スクロールは、2023年4月から始まる3か年の中期経営計画(中計)を策定した。最終目標として、現状の「EC・通販企業」から、「ダイレクトマーケティングソリューションカンパニー(DMSC)」への転換を掲げている。
中計のサマリー(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
「DMSC」の「DMS」とは、スクロールグループが有するダイレクトマーケティングに関する知見やノウハウを駆使して、顧客企業のニーズに応えること。「DMSC」は「そのための企業体に進化することを表している。
具体的にはEC支援などのソリューション事業の成長を速めて業容を拡大。現状主力となっている通販事業を安定成長路線とし、eコマース事業での収益力も高める。
セグメント別の定量目標(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
セグメント別事業計画によると、ソリューション事業はスクロールグループの成長ドライバーと位置付け、主力の物流代行サービスの収益力を強化し、各サービスの成長を加速させる。
物流センターにおける坪当たりの限界利益の改善や新規顧客の獲得による物流代行の収益力を強化。決済代行事業では、決済手段の拡充を図るとともに営業力を強化する。中計最終年度の売上目標は360億円、セグメント利益は28億円に設定した。
ソリューション事業戦略(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
通販事業は、収益基盤の強化と新規事業の確立をめざす。収益基盤の強化は、データマーケティングによる既存事業の効率化やデータMDの強化による受注効率の最大化に取り組む。さらにアパレルを中心とした最終原価率を意識し、生産や調達ルートを設定する。
新規事業の確立においては、ソリューション・ベンダー・ビジネスによる新ビジネスの確立と黒字化を両立していく。既存顧客に対して、新たなモノ・コト・サービスといった価値を提供し利益を創出。中計最終年度の売上目標は400億円、セグメント利益は45億円を見込む。
通販事業戦略(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
eコマース事業では、収益構造の変化で収益力の向上をめざす。オリジナル商品の展開や直貿、MDの再構築によって原価率を低減。このほか、BPO事業の拡大に向けたクライントの獲得や、アウトドアジャンルにおけるNB商品の収益性改善を視野に入れている。eコマース事業における中計最終年度の数値目標は、売上高200億円、セグメント利益は5億円を描く。
eコマース事業戦略(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
これらの結果、中計最終年度の連結業績予想は、売上高950億円、営業利益79億円、経常利益80億円、当期純利益54億円で、ROE(自己資本利益率)は13.9%をめざしている。
なお、2023年3月期の連結業績は、売上高は810億1800万円(前期比0.5%減)、営業利益が61億2100万円(同12.6%減)、経常利益が61億9100万円(同12.8%減)、当期純利益が41億7000万円(同25.3%減)だった。
中期経営計画の定量目標(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
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オリジナル記事:スクロールの「EC・通販企業」から「ダイレクトマーケティングソリューションカンパニー」への転換めざす中期経営計画
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