【視聴レポ】3/30オンライン開催:実演ウェブ解析。ウェブ解析士協会のサイトをプロが分析してみる | リアルアクセス解析

リアルアクセス解析 - 2020年4月3日(金) 12:06
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こんにちは、提案型ウェブアナリスト1期生の八木です。

 

3月30日に小川さんが顧問として携っているウェブ解析士協会主催のオンラインセミナーに参加しました。今回の内容は実際に小川さんが分析するところを生配信する企画でたった1時間弱の短い時間で、ヒアリング・仮説検証・アクセス解析・ヒートマップ分析・改善案と内容盛り沢山です。

 

ちなみに今回のセミナーは開始1日目で100名以上の申し込みがあり、総勢350名近くのお申し込みがありました。分析の手法だけでなく、ウェブ解析士協会の制作の担当者と実際にやりとりしている内容や提案の仕方、また聴講している参加者の気になる疑問に回答するなどあっという間の1時間半です。

 

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オンライン会議システム「zoom」を利用

 

レポートも文字数10,000を超えてしまい、まとめたと言って良いのか不安ですが、参考にしていただけると幸いです。

 

 

 

 

今回の登場人物

小杉 聖(ウェブ解析士協会サイト運営者)

1978年、新潟県南魚沼市生まれ、長岡市在住。

ウェブ解析士協会トリプルメディア分科会(ブランディング委員会)のリーダーとして活動中。

心理学に基づいたコミュニケーション戦略立案、コンテンツ分析、SNSなども含めた幅広いウェブマーケティング、WordPressによるサイト構築が得意。

 

江尻 俊章(ウェブ解析士協会代表理事)

WACA一般社団法人ウェブ解析士協会代表理事

2000年創業以来、業界ではもっとも早い時期からアクセス解析に着目し、ウェブ解析を軸にしたコンサルティングを行っている。

アクセス解析ASPサービス「アクセス刑事Pro」、「シビラ」を自社開発、運営、アクセス解析からエリアマーケティングを行う「エリアレポート」を提供している。

 

ウェブ解析士協会の環境
  • 会員管理ツールとしてWACANA
  • CMSはWordPress
  • ヒートマップツールなど様々なツールを取り入れている。
分析前のヒアリング

小川 卓ウェブ解析士協会のサイトの中で一番増やしていきたいものはなんですか?

 

小杉 聖:今年の目標として認定講座と試験の申込数が4800件目指すがあるので、
 月に300~400件とりたいです。

 

小川: サイト内で気になっている点は何かありますか?

 

小杉: ウェブ解析士の試験や講座を申し込まない理由として、「予定が合わない」や
「講座を増やすための根拠が見えてこない」と仮説を立てていました。
また、確認画面まで進んだけど、(サンクスページがある)最後まで進んでいないのは
もったいないと、思っています。また、改善は色々やっている(例:広告)けど増えないです。

 

小川: なるほど。分析期間を決めていこうと思います。昨年末にリニューアルしましたよね?

 

小杉: 昨年10月28日、サイトの全体リニューアルしました。今年の2月前半に講座をカレンダー表示にし、日付を全面に押し出していたのですが、「日付がわからない」と声があがったので、地域別の見せ方に変えました。

 

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https://www.waca.associates/jp/

 

他にも、3月の上旬には「解析士の声」というインタビュー記事を掲載しました。
ウェブ解析士を申し込むユーザーのペルソナで考えた仮説に「インタビュー記事」が
申し込みを後押しするということもあったので。

 

また、どうしても解析士のページが重たくなってしまうため、3月17日に
講座や試験をキャッシュ化し、表示速度の改善をしました。

 

小川: ページの改修にあたり、ここだけはいじりにくいというのはありますか?

 

小杉: ウェブ解析士協会のウェブサイトならすべていじることができます。ただし、年会費のクレジット支払いによる更新に関しては、一部対応が難しい部分があります。

小川: レイアウトは対応可能ということですね。わかりました。
CMSでWordPressを利用していますが、他に利用しているツールはありますか?

 

江尻:ツールは大好きなので、山ほど入れています。解析ツールでは「Google アナリティクス(以下GA)」以外にも「MATOMO」や「Adobe Analytics」を入れています。

 

小川ヒートマップも入れていましたよね。ありがとうございます。
分析前のヒアリングは、今回は短縮版なのでこれくらいにして、
実際の分析に入っていきたいと思います。

 

分析1.サイト全体を掴む

GAとGTM(Google Tag Manager)の設定を必要に応じて見ながら分析を行います。GAの分析を実際にするときは、最初にデバイスを確認します。通常はPC、モバイルの両デバイス分析しますが、今回は片方に絞ります。

 

 

 

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直近30日はデスクトップがセッション数が57.55%、CV数は64.82%と一番多いですね。先ほどのヒアリングより、目標は「ウェブ解析士の申し込み数」のため、「すべての目標」から絞りこみます。

目標数が291件あれば、分析期間は1ヶ月でも問題ありません。もし、CV数が3件、5件しかなければ分析期間を延ばしてデータを多くします。

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データが多いに越したことはないですが、過去に遡りすぎると、季節要因などが影響する場合があります。季節要因に関しての分析も場合によっては行いますが、今回の分析はあくまでもメイン導線の改善のため、今回は割愛します。

 

2.実際に操作しながらメモをとり仮説を立てる

サイトの目標の確認やどのデバイスが多いかなどの傾向はつかめました。みなさん、このあと、どうしますか。いきなり「GA」で分析をすることはやりません。必ずやるべきことはサイトを実際に使うことです。操作しながら気づいたことをメモをとり自分の中で仮説を立てていきます。

 

まず、「ウェブ解析士を目指す人はどんな人かな...」とペルソナを立てていきます。
今回の場合は「ウェブ解析士というものがあると聞いて、興味を持ち、ウェブサイトを見て気になったらやってみる。」と立てました。

 

「最初にトップページを閲覧し、次はどこ見るのかな」とユーザーの目線になり、
訪れたページや、気になった箇所をメモしていきます。

 

ウェブ解析士協会のウェブサイトには「パンくずリスト」がありませんでした。途中で類似したページを進んで、自分がどこにいるかわからなくなったので、「パンくずリスト」を導入すると良いかもしれません。

 

また、中には実際にどのようなページかこちらではわからない場合もあります。
そのような場合はクライアントに確認をとります。 

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ウェブ解析士のサイトには「これからウェブ解析を学びたい方」「ウェブ解析士を法人で活用したい方」「ウェブ解析士の会員向け」と3つの異なる利用シーンがあります。そのため、統一したグローバルナビが存在しないとのことです。分析メモはどんどん続きます。

メモ1:ウェブ解析士とは

これからウェブ解析士を目指す人は「ウェブ解析士とは」を見るでしょう。
このページのファーストビューからのスクロール率がどうなのか気になります。
「分析する時にヒートマップでスクロール率の分析をしてみよう」と、
気になったところはどんどんメモをとっていきます。

 

他にも、上の画面1つの6つのボタンだけでも以下のような気づきが出てきます。

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  • このページはテキストの下にボタンがいっぱいあって、迷うのではないか
  • この中でどれを押せば良いのか、またユーザーはどのボタンを押しているのか。
  • ボタンが6個並んでいるが下にスクロールして良いのか。
  • 各ページの適切な場所に遷移するが、ページ内のアンカーリンクにした方が良いのではないか。など。

 

6つのボタンの下からはテキストが続きます。このあたりが読まれているかどうかなど
定性的なものはヒートマップで分析が可能です。

 

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ウェブ解析士とはのページの下にウェブ解析士上級ウェブ解析士ウェブ解析士マスターの紹介がありました。受講生は、ウェブ解析士を合格しないで上級ウェブ解析士になることはできません。順番がある場合、これからウェブ解析士を目指す人は上級ウェブ解析士ウェブ解析士マスターのページは今見たいページでしょうか。


このように、サイト制作者目線ではなく、1人のユーザー目線になると、様々な疑問や課題が生まれてきます。ここで疑問に思ったことを、あとで分析して解明していけば良いのです。

 

メモ2:ウェブ解析士の学習内容と取得の流れ 

ウェブ解析士の学習内容と取得の流れ」のページを見ていきます。

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先ほどのヒアリングで「各資格のページの中に「ウェブ解析士の声」を取り入れた」
言っておりました。インタビュー記事がウェブ解析士の申し込みに貢献(寄与)したかなどの貢献度合いの分析をすると良いかも、と気になる点はどんどんメモをとっていきます。

 

メモ3:ウェブ解析士認定講座・試験 スケジュール

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ユーザー目線になると、「どれを選べば良いんだろう」と迷ったり、自分に最適なものはどれだろうと思うでしょう。最適なものを抽出するために、不動産サイトなどのような絞り込み機能があると良いかもしれません。分析で考えると、各講座の詳細ページとスケジュールページの戻り率を分析すると気づきが得られると思います。資格取得までの流れの中で戻り率が高ければ、改善ポイントになります。

また、このページはパラメータによって出しわけしておりました。
このようなサイトの中の気づきなどは併せてメモをしておくと効率的です。
分析のときにこの「パラメータはなんだっけ?」と疑問に思った時に、このメモが役立ちます。


メモ4:入力フォーム

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入力フォームの課題として、担当の小杉さんは以下の点を上げておりました。

 

  • ウェブ解析士の各講座、試験は統一料金で設定しているため、
    申し込みの時のフォーマットに「費用」という項目がない。
  • 各講師がシステムで青い部分に「費用」を入れることは
    できるが、確認画面で反映されないため申し込みの確認画面で
    費用が表示されておらず、不安に思う可能性がある。
  • 青い部分に「費用」の項目を入れるか入れないかは
    講師任せになってしまう。
  • このあたりを改修する場合、システム的な改修が必要になる。

 

そもそも、この青い部分はもともとは申し込み時の注釈くらいで入れるものとして使う予定でしたが、ウェブ解析士マスターの中で「たくさん書いたほうが良いぞ」っていうのが広まり、いっぱい書いてもらっているとのことです。

 

ここで解析の知見があれば、テクニカルな分析もできます。

例えば、青い部分は自由入力欄のため、各講座ごとに高さが異なります。この場合、ヒートマップでスクロール率をとりたくても、様々な講座で高さが違うので分析が困難です。こういう時は、入力フォームのコンテンツに到達した時にGTMでイベントを発火すれば、入力フォーム到達率を計測することができます。



また、入力フォームのフィードにクリックや入力したかどうかが計測すれば、をクリックイベントで計測ができます。入力フォームはこのようなGTMではなく、EFOツールでも分析が可能です。

 

3.ウェブ解析

30分~1時間ほどメモを取りながら仮説を洗い出して、実際に分析をしていきます。

1.対象ユーザーで絞り込みを行う

ウェブ解析士協会のサイトには様々な目的をもったユーザーが訪れます。そのため、最初にユーザーを絞り込みしていきます。

 

今回はウェブ解析士協会のほうで、きちんとGTMで資格種別をカスタムディメンションを使い、未認定のユーザーのデータが取れていたので、カスタムディメンションのデータを使ってセグメントしていきます。

なお、カスタムディメンションのデータは、カスタムレポートを使わないとデータを見ることができませんので、カスタムレポートでカスタムディメンションのデータの確認を行いましょう。

 

セグメントするときにも、ネーミングにルールを設けましょう。例えば、導線を分析する時のセグメントで直後なら「⇒」間に他のページが入って良いなら「→」自分が使いやすいよう、わかりやすいようルールを作ります。

 

クライアントから提供されたり、前の担当者が使っていた既存のセグメントをそのまま使うのはリスクがあります。きちんと確認する、あるいは自分でセグメントは作ります。

 

他にも、「新規・リピート分析」や「何回目の訪問でCVにつながったか」なども分析で実施します。(今回は時間が限られているため、割愛)

セグメントをかけた時のページビュー数を比較した時に、「ウェブ解析士とは」のページのほうが「ウェブ解析士になりたい人向けのトップページ」よりもボリュームが多かったので、まずは「ウェブ解析士とは」のページの分析を行います。

 

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2.「ウェブ解析士とは」ページ分析

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ページのナビゲーションサマリーを見ますと、「ウェブ解析とは」ページの閲覧開始率が52.0%、離脱率が35.5%。このページは目的のページなので、途中で離脱してはいけません。

 

次のページ遷移を見てますと、



次のページ遷移

ページビュー数

ページビュー数(%)

ウェブ解析士の学習内容と取得の流れ
www.waca.associates/jp/study/qualification/wac/

467

24.23%

資格取得までの流れ
www.waca.associates/jp/study/qualification/

271

14.06%

資格取得のメリット
www.waca.associates/jp/study/wac/benefit/

151

7.84%

資格取得までの費用
www.waca.associates/jp/study/wac/expense/

100

5.19%

トップページ
www.waca.associates/jp/

97

5.03%

上級ウェブ解析士の学習内容と取得の流れ
www.waca.associates/jp/study/qualification/swac/

86

4.46%

 

ウェブ解析士の流れの中で、「ウェブ解析士の学習内容と取得の流れ」が24.2%です。

ページ上部にあった6つのボタンよりも下に2スクロールくらいする「「ウェブ解析士の学習内容と取得の流れ」への遷移率が高いことがわかります。また、ウェブ解析士協会の全体像を知ってもらうために様々な導線を設けた結果、目的のページへの遷移が割れてしまっています。ここからユーザーが迷っている可能性が考えられます。

実際に現在ページにある6つの青いボタンにある「ウェブ解析士資格取得までの流れ」を進むと、「ウェブ解析士の学習内容と取得の流れ」のページに進み、ページの中間部には「ウェブ解析士認定までの流れ」と類似した用語が多く並んでいます。

 

ユーザー目線になれば、類似した用語が多く並べば混乱の元になっているのではないでしょうか。例えば、解決策として、「ウェブ解析士とは」ページ内に、「資格取得までの流れ」を掲載した方が良いのではないでしょうか。

 

3.セグメント「シーケンス」で戻り率の分析

ユーザーが迷っているならば、ページを行ったり来たりしていると考えられます。
ページをA→B→Aのような戻り率を分析します。戻り率を分析する場合、先ほどのナビゲーションサマリーではページの前後関係しかわかりません。戻り率を分析する場合はセグメントの「シーケンス」を使います。

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シーケンスで次のステップを「直後のステップ」にすることで、A→B→Aのような戻り率がわかります。また、右側にそのフィルタをかけたときのデータが出てきますので、ステップの数値も簡単に把握することができます。

今回の分析では数字的に致命的な課題にはなりませんでしたが、導線が整理されていないよりもすっきりした方が使い勝手は良いです。



今回の場合、「ウェブ解析士とは」はあくまでも目的である「ウェブ解析士の学習内容と取得の流れ」に進む上での途中ページになります。

 

究極なことをいえば、「ウェブ解析士とは」のページのコンテンツの中に、「ウェブ解析士の学習内容と取得の流れ」を丸々取り入れてしまえば、遷移が2クリック発生しなくなり、重複コンテンツもなくなります。気づきの中でユーザーの視点に立ち、データを見て改善案が生まれてきます。

 

もちろん、考慮しないといけない点はあります。例えばページを削除することで失われるSEOの懸念など。このあたりも大事な気づきになりますので、メモに残しておきましょう。

4.意外なページの発見「ランディングページ」分析

ユーザー視点にたって仮説検証すると、多くの場合がトップページなどから流入してくるため、想定してなかった動きの検証ができません。例えば、トップページ以外のページからの流入が多かった等があります。

 

そのような場合、ランディングページで分析していきましょう。

 

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例えば、ウェブ解析士協会のウェブサイトでは、3番目に多いページで「3C’s Model (3C analysis business model )」という英語ページが上位にきます。ただし、このようなページは意外な発見にはなるかもしれませんが、たとえページ改修しても改善に寄与はしないでしょう。

先ほど分析で使った「ウェブ解析士とは」が2番目、「ウェブ解析士の学習内容と取得の流れ」が7番目に流入が多いです。SEOに詳しい人の情報も含め検討すべきですが、2つの類似したコンテンツをまとめることで、SEOで強くなることも考えられます。

 

今回は割愛しますが、詳しく分析する場合は、「Google Search Console」を使ってキーワードで見た時に、同じクエリで複数のページで取り合いになっているのではないかなどの調査もするべきでしょう。

5.ヒートマップ分析

ウェブ解析士協会のウェブサイトにはヒートマップツール「PTengine」を導入しているので、ヒートマップでも分析していきます。


アクセス解析でも課題として考えられる「ウェブ解析士とは」を見ていきます。

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ページ内の「資格取得までの流れ」はページ上部にもあります。ヒートマップでは、どちらが押されていたかの強弱や思わぬ気づきを得ることができます。この場合、ボタンリンクにパラメータをふるなどすればGAでもどちらがクリックが多かったか把握することができます。


また、ページ上部のボタンがクリックが多かったということは、ユーザーはページ下のボタンを押しているのではなく、ページ上部のボタンを押していることも考えられます。ヒートマップはアクセス解析からは気づけない、ユーザーのサイト内の動きから気づきを得られます。

 

気づきが得られれば、改善案も簡単に出すことができます。例えばページ上部の
グローバルナビを追尾することでクリック数を集約するほうが良いのではないでしょうか。

 

ヒートマップはサイト内のユーザーの動きがわかるとても便利なツールですが、注意も必要です。今回のように各講座ページが分かれてしまう場合はデータが集まりにくく、分析が困難です。

 

改善案

今回の約1時間弱の短い分析で以下の提案が出ました。

「ウェブ解析士とは」に「ウェブ解析士の学習内容と取得の流れ」のコンテンツを入れる。

 

現在のページはユーザーに様々な導線を設けてしまい、迷っている可能性がある。重複しているコンテンツをシンプルにわかりやすくするほうが望ましいのではないか。

また、現在のページは、下図の構成になっており、「ウェブ解析士とは」と「ウェブ解析士の学習内容と取得の流れ」の間にある中間ページがあることで、戻り率がなくなり
改善できると思います(見たい情報に辿り着くのに2クリック必要)。

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3ページの遷移を無くし、1ページ目で必要な情報を見られるようにする

 

そのようにすることで、ページ内の導線がスリムになり、目的のページへの途中での離脱が改善できるでしょう。

 

なお、今回提案した改善案はその場で江尻さんの応諾をもらい、改善をする予定とのことです。

 


まとめ

いきなりGAを触ったりエクセルでデータ整形をしてはいけない

分析をするときは、今回の流れのように実際の画面を見ながら、GAを見ながら仮説を立てて検証をしていきます。この段階ではメモ(下図)を書いていくだけで良くて、ここからレポートを作る時に、必要なデータをダウンロードして、エクセルで加工してグラフを作っていきます。

 

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最初の段階から資料作ったりいきなり、エクセルでピボットを組んでデータ出しをすると無駄な時間が発生してしまいます。最初にメモくらいのラフな状態で、大事なところは★マークをつけるなどしておくと効率よく分析できるのではないでしょうか。

 

お土産:私がよく使う15の分析

講座を受講した方には小川の方からサプライズ特典がありました。

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「私が使う15の分析方法」で、普段分析の中でよく使う分析方法を資料にまとめています。具体的な例をあげると、

  1. ユーザーエクスプローラーの分析
  2. 訪問とCVの訪問回数別分布
  3. 訪問回数別の行動分析
  4. 新規訪問者のコホート分析
  5. 購入回数別の行動分析

 

と、簡単にGAの数値を出して仮説を立てるのではなく、ひと手間工夫することでインサイトがわかる役立つものばかりです。


実際にTwitterの#小川のLIVE解析 でも反応は良かったです。

 

お土産のスライドが一番破壊力あるパターンか!(笑#小川のLIVE解析 pic.twitter.com/Mxrod8ovQ8

— 井水 大輔 😎ウェブ解析士マスター (@ImiDai) 2020年3月30日

 

 

普段、人の解析方法を見る機会がないのでとても貴重経験でした〜。お土産スライドありがたや。 #小川のLIVE解析

— littlepad (@litttlepad) 2020年3月30日

 

 

質問コーナー

300名近くの方が聴講し、質問は19個いただきました。今回は上位5つを紹介します。

Q1.トップページの分析について

始めにサイトを見るときは必ずトップから見たほうがいいのでしょうか?それともユーザーと同じように検索結果からサイトに入ってみた方がいいのでしょうか?最近はトップへのランディングも減ってきている気がします。

 

A1.ユーザーがトップページからやってくるならばトップページから見ています。トップページの分析する機会は多いです。また、GAでランディングページは必ず見ます。

トップページのユーザーの動きを基にコンテンツの追加などの提案をしています。ホットペッパーのように全国トップなどはユーザーがまず見ていないので、そのような場合は放っておいても良いです。

 

Q2.GA設計の設計が全くされていない場合の対処法

GAの設定がされていなくて、いわゆる「ただGAタグが入ってます状態」で、今回のようなケースでクライアントと一緒に画面を見ながら進めることになった場合、どのようにそのGAデータを扱いますか?まずは設定を整えましょう、となるのか、それはそれで取得できているデータを使いながら・・・で進めますか?

 

A2.GAが設定されていない場合は、よくあります。この時に「設定や設計の提案」と
「今できるところで分析」の2パターンがありますが、必ず両方やります。

 「今できるところで分析」を実施したあと、必ずアペンディックスに「設定や設計の提案」を入れます。「今回このような設定や設計をすると、今後このような改善や気づきが得られる」と改善提案もセットで提案しています。

Q3.定量分析と定性分析のバランス

今日は対面なのでサイトのユーザビリティ評価(分析)しながらアドバイスもされてますが、対面ではない分析(ウェブ解析)のときもユーザビリティに関するアドバイス事項を分析結果レポートに含めている形でしょうか? 


A3.定量・定性の改善案ですね。先にクライアントに改善案で定量以外の改善案が必要か確認します。そうすると、80%くらいの確率で定性の気づきも必要と言われます。

事前に説明しておくことで、後からの定量としての気づきがなくてもコミュニケーションを交えてカバーすることができます。

 

Q4.ランディングページの評価基準

ランディングページでどの程度の割合セッションがあれば、流入が発生していると前提で分析を進めますか?(数%程度であれば、無視するなど)  


A4.ランディングページであれば、まずはトップ3を見ます。ただしページが詳細ページなど同一テンプレートで複数に分割されている場合は、まとめて見ます。トップ3のページがどれくらい占有しているかで判断し、不足しているなら増やしていきます。

 

Q5.改善提案の優先順位

分析し終わって施策案の優先順位をつける際に、どのようにクライアントとコミュニケーションしていきますか?話の持っていき方や、よく使う殺し文句などあれば教えていただきたいです。


Q5.インパクト×難易度で改善優先順位を決めていきます。ウェブサイトのページの中では改善ができるページとできないページがあります。特に規模が大きいウェブサイトほどできないことが出てきます。

 

そのときに、あえて難易度が高いのを改善案に入れるようにしています。

やりたい改善案の難易度が高い場合は、それ以上高い改善案を入れるなどして相対的に低く見えるように工夫しています。また、プレゼンが終わったときに、次にどれやりますか?と改善をする前提のコミュニケーションをとります。「(提案した改善案を)やらない」を言わせない雰囲気作りも大事です。

 

 講座を受講しての感想

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今回の企画ではクライアントになるウェブ解析士協会の協力体制もありますが、データを見ながら、どんどん解析や改善に進んでいくあの心地よいテンポ感は一番理想なスピード感ではないでしょうか。

 

「解析の本質はコミュニケーション」と思っており、お互いを尊重しながら意思疎通ができているからこそあのスピードで心地よく仕事が進む秘訣を見れたと思ってます。

また、小川さんは終始「仮説検証」を貫いていたこと、このあたりは仮説が大事とはいえ、時々自分の仮説が不安になることがあります。小川さんは「仮説が外れることを想定した分析」を実施していました。


仮説検証は大事だけど、仮説が外れた時にどのようにリカバリーするのか。仮説を検証ではなく、仮説が外れていないかも検証するという言葉は眼から鱗でした。

たった1時間半のセミナーで10,000文字書いてしまいお恥ずかしいのですが、とても貴重な企画をしていただいた、ウェブ解析士協会と小川さんに感謝しています。第2回も期待しています!!



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