丸井グループは5月14日、今後の差別化戦略として「デジタル・ネイティブ・ストアへの進化」に取り組むと発表した。
D2C(Direct to Consumer)やサブスクリプション型ビジネスなど、「デジタル・ネイティブ・ブランド」の出店を推進。店舗を主体としたこれまでのビジネスモデルから、デジタル主体の店舗運営への移行をめざす。
今後、D2Cやシェアリング、サブスクリプションビジネスなどを手がける「デジタル・ネイティブ・ブランド」の出店を強化するという。
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デジタル・ネイティブ・ストアへの進化の進捗(画像は丸井グループが公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャ)
現在はオーダースーツのD2Cブランド「FABRIC TOKYO」が新宿マルイや渋谷モディ、池袋マルイに出店しているほか、無料のECサイト構築プラットフォーム「BASE」のネットショップが渋谷マルイに出店している。
「FABRIC TOKYO」は商品をECで販売しているため、店舗では売り上げが立たない。丸井グループはECを前提とした事業者でも出店できるよう、定期借家契約を推進してきたことから、「FABRIC TOKYO」のビジネスモデルとマッチした。
また、ペンタブレットメーカー大手のワコムは、新宿アネックスに体験ストアを出店。丸井グループがストアの運営を受託し、店舗運営のノウハウがないワコムをサポートしているという。
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デジタル・ネイティブ・ストアへの進化について(画像は丸井グループが公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャ)
丸井グループは「デジタル・ネイティブ・ブランド」の共通点として次の3点をあげた。
- リアルとデジタルの主従が逆転したアフター・デジタルのビジネスである
- リアル店舗を顧客とのエンゲージメントの場として捉えている
- ネットから流入する顧客と比べて高い成約率、単価、継続率などを実現している
その上で、「デジタル・ネイティブ・ブランド」がより高いLTV(Life Time Value)を実現できる店舗や運営受託サービスを提供し、ハードルレートの引き上げをめざすとしている。
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デジタル・ネイティブ・ブランドの共通点など(画像は丸井グループが公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャ)
2019年3月期のEC売上高は5%増の242億円、4期連続で増収
丸井グループの2019年3月期におけるEC売上高は、前期比5%増の242億円だった。EC事業は4期連続で増収。年間EC売上高は4年で38億円増えた。
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丸井グループのEC売上高推移(画像は丸井グループが公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャ)
ECで注文した商品を丸井の店舗で受け取ったり、返品したりする「クリック&コレクト」の取り組みを推進した。「クリック&コレクト」の件数は同3.6倍に増加。配送コストを年間8000万円削減し、宅配料金の値上げによるコスト増加を抑制した。
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オリジナル記事:丸井グループの差別化策「デジタル・ネイティブ・ストアへの進化」とは?
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