「結婚難民」&「結婚の社会学」を学ぶ参考図書 | イケダノリユキのCommunitainment Blog

イケダノリユキのCommunitainment Blog - 2009年11月9日(月) 23:17
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うちの会社は女性をターゲットにした商品やサービスのマーケティング戦略やプランニング、マーケティングコミュニケーションの設計から展開までお手伝いすることが多いわけですが、そのときにどれだけ現代女性のインサイトを探ることができるかって、かなり重要だったりします(感性ではなく構造や因果関係として)。


女性の人生は、男性に比べて「結婚」(や結婚に対する価値観)によって大きく変わります。何歳で結婚するのか、どんな人と結婚するのか(性格・顔・年収)、結婚した後も仕事は続けるのか、子どもは産むのか、そもそも結婚をするのか、などなど人によってその考え方やプライオリティは大きく異なります。


結婚に関する社会学の本では(これは女性にとってはとんでもない話ですが)、たびたび女性を「クリスマスケーキ」(24日(歳)を過ぎると売れない)や、最近では「年越しそば」(31日(歳)を過ぎると売れない)などと揶揄します。女性は男性と比べると「年齢制限」のプレッシャーも大きく受けているわけです。


就職活動時から社会人生活において一度も好景気を味わったことの無い世代を「ロストジェネレーション(ロスジェネ)世代」と言いますが、この世代がアラサーになり、団塊ジュニアからバブル世代はアラフォーを迎えています。そして、昨今発表された初婚年齢は、男性がついに30歳を超え、女性も28.2歳と、さらに記録を更新しています。


鬼のような就職活動をしないと就職が決まらなかった世代は、今度は鬼のような結婚活動をしなければ結婚できないという現象が起きています。これが昨今の「婚活」ブームなわけですが、知れば知るほどテレビや雑誌で触れる表面的なブームでは片付けられない深い「構造」が見えてきます。


女性だけでなく、男性も含め、結婚はその他様々なライフスタイルと密接に関わっています。逆に言えば、現在の若年男女を取り巻く「結婚事情」を知れば、そこから逆引きで同世代のライフスタイルやインサイトがあぶり出てくるのです。


ということで、最近読んだのは去年上梓された(↓)。当時それほど話題にならなかった気がしますが、すごい良著でした。


●佐藤留美著「結婚難民」小学館新書
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本書が画期的なのは、現在進行している晩婚化や非婚化は男性が草食化したり「結婚なんてしたくない」と無責任になっているのではなく、(類書の主張とは異なり)、月給20万円を割る非正規雇用者も多い彼らはむしろ責任感が強く、「女性に申し訳ない」からデートにも誘えないし、結婚に踏み切れない、という愛のある反論にあります。


もちろん、三浦展氏が著書で展開するように、ロスジェネ世代の非正規雇用者比率は深刻ですし、その8割が月給20万円以下で生活するワーキングプアと言われる方々です。


女性の多くは結婚後に出産を考えていますので、必然的に仕事は休むか辞めることを考えます。となると、「丸の内OL:年収2倍の法則」ではないですが、自分の給与分も男性側が稼いでくれないと困る、と男性側には一定の所得が求められます。データでは、28歳~32歳の独身女性が結婚男性に求める年収は600万円以上が実に60%以上を占めます。勤続年数5~9年のサラリーマン(正社員)の平均年収は471万円、勤続10年~14年でも545万円ですから、かなり高い水準です。


こうなると、「やはり女性は年収で結婚相手を判断するんじゃないか!」と思ってしまうわけですが、彼女たちも決して贅沢をしたいわけではなく、前述したように、とにかく自分が辞めたときに、今と同じ生活水準を維持したい、という最低限の主張なんだそうです。


まあ賛否両論あるかもしれませんが、特筆すべきは、年収が低い(特に非正規雇用者の)男性ほど、「結婚するなら妻子は自分が養わなければならない」、「結婚したら奥さんには稼いでもらわなくても良い」と回答し、逆にある程度の年収がある男性ほど、「結婚しても奥さんには働いてもらいたい」、「ある程度奥さんにも稼いでもらいたい」と回答しているということ(まだまだ女性の専業主婦志向は強いので年収の高い♂を捕まえることができたら仕事は辞めたいと思っているためここにも溝があり、逆に結婚しても働きたい(夫婦で働けばいいじゃん)と思っている女性の向こう側には「男が妻子を食わせにゃ」と昔ながらの価値観に縛られて身動きの取れない男性がいる)。


この二つの階層に生きるそれぞれの男女の計4象限が全てバラバラでかみ合わないことが昨今の晩婚化や非婚化を加速させているのでしょう。団塊ジュニアやロスジェネ世代は「一昔前の結婚観(親世代の結婚)」が脳裏に焼きついているため、「男性が稼ぐ」、「女性は結婚したら仕事を辞め、趣味的な仕事で優雅に過ごす」、「持ち家が欲しい」などの志向性が未だに抜けていません


しかし、そんな結婚生活がアタリマエだった高度経済成長期&日本型経営全盛時代はとうのとっくに終わっていて、私たちはいまや9年連続でサラリーマンの給与が下がり、年々非正規雇用者比率も上昇している過酷な時代に生きているわけです。


男女ともに、昔の結婚観の残像を、すっかり変わってしまった社会で志向し続けていることが最近の晩婚化・非婚化・少子化の要因なのかもしれません。とかとかつらつら考えていると、最近の「肉食・草食男子」「婚活ブーム」なども少し違った視点から見ることができます。


だらだら書いた割に何の脈絡もないエントリーになってしまった気がしますが、せっかく書いたのでアップしちゃいます。


下記は、「結婚難民」の参考文献として記載されていたもの(の一部)です。僕も半分くらい読んでますが、まだ読めていない本がたくさんあります。下記は一部ですが、これらにざっと目を通すと、いわゆる20~30代男女のインサイトが逆引きであぶり出てくると思いますので、気になる本を手にとってみてください。


●三浦展著「下流社会 新たな階層集団の出現」光文社新書
Karyushakai


●三浦展著「下流社会 第2章 なぜ男は女に "負けた" のか」光文社新書
Karyushakai_2


●酒井順子著「負け犬の遠吠え」講談社文庫
Makeinu


●山田昌弘・白河桃子著『「婚活」時代』ディスカヴァー携書
Konkatsu_jidai


●渡部伸著「中年童貞 少子化時代の恋愛格差」扶桑社新書
Chunen_doutei


●本田透著「電波男」講談社文庫
Denpaotoko


●城繁幸著「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」ちくま新書
3nendeyameta_wakamono


●小谷野敦著「もてない男 ― 恋愛論を超えて」ちくま新書
Motenai_otoko


●橘木俊詔著「女女格差」東洋経済新報社
Onna_onna_kakusa


●樋口美雄・太田清・家計経済研究所編「女性たちの平成不況 デフレで働き方・暮らしはどう変わったか」日本経済新聞社
Joseitachi_heiseifukyou


●小倉千加子著「結婚の条件」朝日新聞社
Kekkon_jouken


●深澤真紀「平成男子図鑑 リスペクト男子としらふ男子」日経BP社
Heisei_danshi


●大久保幸夫・畑谷圭子・大宮冬洋著「30代未婚男」NHK生活人新書
30mikon


●山田昌弘著「パラサイトシングルの時代」ちくま新書
Parasaito


●水野愛也著「LOVE理論」大和書房
Love_riron


●森永卓郎著「新版 年収300万円時代を生き抜く経済学 給与半減でも豊かに生きるために」光文社知恵の森文庫
Nensyu300man


●上野千鶴子著「おひとりさまの老後」法研
Ohitorisama_rougo


●岡田斗司夫著「30独身女、どうよ!?」現代書林
30dokushin


●森岡正博著「草食系男子の恋愛学」メディアファクトリー
Soushokudanshi_renaigaku


●樋口康彦著「崖っぷち高齢独身者 30代・40代の結婚活動入門」光文社新書
Gakeppuchi


●斎藤環+酒井順子著『「性愛」格差論 萌えとモテの間で」中公新書ラクレ
Seiai_kakusa


●牛窪恵著「独身王子は早く死ぬ?」プレジデント社
Dokushin_ooji


おわりっ!


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