アマゾンの「プライムデー」で高まる購買意欲、競合企業はどう対抗しているのか?【米国企業の場合】 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2024年7月25日(木) 08:00
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2024年のAmazon大規模セール「プライムデー」期間中における、米国同業他社のセール動向を解説します

EC業界で最大規模のセールイベントであるAmazonの「プライムデー」。2024年は7月16日と17日に実施されました。例年、Amazonのセール期間中に多くの小売企業が競合するようなキャンペーンを展開していましたが、2024年は「プライムデー」期間中や期間外に、自社独自のさまざまなプロモーションやキャンペーンを実施する企業が目に付きました。「プライムデー」だけでなく、祝日や記念日をフックに訴求する小売事業者も増えています。「プライムデー」に関連した米国小売事業者の動向をまとめます。

2024年の「プライムデー」、競合他社は“競わない”選択

2024年は、2023年に比べてAmazonの有料会員向けセール「プライムデー」に参加する小売事業者が増えました。その一方、参加しないEC事業者は「プライムデー」を意識したセール競争にはそれほど熱心でなかったようです。

7月16日・17日に実施された2024年の「プライムデー」(画像はアマゾンジャパンのニュースルームから編集部がキャプチャ)7月16日・17日に実施された2024年の「プライムデー」(画像はアマゾンジャパンのニュースルームから編集部がキャプチャ)

米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』発行のデータベース「全米EC事業 トップ1000社」にランクインしているオンライン小売事業者100社のうち、Amazonの「プライムデー」に対抗するためにECサイト全体でセールを実施した小売事業者よりも、6月上旬に「父の日」向けでキャンペーンを実施した小売事業者の方が上回りました。

Amazonは2015年、有料会員の「プライム会員」限定のセール「プライムデー」を開始。その後、多くの小売事業者が独自のセールを実施してこの時期のセール競争に参加してきました。2024年も多くの小売事業者が独自セールを展開しましたが、Amazonの2大競合先である米スーパーマーケットチェーンのWalmartとTargetのセールは控えめな規模となりました。

WalmartとTargetのセール規模は控えめ

WalmartとTargetは2023年、「プライムデー」の開催と同じ週に大規模なブランドセールを実施。会員向けにさまざまな商品の割引販売を展開しました。

2024年について、Walmartは6月中旬に会員向けキャンペーン「Walmart+Week」を、Targetは自社セール「Circle Week」を「プライムデー」の1週間前に実施。両社とも、「プライムデー」の初日である7月16日火曜日にもECサイトでセール情報を提供していません

たとえば、Targetはシンプルな「2日間のお買い得品」のプロモーションを展開。Walmartは会員向けセールを推進していましたが、トップページの「お買い得品」は通常時とほとんど変わりませんでした。

どちらもAmazonとあからさまに競合するようなプロモーションを避けたように映ります。

プロモーションに力を入れる企業も値引きは抑える傾向

『Digital Commerce 360』の調査に参加している小売事業者のうち77%が、「プライムデー」初日の火曜日にプロモーションを実施しました。これは6月上旬にプロモーションを実施した小売事業者の69%と、2023年の「プライムデー」初日(同じく火曜日)の75%を上回りました。

一方で、多くの小売事業者はECサイトでの割引率を前年よりも縮小しています。調査対象期間中の最低割引率が前年は10%であったのに対し、2024年の「プライムデー」期間は6%に減少しました。ECサイトの最小割引額の中央値も縮小。調査対象期間中、最小割引額の中央値は前年の25%から2024年は20%に下がっています

プロモーションを実施している小売事業者のうち、2024年の「プライムデー」の初日に割引を実施した小売事業者の割合は85.5%で、調査対象期間中の72.7%を上回っています。

Amazon「プライム会員」の特典として知られる送料無料も、「プライムデー」期間中は他社もキャンペーンの一環として訴求しています。6月はわずかに4.5%だった送料無料に関する宣伝は、「プライムデー」の期間中、15.8%の小売事業者がセールの一環として宣伝していました。

オレンジ色のグラフ:「プライムデー」に小売事業者が自社のプロモーションを実施した割合。水色のグラフ:『Digital Commerce 360』の調査対象期間に同様のプロモーションを実施した割合(出典:『Digital Commerce 360』、調査対象期間:2024年6月13日)オレンジ色のグラフ:「プライムデー」に小売事業者が自社のプロモーションを実施した割合。水色のグラフ:『Digital Commerce 360』の調査対象期間に同様のプロモーションを実施した割合(出典:『Digital Commerce 360』、調査対象期間:2024年6月13日)
一部の企業は「プライムデー」に対抗

『Digital Commerce 360』の調査パネルで、「プライムデー」への対抗を意識したプロモーションを実施している小売事業者のうち、22.1%が「Amazonに対抗するためにサイト全体で大規模なプロモーションを実施している」と回答しました。2023年は、同じ調査パネルの29.3%が競合するプロモーションを実施していました。

Amazonの「プライムデー」に対抗しようとした小売事業者の一例は、米アパレル大手のGap社。2023年の「プライムデー」期間中では実施しなかった「Gap Day プロモーション」を復活させ、一律50%オフのキャンペーンを実施しました。

同じく米アパレル大手のDesigner Brands社は、自社ECサイトのDSW.comで、「VIP会員になると20%割引になる絶好のタイミング」と押し出したプロモーションを展開していました。

Designer Brands社はVIP会員になると20%割引を付与することを促している(画像はDSW.comのサイト内から編集部がキャプチャ。英語版サイトを日本語に自動翻訳)Designer Brands社はVIP会員になると20%割引を付与することを促している(画像はDSW.comのサイト内から編集部がキャプチャ。英語版サイトを日本語に自動翻訳)

「プライムデー」初日は、「プライムデー」関連のセールがEC市場で最も人気がありましたが、調査期間中全体で見ると、Amazonを除く多くの小売事業者が「父の日」向けセールを推進したり、7月4日の「独立記念日」にお得な情報を訴求していました。「プライムデー」と競合を避ける傾向は2023年から変わっていません。

2023年の調査対象期間は「父の日」の後、7月4日の前にスタート。2024年は、「父の日」「独立記念日」の前を調査対象期間としました。

オレンジ色のグラフ:「プライムデー」ほかAmazonのセールイベント開催時に小売事業者が自社のプロモーションを実施した割合。水色のグラフ:『Digital Commerce 360』の調査対象期間に同様のプロモーションを実施した割合(出典:『Digital Commerce 360』、調査対象期間:2024年6月13日)オレンジ色のグラフ:「プライムデー」ほかAmazonのセールイベント開催時に小売事業者が自社のプロモーションを実施した割合。水色のグラフ:『Digital Commerce 360』の調査対象期間に同様のプロモーションを実施した割合(出典:『Digital Commerce 360』、調査対象期間:2024年6月13日)

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オリジナル記事:アマゾンの「プライムデー」で高まる購買意欲、競合企業はどう対抗しているのか?【米国企業の場合】 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ
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この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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