ネットショップ担当者フォーラム

【通販・EC市場予測】「拡大」が53%、消費動向は「横ばい」44%。物価高による消費マインドの低下を懸念 | 通販新聞ダイジェスト

1 year 7ヶ月 ago
通販市場の今後の景況感と、消費動向の予測を通販実施企業にアンケート調査し、その回答結果をまとめた。市場は「拡大」多数も、消費動向は「横ばい」「下向き」の予測が多く、慎重な見方をしている企業が多く見られた

通販新聞社は7月、通販実施企業を対象に、今後の通販市場の予測と景況感に関するアンケート調査を実施した。それによると、「拡大する」と回答したのは53%で、前年同期の調査から15ポイントアップした。OMOやDXが市場拡大に貢献するとの声があった。一方で、今後の消費動向は「横ばい」と「下向き」で8割以上を占有。物価高の影響を受けた節約志向の高まりや消費マインドの変化を懸念する声が多かった。

通販実施企業に聞いた今後の通販市場の予想
通販実施企業に聞いた今後の通販市場の予想

市場予測は拡大派が多数

積極的な消費行動に期待

今後の通販市場の予測で「拡大」と回答した企業のコメントを見ていく。

「企業によって伸ばす企業と低迷する企業がより顕著になると予想。OMO施策やDX関連、インフラ投資の差によって顕著になる」(アダストリア)、「ECモールを中心に引き続き通販市場は伸長。広告はネット中心、OMO・DXなど各社デジタルの取り組みを強化していくトレンドは一層強まることが予想され、通販市場は一層活性化するとみている」(ファンケル)などの回答があった。

このほか、「Xでのバズりなどが再燃するなど、何らかのムーブメントが起こりやすくなっている。新しいものを求め、消費行動も含めて外への働きかけが積極的になる時代ととらえている」(バロックジャパンリミテッド)なども見られた。

「今後の通販市場をどう見るか」の回答を2023年と2024年で比較
「今後の通販市場をどう見るか」の回答を2023年と2024年で比較

価格比較のしやすさがEC利用を後押し

また、物価高に伴う消費行動の変化を指摘する声もあった。

家計負担増加の影響で、通販を利用して少しでも安価な商品を探すといった消費行動になるのでは。今夏の暑さの影響で外出を控えて通販で買い物をする消費者が増える可能性もある」(アプロス)、「市場価格のインフレにより商品購入価格が精査される。そうなると価格比較しやすいECへ流れる」(山善)などがあった。

参入企業の増加も市場拡大につながる。「新規参入が多い」(世田谷自然食品)、「大手が成長市場へエントリーしていることから、拡大する市場を育てるプレイヤーが増えていることを実感している」(ナッシュ)などがあった。

このほか「EC・通販の利用が定着化している」(アスクル)、「コロナ禍で通販市場が拡大した結果、ユーザー自体がその生活様式に慣れた」(イングリウッド)、「コロナ禍を通してEC利用の抵抗感が一気になくなり、日本にEC市場規模は拡大が継続。頭打ちの段階にない」(田中貴金属ジュエリー)があった。

「横ばい」派は物価高による買い控え懸念

一方で「横ばい」と回答したのは41%で、前年同期の調査から10ポイントマイナスだった。各社のコメントをみると、物価高の影響への懸念が広がっている。

「現状大きな変動を予想させる要因はない」(インペリアル・エンタープライズ)、「滑り出しは順調だが消費マインドを引き下げているのが懸念」(ロッピングライフ)、「コロナ禍の当時と比べて伸長は鈍化すると思われる」(ニッピコラーゲン化粧品)、「コロナによる巣ごもり需要が終焉し、物価高騰が個人消費を抑制する。

通販各社はコスパや希少性、アイデア性をうたった独自商品の開発や、タイムセールや広告宣伝を積極的に打つ。業界全体の顧客に対するアプローチの質は上がっている」(全日空商事)などがあった。

一方で、市場環境の変化を指摘し、「薬機法などの厳格化が進むことも予想されるため、需要が抑えられる」(第一三共ヘルスケアダイレクト)、「消費者の心理的要因(機能性表示食品やサプリへの信頼性)が払拭しきれない可能性がある」(八幡物産)、「リアルとの融合、OMOマーケティングがさらに重要になってくるのではないか」(HEAVEN Japan)などの声があった。

「縮小」は6%にとどまり少数派

縮小すると予想は6%で、前年同期の調査から5ポイントのマイナスだった。「物価の継続上昇による消費の停滞。物流業界の社会的要請に応える形での送料発生、送料値上げによる消費の躊躇購入回数の減少リアル店舗での消費シフトなど」(再春館製薬所)と多角的な指摘があった。また、「不景気、インフレに近い物価上昇」(オージーフーズ)といった声があった。

消費動向の予測は「横ばい」または「下向き」

「横ばい」派は前年比3ポイント増

今後の消費動向について聞いた。最も多い回答は「横ばい」で、前年同期の調査から3ポイントアップした。

主なコメントは「物価高による消費者の節約志向は高い」(アスクル)、「自社の調査で、食品の値上げが『家計に影響している』や『よりお得に食品を購入したいと思うようになったとする回答は昨年調査に続いて多数を占め、定額減税のような支援策を踏まえても節約志向は継続している」(クラダシ)、「夏場にかけて、さらなる物価上昇等の報道を受けて先行きの不安感による消費マインドの冷え込みが懸念される」(ロッピングライフ)などがあった。

今後の消費動向の予測
今後の消費動向の予測

また、「円安や物価高の影響はあるものの、一方で株高や企業の業績好調も相まって全体的に横ばい」(インペリアル・エンタープライズ)、「旅行やレジャーの消費意欲が高まっており、関連した便利グッズの需要の高まりがみられる。買い物の目的や動機がコロナ前、コロナ禍、コロナ後で変化しているが、消費ポテンシャル自体は上がっているとも下がっているとも言えない」(全日空商事)、「新型コロナウイルス感染症が沈静化され、経済活動が正常化。一方で物価上昇や中国経済の停滞などによる消費者の生活防衛意識の高まりもあり不透明な状況が続く」(ハーバー研究所)などがあった。

さらなる値上がりへの懸念も消費マインドに影響

賃金に対するコメントもあった。

賃上げ、定額減税、子育て世帯への支援拡充はありつつもこれまでの物価の値上がり、電気料金の値上がりで実質賃金増につながっているとは言い難い。さらに今後の値上がりへの懸念などから大枠での国内商動向は横ばいとみる。ただし商品・サービスの内容やお客さま層によって上向き、下向き、横ばいは異なる」(ファンケル)、「消費動向の上下は景気や賃金に連動するが、これは変化していない認識。消費のされ方や消費の行動先は変化していると考えており、宅配市場の消費行動が増えており、リアル店舗での消費動向は変化している」(ナッシュ)、「円安、物価高、賃上げ企業の少なさ、先行き不安は常に敏感になっている。安易には消費者は動かないが、一定のバズリや熱量には投資するという意味で横ばいかと考える」(バロックジャパンリミテッド)などがあった。

「下向き」派は前年比17ポイント増

「下向き」と回答したのは41%で、17ポイントプラスとなった。物価高の影響を懸念する声が目立った。「物価の高騰により節約志向が高まっている」(第一三共ヘルスケアダイレクト)、「家計を守ろうとする心理が強く働くのではないか」(アプロス)、「食料品をはじめ日常生活関連の値上げが続き実質賃金も低下しており節約志向が高まっている」(ヒラキ)、「物価高による生活防衛意識の高まりにより、1人当たりの購入単価が低下している」(日本生活協同組合連合会)などとする声があった。

「今後の消費動向をどうみるか」の回答を2023年と2024年で比較
「今後の消費動向をどうみるか」の回答を2023年と2024年で比較

消費者の商品選択への影響もありそう。「情報やものがあふれ、実質値上げも増えていることから消費者はより吟味してから購入するのでは」(HEAVEN Japan)、「機能性表示食品に対する不信感がふくらむ」(あじかん)、「機能性表示食品やサプリ摂取への不安により消費動向が下がっている」(八幡物産)などがあった。

「上向き」派は大幅ダウン、前年比半減

また、「上向き」と回答したのは15%。前年同期の調査から14ポイントマイナスとなっており半減した。主なコメントは「多種多様な商品展開がみられる」(てまひま堂)、「賃金の上昇」(テレビショッピング研究所)などがあった。

また、節約志向の高まりを指摘しつつ「当社の顧客層の購買意欲に翳りはない。将来への不安からくる貯蓄や投資への関心が貴金属製品の購入につながる傾向があり、貴金属市場における消費動向は消費が継続するとみている」(田中貴金属ジュエリー)との声があった。

なお、アンケート調査は2024年7月に実施した。「第82回『2024年夏季特集号』通販・通教売上高調査」内で行った。設問に対し当てはまる項目にチェックを入れてもらい、その理由を聞いた。今回は回答を分類し、主なコメントをまとめた。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
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「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

デジタルサポート価値ランキング、1位はヤマト運輸で価値換算は194億円、2位は楽天カード、3位はPayPay

1 year 7ヶ月 ago

デジタルマーケティング支援などを手がけるトライベックの調査・分析機関であるトライベック・ブランド戦略研究所は、「顧客サポート調査2024」の調査結果から「デジタルサポート価値」ランキングを発表した。ランキングの1位はヤマト運輸で、「デジタルサポート価値」は193億9800万円だった。

「デジタルサポート価値」は、企業のデジタル上でのサポートについて、利用頻度や問題解決率などから「問題解決回数」を推定。デジタル上でのサポートがなかったと仮定し、発生したであろう費用をコールセンターにおける電話対応コストとして金額換算したもの。企業側が享受した経済的メリットを示す価値となる。

ランキング1位のヤマト運輸は、企業サイト、公式アプリ、LINE公式アカウントなどさまざまなデジタルツールを用いて、利便性が高いサービスを提供。荷物の「再配達」「集荷依頼」、「お届け予定通知」「置き配指定」「送り状作成」「アプリでの運賃支払い」といったサービスが利用できる会員組織「クロネコメンバーズ」の登録数は5700万人を超えている。デジタルサポートのみで問題が解決できた割合を示す「問題解決率」は9割に迫る。

「デジタルサポート価値」の2位は楽天カード、3位はPayPayだった。

デジタルサポート価値ランキング<総合ランキング上位20企業・サービス>
デジタルサポート価値ランキング<総合ランキング上位20企業・サービス>

このほか、航空会社、クレジットカード、銀行、携帯電話会社といった分野でデジタルサポート価値が向上している。これらの分野の共通点は、公式アプリの利用率が上昇していること。登録・利用情報の確認といったサポート情報、キャンペーン告知、ポイントサービスの提供など、既存顧客とのコミュニケーションを強化。ロイヤルティ向上のためのツールとしてアプリを活用しており、利用率増加につながっていると見られる。

調査概要

  • 調査時期:2024年6月3日~18日
  • 調査方法:インターネットを通じたアンケート調査
  • 回答者プロフィール:企業・サービス別に抽出したデジタルメディア(公式サイト、公式アプリ、LINE公式アカウント)を通じたサポートおよびコールセンター利用経験者(20歳~69歳)
  • 有効回答数:1万人
  • 調査対象企業・サービス数:123
松原 沙甫

ジャパネットが元社員の出戻り転職「ウェルカムバック採用」を強化する理由+現在の働き方

1 year 7ヶ月 ago

ジャパネットたかたの持ち株会社であるジャパネットホールディングスは、中途採用において元社員を対象とした「ウェルカムバック採用」を強化する。元従業員を対象にした選考ルートを用意、即戦力の人材確保につなげていく。

「ウェルカムバック採用」では、専用の応募フォームをから検討段階や選考前でのカジュアル面談を実施。再雇用を検討する上で必要な疑問やギャップを解消し、応募者・会社がともに良い関係で働き続けることができる選考ルートを用意する。

「ウェルカムバック採用」の対象は、元従業員がキャリアを重ねていくなかで出産・育児・介護などのライフイベント、転職・留学などのキャリアアップなどを理由に退職した元従業員。培った知識や経験・スキルを生かして活躍してほしいという思いから「ウェルカムバック採用」制度を設けた。

こうした制度を活用することで雇用安定化させ、お客さま・お取引先さまにさらなる価値を還元できるよう進めていく。(ジャパネットホールディングス)

ジャパネットグループは「人生の大部分を占める会社という場所で、社員1人ひとりが心もからだも健康な状態でいきいきと働くことのできる環境を大切にしている」と説明。現在、次のような就業ルールやサポート体制を設けて、従業員のキャリアアップやワークライフバランスに配慮した働き方を推進している。

勤務環境においては、①週3日のノー残業デー②11時間の勤務間インターバル制度③業務用PCの持ち帰り禁止、自宅での業務禁止④最大16連休が取得できるリフレッシュ休暇――をルール化。

子育て支援では、3人目以降の子どもの出生に際し、お祝い金10万円~100万円を支給。さらに、中学校就学前まで利用できる育児短時間勤務や時差出勤制度を用意している。

社員の健康面では産業医・保健師が在籍し、いつでもすぐに健康相談ができる環境を提供。一般の健康診断の他、希望者にはオプション検診も無料で対応している。

育成・研修制度では、正社員・契約社員を対象に、業務時間内に受講できるExcelスキルや子育て研修など多彩な選択式研修を用意。資格取得時のお祝い金支給制度もある。

ジャパネットたかたの持ち株会社であるジャパネットホールディングスは、中途採用において元社員を対象とした「ウェルカムバック採用」を強化する。元従業員を対象にした選考ルートを用意、即戦力の人材確保につなげていく
ジャパネットグループの働き方の例

 

松原 沙甫

阪急交通社の1to1コミュニケーション成功事例。アフターコロナの旅行ニーズを拡大させるオンライン接客術とは | 次世代コマースの新潮流「Cコマース」を読み解く

1 year 7ヶ月 ago
会話を起点とした購買行動を促す「Cコマース」を展開する企業や有識者に、取り組みや成果をインタビューする連載。今回は阪急交通社に、成功につながった施策を聞く。ホストは、EC事業者のマーケティング支援を手がけるMicoworks【第3回】

コロナ禍を経て旅行目的や生活者の情報収集経路が変化するなか、老舗旅行代理店の阪急交通社は顧客の行動変容とニーズに合わせたデジタルコミュニケーション施策に取り組んでいます。EC事業者のマーケティング支援を手がけるMicoworksは、阪急交通社でオンラインマーケティングを担当する宇和川匠氏(DX戦略事業本部 ウェブ戦略部 ウェブ戦略2課課長)に取材。「Cコマース(会話型コマース)」を活用した顧客コミュニケーションに取り組む阪急交通社の成功事例を掘り下げます。

シニア世代のデジタル化を受けてECを推進

Micoworks:まずは事業概要を教えてください。

宇和川匠氏(以下、宇和川氏):阪急交通社は、1948年2月22日に創業した旅行会社です。店頭販売を主力とする同業他社と異なり、私たちは創業当初から雑誌や新聞、会員誌、ダイレクトメール(以下、DM)による専門カタログなど、紙媒体による通信販売を主軸として消費者に旅行のパッケージ商品、ツアー商品を販売してきました。

主要顧客層は60代~80代のいわゆるシニア世代で、添乗員つきのツアーに強みがあります。出発から帰着までの旅行行程の管理や現地でのトラブル時のフォローなど、「国内外関係なく安心して旅行ができる」とお客さまからはご好評いただいています。

阪急交通社の公式ECサイト
阪急交通社の公式ECサイト

Micoworks:宇和川氏が日々取り組まれているEC業務を教えてください。
宇和川氏:私はウェブ戦略部に所属し、西日本発着商品のWebサイトでの商品管理、商品アップデートなどのメンテナンスや、メルマガ・LINEの運用などを担当しています。

Webサイト経由での予約は年々増えてきています。現在では予約全体の60%がWebサイトです。将来コアなお客さまとなる、40代から50代の顧客層はITリテラシーが高いので、阪急交通社としてもデジタルマーケティングに注力し、オンラインでの接点を拡充しているところです。

株式会社阪急交通社 DX戦略事業本部 ウェブ戦略部 ウェブ戦略2課 課長 宇和川 匠氏
株式会社阪急交通社 DX戦略事業本部 ウェブ戦略部 ウェブ戦略2課 課長 宇和川 匠氏
1991年阪急交通社に入社。20年にわたり情報システム部門で基幹システムの構築、ネット決済導入、顧客データの統合管理とCRM推進を担当。2013年に同社現ウェブ戦略部に異動。自社ECサイト阪急トラベルコムの管理運営、Web広告を含めWebマーケティング全般に携わる。2017年に自社オウンドメディア「たびこふれ」立ち上げメンバー、同メディアのライターとして旅行関連記事も執筆している。2019年4月から同部のウェブ販売部門部署にて主に西日本発地旅行商品のウェブ販売シェアアップのための施策を実践している。

体験、レジャー型の引き合いが増加

Micoworks:現在の旅行業界はどのような状況でしょうか。
宇和川氏:アフターコロナの現在、コロナ禍での外出自粛の反動で、旅行需要はコロナ前に戻りつつある状況です。今までと異なるのは、「北海道周遊 7日間」というような観光地を重視した周遊ツアーよりも「雪まつりを見に行きたい」「冬の沖縄で花火がみたい」「東北三大祭りに参加したい」など、レジャーやイベントを楽しむ体験型ツアーの人気がでてきました。

海外向けの旅行プランも同様に、メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手の試合を応援する野球観戦ツアー、民放テレビ局が放送した人気ドラマのロケ地を巡るモンゴルでの年越しツアーなども大きな反響があります。

コロナ禍前後でお客さまの価値観や行動が変化し、観光地中心で選ぶのではなく「どのような体験がしたいか」「どのような体験ができるか」に価値をおいて旅行先を決める方が増えました。そのため、会社としてもラグジュアリーな体験ができる旅、長期滞在を楽しむ旅、1人でのリラックスタイムを満喫する旅といった特化型の商品ラインアップを強化しています。

レジャーやイベントを楽しむ体験型ツアーの引き合いが高まっている
レジャーやイベントを楽しむ体験型ツアーの引き合いが高まっている

Micoworks:こうした市況を踏まえ、マーケティングや顧客コミュニケーションで課題に感じることはありますか。

宇和川氏:阪急交通社の主要顧客層は60代から80代のシニア層ですので、従来は紙媒体を通じた通信販売に注力してきました。今は幅広い年代の方がスマホを使いこなす時代。また、コロナ禍を経てWeb上での購買行動が活性化しています。次なる主要顧客となる40代後半から50代の顧客層に向けてデジタル上のコミュニケーションを充実させ、利便性向上を計りながら、1人ひとりの旅行動機に応じた旅行プランを提案する必要があると強く感じていました。

「Cコマース」で個別最適なコミュニケーションを設計

Micoworks:消費行動の変化に対し、阪急交通社はどのようなコミュニケーション施策で対応してきましたか。

宇和川氏:お客さまの行動変容に合わせて、顧客コミュニケーションの比重をデジタル中心に変えていく必要がありました。そこで、新たな顧客層との接点拡大を見据え、DMやメルマガに加え、個別に最適なコミュニケーションが実現できるLINEを活用したCコマースに注力することにしたのです。

宇和川氏は顧客の行動変容に合わせたコミュニケーション設計を重視している
宇和川氏は顧客の行動変容に合わせたコミュニケーション設計を重視している

Micoworks:阪急交通社ではプッシュ型のコミュニケーション手段を多数展開しています。それぞれどのように運用されていますか。

宇和川氏:デジタルでお客さまとつながるプッシュ型のチャネルは、メルマガ、LINE、アプリがあり、それぞれの特性を生かしたコミュニケーションを取っています。

主要なプッシュ媒体であるメールマガジンは、おすすめ商品やキャンペーン告知などなるべくこまめに、配信回数を多めにして情報をお送りしています。

LINEはお客さまにブロックされないよう興味を持ち続けてもらえるような情報を配信回数を絞って送信しています。

アプリは、ダウンロードしてもらうハードルがあるものの、ダウンロード後はアプリ特有のプッシュ通知で目を引くことができるので、アプリを毎日開いてもらう仕掛けも含め運用しています。

Micoworks:配信にあたり、どのチャネルでも共通して気を配っていることなどありますか。

宇和川氏:全てのプラットフォームで配信コンテンツをそろえています。どのお客さまでも、自身のアクティブなチャネルで情報を受け取り、興味を喚起し、行動に起こすことができるようにという意図です。

今は多くのチャネルがあり、自分にとって最適なツールを選べる時代。ですから、デジタル上で複数の接点を用意して、どこからでも同じ情報が受け取れるようにしています。旅行商品には発地の概念がありますので地域ごとに商品をお届けしています。

LINE経由の売り上げがアップ

Micoworks:具体的にはどのようにLINE公式アカウントを活用した「Cコマース」を取り入れていますか?

宇和川氏お客さま1人ひとりに合わせた個別最適な情報を継続的に配信しています。たとえば、全国で実施しているキャンペーン情報や、お客さまの居住地と興味関心に合わせた商品紹介などです。

公式アカウントは以前は30以上あったのですが、それらを1つに統合。新たなアカウント名「阪急交通社【公式】」として2023年11月にリスタートしました。「Cコマース」という新たな取り組みを実施するには、まず、会社全体で足並みをそろえ、戦略やフロー、運用体制を整える必要があったからです。

統合前のアカウントでは、各アカウントごとに友だち獲得や販売チャネルとしての取り組みに大きなばらつきがありました。

そのため、情報がきちんと届いているお客さまと、情報が行き渡っていないお客さまが存在する状況となり、顧客コミュニケーションが統一できていない状況がありました。

2023年11月にリスタートしたLINE公式アカウント
2023年11月にリスタートしたLINE公式アカウント

Micoworks:LINE公式アカウントによる「Cコマース」を行うようになってからは、どのような変化を感じていますか?

宇和川氏「Cコマース」の本格的な運用を開始してからはLINE公式アカウント経由の月間売上が増加しています。LINE公式アカウントの友だちも順調に増えています。当社のコア顧客層からも友だち登録をいただいています。

LINEでの接点を増やすことで確実に売り上げにつながることが改めてわかりました。また、社内でも1つの目標に向かってまとまることができました。活用することで社内外、どちらにもポジティブな効果が生まれているのです。

デジタル上の会話を通して顧客ニーズを把握し、より良い商品を提供したい

顧客との対話を起点とした商品開発をめざす

Micoworks:今後の展望、そこに向けたCコマース活用について教えてください。

宇和川氏スマートフォンで完結するデジタル接点拡大をより強化する方針です。もう1つ、阪急交通社は関西エリアにメインの拠点を置く会社ではありますが、地域やエリアに関係なく、全国ベースで認知拡大を強化していきたいと考えています。

実現には個別最適なコミュニケーションでお客さまの声を拾い上げ、商品開発に生かし、1人ひとりのニーズに合わせた情報発信と商品提供をしていくことが欠かせません。

オンラインマーケティングを業務の主とするDX戦略事業本部は、店舗における対面での接客機会が少ない分、必ずお客さまの声に耳を傾け、施策の振り返りを行い、商品をアップデートし続けてきました。

今後も時代の流れとともに、お客さまが旅行商品に求める価値も変わっていくでしょう。対話を通して、より多くのお客さまの本音を細かく拾い上げることができるのは「Cコマース」の最大のメリットです。

お客さまからの反響があれば継続しながら、そこへ新たなチャレンジを組み込む。お客さまの声から新たな商品を開発する。そうすることで、これからもよりお客さまの人生を豊かにする旅行体験をお届けしていきたいです。

Micoworks

消費者はどんなポイントプログラムを求めるのか? 9割の消費者が「ポイントためている」。クレカのポイントが68.5%で最多

1 year 7ヶ月 ago

CRM支援を手がけるフュージョンとWebリサーチなどのネオマーケティングが実施した「ポイントプログラム設計・導入後運用の課題実態調査」によると、9割以上がなんらかのポイントをためていると回答し、なかでもクレジットカードのポイントをためているユーザーが最も多かった。

調査は7月9日~10日にネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用してインターネット調査した。対象はポイントプログラムに参加している全国の20歳以上、69歳以下の男女。1000人から有効回答を得た。

現在ためているポイントの種類についての質問では、9割以上がなんらかのポイントをためていることがわかった。内訳は、「クレジットカードのポイント(アプリ含む)」が68.5%で最多。次いで、「オンラインショッピングサイトのポイント」(54.7%)となった。実店舗関連のポイントでは「小売店のポイントカード(アプリ含む)」は44.1%、「飲食店のポイントカード(アプリ含む)」は23.5%、「サービス業のポイント(美容院、フィットネスなど)」は16.3%と、利用割合にばらつきが見られた。

CRM支援を手がけるフュージョンとWebリサーチなどのネオマーケティングが実施した「ポイントプログラム設計・導入後運用の課題実態調査」
「ためているポイントはない」は9.9%にとどまった

利用しているポイントサービスの満足度についても聞いた。「非常に満足している」(13.2%)「満足している」(50.8%)を合算すると64.0%と半数を超えた。「非常に不満がある」(1.1%)「不満がある」(5.9%)という不満の割合は7.0%にとどまった。不満の理由の自由記述では「還元率が悪い」「コロコロと付与条件が変わる」といった声があがった。

CRM支援を手がけるフュージョンとWebリサーチなどのネオマーケティングが実施した「ポイントプログラム設計・導入後運用の課題実態調査」
6割超がポイントサービスに満足と回答

新しいポイントサービスへの参加意向についても調査した。「何があれば新しいポイントサービスに参加したいと思うか」という質問では、「ポイントが貯まりやすいなら参加したい」が全体で63.1%とトップ。次いで「ポイントの有効期限が長く、自由度が高い」(40.9%)「コストがかからない」(40.8%)「ポイントの利用先が多い」(40.7%)が続いた。男女別の傾向では、女性では前述した項目以外に「定期的に利用する店舗なら参加したい」(40.8%)や「特典やサービスが魅力的なら参加したい」(36.8%)にも一定数集まった。

CRM支援を手がけるフュージョンとWebリサーチなどのネオマーケティングが実施した「ポイントプログラム設計・導入後運用の課題実態調査」
新たなポイントサービスに求められるのは「たまりやすさ」

どのようなサービスや特典があると好感度が高まるかについても聞いた。「ポイントや現金の還元がある」が77.1%で断トツトップ。続いて「個人情報の管理がしっかりしている」(33.0%)となった。「何があれば新しいポイントサービスに参加したいと思うか」の質問では、特典・サービス・ポイントの利用先の多さより重視度が下回っていたセキュリティ面だが好感度の部分では重要視された。男女別の傾向としては、女性の方がセキュリティ性の高さに好感を抱きやすく50代女性の場合は51.0%にのぼった。

CRM支援を手がけるフュージョンとWebリサーチなどのネオマーケティングが実施した「ポイントプログラム設計・導入後運用の課題実態調査」
ポイントサービスの好感度を高める要素としてはセキュリティ関連が上位に入った

「ポイントサービスを通じ、思いがけない発見・良い体験をしたことはあるか」という質問では「ある」の回答が23.8%となった。「知らない間にポイントがたまっていく」「欲しかったものが交換対象品だった」「気になっていた商品のクーポンがたまたまあり、購入してみたらとても良くて、継続購入することにした」といった声があがった。

CRM支援を手がけるフュージョンとWebリサーチなどのネオマーケティングが実施した「ポイントプログラム設計・導入後運用の課題実態調査」
5人に1人がポイントサービス通じて「思いがけない発見・良い体験」
鳥栖 剛

ポップアップストア出店、4割超が新規獲得・売上向上・認知向上に効果。ECへの好影響実感は6割

1 year 7ヶ月 ago

ポップアップストア出店支援プラットフォーム「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を運営するCOUNTERWORKS(カウンターワークス)はが実施した「リアル店舗の出店実態調査2024」によると、ポップアップストア出店者の4割超が新規獲得・売上向上・認知向上に効果があったと回答、また約6割がECサイトへの好影響を実感していることがわかった。

調査は年8月7日から26日にインターネット調査を実施。「SHOPCOUNTER」利用企業の101人から有効回答を得た。

ポップアップストア・催事の出店場所で重視するポイントを尋ねた質問では、「出店コスト」(81.2%)が最多。「人通りの多さ」(77.2%)「ターゲット顧客の流入」(54.5%)「ショッピングモールや商業施設」(41.6%)と続いた。

ポップアップストア出店支援プラットフォーム「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を運営するCOUNTERWORKS(カウンターワークス)はが実施した「リアル店舗の出店実態調査2024」
「出店コスト」と人流が最重視するポイント

ポップアップストア出店の理由については、「売上の向上」が71.3%と最多。その後に続いた「ブランドの認知向上」(59.4%)、「新規顧客の獲得」(57.4%)も6割近い回答があがった。

ポップアップストア出店支援プラットフォーム「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を運営するCOUNTERWORKS(カウンターワークス)はが実施した「リアル店舗の出店実態調査2024」
出店理由トップ3は「売上向上」「認知向上」「新規獲得」

ポップアップストア出店の効果についても聞いたところ、1位は「新規顧客の獲得」(51.0%)。2位は「売上の向上」(49.0%)、3位は「ブランドの認知向上」(42.9%)と続き、出店理由とおおむね対応した結果に。当初の期待に合致した効果を得られていると言えそうだ。なお、「効果はなかった」の回答は6.1%だった。

ポップアップストア出店支援プラットフォーム「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を運営するCOUNTERWORKS(カウンターワークス)はが実施した「リアル店舗の出店実態調査2024」
出店効果はおおむね出店理由に対応した結果に

ポップアップストア施策のECサイトへの影響についても聞いた。「特に影響はなかった」が38.5%と最多だったが、6割は何らかの好影響を感じている。具体的には、「アクセス数が増えた」(37.5%)が最多、「売上が増えた」(29.2%)が続きポップアップストアとECとの相乗効果を実感しているようだ。

ポップアップストア出店支援プラットフォーム「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を運営するCOUNTERWORKS(カウンターワークス)はが実施した「リアル店舗の出店実態調査2024」
6割がポップアップストア出店がECに好影響

ポップアップストアの集客方法は、「インスタグラム(通常投稿)」が86.1%と圧倒的に多かった。「X(通常投稿)」(25.7%)、「Facebook(通常投稿)」(20.8%)も上位となり、SNSの通常投稿をメイン集客法とするなど、広告費をあまりかけない傾向がみられた。

ポップアップストア出店支援プラットフォーム「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を運営するCOUNTERWORKS(カウンターワークス)はが実施した「リアル店舗の出店実態調査2024」
ポップアップストアへの集客は各SNSの通常投稿が主となった

今後のポップアップストアの出店希望頻度について聞いたところ、「毎月」(36.5%)の回答が最多。次いで「2~3か月に1回」が28.1%、「不定期」での出店希望も約2割だった。

ポップアップストア出店支援プラットフォーム「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を運営するCOUNTERWORKS(カウンターワークス)はが実施した「リアル店舗の出店実態調査2024」
半数超が数か月に1回以上の頻度でポップアップストアの出店を希望

今後の常設店・直営店の出店意向については「すでに出店している」、「今後出店の予定はない」を除くと、約半数に出店意向がある。具体的な時期の内訳は「いつかは出店したい」(24.7%)といった時期が未定のものが最多。次いで「半年以内」(17.2%)、「1年以内」(8.6%)となり、25%が目標の出店時期を見定めていることがわかった。

ポップアップストア出店支援プラットフォーム「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を運営するCOUNTERWORKS(カウンターワークス)はが実施した「リアル店舗の出店実態調査2024」
半数超が常設店・直営店の出店意向あり

本調査の結果について阪南大学で総合型商業施設・商業集積におけるインキュベーションを研究テーマとしている池澤威郎教授が解説。「催事の出店では負担軽減と出店目標の達成とがある程度実現できているとみられ、営業支援や出店コスト削減の努力といった出店経験者に対するサポートの充実化という次なるステップにきているものとみられる。常設店舗については課題の洗い出しや負担軽減の対象のピックアップがまだまだ重要な段階とみられる」と総括した。

鳥栖 剛

CPA高騰時代を乗り越える! EC集客の課題を解決する「インフルエンサー」×「広告」メソッド

1 year 7ヶ月 ago
新規顧客獲得に悩むEC事業者必見! CPAを抑えつつ売り上げを最大化する、インフルエンサーマーケティングの最新手法を専門家が徹底解説
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EC事業者にとって新規顧客の獲得は大きな課題。「集客をしたいが最適な手法がわからない」「CPA(Cost per Acquisition、Cost Per Action)を改善したい」こんな悩みを持つEC事業者も多いはずだ。CPAを最適化しながら新規顧客を獲得するにはどうすれば良いのだろうか。さまざまな企業のデジタルマーケティングを支援しているPLAN-Bの岡田清亮氏が、新規顧客を獲得して売上拡大をめざすSNSマーケティングについて解説する。

ECで一番の課題は「新規顧客の獲得」

EC運用の悩みに関する調査結果(ネオマーケティングが実施)によると、「ECサイト運用について課題に感じていることは?」という質問に対して、「新規顧客獲得」(15.9%)「運用リソース不足」(14.5%)「サイト集客」(13.6%)という回答が多かった。

ECサイト運用者が感じている課題(出所:ネオマーケティング「EC運用の悩みに関する調査」2021年1月25日)
ECサイト運用者が感じている課題(出所:ネオマーケティング「EC運用の悩みに関する調査」2021年1月25日)

別の調査(SUPER STUDIO実施)では、「新規顧客獲得単価(CPA)は高騰していると感じるか?」という質問に対し、19.3%が「高騰していると感じる」、47.2%が「やや高騰していると感じる」と回答。およそ7割の事業者がCPAの高騰を実感している。

新規顧客獲得単価(CPA)が高騰していると感じている割合(出所:SUPER STUDIOが2023年6月に実施した「EC/D2C事業者のマーケティング活動における実態調査」)
新規顧客獲得単価(CPA)が高騰していると感じている割合(出所:SUPER STUDIOが2023年6月に実施した「EC/D2C事業者のマーケティング活動における実態調査」)

新規顧客獲得を実現するペイドメディア+アーンドメディア

企業が集客の手段として利用できるネット上の媒体は、「PESO(Paid、Earned、Shared、Owned)」の4つに分類できる。

  1. Paid:ペイドメディア……広告出稿スペースに対価を支払って掲載する通常の広告
  2. Earned:アーンドメディア……口コミやSNSなどにおける、消費者やインフルエンサーによる発信、UGC(User Generated Contents)
  3. Shared:シェアードメディア……アーンドメディアのうち、SNSのシェア機能を利用した発信
  4. Owned:オウンドメディア……公式アカウントやブログなど、自社でコントロールできるメディア

すでに多くの企業がペイドメディア、オウンドメディアの運用に取り組んでいるが、このうち、自社の公式アカウントやブログなど、オウンドメディアでリーチできるのは、その多くがブランドやサービスをすでに知っているユーザーだ。そのため、公式アカウントで既存のフォロワーに発信するだけでは、新規顧客の獲得は難しい

Instagramのリーチの平均は10%~20%程度と言われている。1万人のフォロワーがいても投稿を見てくれるのは1000人から2000人の「すでに知っている人」だけ。自社の発信だけだと、リーチや認知を広げて新規の人に知ってもらうのはかなり難しい。(岡田氏)

PLAN-B Cast Me!事業部 フィールドセールスユニット リーダー 岡田清亮氏
PLAN-B Cast Me!事業部 フィールドセールスユニット リーダー 岡田清亮氏

Instagramのリーチはコンテンツの質、フォロワー数、ハッシュタグの使用や投稿時間など、さまざまな要因に影響される。そのため、一概には言えないが、岡田氏によるとリールのコンテンツの品質が高ければ再生数が伸びやすく、拡散力は高いという。ただし、動画を作成するにはリソースや費用の問題があり、クリエイティブ作成へのハードルも高い。

投資効率の高いインフルエンサー×広告

そこで岡田氏が提案するのは、アーンドメディアである「インフルエンサーの投稿」とペイドメディアである「通常広告」を組み合わせてリーチを広げる手法だ。「インフルエンサー×広告」は、インフルエンサーの作った広告感の低い自然な口コミ性のあるクリエイティブで、商品の良さをたくさんの人に知ってもらおうという施策だ。

新規獲得には、「インフルエンサー×広告」の最適化が重要
新規獲得には、「インフルエンサー×広告」の最適化が重要

この方法でCPAの最適化、CVRの向上、ひいては売り上げの最大化につながった事例がすでにある。

PLAN-Bのお客さまであるジュピターショップチャンネルでは、インフルエンサーのリールを広告に二次活用することで、CTRの向上やCPAの減少、クリエイティブ制作の工数削減を実現しただけでなく、売り上げ4倍を実現した。(岡田氏)

ジュピターショップチャンネルでは1商品に対して3人のインフルエンサーを起用し、それぞれのインフルエンサーにリール動画を投稿してもらい、その投稿をすべてInstagram広告に出稿した。1週間程度でABテストを繰り返し、PDCAを回したところ、数か月で売り上げが約4倍に伸び、これまで売れなかった商品が一気に売れるようになったなどの効果を得た。

ジュピターショップチャンネルの事例
ジュピターショップチャンネルの事例

なぜインフルエンサー投稿の二次活用が高い成果をあげるのだろうか? その理由について、岡田氏は次のように語った。

商品の機能性やブランドの良さを伝えるには、画像よりも動画の方が適している場合が多い。自社で動画を作ろうとすると、社内に動画作成スキルを持つ人が必要になるので、難しい場合が多く、外部に頼むにしても高額なケースが多い。ならばインフルエンサーの作る動画を活用した方が良い。

消費者はありきたりの広告を見飽きているが、インフルエンサーが作るコンテンツには客観性があり、消費者にはより自然に感じられる。見る人を引きつけるクリエイティブが反応率を高めてくれる。(岡田氏)

成果が出るインフルエンサーの条件とは?

続いて、拡散力と広告成果の高いクリエイティブを作ってくれるインフルエンサーの条件について解説する。

広告への二次活用を前提にするのであれば、フォロワー数はそれほど多い必要はない。インフルエンサーへの報酬は、おおよそのフォロワー数×0.5円~1円なので、フォロワー数が多いとアサイン費用も高騰する

フォロワー数よりも重要なのは、インフルエンサーの作る動画がリーチを増加させるかどうか。つまり、「コンテンツの品質」がポイントになる。「保存」(=コンテンツパワー)はInstagramのアルゴリズム上でも重要視されており、Instagramでの「保存」とリーチは相関することがわかっている。品質が高いコンテンツとはたくさん「保存」されているコンテンツだと言えるのだ。

フォロワー数に対して、投稿に「保存」がつく割合を「保存率」と言うが、岡田氏によると保存率が0.1%を超えると「プレゼンの上手な良いインフルエンサー」で、保存率が1.0%を超えると「バズって売れる」という成果につながりやすくなるという。

また、岡田氏は「投稿したコンテンツのプレゼン力が高いからこそ保存率が高くなる」と語り、プレゼンがうまいと広告の反応率が向上するという。

「保存率」と「プレゼン力」の関係
「保存率」と「プレゼン力」の関係

「Cast Me!」で労力をかけずに高い効果を

具体的にどうやってインフルエンサーを選定するのか。基本的には「保存」と「リーチ」がたくさん取れるかどうかが決め手になる。リーチ率は平均10%~20%と想定されるので、これよりもリーチ率が低いインフルエンサーを活用した時点で売り上げは伸びないと考えた方が良い

岡田氏は、実際に良いインフルエンサーを見つけて、投稿の二次活用を始めるために便利なツールとして、インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「Cast Me!(キャストミー) influencer」を紹介した。

「Cast Me!」の「インフルエンサーマッチング機能」を使えば、在籍するおよそ1万名ものインフルエンサーのなかから最適なインフルエンサーを選定できる。マッチングの方法には公募と指名があり、インフルエンサー選定の際には、各インフルエンサーのフォロワー数やエンゲージメント率といった基礎情報だけでなく、男女比率や年代比率といったフォロワー情報、リーチやインプレッション率、保存数といった過去の実績も確認できる

「Cast Me!」は「UGCの量と質を最大化するツール」「ROIを最大化するためのサービス」という説明をしている。自社からの発信だけでなく、「Cast Me!」を活用してインフルエンサーの活用を効果的に行うことで、売り上げが伸びていく状態を作っていく。(岡田氏)

もちろん、「Cast Me!」経由でインフルエンサーが投稿したクリエイティブは無期限で二次活用可能で、WebサイトやSNSアカウントへの転載、広告配信など幅広い用途で活用できる。また、投稿の成果を確認できる機能や、投稿と売り上げとの関連性を分析する機能なども備えている。

「Cast Me!」はInstagramだけでなくTikTokにも対応しており、現在およそ3000社が導入している。月に商品を何点PRしても、インフルエンサーを何人採用しても料金は変わらない。

「Cast Me!」は、売れるインフルエンサーを見つけ、直接アサインすることが可能
「Cast Me!」は、売れるインフルエンサーを見つけ、直接アサインすることが可能

自社ECサイトでの売り上げの計測をサポートする「効果検証機能」は、サンクスページでポップアップを表示させ、消費者に認知経路や購買決定要因について質問し、分析や可視化を実施する機能だ。これにより、消費者がどこで商品を知ったのか、購入の決め手になった情報はどこの情報なのか、どのメディアに効果があったのかといったことがわかるため、自社のマーケティングの精度を高めるのに役立つ

最後に岡田氏は「今回紹介した“インフルエンサー×広告”を活用したメソッドは、労力をかけずに高いパフォーマンスを出せるので、ぜひ実施してほしい」と提案する。

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渡辺 淳子

フューチャーショップ、Kivaのウェブアクセシビリティツール「ユニウェブ」と連携

1 year 7ヶ月 ago

フューチャーショップは、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」とKivaが提供するウェブアクセシビリティツール「ユニウェブ」との連携を開始した。

「futureshop」または「futureshop omni-channel」を利用しているEC事業者は、ECサイトでアクセシビリティ機能をスムーズに提供できるようになる。

ウェブアクセシビリティとは、高齢者や障害者を含めた誰もが、ホームページなどで提供される情報や機能を支障なく利用できること。4月1日に改正された障害者差別解消法により、努力義務だった合理的配慮の提供(障害のある人から「社会的なバリアを取り除いてほしい」と意思が示された場合、その実施に伴う負担が過重でない範囲で、バリアを取り除くために必要かつ合理的な対応をすること)が事業者にも義務化された。

そのため、合理的配慮の提供を的確に行うための環境整備として努力義務となったウェブアクセシビリティの向上に着手するECサイトが増えている。「ユニウェブ」はウェブサイトにコードを追加することで、導入当日にウェブアクセシビリティに対応できる。

「ユニウェブ」はWebサイトにコードを追加することで、事業者は導入当日にウェブアクセシビリティに対応できるようになるサービス。加齢による視力・聴力低下、視覚に障害、怪我をして一時的に手が使えなくなったといった状況のユーザーに対し、Webページのコントラスト変更といった対応を通じて、正しい情報を理解できる状態にする。

松原 沙甫

最低賃金の全国平均は51円引き上げの時給1055円/世帯年収2000万円以上の富裕層は一般消費者に比べてEC利用率は高い傾向【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

1 year 7ヶ月 ago
2024年8月30日~2024年9月5日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 最低賃金の全国平均は51円引き上げの時給1055円。最も高いのは東京都で1163円、低いのは秋田県で951円

    7月25日に厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会が示した「令和6年度地域別最低賃金額改定の目安について」などを参考に、各地方最低賃金審議会が調査・審議して答申した結果を厚生労働省が取りまとめた。

    2024/9/4
  2. 世帯年収2000万円以上の富裕層はどんな消費行動をする? 一般消費者に比べてEC利用率は高い傾向

    富裕層は一般消費者と比べてEC利用率が高く、特に「飲料(清涼飲料・アルコール)」や「日用品」では一般消費者より1割以上EC利用率が高いことがわかった。

    2024/9/3
  3. 【台風10号】引き続き西日本で荷物の配送に遅れ。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の対応まとめ(9/1現在)

    西日本地域を中心に配送の遅れが生じている

    2024/9/1
  4. 「メルカリShops」戦略顧問に元楽天常務の高橋理人氏が就任

    メルカリのGeneral Manager Shops/Adsの江川嗣政執行役員、「メルカリShops」の営業責任者である藤樹賢司氏と連携し、「メルカリShops」事業のさらなる成長をめざすとしている

    2024/9/3
     
  5. LINEヤフーの「Yahoo!ショッピング」が25周年、最大23.5%のPayPayポイント付与「ヤフービッグボーナス」実施

    LINE連携済みのLYPプレミアム会員は9月22+23日は、事前期間の購入+対象ストア+PayPayステップ前月達成で23.5%のPayPayポイント付与を受けられる。

    2024/9/3
     
  6. 「ネッ担アワードはECのプロを育成する登竜門」。いまEC業界で求められている人材とは? 石川森生氏に聞く

    通販・EC業界の発展に貢献する「人」を顕彰する「ネットショップ担当者アワード」。選考委員の1人・石川森生氏が、昨今のEC市場が抱えている問題や、求められている人材を赤裸々に語る<アワードインタビュー第5弾>

    2024/9/4
     
  7. 千趣会、関連会社のテレビ通販会社「センテンス」の保有株式を讀賣テレビ放送へ売却

    株式譲渡でセンテンスは千趣会の持分法適用会社の対象から除外れるものの、パートナーシップを継続し、今後も相互の事業発展に協力していくという。

    2024/9/4
     
  8. 経済産業省、台風10号で被害の中小企業・小規模事業者に支援措置

    愛知県、宮崎県、鹿児島県の日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会、中小企業団体中央会、よろず支援拠点、並びに全国商店街振興組合連合会、中小企業基盤整備機構の中部本部、九州本部、中部経済産業局、九州経済産業局に特別相談窓口を設置する。

    2024/9/2
     
  9. 【20代+60代へのEC調査】便利な機能は何? よく買う商品は? 便利だと思うことは何?

    年代別のEC傾向の違いを調べるため20代と60代に絞って意識調査を実施。20代と60代では利用頻度や主に購入する商品ジャンルに差が認められた。

    2024/9/2
     
  10. CRMで都度購入客の継続率を高める方法とは? 重要なのは「バックエンドデータ」の活用+RFM分析に継続率を加えたセグメント化

    通販・ECの販売手法「都度販売」。そのメリットやデメリットをトリノリンクス 赤松氏が解説します【連載2回目】

    2024/9/2
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    良品計画、宿泊事業の新プロジェクト「MUJI room」をスタート

    1 year 7ヶ月 ago

    良品計画は、「無印良品」の世界観が体感できる空間を宿泊施設のなかで提供する宿泊事業の新プロジェクト「MUJI room」を開始する。

    「MUJI room」はホテルや旅館、貸別荘など地域の既存宿泊施設のなかに、「無印良品」のある暮らしを体感できる場を作るプロジェクト。

    インバウンドにより訪日外国人は増加している一方、旅行スタイルの変化などから空室が埋まらなくなった旅館・ホテルは全国に多数存在。改善したくても資金不足や、状況打破に向けた企画が立てられない施設は多い。「MUJI room」はこうした課題を解決する事業として展開する。

    ホテルや旅館、貸別荘などに対し、事業者をバックアップしながら地域と作り上げていく「地域共生型」スキームと、空間デザインやサービスを業務として提供する「受託型」を提供していく。

    「地域共生型」は、良品計画が初期投資、PRと集客、予約管理を担い、既存の建築・空間を生かして省コストで空間作りを実施。空間設計や地域体験をプロデュースし、宿泊者向けサービスを開発することで、宿泊事業者は初期投資なく空室だった部屋を稼働できる他、宿や地域全体のPRにもつながるメリットがある。

    「受託型」は事業者からの依頼で、空間デザイン・サービスデザインを良品計画が業務として受託する。中長期の滞在や、地域性のある暮らしを感じる体験など、既存のホテル内で「無印良品」らしい空間を体感できる体験を提供する。

    良品計画は「地域に溶け込むもうひとつのくらし」をコンセプトに、地域における「無印良品」がめざす世界観を体感できる宿泊・滞在・体験を提供する宿泊事業「MUJI STAY」を展開。これまで、地域文化のショーケースとして位置付けている「MUJI HOTEL」、地域の遊休資産を活用した滞在型宿泊施設「MUJI BASE」、「自然を、自然のままに楽しむ。」をコンセプトにオープン30周年を迎える「MUJI Camp」を展開している。

    松原 沙甫

    価格転嫁は進んでいる? できている企業は過去最高の44.9%、できない企業は1割超え

    1 year 7ヶ月 ago

    帝国データバンク(TDB)が実施した価格転嫁に関する企業調査によると、コスト上昇分に対する販売価格への転嫁度合いを示す「価格転嫁率」は過去最高の44.9%となった。一方で「全く価格転嫁できない」企業の割合は1割を超えている。

    帝国データバンク(TDB)が実施した価格転嫁に関する企業調査
    前回調査より上昇も100円のコスト増に対し44.9円しか価格転嫁ができていない

    価格転嫁率とは、コストが100円上昇した場合に販売価格に反映できている割合を示す指標。2024年2月に実施した前回調査(40.6%)より4.3円転嫁が進んだものの、100円のコスト増に対し44.9円しか価格転嫁ができておらず、依然として5割強のコストを企業が負担する状態が続いている。

    企業からは、「価格高騰がユーザー目線でも一般化し、価格転嫁が進んでいる」「原材料価格の高騰に対して、販売先と認識を共有できている場合は、価格転嫁しやすい」など、値上げに対する社会全体の受け入れや取引先の理解が価格転嫁を多少なりとも進展させたようだ。

    自社の主な商品・サービスで、コストの上昇分を販売価格やサービス料金にどの程度転嫁できているかと聞いたところ、コスト上昇分に対して「多少なりとも価格転嫁できている」は78.4%だった。

    その内訳は「5割以上8割未満」が20.2%で最多。「2割未満」(19.6%)、「2割以上5割未満」(18.6%)、「8割以上」(15.5%)と続いた。「10割すべて転嫁できている」企業は4.6%にとどまった。

    帝国データバンク(TDB)が実施した価格転嫁に関する企業調査
    「全く価格転嫁できない」企業は減少傾向も依然として1割以上

    一方、「全く価格転嫁できない」は10.9%。前回調査からは1.8ポイント減少したものの、価格転嫁が全くできていない企業が依然として1割を超えている。価格転嫁できていない企業からは「厳しい競争環境があり、コストを転嫁すれば顧客を失ってしまう」という声があがっている。

    業種別に見ると、価格転嫁率が高いのは「化学品卸売」(65.0%)、「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」(63.0%)などで6割を超えた。

    一方、価格転嫁率が低い業種としては一般病院や老人福祉事業といった「医療・福祉・保健衛生」(19.8%)が2割を下回ったほか、「娯楽サービス」(21.7%)、「金融」(25.8%)、「農・林・水産」(27.3%)などが低水準となった。

    サプライチェーン別の価格転嫁動向としては、前回調査と比べ改善幅は小さいものの全体的にやや価格転嫁が進展した。価格転嫁率が2割台にとどまっていた「運輸・倉庫」は34.9%と3割台に達した。「物流の2024年問題の後押しもあり、取引先との交渉がスムーズにいくことが多い」といった声もあり2024年問題への対応が価格転嫁の追い風となったようだ。

    帝国データバンク(TDB)が実施した価格転嫁に関する企業調査
    2024年問題が後押しとなり「運輸・倉庫」の価格転嫁率は上昇

    一方で、「飲食店」(36.0%)や「飲食料品小売」(40.9%)は前回調査から転嫁率が後退。「ある程度の値上げは消費者も理解してくれるが、あまりにも価格が上がると来店率が下がると思いなかなか値上げに踏み切れない」など、客離れを危惧して転嫁が難しいといった声もあった。業種間で価格転嫁に格差が広がりつつあるようだ。

    価格転嫁に対する理解は浸透し進展はしているものの、原材料価格の高止まりや人件費の高騰、同業他社の動向、消費者の節約志向もあり「これ以上の価格転嫁は厳しい」といった声も多かったという。進み出した価格転嫁が頭打ちになる可能性もありそうだ。

    調査結果を踏まえTDBでは「政府の価格転嫁に対する支援は一定の成果があがっているようだが、現状打破には、原材料の安定供給に向けた政策や賃上げの支援を継続しつつ、購買意欲を刺激する大規模な減税など収入の増加につながる多角的な経済施策が必須」と指摘している。

    鳥栖 剛

    余裕のある配送日の選択率が約6倍になったLINEヤフー「Yahoo!ショッピング」の「ECOくじ」とは

    1 year 7ヶ月 ago

    LINEヤフーが「Yahoo!ショッピング」における物流負荷低減の取り組みを強化している。7月から始めた、余裕のある配達日指定で10円相当の「PayPayポイント」が当たる「ECOくじ」施策を9月も継続する。

    「物流の2024年問題」対策が求められているなか、「Yahoo!ショッピング」では、置き配や実店舗受取など多様な受取方法の活用を呼びかけるなど再配達削減に向けた取り組みを推進。2023年4月からは余裕のある配達日指定で「PayPayポイント」を付与する「おトク指定便」を始めている。

    7月から実施している「ECOくじ」は「おトク指定便」と近しい施策。最短配達日+3日以降の配達日を選択すると、10円相当の「PayPayポイント」が当たるくじ券を獲得できる。合計1000円以上の商品購入時の「お届け日時の変更」で「ECOくじ券獲得」のアイコンが表示されている日程を選択するとくじを獲得できる。

    くじの付与には対象注文日を設けている。9月の対象日は5日(木)・7日(土)・8日(日)・14日(土)・15日(日)・16日(月・祝)・21日(土)・22日(日)・23日(月・祝)・25日(水)・28日(土)・29日(日)――の12日程。配達日時指定ができるほぼすべてのストアが対象となる。

    LINEヤフーが「Yahoo!ショッピング」における物流負荷低減の取り組みを強化している。7月から始めた、余裕のある配達日指定で10円相当の「PayPayポイント」が当たる「ECOくじ」施策を9月も継続
    「お届け日時の変更」画面に「ECOくじ券獲得」のアイコンが表示される

    LINEヤフーによると、「ECOくじ」施策を導入したところユーザーの3人に1人が余裕のある配達日を選択。余裕のある配達日指定の選択率は約6倍に伸びたという。最短配達日が選択される傾向がある中、ユーザーが余裕をもった配達日を指定するきっかけとなり、物流観点でも負荷軽減につながる取り組みだとしている。

    LINEヤフーが「Yahoo!ショッピング」における物流負荷低減の取り組みを強化している。7月から始めた、余裕のある配達日指定で10円相当の「PayPayポイント」が当たる「ECOくじ」施策を9月も継続
    「ECOくじ」施策で最短+3日以降の配達日選択が6倍に

    「ECOくじ」利用ユーザーの傾向としては、30代~60代の女性が多かった。商品では、食品・飲料の買い置きなどすぐに使用しない商品の購入で「ECOくじ」を利用する傾向があった。一方、PC・スマホ用品や、DIY・自動車関連用品などすぐに必要になるものは、最短配達日指定が多く、商材によってニーズがわかれた。

    「ECOくじ」利用ユーザーからは、「急いでいない荷物だったのでゆっくりな配送にしてポイントがもらえるのは10円でも嬉しい」といった声があがった。ストアからは「集中する注文を分散・平準化できることで、発送出荷業務の負担軽減につながっている。余裕をもった配送日を指定するというユーザー購買行動が今度より浸透していけばいい」といった声もあがっているという。

    鳥栖 剛

    本格緑茶「伊右衛門」で知られる老舗茶舗「福寿園」がECサイトをリニューアル、刷新ポイントとは?

    1 year 7ヶ月 ago

    日本茶の製造・販売を手がける福寿園はこのほど、公式ECサイトとコーポレートサイトを統合し、企業情報の発信とネット通販の2つの役割を担う仕様にリニューアルした。

    刷新前のコーポレートサイトはさまざまな情報が複雑に掲載されており、ユーザーが知りたい情報が見つけにくい仕様だった。2つのサイトの情報を整理し、統一性を持ったユーザーが迷わない導線のWebサイトを設計。検索ストレスや離脱率の軽減、商品を通じた自社ブランディングの向上が期待できるWebサイトに変更した。

    福寿園の創業は1790年(寛政二年)。230年の歴史のなかで蓄積したお茶作りのノウハウ、歴史あるストーリーや世界観などがある。その幅広い情報を掲載することで、ユーザーの興味を高めることができるWebサイトに仕上げたという。

    日本茶の製造・販売を手がける福寿園はこのほど、公式ECサイトとコーポレートサイトを統合し、企業情報の発信とネット通販の2つの役割を担う仕様にリニューアルした
    リニューアルしたWebサイト

    ECサイトのリニューアルには、ECサイトの構築・導入支援を手がけるエートゥジェイが提供している、販促・CRM機能一体型のクラウドECサイト構築プラットフォーム「メルカート」を採用した。

    福寿園は将来的に、顧客が実店舗とECサイトでシームレスな買い物体験ができるようなOMOの実行をめざしている。OMOの実現構想を踏まえ、上位互換のあるECプラットフォーム「ecbeing」へ移行がスムーズにできる「メルカート」を採用した。

    松原 沙甫

    BtoB(法人取引)の受発注業務をEC化するクラウドサービス「Bカート」が導入実績2000社を突破、その理由は?

    1 year 7ヶ月 ago

    Dai(ダイ)はこのほど、BtoB(法人取引)の受発注業務をEC化するクラウドサービス「Bカート」の導入実績が累計2000社を突破したと発表した。

    「Bカート」は、BtoB取引を前提として開発したECサイト構築クラウドサービス。BtoC向けのカートシステムでは難しい取引条件やシステム要件にも対応、スクラッチ開発・カスタマイズで課題となる開発コストや納期リスクを抑制できるとしている。

    SaaS型で月額9800円から利用可能。初めてBtoB-ECを立ち上げる企業でも対応できる予算設定が支持を集めているという。

    2022年6月にリリースした「Bカートアプリストア」により、「Bカート」にさまざまな拡張機能を追加するできるBtoB-ECプラットフォームへと進化。物流、決済、メール管理など、さまざまなアプリケーションを利用できる。

    2023年6月に公式BtoB決済サービスとして「Bカート掛け払い powered by Money Forward Kessai」をリリース。「Bカート」を利用する事業者を対象に展開し、ECサイト上で発生する請求業務や掛け売り決済の効率化を実現した。

    2024年4月には公式カード決済サービス「Bカートクレカ決済」を発表。「Bカート」を利用している事業者は、システムの追加開発を行わずに、クレジット業界のセキュリティ規準である「PCI DSS Version3.2.1」に準拠できるようにした。さらに国際ブランドが推奨する本人認証サービス「EMV 3-Dセキュア」に対応したクレジットカード決済を簡単に導入できるようになった。

    松原 沙甫

    アマゾンの有料会員サービス「プライム会員」にどう対抗する? ウォルマートは他社連携で特典サービスを拡充、会員増+維持を狙う | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    1 year 7ヶ月 ago
    Walmartの有料会員制度では、エクソンとモービルのガソリンスタンドでガソリン代の割引き、ペット向けのデジタルヘルスクリニックであるPawpとのパートナーシップを通じた無料のペット遠隔医療サービスなども提供している

    米小売大手のWalmart(ウォルマート)が有料会員向けサービスの特典内容を充実させ、少しずつAmazonの「プライム会員」との差を縮めています。このほどハンバーガーチェーンのBurger Kingと提携し、Burger Kingのハンバーガー「ワッパー」を無料で進呈する内容を特典に追加しました。有料会員向けサービスをさらに充実し、会員数の増加、既存会員の維持につなげようとしています。

    Walmartが会員向けの特典を拡充

    Walmartは、有料会員サービス「Walmart+(ウォルマートプラス)」の会員に対して、Burger Kingとの提携による新たな特典の提供を始めました。その1つが、Burger Kingの商品をオンライン注文する際、価格が毎日25%割引になるというものです。

    「Walmart+」のサービスの1つとしてBurger Kingの特典をラインアップしている(画像は「Walmart+」の公式サイトから編集部がキャプチャ)
    「Walmart+」のサービスの1つとしてBurger Kingの特典をラインアップしている(画像は「Walmart+」の公式サイトから編集部がキャプチャ)

    また、「Walmart+」の会員は9月から、Burger Kingの商品を購入すると、Burger Kingのハンバーガー「ワッパー」を3か月ごとに無料で受け取ることができるようになりました。

    この取り組みは、「Walmart+」の会員登録数を増やし、さらに既存顧客を維持するための戦略の一環。Walmartは、「Walmart+」をより多くのユーザーにとって魅力的なものにしたいと考えており、8月22日の提携発表でWalmartは次のように説明しています。

    このユニークな特典は、会員が食料品の買い出しに行ったり料理を作る時間がなかったりするときでも、彼らの忙しいライフスタイルに寄り添い、時間とお金を節約できるように設計しています。(Walmart)

    「Walmart+」の会員にBurger Kingのハンバーガーを3か月ごとに無料で進呈する(画像はWalmartコーポレートサイトのニュースルームから編集部がキャプチャ)
    「Walmart+」の会員にBurger Kingのハンバーガーを3か月ごとに無料で進呈する(画像はWalmartコーポレートサイトのニュースルームから編集部がキャプチャ)

    多岐にわたる所得層の顧客にリーチ

    「Walmart+」はすでに、WalmartのECの送料無料、食料品の即日配達、ガソリン代や旅行の割引など、さまざまな特典を提供しており、Amazonの有料会員制度「Amazonプライム」の強力なライバルとなっています。

    ガソリン代、旅行の割引、返品する商品の自宅引き取りなど「Walmart+」は会員にさまざまな特典を提供している(画像は「Walmart+」の公式サイトから編集部がキャプチャ)
    ガソリン代、旅行の割引、返品する商品の自宅引き取りなど「Walmart+」は会員にさまざまな特典を提供している(画像は「Walmart+」の公式サイトから編集部がキャプチャ)

    「Walmart+」の会費は月額12.95ドルまたは年額98ドルで、公的支援を受けている利用者には49ドルの割引オプションを用意しています。

    「Amazonプライム」と比較すると、「Amazonプライム」の会費は月額14.99ドルまたは年額139ドルで、「Walmart+」よりも会員費は高いことがわかります。EC利用時の送料は、Walmartと同じく無料です。

    「Walmart+」はBurger Kingとの新たな提携により、より幅広いユーザー層にとってさらに魅力的なものとなり、成長に拍車がかかるでしょう。

    登録者数は2桁成長

    Walmartのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)は2024年5-7月期(第2四半期)の決算説明会で「会員登録者数が2桁増加した」と説明したものの、正確な数字は明らかにしていませんでした。第2四半期におけるグローバル会員による会費売上は前年同期比23%増加しています。

    「Walmart+」は、市況に左右されず、高所得層から人気です。Walmartが成長し続ける基盤を築いています。人気の理由は、送料無料の配送サービス、店舗リニューアル、その他の米国での取り組みなどが相まっています。(マクミロン氏)

    Walmartの米国CEOであるジョン・ファーナー氏は、「Walmart+」はすべての所得層に対応できるように設計していると説明しています。

    「Walmart+」の会員は、たとえば配送頻度が非常に高いグループだけに注目した場合、年収が5万ドル未満の人もいますし、年収が10万ドル以上の人もいます。(ファーナー氏)

    「Amazonプライム」との差を縮める

    ドイツの大手メディア、アクセル・シュプリンガーの子会社で、市場調査を手がけるeMarketerによる6月度のEコマース調査によると、6月時点で米国成人の26%が「Walmart+」の会員となっており、この割合は前年から12ポイント増加。

    「Walmart+」の会員普及率はCostcoの27%に近づいています。食料品の即日配達サービスを運営する米国企業Instacartの有料会員制度で、普及率が9%となっている「Instacart+」と比べると約3倍です。

    eMarketerは「Walmart+」の利用者数について、2024年末までに3180万人に達すると予測しています。しかし、米国の調査会社Consumer Intelligence Research Partnersによると、「Amazonプライム」の米国での会員数は2024年3月時点で1億8000万人(前年比8%増)。有料会員数を多く持つ事業者としては、依然として大きくリードしています。

    ただ、Walmartは会員プログラムに特典を追加することで、「Amazonプライム」との会員数や人気の差を徐々に縮めています。「Walmart+」の会員は「Amazonプライム」と同様に、ECの注文商品の無料配送に最低注文金額を設けていません。また、商品の先行発売、ブラックフライデー期間中のオンラインセール、動画配信サービス「Paramount+(パラマウントプラス)」の視聴、返品時の自宅への無料集荷といった特典が受けられるようになっています。

    Walmartは6月、第2回目の「Walmart+Week」を実施しました。これは、Amazonの「プライムデー」に似たオンラインのセールイベントです。7日間にわたって、主に会員を対象に買い得品が販売されました。2024年の「Walmart+Week」は、7月のAmazonプライムデーの、わずか数週間前のタイミングで実施されています。

    2024年の「Walmart+Week」は6月17~23日に開催された(画像はWalmartコーポレートサイトのニュースルームから編集部がキャプチャ)
    2024年の「Walmart+Week」は6月17~23日に開催された(画像はWalmartコーポレートサイトのニュースルームから編集部がキャプチャ)

    「Walmart+」は、Walmartが提供する重要なサービスの一部ですが、Walmartが提供するサービスはそれだけではありません。他にもさまざまな取り組みをしています。しかし、「Walmart+」に加入するお客さまに対しては、できる限り最高の体験を提供したいと考えています。(ファーナー氏)

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    ファミリーマート、上新電機、東京スカイツリーなどに導入予定の決済やポイント獲得などが手ぶらでできる生体認証サービスとは

    1 year 7ヶ月 ago

    東武鉄道と日立製作所は9月3日、生体認証の活用により手ぶらで決済などを実現するデジタルIDプラットフォーム「SAKULaLa(サクララ)」の本格展開を開始すると発表した。2026年度までにファミリーマート、上新電機、東京スカイツリーなどで導入する予定。

    「SAKULaLa」は、カードやスマートフォンを用いることなく、生体認証を活用して手ぶらで決済やポイント獲得などをできるようにするもの。ユーザーは業種横断の共通プラットフォームに氏名・生年月日などの利用者本人の情報、クレジットカード情報・各種ポイントカードのID・企業のキャンペーンIDなどを登録。その情報と指静脈や顔などの生体情報を紐づけることで、さまざまなサービスの利用時に生体認証だけで本人確認、決済、ポイント付与などをワンストップで実現する。

    4月11日から東武ストアの3店舗において指静脈認証による決済をスタート、約3700人が指静脈を登録し利用したという。2025年度には指静脈認証に加え顔認証を可能とする予定。将来的には生体認証による鉄道改札の実現などさまざまなユースケースを検討している。

    東武鉄道と日立製作所は9月3日、生体認証の活用により手ぶらで決済などを実現するデジタルIDプラットフォーム「SAKULaLa(サクララ)」の本格展開を開始する
    SAKULaLaの利用シーンイメージ(画像は公式サイトから編集部がキャプチャ)

    2025年度からは、日立ソリューションズが提供する複数の共通ポイント事業者に接続できるゲートウェイサービス「PointInfinity マルチポイントゲートウェイ」と連携し、国内の主要な共通ポイントの獲得・利用もできるようにする予定。

    今後はコンビニ、家電量販店、ショッピングモール、観光施設、鉄道などさまざまな業種での導入を進め、全国100か所以上に順次導入する。直近では、9月に東京ソラマチなど商業施設でのポップアップストア、11月には埼玉県の越谷と川越エリアの飲食店など約20店舗で導入する。2024年度中には東京スカイツリーのオフィシャルショップ、2025年度には上新電機の大阪2店舗、東武東上線の座席指定制列車、2026年度にはファミリーマートでの導入を開始する予定だ。

    指静脈認証を用いて店舗のセルフレジで決済を行うイメージ

    ファミリーマートでは「手ぶらで買い物ができ、決済スピードアップにつながりお客さまへのサービス向上の一助として期待している。無人決済店舗やセルフレジ導入を進めているが、(SAKULaLaは)年齢確認が可能な仕組みとなり将来的な展望にも期待している」(リクルーティング・開発本部 ライン・法人部の坂本敏史部長)とコメントしている。

    「SAKULaLa」は公式キャラクターとして「サクラッコ&ララガイ」も用意。またサービスの普及拡大に向け、ジェーシービー、DGフィナンシャルテクノロジー、博報堂と協力パートナー関係を結んだ。

    鳥栖 剛

    顧客獲得単価(CPA)削減に役立つAI+電話を組み合わせたボイスコマースプラットフォーム「テレAIカート」とは

    1 year 7ヶ月 ago

    AI技術と電話を組み合わせたボイスコマースプラットフォームを開発・提供のテレは9月4日、ECサイトのカゴ落ちを防ぎ顧客獲得単価(CPA)削減につながるという電話受付専用サイト機能を持つ「テレAIカート」をローンチした。

    AI技術と電話を組み合わせたボイスコマースプラットフォームを開発・提供のテレは9月4日、ECサイトのカゴ落ちを防ぎ顧客獲得単価(CPA)削減につながるという電話受付専用サイト機能を持つ「テレAIカート」をローンチ
    「テレAIカート」による電話受注の流れ

    「テレAIカート」はECサイトから電話で注文受付するボイスコマースプラットフォーム。ユーザーは通常のECサイトと同様にほしい商品をタップし、買い物カゴに投入。「注文へ進む」をタップすると専用の電話番号が画面に表示される。注文手続きは表示された専用番号に電話し、音声ガイダンスに従って「氏名」や「住所」などの必要情報を伝えるだけで完了する。音声データはAIにより自動で受注データとして処理。そのためEC事業者は入電対応の人員を配置することなく、「24時間365日電話注文を受け付ける」という販売チャネルを構築できる。

    AI技術と電話を組み合わせたボイスコマースプラットフォームを開発・提供のテレは9月4日、ECサイトのカゴ落ちを防ぎ顧客獲得単価(CPA)削減につながるという電話受付専用サイト機能を持つ「テレAIカート」をローンチ
    「テレAIカート」で電話受注する際の画面遷移の流れ

    「テレAIカート」はECにおけるカゴ落ち防止にも役立つという。「メールアドレス・パスワード入力・支払い方法の登録などといった入力作業」の手間を理由に離脱してしまうユーザーを電話注文に誘導することで、カゴ落ち改善が期待できるとしている。

    すでに成功事例もある。健康食品メーカーの商品LPに「テレAIカート」による電話受付導線を設置。1日平均7件電話経由で注文が発生し顧客獲得単価(CPA)の削減に成功したという。テレによると「Web広告で集客するECサイトに『テレAIカート』を導入した場合、1日平均3~5件の電話注文が発生すればCPAが数千円削減できる」(同社)としている。

    「テレAIカート」の利用料は、基本料金6600円(税込)、カート機能利用料金1万5400円(税込)の月額費用と、売上1件につき課金の成果報酬費用がかかる。申し込みから利用開始までは最短1週間としている。

    鳥栖 剛

    「紅麹」の健康被害で報告漏れや遅延が相次いだ小林製薬。今後の信頼回復に向けた方針とは? | 通販新聞ダイジェスト

    1 year 7ヶ月 ago
    報告漏れや遅延の原因を「社内で徹底できていなかった」と振り返る、小林製薬の山根聡社長。「紅麹」問題の余波がまだ収まらないなか、小林製薬が掲げる今後の改善や方針を聞く

    「紅麹」による健康被害問題で、小林製薬は、厚生労働省に報告する死亡との関連性を調査する対象事例数に誤りがあったと公表した。8月19日、同社は補償の受け付けを開始。報告漏れを公表した会見で、山根聡社長は、「補償をやり切ることが大前提。正確な内容の把握の基盤になる」と、体制を強化する方針を示した。

    健康被害の報告漏れ11件

    原因はオペレーターのチェック漏れ

    補償対応に向けデータベースを改めて検証するなかで、担当者が8月8日に可能性を確認した。同日、山根社長も確認。翌9日、集計数に齟齬があることを知った。同13日に会見で公表した。

    報告漏れは、今年3~7月に寄せられた11件。同社の紅麹関連製品を摂取していないことが確認されたのは5件、医師への詳細調査を進めるのが4件、製品摂取の有無の精査中が2件あった。

    この件数を加え、厚生労働省に報告する死亡の申し出件数は356件になる(8月8日時点)。製品摂取の確認中は3件、詳細調査中が113件、調査完了は22件(同)。

    顧客からの申し出は、健康被害情報、解約など複数の項目に分類して記録している。オペレーターによるチェックに漏れがあり、遺族の問い合わせを受け、定期解約や返品の申し出した中に、健康被害情報が含まれているものがあった。健康被害情報は、「飲んでいたかもしれない」など、可能性を否定できない事例を広く収集していた。

    相次ぐ報告遅延、報告漏れ

    小林製薬は、再発防止に向け、「システムやルールの設定と徹底、人員体制の拡充を進める」(山根社長)としている。

    8月19日には、紅麹関連製品の健康被害に対する補償の受け付けを始めた。調査完了は22人(8月8日時点)。いずれも「因果関係の有無は調査中だが、一定数。積極的に関係性が認められるものは確認されていない」(渡邊淳信頼性保証本部本部長)とする。

    製品から検出された「プベルル酸」のほか、2つの化合物の検証結果が確定していないことも、因果関係を確定できない一因になっている。主治医による詳細調査も加え、対応を決める。

    健康被害問題では、今年3月の製品回収の公表の報告遅延のほか、6月には、死亡の疑いのある事例数の報告遅延があった。小林製薬は、腎障害に絞り死亡例を調査し、がんなどの死亡例は報告しなかった。7月には、原料供給先の報告漏れが見つかった。

    信頼回復に向け、ルール徹底+人員拡充を強化

    小林製薬の山根聡社長
    小林製薬の山根聡社長

    小林製薬は、「紅麹」の健康被害問題で、厚生労働省への調査対象数の報告漏れが発覚した。正確・迅速な情報の把握に向け、人員体制の強化を図っていく。8月13日の会見で、同社の対応を聞いた。

    ――度重なる報告遅延や報告漏れをどう改善する。

    山根聡社長(以下敬称略):大混乱のなかで人員体制が追い付かず、徹底できていなかった。再発防止に向け、ルールの徹底と人員拡充を図る。

    ――人員体制に加え、コールセンターにおける情報管理強化に向けた取り組みはあるか。

    渡邊淳信頼性保証本部本部長(同):各オペレーターの判断のぶれがあった。ダブルチェックも一つの方法。オペレーターがどのような点でばらつきに悩むか、ルール化や教育も必要に思う。

    山根今回の件では学びが多くあったが、それをきちんと見える化し、周知徹底していくことだと思う。

    品質や安全を徹底し、取り組みは開示

    ――8月8日開催の取締役会で、紅麹事業からの撤退を決めたが、それ以外の健康食品等の販売は続ける。事業継続に向け、業界、消費者に向けてどのような取り組みが必要と考えているか。

    山根2つある。1つはモノづくりについて、社内外に向けて品質・安全の徹底などポリシーを実践していくこと。もう一つは、その取り組みを積極的に開示していくことだと思う。

    ――製薬業界では「医薬品副作用被害救済制度」がある。健食で同社独自の取り組みとして想定していることはあるか。

    山根現時点で明確に答えられないが、今後、検討したいと私は考えている。

    ――製品回収の状況は。

    渡邊:9割台まできている。

    ――信頼回復に向けた取り組みの検討の過程においても健康食品の販売など事業は継続する認識か。

    山根そう考えている。

    ――国内は、紅麹の健康被害問題の発生以後、全製品の広告を停止している。再開のタイミングはどう考えている。

    山根:少なくとも年内は停止と考えている。

    ――海外は広告展開しているか。

    山根エリアにより再開しているところもある。

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    通販新聞

    千趣会、関連会社のテレビ通販会社「センテンス」の保有株式を讀賣テレビ放送へ売却

    1 year 7ヶ月 ago

    千趣会は8月30日付で、テレビ通信販売会社のセンテンスの保有株式全てを讀賣テレビ放送へ売却した。

    株式譲渡でセンテンスは千趣会の持分法適用会社の対象から除外れるものの、パートナーシップを継続し、今後も相互の事業発展に協力していくという。

    センテンスは株式譲渡後、讀賣テレビ放送の完全子会社として意思決定を迅速化。テレビ番組コンテンツと連携した商品提供により、讀賣テレビグループとの相乗効果の最大化をめざす。

    センテンスは、これまで培ってきたブランド力、通信販売ノウハウ、顧客基盤を生かすことで、讀賣テレビグループの通販会社としての機能と役割を一層強化するとしている。

    このほか、関西を拠点とする企業として地場産業との連携を深める事業活動に注力。まだ広く知られていない関西の逸品を讀賣テレビグループのコンテンツ力を生かして発信していく。

    センテンスは2006年10月3日、讀賣テレビ放送と千趣会の合弁会社として設立。設立時の出資比率は讀賣テレビ放送が51%、千趣会が49%。現在の資本金は8000万円。

    松原 沙甫

    最低賃金の全国平均は51円引き上げの時給1055円。最も高いのは東京都で1163円、低いのは秋田県で951円

    1 year 7ヶ月 ago

    厚生労働省は8月29日、地方最低賃金審議会が答申した2024年度の地域別最低賃金の改定額を取りまとめた。それによると、答申額の全国加重平均額は1055円で、2023年度(1004円)と比較して51円の引き上げとなった。

    全国加重平均額の51円引上げは、1978年度に目安制度が始まって以降の最高額。47都道府県の改定額は50円~84円の引き上げとなった。

    厚生労働省は8月29日、地方最低賃金審議会が答申した2024年度の地域別最低賃金の改定額を取りまとめた
    2024年度の地域別最低賃金の改定額

    改定額が最も高かったのは東京都で1163円、2番目は神奈川県の1162円、3番目は大阪府の1114円。以下、埼玉県が1078円、愛知県が1077円、千葉県が1076円などとなっている。

    改定額が最も低かったのは秋田県で951円。それに続くのが岩手県、高知県、熊本県、宮崎県、沖縄県の各952円だった。2023年度比で改定額が最も増えたのは徳島県で、2023年度比84円増の980円。徳島県に続き、岩手県が952円、愛媛県956円で2023年度比59円の増加となった。

    最高額(1163円)に対する最低額(951円)の比率は81.8%(2023年度は80.2%)。この比率は10年連続の改善となっている。

    答申された改定額は、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経た上で、都道府県労働局長の決定により、10月1日から11月1日までの間に順次発効する予定。

    松原 沙甫
    確認済み
    14 分 1 秒 ago
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