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ジャパネットのBSJapanext+スターチャンネルで生まれる新BS放送局「BS10」の戦略とは? | 通販新聞ダイジェスト

11ヶ月 3 週間 ago
ジャパネットブロードキャスティングが運営するBS局は2025年1月10日から名称を変更し、チャンネルポジション「10」で視聴可能となる。厳しい視聴率からの脱却を図るチャンネル変更の経緯と黒字化への新たな取り組みとは

ジャパネットグループのジャパネットブロードキャスティングは2025年1月10日、運営するBS局「BSJapanext(ビーエスジャパネクスト)」のチャンネル名称を「BS10(ビーエステン)」へ変更し、同時にチャンネルポジションを「BS10ch」に切り替える。同日以降、視聴者はテレビリモコンの「10ボタン」を押すことで同チャンネルを視聴できるようになる。これによりザッピングで視聴者を誘導できる環境となり、従来とは比較にならないほど大幅な視聴者の増加が見込めるという。

それに伴いメディアとしての力が大幅にアップ、広告収入や放映する通販番組の売り上げなどの飛躍的な拡大につながることが期待される。新局面を迎えるジャパネットグループのBS局のこれからとは――。

ジャパネットグループ ジャパネットブロードキャスティング BSJapanext BS10

事業撤退も考えていたほど、厳しい状況におかれていた

BSだからできるこだわった番組企画

「正直、撤退することも考えていた」――。ジャパネットブロードキャスティングを率いる佐藤崇充社長は、運営するBS局「BSJapanext」が開局からおかれていた厳しい環境を振り返る。

ジャパネットグループは、既存放送事業者が使用する電波の圧縮でチャンネルに空きが出たことから、総務省が実施したBS放送の新規参入事業者の公募に応募。2022年3月27日に新規BS放送局として「BSJapanext」を開局した。同局は編成の7割をクイズ番組、スポーツ番組、旅番組などの一般番組、3割はジャパネットグループが得意とするテレビショッピングを放送している無料放送のチャンネルだ。

ジャパネットブロードキャスティングの佐藤崇充社長
ジャパネットブロードキャスティングの佐藤崇充社長

既存局と異なり、全体の編成の3割を占める自社通販番組での収益も見込め、CMだけに収益を依存せずともよい環境であることから「スポンサーのことを考え過ぎることなく、フラットな番組が作れることも強み」(ジャパネットホールディングスの髙田旭人社長=当時)と話す。

また、「世の中に埋もれているモノ、サービス、考え方、音楽やスポーツなどのコンテンツ、地域の魅力を広めていくことで、社会に貢献していく放送局をめざす」という考えのもと、たとえば月~金のゴールデン帯に全国の産品や食品などを紹介する地域創生に特化した旅番組や、著名人と一緒に企画・制作を行い、出演者のリアルな姿を伝える、出演者がやりたい企画を一緒に実現する番組、通販番組もこれまでの構成とは異なり、各商品の特徴などをじっくりと紹介していくなどこだわった番組を制作していくとした。

「最後発のBS局だからこそ、尖った番組や新しいことをどんどん行っていきたい」(ジャパネットホールディングス)としていた。

開局当時に思い描いていたものとのギャップ。「視聴しにくい環境」がネックに

ただ、開局後は苦しい状況が続いた。「開局当時に思い描いていたものと実際の(視聴率や売り上げなどの)数字や反響との“ギャップ”は正直、相当に大きかった」(佐藤社長)とする。“ギャップ”が生じることになった理由の1つは「視聴しにくい環境」だ。

そもそも同局は新しい衛星周波数のため、民放BS局より約1000万世帯が受信できない。さらに同局のチャンネル番号(サービスID)は「BS263ch」のため、視聴者がテレビリモコンの1~12ボタンを押せば視聴できるわけではなく、リモコンで当該3ケタのチャンネル番号を入力、またはアップ・ダウンボタンで同チャンネルまで順送りにするか、電子番組表から選択しないと視聴できなかった。

視聴するチャンネルの決定はやはりザッピング(リモコンを操作してチャンネルをしきりに切り替える行為)経由が多く、「BSJapanext」のような“深いチャンネル”が視聴者を獲得することは容易ではなかった。

レアコンテンツでコアなファン作りに尽力

無論、そうした環境のなかでも精いっぱい奮闘してきた。編成面では「BS各局であまり取り扱っていないコンテンツこそ、私達がやる意味がありチャンスでもある」(佐藤社長)として特定分野に特化した番組を編成に大胆に組み込む取り組みを展開

たとえばスポーツ番組、特にゴルフ番組は視聴率が高く、視聴者と親和性が高いことがわかったため、国内のテレビ局では唯一、無料で米国男子プロゴルフツアー「PGAツアー」の放送を始めたほか、当初は日曜日の午後9時から1時間枠のみだったゴルフ関連番組の放送を、「まずは見てもらうための強いコンテンツがないと(局の)認知が広がらない」(佐藤社長)とし、同時間帯に全曜日で編成することにし、ゴルフファンを獲得。

ジャパネットブロードキャスティング BSJapanext ゴルフ番組
「BSJapanext」で、月~日曜日まで放送しているゴルフ番組
(画像は「BSJapanext」のサイトから編集部がキャプチャし追加)​​

また、グループに所属チーム「長崎ヴェルカ」を持つ兼ね合いもあり、バスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」の試合も多く放送し、バスケファンの獲得もめざした。

BSJapanext バスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」の試合を放送
バスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」の試合を放送
(画像は「BSJapanext」のサイトから編集部がキャプチャし追加)​​

頭脳スポーツとして“麻雀好き”のために、麻雀プロリーグ戦「Mリーグ」に参戦し、対局番組も放送各特定分野の愛好者の間で同局は高い評価を受け、コアなファンも掴んできた

紀行番組は反響効果大。通販番組の売れ行きに大きく貢献

また、紀行番組にも取り組んだ。たとえばさまざまなタレントに夫妻でクルーズ船に乗り、クルーズの旅を体験してもらい、その様子を追った番組は視聴者からの反応も高い。実際に当該番組後の通販番組で紹介するクルーズ旅行の売れ行きに大きく貢献しているという。

私達の局での放送のほか、地上波や他のBS局にもご協力いただき(当該紀行番組とその後の通販番組を一緒にジャパネットが購入した放送枠で)何度か放送したところ、クルーズの売れ行きが大きく伸びるなど成果が見られ、多くの視聴者に見てさえ頂ければ、これだけの反響になるのかと番組作りの方向性は間違っていないと手ごたえを感じている。(佐藤社長)

乗り越えられない壁に撤退よぎる

ただ、編成や番組作りの磨き込みを行っても、「視聴しにくい環境」を乗り越えることは難しかった。自分たちが良いと思える番組を作っても視聴者を増やすことはできず、それゆえにスポンサーの確保も難航しCM収入も低調、ジャパネットグループが得意とする通販番組も視聴者数が伸びないなかでは、当初思い描いていた自局ならではの取り組みを行うための労力を割くわけにもいかず、通販売り上げも伸び悩んだ。

「開局当初は3、4年で黒字化する目標だったが、厳しいと感じた。良いと思える番組を作っても見て頂けなれば難しい。“チャンネルが深い”ということは大きなボトルネックだった」(佐藤社長)とし、実際に直近の決算である23年12月期の当期純損益は官報によると24億4000万円の赤字で「このままでは撤退しなければいけない」(佐藤社長)という状況に追い込まれていた。

起死回生の「スターチャンネル」買収

「スターチャンネル」買収で、リモコンワンボタンで選局できるように

「視聴しにくい環境」という根本原因を解消するための起死回生の打ち手が「スターチャンネル」の買収だった。

BSJapanext スターチャンネルの買収
映画・海外ドラマを放送している「スターチャンネル」
(画像は「スターチャンネル」のサイトから編集部がキャプチャし追加)​​

「視聴者を増やすためには(テレビのリモコンの1~12ボタンを押せば視聴できる)ワンタッチボタンに入るしかない」(佐藤社長)と考え、旧NHK BSプレミアムが割り当てられていた「3ch」の獲得に乗り出すなどの行動も行った。

その結果、3chの割り当ての獲得はできなかったものの、そうした動きのなかでBS放送の10chで有料映画専門チャンネルを展開する「スターチャンネル」と親会社の東北新社に接触する機会を得て、「スターチャンネル」の買収に合意。4月19日付でジャパネットブロードキャスティングが「スターチャンネル」の全株を取得する形で株式譲渡契約を締結。8月には同社を吸収合併して一体化した。

そして2025年1月10日からは「BSJapanext」のチャンネル番号を現状「BS263ch」から、現在「スターチャンネル」に割り当てられているテレビリモコンの「10ボタン」を押すと選局されるよう標準設定されているチャンネル番号「BS200ch」に、同時にチャンネル名称も「BS10」に切り替えることになった。

なお、「スターチャンネル」も名称を「BS10スターチャンネル」、チャンネル番号は「BS201ch」に変更。チャンネルを「BS10」にあわせた後にリモコンのチャンネルアップボタンを押す(機種により操作は異なる)ことで視聴できる。

チャンネルポジション変更でザッピングによる視聴者誘導が可能に

念願のチャンネルポジションの変更により、ザッピングでテレビの視聴者を誘導することが可能となり、新規視聴者が増えることが予想されジャパネットのBS局は新たな局面を迎えることになりそうだ。

「具体的に(プラスの効果が)どの程度出てくるかはわからないが、現状、1時間あたりのテレビ視聴台数はたとえば『BS11』『BS12』が私達の6倍超、BS民放局は20倍超だ。その数字にすぐに私達もいくわけではないだろうが、確実に視聴者が増えるだろう。そうなれば、これまで進めてきた番組作りやアプリと連動させた仕掛けなどがより効果を上げて収益面でも成果が出てくるだろう」と佐藤社長は期待を寄せる。

BSJapanext リモコンのボタン変更
チャンネル番号変更に伴い、リモコンの操作も変わる
(画像は「BSJapanext」のサイトから編集部がキャプチャし追加)​​

サンリオキャラクターの起用など、新しい取り組みを実施

「J:COM」での同時視聴&プロモーション強化

このチャンネルポジションの変更という転機を生かすべく2025年1月以降、さらにアクセルを踏み込む。まずはケーブルテレビ局最大手の「J:COM」で「BS10」の同時再送信が2025年から開始する予定で、これにより同局の視聴可能世帯数は現状よりも大幅に増える。

プロモーションも強化。サンリオの人気キャラクター「ポチャッコ」を「BS10PR大使」として起用。今後、BS10のオリジナル衣装の「ポチャッコ」が番組など各所に登場し、両チャンネルの新規視聴者の獲得につなげる。

ゴルフ、バスケットボールなど、強みである特定分野に特化した番組編成

番組面では引き続き、強みである特定分野に特化した編成を推進。ゴルフ関連では2024年に引き続き「PGAツアー」、また、午後9時から編成するゴルフ関連番組の放送を継続(水曜日以外)。「Bリーグ」は無料放送では最大規模となる約60試合を中継、「Bリーグ」の応援番組も毎週火曜レギュラーで生放送を開始する。

また、同局の目玉番組であるクイズ番組「パネルクイズ アタック25 Next」も50年目となる2025年は新セットや、新ルールを追加して引き続き放送していく。

BSJapanext アタック25Next
クイズ番組「パネルクイズ アタック25 Next」
(画像は「BSJapanext」のサイトから編集部がキャプチャし追加)​​

「スターチャンネル」と連携し、映画関連番組をスタート

新たな取り組みとしては「スターチャンネル」と連携する映画関連番組の編成を強化する。番組司会者にタレントの加藤浩次さんや著名な俳優を起用する3つの映画紹介番組を毎週放送。そのうち、新作・準新作、70~90年代の映画を紹介する2番組は「BS10」で、年代を問わない古今の名作を紹介する番組は両チャンネルでサイマル放送を行う。

「BS10」で放送する映画紹介番組では本編終了前後で「スターチャンネル」への有料放送加入を案内する告知放送なども行う。また、無料放送の「BS10」でシリーズものの映画やドラマの初回や第1シリーズを放送し、2話目または第2シリーズ以降は「スターチャンネル」で放送するとして「スターチャンネル」への新規加入を促す取り組みも行う

先行して10月に「BSJapanext」と「スターチャンネル」で2023年12月に劇場公開されたアニメ「宇宙戦艦ヤマト 劇場版 4Kリマスター」の放送と、タレントの濱口優さんや映画監督の山崎貴氏らが出演して宇宙戦艦ヤマトの名シーンや人気キャラクターなどを語り合う生放送の特別番組を放送し、「スターチャンネル」で10月から有料放送でスタートした「『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念特別編成」の視聴を誘導(有料)したところ、一定の新規契約者を獲得できたことなどから本格化させる。

「ジャパネットたかた」の通販番組の制作も検討

ジャパネットたかたの通販番組もこれまでは視聴者数の伸び悩みなどから実施せず、地上波用などに収録した番組を再び放送するにとどまっていたが、「BS10」用の番組の制作を行うことなども検討。

「たとえば、残りの在庫数などをリアルタイムでお伝えして、“売り切れ御免”のような、他局ではやっていない内容など、変化するであろう自局の状況に合致する企画はどのようなものにするのが良いのかと、今まさに詰めているところ」(佐藤社長)とし、開局当時に想定していた自局ならではの通販番組作りを進めていく意向だ。放送時間についても現状は放送していない午後7時のゴールデンタイムに通販番組を編成することも計画しているという。

また、現状は当日その日に特定商品に特化してジャパネットたかたが拡販する「チャレンジデー」の際に、「BSJapanext」で通販番組の前後に放送している当該商品の誕生秘話や開発時の想いなどにフォーカスした情報番組を、1月以降は「チャレンジデー」以外の日でも放送。通販番組で紹介する商品の拡販に生かしていくという。

紀行番組と通販番組の連携

さらに、これまで取り組んできた紀行番組と通販番組との連携施策、前述したクルーズツアーの紹介番組とその後のクルーズ旅行を紹介する通販番組の組み合わせを引き続き強化していく。そのほか、温泉宿の紹介を軸とした地域創生のための紀行番組でも同様に、番組で紹介した温泉宿を同社グループで宿泊予約事業を展開する「ゆこゆこ」を介して販売する通販番組を放送するといった横展開を進めていく。

日本語吹替版の比率を7割に高める

「スターチャンネル」もコンテンツを強化。放送する洋画の日本語吹替版の比率を現状の3割から7割まで高める。他局の放送やDVDでも視聴できない作品についても吹替版とするほか、視聴者から吹替えで視聴したい番組や吹替えを担当してほしい声優などを募集して、権利元の許可を取りながらオリジナルで吹替版を製作、放送する取り組みなどを始める考え。また、日本初公開の最新作や、日本では独占放送となる海外ドラマなどの話題作を毎週放送していくことで、加入者数を増やしていく考えだ。

早期の黒字化をめざし、事業体制強化などを進める

効率化&相乗効果をめざす

事業体制も強化する。「BS10」「スターチャンネル」とチャンネル別の組織体制を改め、役割別の組織に変更。CM営業や加入促進、映画やドラマの調達、番組制作など両チャンネルで相乗効果が出て、効率化しやすくなるようにする。なお、一環として新たにアナウンス課も新設する。

ほかにも、ジャパネットグループの顧客や媒体を生かしていく。通販カタログやメルマガ、DMを通じて「スターチャンネル」の視聴促進や新規加入を促す取り組みを進める。また、新規加入申し込みの際に、現状はケーブルテレビや映像配信サービスなど顧客が加入するサービスごとに異なる窓口で受け付けをしなければならず、そのわかりにくさから申し込みをせずに離脱してしまう顧客も少なくなかったようだが、今後はジャパネットグループのコールセンターで運用することも計画中だという。

「BS10」はチャンネルポジションの変更による視聴者数の拡大でCM収入アップや通販番組経由の売上高拡大につながるほか、「スターチャンネル」でも「BS10」やジャパネットグループと連携した各種施策で新規加入者の拡大を図っていける体制が整うことから、BS民放局らがあげている年間の収益(売上高ベースで110~160億円程度、利益ベースでは15~20億円程度)のレベルまでジャパネットのBS局の収益も引き上げたい考えで「遅くとも2、3年後には黒字化させたい」(佐藤社長)と意気込む。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
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通販新聞

エレベーターサイネージとは?エレベーターに動画広告を活用するメリットや制作時のポイントについて解説

11ヶ月 3 週間 ago

エレベーターサイネージは、エレベーター内で動画広告を配信する新しい広告手法です。本記事では、エレベーターサイネージの基本情報、配信場所、メリット、制作時のポイントについて詳しく解説します。

お役立ち資料集

エレベーターサイネージとは

エレベーターサイネージは、エレベーター内やその周辺に設置されたデジタルディスプレイを活用して情報を発信する広告媒体です。オフィスビル、商業施設、マンション、ホテルなどで広く利用され、利用者がエレベーターを待つ間や移動中に目にするため、高い視認性を持ちます。広告や案内情報の配信に適しており、特定のターゲット層への効果的なアプローチが可能です。

エレベーターサイネージの配信場所

エレベーターサイネージは、さまざまな場所で活用されています。配信する際には、広告の目的に合わせて適切な配信場所を選ぶことが重要です。ここでは、特に利用されることが多い配信場所を5つご紹介します。

オフィスビル

オフィスビルでは、ビジネスパーソンが多く利用するため、特定の業界や職種に向けた広告が効果的です。例えば、ビジネス関連のサービスや製品、セミナー情報などが適しています。エレベーター内での待ち時間を利用して、ターゲット層にリーチすることができます。

また、オフィスビルのエレベーターは頻繁に利用されるため、広告の露出回数が多くなります。これにより、ブランド認知度の向上や新製品のプロモーションに効果的です。

商業施設

商業施設では、買い物客が多く訪れるため、幅広い年齢層や性別に向けた広告が効果的です。特に、セール情報や新商品の紹介、イベントの告知などが適しています。エレベーター内での広告は、買い物客の購買意欲を高める効果があります。

さらに、商業施設のエレベーターは多くの人々が利用するため、広告の視認性が高くなります。これにより、短期間で多くの人々に情報を伝えることができます。

ホテル

ホテルでは、宿泊客がエレベーターを利用するため、観光情報やホテル内のサービス案内が効果的です。例えば、レストランのメニューやスパのプロモーション、周辺観光地の紹介などが適しています。宿泊客にとって有益な情報を提供することで、ホテルのサービス利用を促進できます。

また、ホテルのエレベーターは比較的長時間利用されることが多いため、広告の視認時間が長くなります。これにより、広告内容をしっかりと伝えることができます。

病院

病院では、患者やその家族がエレベーターを利用するため、医療関連の情報や健康に関する広告が効果的です。例えば、健康診断の案内や医療機関の紹介、健康食品のプロモーションなどが適しています。患者やその家族にとって有益な情報を提供することで、信頼感を高めることができます。

さらに、病院のエレベーターは多くの人々が利用するため、広告の視認性が高くなります。これにより、医療関連の情報を広く伝えることができます。

公共施設

公共施設では、多くの市民がエレベーターを利用するため、地域情報や公共サービスの案内が効果的です。例えば、地域イベントの告知や公共サービスの利用案内、防災情報などが適しています。市民にとって有益な情報を提供することで、地域社会への貢献度を高めることができます。

また、公共施設のエレベーターは多くの人々が利用するため、広告の視認性が高くなります。これにより、地域情報や公共サービスの利用促進に効果的です。

エレベーターサイネージのメリット

エレベーターサイネージは、広告や情報発信の新しい手法として注目を集めています。その特徴的な設置環境や視認性の高さから、他の広告媒体にはない多くのメリットを持っています。ここでは、エレベーターサイネージが持つ主なメリットについて詳しく解説します。

高い視認性を確保できる

エレベーター内は限られた空間であり、乗客は広告に対して自然と目を向けることになります。このため、エレベーターサイネージは非常に高い視認性を確保できます。特に動画広告は動きがあるため、静止画よりもさらに目を引きやすく、乗客の注意を集めることができます。

また、エレベーター内の広告は他の広告媒体と競合することが少ないため、広告のメッセージがより効果的に伝わります。これにより、広告の効果を最大限に引き出すことが可能です。

ターゲット層にリーチできる

エレベーターサイネージは、設置場所によって特定のターゲット層にリーチすることができます。例えば、オフィスビルのエレベーターに広告を設置すれば、ビジネスマンやオフィスワーカーに対して効果的にアプローチできます。商業施設やホテル、病院など、設置場所に応じてターゲット層を絞り込むことが可能です。

このように、ターゲット層に合わせた広告配信ができるため、広告の効果を高めることができます。特定のニーズや興味を持つ人々に対して、ピンポイントでメッセージを届けることができます。

ブランド認知度を向上させる

エレベーターサイネージは、繰り返し目にすることでブランド認知度を向上させる効果があります。エレベーターを利用するたびに同じ広告を見ることで、自然とブランド名や商品名が記憶に残ります。これにより、潜在的な顧客に対してブランドの存在を強く印象付けることができます。

さらに、エレベーター内の広告は他の広告媒体と比べて視覚的な干渉が少ないため、ブランドメッセージがよりクリアに伝わります。これにより、ブランドの認知度を効果的に高めることができます。

エレベーターサイネージを制作する際のポイント

エレベーターサイネージを効果的に活用するためには、制作段階でいくつかのポイントを押さえることが重要です。限られた時間の中で、乗客に強く印象を残すための工夫が求められます。

短時間で伝わる内容にする

エレベーター内での滞在時間は限られているため、広告の内容は短時間で伝わるように工夫する必要があります。乗客がエレベーターに乗っている間に、広告のメッセージを簡潔かつ明確に伝えることが重要です。具体的には、キャッチコピーやビジュアルを効果的に活用し、短い時間でインパクトを与えることが求められます。

また、情報量が多すぎると逆に伝わりにくくなるため、必要最低限の情報に絞ることが大切です。シンプルで分かりやすいメッセージを心がけましょう。

視覚的なインパクトを持たせる

エレベーターサイネージは視覚的なインパクトが重要です。乗客の目を引くためには、鮮やかな色使いや動きのある映像を取り入れることが効果的です。特に動画広告は、静止画よりも視覚的なインパクトが強く、乗客の注意を引きやすいです。

さらに、デザインやレイアウトにも工夫を凝らし、広告全体のビジュアルクオリティを高めることが重要です。視覚的に魅力的な広告は、乗客の記憶に残りやすく、広告効果を高めることができます。

音声の有無を検討する

エレベーター内での広告に音声を使用するかどうかは、慎重に検討する必要があります。音声を使用することで、視覚だけでなく聴覚にも訴求できるため、広告の効果を高めることができます。しかし、エレベーター内は静かな環境であることが多いため、音声が乗客にとって不快に感じられる可能性もあります。

そのため、音声を使用する場合は、音量や内容に十分配慮し、乗客にとって心地よいものにすることが重要です。また、音声なしでも効果的にメッセージを伝える方法を検討することも一つの選択肢です。

まとめ

エレベーターサイネージは、高い視認性とターゲット層への的確なアプローチを実現する革新的な広告手法です。設置場所や内容を工夫することで、ブランド認知度の向上や購買意欲の喚起に貢献します。新しい広告手法を模索中の方は、ぜひエレベーターサイネージを検討してみてください。

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VIDEO SQUARE編集部

ユーチューブ広告の長さは多様

11ヶ月 3 週間 ago

グーグルが2024年にユーチューブで配信された優良な広告13,000本以上を分析。そのうち44%は、昔ながらの長さ(15/30/60秒)ではなかった。また、ショートとインストリームの広告の52%は15秒以上だった。時間の長さに制約があるとありきたりの表現に収まりがちだが、ユーチューブにはその制約がなく、短尺でも長尺でも機能するという。

How creative storytelling drove 2024’s best YouTube ads
https://www.thinkwithgoogle.com/marketing-strategies/video/best-creative-storytelling-youtube-ads/

noreply@blogger.com (Kenji)

まんだらけが「メルカリShops」に出店、約100万点の商品を販売

11ヶ月 3 週間 ago

漫画・アニメなどのコレクターズショップのまんだらけは、「メルカリ」内にECサイトを出店できる「メルカリShop」に「MANDARAKE」をオープンした。12月19日にメルカリが発表した。ECモール展開は初という。

国内・海外で需要が高まるエンタメ・サブカル商品の販路を拡大するため「メルカリShops」に出店。約100万点の商品販売を始めた。創業40周年を迎えたまんだらけは、これまで実店舗の展開を拡大。EC領域では自社ECを手がけてきたが、販路を拡大するため「メルカリShops」への出店を決めた。

漫画・アニメなどのコレクターズショップのまんだらけは12月19日、「メルカリ」内にECサイトを出店できる「メルカリShop」に「MANDARAKE」をオープンしたと発表
「メルカリShop」に出店(画像は「メルカリShop」から編集部がキャプチャ)

「メルカリShops」は国内約2300万人のメルカリ顧客に対し、月額固定費無料で商品を掲載でき、74社の海外越境EC事業者との連携で約120の国・地域(2024年8月時点)にも販売できるECモール。販売手数料は売上金に対する10%。

メルカリは「MANDARAKE」の出店で、最も多くの取引件数を占める「エンタメ・ホビー」関連の商品ラインアップを拡充。国内および海外顧客の購買を促進する。

松原 沙甫

アマゾンジャパンが兵庫県に12年間で1370億円超を投資/約5割の企業が「最低賃金1500円に引き上げは不可能」【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

11ヶ月 3 週間 ago
2024年12月13日~2024年12月19日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. アマゾンジャパン、兵庫県に12年間で1370億円超を投資。Amazonに出品する県内事業者は約6000社

    兵庫県は日本のなかでもAmazonによる投資が多い県の1つという。

    2024/12/17
  2. 最低賃金1500円に引き上げ、約5割の企業が「不可能」。実現には「低価格で受注する企業の市場からの退場促進」の声も

    最低賃金(時給)が全国平均1500円に引き上げられた場合、小売業は62.3%、製造業は60.7%が「不可能」と回答した。

    2024/12/18
  3. 楽天グループが2025年の経済圏トレンドにあげた「寄せ活」とは?

    「寄せ活」とは、経済圏を「1つ」や「2つ」に寄せて、ポイントを貯めたり、使ったり、増やしたりすることを指すという。

    2024/12/13
  4. LINEヤフーの「Yahoo!ショッピング」、キャンペーンや特典で付与するポイントを原則「PayPayポイント(期間限定)」に

    「PayPayポイント」の付与内容の変更に合わせて、LINEヤフーのサービス利用状況に応じてキャンペーン・商品情報などを提供する「ポイントセンター(仮)」を開設

    2024/12/18
     
  5. 楽天グループ、「楽天市場」でビジネス向けのBtoB-ECサービス「ビジネス割」をスタート

    「楽天市場」内で展開するBtoB-ECの「ビジネス割」は、サービス法人や個人事業主が対象。ポイントキャンペーンや割引クーポンなど登録したメンバー限定の各種特典を提供していく。

    2024/12/16
     
  6. 店舗のデジタル化に「賛成」は73.0%。デジタル化が進んでも約6割が「店員との会話が減ってほしくない」

    MMD研究所とSquareが共同で実施した「実店舗のデジタル化に関する消費者の意識調査」によると、店舗で利用したいデジタルツール上位は「キャッシュレス決済」「セルフレジ」「セルフオーダー」

    2024/12/13
     
  7. 年末年始の過ごし方、「自宅でゆっくり過ごす」が64.3%で断トツでトップ。セールや福袋の買い物は12.5%

    クロス・マーケティングは「年末年始を迎えるあたっての気持ち」「今年の年末年始の過ごし方」などについて調査した。

    2024/12/18
     
  8. 越境EC2024のキーワードは「趣味大国無双消費」。人気のジャンルや伸長したジャンルは?【越境EC世界ヒットランキング2024】

    BEENOSが発表した「越境EC×ヒットランキング2024」では、カテゴリ別ランキング、伸長率ランキングを発表。ランクインしたカテゴリの注目トピックスもあわせて発表した

    2024/12/13
     
  9. ecbeing、アプリプラットフォームのメグリ「MGRe」と資本業務提携

    ecbeingはメグリとの資本業務提携により、アプリプラットフォーム「MGRe」で構築するアプリを通じてECサイトと店舗の連携をより強化していくという。

    2024/12/13
     
  10. チケット購入+モバイルオーダーでの顧客体験向上、施設のDX化――シネコン市場で初めて「Amazon Pay」を導入したティ・ジョイが語る施策の効果

    デジタルシネマの推進や最新の音響・映像技術の導入などで、シネコン市場でイノベーションを創出し続けるティ・ジョイ。力を入れているデジタル施策の一環として、業界で初めて「Amazon Pay」を導入。施策の効果や今後の展望を、担当者が解説する

    2024/12/17
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

EC構築プラットフォーム「ecbeing」、「YouTube」チャンネルや動画の市長画面上に商品を掲載できる「YouTubeショッピング」と連携

11ヶ月 3 週間 ago

ecbeingは、Googleの動画プラットフォーム「YouTube」のショッピング機能「YouTube ショッピング」とEC構築プラットフォーム「ecbeing」が連携したと発表した。

「ecbeing」を導入している企業は、ECサイトで販売中の商品を自社の「YouTube」チャンネル、「YouTube」上の動画やライブ配信上に掲載できる。

近年、購買の判断材料となる動画コンテンツの需要が拡大。特に「YouTube」は世界中で広く利用されるプラットフォームとして影響力が強く、商品やサービスのプロモーションにおいても効果的な場となっている。

商品の使用方法や特長を動画コンテンツで確認するといった消費行動が加速しており、企業は従来のテキストや画像中心の商品訴求から、動画コンテンツを用いた商品訴求へとシフトしている。

こうした背景を踏まえ、ecbeingは「YouTubeショッピング」機能との連携を実施。「ecbeing」導入企業は次のことができるようになる。

動画にタグ付けした商品を視聴画面上に表示

「YouTube」動画内で紹介する商品をタグ付けし、その商品を視聴画面上に表示。視聴者は動画を見ながら、タグ付けされた商品を直感的に確認でき、興味を持った商品をクリックして詳細情報を得ることができる。

たとえばファッションブランドの動画では、モデルが着用しているアイテムにタグを付けることで、視聴者はその場で商品を確認し、購入を検討することが可能。商品の特長や使用方法を動画内で効果的に伝え、購買意欲に訴求できる。

ワンクリックでECサイトに遷移

「YouTubeショッピング」機能で、視聴画面上に表示される動画にタグ付けされた商品は、ワンクリックで企業のECサイトに遷移できる。動画を見ながら、興味を持った商品をすぐに購入ページで確認できるため、視聴者にシームレスな購買体験を実現する。

視聴者が商品に対して興味を持った瞬間に購入ページへ誘導できる。購入意欲が高まっているタイミングを逃さずに捉えることが可能。購買プロセスが大幅に簡素化し、商品購入を検討する消費者の利便性がアップする。

ワンクリックでECサイトの商品詳細ページに遷移するため、購入意欲が高まっているタイミングを捉えやすい
ワンクリックでECサイトの商品詳細ページに遷移するため、購入意欲が高まっているタイミングを捉えやすい

YouTubeチャンネルの「ストア」タブで商品を掲載

「YouTube」チャンネルの「ストア」タブを活用することで、自社の商品を「YouTube」上で視聴者に直接アピールできる。「ストア」タブには、企業が販売する商品の名称、画像、価格などが掲載でき、視聴者はチャンネル内で簡単に商品を閲覧することが可能。動画コンテンツを楽しみながら、興味を持ったブランドの商品をその場でまとめてチェックできるため、購買意欲を喚起しやすくなる。

商品をクリックすると直接ECサイトに遷移し、スムーズに購入手続きを進められる。これにより、「ecbeing」導入企業は「YouTube」を効果的な販売チャネルとして活用し、売上アップをめざすことができる。

「ストア」タブに商品を掲載することで自社商品を視聴者にアピールできる
「ストア」タブに商品を掲載することで自社商品を視聴者にアピールできる
高野 真維

LINEヤフーがBEENOSを約540億円で買収、LINE連携などで越境ECを強化

11ヶ月 3 週間 ago

LINEヤフーは12月19日、越境ECなどを手がけるBEENOS(ビーノス)を買収すると発表した。2025年2月末をめどに株式公開買付(TOB)を実施、BEENOSの全株式を取得して完全子会社化する。買収価格は約540億円。

LINEヤフーはBEENOSを完全子会社化することで、越境ECを中心とした新事業を強化する。越境EC市場におけるBEENOSのノウハウや知見を取り入れ、共同マーケティング活動を展開。BEENOSの越境ECの代理購入サービス「Buyee(バイイー)」などのサービス、LINEヤフーのEC事業など各サービスの間でさまざまなシナジー効果が見込めると判断した。

LINEヤフーが提供する各ECサービスを通じて、海外でニーズが高い国内商品の販路を拡大。タイなど東アジアの一部で高い利用率を有する「LINE」アプリと連携して海外ユーザーへアプローチ、顧客層の拡大を図る。

LINEヤフーが提供する各サービスと、BEENOSのエンターテインメント事業との連携も検討していく。

BEENOSは子会社18社、関連会社3社で構成。EC事業、インキュベーション事業を主に手がける。EC事業のメインはグローバルコマースとエンターテインメント。子会社のtensoが「Buyee」のほか、海外居住者向けに日本の商品を海外発送代行(転送)するサービス「tenso」を手がける。子会社のBEENOS Entertainmentではエンターテインメント業界向けに特化したECプラットフォーム「Groobee(グルービー)」、日本のアーティストグループの公式グッズECを運営している。

TOBについて、BEENOSはLINEヤフーへの株式譲渡について賛成の意を表明。「Buyee」とLINEヤフーの包括する各種ECサービスとの強固な連携などを通じて、海外からの需要取り込みによる市場拡大、日本企業の海外進出支援で相乗効果が見込めると判断した。

松原 沙甫

日本郵便、年末年始は「ゆうパック」などの配送に遅れが生じる可能性【2024年末~2025年始の対応まとめ】

11ヶ月 3 週間 ago

日本郵便は年末年始期間中(2024年12月21日~2025年1月6日)における郵便物などの配達状況を公表、高速道路の交通渋滞・船舶の運休などにより、郵便物・ゆうパックなどの配達で遅れが生じる可能性があるとしている。

「ゆうパック」「ゆうパケット」(クリックポストを含む)、ゆうメール(特定記録を除く特殊取扱としたものに限定)は毎日配達。内国郵便物(書留など)、国際郵便物(書留など)も同様とする。

普通扱いの郵便物、ゆうメール(書留や速達などのオプションサービスを付加しないもの)は12月21日、22日、28日、29に値、1月2日、5日の配達を休止する。

日本郵便、年末年始は「ゆうパック」などの配送に遅れが生じる可能性【2024年末~2025年始の対応まとめ】
郵便物・荷物の配達

 

松原 沙甫

アマゾン、ふるさと納税サービスに参入。FBA利用で「最短翌日お届け」、自治体+Amazonのオリジナル商品も開発 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

11ヶ月 4 週間 ago
「Amazon ふるさと納税」のスタート段階では全国約1000の自治体が参画。登録返礼品数は約30万で、順次拡大する。

アマゾンジャパンがふるさと納税サービスに参入した。名称は「Amazon ふるさと納税」。12月19日に一部の消費者から利用をスタート。段階的に利用できるユーザーを広げていく。

「Amazon ふるさと納税」のスタート段階では全国約1000の自治体が参画。登録返礼品数は約30万で、順次拡大する。

「amazon.co.jp」に「ふるさと納税」タブを設け、「Amazon ふるさと納税」を提供する。消費者は使いなれたAmazonの仕様で寄付することが可能。「気軽にふるさと納税をできるようになる。これまでふるさと納税をしたことのない人々にとって大きなきっかけになることを願っている」とジャスパー・チャン社長はコメントしている。

ジャスパー・チャン社長 アマゾンジャパンがふるさと納税サービスに参入
ジャスパー・チャン社長

「Amazon ふるさと納税」の大きな特長にあげられるのは「最短翌日お届け」「Amazon ふるさと納税と自治体とのオリジナル商品開発」。

参加する自治体はアマゾンジャパンの「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を利用することが可能。25か所以上のフルフィルメントセンター(物流拠点)、65か所以上のデリバリーステーション(配送拠点)を活用し、注文から最短で翌日に商品を届ける。冷蔵・冷凍にも対応する。

「最短翌日お届け」の対象商品を特集ページから探すことも可能。対象商品には「プライムマーク」を掲載する。

アマゾンジャパンがふるさと納税サービスに参入
「Amazon ふるさと納税」最短翌日お届け特集

各地域の魅力、豊富な品ぞろえを提供するため、自治体との連携によるオリジナル商品を開発。「Amazon ふるさと納税」限定の返礼品を取りそろえる。

たとえば、能登半島地震や記録的な大雨で大きな被害を受けた石川県の七尾市や能登町での復興支援コンサートを、2つの自治体から返礼品として提供。「Amazon Music」のノウハウを生かし、人気のアーティストを招聘(しょうへい)するという。

ほかには、長崎県波佐見町からはAmazonロゴ入りの波佐見焼マグカップ、神奈川県川崎市はAnkerの限定デザインのモバイルバッテリーなどを「Amazon ふるさと納税」限定の返礼品として提供する。

「Amazon ふるさと納税」限定の返礼品 アマゾンジャパンがふるさと納税サービスに参入
「Amazon ふるさと納税」限定の返礼品

アマゾンジャパンが開いた会見でのプロモーションビデオに、「北国からの贈り物」で知られる加藤水産(北海道川上郡))の加藤敏明社長が登場。「自分たちの自治体には良いモノ、コトがある。しかし、全国の人に知ってもらえるすべが少ない。(ふるさと納税は)販路に悩みを持つ多くの事業者の力になり、地域の活性化につながる。ふるさと納税が多くの事業者の力となり、地方創生の一助になってほしい」とメッセージを寄せた。

アマゾンジャパンがふるさと納税サービスに参入
会見で放映されたビデオに登場した加藤敏明社長

 

瀧川 正実

クラウドPOSレジ「スマレジ」企業、ネットショップ支援室を買収

11ヶ月 4 週間 ago

クラウドPOSレジ「スマレジ」のスマレジは12月13日、EC支援を手がけるネットショップ支援室の株式を100%取得し、完全子会社化すると発表した。

株式取得契約日は12月18日、株式譲渡実行日は12月27日の予定。株式取得価額は11億円。

ネットショップ支援室は、ECカートシステム「楽楽リピート」、受注・在庫管理システム「アシスト店長」、BtoBカートシステム「楽楽B2B」など、EC支援をワンストップで解決できるソリューションを提供している。

スマレジはEC事業者の販路拡大による売上増加、ノウハウの融合による開発力の強化を見込み、ネットショップ支援室の子会社化を決めた。

ネットショップ支援室の2024年9月期業績は、売上高が前期比5.3%増の7億1300万円、営業利益、経常利益はともに同2.6%減の3800万円、当期純利益は同150.0%増の2500万円。スマレジの2025年4月期連結業績予想については精査中で、開示事項が生じた場合、公表するとしている。

ネットショップ支援室は、子会社後も社名、提供サービス、従業員体制に変更はないと説明。「スマレジグループの一員として、これまで以上にお客さまの期待に応えるべく、新たな価値創造をめざしていく」としている。

なお、スマレジは今後も①顧客獲得(SaaS型POSサービス)②プロダクトラインアップの拡充(自社顧客基盤向け商材クロスセル)③ITエンジニアリング能力強化(システム開発会社など)――を目的に、積極的にM&Aを実施していく。

松原 沙甫

ヤマト運輸、2024年~2025年の年末年始は配送遅延が起きる可能性があると公表

11ヶ月 4 週間 ago

ヤマトホールディングスは、ヤマト運輸の年末年始における荷物の配送について、年末年始で荷物の配送に遅延が発生する可能性があると公表した。

年末年始の帰省などで交通渋滞が起きると予想しているため。ヤマトホールディングスは、「荷物をお送りいただく際には、日数の余裕をもってご利用くださいますようお願い申し上げます」とアナウンスしている。

なお、年末年始の期間中、一部の営業所において窓口受付業務の休止や受付時間を短縮する。ヤマトホールディングスは「最寄りの営業所が営業していない場合は、近隣の営業所のご利用をお願いいたします」としている。

瀧川 正実

Costcoのリテールメディア参入+会員費を値上げの影響は現在1%未満+2025年1Q数値など最新動向まとめ | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

11ヶ月 4 週間 ago
Costcoの2025年度(2024年9月~2025年8月)は好調なスタートを切っています。ECの実績や、運用するリテールメディアで実施したCostco初の取り組みなど、2024年9-11月期(第1四半期)の動向に注目します

米国の会員制倉庫型量販店のCostco Wholesale(Costco)は2025年度、Costco初のリテールメディアネットワークキャンペーンを実施し、成果をあげています。2025年度のスタートとなった2024年9-11月期(第1四半期)は、ハードウェア、スポーツ用品、家具、ギフトカードのカテゴリーがEC売上高の成長をけん引しました。新たな動きのあった2024年9-11月期の取り組みや業績数値などをまとめました。

2025年度(2024年9月~2025年8月)のQ1の業績・EC動向

2024年9月に始まったCostcoの2025年度は、デジタル施策が効果をあげて好調なスタートを切り、第1四半期は特にEC売上高が拡大。EC売上高は前年同期比13%増となり、伸び率だけで見ると既存店売上高全体の2倍以上となりました。なお、既存店全体の売上高の伸び率は、前年同期比5.2%増でした。

第1四半期の純利益は、前年同期の15億8900万ドルから17億9800万ドルに増加売上高は609億9000万ドルで、前年同期の567億2000万ドルから7.5%増加しています。

米国の既存店売上高は前年同期比5.2%増。カナダの既存店売上高は同5.8%増、その他の海外の既存店売上高は同4.7%増でした。

最高財務責任者(CFO)のゲーリー・ミラーチップ氏は第1四半期の決算説明会で、来店客数と顧客の買い物頻度はグローバルでは5.1%、米国だけで見ると4.9%増加したと説明。平均注文額はグローバルでは0.1%、米国だけで見ると0.3%増加しています。

Costcoの四半期ごとの総売上高(出典:『Digital Commerce 360』によるCostcoの収益レポートチャート)
Costcoの四半期ごとの総売上高(出典:『Digital Commerce 360』によるCostcoの収益レポートチャート)

ECはアクセス数、コンバージョン率、注文額がどれも上振れ

ミラーチップ氏によると、米国の消費者は第1四半期にCostcoのアプリを290万回ダウンロードし、これまでの累計ダウンロード数は約4200万回に達したそうです。

第1四半期、ECはアクセス数、コンバージョン率、平均注文金額のすべてが前年同期比で増加しました。(ミラーチップ氏)

CostcoのEC売上高の四半期ごとの増減率(前年同期比。出典:『Digital Commerce 360』によるCostcoの収益レポートチャート)
CostcoのEC売上高の四半期ごとの増減率(前年同期比。出典:『Digital Commerce 360』によるCostcoの収益レポートチャート)

第1四半期に約100万件を配送

EC売上のなかでも、ハードウェア、スポーツ用品、家具、ギフトカードのカテゴリーは特に好調で、いずれも前年同期比で2ケタ成長になったようです。

2024年9-11月期の期間中、Costcoのフルフィルメント部門を担うCostcoロジスティクスは100万件近い配送を行ったとロン・ヴァクリス社長兼CEOは説明。さらに、第1四半期決算発表前の1週間で、19万6000件以上の配送を完了したそうです。ヴァクリス氏によると、Costcoロジスティクスを利用するECの注文が市場シェア拡大につながっていると言います。

会員以外も利用できる「Costco Next」(買い物客がCostco製品のサプライヤーのECサイトから直接オンライン購入でき、Costco規模の割引が適用されるサービス)は、「サンクスギビング(感謝祭)」「ブラックフライデー」「サイバーマンデー」のセール期間中に「記録的な売り上げを達成した」とミラーチップ氏は説明しています。

米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』の調査によると、米国の消費者は「サンクスギビング」から「サイバーマンデー」までの5日間のセールで、410億ドル以上をECでショッピングしています。

リテールメディアに参入。初のキャンペーンで成果

Costcoは、他の量販店や食品・飲料小売店と独自のリテールメディアネットワークを立ち上げました。米小売スーパーマーケット大手のWalmart、Target、Kroger、Albertsonに追随し、Costcoも独自のファーストパーティデータを運用するマーケティング部門を設けました

Costcoのリテールメディアネットワークチームは現在、25のサプライヤーと協働しています。

リテールメディアネットワークは広告プラットフォームの一種。運用する小売事業者は、自社のデジタルチャネルの広告枠を第三者に販売することができます。この広告枠を購入する広告主は、ロイヤルティプログラムの情報など、小売企業の顧客に関するファーストパーティデータを利用して、広告のターゲットを絞ることができます。広告は、小売企業のWebサイト、モバイルアプリ、店舗内のスクリーンやディスプレイに掲載可能。リテールメディアネットワークを運用する小売事業者にとっては、リテールメディアネットワークが新たな収益源となります。

Costcoは第1四半期に、顧客ターゲットを絞ったリテールメディアネットワークキャンペーンを初めて実施しました。ミラーチップ氏によると、このキャンペーンはCostcoが通常想定している広告費用対効果(ROAS)の2~3倍を達成したそうです。

Costcoのリテールメディアネットワークは、野球にたとえるとまだイニングの序盤戦ですが、将来的に大きな成長につながると信じています。(ミラーチップ氏)

ミラーチップ氏は、リテールメディアネットワークを 「斬新なビジネスチャンス」と見ています。広告主となる小売業からリテールメディアネットワークに関心が寄せられるきっかけの多くは、小売業のマーケティング支援事業者だそうです。

Costcoのリテールメディア担当アシスタントバイスプレジデントのマーク・ウィリアムソン氏は、マーケティングニュースサイト「Marketing Brew」が2024年6月に配信した記事で、「Costcoのリテールメディアネットワークは、Costcoの会員にリーチするだけでなく、過去の顧客行動に基づいて、適切な理由から適切な消費者にリーチするお手伝いをします」と説明しています。

会員費値上げも現時点の影響は1%未満

ミラーチップ氏によると、コストコの会員費による売上高は11億6600万ドル。これは前年比7.8%増、8400万ドルの増加になります。2024年9月1日に実施した会員費の値上げ(ゴールドスター会員は60ドルから65ドル、エグゼクティブ会員は120ドルから130ドル)は繰り延べされた会計処理のため「まだ大きな影響はない」とミラーチップ氏は分析。「2025年第1四半期での影響は1%未満に過ぎない」と付け加えています。

米国とカナダでは、第1四半期の会員更新率は92.8%で、全世界では90.4%でした。

ミラーチップ氏によると、Costcoの第1四半期の有料会員数は7740万人で前年同期比7.6%増。そのうち1億3880万人が通常のカード会員(※編注:発行された会員カードの総数。Costcoでは家族カードは主会員1人につき1枚の追加カード、ビジネスアカウントは複数の従業員カードが発行できるので、カード会員数が有料会員数より多くなる)であり、前年比7.2%増となっています。

また、2025年第1四半期が終了した現在、Costcoの会員のなかで最上位の「エグゼクティブ会員」の数は3640万人で、前年同期比9.2%増「エグゼクティブ会員」は有料会員の46.8%を占め、グローバル売上高の73.1%を占めているそうです。

リアル店舗で特筆すべき実績

ヴァクリスCEOによると、米国内のフードコートで、Costcoは2024年10月末のハロウィーンにピザの販売数で新記録を樹立しました。Costcoは前年のハロウィーンと比べて21%増となる27万4000枚のピザを販売。その数週間後、第1四半期が終了した後、米国のベーカリー部門は「サンクスギビング」の3日前に420万個のパイを販売しました。

Costcoはこの第1四半期に7つの店舗をオープン。そのうち4店は米国外でした。第1四半期の終了後も、「サンクスギビング」の前日に、Costcoにとって897番目の店舗をカリフォルニア州Pleasantonにオープンしました。ヴァクリス氏によると、この店の開店初日の売り上げは、米国内のCostcoとしては過去最高の290万ドルでした。Costcoは2025年度(2024年9月~2025年8月)に29店舗の開店を見込んでいます。

Costcoはグローバルで897店舗、ECは8か国で運営

2024年11月末現在、Costcoはグローバルで897の店舗を運営しています。

Costcoは世界各国で店舗やECを運営している(画像はCostcoのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)
Costcoは世界各国で店舗やECを運営している(画像はCostcoのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)

そのうち617店舗は米国とプエルトリコに点在。残りの店舗は次の国です。

  • カナダ(109店舗)
  • メキシコ(41店舗)
  • 日本(36店舗)
  • 英国(29店舗)
  • 韓国 (19店舗)
  • オーストラリア (15店舗)
  • 台湾 (14店舗)
  • 中国 (7店舗)
  • スペイン (5店舗)
  • フランス (2店舗)
  • アイスランド (1店舗)
  • ニュージーランド (1店舗)
  • スウェーデン (1店舗)

Costcoが自社のECサイトを展開している国は以下の通りです。

  • オーストラリア
  • カナダ
  • 日本
  • メキシコ
  • 韓国
  • 台湾
  • 米国
  • 英国

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

ヤマト運輸、日本郵便に「ネコポス→クロネコゆうパケット」の委託スケジュール見直しを申し入れ。「全て停止」の一部報道は「遺憾」「間違った印象を与える」

11ヶ月 4 週間 ago

ヤマト運輸は12月18日、日本郵便株に対して「ネコポス」から「クロネコゆうパケット」への切り替えに伴う配達委託スケジュールの見直しを申し入れたと公表した。

ヤマトグループと日本郵政グループの協業がスタートしたのは2023年。ヤマト運輸は「クロネコDM便」を終了、日本郵便の配送網を活用した「クロネコゆうメール」を2024年2月に全国で発売した。

取扱個数約4億個(2023年度実績)で小さな荷物を宅急便レベルの翌日配達で届け先ポストに投函する「ネコポス」については、輸送・配達業務を日本郵便に委託することで合意。ヤマト運輸によると、2023年10月1日から発売した新サービス「クロネコゆうパケット」への切り替えを順次進めているものの、配達委託を進めるなかで、従前よりも消費者へ荷物を届ける日数が伸びてしまう事態が発生しているという。

この状況を解決するため、協業の主旨および基本合意書に基づき、日本郵便に対して「ネコポス」から「クロネコゆうパケット」への切り替えに関する配達委託スケジュールの見直しの申し入れを実施。真摯に協議を重ねているとしている。

日本郵便ではヤマト運輸との協業などにより、2024年4-9月期(中間期)の「ゆうメール」「ゆうパケット」の取扱数量は前年同期比で2ケタ増を達成。「ゆうメール」は同12.4%増の15億1500万通、「ゆうパケット」は同18.6%増の2億6000万個と取扱数量を伸ばしている。

ヤマト運輸は12月18日、日本郵便株に対して「ネコポス」から「クロネコゆうパケット」への切り替えに伴う配達委託スケジュールの見直しを申し入れたと公表
日本郵便の各商品の取扱数量(画像は日本郵政のIR資料からキャプチャ)

なお、「日本郵便への配送委託を全て停止すると打診した」とする一部報道については、「間違った印象を与える可能性のある一部報道が行われたことは誠に遺憾」とコメントしている。

瀧川 正実

販売促進や認知向上に役立つポップアップストア。ホテル、映画館などへの出店も「セールスプロモーション」につながるって知ってた?【メリット・出店費用などを解説】 | その道のプロが解説するポップアップストア出店の“いろは”

11ヶ月 4 週間 ago
セールスプロモーション形式のポップアップストアは、ホテルや映画館など、通行量の多さが最大のメリットであった従来の商業施設や駅ナカ以外での展開で、可処分時間の長い顧客との接点創出、ターゲット層に特化した効果的なブランド体験を提供できます。

カウンターワークスがマーケティング・宣伝・広報担当者に対して実施した「ポップアップストアに関する実態調査」では、2025年に強化したいマーケティング施策として3位にランクインした「ポップアップストア」。D2Cブランドや国内メーカーのポップアップストア出店用途として増加している「セールスプロモーション」に着目し、メリットや出店費用、費用対効果などを解説していきます。

ポップアップストアでセールスプロモーションを実施する目的

2024年9月にカウンターワークスが登録出店者を対象にした「リアル店舗の出店実態調査2024」において、ポップアップストアの出店理由の1位は「売り上げの向上」次いで「ブランド認知向上」「新規顧客の獲得」でした。

「ポップアップストア=商品販売」のイメージから、必ずしも出店場所での即時購買を求めないセールスプロモーション形式でのポップアップ出店も増加しているのです。

ポップアップストアでセールスプロモーションを実施する場合、限定感と希少性を組み込んだ体験型店舗を展開するのが一般的。次の3点の実現をめざすことが求められます。

  1. 話題性の創出:期間限定出店で注目を集め、SNSなどで拡散を狙う
  2. プレファレンスの向上:実店舗体験を通じて、ブランドの魅力を直接伝達し、ファンになってもらう
  3. 商品テストマーケティング:新商品を体験した来店者の属性や購買行動を分析し、今後のマーケティングに活用

それぞれ解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1. 話題性の創出

ポップアップストアは、「期間限定」であることが特徴です。ただ、最近ではポップアップストアという手法の認知度が高くなったこともあり、ただ実施するだけでは話題性の創出には結びつかないケースも見かけます。

今後のポップアップストアは、「期間における限定性」だけでなく、あらゆる角度で限定性を演出する必要があります

たとえば、インフルエンサーやアンバサダーを招いたオープニングパーティーや来店DAYなどのイベントの組み込み。メディアの注目を集める手法や話題、あるいは、SNSで思わず投稿したくなる店舗デザインや限定商品を準備し、来店者の体験談がSNSに投稿・拡散されることをめざす――こんな話題性の創出に取り組むといったことが求められます。

2. プレファレンスの向上

実店舗体験における最大のメリットは、商品を直接見て、触れ、感じることで、ブランドの品質や世界観を深く理解してもらえることにあります。

たとえば、日本酒ブランドを立ち上げてブランド認知を図っていく場合、日本酒というジャンルは知っているけれども自社ブランドをまだ知らないお客さまに対して、日本酒を飲みたくなる空間やタイミングで試飲体験をしてもらうイベントを企画。ブランド認知とプレファレンス向上の2つを同時に達成することを狙っていきます

3. 商品テストマーケティング

D2Cというモデルが一般化してきているなか、ブランドの新たなモデルや新商品の反響を確かめる手法として、ポップアップストア形式でのセールスプロモーションは有効です

来店者の反応を直接観察し、特典付きのアンケート回答を募ることによりリアルタイムでフィードバックを得ることができます。また、異なる商品の展示方法やプロモーション方法を試し、最も効果的なアプローチを見出すことができるA/Bテストのようなマーケティングを実施することも有りでしょう。

最近では、海外の飲食店ブランドやアパレルメーカーが、特定のエリアにてポップアップストアを実施した後、常設展を本格展開する流れが増えてきています

初出店におすすめのスペースタイプ

セールスプロモーションのポップアップストア初出店においては、以下のスペースタイプが適しています。

ホテル

ホテルの貸しスペースといえば、バンケットいわゆる宴会場におけるイベントがイメージしやすいですが、実はロビーや朝食会場、ホテル内のイベントスペースでポップアップストアのイベントを誘致をしているケースが増えています

ホテル内にポップアップストアを出店する最大のメリットは、可処分時間の長いお客さま向けに商品・サービスの体験、説明をする機会を創出できる点です。

通行量の多いスペース、たとえば駅構内の移動通路内や路上でのセールスプロモーションにおいては、すでにブランド認知のある日用品や飲料(路上でエナジードリンクをサンプリング)であれば、効果が望ます。一方で、ブランド認知をこれから高めていきたい、一目見ただけではどんな商品かサービスかわかりにくい場合、立ち止まってくれる人だけでもごく少数のケースが圧倒的です。。

しかし、ホテルはチェックイン後、食事・お風呂の時間以外はテレビ鑑賞以外に可処分時間を消化する手段がありません

たとえば、オーダーメイドシューズの試着会、宅食関連のサブスクリプションサービスの試食・試飲+会員登録クーポンの配布などのセールスプロモーションは、その場で売上回収は見込めないものの、プロモーション対象者内のプレファレンスが向上し、購買タイミングとなった際に第一想起されやすくなることが期待できるのです。

ホテルでのポップアップストアの実施イメージ
ホテルでのポップアップストアの実施イメージ

ショップインショップ

ショップインショップ形式の出店は、特定のイベントスペースではなく、アパレルショップやカフェの入口付近の一角で商品サンプリングや体験コーナーを設置します。

通行量の観点では多くの流入は望めませんが、ターゲットの属性がはっきりしている、ある特定の体験をするシーンで活用してもらいたい商品やサービスである場合には、セールスプロモーション後の見込み顧客化する確率が高い出店スペースと言えます

3D技術を使った木型(靴型)から左右別で個人専用に作るフルオーダーメイドシューズを製作している「crossDs japan」は、通りの多いスペースに出店しても、一見さんでは購入に結び付かない課題にぶつかりました。

そこで、通行量重視から想定顧客層である小さな子ども連れの母親をターゲットに、子ども服セレクトショップ内のショップインショップ形式で出店したところ、開催1ヶ月前に開始した予約受付が2週間ほどで満枠となりました。

映画館のロビー

映画館のロビーでも、実はセールスプロモーションが実施できます。映画館ロビーに滞留している映画鑑賞を目的に来場した人々は、上映前後の時間帯において可処分時間を持て余しているケースがあります

また、映画は対象の鑑賞者層や曜日別のシニア割引や学生割引といった制度もあるため、自社商品やサービスに合った顧客層がいるタイミングを狙ってセールスプロモーションイベントを実施できるメリットもあります。

出店費用はどのくらい? 費用対効果は?

セールスプロモーションに最適なスペースタイプをご紹介しましたが、気になる出店費用はいくらくらい掛かるのでしょうか?タイプ別にいくつかピックアップしてみます。

ホテル

  • 出店費用の相場:5000円〜1万円

出店効果

ホテルは出張による宿泊、旅行、ライブ参加のため等、立地によって宿泊理由が異なります。

出店したいホテルの宿泊客の属性を予めショップカウンターのページや問い合わせで確認したうえで、サンプリングや商品体験をベースとしたセールスプロモーションイベントを開催することで、チェックイン後の可処分時間を持て余した宿泊客と接触する時間を確保して、商品・サービスを体験してもらう、アンケート記入してもらう等の出店効果が望めます。

ショップインショップ

  • 出店費用の相場:5000円〜1万5000円

出店効果

ショップインショップで出店するカフェやアパレルショップの商品を購入したお客さまを中心に声がけすることで、ついで買いに近い感覚で商品・サービスの体験・アンケート記入・アプリダウンロードなどを促すことができます。

出店させてもらう先の店舗とのコラボで、購入した商品と特定のハッシュタグ投稿でノベルティグッズをプレゼントといった企画も開催すると、来店客によるUGCを活用することも可能です。

映画館

  • 出店費用の相場:2万5000円〜5万円

出店効果

映画館は商業施設内に併設されているケースが多いため、通行客も平日と休日で異なります。
平日はシニア層、休日はファミリー層やカップルを対象としたセールスプロモーションイベントを企画しましょう。
マンガ由来の映画上映時に電子マンガアプリや中古本買取・購入サービスのPR、アニメ映画の聖地を巡るツアープランのPR等、上映映画の来観者属性にあったセールスプロモーションイベントであれば、出店費用に対してエンゲージメントの高い顧客獲得につながり、出店効果も期待できます。

出店までに必要な準備

開催スペースを決めるまで

セールスプロモーションイベントの開催で、出店検討しているスペースにどのような属性の対象がいるか確認することが重要です。

ホテル、ショップインショップ、映画館はすべて本業の横でイベントを開催する形式のため、出店する区画や禁止行為は事前にしっかりと確認しましょう。

特に、BGMやイベント開催中のインスタライブなどは事前にスペースオーナーとコミュニケーションをしたた上で実施許可を得ましょう。それをしないと、ルール違反で即刻利用禁止となるケースもありますので、ご注意ください。

開催に必要な書類

セールスプロモーションイベントの場合、販売を伴わないイベントとなるため、必要な書類自体は多くありません。セレクトされたコーヒーが週替わりで届くサブスクリプションサービスをPRする目的での試食・試飲を伴うイベントの場合は、営業許可証が必要である場合があります。

  1. 本人確認書類
    • 法人の場合
      • 登記簿謄本・営業許可書・印鑑証明書等の公的書類の写し
    • 個人の場合
      • 優先順位の高い順に、以下いずれか1点の写し
        • 開業届・マイナンバーカード・免許証・健康保険証等の写し
  2. イベント実施履歴
  3. 営業許可証 
    • 営業許可:試飲・試食を伴うイベントの場合

オリオンビール社の事例

事例のポイント

  • キャッチ―なイベント名=ハッシュタグを準備し、UGC拡大
  • 大型連休中に遠い場所の臨場感を近場で味わえる企画設定を実現した空間を準備
  • 無料体験ながら商品のプレファレンス向上を自然に達成できるイベント設計

2024年のGW期間に開催されたオリオンビール社による「宮古島のビーチ」を再現した新感覚イマーシブ型イベント「秒で沖縄に行けるバー by Orion」。

オリオンビール社が実施した新感覚イマーシブ型イベント
オリオンビール社が実施した新感覚イマーシブ型イベント

沖縄に行きたいけれど行けない、映える写真が撮りたい、といった都内近郊のユーザーをターゲットに、イマーシブ(没入感のある)な沖縄空間を体験してもらうことを目的に企画したイベント。

旅行シーズンであるGWだけど旅行に行けていない × 旅行といえば「沖縄」という認知 × 沖縄のビールといえば「オリオンビール」という自然な流れで、イベント企画やコンセプトで設計しています。

初めてオリオンビールを体験する、沖縄で飲んだことはあるけどその後は飲んでいなかったなど、「オリオンビール」への認知度の差があっても、「#秒で沖縄」のハッシュタグを添えたSNSへの投稿およびプレファレンス向上につながるセールスプロモーションの好事例です。

まとめ

本記事では、セールスプロモーションイベントのポップアップストア展開における解説をしました。

セールスプロモーション形式のポップアップストアが新たなマーケティングチャネルとして台頭しています。

即時購買にこだわらず、商品体験とブランド理解の深化を重視し、ホテルや映画館など、通行量の多さが最大のメリットであった従来の商業施設や駅ナカ以外での展開で、可処分時間の長い顧客との接点創出や、ターゲット層に特化した効果的なブランド体験を提供できます

顧客LTVを意識した第一印象を決めるマーケティング手法として、ポップアップストアの出店に着目し、効果的な出店を通した事業成長の最大化に取り組んでいきましょう。

筆者からのお知らせ

筆者が所属するカウンターワークスでは、商業施設・路面店舗・駅・マルシェ・ギャラリーなど全国の出店スペースをかんたんに予約できる「ショップカウンター」を提供しています。

中原 祐一郎

商品数2370万点のモノタロウが検索システムの精度を向上。テキストから高い関連性を持つ商品リストを表示する独自システムとは?

11ヶ月 4 週間 ago

企業向けBtoB-ECサイト「モノタロウ」を運営するMonotaROは、データを数値化し類似度で検索する技術「ベクトル検索」を検索システムに導入、従来よりも探しやすく必要な商品をより短い時間で見つけることができるようにした。

ほぼすべての入力された検索ワードに対して、高い関連性を持つ商品リストを検索結果として表示することができる。

「モノタロウ」で取り扱う商品は商品数2370万点(2024年9月末時点)。「ベクトル検索」は、テキストや画像などのデータを数値に変換し、その似ている度合いで検索する技術。キーワード検索がテキストデータを文字列としてそのままサイト内で検索するのに対し、ベクトル検索はテキストの持つ意味に着目して似ているデータを効率的に見つけることができる。

「ベクトル検索」の導入に加えて、「モノタロウ」での取扱商品の情報、顧客の購買行動などの一次データの活用、顧客が入力したテキストからベクトルに変換するMonotaRO独自のモデルを構築したという。

「ベクトル検索」導入前後の検索結果の一例
「ベクトル検索」導入前後の検索結果の一例

MonotaROは「品ぞろえ」「マーケティング・セールス」「調達・サプライチェーン」「オペレーション」「データ・アルゴリズム」「ソフトウェア」の6つを競争優位性と定めている。2024年10月には、「データ・アルゴリズム」の競争優位性強化のため、データサイエンス部門を新設している。今後は、データサイエンス部門が中心となり、商品検索機能のさらなる精度向上やベクトル検索の大企業向けの購買管理システムへの導入などに取り組む。

ECを通じた購買では、顧客が探している商品を短時間で見つけられる「検索性」が重要と考えており、商品検索機能の強化は創業当初から20年以上にわたって力を入れているという。

検索システムはこれまでに、検索ワードと商品情報の持つ文字列情報が一致しているかを調べる「全文検索システム」、顧客の行動履歴などの解析によるMonotaRO独自のシステムを活用してきた。たとえば、顧客が「モノタロウ」登録時に入力した業種などの情報から、属性に応じた検索結果のカスタマイズを行っている。

高野 真維

「売上が伸びない」「閉塞感がある」「もうやり尽くした」――ECのこんな悩み解決できますか? EC解説本を上梓したコマースデザイン坂本さんに聞く【書籍プレゼントあり】

11ヶ月 4 週間 ago
ここ数年でEC市場は目まぐるしく変化し、企業を取り巻く環境は大きく変わっています。『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則』を上梓したコマースデザインの坂本社長に、ECの課題・悩み解決につながるヒントを聞きました

多くのEC実施企業さんと交流するなかで増えているのが、先行きを不安視する声。円安、物流問題、さまざまな原価や人件費の高騰、人手不足、IT技術の進歩、ECモールの複雑な仕様変更、気候変動、競争激化――ここ数年でEC市場は目まぐるしく変化し、企業を取り巻く環境は大きく変わっていることが背景にあります。

EC黎明(れいめい)期に楽天グループ(当時は楽天)でマーケティングなどに携わり、現在は多くのEC実施企業をサポートするコマースデザインの坂本悟史社長は、2024年10月に『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』(インプレス刊)を上梓。こうした環境下だからこそ、「次に進むためにはまず足元を整理することが重要」と提唱します。自身3冊目の著書となった“EC本”出版の背景やEC事業者へのメッセージなどを聞きました。※『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』の読者プレゼントを実施中。応募はこちらから

【3名さまにプレゼント】『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』

インプレスからEC運営の全体像を体系化した書籍が出版されました。『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』を3名さまにプレゼントします
11:00 5 2 0

EC事業を一歩進めるために「足元を見つめ直して整理する」

――累計2.6万部も売れた『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』(インプレス刊)を上梓したのが2010年(2013年にはマンガ版の『マンガで納得! インターネット販売 売れるネットショップ開業・運営』を出版)。それから14年が経過し、3冊目となる“EC本”を上梓しました。その背景を教えてください。

2010年の出版前後の時期は、商品をECサイトに掲載、メルマガを打てば“売れる”という状態でした。それから14年。昔と比べてECサイト運営において責任者も担当者もやるべき業務が増えて「時間が足りない」「忙しい」「最近煮詰まっている」「やるべきコトはやったが思うように伸びない」といった声が多くなり、それが原因で前進できないケースが増えているように感じています。

こうした状況に陥っている事業者に共通していると思われるのが、オペレーション、組織など「販促以外の課題」。まず足元を見つめ直して整理することで、いろいろな課題を解決できることがあるんです。黄色い本(『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』の通称)は販促をテーマにしましたが、今回の新書はEC事業・EC運営に必要なすべての要素を網羅しました。

集客・接客・追客というEC売上アップの基本から、MDと在庫管理・利益管理・販売管理や受注処理や物流などバックヤード効率化、チーム作り、中長期の商品開発・ブランディング、経営理念、経営計画まで、EC経営の各要素について「流れと関連性」がつかみやすいよう体系化しています。

これからのECビジネスは、販促テクニックだけでは根本的な問題は解決できません。販売施策を点検し、業務を見直し、独自商品の開発、販路開拓、組織・設備への投資が必要になります。「足踏み状態」のEC事業を“一歩前”に進むためには、一旦状況を整理し、改めてアクセルを踏んで、成長軌道に入り直す必要があると思い、今回の書籍を執筆しました。

『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』著者のコマースデザイン 坂本悟史社長
筆者のコマースデザイン 坂本悟史社長

EC事業改善に向けた4つのオススメポイントとは?

――どのような事業者、どんな人に読んでもらいたいですか?

ECに関わるすべての方におススメです! 経営者や責任者はECビジネスの学び直し、新人など担当者の育成、組織で仕事をする上でメンバー間の共通言語化などに活用してほしいです。特に、

  • 行き詰まっている」と感じている
  • できることははやり尽くした」と思っている
  • 業務が複雑化してどこから手をつけていいか混乱している

といった方には、現在の足元を整理するために読んでほしいですね。「ECサイト運営を十数年やっており、できることはやり尽くしたと思っていたが、本書を読んでやらなければならないことが20個見つかった」というレビューもありました。

ECビジネス全体を網羅しているため、バックオフィスなど地道な積み上げが必要な業務にも触れています。販促だけに目を向けるのではなく、地道な業務フローも見つめ直すことで改善のアイデアが浮かんでくるはずです。実はそういった業務の見直しが、大きな改善効果を生み出すことがあるんですよね。

網羅的にまとめられた本書を読むことで幾つかの作用があると思っています。1つ目が、人間ドックのようにECビジネス全体をチェックできること。人間は、自身が把握できる範囲だけで動きがちですよね。でも、知らないこと、地道なことを改めてチェックすることで、伸びしろの点検をできるわけです。

2つ目が「現状把握」。ECビジネスが複雑化してきているため、新しくECに携わる方、新人にとって自身が担当している業務、やろうとしている施策がどのような業務に該当するのか、それは何のために実施するのかわからないことがあるでしょう。複雑化しているECビジネスの運営で、その業務や目的などを理解、点検することに役立つはずです。

3つ目が、「自身が携わらない業務の理解」。たとえば、マーケターは商品登録、受注処理、物流は担当外のため、あまり深く理解していないケースが少なくありません。しかし、自身にとっては直接関係のない業務であっても、「どんな苦労があるのか」「どんな作業をしているのか」「各自の業務がどう結びついているのか」を理解することは、企業内でのコミュニケーションを円滑にするために重要なこと。全体のパフォーマンス向上に寄与できるはずでしょう。

そして4つ目が「共通言語化」。ECビジネスに関わるスタッフ全員が、共通言語の上で仕事をすれば、同じ目標の共有、相互理解、業務の効率化などを進めることができます。新人もベテランも、マーケターも物流担当者も、網羅的な書籍を読み、内容を共有することで、社内での共通言語化が進み、パフォーマンスのアップにつながるはずだと考えています。

売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。 EC業務のマンダラ図
本書でも触れているEC業務のマンダラ図。EC業務は、商品の製造・仕入れから始まり、販売・受注処理・出荷へと「つながっていく仕事」。各役割を理解すれば、流れがスムーズになると説明。この図の理解が重要と筆者は説いている

書籍内の考え方を取り入れて、行動することが大切

――書籍を読むことでどんなことを解決できると考えていますか。

読むだけではなく、考え方を取り入れて行動してもらうことが大切。その上で、「ECのスキルを身につけたい」「売り上げを伸ばしたい」「リーダーとして適格な判断をしたい」「仕事の効率をアップしたい」「明るい将来展望を描きたい」など、さまざまな課題を解決するのに役立つはずです。

ECのスキルを身につけたい・深めたい

データ分析、商品ページの見せ方など、人それぞれに苦手分野があります。本書はこういった「典型的な苦手科目」をわかりやすく解説。作業手順や最新情報より、長く使える「考え方・判断基準」に重点を置いているので、考え方が身につけば上司や先輩と同じ目線で議論できるようになるはずです。

売り上げを伸ばしたい

一通り施策は実行したが、思うように売れていないため、「何かやり残しがあるんじゃないか」と考える方は少なくありません。本書は重要施策を網羅しているので、“ざっ”と読めば「盲点」が見つかるはずです。実は、販売技術だけでなく、顧客心理の理解や新商品の開拓なども大切。伸びしろは常に視界の外にあります。

リーダーとして適格な判断をしたい

勘と経験だけでなく「セオリーを身につけて、的確な判断ができるようになりたい」という相談が寄せられます。EC経営の全体像を体系化し、典型的な成功と失敗のパターンを多く紹介しているので、自身の経験と結びつけることで「自分のノウハウ」を言語化できるようになるでしょう。

仕事の効率をアップしたい

ECビジネスの業務は複雑化していっています。その結果、「能率が悪く、長期的なことを考える時間が取れていない」というケースは少なくないでしょう。これは、すぐに解決できる課題です。まずは着手したいのは、業務整理と効率化・組織化による「余剰時間の確保」。リーダーが作業から解放されれば、事業成長につながります。本書では、年間計画や外注活用などさまざまなアプローチを紹介しています。

明るい将来展望を描きたい

目まぐるしく変わるEC業界で、「明るい未来をめざしたい」というのは多くの事業者が思うところです。まずは、気持ちの余裕と時間が必要です。特に中小事業者は、売り上げや利益だけではなく、自身の気分が“上がる”という得意な領域で成長をめざすことをお勧めします。戦略として、自社の強みを発見、新商品やブランディングの計画を立ててプロジェクト化し、実現する方法を解説しています。

ECビジネスを網羅的に解説した『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則』
ECビジネスを網羅的に解説した『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則』

“シンプルにわかりやすく”して、自社の優先順位を明確にする

――著しく変わるEC業界。事業者が継続的に事業運営していくにはどんなことが求められると考えていますか。

14年前と比べて、EC業界は大きく変化しました。当時は、商品登録やメールマーケティング、広告など、基本的な販促施策で売り上げ、そして利益を伸ばすことができました。現在は高度なオペレーションや組織作り、中長期的な戦略がなければ、業績を伸ばすことが難しくなっています。つまりいろいろなことが複雑化しているんですよね。

アプリをたくさん立ち上げるとPCやスマートフォンが重くなるように、業務も思考も範囲が広がると効率が悪くなります。認知負荷と言われる現象ですが、これを下げるもっとも効果的なアプローチが“シンプルにわかりやすくする”ことなんです。

ビジネス環境など大きな変化がこの十数年で起きて、認知負荷が高まっている経営者や責任者、担当者は少なくないはずです。その状態でECビジネスを続けてくと、生産性が下がっていくはずです。

“シンプルにわかりやすくする”ことのメリットは、優先事項が何かわかるようになることです。そのためにも、まずは足元の整理が重要なのです。本書は全体を把握・理解し、さまざまな課題を抱えている足元を整理、そこから自社にとって優先順位は何なのか? という物事をシンプルに捉え、答えを出すための一助にしてもらえる本です。ぜひ毎日のパートナーにしてください!

『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』には、本書を理解した「チャット形式のAI」が個別相談に対応する購入特典があります。 「こういう悩みがある」「これを知りたい」といった相談をすると、本書の内容に準じてAIがヒントを回答します。

「具体的にはどうすればいいの?」「自分の商品の場合は?」――こんな個別の課題に「AIコンサルタント」が回答します。無料で24時間使い放題。自社のECビジネスの課題・悩みに「いつでも」「どこでも」答えを提供する「AIコンサルタント」を活用してみてはいかが?

売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。 の購入特典 AIコンサルタント
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書籍発売を記念して、抽選で3名様に『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』をプレゼントします。ご応募はこちらから!

売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。

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坂本悟史 /コマースデザイン 著
インプレス 刊
価格 2,400円+税

ECの仕事を「販売・業務・組織・戦略」の 4 分類に整理。現代のEC販売はもちろんのこと、仕入れ・製造から受注・出荷までのEC業務、AIやリモートを活用したEC組織運営、商品開発やブランディング、会計や経営計画などのEC戦略までをカバー。経営者の学び直し、担当者の育成、組織の共通言語におすすめです。

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瀧川 正実

ノンエンデミック広告費、2024年は541億円

11ヶ月 4 週間 ago

Roktがデジタルインファクトと共同でノンエンデミック広告市場を調査。ノンエンデミック広告は、「リテールメディア広告の一形態であり、特定のECサイトやアプリ上で商品やサービスを販売していない企業が、そのECサイトやアプリ上に出稿する広告」と定義されている。2024年の日本のノンエンデミック広告費は前年比28%増の541億円の見通し。

Rokt、リテールメディアの新潮流を占うノンエンデミック広告市場調査を発表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000059870.html

noreply@blogger.com (Kenji)

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