カジュアルファッションを販売しているANAPの2019年8月期決算における「インターネット販売事業」の売上高は、前期比4.9%減の35億500万円だった。同事業は2期連続で減収。セグメント利益は同51.8%減の2億1800万円。
店舗売上などを含めた全社売上高は62億6100万円。EC化率は60.0%。
ブランド価値を最大化するためプロモーションを強化したが、サイトの来訪客数が想定を下回ったことで減収減益だった。先行投資の費用が増加したことも減益の要因。
EC事業が苦戦している理由についてANAPは、ファッションECサイトの乱立やユーザーのサイト閲覧時間の短縮、リユース市場の急拡大といった環境変化によって、自社ECで展開してきた低価格・少ロット多品種の商品戦略が行き詰まり、サイトの訪問客数の減少につながっているとしている。
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ECでの客単価推移(画像はANAPの決算説明会資料から編集部がキャプチャ)
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訪問者数の推移(画像はANAPの決算説明会資料から編集部がキャプチャ)
ECアプリやメルマガ配信システムを刷新
2019年8月期は自社ECを強化するため、オンラインショップのアプリをリニューアルした。また、CRMを強化する目的でメルマガ配信システムを刷新。Web分析ツールも導入している。
ECモールや越境ECアプリへ新規出店することで販路も拡大した。2018年11月には「ADCモール(全日空海淘)」、2019年5月に「豌豆公主(ワンドウ)」、2019年6月に「Wowma!」(現auWowma!)に出店。外部サイトは2019年8月末時点で16サイトに出店しているという。
YouTube広告やInstagram広告を強化へ
今後はサイトへの訪問者数を増やすため、ネット通販ユーザーとの接点を拡大する。YouTubeを活用した広告や、Instagramのアプリ広告など、新規顧客獲得に効果が高いと判断した媒体に集中的に投資するという。
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検索や購入までの接点へ露出を強化(画像はANAPの決算説明会資料から編集部がキャプチャ)
組織改革を通じて業務効率化にも取り組む。現在、「店舗」「自社EC」「他社EC」のチャネル別で縦割りになっている組織を、1つの組織に集約することも検討している。
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組織改革に基づく業務効率化(画像はANAPの決算説明会資料から編集部がキャプチャ)
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オリジナル記事:2期連続減収ANAPのEC事業、苦戦の原因と再生に向けた立て直し策は?
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