先月、Web担当者Forumでこちらの記事が出まして、
「アメブロ商業利用解禁。SEOってどうなの? 相性の良いジャンルは? 検索で上がってくるのか聞いてみた。」
https://webtan.impress.co.jp/e/2019/04/18/32358
お前もガイドライン違反をしてたじゃないか!というご意見も頂きましたので、
なぜスパムに対する考え方が自分の中で変わったのか?ということを書いてみたいと思います。
なお、過去を正当化するつもりはありませんし、今自分がやっていることが100%正しいと言うつもりもないです。昔も今もずっと霧の中でSEOやっている感じなのは変わりません・・。。
私が過去どういうSEOをやっていたのか?どんなガイドライン違反をしたことがあるか?
は今回重要な論点ではないと思いますし、下手するとガイドライン違反行為を助長するようなことになり兼ねないので割愛します。
(オンラインでご質問頂いても回答はいたしかねますので、
どこかでお会いした際に直接聞いてください。。)
まあ、世の中の多くのSEO会社が表裏で行なっていたようなことです。まあ、リンクとかリンクとか・・。。
当時は今考えると信じられないくらいに高い効果が高確率で出ていました。
(一方で、私には現在もSEO業界で重鎮と言われる方々のように「ガイドライン違反なしで安定的に上位表示させる」という技術は持っていなかったとも言えるかもしれませんね。)
ガイドラインを守るようになったきっかけと理由
明確な時期は覚えていませんが、2010年後半か2011年くらいから所謂"ペナルティ"が発動するようになってきました。
Googleは「ペナルティ」ではなく、手動対策(マニュアルアクション)と呼んでいます。
この手動対策によってスパム行為をやっているサイトがランクダウンするようになりました。
それまでは、施策が無効化されることは多かれ少なかれありましたが、
この頃から、”むしろ下落する”という兆候も見られました。
直接的なきっかけはこの”ペナルティ"です。
もし、施策を行なっているSEO事業者側にペナルティが課せられるような状況であれば、
施策の方向性を変えなかったかもしれません。
また、そのときにインハウスのゴリゴリSEO担当者であったりアフィリエイターだったらそのまま続けたかもしれません。
お客様にSEOというものを提供しているという立場のSEOベンダーは、
当然SEOを通してお客様のビジネスを成功させることがミッションなわけです。
が、その時に行なっていたSEOは、
"お客様のビジネスを成功に導くかもしれないし、奈落の底に突き落とすものになるかもしれない"
という諸刃の剣に変化してしまったのです。
お客様に大きなリスクを背負わせてサービスを提供するという選択肢はありませんでした。
ガイドラインを守るようになったのは、正義感ではなくて、お客様にリスクを背負わせることはできなかったという理由が大きかったです。
今のスパムSEOをどう思うか
スパムSEOを提供しているSEO業者で、リスクを明確に説明しているところ、
要は、「超ハイリスク・ハイリターンです」「最悪ランク戻ってこないこともあるかもしれません」みたいなところまで説明して提供しているところには何も言う気は無いです。
ただ、明確にリスク説明をしているリンクSEO提供事業者を私は知りません。
「Googleの新アルゴリズムに対応したリンクです」「リスクが少ないリンク施策です」という"消防署のほうから来ました的消火器売り"のような売り方をしているところが多いようです。
(自分がやったことを正当化するように聞こえてしまうので、この表現はあまり使いたくないですが分かりやすいので言いますが)
「スパムをしてもリスクがなかった時代とは違って、今はスパムをしたらリスクが大きい」
のです。
そのスパムのリスクを説明し、責任をどう取るか明確化していないところは、お客様としっかり向き合っているとは言えないと思います。
ドーピングを選手(お客様)にさせておいて、「新ドーピング検査対応のドーピング薬です」「リスクのないドーピングです」と言ってるのと同じです。
私個人としては私がGoogleの人ではないので
"自分のサイトで(を)スパムする"ということに関しては自己責任なので、とやかく言うつもりはありません。
怒られるかもしれませんがGoogleさんが頑張れば良いと思います(笑
まあ、アメブロ上でスパムをされれば抗戦しますが・・・。
(もちろん、みんながルールを守っているほうが素敵だとは思いますけどね。)
令和にSEO事業者でSEOをしていく方へ
最近、「サイバーエージェントでSEOをしたい!」という
熱いメッセージをいただいた方を面接しました。
某SEO会社さんでSEOをやられている若い方でした。
とにかく熱意がありました。が・・
「やはりリンクは重要です。リンクサイトからリンクをたくさん張ることがSEOでは最重要です。
時々Search Consoleにペナルティのメッセージが来ますが、それはサイトのコンテンツが弱いときですね。
サイトのコンテンツさえしっかりしていれば、どんなリンクでも効果ありますから!
やはりContent is kingですね。」
と元気に話してくれました。
「洗脳」という言葉が頭をよぎって怖くなりました。正直・・・。
(我々がリンク施策を提供していたときはガイドラインには違反しているということは伝えていたので・・・)
これからSEO事業者でSEOをやっていきたい若いみなさんは、
https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja
ここと、ここからリンクされているページを読んでみてください。
そして、ガイドラインに反することはみなさんにではなく、
みなさんのお客様にリスクを背負わせることであるということ
お客様にリスクを背負わせるビジネスをしているということを覚えてください。
最後に
もともとガイドライン違反をしていた小物SEO屋が言うことなど信じられないかもしれませんので、
SEO業界のトップランナーの方々のTwitterやブログなど読み返して頂き、
スパムすると何が起こりそうか、改めて考えていただければ幸いです。
あと最後に、当時リンクスパムで高い効果を出していた会社ほど、
今はリンクSEOからは撤退しているということを付け加えさせていただければと思います。
こんな記事で禊になるとは思っていませんが、少しでもリスクを理解せずにスパムSEOで検索トラフィックを減らすサイトが減少すれば幸いです。
おまけ
2014年に行なった研究なのですが、
リンクスパムをしていないサイトとリンクスパムをしているサイトの周辺のリンクグラフを可視化したものです。
リンクスパムをしていると不自然なリンクネットワークの形になることが見てとれました。
当初はこういうリンクグラフを描いて、発リンクスパムをしているブログを撲滅できないか?と考えていました。
私たちでここまでできたので、Googleが本気を出せば・・・ってことですよね。
木村 賢 (@kimuyan)