が最多理由」【Reproが「Webサイトの表示速度改善」を調査】 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/12994

「グッドクリック」「ロングクリック」という言葉を見聞きすることも増えたせいでしょうか。SEOに関係することよりも、顧客体験の向上に重きを置いて取り組んでいる人が多いことが、個人的には好印象でした。

【2024年版】デジタル広告頭打ち!今こそ本気のSEO対策 事業会社マーケターが考えるSEO対策 | AdverTimes.
https://www.advertimes.com/20241105/article479264/

どちらも大事。どちらもフラットに見て、自社に合った方法、やるべき優先度を決めるために参考になりそうです。

元カレの名前をネットで検索したことある?男女別でみる「元恋人の名前を検索した理由」が興味深い… | Pouch
https://youpouch.com/2024/11/24/1233908/

難しい話題が多かったので箸休め的にピックアップ。これも1つのSEO!? 男女でもっと差があるかなと思っていたのですが、おもしろい結果でした。

今、みなさんにお伝えしたいこと

「無駄」って言うな「ないことがわかった」と言え | 運営堂
https://www.uneidou.com/21509.php

やめたらそこまでの努力が「無駄」になります。やめなければそこまでの努力が「経験」になります。

「努力は報われる」と「報われない努力もある」はいつも背中合わせという感じもしますが、継続していくことが、経験の積み上げになっていくことは間違いないですよね。

1労働者あたりの平均年間休日は115.3日というデータがあります。250日働いているとすると、1日を0.9でやるか1.1でやるかの差は年間で50になる。単純な差ですが、それを意識できているかどうかでも違うかもしれません。

諦めない、手を抜かない少しの努力を積み重ねていく差が、どれほど大切なことなのかを今一度、胸に刻んでいきたいと思った記事でした。生成AIを使うにしても手を抜かないこと、ユーザーのためのヘルプフルを心がけることはやがて報われるはずと信じていきたいですね。

それではまた次回! 酒匂(さこっち)の「ネッ担ニュースまとめ」をよろしくお願いいたします。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

酒匂 雄二

Amazonが年末年始のセールページ「ホリデーストア・年末年始特集」をオープン

1 year ago

アマゾンジャパンは、特定の季節に販売するさまざまなシーズナル商品を期間限定で紹介する「ホリデーストア」内に、年末年始の買い物シーズンに向けた「年末年始特集」をオープンした。

年末に向けて「ホリデーストア」では、「クリスマス特集」(実施期間は12月26日23時59分まで)と、「年末年始特集」(同2025年1月3日23時59分まで)の2つの特集を展開。年末年始に必要なさまざまな商品を紹介していく。

「年末年始特集」では、「お歳暮」「大掃除」「福袋」「おせち料理」「お正月飾り」といった年末年始に欠かせない5つのカテゴリー商品を幅広くラインアップ。消費者は豊富な品ぞろえのなかから目的やシーン別に商品を検索し、必要な商品を素早く簡単に見つけることができるようにする。

アマゾンジャパンは2025年の年始に、恒例の「Amazon 初売り」の実施も予定。「Amazon 初売り」の詳細は後日、改めて公表するという。

松原 沙甫

東北エリアの食品スーパーマーケット「ヤマザワ」が「楽天全国スーパー」へ出店

1 year ago

楽天グループ(楽天)は12月2日、山形県や宮城県を中心にスーパーマーケットを展開するヤマザワと、ネットスーパーのプラットフォーム「楽天全国スーパー」への出店契約を締結したと発表した。

ヤマザワが運営する食品スーパーマーケット「ヤマザワ」が「楽天全国スーパー」に出店し、「ヤマザワネットショップ」を立ち上げる。催事商品の予約受付を2025年1月から開始する予定。

消費者は、サイト上で商品の予約注文と決済ができ、選択した店舗を指定の日時に訪れると予約した商品をスムーズに受け取ることができるようになる。インターネット上で催事商品の予約受付を行い、地域の顧客にさらに利便性の高いサービスの提供をめざす。

ヤマザワは1952年の創業。山形県、宮城県、秋田県を中心にスーパーマーケットを70店舗(2024年12月時点)展開している。近年は顧客ニーズの変化に対応し、データマーケティングや販促施策を強化するため、2024年3月から楽天ペイメントの共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」やIC型電子マネー「楽天Edy」を、スーパーマーケット「ヤマザワ」の全店舗に導入している。

「楽天全国スーパー」は、全国のスーパーマーケット事業者向けに受注管理やオンライン上の決済などの機能を提供するプラットフォーム。集客・販促活動や、配送に伴うオペレーション構築など、事業者のネットスーパー事業および予約商品受付サイトの立ち上げ運営を一気通貫で支援している。

松原 沙甫

楽天グループのネットスーパー事業拡大の取り組みとは? 経済圏の活用、地域の特産品やふるさと納税で品ぞろえ強化 | 通販新聞ダイジェスト

1 year ago
ネットスーパーの活用が消費者に定着しつつあり、各社の動きも活発化してきた。西友との合弁関係を解消し、独自展開を開始した楽天グループ。自社経済圏との連動でネットスーパー事業の拡大をめざす

ネットスーパーを巡る各社の動きが活発化している。コロナ禍を機に日配品や食品など日々、消費するものをネット上で購入し始めた人は少なくなく、ネットスーパーサービスの新規客が増え、一部はそのまま定着化している。こうした機を逃すまいと仮想モール運営事業者、GMSなどさまざまな事業者が日用品の即配サービスを含むネットスーパー事業に注力しているが、競争は激化しており、各社がしのぎを削っている状況だ。主なプレイヤーの動きとは――。

 楽天グループは西友との合弁関係を解消し、単独運営へ

ネットスーパー事業拡大に注力

楽天グループは、西友との合弁会社として、2018年4月よりネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」を運営してきたが、2023年12月20日に合弁関係を解消。楽天が倉庫型ネットスーパー事業の単独運営を、西友は実店舗を起点とする店舗出荷型ネットスーパー事業を単独運営する形態へ移行することを発表した。

2024年8月8日には、子会社「楽天西友ネットスーパー」の社名を「楽天マート」に変更。これに伴い、9月24日にネットスーパー事業のサービス名も「楽天マート」へと変えた。

改称後も、生鮮食品、乳製品、冷凍・冷蔵食品などの食品を中心に、日常生活に必要な商品を、最短で注文を受けた当日中にネットスーパー専用倉庫から配送する。

通販新聞 ネットスーパー 楽天マート 楽天グループ
楽天グループが運営するネットスーパー「楽天マート」

コロナ禍で出荷が伸びるも、事業拡大への考え方に相違が生まれる

サービス分離直前の「楽天西友ネットスーパー」における、店舗出荷と倉庫出荷の売り上げ比率はほぼ半々。コロナ禍においては倉庫出荷が大きく伸びていた。

楽天マートの盧誠錫社長は「西友は実店舗のスーパーマーケットがベースであり、楽天はEコマースがベースということで、よりネットスーパー事業を大きくしていく上で、方向性の違いが生まれた」と明かす。西友は実店舗との連動を重視する一方、楽天は楽天経済圏と連動する形でネットスーパーを拡大していく方針だ。

グループの強みを生かし、楽天経済圏と連動

少ない拠点でも商圏をカバー

盧社長は、倉庫型ネットスーパーの強みについて「店舗型ネットスーパーは『その店舗で売っているものがネットでも買える』という利便性がメリット。一方で倉庫型なら、倉庫にある商品をすべて売ることができる」と話す。

現在楽天マートでは、港北(神奈川県横浜市)、松戸(千葉県松戸市)、茨木(大阪府茨木市)にある倉庫を拠点として、首都圏、関西圏の約1200万世帯を対象にサービスを展開しているが「この規模の商圏をカバーしようとすると、数百店舗を構えなければならないが、倉庫型なら3拠点でまかなえる」(盧社長)。

地域の特産品、ふるさと納税の商材など品ぞろえを強化

たとえば新商品を扱う場合、たくさんの実店舗の棚に商品を置くには相当な労力がかかり、仕入れロットも大きくなる。一方、倉庫型なら拠点に在庫を配置し商品ページを作成するだけだ。そのため「売れるかどうかわからない」というアイテムでも、小ロットで仕入れて売れ行きを見ることができる

そのため、倉庫型は「楽天市場」や「楽天ふるさと納税」などのグループサービスで扱う商材との相性が良いわけだ。グルメや地域の特産品といった楽天ならではの商品開発や品揃え強化にも取り組む予定で、具体的には「楽天ふるさと納税」に参画する自治体と連携し、各自治体で取り扱う返礼品提供事業者の商品を販売していく

楽天と西友の協業が終わる来年以降から、徐々に品ぞろえが変わっていくという。まずは楽天と結びつきの強い店舗・自治体や、ECコンサルタントから推薦のあった商材から取り扱う。

盧社長は「普通のスーパーでは売っていないような商材を、楽天のネットワークを通じて小ロットからでも仕入れ、ネットスーパーという業態で関東・関西の顧客に販売できるのは大きな強みだ」と強調する。品ぞろえの強化を進めるとともに、グループサービスと連携することで、倉庫型ネットスーパーの強みを生かす狙いだ。

利用ユーザー獲得のカギは「楽天ポイント」付与

品ぞろえ拡充と価格面の優位性が大事

一方、これまでは「楽天西友ネットスーパー」だったこともあり、西友の「EDLP(エブリデイ・ロー・プライス)」に引かれてサービスを利用していたユーザーが多いことも事実。

盧社長も「『楽天』というブランドで、食品スーパーを思い浮かべるユーザーは現時点ではいない。『西友』はスーパーのブランドとして確立されているので、そこがなくなるのは大きなチャレンジだ」と認める。

一方で、「楽天市場」や「楽天ふるさと納税」などのグループサービスにおいて「食品」は欠かせない商材であり、ユーザーの認知度も高い。盧社長は「『お取り寄せグルメ』や『ふるさと納税』というイメージしかなかったものを、『デイリーユースの食品スーパーとしての楽天』というイメージに徐々に変えていなかればならない。そのために大事なのはやはり品ぞろえだ」と決意を語る。

ネットスーパーは日常的に利用するユーザーが多いだけに、「顧客接点の増加」という点では、楽天経済圏においても重要なピースとなる。西友との合弁を解消することで顧客離れを招かないためにも、品ぞろえとともに、食品など日用品の価格面での優位性も大事になってくる。楽天経済圏ユーザーに利用してもらうためにも、「楽天ポイント」の付与が大きなカギになりそうだ。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

東証グロース市場に新規上場するビジュアルマーケティング支援のvisumoとは

1 year ago

ビジュアルマーケティングプラットフォーム「visumo」を提供するvisumo(ビジュモ)は12月26日、東証グロース市場に株式を新規上場する。東京証券取引所が11月22日、新規上場を承認した。

visumoは社ソフトクリエイトホールディングスの子会社で、設立は2019年。ECサイト構築プラットフォームを提供するecbeingのビジュアルマーケティングプラットフォーム事業を会社分割により承継した。

「visumo」はビジュアルデータを一元管理できるSaaS型のビジュアルマーケティングプラットフォーム。Instagram連携UGC活用機能、ビジュアルコンテンツのAIレコメンド機能、動画接客機能、スタッフ投稿機能、SNSライクなユーザー体験を提供できる各種テンプレートなど、ビジュアルでサイトのCVR・回遊率・滞在時間等を向上させるための機能を実装している。

ビジュアルマーケティングプラットフォーム「visumo」を提供するvisumo(ビジュモ)は12月26日、東証グロース市場に株式を新規上場する
「visumo」のサービスについて(画像は有価証券報告書から編集部がキャプチャ)

2024年9月末時点での「visumo」の累計導入社数は800社超、アクティブ社数は649社。そのうち「アパレル」の導入が最多で31.6%を占めており、次に「食品・健康食品」が15.3%、「家具・インテリア」が14.2%と続いている。アクティブ社数のうち57.5%が、売上高30億円以上の企業となっている。

ビジュアルマーケティングプラットフォーム「visumo」を提供するvisumo(ビジュモ)は12月26日、東証グロース市場に株式を新規上場する
アクティブ社数の業界内訳(画像は有価証券報告書から編集部がキャプチャ)

2024年3月期の業績は、売上高が前期比30.0%増の6億7886万円、営業利益は同37.2%増の1865万円、経常利益は同54.5%増の1985万円、当期純利益は同28.8%増となる1233万円だった。

visumoの従業員数は2024年10月31日現在で35人。そのうち派遣社員やパートタイマーなどの臨時雇用者数は8人。平均年齢は31.9歳で、平均勤続年数は1年9か月。平均年間給与は549万9971円。

なお、新規上場によって調達する資金は、サービス品質や性能を向上するためのエンジニア職、販促や提案力などを向上させるためのビジネス職の採用費、増加人件費に充当する予定。

松原 沙甫

カスハラ対策、どうする? カスタマーハラスメント対策を強化するすからいーくの取り組みとは?

1 year ago

すかいらーくホールディングスは11月27日、カスタマーハラスメントに対する方針を策定したと発表した。

厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に準じて、カスタマーハラスメントを定義。消費者からの要求・言動のうち、「要求の内容に妥当性を欠くもの」「要求の内容が妥当であっても当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なもので、従業員の就業環境が害されるもの」とした。

具体的には、

  • 顧客による身体的・精神的な暴言・暴力や威圧的な言動
  • 顧客による過剰・不当・不合理な要求
  • 顧客による合理的範囲を超える時間的・場所的拘束
  • 顧客によるその他ハラスメント行為
  • SNS やインターネット上での誹謗中傷 

などと定義している。

カスタマーハラスメントと疑われる行為があった場合、社内対応は①カスタマーハラスメントに関する知識および対処方法の研修を定期的に実施②カスタマーハラスメントに関する相談窓口を設置することで安心して相談できる体制を整備し、従業員が被害に遭った場合は心身のケアを行う③より適切な対応のため、必要に応じて警察や弁護士など外部専門家と連携する――とした。

社外対応は、①合理的な解決に向けて話し合いを行うが、個人の対応とせず、組織的に対応する②カスタマーハラスメントが行われた場合や、対話による合理的な解決が困難な場合、対応を中止する。また、来店を断る場合がある③警察・弁護士等のしかるべき機関に相談の上、厳正に対処する。その他、民事訴訟や刑事告訴等各種法的措置を執ることがある――としている。

2019年6月の労働施策総合推進法改正で、パワハラに関して従業員の相談に対応する仕組みを企業内で整えるよう義務付けられた。その改正を踏まえ2020年1月、厚生労働省は「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」を策定。カスタマーハラスメントに関して、事業主は従業員からの相談に応じ、それに対応するための体制の整備、被害者への配慮の取り組みを行うことが望ましい旨、被害防止の取り組みを行うことが有効である旨を定めた。

松原 沙甫

データ活用でLTV120%向上した事例も。事例で学ぶデータ活用によるDtoC売上向上戦略

1 year ago
データの取得から活用までノーコードで行えるSaaS型データマーケティングソリューション「b→dash(ビーダッシュ)」を提供するデータXがDtoC事業の成功事例を解説
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近年、急成長を続けるDtoC市場。「DtoCでどのように売り上げを伸ばせるのか」「どんな施策を打ったら良いのか」といった疑問や悩みについて、「b→dash」を提供するデータXの江波戸水紀氏が解説した。

データX Marketing Unit Manager 江波戸水紀氏

DtoCは事業者と顧客双方にとって魅力的なビジネスモデル

DtoCの市場規模は右肩上がりに成長している。売れるネット広告社が実施した調査によると、2025年に国内DtoCの市場規模は3兆円を超えると予測する。拡大の理由は、事業者と顧客の双方にとって非常に魅力的なビジネスモデルだからだという。

従来型の小売業とDtoCモデルの違い

メーカー系小売企業にとって、DtoCのメリットは、売り上げの最大化、中間マージンの削減などがあげられる。一般的なメーカー系企業であれば、卸売業者や小売業者へ商品を卸すため、卸売価格での販売となる。DtoCであれば、直接消費者に販売できるため、いわゆる中間マージンを削減し、売り上げを最大化できる

また、ECモールや実店舗で販売する場合、出店費用やアローワンスなどのコストがかかるが、DtoCモデルは自社でECを立ち上げれば、消費者に直接販売するため中間マージンなどは発生しない。コストを削減できる分、販売価格を下げることも可能だ。その結果、顧客は最適な価格で商品を購入できるようになる

データ活用によって顧客のニーズに沿ったアプローチが可能

さらに、データを活用したマーケティングができることが、DtoCモデルの大きな魅力の1つだ。卸売やモール出店では細かな顧客データは取得できないが、DtoCの場合、消費者が直接DtoCサイトに登録するので、自社で顧客データベースを持つことができる。従来であれば間接的な広告施策しかできなかったが、DtoCモデルではデータを生かしたダイレクトなマーケティング施策を行える

つまり、事業者側は手数料を削減しコストを最小限に抑えながら、データを活用したマーケティング施策ができるようになる。消費者側は、適切な購買価格でニーズに適したアプローチを受けることができるのだ。

データ活用によって購買頻度を上げ、売上増が期待できるDtoCモデルは、事業者、顧客双方にとって非常に魅力的。だからこそ、多くの企業が取り組み始め、市場規模が拡大している。(江波戸氏)

データX Marketing Unit Manager 江波戸水紀氏
データX Marketing Unit Manager 江波戸水紀氏

菓子販売企業の事例から見るデータ活用

DtoC事業を成長させるためにはどのような施策が必要なのだろうか。江波戸氏が所属するデータXでは、データの取得から活用までをノーコードで行えるSaaS型データマーケティングソリューション「b→dash」を10年以上展開している。

顧客情報や購買データに基づいたメールマーケティングやLINEマーケティングのほか、サイト上でポップを出し分けるといったWeb接客の管理もでき、累計1000社以上が導入している。そのうち3割~4割がアパレルや化粧品、食品系などのDtoCをはじめとした小売企業だという。

ここからは、「b→dash」を活用して売り上げアップ、顧客満足度向上を達成した実際の成功事例を紹介する。

A社のカスタマージャーニー
「b→dash」を導入したA社の事業概要

自社製造の菓子などをDtoCモデルで販売しているA社では、EC売上アップをめざしてデータを最大限に生かしたマーケティングを行った。その結果、LTVを120%向上させることに成功した。A社が実施した手順を、以下のステップ1からステップ5で解説する。

ステップ1:カスタマージャーニーの設計

A社がまず行ったのがカスタマージャーニーの設計だ。まず顧客の行動パターンを整理した。

A社のカスタマージャーニー

上図の訪問、会員登録、商品閲覧、カート投入、購買というステップにおいて、次第に小さくなる三角形は顧客の数を表している。購買に近づくほど少なくなるが、購買してから他の人に商品を推奨したり、リピート購入やクロスセルしたりすることによって、三角形が再度広がっていく。このように、売り上げが伸びていく理想的な全体像をまず可視化した。

ステップ2:施策を考える

顧客の一連の動きを可視化し、最初の施策を打った。たとえば、サイトに訪問したものの会員登録のみでまだ一度も買っていない消費者に対しては、ランキングメールを送付。これからサービスについて理解を深めてもらう顧客層に、まずは一番人気のある商品を案内した。

ほかにはバースデー施策。誕生日を迎える顧客に対して自動的にアプローチしていく。当月誕生日を迎える消費者に対して、まずバースデークーポンをメールで配信し、その後メールを開封したかどうか、クーポンが使われたかどうかを見ていった

単純に誕生日だからクーポンをプレゼントするのではなく、配布したクーポンを使ってもらい、しっかり成果を出すところまで並走することがポイント。(江波戸氏)

メールの開封状況やクーポンの使用状況も確認する

メール未開封の消費者にはもう一度同じクーポンを送付。開封したが購買に至ってない顧客には、クーポンの期限を伝えることで購買意欲を高めていった。バースデー施策は年に1回しかないチャンスなので、この機会に発行したクーポンを使ってもらい、成果につなげることが重要という。

ここまでしっかりシナリオを組めている企業は意外と多くない。カスタマージャーニーで1つひとつのステップを描くことが非常に重要だ。(江波戸氏)

ステップ3:レコメンド

次に、閲覧商品からのおすすめを訴求する閲覧レコメンドを実施した。

おすすめ情報で初回購入を促す

実際にWebのアクセスログデータを活用しながら、顧客がサイトで見た商品や関連した商品をメールに差し込んだ。

ステップ4:カゴ落ちリマインド

商品を閲覧してからまだ購入してない顧客に対しては、翌営業日以降にリマインドメールを配信。さらに、カートに入れたが購入していない顧客には、カゴ落ちのリマインドメールでアプローチしていく。

ステップ5:レビュー投稿・F2転換の促進

カゴ落ちの後、購入にまで至った消費者には、レビュー投稿や他の人に紹介してもらえるような施策や、2回目、3回目の購入を促進するような施策を実施した。

2回目購入のない顧客へのアプローチ例

たとえば、1回目の購入から3か月経っても2回目の購入がない消費者には、上の図のような形でアプローチ。この定義は企業によって異なるが、もう一度買ってもらうことでLTVを引き上げていく

また、メールを見ていないがLINE連携はしている消費者に対しては、LINEのメッセージだけを送ることで配信コストを下げつつ、顧客が最も見ているチャネルでしっかりアプローチしていく

メールが未開封にもかかわらずメールでアプローチしても意味がない。また、メールとLINEの両方から同じ内容でアプローチすると、しつこい印象を抱かれてしまう。データを使い分けて、アプローチしていくことが必須と言える。

カスタマージャーニーをしっかり描きながら、データを活用してお客さまに沿ったコミュニケーションを取る。それによりLTVを上げていくことができるのが、DtoCモデルの最大のメリット。(江波戸氏)

早期に成果を上げられる「オンボーディングプログラム」

DtoCモデルでは、各社の商材や単価に合わせたさまざまな施策を打つ必要があるが、そういった施策を実行しようとしても「なかなか良い施策を社内で思いつかない」「自分たちだけで準備できるのか」と悩むケースも多い。

そこで「b→dash」では、早期に成果創出を実現させる独自の「オンボーディングプログラム」を提供している。具体的には、顧客企業を業界、業態ごとに分け、データXの1000社以上の導入実績から、ベストプラクティス施策と分析を提供する。

オンボーディングプログラムで対応できる業種の一覧

たとえばECであれば、シナリオが40個、Web接客が22個、分析が22個のベストプラクティスがある。「この業界ではこの施策をやった方がいい」というノウハウを提示するとともに、施策に必要なデータも一緒に定義できる。

オンボーディングプログラムの施策の例

また、プログラミング言語のリテラシーが求められるケースも多いため、データの加工・統合やセグメントの作成といった作業はデータXで代行可能だ。

最初の施策を打つまではとにかくスピーディーにやる。代行作業の追加費用は不要で、月額の料金内で構築から分析まで一気通貫で請け負い、ただツールを導入するだけにならないようにサポートしている。(江波戸氏)

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大村 マリ

企業は「年収103万円の壁」に前向き? 約7割が賛成、 9割が「撤廃」含め「見直し」求める

1 year ago

帝国データバンクが実施した「年収103万円の壁」に関する企業アンケートによると、「賛成」は67.8%、「反対」は3.9%だった。

一方、「年収103万円の壁」自体を「撤廃すべき」は21.9%にのぼった。「賛成」「撤廃すべき」を合わせた89.9%の企業が「103万円の壁」について見直しを求めている。

「年収103万円の壁」に関する企業アンケートの結果
「年収103万円の壁」に関する企業アンケートの結果

企業からは「103万円の壁を意識するパートの方が多く、引き上げれば働き控えが解消される」(飲食店)「最低賃金の引き上げが加速するなか、制度の見直しは避けられない」(運輸・倉庫)「減税効果により消費活動が活発化する」(不動産)など、働き控えの解消に一定の効果を果たす、減税効果によって手取り収入が増えることに期待するといった声があがった。

引き上げには賛成ながらも、「社会保険料の106万円・130万円の壁もあるので、所得税のみの見直しでは働き控えはそれほど変わらない」(情報サービス)と、社会保険料も含めた制度見直しの必要性や、財源の確保に関する声もあった。

「撤廃すべき」と回答した企業からは「働いても税金を払うことが損になるとの世間の風潮を感じる。103万円の壁は制度が古く、撤廃し、働いたら金額にかかわらず応分の税を徴収する文化が最も公平」(情報サービス)と、複雑な現行の制度刷新や公平性を求める声もある。

「年収103万円の壁」に関する見解
「年収103万円の壁」に関する見解

調査概要

  • 調査期間:2024年11月8日~12日
  • 回答数:有効回答企業数は1691社(インターネット調査)
松原 沙甫

ECは「比較のビジネス」である。競合との「比較管理」で選ばれる理由、勝てるポイントを見つけよう | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

1 year ago
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関連するテーマを設定し、判断をするための考え方を解説します【連載11回目】

「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。

EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝える11回目の連載では、「ECにおける比較」をテーマに解説します。

ここをクリックで連載の目次を表示
強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

ECのマーケティングは「ヒト・モノ・カネ・情報といった自社のリソース」と「外部のマーケティングソリューション」を組み合わせて、「結果として売り上げと利益を最大限に伸ばす」ことが求められます。

つまり「EC事業の内製化」とは「業務の内製化」ではなく、「判断の内製化」なのです。ECの戦略・方針、日々のアクション・行動、そしてソリューションの選択が成果につながっているか、これだけは社内のネットショップ担当者でなければ判断ができません。

「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」では、ECマーケティング人財育成(ECMJ)が、こうした判断を行えるEC担当者育成に向けたポイントを解説します。

ECビジネスで常に意識するべき「比較」のお話

ネッタヌネッタヌ

石田さん、こんにちは! 前々回前回のインターネット広告活用の話、勉強になったぁ。単に広告を活用して、お客さまを集客するだけじゃないんですね。

石田

そうだね。ネットショップを運営していく上で、やはり大切なのは売り上げと利益を確保して、事業を継続していくことなんだ。そのために、あくまで「手段の1つ」としてネット広告を生かすことが大切なんだよね。

ネッタヌネッタヌ

ネット広告を運用することで、自社のECのビジネスモデル自体を見直すきっかけになるような内容でした。

石田

特に「逆算のマーケティング」を展開すると、「実際にお客さまに支持されている理由は何か?」を追求せざるを得ないからね。「自分たちが思っている自社」と「お客さまが期待している自社」とのギャップを知ることができるよね。

もちろん、お客さまの期待に寄せていくか、あくまで自社を貫くか、その判断はEC事業を運営するみなさん次第だね。

ネッタヌネッタヌ

それでそれで、今日は何の話をしてくれるの?

石田

今日はECビジネスで常に意識していなければいけない、「比較」の話をしようか。

「比較」に関する意識が習慣化していないEC事業者が多い

石田

ECビジネスとは「比較のビジネス」である。これ、言っている意味はわかるよね。

ネッタヌネッタヌ

もちろんわかります。「自分たちのネットショップは、常にどこかのネットショップと比較されている」ってことですよね。

石田

その通り。ごくごく一部の有名ブランド以外は、常に商品もネットショップもどこかのネットショップと比較されている。そしてインターネットという市場も「比較を助長する」動きをしている。だから、さらに「比較」は広がっていく。

ネッタヌネッタヌ

なるほど。確かに、お客さまがいろいろなショップや商品を比較することはもちろん、ショッピングモールの機能、比較サイト、レビューや評価などで、ECの市場自体が「比較することを助長している」傾向にありますね。

石田

ただ、多くのEC事業者さんがこの「比較」に対する意識が薄いのが現実なんだ。どうしても自社のECサイトや、自社の商品がどう見えるか・どう伝わるかということに関心が強くて、「比較」に対する意識が習慣化していない。

ネッタヌネッタヌ

不思議ですよね。自分たちがネットショッピングをするときは必死で比較してより良いものを探すのに、自分たちがネットショップを運営するときは自社ばかりを見てしまっているという……。

石田

私のような仕事をしていると、「うちのWebサイトどうですか?」「ECサイトの評価をしてもらえませんか」みたいな相談をもらうんだけれど、やっぱり「『ジャンルの競合のサイト』『業界の標準的なサイト』に比べてどうか?」というところがポイントになるんだよね。

だから、もしかしたら「うちのWebサイトどうですか?」と相談をくれる時点で、他のサイトと「比較する」という目線が欠けているのかもしれない。

ネッタヌネッタヌ

どうしてそうなっちゃうんですかね。

石田

1つは、ECを含むインターネットの「比較」のレベルは、それまでの「比較」の概念と数段違うから。もう1つは、EC事業者は自社のECサイトやページを中心に見ている時間が長い分、中立的な立ち位置での比較がしにくくなっているから、じゃないかな。

ネッタヌネッタヌ

たしかに自社のサイトやページはよく見るから、どうしても「買いやすい」と思ってしまいがちなところはありますよね。

まずは「『比較』を意識すること」なんでしょうけれど、実際はどうやって意識すれば良いんですか?

EC内製化 お客さまは常に中立的な立場で「比較」をしている
お客さまは常に中立的な立場で「比較」をしている

「比較管理」をすることで、お客さまに選ばれる理由や施策を見つける

石田

おすすめしたいのは「比較管理表」を作成することだね。このコラムで何度も出てくることだけれど、大切なのは「管理方法」をまず設定することなんだ。

ネッタヌネッタヌ

いきなり「比較しましょう」と言っても、1回きりで終わっちゃうのがオチですもんね。

石田

そうなんだよ。管理方法を決めて、チェックするタイミング(頻度・時間)と管理する担当者を決める。そして、その進捗状況と「ルーチンとして回っているか」を定例会議でチェックする、の流れだね。

ネッタヌネッタヌ

結局、そこが重要。

自社商品のセッション数TOP10と競合商品を比較するのがオススメ

石田

「比較管理表」の話に戻るけれど、まずは自社のTOP10の商品の比較を管理することから始めるのが良いと思う。TOP10については、売上高のTOP10なのか商品ページのセッション数TOP10なのか、どちらでも良い。自分だったらセッション数TOP10を選ぶかな。

ネッタヌネッタヌ

それは、なぁぜなぁぜ?

石田

セッション数が高いということは、自社のECサイトまでお客さまが来てくれているってことだからね。比較を管理できれば競合ショップよりも選んでもらえる可能性が高い。売上高だと、単純に商品単価が高いものや、1人のお客さまが爆買いした商品が含まれてしまうことがあるからね。セッション数が良いかなと。

ネッタヌネッタヌ

1人のお客さまが1000万円購入してくれたら、売上高TOP10に入っちゃいますもんね。

石田

そうそう。「比較管理表」はエクセルやスプレッドシートで作成し、自社商品の商品ページURLとともに、「比較対象になると想像される」競合の商品ページURLを管理していく。ネット上からあらゆる競合を探し出すのは到底不可能なので、比較対象として「想定される」商品ページで良い。もちろん、チェックする商品ページURLは複数でも良いよ。

ネッタヌネッタヌ

多くても3つくらいでしょうかね。

お客さまが「選ぶ理由」「選ばない理由」を見つけ、具体的な改善・施策に落とし込む

石田

運用はシンプルで、自社の商品ページURLと比較対象の商品ページURLを開いて、「さあ、どっちを選びますか?」をやるわけだ。いわゆる「選択動機」を強化するわけだね。

ネッタヌネッタヌ

そして「選ぶ理由」「選ばない理由」を具体的な改善策・施策に落とし込んで、EC運営の通常業務に入れていくと。

石田

そうだね。ECのビジネスは商圏という概念も、ショップの面積という概念もない。だから、たとえば実店舗のスーパーのように「こっちのお店の方が品ぞろえは充実しているけれど、今日はレジ待ちが長そうだから、あっちの人気のないお店で済ますか」みたいなことはない。「より選ばれるショップの、選ばれる商品に注文が集中しがち」なんだよね。

ネッタヌネッタヌ

じゃあ、比較の管理をすることによって、お客さまの選択をひっくり返せる可能性があるわけか!

石田

うん。オセロのように一気にパタパタとね。比較対象になっている競合ショップとのちょっとした違い、商品ページのちょっとした違いが大きな注文の差を生んでいることは大いにありえる。「比較管理」はEC事業者のみなさんにぜひルーチンとして入れてもらいたい仕事だね。

EC内製化 競合との比較から商品やページを改善し、お客さまの「選択動機」を変える
競合との比較から商品やページを改善し、お客さまの「選択動機」を変える

「競合と比較されない状況」を作ることも重要

石田

ここまで話したのは、あくまで「お客さまに比較して自社を選んでもらう」というケースだよね。もう1つの視点として、「そもそも比較されないようにする」というのもEC戦略として大切だよね。

ネッタヌネッタヌ

たとえば競合ショップが絶対的な存在だったり、大手で価格の真似ができなかったりすると、「比較の上で選んでもらう」というのは現実的ではないかもしれません。

石田

その場合、自社が「どこだったら競合の商品ページに勝てそうか」を考えるわけだ。いわゆる「ランチェスター戦略」だよね。この「どこだったら勝てそうか」はイコール「どこにこだわりのあるお客さまを訴求するか」とも同義だね。つまり、顧客設定の問題とも絡んでくる。

ネッタヌネッタヌ

少し難しい話になってきましたね。

石田

さっきの話よりは奥が深いよね。

お客さまは商品を比較するとき「ブランド性」「デザイン性」「機能性」「サービス」そしてそれらを加味した「価格」で、商品を選択している。あとは最近だと「ストーリー性」もあるよね。このいずれかのポイントを飛びぬけて強調することによって、「そもそも比較されない」状況を作っていくわけだ。

ネッタヌネッタヌ

「とにかく、デザイン性にこだわりがあるお客さまはうちで!」みたいな感じですね。

ただ、お客さまに響くポイントを見つけ出すのが難しそう……。「的外れ」な提案をすると、逆にオセロがひっくり返ってしまいそうで……。

石田

ネッタヌ君、あなたは学んだじゃない。重要なマーケティング手法を。

ネッタヌネッタヌ

は?

石田

覚えてないのかい。あんなに私が力説したのに。

ネッタヌネッタヌ

へ?

石田

ほら、前回! 前回! 前回!

ネッタヌネッタヌ

あ! 「逆境のマーケティング」を使えば良いのか!!

石田

いや「逆算のマーケティング」ね(笑)

つまり、お客さまが「どのポイントで自社を選んでくれた」のかがわかれば、「どのポイントを推して勝負をすれば良いか」がわかるってことだよ。

ネッタヌネッタヌ

たしかに! それなら「的外れ」な提案にはなりませんね。なんだかつながった! ネッタヌもきちんと注文データを見てみます!

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

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石田 麻琴

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