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EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関連するテーマを設定し、判断をするための考え方を解説します【連載8回目】

「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝える8回目の連載も、「情報管理」の重要性について解説します。
「チャンスの芽」を「チャンス」に変えるためにも、情報管理が大切

ネッタヌ
前回の「まとめ買い」の話、面白かったぁ。お客さまからの「まとめ買い」注文が重なったというところから、あそこまで掘り下げていくんですね。

石田
いつも言っているとおり、チャンスの芽は日常にあふれている。
チャンスは誰でも気付くでしょう? 大切なことは「チャンスの芽」に気付いて、「チャンスの芽」を「チャンス」に変えていくことなんだ。そのためにも「情報管理」が大切だね。

ネッタヌ

石田
うん。今回も私がコンサルティングで実際に経験した話を元にして、「情報管理」の重要性を説明していくね。(よりわかりやすくするため、実際の事例に少し変更を加えています)
仕入れ当初、商品はまったく売れなかった

石田
今回もネットショップで実際にあった話だ。そのネットショップは「玩具」を問屋さんから仕入れて販売している小売型のネットショップ。もともと実店舗で商売をしていて、並行してECサイトを運営している。

ネッタヌ
既存の事業があって、ECに新しい販路を拡大する会社さんですね。

石田
そうそう。このネットショップが販売している「玩具」はゲームやプラモデルではなくて、キャラクターグッズ。「キティちゃん」や「リラックマ」のグッズってあるでしょう、ああいった商品ね。

ネッタヌ

石田
(無視)そのネットショップに問屋さんから1つの依頼があった。「あるご当地モノのキャラクターグッズが大量に余っていて、それを安い仕入れ価格で実店舗に置いてくれないか」というものだった。
そこで、そのキャラクターグッズを少しだけ仕入れて、実店舗だけではなくネットショップにも商品を登録した。

ネッタヌ
不良在庫になっていた商品が突然売れた! それに喜ぶだけじゃダメ

石田
いや、まったく売れない。だってもともと不良在庫になっていた商品だもん。ネットショップの担当者も、商品を登録したことすら忘れていた。しかし、ある日……。

ネッタヌ

石田
そう。なぜか突然、注文が入った。一瞬にして、仕入れていた在庫が売れた。
そこでネットショップの担当者さんがすぐさま問屋さんに問い合わせたんだよね。「あの余っていた商品が突然売れたんですが、まだ在庫はありますか?」って。そうしたら「まだ200個くらい在庫があって、相変わらず倉庫で眠っているよ」と。
ネットショップの担当者さんはひとまず在庫を押さえてもらい、ECサイトでの在庫数を「200個」に設定して再度販売を始めた。

ネッタヌ

石田
うん。瞬発的に追加分の200個が売れたのよ。
ネットショップの担当者さんが問屋さんに連絡すると、大喜び! そりゃそうだよね、ずっと自社倉庫に200個の在庫が眠っていたんだから。そして、このネットショップの担当者さん、ECに関わるメンバーも大喜び! 「明日の発送業務は忙しくなるぞ」と。

ネッタヌ
問屋さんが悩んでいた不良在庫がなくなって、ネットショップのメンバーも売り上げを作ることができて、みんなハッピーですね!!

石田
……。(石田がネッタヌ君のことをじーっと見ている)

ネッタヌ
これは、もしかして……。いつものあの言葉が……?!

石田
売れる理由を一番知っているのはお客さま

石田
まず、発売からまったく動かなかった商品に突然200個以上も注文が入るって、普通に考えておかしいよね。というか「おかしい」と考えるべきだよね。

ネッタヌ

石田
実はね。問屋さんにある200個の在庫が売り切れて、キャラクターグッズの商品ページが「在庫切れ」状態になっても、お客さまからの問い合わせが電話とメールでひっきりなしに入っていた。「このキャラクターグッズ、次の入荷はいつですか?」って。

ネッタヌ
ということは、もっとニーズがある可能性がありますよね。

石田
そう。そこで、ネットショップの担当者さんに問い合わせの電話をくれたお客さまに直接聞いてもらったんだ。素直に「このキャラクターグッズ、先日から大量にご注文いただいていて、お問い合わせもたくさんいただいているのですが、なぜなのでしょうか?」って。

ネッタヌ
石田さんがよく言っている「一番理由を知っているのはお客さま」ですね。

石田
そうしたら、「このキャラクターグッズ、あるアーティストの非公式グッズだって、SNSでめちゃくちゃ話題になってますよ!」ってお客さまが教えてくれたんだよ。
理由はお客さまに直接聞こう!

石田
このキャラクターグッズは「バンビ(小鹿)」のキャラクターなんだけど、ご当地モノとして「いちご(苺)」の模様が施されていたのね。
そのアーティストグループに「バンビ(小鹿)」というニックネームのメンバーと、「いちご(苺)」が好きなメンバーがいて、このキャラクターグッズを知ったファンの人たちが「このキャラクターグッズを持って、みんなでライブに行こう!」と話題になったらしいんだ。

ネッタヌ
それって、そのアーティストグループのことを知らなかったらまったくわからない情報ですよね?

石田
そうなんだよ。だから「お客さまに直接聞く」のがもっとも早いし確実なんだ。
超情報化社会のなかで、人の得ている情報が多様化しすぎているから、まったく想像のつかないことが、思いも寄らないところで起こっているんだよね。こんなことは、会議室でいくら議論したってわからない。

ネッタヌ
でも、情報を教えてくれたお客さまはこのキャラクターグッズ、買えなかったんだぁ……。

石田
いや、買えた。最終的には「単独生産」に踏み切った。

お客さまに直接聞くことで売れた理由が明確になる
ファンのSNSの力を活用

石田
さっき話した通り、商品完売後も毎日のようにお客さまから「次の追加販売はいつですか?」という問い合わせがきていた。
そこで、ネットショップの担当者さんが問屋さんを通じてメーカーさんに連絡を取り、「商品の追加生産」の依頼を出した。けれど、メーカーさんはリスクを抱えたくないので断った。

ネッタヌ
まあ、それまで不良在庫で眠っていた商品ですからねぇ。「一時的に話題になっただけでしょ」と思うのはわかりますよね。

石田
そこで、「すべての在庫を持つので『単独生産』ができないか」と聞くと「5000個以上なら」という返答があった。つまり、ネットショップで5000個以上の注文を受けなければいけないわけだ。担当者さんは困った、そして迷った。

ネッタヌ
もし4000個しか売れなかったら、1000個在庫になっちゃうわけですもんね。200個からいきなり5000個はハードルが高い……。

石田
ただね、5000個以上売れる可能性はあると考えた。なぜなら、このアーティストグループの公式ファンクラブの会員数を調べたら、なんと50万人もいることがわかったんだよ!

ネッタヌ
ええ~~!! 50万人?! じゃあ、ファンクラブ会員さんの1%でも買ってくれれば、5000個達成……!

石田
そこで、これまで問い合わせしてくれたお客さま、すでにキャラクターグッズを購入してくれたお客さま全員にメールを送った。「5000個ご予約注文をいただければ、単独生産することができます。ファンのみなさん、力を貸してください!」って。そうしたら、SNSの力ってめちゃくちゃすごいね。初日に2000個の予約注文がきた。

ネッタヌ
ファンのみなさんが拡散してくれたんですね。ファン同士がSNSでつながっている、現代のマーケティングですよね。

石田
そう。いちネットショップでは到底リーチできないところまで情報が拡散されて、結果6500個の予約注文を受けることができたんだ。

ネッタヌ

石田
いや、その後、このキャラクターを使った別商品を企画したりして、しばらくマーケティングは続いたんだよね(笑)

ネッタヌ

客観的なデータから売れる根拠をつかみ、仕掛けていく
「気付いた」ことに疑問を持ち、掘り下げてチャンスにつなげよう

石田
というようなことがあったんだけど、「情報管理」の大切さを伝えられたかな?

ネッタヌ
今回もよくわかりました。もし突然の注文に気付かなかったら、問屋さんに連絡しかなったら、お客さまに理由を聞かなかったら、ファンクラブの会員数を調べなかったら――6500個の注文はなかったわけですもんね。

石田
そうだね。もし突然の注文に「気づいていた」としても、「まあ、いっか」でスルーしてしまったら、その先は広がらない。トヨタ社の「なぜを5回繰り返す」と同じで、「チャンスの芽がチャンスになりえるか」しっかり掘り下げないとね。

ネッタヌ
売り上げやセッション数などの定量情報だけじゃなくて、お客さまのレビューや問い合わせなどの定性情報もしっかり管理するようにします!
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