「アポロニウスの問題」をコンパスと定規だけで作図する方法を、10種類の全て丁寧に解説する | Insight for WebAnalytics

Insight for WebAnalytics - 2025年7月20日(日) 09:07
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仕事を引退してから、数学やら物理やらを勉強し続けている。一般相対性理論だの量子力学、ガロア理論(群論)などにも挑戦してみたが、ある程度はわかった気になれた程度に留まっている。そして学生の頃からやり切った印象のなかった「アポロニウスの問題」に取り組んでみようと思い立ち、自分なりに納得のいくレベルまで理解できたので、書いてみようと思った次第だ。数学者でも数学の先生でもないので、多々不備はあると思うが、間違いその他気が付いた点は遠慮なくコメントを書き込んでいただいて構わない(すべてに返事できるかは不明だが)。

・アポロニウスの問題とは
アポロニウスの問題とは、平面において、与えられた3つの円に接する円を描く問題のことだ。代数的解法など様々な解法があるが、ここでは、コンパスと定規だけでこの問題を解くことがゴールだ。円を無限に縮小すれば点になり、円の半径を無限大にすることで直線になる。なので、その円の極限の状態を加味する(円と線と点の3種類)ことで、3種類のオブジェクト(円と線と点のこと)の組合せは10種類出来上がる。ここではその10種類すべてをまとめて「アポロニウスの問題」ということにする。

この10種類の問題の中には難易度の低い種類から高い種類まで各種あることが分かっている。ここではその難易度の低い課題から、難易度の高い課題、そして最終的な目的(与えられた3つの円に接する円を描く)に順に辿り、全ての解を作図する手順を示そうというのが、具体的なゴールだ。

・何故その問題を取り上げるのか
実は国内外で様々な人が10種類の個々の問いに答える作図法や動画解説を既に沢山書いている。ではなぜここで私がこの問題を改めて取り上げる必要があるのか?それは、書籍でもウェブサイトでも、これら10種類の課題すべてを順番に丁寧に解説したものを見つけることができなかったからだ。みんなつまみ食いだったり、全部網羅していても、知識の前提レベルが高過ぎて素人にはさっぱり理解できなかったりするのだ。動画は、その瞬間は分かりやすくても、一つ一つ辿って理解したい場合は何度も反復が必要で、やはり紙(静止画)での丁寧な図解がいいのだ。

そこで、ここにその10種類課題すべての作図プロセスを全部自分で解明し、中学校幾何の知識レベルでも理解でき作図できるような資料としてまとめて書くことには大きな意味があると考えたのだ。もちろん専門家ではないので、特に難易度の高い種類の問題で線と円が交わっている場合など、オブジェクトのあらゆる配置の場合を網羅してはいない。あくまでも、典型的な配置の状態での、最も平易な解説が最低限一つ含まれるようにしてあるだけだが、自分で整理するのにも、相当な時間が掛かった。探してもどこにも見つからないはずなので、折角だからその成果を披露しようということだ。中学高校での発展研究課題としても素晴らしい素材になるのではないだろうか。

また解法の種類としては、代数的手法(関数がでてくる)や反転幾何学を使った方法などもあるが、私を含めて素人が、易しく完全にすべてを理解したり、また人に説明できるようなものではないので、取り上げない。易しく説明できるようになった暁には、追記することになるかもしれない。

・「定規とコンパスによる作図」とは

  1. 定規によって、任意の直線や2点を通る直線などを引くことができる
  2. コンパスは中心点と半径を決めれば、円を描くことができる
  3. 2点A,Bが与えられていれば、その2点を二つのコンパスの先に合わせて円を描くことで、その半径の円を描くことができる
  4. 二つの直線や二つの円、直線と円が交われば、そこに新たな交点を得ることができる
  5. よって、ゼロから定規とコンパスによって、芋づる式に新たな点,線,円が作図可能である

・文章及び作図における表記ルールについて
関連するページ群すべてにおいて、表記ルールは下記に則って書くことにする。

  1. 円と線と点のことをまとめて「オブジェクト」という
  2. 円の中心点は「C,C1」あるいは「点C,円の中心点C」などと表記(円=circle )
  3. 中心点がCの円は「円C」と表記
  4. 逆に円Cの中心点は、暗黙的に中心点Cを前提とする
  5. 但しある点がXなどと定められた後に、点Xを中心とする円を描いた場合は、その円は円Xとする
  6. 円の半径は「r , r1」などと表記(半径=radius)
  7. 円の接点は「T , T1」などと表記(円の接点=circle tangent)
  8. 点は「A , B」などの英大文字で表記(C, T , R は他で使うので避ける)し、単に「A」あるいは「点A」と表記
  9. 直線は「線」あるいは「直線」と表記(曲線は円しか出てこない)
  10. 通過点を明示しない線は「l , m , n」など英小文字で表記
  11. 始点や終点を限定する線を表す場合は、始点A , 終点Bを用いて「AB」「線分AB」などと表記
  12. 2点を結んだ線は、延長線含むものとし、その2点を列挙して「AB」「直線AB」などと表記
  13. 頂点を3点 X , Y, Z で構成する三角形は「△XYZ」と表記
  14. ABとADのなす角は「∠BAD」と表記
  15. ABの長さを示す場合は、ABに下線を引いて表す(AB)(本来は上線(バー)を付けるのが慣例だと思うが、そういう表示を工夫するのがややこしいので)
  16. 線同士の交わる角が直角(90度)のことは「∠R」と表記(直角=Right angle)
  17. 問題の最初に与えられたオブジェクトは、略して「与円C , 与直線 l 」などとも表記
  18. 図において、問題の最初に与えられたオブジェクト(点 , 線 , 円)は、赤色の点 , 実線 , 実円で描く
  19. 図において、作図プロセスで追加されたオブジェクトは、黒点 , 黒点線 , 黒点円で描く
  20. 図において、作図プロセスの最後に描かれた線と円は、青線 , 青円で描く
  21. 図において、作図プロセスの各ステップは丸数字で「① , ②」などと示し、新規に作図した点 , 線 , 円の記号とともに表記する(例:点G①)。なお下記例で言えば、円Aや円Bをフルに描かずに、一部の弧だけを切り取ってその交点付近だけ書くのが作図表示の慣例だと思うが、あのバッテンはどの円の弧かが分かりにくいので、冗長のきらいはあるが、どの点を中心に描いたかがわかるように全円周を描く方法にしている

・関連ページの読み進め方
10種の問題の解説は概ね難易度の低い順に上から並べてあり、上のページまでの知識が前提になる場合がほとんどなので、下記リンクを上から順番に読んでいくのが望ましいだろう。

・「アポロニウスの問題」のホームページ(このページ自身)
10種の問題概観と前提とした定理(円周角の定理、方べきの定理)
基本作図パターン集(垂線の引き方、接線の引き方など12種)
・PPP問題の解までの作図手順
・LLL問題の解までの作図手順
・LPP問題の解までの作図手順
・LLP問題の解までの作図手順
・CPP問題の解までの作図手順
・CLP問題の解までの作図手順
・CLL問題の解までの作図手順
・CCP問題の解までの作図手順
・CCL問題の解までの作図手順
・CCC問題の解までの作図手順
・参考文献
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