ネットショップ担当者フォーラム

アダストリアが自社開発のスタイリング投稿「STAFF BOARD」を外部提供。ORiental TRafficのダブルエーが導入

1 year 7ヶ月 ago

アダストリアは、自社開発したスタイル投稿サービス「STAFF BOARD(スタッフボード)」の外部提供を開始した。7月1日から導入企業1社目となるシューズブランド「ORiental TRaffic(オリエンタルトラフィック)」のダブルエーが運用を開始した。

「STAFF BOARD」はアダストリアが展開する30以上のブランドのショップスタッフ4000人が活用。スタッフによる個人スタイリング投稿ができ、5年間でスタッフの参加人数は40倍に伸長、スタッフ経由売上を10倍まで成長させた。主な特徴は次の通り。

  • 実際に利用するアダストリアのスタッフの声を活かしたスピーディな機能開発
  • 経由売上の計測方法の最適化
  • ファッション以外の接点の創出
  • 自社ノウハウを活かしたグローバル対応

SNSの感覚で静止画、動画も簡単に投稿できるUI・UX設計で、音声を活用した投稿も可能。ファッションに限らず、美容や暮らし、お出かけなどのテーマに沿って投稿でき、スタッフ自身で投稿実績やランキングを簡単に確認ができるようになっている。

アダストリアは、自社開発したスタイル投稿サービス「STAFF BOARD(スタッフボード)」の外部提供を開始
アダストリアの「STAFF BOARD」画面の一例

自社で開発・開発してきたこの「STAFF BOARD」を、7月から外部パートナーへの導入・運用サポートを開始。現役スタッフの声を聞きながら売り上げを伸ばしてきたアダストリアのスタイリングコンテンツの運用実績をベースに、ツールの導入支援、導入企業の現場スタッフの運用力×評価などのモチベーション設計までサポートするとしている。

最初の外部導入はダブルエーの運営する「ORiental TRaffic ONLINE STORE」。ショップスタッフ約30名のスタイリング投稿により、顧客接点の増加とスタッフと顧客の関係強化を図る。

ダブルエーでは、顧客接点の増加としてオンライン上でも販売スタッフの表現力を生かせるツールの導入を検討していたという。「STAFF BOARD」を導入した決め手は、店舗運営が忙しいスタッフのスタイリング投稿負荷を軽減できる利便性、モチベーション向上につなげる評価の設定など、アダストリアが作った仕組みを活用できること。

ダブルエーの執行役員 EC事業部・流通部の水谷紀彦部長は「『STAFF BOARD』の活用でオンライン上のお客さまとのコミュニケーションを強め、販売スタッフには更に働きがいを持ってもらえるような運用を進める」とコメントしている。

鳥栖 剛

「チャージバック」とは? EC運営者が必ずおさえておきたい仕組みや対策を解説 | 今日から試せるネットショップ運営ノウハウ powered by カラーミーショップ

1 year 7ヶ月 ago
クレジットカード決済の利用増加に伴い、耳にすることが多くなった「チャージバック」。いったいどんな仕組みなのか、EC事業者にどのようなリスクがあるのかを解説します

現在、ECサイトやネットショップでの便利な決済方法として、クレジットカード決済が上位を占めるほど使われています。しかしその際に、ショップ運営者なら気を付けておきたいことが「チャージバック」のリスクについてです。

チャージバックとは、購入者(クレジットカード保有者)が、不正利用や取引内容に納得がいかないなどの理由により、利用代金の支払いに同意しないために、クレジットカード会社が加盟店(ショップ側)に対して支払いを取り消しまたは返金を要求することです。

チャージバックが発生することは、ショップにとって売り上げに大きなダメージを与えてしまうこともあるほど。この記事ではチャージバックの意味や仕組み、そして防ぐためにはどうしたら良いのか対策に関して説明します。

チャージバックとは? 仕組みと意味を解説

カラーミーショップ よむよむカラーミー チャージバックの仕組みと意味

チャージバックとは、上述したようにネットショップでの購入者(クレジットカード保有者)が、カードを不正利用された、取引内容に納得がいかないなどの理由により、利用代金の支払いに同意しないなどの連絡をクレジットカード会社にとることで、クレジットカード会社から加盟店(ショップ側)に対して支払いを取り消しまたは返金を要求することです。

ビザ(Visa)、マスターカード(MasterCard)、JCBといった国際ブランド会社によって定められたルールに基づき、クレジットカード保有者を不正・瑕疵(かし)のある取引や内容から守るための仕組みです。

基本的にチャージバックはクレジットカード会社とカードの保有者が行います

クレジットカードの不正利用によるチャージバックが年々増えている

カラーミーショップ よむよむカラーミー チャージバックは年々増加している

チャージバックが起こる理由の大半が「クレジットカードの不正利用」によるものです。

対策を考えるうえで、なぜチャージバックが起こるのかを知ることはとても重要ですので、その背景や主な要因を把握しておきましょう。

下記は、クレジットカードの被害額の推移を表したグラフです。

経済産業省が2024年に発表した「クレジットカードのセキュリティ対策について」という資料によると2023年のクレジットカード不正利用被害額は過去最高の541億円でした。約10年前の2014年の被害額は114億円のため、おおよそ5倍まで増加しています。

特に2021年以降は毎年100億円以上、被害額が増えています

これはコロナ禍でECの利用が加速したことや、犯罪手口が巧妙化しているためともいわれています。つまり不正利用は身近に起こっているため、カード保有者は当然として、ネットショップ運営者もリスクが身近にあることを認識し、気をつけなければなりません。

クレジットカードの不正利用とは? 主な種類

カードの不正利用とはどんなものなのでしょうか。主な不正利用の種類として2種類あります。

  • クレジットカードの盗難・紛失による第3者の不正利用
  • クレジットカード情報の漏洩・流出による第3者の不正利用

クレジットカードの盗難・紛失による第3者の不正利用

街中、店内での置き引きや電車内でのスリ、車上荒らしなどの理由で財布のクレジットカードが盗難される、または紛失によって保有者ではない第3者がカードを不正に使用するケースです。

お店などでカードを利用する際はサインや暗証番号を入れるため、盗難や紛失しても悪用できない場合もあります。しかしネットショップなどで使用する際には、名前とカード情報と有効期限を入力するだけで決済が完了するお店もあるため、近年ではインターネットでの非対面決済の不正利用が増えています

クレジットカード情報の漏洩・流出による第3者の不正利用

ハッキングやスキミング、フィッシングサイトなどに情報を入力してしまう、パソコンのウィルス感染による情報流出といった理由により、クレジットカードの情報が第3者に渡ってしまい不正利用されてしまうケースです。

インターネットが普及し、手軽に誰でも利用できるようになったことで、セキュリティが甘い人やネットリテラシーが低い人を狙って情報を不正に盗み取ろうとしている人も増えました。そのため、情報が気づかぬうちに漏洩し、不正利用の被害にあうケースなども多くなってきています。

不正利用に狙われやすい商材は?

不正利用の被害のなかで、傾向として狙われやすい商材とはどのようなものでしょうか。

近年の不正利用の目的の1つに「転売」も含まれているため、基本的に転売しやすい商品が狙われる傾向にあります

下記の商材が主に狙われやすいので、EC事業者の方やネットショップをこれから開こうと検討している方は注意してくださいね。

  • ブランド品
  • 家電製品(高額な製品)
  • PC・タブレットなどのデジタル機器
  • デジタルコンテンツやゲーム機器(オンラインゲームや音楽)

チャージバックってどんな時に発生するの?

カラーミーショップ よむよむカラーミー チャージバックが発生するタイミング

チャージバックはクレジットカードの不正使用により年々増えていると説明しましたが、実はそれだけではありません。一般的に下記のような場合にチャージバックは発生します。

  • 第3者の不正利用のため、クレジットカードの保有者がカード利用を認めない場合
  • 保有者がカードで支払っているにも関わらず、購入した商品が未発送、またはサービスが行われない場合
  • 商品不良や破損、または低品質な商品・サービスを利用として、カード保有者が利用を認めない場合

近年、クレジットカードの不正利用の件数が多いため、チャージバックはそのイメージが強いですが、厳密に言うとクレジットカード保有者を不正・瑕疵のある取引や内容から守るための仕組みなので、別の理由でもチャージバックは発生します。

チャージバックの実際の流れ

チャージバックの背景や起こる理由について解説しましたが、次は実際にチャージバックが起こった際にどんな流れで行われるのか把握しておきましょう。一般的には下記の流れでチャージバックは行われます。

  1. クレジットカードの保有者が、不正利用またはそれ以外の理由により、カード会社にチャージバック(取引の拒否)の連絡をする
  2. クレジットカード会社が内容を調査・確認をし、チャージバックの判断をする。
  3. 加盟店(ネットショップ側)に理由を含めたチャージバックの通知がいく。
  4. クレジットカード会社により、売り上げの取り消しが行われる。また、すでに決済が完了し、加盟店(ネットショップ側)に売り上げが入金されていた場合はカード会社に返金しなければならない。

チャージバックが確定した後、商品などはどうなるのか?

不正利用が発覚し、チャージバックが行われた際、もしすでに商品を購入者に送ってしまっていた場合は、商品は返ってこずネットショップ側が負担になるケースが増加しています。

そのため、チャージバックが確定し売り上げが取り消し、または返金になってもさらに商品も失ってしまうというリスクがあります

さらにその後の流れに関しては、基本的にクレジットカード会社は関与していないためネットショップ側で対応する必要があります。

発送先に対して返品の旨の連絡をしたり、警察に相談したりするなど時間や手間をとられることもあり、ショップ側にとっては大きな悩みどころです。

チャージバックの期間・期限

チャージバックにも期間・期限は存在し、その期間内にてクレジットカード会社はチャージバックを行う権利を持っています。

チャージバックの期間・期限はブランドや企業ごとに異なりますが、たとえば国際ブランド決済会社の定めによると、チャージバックの期間は基本的に取引日から120日程度を期限としています。

チャージバックの内容・理由によっては、期限は短縮・延長する場合があります。したがってチャージバックを行うためには、カード保有者はその期間内にすぐに申し出る必要があります

チャージバックに異議申し立てもできる

商品の未発送やサービス・商品の不良や低品質を理由にチャージバックの通知が来た際に、ネットショップ側はクレジットカード会社、または代理会社に異議申し立てをすることが可能です。

その際には、注文情報や発送証明など、取引の正当性を証明する資料をカード会社に提出し、再調査してもらいます。

ただし、最終的に判断するのはクレジットカード会社なので、異議申し立てが認められずチャージバックになる可能性もあります。

また、クレジットカードの不正利用によるチャージバックの場合は、申し立てなどの確認もなくカード会社側で判断し確定することもあります。

チャージバックはどうすれば防げる? 対策と保険について

カラーミーショップ よむよむカラーミー チャージバックを防ぐ方法

チャージバックが起こってしまうと、販売者側が売り上げに関して損害を被るケースがほとんどということは先ほど解説しましたが、実際にチャージバックに対してネットショップ側でどのような対応をとれば良いのでしょうか。

チャージバックに対する備えとして、下記4点の方法があげられます。

不正利用を抑制する「3Dセキュア2.0」を実装する

「3Dセキュア2.0(EMV 3-Dセキュア)」とは、クレジットカード保有者本人しか持ち得ない情報(ワンタイムパスワードや指紋などの生体情報)を、ネットショップのクレジットカード決済を行う際に入力することにより、本人確認を行う仕組みです。「3Dセキュア2.0」は、2025年3月末を目処に原則すべてのECサイトへの導入が義務化されています。

1つ前のバージョンである「3Dセキュア1.0」では購入時の本人確認が毎回必要でしたが、「3Dセキュア2.0」はリスクベース認証のため、少額での利用など不正利用の可能性が低い場合は、本人認証の手続きを省略できます。

そのため「3Dセキュア2.0」は、第3者によるクレジットカードの不正利用を防ぐとともに、カゴ落ち防止にもなると注目を集めています。

セキュリティコードを導入する

セキュリティコードとは、クレジットカードの裏面に記載されている3~4桁の番号のことを言い、クレジット番号とは別の数字ですので、カード所有者にしかわからない情報です。

ECサイトでの決済時に、このセキュリティコードも入力してもらうようにすることでクレジット情報をスキミングなどで取得したとしても、不正利用をしにくくする対策です。

ただし、フィッシングサイト詐欺などでセキュリティコードも入力させ情報を流出させる場合もあるため、決して万能と言える対策ではありません。

チャージバック保険や保証サービスに加入する

不正利用が多くなってきた背景もあり、現在はチャージバック保険や保証サービスなどが増えてきました。

チャージバック保険・保証サービスとは、一定の金額を支払うことでチャージバックが起こった際に、その取り消された売上金額など負担した分を補填してもらえるサービスです。

よくある質問

チャージバックとは何ですか?

ネットショップでの購入者(クレジットカード保有者)が、カードを不正利用されたなどの理由で、利用代金の支払いに同意しないなどの連絡をクレジットカード会社にとり、クレジットカード会社から加盟店(ショップ側)に対して支払いを取り消しまたは返金を要求することです。

チャージバックが起こるとどうなりますか?

第3者によるクレジットカードの不正利用が発覚し、チャージバックが行われた際、もしすでに商品を送ってしまっていた場合は商品が返ってこず、ネットショップ側が負担になるケースが増加しています。

この記事はカラーミーショップの公式Webメディア『よむよむカラーミー by GMOペパボ』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

よむよむカラーミー

田原俊彦さんが電話口で接客するアサヒ緑健の新たな販売チャネル+導入したボイスコマースの「テレAI」とは?

1 year 7ヶ月 ago

アサヒ緑健は7月1日から、歌手の田原俊彦さんとのコラボ商品「緑効青汁・公式コラボパッケージ」を販売開始した。自動音声に従って注文を完了できるボイスコマースサービス「テレAI」(テレ提供)を導入し、田原俊彦さんの自動音声が接客するという専用販路も用意した。

田原俊彦さんとのコラボ青汁を3パッケージ展開

田原俊彦さんとコラボした「緑効青汁・公式コラボパッケージ」はテレが提供するボイスコマース「テレAI」を採用、専用販売チャネルとしている。

「テレAI」は、専用の電話番号に電話し、自動音声に従って「名前」「住所」「個数」を伝えるだけで注文が完了できるボイスコマース(音声通販)プラットフォーム。企業側で、自動音声案内を有名人やキャラクターなどに変更できる。自動音声で注文が完了できるため、コールセンターなどの人員配置を気にすることなく、コストを抑えながら、新たな販売チャネルを構築できる。

「テレAI」の仕組み。対応する自動音声を有名人などに設定することもできる

アサヒ緑健は、田原俊彦さんとの公式コラボパッケージ専用の電話番号を発行。専用サイトやチラシ、コンサート会場に専用番号を掲載し、田原俊彦さんの声で接客してもらいながら商品を購入するという新しい体験を提供する。

緑効青汁・公式コラボパッケージは3種類を展開。それぞれ価格は30包入りで税込み3700円(送料は別途550円)。

アサヒ緑健の担当者は「田原俊彦さんがヘルシーパートナーに就任した当社では、目玉企画として、田原俊彦さん協力のもと新たに緑効青汁・公式コラボパッケージを制作。購入体験も特別なものにしたいと思い、田原俊彦さんの声で購入できること、年齢関係なく慣れ親しんだ電話で購入できることからテレAIを販売チャネルとして選択した」とコメントしている。

鳥栖 剛

物流問題、紅麹、送料引き上げ、ステマ初の行政処分――。2024年上半期の通販業界、押さえておきたい重要項目をチェック | 通販新聞ダイジェスト

1 year 7ヶ月 ago
2024年は年明けの震災から始まり、「紅麹問題」など試練の多い上半期となった。その他、各商品カテゴリーの動きや各社の対応など、注目すべきトピックスをまとめる

今年の上半期もさまざまな動きが見られた通販業界。かねてより注目されていた「2024年問題」については、周辺業界を含め多くの企業で新たな物流施策が始まり、効率化を図っている。また、業界全体の信頼を揺るがしかねない大きな事案となったのが、小林製薬の紅麹問題。再発防止に向けた取り組みは今も続いている。コロナも明け、これまで以上にさまざまな出来事が起きている今上半期の通販業界について、主なニュースを振り返ってみる。

2024年上半期の通販業界の主な動き
2024年上半期の通販業界の主な動き

震災から始まった年始

各社は被災地への復興支援

年明け最初の大きなニュースとなったのが、「能登半島地震」。石川県の能登半島で発生した同地震は、通販業界にもさまざまな影響を及ぼしており、現地にある拠点の被害をはじめ、取引先の活動停止や物流の停滞などが起きた。

これを受けて、通販企業各社では支援に向けた動きを始めており、義援金の寄付や必要物資の無償提供などを実施。冷凍・冷蔵トラックなど自社のアセットも使いながら、被災地の復興に向けて尽力している。

「2024問題」に各社は物流関連施策を展開

また、2024年問題を反映して、各社で特に積極的な動きが見られたのが物流関連施策の強化だ。主なところでは、4月にアマゾンジャパンが通販サイトで注文された商品を入れて顧客が開錠して受け取ることができる専用宅配ロッカーを全都道府県に設置したと発表。あわせて、4月には物流ロボを導入した拠点としては国内最大級となる新物流施設も神奈川・相模原市内に開設している。

メルカリでも3月から物流事業者と連携して、コンビニや駅などに設置された専用ボックスを利用し、置き配指定で受け取れるサービスの提供を始めた。ゾゾでは通常配送よりも余裕のある配送時期を選択した場合に、ポイントを付与する配送を試験的に導入した。

物流事業者側は「置き配」や他社との連携を強化

物流事業者では、ヤマト運輸が6月から「宅急便」と小型の荷物を対象とした「宅急便コンパクト」について受け取り側が受け取り方法として置き配を選択できるように変更。あわせて、複数の物流事業者との共同輸配送を行う新会社も5月に設立している。

また、日本郵便では「ゆうパック」や速達郵便について、現場の業務負荷軽減のため、4月から配送日数を従来の期間よりも後ろ倒しにしている。

日本郵政グループとJR東日本グループは社会課題解決に向けた協定を締結した
日本郵政グループとJR東日本グループは社会課題解決に向けた協定を締結した

行政側でも再配達削減といった物流効率化の支援策やその周知を図るための施策がスタート。東京都ではドライバーの確保に向けたマッチングイベントの開催や、トラック輸送力の低下をカバーするためのコンテナ貨物のモーダルシフト推進補助金、荷さばきスペースの提供、宅配ボックス設置の助成などに取り組んでいる。

企業の不祥事相次ぐ

大きく波紋が広がった「紅麹問題」

そして、今上半期に通販業界にとって大きな衝撃が走ったのが「紅麹問題」だ。小林製薬が製造・販売する「紅麹」原料で重篤な腎障害が発生したもので、配合製品は機能性表示食品であり、同制度での安全性問題は初めてとなる。

これを受けて、多くの会社で定期購入の解約が増えるなど、風評被害も発生していると見られる。5月31日には政府が機能性表示食品の見直しを行う対応策を閣議決定するなどの動きが進んでいる。

「紅麹」に関連して実施された小林製薬の会見
「紅麹」に関連して実施された小林製薬の会見

企業の不祥事という観点では今年も、いくつかの通販サイトから個人情報が流出セキュリティに関する備えの弱さが浮き彫りとなった。

また、行政処分では、2月に「糖質カット炊飯器」で従来の炊飯器と比べて糖質をカットできるかのように説明していたニトリなど4社が景品表示法に基づく措置命令を受けている。そのほか、3月には健康食品ECのニコリオと、ヘルスアップが、アフィリエイト広告の表示について景品表示法に基づく措置命令を受けた。

ステマで初の措置命令

さらに、昨年10月に施行され、その動向が注目されていた「ステマ規制」については、通販関連ではないものの、東京の医療法人がくちコミ投稿での高評価の対価として費用を割り引いていたとして、6月に初の処分を受けた。

送料引き上げの動きが加速

昨今のトレンドとなっていた値上げ関連の話題では、ヤマト運輸や佐川急便など大手宅配事業者の運賃値上げに伴い、通販各社も送料の見直しを相次いで実施。また、6月には日本郵便がこの秋から郵便料金を値上げすることも正式に発表しており、コストアップがさらに続くことが予想される。

注目分野は「動画」「食品通販」

動画コマースが加速

そのほか、新技術・新サービスとしては、動画コマースの取り組みが一段と加速。仮想モールの「Qoo10」を運営するイーベイジャパンが2月に都内にライブコマース専用のスタジオを開設したほか、ユニクロではオウンドメディアによるライブ配信視聴者数が2500万人を突破している。

食品EC各社に新たな動き広がる

成長著しい食品通販分野では、4月にオイシックス・ラ・大地が冷蔵おかずを届ける新サービスを開始して中食市場に参入。酒類販売大手のカクヤスは酒類以外の冷蔵品の取り扱いを開始し、江崎グリコは6月に冷凍ヘルシーミールの定期宅配サービスの「GREEN SPOON」を買収して子会社化している。

オイシックス・ラ・大地の連結子会社であるとくし丸が運営する移動スーパー「とくし丸」
オイシックス・ラ・大地の連結子会社であるとくし丸が運営する移動スーパー「とくし丸」

ファッション業界では再編進む

ファッション分野においても、4月にアダストリアとイトーヨーカ堂が協業ブランドの本格展開を開始ゾゾでは3D計測用ボディースーツ「ゾゾスーツ」を活用した法人向けの計測業務効率化サービスを始めている

さらに、中古ブランド販売を巡っては、コメ兵グループハイブランド専門リユースのリクロを買収したほか、ブランド買い取り販売の「ブランディア」を運営するデファクトスタンダードをオークネットが子会社化するなど、業界再編が進んでいるようだ。

Amazonは代金引換終了

そのほかのトピックスとしては、6月にアマゾンジャパンが商品購入時の決済手段の1つである代金引換を終了

代金引換終了の一方で、NTTドコモと協業し「dポイント」がAmazonでも適用できる仕組みとした
代金引換終了の一方で、NTTドコモと協業し「dポイント」がAmazonでも適用できる仕組みとした

「ポンパレモール」は閉鎖

また、リクルートが、これまで11年間に割って運営してきた仮想モール「ポンパレモール」を閉鎖。ここ数年間のさまざまな環境変化や同モールの利用状況などを総合的に判断したとしている。

ますます創意工夫が求められる下半期

物流課題や紅麹問題など全体的に後ろ向きなニュースが多く、通販業界にとって今上半期は我慢の時が続いた印象だった。今下半期も引き続きコストアップや人手不足など、想定される課題が山積している。各社にとって、今まで以上に創意工夫を持った取り組みが求められている年と言えるだろう。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

→ 年間購読を申し込む(通販新聞のサイト)
通販新聞の過去記事を読む(通販新聞のサイト)
→ 通販新聞についてもっと詳しく知りたい

通販新聞

ふるさと納税、2025年10月からポイント付与伴う寄付禁止/ジャパネットが旅行サービスの「ゆこゆこ」を買収【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

1 year 8ヶ月 ago
2024年6月28日~2024年7月4日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. ふるさと納税、2025年10月からポイント付与伴う寄付禁止。今秋からは返礼品強調の広告宣伝も規制

    総務省は「ふるさと納税」に関する基準の見直しを告示。2025年10月より、寄付者にポイント付与などを行うポータルサイトを通じた寄付を禁止する。ポイントサイト経由も対象となる。2024年10月からは返礼品を強調した宣伝広告を禁止。また商品ページでの「お得」などといった表示も規制する。

    2024/7/1
  2. ジャパネット、旅行サービスの「ゆこゆこ」を買収。売上150億円超の旅行事業のさらなる拡大をめざす

    「ゆこゆこ」は宿泊予約事業を20年以上運営しており、取引している宿泊施設数は約3000軒、会員数は6月時点で約880万人を超える。

    2024/7/2
  3. 郵便料金の値上げ、約半数が「対策の予定あり」。郵便業務の課題は「コスト」「切手や手紙などの購入・管理の手間」

    郵便料金の値上げについて日本郵便は10月1日、第二種郵便物の「葉書」は現在の63円を85円に引き上げる。第一種定形郵便物の「封書」について、「封書」は84円(25グラム以下)と94円(50グラム以下)の現行料金をそれぞれ110円に値上げする。

    2024/6/28
  4. 楽天の三木谷社長「「地方活性化の政府方針と大きく矛盾」。「ふるさと納税へのポイント付与禁止」撤回求めネット署名

    総務省は、ポイント付与を伴うポータルサイトを通じた「ふるさと納税」寄付禁止などを告示。楽天グループは三木谷浩史氏名義で反対の声明を出した。民間原資のポイント付与禁止への違和感や、地方活性化をめざす政府の方針と矛盾するなどとし、「ふるさと納税へのポイント付与禁止」の撤回を求めるネット署名を開始した。

    2024/7/1
     
  5. コメ兵の新たな顧客体験向上施策とは? リテールメディア化が生む“ワクワク”な 買い物体験と収益創出事例

    コメ兵が取り組むサンクスページを使った新たな施策について、コメ兵の諏訪弘樹氏と、「Rokt Ecommerce(ロクト・イーコマース)」を提供するRokt合同会社 の松田誠氏に聞いた

    2024/7/1
     
  6. ドメイン盗難被害の夢展望子会社、サイト運営困難からの復旧までの経緯と状況

    夢展望の子会社で企業サイトのドメインが盗難に遭ったジュエリー販売のトレセンテは、新たなドメインを取得して企業公式ホームページを復旧した。ECサイト「トレセンテ オンラインストア」は別ドメイン「trecenti.net」で運営していた。

    2024/7/2
     
  7. モノタロウ、ヤマト運輸との連携を強化。置き配の対象拡大、配送日時指定をスタート

    MonotaROによると、ヤマト運輸との連携強化により、ヤマトへの配送委託物量は2024年6月から大幅に増加しているという。

    2024/7/3
     
  8. 宅配便の再配達率は約10.4%(2024年4月)で前回調査比約0.7ポイント改善、政府が掲げる数値目標は6%

    国交省が実施している調査によると、再配達率は2023年4月に約11.4%、2023年10月は約11.1%だった

    2024/7/3
     
  9. インスタ起点でユーザーの8割が検索、5割が商品購入、経路は外部検索→ECが最多【Instagram利用動向調査】

    ホットリンクの調査によると、Instagramをきっかけに約80%が検索行動を起こしており、約55%は購入経験があった。購入経路は外部サイトで検索を行いECで購入というケースが最も多い。

    2024/7/3
     
  10. EC実施の中小企業、自社ECを持たない理由は「コストが高い」「集客に不安がある」が3割超。「社内に人材がいない」も2割超

    ペイパルは「中小企業によるEコマース活用実態調査2024」の結果を6月25日に発表。ECサイトを運営している中小企業に、オンライン販路、 自社ECなどを持たない理由などを聞いた。

    2024/6/28
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    C Channel森川社長、楽天、eBayなど登壇! 事例、最新ツール、トレンドが学べる全40講演のオンラインイベント【7/10+11開催】

    1 year 8ヶ月 ago

    ユニメディアが運営するECメディア『通販通信ECMO』は7月10日(水)と7月11日(木)の2日間、全40講演のEC・通販事業者向けオンラインイベント「ECの全てを語り尽くす2日間『ECカンファレンス2024 Summer』」を開催。顧客コミュニケーション設計、物流、決済、データ活用、インフルエンサーマーケティングなど40講演を配信する。

    「ECの全てを語り尽くす2日間『ECカンファレンス2024 Summer』」の詳細と申し込みはこちら

    レビュー活用、インフルエンサーマーケティング、メーカーEC強化の軌跡などを語る

    • Z世代女性の心をつかむ! レビューを活用してLTVを最大化する方法
      (eBay Japan合同会社Seller Growth マネージャー 廣瀬 岳 氏)
    廣瀬 岳 氏(画像は『通販通信ECMO』のイベントサイトからキャプチャ)
    廣瀬 岳 氏

    Z世代女性の実際の消費行動を理解し、どのようにして顧客に変えていくのかを「Qoo10」の担当者がわかりやすく解説する。

    • 国民総インフルエンサー時代突入? 国内最大規模26,000人のマイクロインフルエンサーを抱えるC Channelから見たインフルエンサーマーケティングの現在地と未来
      (C Channel株式会社 代表取締役社長 森川 亮 氏)
    森川 亮 氏(画像は『通販通信ECMO』のイベントサイトからキャプチャ)
    森川 亮 氏

    女性ファンが多い縦型動画メディア「C CHANNEL」の運営や、 「ひよん」氏、「水越みさと」氏、「鹿の間」氏といった有名インフルエンサーを創出し、 SNS/インフルエンサーマーケティングに強みを持つC Channel。 今後の展望や、最新トレンドなどを事例を交えて代表取締役社長の森川氏が講演する。

    • 楽天と歩む、メーカー視点のEC強化
      (楽天グループ株式会社 アカウントイノベーションオフィス 営業推進課 インキュベーショングループ ヴァイスマネージャー 中川 貴之 氏、スリーエムジャパン株式会社 デジタルコマース販売部 アナリストマネージャー 山本 清貴 氏)
    楽天グループ 中川氏(画像は『通販通信ECMO』のイベントサイトからキャプチャ)
    楽天グループ 中川氏
    スリーエムジャパン 山本氏(画像は『通販通信ECMO』のイベントサイトからキャプチャ)
    スリーエムジャパン 山本氏

    「楽天市場」における、化学・電気素材メーカーのスリーエムジャパンと楽天の取り組み事例を対話形式で配信。2020年から現在までの軌跡を振り返りながら、メーカー視点のEC強化について講演する。EC強化における基礎的な内容から、マーケティング視点でのアプローチまで学べる内容となっている。

    ◇◇◇

    オンラインイベントはユニメディアのほか、インプレスの「ネットショップ担当者フォーラム」、「コマースピック」のインプレス、「ECタイムズ」のWUUZYが協力。全40講演を用意した。

    2024年のモールECの攻略法、売上アップを加速する自社EC構築、データ分析による商品販売戦略の策定、「売れるECサイト」に直結する再現性の高いノウハウなど、各領域の有識者が登壇して多数の成功事例、ノウハウを披露する。視聴は全講座無料。主な講演は次の通り。

    • GPT時代におけるEC領域のAI活用法
    • 越境EC成功のカギ
    • LTVを向上させるポイントと顧客体験設計
    • メーカーのリアルな成功・失敗談から学ぶ、インフルエンサー施策の活用法
    • 差別化・LP訴求力アップのポイント
    • 利益増・コスト改善・生産性向上を実現するバックヤード改善術
    • 売上アップのために必要なマーケティング思考
    • リピート率向上・売り上げ拡大に直結する「次世代CRM物流」の成功事例
    • リピーター口コミを倍増させる楽天ショップ攻略法
    • メール、LINE、SMSを駆使したマルチチャネルCRM
    • クレジットカードの不正利用および不正転売の対策の必要性
    • 海外SNSマーケティングを活用したECサイト成長戦略

    「ECカンファレンス2024 Summer」について

    • 開催日時:2024年7月10日(水)、7月11日(木)10:00~19:00
    • 募集人数:2000人
    • 場所:オンラインセミナー
    • 主催:ユニメディア
    • 費用:無料(事前登録制)
    • 詳細と申し込みhttps://seminar.tsuhannews.jp/seminar/20240710/
    高野 真維

    三井不動産が力を入れるお取り寄せグルメサービス「mitaseru」とは?

    1 year 8ヶ月 ago

    三井不動産は、厳選したお取り寄せグルメサービス「mitaseru(ミタセル)」の本格事業化を決定し、サービスの運営主体となる「株式会社mitaseru JAPAN(ミタセル ジャパン)」を設立した。

    「mitaseru」は、専門の料理人が名店のメニューをレシピ通りに手作りで調理し、ネット通販などで販売するサービス。指定食材の仕入れから商品の製造、販売までを一気通貫で請け負う独自の「飲食店と併走する」事業モデルを展開する。

    三井不動産は、厳選したお取り寄せグルメサービス「mitaseru(ミタセル)」の本格事業化を決定し、サービスの運営主体となる「株式会社mitaseru JAPAN(ミタセル ジャパン)」を設立
    「mitaseru」のビジネスモデル

    飲食業界における人手不足や競争激化といった厳しい事業環境のなかで、飲食事業者の「新たな形」を創出する。国内販売に加えて海外販売も展開し、2030年までに事業規模50億円をめざす。

    「mitaseru」では、有名店から予約困難店、ミシュランガイド掲載店、今はなき名店など、三井不動産グループが厳選した店舗ラインアップをめざしている。このほど、店の味を守る「美味しいの継承プロジェクト」による復刻商品、有名店の味など計4店舗を取りそろえた。これにより参画店舗は34店舗、67商品に拡充した。

    今後は千葉・船橋にある物流拠点「三井不動産ロジスティクスパーク船橋(MFLP船橋)」内に商品製造拠点を新設し、商品生産体制を強化する。2025年秋の稼働を予定しており、商品製造から配送まで一気通貫した独自のサプライチェーンを構築することで、「mitaseru」の中心利用者である首都圏の顧客へ、いち早く商品を届ける。

    松原 沙甫

    楽天グループの体験イベント「Rakuten Optimism 2024」8/1~4で開催。ビジネスカンファの三木谷社長講演は初日

    1 year 8ヶ月 ago

    楽天グループ(楽天)は8月1~4日の4日間、東京・有明の東京ビッグサイトでグループ最大級の体験イベント「Rakuten Optimism 2024」を開催する。ビジネスカンファレンスの他、最新テクノロジーや「楽天エコシステム(経済圏)」を体感できる体験型イベント「Future Festival」を実施する。

    「ビジネスカンファレンス」は8月1~2日に開催。8月1日12時からは三木谷浩史会長兼社長が「Rakuten Optimism 2024 オープニングキーノート」として講演する。

    8月2日11時15~50分は、三木谷会長兼社長とASTスペースモバイルのアーベル・アヴェラン会長兼CEOが、「『スペースモバイル』でどこでもつながる時代へ(仮)」のテーマでトークセッションを行う。

    このほか、8月2日の13時55分~14時30分には、楽天の河野奈保副社長執行役員CMO(Chief Marketing Officer)と、クリエイティブディレクターでSAMURAI代表の佐藤可士和氏が、「クリエイティブ×AI(仮)」をテーマに対談する予定だ。

    体験型イベント「Future Festival」では、2023年に好評だったという「楽天ドローンブース」が登場。ドローン操縦体験ではプロのドローン操縦士からレクチャーを受け、子どもでも安心してドローンを飛ばせるほか、「Rakuten STAY VILLA」などの楽天の施設をドローンで撮影したバーチャルツアーを用意する。

    ドローン操縦体験とバーチャルツアー体験コーナーのイメージ
    ドローン操縦体験とバーチャルツアー体験コーナーのイメージ

    最新のAI技術を活用した体験ブースも多数出展。「楽天競馬・楽天Kドリームス」のブースでは、VRで競馬を体験できるコーナーや競輪競技の疑似体験ができるワットバイクチャレンジなど、各種体験コンテンツが楽しめる。

    AI絵日記生成
    AI絵日記生成

    「Rakuten Optimism」は、「楽天エコシステム」の概念とサービスへの理解促進、新たな発見のきっかけとなる場を提供を目的に実施。2024年で5回目となる。

    松原 沙甫

    貯めているポイントのトップは「楽天ポイント」、2位は「Vポイント」、3位は「PayPayポイント」

    1 year 8ヶ月 ago

    ICT総研が実施した共通ポイントの利用動向調査によると、ユーザーが貯めているポイントのトップは「楽天ポイント」だった。また、「楽天ポイント」は残高を把握しているユーザーの率も高かった。

    ICT総研では2024年6月20日~6月27日まで、インターネットユーザー4394人を対象にWebアンケートを実施した。

    共通ポイント以外も含め「貯めているポイント」を聞いたところ、「楽天ポイント」(65.2%)がトップ。「Vポイント(旧Tポイント)」(44.9%)、「PayPayポイント」(43.7%)、「Pontaポイント」(42.2%)、「dポイント」(40.7%)と続いた。調査では、回答率が40%超と高いこの5つを「5大共通ポイント」とした。

    5大共通ポイント以外に回答率が高かったものには、「WAONポイント」(27.0%)、「LINEポイント」(20.5%)、「nanacoポイント」(15.5%)があった。交通系では「JREポイント」「ANAマイル」が8%台、「JALマイル」が6.9%にとどまった。

    「現在の残高をおおむね把握しているポイント」も調査。トップは「楽天ポイント」で56.4%。次いで「PayPayポイント」が32.3%だった。「楽天ポイント」「PayPayポイント」「dポイント」は、「貯めている」と「残高を把握している」の回答率の差が小さく、意識して貯めているユーザーが多いことが読み取れる。

    一方で、ドラッグストアやスーパーといった小売店のポイントや銀行・クレジットカードのポイントは、「貯めている」とする回答数に対して「残高を把握している」とする回答が比較的少ない傾向だった。

    ICT総研が実施した共通ポイントの利用動向調査
    ためているポイント・残高を把握しているポイント

    メインで利用している携帯電話も聞いた。メイン利用携帯電話別に、貯めている共通ポイントを算出した。各携帯キャリアは紐づく共通ポイントを持っており、アンケート結果にも相関が見られた。

    ドコモユーザーは「dポイント」、ソフトバンクユーザーは「PayPayポイント」がトップのように、全体の結果と比べて携帯キャリア系列のポイントに寄る傾向が見られた。

    一方、auユーザーはキャリアに紐づく「Ponta」(60.3%)を抑えて「楽天ポイント」が62.4%でトップ。また、ドコモユーザー、ソフトバンクユーザーではキャリアに紐づくポイントがトップだったものの、いずれも次点となった「楽天ポイント」が肉薄している。さらに楽天モバイルユーザーは「楽天ポイント」が次点を大きく離してトップとなっており、他キャリアとの違いも見られた。

    ICT総研が実施した共通ポイントの利用動向調査
    いずれの携帯キャリアでも楽天ポイントの存在感が大きい結果に

    ICT総研が各社の公表値やアンケート結果を元に実施した推計によると、5大共通ポイントの日本国内の会員数の単純合計(3月末時点)は5億3300万人。2025年3月末には前年比104.1%の5億5500万人にまで拡大すると見ている。国勢調査における日本の15歳以上人口1億994万人を基準とした場合、1人あたり4.8社の共通ポイントの会員になっていることになる。

    ICT総研が実施した共通ポイントの利用動向調査
    1人あたり4社以上のポイントを貯めている計算に
    鳥栖 剛

    アインHDがフランフランを約500億円で買収。「クロスMD」「モール型ECサイト」「共同出店」など期待するシナジーとは?

    1 year 8ヶ月 ago

    ドラッグストア「アインズ&トルペ」や調剤薬局などのアインホールディングスは7月3日、インテリア・雑貨販売のFrancfranc(フランフラン)を約500億円で買収すると発表した。顧客層などが共通しており、クロスマーチャンダイジングや共同出店、共同商品開発などでシナジーを創出。モール型ECサイト構築も視野に入れている。

    ドラッグストア「アインズ&トルペ」や調剤薬局などのアインホールディングスは、インテリア・雑貨販売のFrancfranc(フランフラン)を約500億円で買収
    顧客層などが共通する(画像はアインHDのIR資料からキャプチャ)

    アインHDによると、Francfranの取得金額はアドバイザリー費用などを除き499億7600万円。株式譲渡の実行日は8月20日を予定している。

    「アインズ&トルぺ」「Francfranc」は出店エリアや主要顧客層、価値観に類似性があると説明。販売商品のカテゴリーが異なるため補完関係にあり、両社の強みを生かしたシナジーを発揮できると考え買収に至ったとしている。

    リテール事業に該当する「アインズ&トルペ」の全体に占める売上比率は約8%。Francfranの買収でこの比率は約16%になるとしており、中長期でリテール事業の売上比率を20~30%まで拡大させる。

    ドラッグストア「アインズ&トルペ」や調剤薬局などのアインホールディングスは、インテリア・雑貨販売のFrancfranc(フランフラン)を約500億円で買収
    アインHDはリテール事業の拡大をめざす(画像はアインHDのIR資料からキャプチャ)

    「アインズ&トルペ」は約9割がコスメという独自の商品構成を採用し、他のドラッグストアと差別化を図っている。日本全国に83店舗を展開し、ECサイトも運営。「Francfranc」は20~30代の女性をメインターゲットに、インテリア・雑貨を取り扱う。国内152店舗、海外9店舗、ECを通じてライフスタイルを提案している。

    今回の買収によって「クロスマーチャンダイジング」「店舗開発」「ノウハウ共有」におけるシナジーを見込む。Web領域に関しては「モール型ECサイトの構築」「SNSの相互活用」をあげる。

    ドラッグストア「アインズ&トルペ」や調剤薬局などのアインホールディングスは、インテリア・雑貨販売のFrancfranc(フランフラン)を約500億円で買収
    モール型ECサイトの構築も視野(画像はアインHDのIR資料からキャプチャ)

    マーチャンダイジングの面では、異なる商品カテゴリーを強みとする両社の店舗が、互いにプライベート商品を取り扱う。たとえば、店頭で「Francfranc」のミラーと「アインズ&トルペ」のリップのまとめ買いを提案するなど互いに保有していない商品カテゴリーを相互補完。顧客満足度と顧客単価の向上を図る。

    ドラッグストア「アインズ&トルペ」や調剤薬局などのアインホールディングスは、インテリア・雑貨販売のFrancfranc(フランフラン)を約500億円で買収
    PB商品の相互取り扱いで顧客単価増などを狙う(画像はアインHDのIR資料からキャプチャ)
    ドラッグストア「アインズ&トルペ」や調剤薬局などのアインホールディングスは、インテリア・雑貨販売のFrancfranc(フランフラン)を約500億円で買収
    雑貨とコスメのまとめ買い提案も(画像はアインHDのIR資料からキャプチャ)

    店舗開発の面では、共同出店などに取り組む。「アインズ&トルぺ」と「Francfranc」の出店エリアは主要都市を中心に駅ビルや商業施設などターゲットが近く、店舗同士の親和性が高い。大規模面積の物件への戦略的共同出店など出店形態のバリエーションを拡大する予定。また新業態の開発も検討していくとしている。

    ドラッグストア「アインズ&トルペ」や調剤薬局などのアインホールディングスは、インテリア・雑貨販売のFrancfranc(フランフラン)を約500億円で買収
    出店エリアなど重なる部分は多い(画像はアインHDのIR資料からキャプチャ)

    ノウハウ共有による商品開発も手がけていく。「アインズ&トルぺ」と「Francfranc」は、いずれも顧客へのライフスタイルの提案をミッションに掲げる。ノウハウを共有することで、20~30代を中心とする幅広い層をターゲットとした「暮らし」「美と健康」をサポートする商品を開発。双方のPOSデータや会員情報による主要顧客層の購買情報などを活用する。

    ドラッグストア「アインズ&トルペ」や調剤薬局などのアインホールディングスは、インテリア・雑貨販売のFrancfranc(フランフラン)を約500億円で買収
    主要顧客層の購買情報などを活用(画像はアインHDのIR資料からキャプチャ)
    鳥栖 剛

    KDDIグループのECモール「au PAY マーケット」、特典制度「買い得メンバーズ」を刷新。最大10%のポイント還元

    1 year 8ヶ月 ago

    KDDIとauコマース&ライフは10月1日、KDDIグループのECモール「au PAY マーケット」の特典制度「買い得メンバーズ」をリニューアルする。

    「買い得メンバーズ」は、毎月の買い物金額や条件に応じたポイント還元、前月の利用金額に応じて提供する「買い得クーポン」、「au PAY マーケット」での買い物に応じて「ルーレット券」を付与する特典制度。

    10月以降、毎月の買い物に対するポイント還元の対象に「au」「UQ mobile」利用ユーザーを追加。「au」「UQ mobile」の契約期間に応じて、最大1.5%のポイントを還元する。

    「au PAY カード」「au PAY」残高での支払い、「auスマートパスプレミアム」の加入などの条件に応じてポイントを加算すると最大10%のポイント還元となる。「au」「UQ mobile」ユーザーは継続利用でポイントがたまりやすくなり、「au PAY マーケット」での買い物がさらにお得になるとしている。

    「買い得クーポン」は前月のご購入金額に応じて、最大総額1200円分の割引クーポンを毎月提供する。従来から提供している「買い得ルーレット」はリニューアル後も内容を変えずに提供。「au PAY マーケット」で2000円以上買い物すると最大2000ポイントや最大1000円割引クーポンなどが必ず当たるルーレット券を配布している。

    KDDI、auコマース&ライフは今後もPontaポイントを軸に、「顧客にとって楽しみになるおトクなショッピングサイトを提供し、新しい買い物体験を追求していく」としている。

    松原 沙甫

    Amazonが六本木でリアル夏祭り、提灯・やぐら・露店など縁日をモチーフにした空間で「プライムデー」商品を展示

    1 year 8ヶ月 ago

    アマゾンジャパンは「Amazonプライム」会員限定セール「プライムデー」(7月16日0時から7月17日23時59分)で販売する商品の展示やキャンペーンなどを紹介するリアルイベント「プライムデー 夏祭り」を7月12~14日までの3日間、東京・港区の「六本木ヒルズアリーナ」で実施する。

    「プライムデー 夏休み」では、「プライムデー」で販売する100万点以上のセール対象商品から注目の商品約100点を選択。提灯ややぐら、露店など、縁日をモチーフにした写真映えする空間で展示する。

    「プライムデー」で展開するさまざまなキャンペーンを紹介。オリジナルグッズやスイーツなどの賞品が当たる「プライム千本引き」といったコンテンツをすべて無料で提供する。

    アマゾンジャパンは「Amazonプライム」会員限定セール「プライムデー」(7月16日0時から7月17日23時59分)で販売する商品の展示やキャンペーンなどを紹介するリアルイベント「プライムデー 夏祭り」を7月12~14日までの3日間、東京・港区の「六本木ヒルズアリーナ」で実施する
    「プライムデー 夏祭り」のイメージ

    「プライムデー」は7月16日0時から7月17日23時59分までの48時間。「プライムデー 夏休み」を実施することで、「プライムデー」の認知向上を図っていく。

    「プライムデー」は2015年にスタートし、2024年で10回目。2024年の「プライムデー」は「たくさんの特別がグッとお得」をテーマとし、さまざまな商品カテゴリーから100万点以上の商品をお得な価格で販売する。

    今回の「プライムデー」は日本のほか、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、エジプト、フランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルグ、メキシコ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、サウジアラビア、シンガポール、スペイン、スウェーデン、トルコ、アラブ首長国連邦、米国、英国、インドの計24か国で実施する。

    米国のEC専門紙『Digital Commerce 360』の分析では、9回目となった2023年の「プライムデー」は、世界中の「プライム会員」が「Amazon」で合計約130億ドルの買い物をしたとしている。

    松原 沙甫

    ファミペイ初の会員プログラム「ファミマメンバーズプログラム」とは? ファミペイ提示の購入総額+来店でランクアップ

    1 year 8ヶ月 ago

    コンビニ大手のファミリーマートは7月2日、スマホ決済「ファミペイ」初の会員プログラムとなる「ファミマメンバーズプログラム」をスタートした。月間の来店回数と購入金額に応じてランク分けし、ランクに応じてクーポンやポイントなどの特典を提供する。

    コンビニ大手のファミリーマートは7月2日、スマホ決済「ファミペイ」初の会員プログラムとなる「ファミマメンバーズプログラム」をスタート
    月間の来店回数と購入金額に応じてランク分けする

    会員ランクは「レギュラー」「シルバー」「ゴールド」「アンバサダー」の4段階。月間の来店回数と合計購入金額によって翌月のランクを決定する。会員ランクは毎月リセット。「ファミペイ」の提示で計測するが決済方法は問わないとしている。レジ袋やたばこなど一部商品の購入はランク決定の月の購入総額の対象外となる。

    コンビニ大手のファミリーマートは7月2日、スマホ決済「ファミペイ」初の会員プログラムとなる「ファミマメンバーズプログラム」をスタート
    ランクは4段階。毎月リセットとなる

    ファミリーマートでは、「ファミペイ」の利用を促進し顧客とのコミュニケーションを強化。キャッシュレス化を推進して店舗における省力化をめざすとしている。

    「ファミマメンバーズプログラム」開始月となる7月の特典は「1億5000万円相当のクーポン発行」と「5000万円相当のファミマポイント山分け」。7月中に3回以上の来店と合計3000円以上の買い物をすると8月に利用できるクーポンと、ポイント山分けの特典を提供する。

    クーポンについてはランクごとに内容が異なり、「アンバサダー」ランクは無料引き換えクーポンを2種進呈。「ゴールド」「シルバー」ランクは対象品に利用できるクーポンを進呈する。

    コンビニ大手のファミリーマートは7月2日、スマホ決済「ファミペイ」初の会員プログラムとなる「ファミマメンバーズプログラム」をスタート
    初月の特典は総額1億5000万円分のクーポン発行と5000万円分のポイント山分け
    鳥栖 剛

    「タイパ」世代の顧客に刺さる、CVRが40%向上した施策「Amazon Pay」の「Buy Now(今すぐ買う)」機能とは。中古スマホのイオシスに見る成功事例

    1 year 8ヶ月 ago
    「Amazon.co.jp」の「今すぐ買う」と同等の機能が自社ECで実装できる決済サービス「Amazon Pay」の「Buy Now」をいち早く導入したイオシスでは、コンバージョン率や売り上げなどに大きな成果が出ている。イオシスの顧客が「Buy Now」を求める理由や効果について、取締役社長の呉孝順氏が解説する
    [Sponsored by: ]

    スマホやPCなどの買い取り・販売を手がけるイオシスは、ECサイトの離脱防止策の一環として、2018年にAmazonのアカウントを利用して簡単・便利に買い物ができる決済サービス「Amazon Pay」を導入。直後から効果が表れ、現在に至るまで「Amazon Pay」の利用率やサイトのコンバージョン率などを伸ばし続けてきた。2023年末には、「Amazon Pay」から新たにローンチされた「Amazon Pay - Buy Now(バイナウ)」機能を国内企業としては初期に実装。低価格帯商品ではコンバージョン率の大幅な改善につながっている。「Amazon Pay」さらには「Buy Now」がイオシスのEC売上アップに寄与している理由を取締役社長の呉孝順氏に取材した。

    ITリユース界をけん引するイオシス

    1996年に個人商店として創業し、「けっこう安い。」の看板を掲げ、中古パソコンの買い取り・販売から事業を開始したイオシス。テクノロジーの進歩やニーズの変遷に合わせて取扱商品や店舗数を拡大し、現在は東京エリアの秋葉原・新宿、大阪エリアの日本橋・なんば、兵庫エリアの神戸、愛知エリアの名古屋、福岡エリアの天神に全11店舗を展開している。また、販売・買い取り・レンタルのそれぞれでECサイトも運営。2024年3月期通期の売上高は143億円で、ITリユース業界をけん引する1社である。

    イオシスが自社で運営する商品販売サイトのトップページ
    イオシスが自社で運営する商品販売サイトのトップページ

    店舗もECもコアユーザーが高頻度で来店

    イオシスの実店舗は、スマホの買い取りと販売の両方を行う店舗、買い取り専門の店舗、販売専門の店舗がある。顧客層は男性が多く、特に20~40代がボリュームゾーン。販売店舗では毎日商品のラインアップが変わるため、各店舗とも2日に1度ほどの高い頻度で来店する常連客も多い。同様に、ECサイトも毎日商品を追加するため、目当ての商品を登録しておき、1日に何度も来訪するコアなファンは少なくない

    商品・在庫の回転率が極めて高い水準を維持していることが、イオシスの強み。「中古品だからこそ、同じ商品はないかもしれない」という気持ちから、頻繫に来店するお客さまが多いのだろうと思います。長く店舗に留まる商材はとても少なく、SNSに目玉商品を投稿すると30分後には売れてしまうほど。

    ECや店舗で販売できる状態になった商材はすぐに出荷されるため、在庫センターにも在庫はほとんどない状況です。買い取りがよりスムーズになり、もっと潤沢に商材が手に入れば、まだまだ販売数は伸びると考えています。(呉氏)

    イオシス 取締役 社長 呉 孝順 氏
    イオシス 取締役 社長 呉 孝順 氏

    「Amazon Pay」がCVRアップに貢献

    イオシスのECサイトでは、2018年初頭にAmazonが提供する決済サービス「Amazon Pay」の導入を決め、わずか1か月の開発期間を経て実装した。多くのEC事業者が抱えるのが「カゴ落ち」「カート落ち」などによる離脱問題。イオシスは少しでも購入を後押しできる施策を探していたなかで、Amazonのアカウントを利用して簡単・便利に買い物ができる決済サービス「Amazon Pay」がその課題の解決に最適な手段と判断し、導入を決めた。

    イオシスの利用者は、自身の知見に基づいて中古スマホを購入できるほどITリテラシーが高いことから、タイムパフォーマンスを重視する傾向があるため、ECサイト内でのクレジットカード情報入力を負担に感じる利用者は少なくないとも考えられるが、「何がカゴ落ち対策としてベストなのか?」と検討を続け行き着いたのが「Amazon Pay」だった。

    「Amazon Pay」を実装すると、Amazonのロゴがある信頼感の提供、Amazonアカウントに登録された配送先住所と支払い方法を使って簡単に決済が完了できる利便性から、購入の後押しに寄与すると効果を実感するEC事業者が多い。

    イオシスもその1社。ECサイト内に「Amazon Pay」のバナーやボタンを掲載し、訪問者に「Amazonブランド」を打ち出すことで、「知名度が決して高くないECサイトでも信用して購入できることを示すことができています」(呉氏)

    「Amazon Pay」導入後すぐに「Amazon Pay」の利用率は40%に達し、現在は5割近くで推移導入直後にコンバージョン率は20%向上し、その効果は2024年現在も続いている

    「今すぐ買う」ボタンと類似の「Buy Now」を自社ECに導入

    イオシスは2023年12月、「Amazon Pay」からローンチしたばかりの「Amazon Pay-Buy Now(以下「Buy Now」)」機能を国内企業としては初期に導入した。

    「Buy Now」は、既存の「Amazon Pay」に追加実装することで、通常の「Amazon Pay」以上に素早く購入することが可能となる、いわば「Amazon.co.jp」の「今すぐ買う」と同等の機能だ。

    1点モノが中心のイオシスのECサイトでは、商品アップ後に「すぐほしい」「すぐ買いたい」といったニーズが多い。こうしたニーズにも応えられると判断し、イオシスは導入を即決した。「イオシスのお客さまに多い、ITリテラシーが高い方にとっては『Buy Now』が一層、効果的だと思いました。導入に伴うメリットが多く、逆にデメリットはないと感じました」(呉氏)

    「Amazon Pay」の導入当初から、カート画面では「Amazon Pay」ボタンを設置していたイオシス。上述の「すぐほしい」といったニーズに応えるため、「Buy Now」の購入フローを導入し、商品詳細ページにも「Amazon Pay」ボタンを新たに設置した。商品詳細画面に「Buy Now」のフローを実装しているのは国内でイオシスが初めて。「Amazon.co.jp」と同様、カート内に商品を入れずに購入完了できる仕組みを構築した。「Buy Now」を実装することで、「Amazon.co.jp」と同様にページ遷移を極力減らして購入できる環境を整えた。

    商品詳細ページにも「Amazon Pay」ボタンを設置。「今すぐ購入」という文言を表示することで購買を促進
    商品詳細ページにも「Amazon Pay」ボタンを設置。「今すぐ購入」という文言を表示することで購買を促進

    「Buy Now」の概要

    「Buy Now」は、2023年に「Amazon Pay」に追加された新機能。通常の「Amazon Pay」の決済プロセスより、さらに少ない遷移数で決済することができる。

    「Buy Now」を商品詳細ページに導入した場合のボタンクリックからの遷移イメージ。商品詳細ページで「Amazon Pay」ボタンをクリックすると、Amazon Payがホストするページ上で住所や支払い情報、送料などの注文に必要な情報が確認でき、購入完了が可能。そのため、通常の「Amazon Pay」の購入フローのように事業者サイトに戻る必要がなく、購入者のリダイレクトを削減できる
    「Buy Now」を商品詳細ページに導入した場合のボタンクリックからの遷移イメージ。商品詳細ページで「Amazon Pay」ボタンをクリックすると、Amazon Payがホストするページ上で住所や支払い情報、送料などの注文に必要な情報が確認でき、購入完了が可能。そのため、通常の「Amazon Pay」の購入フローのように事業者サイトに戻る必要がなく、購入者のリダイレクトを削減できる

    「Amazon.co.jp」の「今すぐ買う」の機能の利便性は知っていましたが、Amazonのサイトだからこそ成立する機能だろうと思っていました。しかし、「Buy Now」の機能を提案いただき、すぐに導入を決めました。自社のECサイトにもお客さまがすぐに購入できるボタンを置けるようであれば、ユーザーエクスペリエンス(UX)、利便性をさらに高めることができます。

    ボタン1つを押すだけで決済プロセスを進めることができるので、販売促進につながるありがたい機能です。イオシスのお客さまとの相性も良さそうだと直感しました。導入コストは社内システム担当者1人月ほどで、大きなコストとはまったく感じていません。(呉氏)

    Amazon Pay イオシス

    「Buy Now」の導入後は実際に、離脱率の改善や成約率の向上が見られているという。呉氏は「導入の難易度は低く、技術力な視点からも容易だった」と振り返っている。

    “タイパ”世代に「Buy Now」が有効

    「Buy Now」を導入した初月から、利用率は決済全体のうちの10%以上を占め、その後もシェアを伸ばし続けている。この傍ら、従来通りに通常のカート画面から「Amazon Pay」で決済する層の顧客も見られており、ニーズに応じてユーザーによる使い分けが進んでいると考えられそうだ。

    「Buy Now」導入の手応えについて、呉氏は「イオシスとしても、導入してこんなにすぐに多くのお客さまに使われるサービスは今までなかったので驚きました。『Buy Now』という購入体験が、消費者の潜在ニーズとして大きかったことを実感しています」と話す。

    比較的安価な1万~2万円程度の商品は特に利用率が高く、この価格帯では導入前後でコンバージョン率が40%ほど向上した。

    イオシスのECサイト利用者は、基本的に単品購入が多い。まとめ買いの傾向は少ないため、気に入った商品があったらそのまま「Buy Now」の決済に流れやすいと分析。今後も単品購入のユーザーを中心に、「Buy Now」の利用はますます進むと期待を寄せている。

    若い世代の間で「タイパ(タイムパフォーマンス)」が重視されていることも、「Buy Now」の利用率の高さと密接に関連していると思っています。日頃からAmazonで買い物をしているお客さまは、購入完了までのページ遷移数は「少なくて当たり前」という感覚が根付いているのかもしれません。

    自社開発で独自に「今すぐ買う」の決済機能を実施することは難しいですが、「Buy Now」を取り入れることで、Amazonのような決済時の利便性を提供することができます。このことは、タイパを意識しているお客さまにも有効です。(呉氏)

    「Buy Now」に並ぶ売り逃し予防策も展開

    イオシスでは、「Buy Now」のほかに「支払い救済型Amazon Pay」も導入している。購入者からの問い合わせが減り、顧客対応コストの削減にもつながっているという。

    「支払い救済型Amazon Pay」は、「Amazon Pay」の提供する機能・サービスのうち、「Buy Now」と同様に離脱や売り逃しの防止に寄与する機能となっている。

    支払い救済型「Amazon Pay」

    支払い方法の選択ページや、「Amazon Pay」以外の決済方法で決済が失敗した際、「Amazon Pay」を案内するポップアップを表示する機能。ユーザーの離脱防止に役立てることができる。

    「支払い救済型Amazon Pay」の注文フロー
    「支払い救済型Amazon Pay」の注文フロー

    イオシスでは20万~30万円台の高価格帯スマホも人気がある。しかし、クレジットカードの限度額を超えてしまっていたり、クレジットカードのこれまでの利用履歴・支払履歴の影響でカードが利用できなかったりすると、売り逃しにつながってしまう。

    そういった消費者に対して、「支払い救済型Amazon Pay」で「Amazon Pay」での支払いを提案することで、Amazonアカウントに登録されたクレジットカードによる支払いだけでなく、「Amazonギフトカード」や「あと払い(ペイディ)」など、「Amazon Pay」が対応しているクレジットカード以外の支払い方法が選択できるため、売り逃しの予防策として有効に働いているのだ。このように、「Amazon Pay」のなかでも選べる決済手段が複数あることは、導入するECサイトにとってメリットとなっている。

    「Amazon Pay」では多様な決済手段を選ぶことができる
    「Amazon Pay」では多様な決済手段を選ぶことができる

    「Amazon Pay」を活用し、メタバースなどでの販売も模索

    イオシスは、「Amazon Pay」の充実した機能とサポートを活用し、今後もECと店舗の双方でサービスを拡充していきたいという。

    中古品なので、「実物を見て買いたい」というお客さまは必ず存在します。ただ、ECで商品を見たお客さまがすぐに店舗に足を運べる状況にあるとは限りません。目当ての商品をWeb上で支払いまで済ませてキープしておき、店舗で実物を見て納得したら持ち帰るようなサービスを提供したいです。そうした場合、店頭受け取りでもWeb上の「Amazon Pay」の利用は進むと考えられます。(呉氏)

    イオシスではWebとリアルの融合も喫緊の課題として捉えている。

    カート画面での決済ボタン「Amazon Pay」や、商品詳細ページからすぐに決済できる「Buy Now」の力を借りながら、メタバース環境でも商品を販売できるようにするなど、さまざまな可能性を探っていきます。(呉氏)

    [Sponsored by: ]
    朝比美帆
    吉田 浩章

    資生堂、ECサイトを「資生堂オンラインストア」へ刷新。多言語対応、AR活用などその特徴は?

    1 year 8ヶ月 ago

    資生堂は7月25日、ECサイト「ワタシプラス」をリニューアルし、サイト名を「資生堂オンラインストア」に変更する。

    ユニバーサルデザインへの刷新や多言語に対応するほか、ブランド拡充、情報発信を強化する。AR(拡張現実)を活用した分析コンテンツ、顧客ごとに最適化したレコメンド機能なども拡充する。

    リニューアルに併せて送料を有料化するほか、得意先と連動したリテーラーEコマース、化粧品専門店オンラインサービス「Omise+(オミセプラス)」との連携を強化。EC専門サイトへの積極展開とOMOの加速を図り、国内EC売上のさらなる拡大をめざす。

    資生堂は7月25日、ECサイト「ワタシプラス」をリニューアルし、サイト名を「資生堂オンラインストア」に変更する
    リニューアル後の「資生堂オンラインストア」のイメージ

    資生堂が掲げる「OMOTENASHI DX」を体現するプラットフォームとしてECサイトをリニューアルし、顧客の多様な価値観や購買行動に対応。「さまざまな美の体験・情報に触れながら、商品を選び、購入することができる公式ECサイトへ進化」させる。

    取り扱いブランドも拡充。英語・中国語・韓国語・フランス語・スペイン語・ベトナム語といった多言語にも対応する。

    現在の「ワタシプラス」で提供しているサービスも整理する。「お店ナビ」などリアル店舗と連動したサービスは、アプリを中心とする資生堂のメンバーシップサービス「Beauty Key」に集約する。

    リニューアル後のECサイトで提供する主なサービス・コンテンツは次の通り。

    • 美容情報コンテンツ「Beauty Topics」の発信
    • オンライン総合美容相談「Online Beauty」
    • ライブコマース「Find Beauty LIVE」
    • メイクアップシミュレーション「バーチャルメイク」
    • 肌のセルフ分析コンテンツ「肌パシャ」
    • DNA検査・カウンセリングサービス「Beauty DNA Program」
    • レコメンドコンテンツ「Discover your skincare sense of values」
    • 「鼻骨格チェック」
    • ARによる美容法サポートコンテンツ「Beauty AR Navigation」

    「ワタシプラス」で展開してきた各種コンテンツは引き続き強化

    「Beauty Topics」では最新トレンドやハウツー記事、肌チェックなどといった美容情報コンテンツを発信。オンライン総合美容相談の「Online  Beauty」はビデオ・電話・チャットで、資生堂のパーソナルビューティーパートナーが商品の使い方や美容についてオンラインカウンセリングを行う。

    資生堂パーソナルビューティーパートナーが演者を務めるライブコマースでは、隙間時間に気軽に参加できるライブ配信を強化し、視聴者限定の特典なども拡充させていく予定としている。

    最新テクノロジーを取り入れたコンテンツ・サービスも強化。「バーチャルメイク」では、スマホなどのカメラ機能や写真のアップロードなどを通じてリップやアイシャドウ、チークといったメイクアイテムを自由に組み合わせてシミュレーションできる。

    「肌パシャ」では簡単な質問の回答、スマホで自信の写真を撮影するだけで、うるおい・透明度・ハリ・シミ・シワ・ほうれい線などの肌状態を分析できるサービス。「Beauty DNA Program」は、10年以上に渡る資生堂独自のDNA研究を生かしたDNA検査・カウンセリングサービスも提供していく。

    リニューアル以降に新たなコンテンツ・サービスを拡充

    夏頃から、顧客ごとのスキンケア利用状況などから発見したタイプ別に最適なコンテンツを届ける「Discover your skincare sense of values」を展開する。

    秋頃からは、スマホを使用して鼻の骨格から将来の肌悩みを予測、肌と身体の強み・弱みの傾向分析から予防のためのケアを提案するコンテンツ「鼻骨格チェック」を提供予定。また、AR技術を用いて適切な美容法の習得をサポートする「Beauty AR Navigation」も展開する。

    リニューアル以降は送料を改訂する。現在は全品送料無料としているが、梱包資材費・配送費高騰を受け有料化とする。リニューアル以降の送料は全国一律で495円。1回の注文金額合計が税込2750円以上の場合は送料無料とする。また、初購入の場合に限り送料無料とする。

    ◇◇◇

    リニューアルに先立ちティザーサイトを公開、「ティザーキャンペーン」をスタートした。リニューアル前の事前エントリーで、リニューアル後の初回購入時にサンプルプレゼント、税込み1万1000円以上の購入でオリジナルアイテムのプレゼントなどを行っている。なお、リニューアルに際したメンテナンスは7月25日(木)の午前0時から午前6時頃を予定している。

    資生堂は7月25日、ECサイト「ワタシプラス」をリニューアルし、サイト名を「資生堂オンラインストア」に変更する
    ティザーサイトのキービジュアル
    鳥栖 剛

    資生堂のネット通販、一律の送料無料を廃止。購入金額2749円以下は全国一律495円を徴収へ

    1 year 8ヶ月 ago

    資生堂は、「1品からでも、全国どこでも送料無料」としているネット通販の配送料を7月25日から有料化する。

    資生堂は7月25日、ECサイト「ワタシプラス」を「資生堂オンラインストア」へリニューアルする。梱包資材費や配送費の高騰という配送を取り巻く環境を踏まえ、リニューアルに合わせて有料化に踏み切る。

    現在、資生堂では全注文の送料を自社で負担している。それを、7月25日から全国一律495円の送料を徴収する。ただ、購入金額の合計が税込2750円以上の場合、送料を資生堂が負担する「送料無料」の対象にする。また、初めて「資生堂オンラインストア」を利用するユーザーにも「送料無料」を適用する。

    資生堂は、「1品からでも、全国どこでも送料無料」としているネット通販の配送料を7月25日から有料化
    送料有料化の案内(画像は「ワタシプラス」からキャプチャ)

     

    瀧川 正実

    買い物体験向上に直結する決済フロー改善4つのポイント。カゴ落ちしても実店舗で購 入などビジネス全体のCVをアップさせた事例 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    1 year 8ヶ月 ago
    ECビジネス成長のための施策を決済、顧客コミュニケーションの観点から事例ベースで解説します

    ECビジネスを成功させるためには、商品開発や販促だけでなく、決済フローの利便性向上、カゴ落ちした顧客へのアプローチなども大切です。今回は、こうした点を工夫してコンバージョンアップに成功している米国事業者の事例を解説します。

    コンバージョン率を向上させる4つのチェックアウト戦略

    家具販売事業者の米American Freightは、顧客にとって見やすく利便性の高い決済フロー、ゲスト購入しやすい仕組みなど、いくつかの施策を通じて顧客の買い物体験を向上させています。

    American Freightの売り上げの多くが実店舗です。その背景には、ECサイトの影響があげられます。消費者は電化製品やソファなど、大きな商品を購入する前に、オンラインで商品を確認する傾向にあるからです。

    ECサイトで商品をチェックしてから店舗で買い物する顧客が増えている
    ECサイトで商品をチェックしてから店舗で買い物する顧客が増えている

    American Freightのラウリ・ジョッフェ氏(チーフマーケティングオフィサー)は、米国のEC専門誌『Digital Conmerce360』の取材で次のように話しています。

    American FreightはECサイトでの買い物体験の改善を進めており、一部のお客さまに対しては、ECでの購入を後押しするためにいくつかの施策を講じています。(ジョッフェ氏)

    American Freighが買い物体験の改善で実行している施策の1つに、チェックアウト(顧客の決済フロー)の改善があります。そして、採用している戦略がビジネス全体のコンバージョン率の改善につながっているのです。たとえば、オンライン上でカゴ落ちした顧客が、その後実店舗で商品を購入するといったケースです。

    1ページで決済を完結させるレイアウト

    チェックアウトの全プロセスを1ページで完結させることは、「コンバージョン率を向上させる上で最も重要」だとジョッフェ氏は説明しています。

    American FreightのECサイトでは現在、配送先住所、請求先情報、支払い情報をすべて1ページにまとめています。約1年前まではそれぞれ別々のページで表示していましたが、それを改善したのです。

    従来のECサイトの決済フローでは、チェックアウトがお客さまにとってかなり長いプロセスになっていました。商品を届けるために、住所情報、決済手段など、さまざまな顧客情報が必要だからです。決済フローにおいてお客さまがチェックアウトの進行状況を可視化できるようにしました。どのステップの入力が完了し、どのステップがまだ残っているかをすべて1ページで確認できる仕組みにしたのです。(ジョッフェ氏)

    American Freightは、顧客がチェックアウトにかかる時間を短くし、できる限りシンプルな構造にすることを追求しています。

    顧客のオンライン上での買い物のしやすさ、決済しやすさを重視している
    顧客のオンライン上での買い物のしやすさ、決済しやすさを重視している

    ゲスト購入を促進する

    顧客に自社ECサイトで購入するためのアカウント作成を促し、アカウント情報を通じて顧客情報を得ようとする小売事業者は少なくありません。ジョッフェ氏によると、消費者はアカウントを作成せず「ゲスト」として目当ての商品のチェックアウトを好む人が多いと言います。

    その点、American Freightでは、顧客データを集めることよりも、ECサイト内でのユーザーエクスペリエンスを向上させることにこだわっており、ゲスト購入を推進しています。(ジョッフェ氏)

    消費者がゲスト状態でのチェックアウトを選ぶ理由は、配送関連以外の個人情報を入力したくない、小売事業者に自分の個人情報を共有したくない、などさまざまです。

    American FreightのECサイトでは、購入者のうち約60%が、ゲスト状態でのチェックアウトで買い物しています。たとえ小売事業者が、アカウント登録されないことで今後の購入を促すための顧客情報が得られないとしても、お客さまが望む方法でチェックアウトできるようにすることが望ましいと言えます。(ジョッフェ氏)

    支払い手法を多くそろえる

    American Freightは、チェックアウトページに「PayPal」「ショッピングローン」「クレジットカード」「Google Pay」「Apple Pay」など、利用可能な支払い方法をドロップダウンで選択できるようにしています。

    顧客は一度にすべての支払いオプションを確認することができ、任意の支払い方法を選択して詳細情報を確認できるように設計しているとジョッフェ氏は説明しています。

    支払い方法のなかでは、「Apple Pay」と「Google Pay」は早い段階で導入しました。モバイルからワンクリックで決済できる支払い方法だからです。American FreightのEC売上に占めるこれらの決済手段の割合は増加しています。(ジョッフェ氏)

    カゴ落ちした顧客を丁寧に手当てする

    カゴ落ちした顧客には慎重にアプローチしています。ジョッフェ氏によると、カゴ落ちした顧客の多くは店頭で買い物をし直すそうです。

    カゴ落ちしたことを通知するメールに加えて、パーソナライズしたメールも送信しています。

    メッセージはパーソナライズしています。カゴ落ちの履歴を踏まえて、個々のお客さまに何か欲しいものがあることを伝えています。たとえばお客さまから「カートに何を入れたか」などの質問があればテキストで返信し、カスタマーサポートのスタッフがお客さまとやりとりします。(ジョッフェ氏)

    オンライン上とはいえ、このやり取りは実際の会話に近いため、コンバージョン向上につながる良い結果を生んでいるとジョッフェ氏は話しており、この顧客コミュニケーションを他の小売事業者にも推奨しています。

    実際の会話のようにカスタマーサポートのスタッフが顧客とやり取りする
    実際の会話のようにカスタマーサポートのスタッフが顧客とやり取りする

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    宅配便の再配達率は約10.4%(2024年4月)で前回調査比約0.7ポイント改善、政府が掲げる数値目標は6%

    1 year 8ヶ月 ago

    国土交通省が公表した「宅配便再配達実態調査」によると、4月の再配達率は約10.4%で2023年4月(約11.4%)と比べて約1.0ポイント改善した。2023年10月(約11.1%)比では約0.7ポイント改善している。

    国交省の調査によると、2024年4月の大手宅配便事業者3社による宅配便総個数の合計は241万1246個。そのうち再配達数は24万9891個で再配達率は10.4%だった。都市部の再配達率は11.4%、都市近郊部で10.0%、地方で8.4%。

    国土交通省が公表した「宅配便再配達実態調査」によると、4月の再配達率は約10.4%で2023年4月(約11.4%)と比べて約1.0ポイント改善した
    「宅配便再配達実態調査」の結果

    EC市場は2022年に全体で22.7兆円規模、物販系分野で14兆円規模。宅配便の取扱個数は5年間で約7億個増加している。

    政府が2023年6月2日に公表した「物流革新に向けた政策パッケージ」では、再配達の削減に向けた取り組みを加速する方針を掲げており、さまざまな再配達削減の取り組みを通じて、2024年度には6%まで削減する数値目標を設定している。

    「宅配便再配達実態調査」は毎年4月と10月の2回、3エリア(都市部、都市近郊部、地方)が含まれる営業所単位ごとに、佐川急便(飛脚宅配便)、日本郵便(ゆうパック、ゆうパケット)、ヤマト運輸(宅急便)の各事業者が取り扱う貨物を調査している。2024年4月の調査は4月1~30日に実施した。

    松原 沙甫

    モノタロウ、ヤマト運輸との連携を強化。置き配の対象拡大、配送日時指定をスタート

    1 year 8ヶ月 ago

    「モノタロウ」を運営するMonotaROはヤマト運輸との配送連携を強化し、すでに実施している置き配サービスの対象拡大や翌日配送エリアの拡大、土日配送の取り組みを広域展開する。また、新たに顧客自身が配送日時を指定できるサービスを一部注文から開始した。

    2023年11月に開始した置き配サービスは、サービス内容を再設計。2024年5月から受け取り可能な顧客を法人から個人まで、対象をすべての顧客に拡大。また、配送エリアも首都圏など14都府県が対象だったのを全国で利用できるようにした。

    MonotaROの「モノタロウ」では事業者からの注文が中心で、届け先従業員が商品を受け取るため初回配達完了率が約95%に達している。ただ、初回配達で受け取れる顧客のなかから、時間指定配送への要望が寄せられていた。

    たとえば、①現場にいる時間帯に商品を受け取りたい②曜日によってテレワークを推奨しているなど、納品先で一時的に不在となる時間帯がある時の受け取り③製造や保全の計画に合わせた確実な受け取りをしたい④大型商品で受け取れる人員が多い時に受け取りたい――など、注文商品の受け取りのタイミングを顧客が自身で設定したいという声があったという。

    こうした顧客の配送サービスに対する要望に対応するため、ヤマト運輸との連携を強化、新たに顧客が自身で配送日時を指定できるサービスを一部の注文から始めた。今後は当日出荷の注文時間の延長を順次行っていく予定。

    松原 沙甫

    「なぜ売れたのか」疑問を持とう! ユーザーの目的からニーズを探りEC改善施策につなげるために「情報管理」が重要 | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

    1 year 8ヶ月 ago
    EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関連するテーマを設定し、判断をするための考え方を解説します【連載7回目】

    「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。

    この連載では、EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝えていきます。7回目は「情報管理」の重要性について解説します。

    強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座
    1. ECのマーケティングとは? 「売り上げを伸ばす」ってどういうこと? EC事業の内製化に大切なポイントを解説!
    2. 客単価が2倍=売り上げも2倍!はウソ? 事例に学ぶ売上の公式の「真実」とは
    3. コンバージョン率が高い=良いECサイト? 「割り算」で算出する数値には注意しよう!
    4. ECサイトのアクセス数アップのポイントは、自社にとって「エンゲージメント」が高いユーザーを意識すること
    5. ユーザーが自社を「選んでくれた理由」「知ってくれた理由」を分析しよう! 商品作り&顧客作りに重要なポイントを解説
    6. 「生の声」「問い合わせ」の情報を蓄積して、ユーザーへの提案の「解像度」を上げることが大切!
    7. 「なぜ売れたのか」疑問を持とう! ユーザーの目的からニーズを探るためには「情報管理」が重要になる

    ECのマーケティングは「ヒト・モノ・カネ・情報といった自社のリソース」と「外部のマーケティングソリューション」を組み合わせて、「結果としての売り上げと利益を最大限に伸ばす」ことが求められます。

    つまり「EC事業の内製化」とは「業務の内製化」ではなく、「判断の内製化」なのです。ECの戦略・方針、日々のアクション・行動、そしてソリューションの選択が成果につながっているか、これだけは社内のネットショップ担当者でなければ判断ができません。

    「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」では、ECマーケティング人財育成(ECMJ)が、こうした判断を行えるEC担当者育成に向けたポイントを解説します。

    「情報管理」について学ぼう!

    石田麻琴(以下、石田)

    ネッタヌ君、早速だけど今回のテーマが何か覚えている?

    ネッタヌネッタヌ

    う~んと、え~っと、あ~っと……なんでしたっけ? すっかり忘れてしまいました。

    石田

    「情報管理」だよ。前回の集客の話でも触れたのに、すっかり右から左に抜けてしまったようだね。

    ECビジネスにおいて、大企業と戦わずに中小企業が生き残るためには、そして後発のEC事業者が先発のEC事業者を出し抜くためには「情報管理」が重要なんだよ。

    でも実は、情報はあまり上手に生かされていないのが現実なんだ。日常にチャンスの芽はあふれているはずなのに、右から左に抜けていってしまう。

    ネッタヌネッタヌ

    も、も、も、もしかして……。

    石田

    そう。今日のネッタヌ君のようにね! はっはっは!

    「情報管理」の重要性とは?

    石田

    まあ、とりあえず情報を生かすことが重要なんだ。そのためにも、情報を管理しておくこと、「情報管理」が重要になる。

    ネッタヌネッタヌ

    (石田さん、冷静になるのが早いな……)

    石田

    これは前回のコラムでも説明したけれど、データはECのシステムが自動収集・集計してくれるしシステム上に残るので、後からでも確認ができる。

    でも、お客さまの「生の声」や「問い合わせ」は、右から左に流れていきやすいものなんだ。仮に掘り下げることで何かしらのチャンスにつながったとしてもね。

    ネッタヌネッタヌ

    データ活用に関するマーケティングのノウハウって最近多いですが、データではない、いわゆる「定性情報」のマーケティング活用って意外と情報が少ない気がします。

    石田

    私がコンサルティングで実際に経験した話を元に、「情報管理」の重要性を説明したいと思う。(実際の事例をわかりやすくするため、少し変更を加えています)

    ネッタヌネッタヌ

    とても楽しみ!

    商品が売れても「喜ぶだけ」はNG! 「なぜ売れたのか」疑問を持つことが大切

    石田

    とある食品を販売しているECサイトでの出来事だった。そのお店はご当地の「ポッキー」とか「ぷっちょ」といったご当地もののお菓子を販売している。

    ネッタヌネッタヌ

    たとえば北海道なら「夕張メロンポッキー」、愛媛なら「伊予柑ぷっちょ」みたいな商品ですね。

    石田

    そう。そういったご当地のお菓子を何種類か売っていた。商品単価は800円くらい、客単価は2000円~3000円くらいで、お客さまは2~3商品を購入していく。そんなネットショップだった。

    しかしある日、異常に客単価が高い日があった。

    ネッタヌネッタヌ

    えっ。もしかして、販売価格の設定が間違っていた? 1商品を8000円で登録しちゃっていたとか……。

    石田

    違うよ(笑)。商品のまとめ買いが入ったんだ。1商品あたり20~30個、それを4~5商品。だから、1人のお客さまが6万円以上購入したことになる。当然、受注処理の担当者がまとめ買いに気づき、歓喜の声をあげたわけだ。

    ネッタヌネッタヌ

    まあ、いきなり6万円の受注が入ったらうれしいですよね。ネッタヌもきっとその日はルンルンだと思います。

    石田

    ネッタヌ君、喜ぶだけ?

    ネッタヌネッタヌ

    え……(何だか妙なプレッシャーが……)

    石田

    大いに喜んで良いのだけれど、喜ぶだけ? 喜ぶだけじゃダメでしょ。

    こういうときはね、「何故こんなことが起こったのか?」を考えるんだよ。これが「情報管理」の神髄。喜ぶと同時に「疑問を持つ」んだ。

    ネッタヌネッタヌ

    すみません、単に喜んだだけになっちゃいました。

    EC内製化 売り上げが上がったことに喜ぶだけでなく、疑問を持つことが大切 ECMJ 人財育成
    何かの事象が起こった際、喜ぶだけではなく「なぜ起きたのか」疑問を持つことが大切

    お客さまが疑問に思うことをきちんとネットショップに表記しよう

    石田

    よくよく過去の受注を調べてみると、件数は多くないとはいえ、「まとめ買い」がいくつかあった。これまではまとめ買いがあっても特段気にせずに「右から左に」情報が流れていたわけだ。

    「商品が『まとめ買い』される」とわかったときにまずやることは、何だと思う?

    ネッタヌネッタヌ

    う~ん、う~ん。

    石田

    シンプルに考えてみよう。まずやるべきは「まとめ買い可能です」「大量注文承ります」と、ECサイト上に出すことなんだよ。仮に商品ページ上の在庫数が足りなくても、問い合わせをすればまとめ買いができることを伝えるわけ。

    ネッタヌネッタヌ

    でもそれって、もしお客さまがまとめ買いしたければ「問い合わせ」してくれるんじゃないですか?

    石田

    いや、お客さまはね、そんなことじゃ「問い合わせ」してくれないんだよ。「まとめ買いできるのかな?」と思っても、もし在庫数が足りなくて表記もなかったら、他のネットショップに探しにいってしまうだけ

    ネッタヌネッタヌ

    他のネットショップへの移動にストレスがないのが、ECの特徴ですもんね。

    石田

    そうなんだよ。だから、お客さまが疑問に思うようなことは事前にネットショップに表記を入れておく必要がある。お客さまはサイレントに離れていってしまうだけだからね。

    ネッタヌネッタヌ

    よくわからなかったら他のネットショップを探しますもんね。

    石田

    それで「大量注文承ります」という表記を入れた。そうしたら、数日後にまたまとめ買いの注文がきたわけだ。

    ネッタヌネッタヌ

    やったぁ!! 狙いどおり! マーケティング大成功!

    石田

    また、喜ぶだけ?

    EC内製化 お客さまはサイレントに離れていく ECMJ 人財育成
    お客さまはサイレントに離れていく

    お客さまの「目的」から「ニーズ」をつかもう

    石田

    ここでもう一歩踏み込まなきゃいけない。自社の商品がまとめ買いされる商品であることはわかった。けれど「なんでまとめ買いされるのか?」がわからない。つまり「商品を購入する目的」がわからないわけだ。

    ネッタヌネッタヌ

    まだ満足しないんですか!?

    石田

    満足するわけがない。思い切ってお客さまに電話をしてみることにした。「昨日いただいたまとめ買いのご注文なのですが、もし特別な用途などがあるなら、ネットショップの方で何かご支援しますよ」と。

    ネッタヌネッタヌ

    お客さまに直接電話しちゃったんですか!

    石田

    うん。電話してもらった。だって「なんでまとめ買いされるのか?」を一番知っているのは、お客さま自身でしょ。お客さまに聞けば一発でわかることを、会議室で「あーだこーだ」無駄に予想していちゃダメだよ。

    ネッタヌネッタヌ

    「お客さまに直接連絡して理由を聞いちゃう」って、何だか目からウロコの解決策。

    石田

    そうしたら、購入者は小学校のPTAの役員さんだということがわかった。PTA主催の子ども会で、子どもたちに配るお菓子をネットショップでまとめ買いしていたわけだ!

    そこで過去のまとめ買い注文を再度調べてみると、送り先が「学童保育所名」や「団体名」になっているものがあることがわかった。

    ネッタヌネッタヌ

    なんだか、情報が点から線につながっていく……。

    石田

    「子どもたちにお菓子を配るイベント」という目的でまとめ買い注文が入る、という「お客さまのニーズ」をつかんだ瞬間だ!

    ネッタヌネッタヌ

    やったぁ! 新しいニーズをつかみましたね!

    石田

    喜ぶだけ?

    EC内製化 お客さまの目的からニーズをつかみ、改善施策につなげる ECMJ 人財育成
    お客さまの目的からニーズをつかみ、改善施策につなげる

    つかんだ「ニーズ」を「チャンス」に変えるために、改善施策を考えよう

    石田

    喜ぶだけじゃなくて、掴んだニーズを「チャンス」に変えていきたい。そのためには改善施策を考えなきゃ。

    さっき少し触れたよね、「表記を出しておく必要がある」って。ネットショップはね、お客さまに「提案」してあげる必要があるんだ。そう考えると?

    ネッタヌネッタヌ

    わかった! 「子どもたちにお菓子を配るイベントにぴったり!」みたいなカテゴリだったり、販促企画を組んだりするとか?

    石田

    さすがネッタヌ君! ここぞというときにやるタヌキ!

    そうなんだよ。お客さまのニーズを知ることでこちらから用途の提案ができるようになる。もちろん「PTA会」「子ども会」「謝恩会」「夏祭り」なんて検索キーワードの対策もイメージできるようになるよね。

    ネッタヌネッタヌ

    複数の種類のお菓子をバラして1人分にパッケージし直す「子ども会セット」のサービスを展開したら、お客さまが利用しやすそう!

    石田

    そういう改善施策も続々とメージがわいてくるよね!

    大切なのは「1つの情報」からどのような仮説を立てて、裏側にあるお客さまのニーズを探し、ECマーケティングの改善施策につなげるか、なんだ。

    ネッタヌネッタヌ

    今回の話も、「6万円のまとめ買い注文が入った」という「1つの情報」からこんなに広がったわけですもんね。

    石田

    もし「1つの情報」を特段気にせず、情報を「右から左に」流していたら?

    ネッタヌネッタヌ

    チャンスを逃していたってことか……。

    石田

    最初に話したとおり、チャンスの芽は日常にあふれている。次回はもう1つ、「情報管理」の面白い体験談を紹介するね。

    ネッタヌネッタヌ

    楽しみ! あっ、喜ぶだけじゃなくて、勉強しなくちゃ!

    ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

    UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

    石田 麻琴
    確認済み
    10 分 22 秒 ago
    ネットショップ担当者フォーラム フィード を購読

    人気記事トップ10

    人気記事ランキングをもっと見る